JPH09149679A - インバータ装置 - Google Patents
インバータ装置Info
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- JPH09149679A JPH09149679A JP7301648A JP30164895A JPH09149679A JP H09149679 A JPH09149679 A JP H09149679A JP 7301648 A JP7301648 A JP 7301648A JP 30164895 A JP30164895 A JP 30164895A JP H09149679 A JPH09149679 A JP H09149679A
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- phase
- signal
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- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 最小限の位置センサで任意波形の電圧をブラ
シレスモータに供給することができるインバータ装置を
提供する。 【解決手段】 ブラシレスモータ8内にホールIC9
u,9v及び9wを配置して、マイクロコンピュータ3
0は、その位置センサ信号Hu,Hv及びHwに基づい
て位置センサの変化時間を測定するとロータの電気角及
び前記変化時間に対応するロータ位相差を演算し、時間
カウンタ30bのカウンタデータ及び電圧位相指令を読
出すと、これらの演算パラメータから電圧位相を演算に
より求める。そして、その電圧位相に対応する正弦波の
電圧率を読出して、その電圧率に応じてU,V及びW相
の信号波vau,vav及びvawを演算して駆動信号
回路32に出力し、駆動信号回路32は、信号波va
u,vav及びvawと搬送波との振幅レベルを比較す
ることにより駆動信号を形成して駆動回路13を介して
インバータ主回路7に出力する。
シレスモータに供給することができるインバータ装置を
提供する。 【解決手段】 ブラシレスモータ8内にホールIC9
u,9v及び9wを配置して、マイクロコンピュータ3
0は、その位置センサ信号Hu,Hv及びHwに基づい
て位置センサの変化時間を測定するとロータの電気角及
び前記変化時間に対応するロータ位相差を演算し、時間
カウンタ30bのカウンタデータ及び電圧位相指令を読
出すと、これらの演算パラメータから電圧位相を演算に
より求める。そして、その電圧位相に対応する正弦波の
電圧率を読出して、その電圧率に応じてU,V及びW相
の信号波vau,vav及びvawを演算して駆動信号
回路32に出力し、駆動信号回路32は、信号波va
u,vav及びvawと搬送波との振幅レベルを比較す
ることにより駆動信号を形成して駆動回路13を介して
インバータ主回路7に出力する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻線に任意の電圧
波形を印加することによりブラシレスモータを駆動する
インバータ装置に関する。
波形を印加することによりブラシレスモータを駆動する
インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコンなどのファンモータや電
気自動車の駆動用モータとしては、広範囲の可変速制御
や電力消費量の節約のために、また、洗濯機の洗濯用モ
ータとしては、洗浄能力の向上のためにブラシレスモー
タが採用されており、これをインバータ装置によって駆
動することが行われている。
気自動車の駆動用モータとしては、広範囲の可変速制御
や電力消費量の節約のために、また、洗濯機の洗濯用モ
ータとしては、洗浄能力の向上のためにブラシレスモー
タが採用されており、これをインバータ装置によって駆
動することが行われている。
【0003】ブラシレスモータの内部には、通常、位置
センサとして構成が簡単で最も安価であるホールIC
が、例えば電気角120度毎に配置されている。そし
て、インバータ装置は、これらのホールICによってロ
ータの回転位置に対応した信号を得て、ブラシレスモー
タの巻線に120度通電方式で電圧を印加して駆動する
ようになっている。
センサとして構成が簡単で最も安価であるホールIC
が、例えば電気角120度毎に配置されている。そし
て、インバータ装置は、これらのホールICによってロ
ータの回転位置に対応した信号を得て、ブラシレスモー
タの巻線に120度通電方式で電圧を印加して駆動する
ようになっている。
【0004】図20は、このようなインバータ装置の第
1の従来例を示すものである。電気的構成を示す図20
において、交流電源1の両端子は、一方にリアクトル2
を介して全波整流回路3の交流入力端子に接続されてい
る。全波整流回路3の直流出力端子間には、平滑用コン
デンサ4が接続されており、以上が直流電源回路5を構
成している。そして、直流電源回路5の出力端子は、直
流母線6a,6bを介してインバータ主回路7の入力端
子に接続されている。そのインバータ主回路7は、3相
ブリッジ接続されたトランジスタT1乃至T6と、各ト
ランジスタT1乃至T6に夫々接続されるフライホイー
ルダイオードD1乃至D6とから構成されている。そし
て、インバータ主回路7の出力端子7u,7v,7w
は、3相のブラシレスモータ8の各相巻線8u,8v,
8wに接続されている。
1の従来例を示すものである。電気的構成を示す図20
において、交流電源1の両端子は、一方にリアクトル2
を介して全波整流回路3の交流入力端子に接続されてい
る。全波整流回路3の直流出力端子間には、平滑用コン
デンサ4が接続されており、以上が直流電源回路5を構
成している。そして、直流電源回路5の出力端子は、直
流母線6a,6bを介してインバータ主回路7の入力端
子に接続されている。そのインバータ主回路7は、3相
ブリッジ接続されたトランジスタT1乃至T6と、各ト
ランジスタT1乃至T6に夫々接続されるフライホイー
ルダイオードD1乃至D6とから構成されている。そし
て、インバータ主回路7の出力端子7u,7v,7w
は、3相のブラシレスモータ8の各相巻線8u,8v,
8wに接続されている。
【0005】ブラシレスモータ(以下、単にモータと称
す)8には、位置センサとしてのホールIC9即ち9
u,9v,9wが電気角で120度毎に配置されてお
り、夫々の出力端子は、論理回路10の入力端子に接続
されている。PWMのデューティを決定するための電圧
指令信号Daが入力されるPWM回路11は、PWM信
号PaをAND回路12即ち12u,12v,12wの
一方の入力端子に与えるようになっている。また、論理
回路10の出力端子10up,10vp,10wpは、
AND回路12u,12v,12wのもう一方の入力端
子に夫々接続されている。
す)8には、位置センサとしてのホールIC9即ち9
u,9v,9wが電気角で120度毎に配置されてお
り、夫々の出力端子は、論理回路10の入力端子に接続
されている。PWMのデューティを決定するための電圧
指令信号Daが入力されるPWM回路11は、PWM信
号PaをAND回路12即ち12u,12v,12wの
一方の入力端子に与えるようになっている。また、論理
回路10の出力端子10up,10vp,10wpは、
AND回路12u,12v,12wのもう一方の入力端
子に夫々接続されている。
【0006】AND回路12u,12v,12wの出力
端子は、例えばフォトカプラからなる駆動回路13即ち
13up,13vp,13wpの入力端子に夫々接続さ
れており、駆動信号Dup,Dvp,Dwpを夫々与え
るようになっている。論理回路10の出力端子10u
n,10vn,10wnは,駆動回路13un,13v
n,13wnの入力端子に夫々接続されており、駆動信
号Dun,Dvn,Dwnを夫々与えるようになってい
る。そして、駆動回路13up乃至13wp及び13u
n乃至13wnの出力端子は、トランジスタT1乃至T
3及びトランジスタT4乃至T6のベース及びエミッタ
に夫々接続されている。以上がインバータ装置14を構
成している。
端子は、例えばフォトカプラからなる駆動回路13即ち
13up,13vp,13wpの入力端子に夫々接続さ
れており、駆動信号Dup,Dvp,Dwpを夫々与え
るようになっている。論理回路10の出力端子10u
n,10vn,10wnは,駆動回路13un,13v
n,13wnの入力端子に夫々接続されており、駆動信
号Dun,Dvn,Dwnを夫々与えるようになってい
る。そして、駆動回路13up乃至13wp及び13u
n乃至13wnの出力端子は、トランジスタT1乃至T
3及びトランジスタT4乃至T6のベース及びエミッタ
に夫々接続されている。以上がインバータ装置14を構
成している。
【0007】次に、図21を参照して従来例の作用を説
明する。ここで、モータ8の各相巻線8u,8v,8w
に発生する誘起電圧vmu,vmv,vmw((a)参
照)のうちU相の誘起電圧vmuを基準とした電気角に
よって、永久磁石形のロータ(図示せず)の回転位置を
示すものとする。
明する。ここで、モータ8の各相巻線8u,8v,8w
に発生する誘起電圧vmu,vmv,vmw((a)参
照)のうちU相の誘起電圧vmuを基準とした電気角に
よって、永久磁石形のロータ(図示せず)の回転位置を
示すものとする。
【0008】モータ8内に設けられたホールIC9u,
9v,9wは夫々の対応するU,V,W相の誘起電圧v
mu,vmv,vmwに対して電気角30度遅れの関係
の出力信号Hu,Hv,Hw((b)参照)を発生する
ように配置されている。論理回路10は、例えば、以下
に示す論理演算を行って、出力端子10up,10u
n,10vp,10vn,10wp,10wnに夫々信
号D´up,D´un,D´vp,D´vn,D´w
p,D´wnを出力する。 D´up=(Hu)and{not(Hv)} D´un={not(Hu)}and(Hv) D´vp=(Hv)and{not(Hw)} …(1) D´vn={not(Hv)}and(Hw) D´wp=(Hw)and{not(Hu)} D´wn={not(Hw)}and(Hu)
9v,9wは夫々の対応するU,V,W相の誘起電圧v
mu,vmv,vmwに対して電気角30度遅れの関係
の出力信号Hu,Hv,Hw((b)参照)を発生する
ように配置されている。論理回路10は、例えば、以下
に示す論理演算を行って、出力端子10up,10u
n,10vp,10vn,10wp,10wnに夫々信
号D´up,D´un,D´vp,D´vn,D´w
p,D´wnを出力する。 D´up=(Hu)and{not(Hv)} D´un={not(Hu)}and(Hv) D´vp=(Hv)and{not(Hw)} …(1) D´vn={not(Hv)}and(Hw) D´wp=(Hw)and{not(Hu)} D´wn={not(Hw)}and(Hu)
【0009】PWM回路11は、例えば図22に示すよ
うに、PWM制御の搬送波Pzとして三角波を形成する
例えばアップダウンカウンタからなる三角波発生器11
aと、外部より速度制御信号として与えられる電圧指令
信号Da(図23(a)参照)をラッチするラッチ回路
11bと、ラッチ回路11bの出力信号であるラッチ信
号Dbと搬送波Pzとをデジタル比較する比較回路11
cとから構成されている。三角波発生器11aは、クロ
ック信号に従ってカウント値「0」から一定値までアッ
プカウントした後、また「0」までダウンカウントする
動作を繰返すことにより、デジタルな三角波の搬送波P
zを発生させるものである。そして、図22(b)及び
(c)に示すように、比較回路11cは、ラッチ信号D
bのレベルが搬送波Pzのレベルよりも大であれば出力
がハイレベルとなるように構成されており、以て、PW
M信号Paを形成するようになっている。
うに、PWM制御の搬送波Pzとして三角波を形成する
例えばアップダウンカウンタからなる三角波発生器11
aと、外部より速度制御信号として与えられる電圧指令
信号Da(図23(a)参照)をラッチするラッチ回路
11bと、ラッチ回路11bの出力信号であるラッチ信
号Dbと搬送波Pzとをデジタル比較する比較回路11
cとから構成されている。三角波発生器11aは、クロ
ック信号に従ってカウント値「0」から一定値までアッ
プカウントした後、また「0」までダウンカウントする
動作を繰返すことにより、デジタルな三角波の搬送波P
zを発生させるものである。そして、図22(b)及び
(c)に示すように、比較回路11cは、ラッチ信号D
bのレベルが搬送波Pzのレベルよりも大であれば出力
がハイレベルとなるように構成されており、以て、PW
M信号Paを形成するようになっている。
【0010】論理回路10の出力信号D´up,D´u
n,D´vp,D´vn,D´wp,D´wn(図21
(c)参照)とPWM信号Pa(図21(d)参照)と
の論理和によって、駆動信号Dup,Dun,Dvp,
Dvn,Dwp,Dwn(図21(e)参照)が形成さ
れ、これらの駆動信号によりインバータ主回路7のトラ
ンジスタT1乃至T6がオンオフ制御される。
n,D´vp,D´vn,D´wp,D´wn(図21
(c)参照)とPWM信号Pa(図21(d)参照)と
の論理和によって、駆動信号Dup,Dun,Dvp,
Dvn,Dwp,Dwn(図21(e)参照)が形成さ
れ、これらの駆動信号によりインバータ主回路7のトラ
ンジスタT1乃至T6がオンオフ制御される。
【0011】以て、インバータ装置14は、モータ8の
ロータ位置に対応した電圧を各相の巻線8u,8v,8
cに供給し、電圧指令信号Daに対応したPWM制御に
よって、各相の巻線8u乃至8cに供給する電圧の大き
さを変化させて、モータ8の回転数を制御するようにな
っている。
ロータ位置に対応した電圧を各相の巻線8u,8v,8
cに供給し、電圧指令信号Daに対応したPWM制御に
よって、各相の巻線8u乃至8cに供給する電圧の大き
さを変化させて、モータ8の回転数を制御するようにな
っている。
【0012】以上のように、120度通電の電圧でモー
タ8を制御した場合のモータ発生トルク波形の一例を図
24に示している。モータ発生トルクTqは、(2)式
の近似式により求められる。ここで、モータ8の各相の
電流を夫々iu,iv,iw、回転数をNとしている。
図24では、PWM制御していない端子電圧波形vu
と、誘起電圧波形vmuと、巻線電流波形iuと、1相
分のトルク波形としての(vmu×iu)と、3相分の
総合トルク波形としての(vmu×iu+vmv×iv
+vmw×iw)とを、シミュレーション結果により示
している。 Tq=(vmu×iu+vmv×iv+vmw×iw) /(2×π×N/60) …(2)
タ8を制御した場合のモータ発生トルク波形の一例を図
24に示している。モータ発生トルクTqは、(2)式
の近似式により求められる。ここで、モータ8の各相の
電流を夫々iu,iv,iw、回転数をNとしている。
図24では、PWM制御していない端子電圧波形vu
と、誘起電圧波形vmuと、巻線電流波形iuと、1相
分のトルク波形としての(vmu×iu)と、3相分の
総合トルク波形としての(vmu×iu+vmv×iv
+vmw×iw)とを、シミュレーション結果により示
している。 Tq=(vmu×iu+vmv×iv+vmw×iw) /(2×π×N/60) …(2)
【0013】図24に示すように、巻線8u乃至8cに
電流が流れない期間があり、ロータの図示しない永久磁
石が発生する磁束が最大限有効に利用されていない。ま
た、電圧の切替え、即ち、転流時には、これに伴うトル
ク変動がモータ8に生じている。
電流が流れない期間があり、ロータの図示しない永久磁
石が発生する磁束が最大限有効に利用されていない。ま
た、電圧の切替え、即ち、転流時には、これに伴うトル
ク変動がモータ8に生じている。
【0014】エアコンや洗濯機などの家庭電気製品や電
気自動車などの分野においては、消費電力の低減や振動
の低減が要求されており、効率向上やトルク変動低減に
効果のある、例えば正弦波などの電圧波形をモータに供
給できるインバータ装置が望まれている。
気自動車などの分野においては、消費電力の低減や振動
の低減が要求されており、効率向上やトルク変動低減に
効果のある、例えば正弦波などの電圧波形をモータに供
給できるインバータ装置が望まれている。
【0015】この様に、任意波形の電圧をロータの回転
位置に対応してモータ巻線に供給する方法として、図2
5に示すようなインバータ装置がある。第2の従来例を
示す図25においては、モータ8の図示しない回転軸に
分解能の高いエンコーダ15を設けてあると共に、イン
バータ主回路7の出力端子7u,7v,7wと、モータ
8の巻線8u,8v,8wとの間には、電流検出器16
u,16v,16wが夫々設けられている。エンコーダ
15の出力端子は、ロータ位相カウンタ17の入力端子
に接続されており、ロータ位相カウンタ17の出力端子
は、電流指令発生回路18の入力端子に接続されてい
る。
位置に対応してモータ巻線に供給する方法として、図2
5に示すようなインバータ装置がある。第2の従来例を
示す図25においては、モータ8の図示しない回転軸に
分解能の高いエンコーダ15を設けてあると共に、イン
バータ主回路7の出力端子7u,7v,7wと、モータ
8の巻線8u,8v,8wとの間には、電流検出器16
u,16v,16wが夫々設けられている。エンコーダ
15の出力端子は、ロータ位相カウンタ17の入力端子
に接続されており、ロータ位相カウンタ17の出力端子
は、電流指令発生回路18の入力端子に接続されてい
る。
【0016】比較回路19u,19v,19wの各2つ
の入力端子には、電流指令発生回路18の各相に応じた
出力端子及び電流検出器16u,16v,16wの出力
端子が夫々接続されている。そして、比較回路20u,
20v,20wの各2つの入力端子には、比較回路19
u,19v,19wの出力端子及び三角波発生器21の
出力端子が夫々接続されており、比較回路20u,20
v,20wの出力端子は、駆動回路13の入力端子に接
続されている。その他は第1の従来例と同様であり、以
上がインバータ装置22を構成している。
の入力端子には、電流指令発生回路18の各相に応じた
出力端子及び電流検出器16u,16v,16wの出力
端子が夫々接続されている。そして、比較回路20u,
20v,20wの各2つの入力端子には、比較回路19
u,19v,19wの出力端子及び三角波発生器21の
出力端子が夫々接続されており、比較回路20u,20
v,20wの出力端子は、駆動回路13の入力端子に接
続されている。その他は第1の従来例と同様であり、以
上がインバータ装置22を構成している。
【0017】図26に示すように、エンコーダ15は、
モータ8が回転すると、回転角度の例えば15度毎にパ
ルス信号を出力し((b)参照)、ロータ位相カウンタ
17は、そのパルス信号をカウントすることにより、ロ
ータの位相Peを0〜360度の範囲で循環的に示す
((c)参照)。電流指令発生回路18は、ロータ位相
カウンタ17が示すロータの位相に応じて、電流指令デ
ータの電流パターンを内部のROMから読出すと、D/
A変換して電流指令ieu,iev,iewを出力する
((d)参照)。
モータ8が回転すると、回転角度の例えば15度毎にパ
ルス信号を出力し((b)参照)、ロータ位相カウンタ
17は、そのパルス信号をカウントすることにより、ロ
ータの位相Peを0〜360度の範囲で循環的に示す
((c)参照)。電流指令発生回路18は、ロータ位相
カウンタ17が示すロータの位相に応じて、電流指令デ
ータの電流パターンを内部のROMから読出すと、D/
A変換して電流指令ieu,iev,iewを出力する
((d)参照)。
【0018】比較回路19u,19v,19wは、その
電流指令ieu,iev,iewと、電流検出器16u,16
v,16wの出力信号とを比較して、比較回路20u,
20v,20wに電圧指令veu,vev,vewを出力する
((e)参照)。そして、比較回路20u,20v,2
0wは、電圧指令veu,vev,vew及び搬送波Pzのレ
ベルを比較することにより、駆動信号を駆動回路13に
出力する。このようにして、予めROMに記憶された電
流パターンを読出して、電気角数度単位でモータ8に供
給する電流をフィードバック制御するものである。
電流指令ieu,iev,iewと、電流検出器16u,16
v,16wの出力信号とを比較して、比較回路20u,
20v,20wに電圧指令veu,vev,vewを出力する
((e)参照)。そして、比較回路20u,20v,2
0wは、電圧指令veu,vev,vew及び搬送波Pzのレ
ベルを比較することにより、駆動信号を駆動回路13に
出力する。このようにして、予めROMに記憶された電
流パターンを読出して、電気角数度単位でモータ8に供
給する電流をフィードバック制御するものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インバ
ータ装置22に用いられる分解能の高いエンコーダ15
は高価であるため、製品のコストが大幅に上昇してしま
う。また、エンコーダ15を取付けるには、製品寸法の
制約もあり、家電製品など低コスト及び小形化を要求さ
れる製品分野においては、インバータ装置22のような
構成を導入することは出来なかった。
ータ装置22に用いられる分解能の高いエンコーダ15
は高価であるため、製品のコストが大幅に上昇してしま
う。また、エンコーダ15を取付けるには、製品寸法の
制約もあり、家電製品など低コスト及び小形化を要求さ
れる製品分野においては、インバータ装置22のような
構成を導入することは出来なかった。
【0020】本発明は上記事情を鑑みて成されたもので
あり、その目的は、最小限の位置センサで任意波形の電
圧をブラシレスモータに供給することができるインバー
タ装置を提供することにある。
あり、その目的は、最小限の位置センサで任意波形の電
圧をブラシレスモータに供給することができるインバー
タ装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のインバータ装置は、ブラシレスモー
タの複数の巻線に発生する誘起電圧と一定の位相関係を
もち且つロータの基準位置からの回転位置たる電圧位相
を示す複数の位置センサ信号に基づいて複数の巻線に通
電するインバータ装置において、複数の位置センサ信号
が変化した時間を測定する位置センサ信号変化時間測定
手段と、この位置センサ信号変化時間測定手段によって
測定された変化時間より、前記複数の位置センサ信号の
変化に対応する誘起電圧の電気角データと前記変化時間
に対応したロータ位相差データとを演算により求めるデ
ータ演算手段と、複数の位置センサ信号と変化時間と前
記データ演算手段から読出した電気角データ及びロータ
位相差データとに基づいて、変化時間に対応する電気角
よりも高い分解能を有する電圧位相を決定する電圧位相
決定手段と、電圧位相決定手段によって決定された電圧
位相に対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、こ
の電圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号波
を形成する信号波形成手段と、PWM制御を行うための
搬送波を出力する搬送波出力手段を有し、信号波と搬送
波との振幅レベルを比較することによって駆動信号を形
成する駆動信号形成手段と、この駆動信号形成手段から
の駆動信号に基づいて複数の巻線に通電する駆動手段と
を具備したことを特徴とする。
め、請求項1記載のインバータ装置は、ブラシレスモー
タの複数の巻線に発生する誘起電圧と一定の位相関係を
もち且つロータの基準位置からの回転位置たる電圧位相
を示す複数の位置センサ信号に基づいて複数の巻線に通
電するインバータ装置において、複数の位置センサ信号
が変化した時間を測定する位置センサ信号変化時間測定
手段と、この位置センサ信号変化時間測定手段によって
測定された変化時間より、前記複数の位置センサ信号の
変化に対応する誘起電圧の電気角データと前記変化時間
に対応したロータ位相差データとを演算により求めるデ
ータ演算手段と、複数の位置センサ信号と変化時間と前
記データ演算手段から読出した電気角データ及びロータ
位相差データとに基づいて、変化時間に対応する電気角
よりも高い分解能を有する電圧位相を決定する電圧位相
決定手段と、電圧位相決定手段によって決定された電圧
位相に対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、こ
の電圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号波
を形成する信号波形成手段と、PWM制御を行うための
搬送波を出力する搬送波出力手段を有し、信号波と搬送
波との振幅レベルを比較することによって駆動信号を形
成する駆動信号形成手段と、この駆動信号形成手段から
の駆動信号に基づいて複数の巻線に通電する駆動手段と
を具備したことを特徴とする。
【0022】この場合、電圧位相決定手段は、位置セン
サ信号変化時間測定手段が測定した変化時間と、変化時
間に対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化時
刻と、前記変化時刻に対応するロータ位相と、予め定め
られた電圧位相指令とを演算パラメータとして記憶する
パラメータ記憶手段を有し、ある時刻における電圧位相
を、前記演算パラメータに基づいて演算により決定する
構成としても良い(請求項2)。
サ信号変化時間測定手段が測定した変化時間と、変化時
間に対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化時
刻と、前記変化時刻に対応するロータ位相と、予め定め
られた電圧位相指令とを演算パラメータとして記憶する
パラメータ記憶手段を有し、ある時刻における電圧位相
を、前記演算パラメータに基づいて演算により決定する
構成としても良い(請求項2)。
【0023】また、変化時間をTs,ロータ位相差をP
s,変化時刻をTx,ロータ位相をPx,電圧位相指令
をPrとした場合、電圧位相を決定する時刻Tnにおけ
る電圧位相Pnを、 Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts のように演算するのが好ましい(請求項3)。
s,変化時刻をTx,ロータ位相をPx,電圧位相指令
をPrとした場合、電圧位相を決定する時刻Tnにおけ
る電圧位相Pnを、 Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts のように演算するのが好ましい(請求項3)。
【0024】請求項4記載のインバータ装置は、ブラシ
レスモータの複数の巻線に発生する誘起電圧と一定の位
相関係をもち且つロータの基準位置からの回転位置たる
電圧位相を示す複数の位置センサ信号に基づいて複数の
巻線に通電するインバータ装置において、巻線に流れる
電流の誘起電圧に対する位相差即ち電圧電流位相差を検
出する電流位相差検出手段と、複数の位置センサ信号が
変化した時間を測定する位置センサ信号変化時間測定手
段と、この位置センサ信号変化時間測定手段によって測
定された変化時間より、複数の位置センサ信号の変化に
対応する誘起電圧の電気角データと変化時間に対応した
ロータ位相差データとを演算により求めるデータ演算手
段と、電圧電流位相差と位置センサ信号と変化時間とデ
ータ演算手段から読出した電気角データ及びロータ位相
差データとに基づいて、変化時間に対応する電気角より
も高い分解能を有する電圧位相を決定する電圧位相決定
手段と、この電圧位相決定手段によって決定された電圧
位相に対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、こ
の電圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号波
を形成する信号波形成手段と、PWM制御を行うための
搬送波を出力する搬送波出力手段を有し、信号波と搬送
波との振幅レベルを比較することによって駆動信号を形
成する駆動信号形成手段と、この駆動信号形成手段から
の駆動信号に基づいて複数巻線に通電する駆動手段とを
具備したことを特徴とする。
レスモータの複数の巻線に発生する誘起電圧と一定の位
相関係をもち且つロータの基準位置からの回転位置たる
電圧位相を示す複数の位置センサ信号に基づいて複数の
巻線に通電するインバータ装置において、巻線に流れる
電流の誘起電圧に対する位相差即ち電圧電流位相差を検
出する電流位相差検出手段と、複数の位置センサ信号が
変化した時間を測定する位置センサ信号変化時間測定手
段と、この位置センサ信号変化時間測定手段によって測
定された変化時間より、複数の位置センサ信号の変化に
対応する誘起電圧の電気角データと変化時間に対応した
ロータ位相差データとを演算により求めるデータ演算手
段と、電圧電流位相差と位置センサ信号と変化時間とデ
ータ演算手段から読出した電気角データ及びロータ位相
差データとに基づいて、変化時間に対応する電気角より
も高い分解能を有する電圧位相を決定する電圧位相決定
手段と、この電圧位相決定手段によって決定された電圧
位相に対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、こ
の電圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号波
を形成する信号波形成手段と、PWM制御を行うための
搬送波を出力する搬送波出力手段を有し、信号波と搬送
波との振幅レベルを比較することによって駆動信号を形
成する駆動信号形成手段と、この駆動信号形成手段から
の駆動信号に基づいて複数巻線に通電する駆動手段とを
具備したことを特徴とする。
【0025】この場合、電圧位相決定手段は、位置セン
サ信号変化時間測定手段が測定した変化時間と、変化時
間に対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化時
刻と、変化時刻に対応するロータ位相と、電流位相差検
出手段が検出する電圧電流位相差とを演算パラメータと
して記憶するパラメータ記憶手段を有し、ある時刻にお
ける電圧位相を、演算パラメータに基づいて演算により
決定する構成としても良い(請求項5)。
サ信号変化時間測定手段が測定した変化時間と、変化時
間に対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化時
刻と、変化時刻に対応するロータ位相と、電流位相差検
出手段が検出する電圧電流位相差とを演算パラメータと
して記憶するパラメータ記憶手段を有し、ある時刻にお
ける電圧位相を、演算パラメータに基づいて演算により
決定する構成としても良い(請求項5)。
【0026】また、変化時間をTs,ロータ位相差をP
s,変化時刻をTx,ロータ位相をPx,電圧電流位相
差をPjとした場合、電圧位相を決定する時刻Tnにお
ける電圧位相Pnは、 Pn=Px+Pj+Ps×(Tn−Tx)/Ts のように演算するのが好ましい(請求項6)。以上の場
合において、電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に対
応した電圧率を、正弦波に応じた電圧率とするのが好適
である(請求項7)。
s,変化時刻をTx,ロータ位相をPx,電圧電流位相
差をPjとした場合、電圧位相を決定する時刻Tnにお
ける電圧位相Pnは、 Pn=Px+Pj+Ps×(Tn−Tx)/Ts のように演算するのが好ましい(請求項6)。以上の場
合において、電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に対
応した電圧率を、正弦波に応じた電圧率とするのが好適
である(請求項7)。
【0027】また、データ演算手段は、ブラシレスモー
タの回転状態が安定したか否かを判断する回転安定判断
手段を有し、この回転安定判断手段によって安定したと
判断された場合にのみ電気角データ及びロータ位相差デ
ータを演算するのが好ましい(請求項8)。
タの回転状態が安定したか否かを判断する回転安定判断
手段を有し、この回転安定判断手段によって安定したと
判断された場合にのみ電気角データ及びロータ位相差デ
ータを演算するのが好ましい(請求項8)。
【0028】更に、回転安定判断手段にブラシレスモー
タの回転周期時間を検出する周期時間検出手段を備え、
この回転周期時間検出手段が検出する前記回転周期時間
の変化量が所定範囲内である場合に安定したと判断する
構成にすると良い(請求項9)。
タの回転周期時間を検出する周期時間検出手段を備え、
この回転周期時間検出手段が検出する前記回転周期時間
の変化量が所定範囲内である場合に安定したと判断する
構成にすると良い(請求項9)。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1乃至図15を参照して説明する。尚、図1にお
いては、図20と同一部分には同一符号を付して説明を
省略し、以下異なる部分のみ説明する。電気的構成を示
す図1において、ブラシレスモータ(以下、単にモータ
と称す)8内に配置されたホールIC9u,9v,9w
の出力端子は、マイクロコンピュータ(以下、マイコン
と称す)30の入力端子及び割込み信号発生回路31の
入力端子に接続されている。
て、図1乃至図15を参照して説明する。尚、図1にお
いては、図20と同一部分には同一符号を付して説明を
省略し、以下異なる部分のみ説明する。電気的構成を示
す図1において、ブラシレスモータ(以下、単にモータ
と称す)8内に配置されたホールIC9u,9v,9w
の出力端子は、マイクロコンピュータ(以下、マイコン
と称す)30の入力端子及び割込み信号発生回路31の
入力端子に接続されている。
【0030】割込み信号発生回路31は、図2に示すよ
うに、NOTゲート31a乃至31c,ANDゲート3
1d乃至31f及びORゲート31gによって構成され
ており、ホールIC9u,9v,9wの出力信号Hu,
Hv,Hwの内の何れか一つが立上ると立上り、何れか
一つが立下ると立下る信号Shを出力するようになって
いる。そして、割込み信号発生回路31の出力端子は、
マイコン30の割込み信号入力端子に接続されており、
出力信号Shを割込み信号として与えるようになってい
る。尚、マイコン30は、割込み信号の立上りエッジ及
び立下りエッジの両方で割込みを認識するようになって
いる。
うに、NOTゲート31a乃至31c,ANDゲート3
1d乃至31f及びORゲート31gによって構成され
ており、ホールIC9u,9v,9wの出力信号Hu,
Hv,Hwの内の何れか一つが立上ると立上り、何れか
一つが立下ると立下る信号Shを出力するようになって
いる。そして、割込み信号発生回路31の出力端子は、
マイコン30の割込み信号入力端子に接続されており、
出力信号Shを割込み信号として与えるようになってい
る。尚、マイコン30は、割込み信号の立上りエッジ及
び立下りエッジの両方で割込みを認識するようになって
いる。
【0031】また、マイコン30の入力端子には、外部
から電圧指令信号Daが与えられるようになっている。
更に、マイコン30は、その内部に有しているROM3
0a(電圧率記憶手段,パラメータ記憶手段)に、図3
に示すように、電気角0〜359度に対応した正弦波の
一周期の電圧率データDuを記憶している。その電圧率
データDuの値は、例えば、「−127」〜「127」
とする。加えて、マイコン30の内部には、例えば1μ
s単位で「0」から「999999」までのカウントを
繰返す時間カウンタ30bが内蔵されていると共に、作
業領域としてパラメータ記憶手段たるRAM30cをも
内蔵している。
から電圧指令信号Daが与えられるようになっている。
更に、マイコン30は、その内部に有しているROM3
0a(電圧率記憶手段,パラメータ記憶手段)に、図3
に示すように、電気角0〜359度に対応した正弦波の
一周期の電圧率データDuを記憶している。その電圧率
データDuの値は、例えば、「−127」〜「127」
とする。加えて、マイコン30の内部には、例えば1μ
s単位で「0」から「999999」までのカウントを
繰返す時間カウンタ30bが内蔵されていると共に、作
業領域としてパラメータ記憶手段たるRAM30cをも
内蔵している。
【0032】駆動信号回路(駆動信号形成手段)32
は、搬送波Pzとして三角波を形成する例えば8ビット
のアップダウンカウンタ32aと、マイコン30から得
られる各相の信号波に対応するデータvau,vav,
vawをラッチするラッチ回路32Lu,32Lv,3
2Lwと、搬送波Pzとラッチ出力を比較する比較器3
2u,32v,32wとから構成されている。
は、搬送波Pzとして三角波を形成する例えば8ビット
のアップダウンカウンタ32aと、マイコン30から得
られる各相の信号波に対応するデータvau,vav,
vawをラッチするラッチ回路32Lu,32Lv,3
2Lwと、搬送波Pzとラッチ出力を比較する比較器3
2u,32v,32wとから構成されている。
【0033】駆動信号回路32の割込み信号出力端子
は、マイコン30の割込み信号入力端子に接続されてお
り、割込み信号Spを与えるようになっている。アップ
ダウンカウンタ32aは、カウント値「0」からアップ
カウントを開始して、カウント値が「255」に達する
と、そこからダウンカウントに切替るという動作を繰返
すことにより、図8(d)に示すようにデジタルな三角
波の搬送波Pzを出力するものである。そして、割込み
信号Spは、アップダウンカウンタ32aのカウント値
が「0」になるとハイレベルとなり、カウント値が「2
55」に達するとローレベルとなる矩形波状の信号であ
る。而して、駆動信号回路32の6つの駆動信号出力端
子は、選択手段たる選択回路33の入力端子に夫々接続
されており、駆動信号Dup,Dun,Dvp,Dv
n,Dwp,Dwnを夫々与えるようになっている。
は、マイコン30の割込み信号入力端子に接続されてお
り、割込み信号Spを与えるようになっている。アップ
ダウンカウンタ32aは、カウント値「0」からアップ
カウントを開始して、カウント値が「255」に達する
と、そこからダウンカウントに切替るという動作を繰返
すことにより、図8(d)に示すようにデジタルな三角
波の搬送波Pzを出力するものである。そして、割込み
信号Spは、アップダウンカウンタ32aのカウント値
が「0」になるとハイレベルとなり、カウント値が「2
55」に達するとローレベルとなる矩形波状の信号であ
る。而して、駆動信号回路32の6つの駆動信号出力端
子は、選択手段たる選択回路33の入力端子に夫々接続
されており、駆動信号Dup,Dun,Dvp,Dv
n,Dwp,Dwnを夫々与えるようになっている。
【0034】初期駆動信号回路34は、図20において
第1の従来例として示した論理回路10,PWM回路1
1及びAND回路12から構成されており、第1の従来
例と同様に、PWM制御された120度通電の駆動信号
を形成するものである。そして、初期駆動信号回路34
の6つの駆動信号出力端子は、選択回路33の入力端子
に夫々接続されている。
第1の従来例として示した論理回路10,PWM回路1
1及びAND回路12から構成されており、第1の従来
例と同様に、PWM制御された120度通電の駆動信号
を形成するものである。そして、初期駆動信号回路34
の6つの駆動信号出力端子は、選択回路33の入力端子
に夫々接続されている。
【0035】また、マイコン30の2つの選択信号出力
端子は、選択回路33の2つの入力端子に夫々接続され
ており、マイコン30は、選択信号Se1及びSe2を
選択回路33に与えるようになっている。そして、選択
回路33は、駆動信号回路32により形成された駆動信
号と初期駆動信号回路34により形成された初期駆動信
号とのどちらか一方を、与えられる選択信号Se1及び
Se2のレベルに応じて選択して(図4参照)、駆動回
路13に供給するものである。以上がインバータ装置3
5を構成している。
端子は、選択回路33の2つの入力端子に夫々接続され
ており、マイコン30は、選択信号Se1及びSe2を
選択回路33に与えるようになっている。そして、選択
回路33は、駆動信号回路32により形成された駆動信
号と初期駆動信号回路34により形成された初期駆動信
号とのどちらか一方を、与えられる選択信号Se1及び
Se2のレベルに応じて選択して(図4参照)、駆動回
路13に供給するものである。以上がインバータ装置3
5を構成している。
【0036】次に、本実施例の作用について、図5乃至
図8及び図14をも参照して説明する。モータ8の始動
時におけるマイコン30の制御内容のフローチャートを
示す図5において、このフローチャートはメインループ
であり、例えば20m秒周期で処理が行われている。ま
ず、「始動条件?」の判断ステップD1において、マイ
コン30は、図示しないスタート信号が外部より与えら
れる入力端子を参照して、始動条件が成立しているか否
かを判定する。判断ステップD1において「NO」と判
断すると、「Se1=L,Se2=L」の処理ステップ
D2に移行して、選択信号Se1及びSe2を共にロー
レベル(L)にする。この場合は、駆動回路13に駆動
信号は供給されない。
図8及び図14をも参照して説明する。モータ8の始動
時におけるマイコン30の制御内容のフローチャートを
示す図5において、このフローチャートはメインループ
であり、例えば20m秒周期で処理が行われている。ま
ず、「始動条件?」の判断ステップD1において、マイ
コン30は、図示しないスタート信号が外部より与えら
れる入力端子を参照して、始動条件が成立しているか否
かを判定する。判断ステップD1において「NO」と判
断すると、「Se1=L,Se2=L」の処理ステップ
D2に移行して、選択信号Se1及びSe2を共にロー
レベル(L)にする。この場合は、駆動回路13に駆動
信号は供給されない。
【0037】スタート信号が与えられて、判断ステップ
D1において「YES」と判断すると、「所定回転周期
時間?」の判断ステップD3に移行して、マイコン30
は、ステップD1において「YES」と判断した時点か
ら、後述する割込み信号Shによる割込み処理ルーチン
における周期時間検出手段によって検出されるモータ8
の回転周期時間Tmが所定値に達したか否かを判断す
る。判断ステップD3において「NO」と判断すると、
「Se1=H,Se2=L」の処理ステップD4に移行
して、選択信号Se1及びSe2をハイ(H)及びロー
レベルにする。
D1において「YES」と判断すると、「所定回転周期
時間?」の判断ステップD3に移行して、マイコン30
は、ステップD1において「YES」と判断した時点か
ら、後述する割込み信号Shによる割込み処理ルーチン
における周期時間検出手段によって検出されるモータ8
の回転周期時間Tmが所定値に達したか否かを判断す
る。判断ステップD3において「NO」と判断すると、
「Se1=H,Se2=L」の処理ステップD4に移行
して、選択信号Se1及びSe2をハイ(H)及びロー
レベルにする。
【0038】これによって初期駆動信号回路34が出力
する初期駆動信号が選択されて駆動回路13に与えら
れ、これに応じて駆動手段たるインバータ回路7のトラ
ンジスタT1乃至T6がオンオフされ、以て、インバー
タ装置35は、位置センサ信号Hu乃至Hwに対応した
120度通電の電圧によりモータ8を駆動して始動させ
る。
する初期駆動信号が選択されて駆動回路13に与えら
れ、これに応じて駆動手段たるインバータ回路7のトラ
ンジスタT1乃至T6がオンオフされ、以て、インバー
タ装置35は、位置センサ信号Hu乃至Hwに対応した
120度通電の電圧によりモータ8を駆動して始動させ
る。
【0039】その後、モータ8の回転周期時間Tmが所
定値に達して、判断ステップD3において「YES」と
判断すると、「Se1=L,Se2=H」の処理ステッ
プD5に移行して、マイコン30は、選択信号Se1及
びSe2をロー及びハイレベルにして、駆動回路13に
駆動信号回路32が出力する駆動信号を与えるようにす
る。そして、「始動終了フラグ←1」の処理ステップD
6に移行する。
定値に達して、判断ステップD3において「YES」と
判断すると、「Se1=L,Se2=H」の処理ステッ
プD5に移行して、マイコン30は、選択信号Se1及
びSe2をロー及びハイレベルにして、駆動回路13に
駆動信号回路32が出力する駆動信号を与えるようにす
る。そして、「始動終了フラグ←1」の処理ステップD
6に移行する。
【0040】処理ステップD6においては、マイコン3
0は、RAM30cの始動終了フラグの格納領域に
「1」をセットしてフラグを立てる。以降は、ステップ
D1で「NO」と判断するまで、駆動信号回路32が出
力する駆動信号が駆動回路13に与えられる。
0は、RAM30cの始動終了フラグの格納領域に
「1」をセットしてフラグを立てる。以降は、ステップ
D1で「NO」と判断するまで、駆動信号回路32が出
力する駆動信号が駆動回路13に与えられる。
【0041】次に、駆動信号回路32の動作について説
明する。尚、以降はU相に関する信号を中心として説明
する。また、以降の処理で使用されるデータテーブル1
及び2,電圧位相指令Pr,電圧率データDuは、予め
ROM30aに制御プログラムと同様に記憶されている
ものであり、マイコン30の初期処理において制御プロ
グラムと同様にRAM30c上に転送されているものと
する。
明する。尚、以降はU相に関する信号を中心として説明
する。また、以降の処理で使用されるデータテーブル1
及び2,電圧位相指令Pr,電圧率データDuは、予め
ROM30aに制御プログラムと同様に記憶されている
ものであり、マイコン30の初期処理において制御プロ
グラムと同様にRAM30c上に転送されているものと
する。
【0042】割込み信号Shは、前述のように、位置セ
ンサたるホールIC9u,9v,9wの出力信号(位置
センサ信号)Hu,Hv,Hwの内の何れか一つのレベ
ルが変化する毎に変化する。図6は、割込み信号Shに
よって生じる割込み処理ルーチンのフローチャートであ
る。
ンサたるホールIC9u,9v,9wの出力信号(位置
センサ信号)Hu,Hv,Hwの内の何れか一つのレベ
ルが変化する毎に変化する。図6は、割込み信号Shに
よって生じる割込み処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【0043】まず、「カウンタデータTcの読込み」の
処理ステップA1において、マイコン30は、割込み信
号Shによる割込みが生じた時刻、即ち、位置センサ信
号Hu乃至Hwが変化した時刻(変化時刻)のカウンタ
データTcを時間カウンタ30bから読込む。そして、
前回の割込み処理で読込んだカウンタデータが変数Tx
に格納されているので、その変数Txを変数Tyに代入
して、今回読込んだカウンタデータTcを、新たに変数
Txに代入する。尚、これらの変数は、RAM30cに
記憶される。そして、「位置センサ信号変化時間演算」
の処理ステップA2に移行する。
処理ステップA1において、マイコン30は、割込み信
号Shによる割込みが生じた時刻、即ち、位置センサ信
号Hu乃至Hwが変化した時刻(変化時刻)のカウンタ
データTcを時間カウンタ30bから読込む。そして、
前回の割込み処理で読込んだカウンタデータが変数Tx
に格納されているので、その変数Txを変数Tyに代入
して、今回読込んだカウンタデータTcを、新たに変数
Txに代入する。尚、これらの変数は、RAM30cに
記憶される。そして、「位置センサ信号変化時間演算」
の処理ステップA2に移行する。
【0044】処理ステップA2においては、マイコン3
0は、位置センサ信号Hu乃至Hwが変化する間隔の時
間Tsを求める。この変化時間Tsは、前回と今回の割
込み処理が発生した時刻の差、即ち、変化時刻の差に等
しいので、ステップA1における変数Tx及びTyの
差、即ち、Ts=Tx−Tyにより求める。次に、「位
置センサ信号データ読込み」の処理ステップA3に移行
する。尚、ステップA1及びA2は、位置センサ信号変
化時間測定手段に対応している。
0は、位置センサ信号Hu乃至Hwが変化する間隔の時
間Tsを求める。この変化時間Tsは、前回と今回の割
込み処理が発生した時刻の差、即ち、変化時刻の差に等
しいので、ステップA1における変数Tx及びTyの
差、即ち、Ts=Tx−Tyにより求める。次に、「位
置センサ信号データ読込み」の処理ステップA3に移行
する。尚、ステップA1及びA2は、位置センサ信号変
化時間測定手段に対応している。
【0045】処理ステップA3においては、マイコン3
0は、この時点で位置センサ信号Hu,Hv,Hwが示
している信号レベルを読込んで、次の「信号データに対
応して変化時間を記憶」の処理ステップA4に移行す
る。処理ステップA4においては、マイコン30は、ス
テップA3で得た位置センサ信号データHu,Hv,H
wが示す信号レベルに応じて、ステップA2で得た変化
時間Tsを、以下のように異なる変数Tsa乃至Tsf
に代入してRAM30c記憶する。 Hu,Hv,Hw=H,L,H → Tsa=Ts Hu,Hv,Hw=H,L,L → Tsb=Ts Hu,Hv,Hw=H,H,L → Tsc=Ts …(3) Hu,Hv,Hw=L,H,L → Tsd=Ts Hu,Hv,Hw=L,H,H → Tse=Ts Hu,Hv,Hw=L,L,H → Tsf=Ts そして、次の「1電気周期か?」の判断ステップA5に
移行する。
0は、この時点で位置センサ信号Hu,Hv,Hwが示
している信号レベルを読込んで、次の「信号データに対
応して変化時間を記憶」の処理ステップA4に移行す
る。処理ステップA4においては、マイコン30は、ス
テップA3で得た位置センサ信号データHu,Hv,H
wが示す信号レベルに応じて、ステップA2で得た変化
時間Tsを、以下のように異なる変数Tsa乃至Tsf
に代入してRAM30c記憶する。 Hu,Hv,Hw=H,L,H → Tsa=Ts Hu,Hv,Hw=H,L,L → Tsb=Ts Hu,Hv,Hw=H,H,L → Tsc=Ts …(3) Hu,Hv,Hw=L,H,L → Tsd=Ts Hu,Hv,Hw=L,H,H → Tse=Ts Hu,Hv,Hw=L,L,H → Tsf=Ts そして、次の「1電気周期か?」の判断ステップA5に
移行する。
【0046】判断ステップA5においては、マイコン3
0は、ステップA3で得た位置センサ信号データHu,
Hv,Hwが示す信号レベルが1電気周期を特定するた
めの基準である「H,L,H」であるか否かによって、
ロータの回転が1電気周期に達したか否かを判断する。
判断ステップA5において「NO」と判断すると、「始
動終了フラグ=1?」の判断ステップA11に移行す
る。
0は、ステップA3で得た位置センサ信号データHu,
Hv,Hwが示す信号レベルが1電気周期を特定するた
めの基準である「H,L,H」であるか否かによって、
ロータの回転が1電気周期に達したか否かを判断する。
判断ステップA5において「NO」と判断すると、「始
動終了フラグ=1?」の判断ステップA11に移行す
る。
【0047】判断ステップA11においては、マイコン
30は、RAM30cの始動終了フラグの格納領域を参
照して、始動終了フラグが「1」にセットされているか
否かを判断する。始動終了フラグが「1」にセットされ
ておらず判断ステップA11において「NO」と判断す
ると、割込み処理を抜けてメインルーチンにリターンす
る。また、始動終了フラグが「1」にセットされており
「YES」と判断すると、「電気角Pxを得る」の処理
ステップA12に移行する。
30は、RAM30cの始動終了フラグの格納領域を参
照して、始動終了フラグが「1」にセットされているか
否かを判断する。始動終了フラグが「1」にセットされ
ておらず判断ステップA11において「NO」と判断す
ると、割込み処理を抜けてメインルーチンにリターンす
る。また、始動終了フラグが「1」にセットされており
「YES」と判断すると、「電気角Pxを得る」の処理
ステップA12に移行する。
【0048】処理ステップA12においては、マイコン
30は、ステップA3で得た位置センサ信号データに基
づいて、RAM30cのデータテーブル1(図9参照)
を参照してロータ位相たる電気角Pxを得ると、RAM
30cの所定領域に書込む。例えば、位置センサ信号H
u,Hv,Hwの信号レベルがH,L,Lであれば、電
気角PxはPxb、即ち90度(U相誘起電圧vmuを
基準として)となる。そして、「ロータ位相差Psを得
る」の処理ステップA13に移行する。
30は、ステップA3で得た位置センサ信号データに基
づいて、RAM30cのデータテーブル1(図9参照)
を参照してロータ位相たる電気角Pxを得ると、RAM
30cの所定領域に書込む。例えば、位置センサ信号H
u,Hv,Hwの信号レベルがH,L,Lであれば、電
気角PxはPxb、即ち90度(U相誘起電圧vmuを
基準として)となる。そして、「ロータ位相差Psを得
る」の処理ステップA13に移行する。
【0049】処理ステップA13においては、マイコン
30は、変化時間Tsに対応するロータ位相差Psを、
ステップA12と同様に、位置センサ信号データに基づ
いて、RAM30cに記憶されたデータテーブル2(図
10参照)を参照してロータ位相差Psを得てRAM3
0cの演算用の所定領域に書込むと、メインルーチンに
リターンする。
30は、変化時間Tsに対応するロータ位相差Psを、
ステップA12と同様に、位置センサ信号データに基づ
いて、RAM30cに記憶されたデータテーブル2(図
10参照)を参照してロータ位相差Psを得てRAM3
0cの演算用の所定領域に書込むと、メインルーチンに
リターンする。
【0050】一方、マイコン30は、判断ステップA5
において、ロータの回転が1電気周期に達しており「Y
ES」と判断すると、「回転周期時間Tmを得る」の処
理ステップA6に移行する。
において、ロータの回転が1電気周期に達しており「Y
ES」と判断すると、「回転周期時間Tmを得る」の処
理ステップA6に移行する。
【0051】処理ステップA6においては、マイコン3
0は、時間カウンタ30bのカウント値から回転周期時
間Tm(この場合、1電気周期に等しい)を求める。先
ず、前回の割込み処理で求めた回転周期時間Tmを前回
の値の変数Tm´に代入し、 T´m=Tm 次に、時間カウンタ30bの現在のカウント値Txを読
出して、前回のカウント値Tzを減ずることにより、今
回の回転周期時間Tmを求める。 Tm=Tx−Tz そして、現在のカウント値Txを、前回の値の変数Tz
に代入する。 Tz=Tx すると、「始動終了フラグ=1?」の判断ステップA7
に移行する。尚、ステップA5及びA6は、周期時間検
出手段に対応する。
0は、時間カウンタ30bのカウント値から回転周期時
間Tm(この場合、1電気周期に等しい)を求める。先
ず、前回の割込み処理で求めた回転周期時間Tmを前回
の値の変数Tm´に代入し、 T´m=Tm 次に、時間カウンタ30bの現在のカウント値Txを読
出して、前回のカウント値Tzを減ずることにより、今
回の回転周期時間Tmを求める。 Tm=Tx−Tz そして、現在のカウント値Txを、前回の値の変数Tz
に代入する。 Tz=Tx すると、「始動終了フラグ=1?」の判断ステップA7
に移行する。尚、ステップA5及びA6は、周期時間検
出手段に対応する。
【0052】判断ステップA7においては、マイコン3
0は、RAM30cの所定領域を参照して、始動終了フ
ラグが「1」にセットされているか否かを判断する。
「1」にセットされておらず「NO」と判断すると、割
込み処理を抜けてメインルーチンにリターンする。ま
た、判断ステップA7において始動終了フラグが「1」
にセットされており「YES」と判断すると、「回転安
定?」の判断ステップA8に移行する。
0は、RAM30cの所定領域を参照して、始動終了フ
ラグが「1」にセットされているか否かを判断する。
「1」にセットされておらず「NO」と判断すると、割
込み処理を抜けてメインルーチンにリターンする。ま
た、判断ステップA7において始動終了フラグが「1」
にセットされており「YES」と判断すると、「回転安
定?」の判断ステップA8に移行する。
【0053】判断ステップA8においては、マイコン3
0は、ステップA6で求めた今回の回転周期時間Tmと
前回の回転周期時間Tm´とを比較して、モータ8の回
転が安定したか否かを判断する。例えば今回の値Tmの
変化量が、前回の値Tm´に比して所定範囲内たる1%
以内であれば安定したと判断する。これは即ち、モータ
8が加速若しくは減速状態にあるのではなく、略定常速
度で回転している場合である。
0は、ステップA6で求めた今回の回転周期時間Tmと
前回の回転周期時間Tm´とを比較して、モータ8の回
転が安定したか否かを判断する。例えば今回の値Tmの
変化量が、前回の値Tm´に比して所定範囲内たる1%
以内であれば安定したと判断する。これは即ち、モータ
8が加速若しくは減速状態にあるのではなく、略定常速
度で回転している場合である。
【0054】マイコン30は、判断ステップA8におい
て、モータ8の回転が安定しておらず「NO」と判断す
ると、ステップA11に移行する。また、判断ステップ
A8において、モータ8の回転が安定しており「YE
S」と判断すると、「電気角データPxを演算」の処理
ステップA9に移行する。尚、ステップA5,A6及び
A8は、回転安定判断手段に対応する。
て、モータ8の回転が安定しておらず「NO」と判断す
ると、ステップA11に移行する。また、判断ステップ
A8において、モータ8の回転が安定しており「YE
S」と判断すると、「電気角データPxを演算」の処理
ステップA9に移行する。尚、ステップA5,A6及び
A8は、回転安定判断手段に対応する。
【0055】処理ステップA9においては、マイコン3
0は、以下の手順によって電気角データたる電気角Px
a乃至Pxfを演算する。先ず、1電気周期時間Tsz
を、処理ステップA4で求めた各変化時間Tsa乃至T
sfの総和により求める。 Tsz=Tsa+Tsb+Tsc+Tsd+Tse+T
sf 尚、本実施例では、電気周期時間Tszは、ステップA
6において求められる回転周期時間Tmに等しい。
0は、以下の手順によって電気角データたる電気角Px
a乃至Pxfを演算する。先ず、1電気周期時間Tsz
を、処理ステップA4で求めた各変化時間Tsa乃至T
sfの総和により求める。 Tsz=Tsa+Tsb+Tsc+Tsd+Tse+T
sf 尚、本実施例では、電気周期時間Tszは、ステップA
6において求められる回転周期時間Tmに等しい。
【0056】次に、各電気角Pxa乃至Pxfを、Px
aを基準として、各変化時間Tsa乃至Tsfに相当す
る電気角を加算することにより算出する。 Pxa=Pxa Pxb=Pxa+360×Tsa/Tsz Pxc=Pxb+360×Tsb/Tsz Pxd=Pxc+360×Tsc/Tsz …(4) Pxe=Pxd+360×Tsd/Tsz Pxf=Pxe+360×Tse/Tsz 以上のようにして各電気角Pxa乃至Pxfを求める
と、RAM30c上のデータテーブル1の対応する各電
気角データにオーバーライトして、新たな値とする。そ
して、「ロータ位相差Psを演算」の処理ステップA1
0に移行する。
aを基準として、各変化時間Tsa乃至Tsfに相当す
る電気角を加算することにより算出する。 Pxa=Pxa Pxb=Pxa+360×Tsa/Tsz Pxc=Pxb+360×Tsb/Tsz Pxd=Pxc+360×Tsc/Tsz …(4) Pxe=Pxd+360×Tsd/Tsz Pxf=Pxe+360×Tse/Tsz 以上のようにして各電気角Pxa乃至Pxfを求める
と、RAM30c上のデータテーブル1の対応する各電
気角データにオーバーライトして、新たな値とする。そ
して、「ロータ位相差Psを演算」の処理ステップA1
0に移行する。
【0057】処理ステップA10においては、マイコン
30は、位置センサ信号の各変化時刻におけるロータ位
相差データたるロータ位相差Psa乃至Psfを、ステ
ップA9で求めた各電気角Pxa乃至Pxfの差をとっ
て算出する。 Psa=Pxa−Pxf Psb=Pxb−Pxa Psc=Pxc−Pxb …(5) Psd=Pxd−Pxc Pse=Pxe−Pxd Psf=Pxf−Pxe 尚、計算結果が負となった場合は、「360」を加算す
る。以上のようにして各ロータ位相差Psa乃至Psf
を求めると、RAM30c上のデータテーブル2の対応
する各ロータ位相差が書込まれている領域にオーバーラ
イトして、新たな値とする。そして、ステップA11に
移行する。尚、ステップA9及びA10は、データ演算
手段に対応する。
30は、位置センサ信号の各変化時刻におけるロータ位
相差データたるロータ位相差Psa乃至Psfを、ステ
ップA9で求めた各電気角Pxa乃至Pxfの差をとっ
て算出する。 Psa=Pxa−Pxf Psb=Pxb−Pxa Psc=Pxc−Pxb …(5) Psd=Pxd−Pxc Pse=Pxe−Pxd Psf=Pxf−Pxe 尚、計算結果が負となった場合は、「360」を加算す
る。以上のようにして各ロータ位相差Psa乃至Psf
を求めると、RAM30c上のデータテーブル2の対応
する各ロータ位相差が書込まれている領域にオーバーラ
イトして、新たな値とする。そして、ステップA11に
移行する。尚、ステップA9及びA10は、データ演算
手段に対応する。
【0058】以上の処理が、割込み信号Shのレベルが
変化する度に繰返される。従って、マイコン30におい
ては、メインルーチンのステップD6で始動終了フラグ
が「1」にセットされるまでは、ステップA9及びA1
0による電気角Pxa乃至Pxf及びロータ位相差Ps
a乃至Psfの演算は行われず、電気角Pxa乃至Px
f及びロータ位相差Psa乃至Psfは、予めROM3
0aに記憶されたものが読出され、始動終了フラグが
「1」にセットされた以降は、ステップA9及びA10
によって修正されたデータテーブル1及び2から電気角
Pxa乃至Pxf及びロータ位相差Psa乃至Psfが
読出されることになる。
変化する度に繰返される。従って、マイコン30におい
ては、メインルーチンのステップD6で始動終了フラグ
が「1」にセットされるまでは、ステップA9及びA1
0による電気角Pxa乃至Pxf及びロータ位相差Ps
a乃至Psfの演算は行われず、電気角Pxa乃至Px
f及びロータ位相差Psa乃至Psfは、予めROM3
0aに記憶されたものが読出され、始動終了フラグが
「1」にセットされた以降は、ステップA9及びA10
によって修正されたデータテーブル1及び2から電気角
Pxa乃至Pxf及びロータ位相差Psa乃至Psfが
読出されることになる。
【0059】次に、割込み信号Spに応じた割込み処理
について図7を参照して説明する。割込み信号Spは、
割込み信号Shよりも短い周期でマイコン30に割込み
を発生させるものである。まず、「カウンタデータTc
の読込み」の処理ステップB1においては、割込み発生
時刻を示す時間カウンタ30bのデータTcを読込ん
で、変数Tnに代入する。そして、「電圧位相指令Pr
の読出し」の処理ステップB2に移行する。
について図7を参照して説明する。割込み信号Spは、
割込み信号Shよりも短い周期でマイコン30に割込み
を発生させるものである。まず、「カウンタデータTc
の読込み」の処理ステップB1においては、割込み発生
時刻を示す時間カウンタ30bのデータTcを読込ん
で、変数Tnに代入する。そして、「電圧位相指令Pr
の読出し」の処理ステップB2に移行する。
【0060】処理ステップB2においては、マイコン3
0は、U相誘起電圧vmuに対して、印加電圧に進み位
相を与えるための電圧位相指令PrをRAM30cから
読出すと、次の「電圧位相Pnを演算」処理ステップB
3に移行する。処理ステップB3においては、マイコン
30は、以上の処理によって得られた演算パラメータを
もRAM30cから読出して、時刻Tnにおける電圧位
相Pnを次式により演算して求める。 Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts …(6)
0は、U相誘起電圧vmuに対して、印加電圧に進み位
相を与えるための電圧位相指令PrをRAM30cから
読出すと、次の「電圧位相Pnを演算」処理ステップB
3に移行する。処理ステップB3においては、マイコン
30は、以上の処理によって得られた演算パラメータを
もRAM30cから読出して、時刻Tnにおける電圧位
相Pnを次式により演算して求める。 Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts …(6)
【0061】この(6)式は、時刻の変化に応じて電圧
位相Pnが線形に変化することに基づいたものである。
ここで、電圧位相Pnは「0」〜「359」のデータで
あり、計算結果が「359」を超えた場合には「36
0」を減じる。尚、以上のステップB1乃至B3は、電
圧位相決定手段に対応している。
位相Pnが線形に変化することに基づいたものである。
ここで、電圧位相Pnは「0」〜「359」のデータで
あり、計算結果が「359」を超えた場合には「36
0」を減じる。尚、以上のステップB1乃至B3は、電
圧位相決定手段に対応している。
【0062】またここで、図8(e)及び図14(e)
に示す時刻t1,t2,t3において演算パラメータと
して以下の具体的数値を得た場合の、電圧位相Pnの計
算例を示す。時刻t1,において割込み信号Shによる
割込みが発生し、時刻t2は、その次に割込み信号Sh
による割込みが発生した時刻である。また、時刻t3
は、時刻t2後の任意の時刻で割込み信号Spによる割
込みが発生した時刻である。
に示す時刻t1,t2,t3において演算パラメータと
して以下の具体的数値を得た場合の、電圧位相Pnの計
算例を示す。時刻t1,において割込み信号Shによる
割込みが発生し、時刻t2は、その次に割込み信号Sh
による割込みが発生した時刻である。また、時刻t3
は、時刻t2後の任意の時刻で割込み信号Spによる割
込みが発生した時刻である。
【0063】尚、ホールIC9u,9v及び9wは、
U,V及びW相の誘起電圧に対して各々30度の位相差
を有するように取付ける仕様であったが、取付け精度の
問題及びホールIC9vの感度のばらつきにより、V相
の出力信号Hvが立上りで15度、立下りで20度遅れ
ている場合を想定している。
U,V及びW相の誘起電圧に対して各々30度の位相差
を有するように取付ける仕様であったが、取付け精度の
問題及びホールIC9vの感度のばらつきにより、V相
の出力信号Hvが立上りで15度、立下りで20度遅れ
ている場合を想定している。
【0064】時刻t1,t2,t3において時間カウン
タ30bによって得られたカウント値を順に「1000
0」,「14000」,「15000」とすると、ステ
ップA1及びA2によって、変数Ty,Tx及びTsが
下記のように決定されて記憶される。そして、ステップ
A3において位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,L,L」と得られたとすると、ステップA
12においては、図9のデータテーブル1から電気角P
xが「90」と、ステップA13においては、図10の
データテーブル2からロータ位相差Psが「60」と求
められる。
タ30bによって得られたカウント値を順に「1000
0」,「14000」,「15000」とすると、ステ
ップA1及びA2によって、変数Ty,Tx及びTsが
下記のように決定されて記憶される。そして、ステップ
A3において位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,L,L」と得られたとすると、ステップA
12においては、図9のデータテーブル1から電気角P
xが「90」と、ステップA13においては、図10の
データテーブル2からロータ位相差Psが「60」と求
められる。
【0065】ステップB1においては、Tn(=t3)
が「15000」と記憶され、ステップB2では、予め
ROM30aに記憶された電圧位相指令Prが「15」
であったとする。すると、ステップB3においては、電
圧位相Pnは以下のように演算される。 Ty=10000, Tx=14000, Ts=Tx−Ty=4000, Px=90, Ps=60, Tn=15000, Pr=15 Pn=90+15+60×(15000−14000)/4000 =120 …(7)
が「15000」と記憶され、ステップB2では、予め
ROM30aに記憶された電圧位相指令Prが「15」
であったとする。すると、ステップB3においては、電
圧位相Pnは以下のように演算される。 Ty=10000, Tx=14000, Ts=Tx−Ty=4000, Px=90, Ps=60, Tn=15000, Pr=15 Pn=90+15+60×(15000−14000)/4000 =120 …(7)
【0066】この例における位置センサ信号Hu,H
v,Hwの信号レベルが「H,L,L」と得られる場合
は、割込み信号Shに位置センサ信号Hvの変化は反映
していないので、予めROM30aに記憶されていたデ
ータテーブル1及び2に基づいて電圧位相Pnを演算し
ても正しい結果が得られる。
v,Hwの信号レベルが「H,L,L」と得られる場合
は、割込み信号Shに位置センサ信号Hvの変化は反映
していないので、予めROM30aに記憶されていたデ
ータテーブル1及び2に基づいて電圧位相Pnを演算し
ても正しい結果が得られる。
【0067】次に、図14(f)に示す時刻t2,t
4,t5において演算パラメータとして以下の具体的数
値を得た場合の、データテーブル1及び2の修正前に電
圧位相Pnを計算した場合の例を示す。尚、図14
(a)乃至(g)は図8(a)乃至(g)に対応する。
時刻t4は、時刻t2の次に割込み信号Shによる割込
みが発生した時刻である。また、時刻t5は、時刻t4
後の任意の時刻で割込み信号Spによる割込みが発生し
た時刻である。
4,t5において演算パラメータとして以下の具体的数
値を得た場合の、データテーブル1及び2の修正前に電
圧位相Pnを計算した場合の例を示す。尚、図14
(a)乃至(g)は図8(a)乃至(g)に対応する。
時刻t4は、時刻t2の次に割込み信号Shによる割込
みが発生した時刻である。また、時刻t5は、時刻t4
後の任意の時刻で割込み信号Spによる割込みが発生し
た時刻である。
【0068】時刻t2,t4,t5において時間カウン
タ30bによって得られたカウント値を順に「1400
0」,「19000」,「20500」とすると、ステ
ップA1及びA2によって、変数Ty,Tx及びTsが
下記のように決定されて記憶される。そして、ステップ
A3において位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,H,L」と得られ、ステップA12におい
ては、図9のデータテーブル1から電気角Pxが「15
0」と、ステップA13においては、図10のデータテ
ーブル2からロータ位相差Psが「60」と求められ
る。
タ30bによって得られたカウント値を順に「1400
0」,「19000」,「20500」とすると、ステ
ップA1及びA2によって、変数Ty,Tx及びTsが
下記のように決定されて記憶される。そして、ステップ
A3において位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,H,L」と得られ、ステップA12におい
ては、図9のデータテーブル1から電気角Pxが「15
0」と、ステップA13においては、図10のデータテ
ーブル2からロータ位相差Psが「60」と求められ
る。
【0069】そして、ステップB1においては、Tn
(=t5)が「20500」と記憶され、ステップB2
では、同様に電圧位相指令Prが「15」と読出され
る。すると、ステップB3においては、電圧位相Pnは
以下のように演算される。 Ty=14000, Tx=19000, Ts=Tx−Ty=5000, Px=150, Ps=60, Tn=20500, Pr=15 Pn=150+15+60×(20500−19000)/5000 =183 …(8)
(=t5)が「20500」と記憶され、ステップB2
では、同様に電圧位相指令Prが「15」と読出され
る。すると、ステップB3においては、電圧位相Pnは
以下のように演算される。 Ty=14000, Tx=19000, Ts=Tx−Ty=5000, Px=150, Ps=60, Tn=20500, Pr=15 Pn=150+15+60×(20500−19000)/5000 =183 …(8)
【0070】この場合、実際の位置センサ信号Hvは、
電気角「150」であるべき立上りから15度遅れてい
るので正しい電気角Pxは「165」であり、ロータ位
相差Psは「75」であって、電圧位相Pnは、正しく
はPn=202.5と求められねばならない。従って、
この誤った電圧位相Pnに基づいてモータ8を駆動する
と、大きなトルク変動を生じることになる。
電気角「150」であるべき立上りから15度遅れてい
るので正しい電気角Pxは「165」であり、ロータ位
相差Psは「75」であって、電圧位相Pnは、正しく
はPn=202.5と求められねばならない。従って、
この誤った電圧位相Pnに基づいてモータ8を駆動する
と、大きなトルク変動を生じることになる。
【0071】次に、ステップA8においてモータ8の回
転が安定したと判断されて、ステップA9及びA10に
おいて電気角データPx及びロータ位相差データPsを
演算する場合の計算例について、図11を参照して述べ
る。
転が安定したと判断されて、ステップA9及びA10に
おいて電気角データPx及びロータ位相差データPsを
演算する場合の計算例について、図11を参照して述べ
る。
【0072】割込み信号Shによる割込み処理が行われ
る毎に、ステップA1において時間カウンタ30bから
読出されたカウンタデータTcが、図11の想定時刻に
示すように、位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,L,H」である場合から、夫々「1000
0」,「14000」,「19000」,「2200
0」,「26000」,「31500」,「3400
0」であったとする。すると、ステップA4において記
憶された各位置センサ変化時間Tsa乃至Tsfは、以
下のようになる。 Tsa=4000,Tsb=5000,Tsc=3000, Tsd=4000,Tse=5500,Tsf=2500 …(9)
る毎に、ステップA1において時間カウンタ30bから
読出されたカウンタデータTcが、図11の想定時刻に
示すように、位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,L,H」である場合から、夫々「1000
0」,「14000」,「19000」,「2200
0」,「26000」,「31500」,「3400
0」であったとする。すると、ステップA4において記
憶された各位置センサ変化時間Tsa乃至Tsfは、以
下のようになる。 Tsa=4000,Tsb=5000,Tsc=3000, Tsd=4000,Tse=5500,Tsf=2500 …(9)
【0073】また、ステップA9において電気周期時間
Tszは上記の総和であり、次式のようになる。 Tsz=4000+5000+3000+4000+5500+2500 =24000 …(10)
Tszは上記の総和であり、次式のようになる。 Tsz=4000+5000+3000+4000+5500+2500 =24000 …(10)
【0074】すると、ステップA9において各電気角P
xa乃至Pxfは、以下のように計算されて、RAM3
0c上のデータテーブル1は、図12に示すように書替
えられる。 Pxa= 30 Pxb= 30+360×4000/24000=90 Pxc= 90+360×5000/24000=165 …(11) Pxd=165+360×3000/24000=210 Pxe=210+360×4000/24000=270 Pxf=270+360×5500/24000=350
xa乃至Pxfは、以下のように計算されて、RAM3
0c上のデータテーブル1は、図12に示すように書替
えられる。 Pxa= 30 Pxb= 30+360×4000/24000=90 Pxc= 90+360×5000/24000=165 …(11) Pxd=165+360×3000/24000=210 Pxe=210+360×4000/24000=270 Pxf=270+360×5500/24000=350
【0075】ステップA10においては、ロータ位相差
Psa乃至Psfは、ステップA9で求めた各電気角デ
ータPxa乃至Pxfから以下のように計算されて、R
AM30c上のデータテーブル2は、図13に示すよう
に書替えられる。 Psa=Pxa−Pxf= 30−350=−320 → 40 Psb=Pxb−Pxa= 90− 30=60 Psc=Pxc−Pxb=165− 90=75 …(12) Psd=Pxd−Pxc=210−165=45 Pse=Pxe−Pxd=270−210=60 Psf=Pxf−Pxe=350−270=80
Psa乃至Psfは、ステップA9で求めた各電気角デ
ータPxa乃至Pxfから以下のように計算されて、R
AM30c上のデータテーブル2は、図13に示すよう
に書替えられる。 Psa=Pxa−Pxf= 30−350=−320 → 40 Psb=Pxb−Pxa= 90− 30=60 Psc=Pxc−Pxb=165− 90=75 …(12) Psd=Pxd−Pxc=210−165=45 Pse=Pxe−Pxd=270−210=60 Psf=Pxf−Pxe=350−270=80
【0076】このようにステップA9及びA10におい
て書き替えられたデータテーブル1及び2によって
(6)式により電圧位相Pnを計算すると、正しく「2
02.5」と求めることができる。
て書き替えられたデータテーブル1及び2によって
(6)式により電圧位相Pnを計算すると、正しく「2
02.5」と求めることができる。
【0077】再び図7を参照して、以上のようにして電
圧位相Pnを求めると、「電圧指令信号Daを読込む」
の処理ステップB4に移行する。処理ステップB4にお
いては、マイコン30は、外部より与えられている電圧
指令信号Daを読込むと、次の「電圧率データDuの読
出し」の処理ステップB5に移行して、ステップB3で
求めた電圧位相Pnに対応する正弦波の電圧率データD
u(図3参照)をRAM30cから読出す。そして、
「信号波vauを演算」の処理ステップB6に移行す
る。
圧位相Pnを求めると、「電圧指令信号Daを読込む」
の処理ステップB4に移行する。処理ステップB4にお
いては、マイコン30は、外部より与えられている電圧
指令信号Daを読込むと、次の「電圧率データDuの読
出し」の処理ステップB5に移行して、ステップB3で
求めた電圧位相Pnに対応する正弦波の電圧率データD
u(図3参照)をRAM30cから読出す。そして、
「信号波vauを演算」の処理ステップB6に移行す
る。
【0078】処理ステップB6においては、次式に従っ
て信号波vauを演算する。 vau=Du×(Da/255)+128 …(13) ここで、電圧率データDuの値域は、例えば8ビットデ
ータの2の補数表現で取り得る「−127」〜「12
7」であり、8ビットのアップダウンカウンタ22aの
取り得る値域(カウントデータ0〜255)にシフトさ
せるため、「128」をoffset値として加えている。ま
た、電圧指令信号Daの値域も「0」〜「255」であ
り、電圧率データDuに「Da/255」を乗ずること
によって、電圧指令に応じて正弦波の振幅、即ち、信号
波vauのレベルを制御するものである。そして、「信
号波vauを出力」の処理ステップB7に移行して、信
号波vauの演算結果をラッチ回路32Luに出力す
る。
て信号波vauを演算する。 vau=Du×(Da/255)+128 …(13) ここで、電圧率データDuの値域は、例えば8ビットデ
ータの2の補数表現で取り得る「−127」〜「12
7」であり、8ビットのアップダウンカウンタ22aの
取り得る値域(カウントデータ0〜255)にシフトさ
せるため、「128」をoffset値として加えている。ま
た、電圧指令信号Daの値域も「0」〜「255」であ
り、電圧率データDuに「Da/255」を乗ずること
によって、電圧指令に応じて正弦波の振幅、即ち、信号
波vauのレベルを制御するものである。そして、「信
号波vauを出力」の処理ステップB7に移行して、信
号波vauの演算結果をラッチ回路32Luに出力す
る。
【0079】次に、「信号波vavを演算して出力」の
処理ステップB8に移行する。処理ステップB8におい
ては、マイコン30は、V相の信号波vavを演算する
ために、ステップB3において演算したU相の電圧位相
Pnから120度を減じてV相の電圧位相Poを求め
る。そして、その電圧位相Poに応じてRAM30cよ
り電圧率データDvを読出し、ステップB4と同様に信
号波vavを演算する。
処理ステップB8に移行する。処理ステップB8におい
ては、マイコン30は、V相の信号波vavを演算する
ために、ステップB3において演算したU相の電圧位相
Pnから120度を減じてV相の電圧位相Poを求め
る。そして、その電圧位相Poに応じてRAM30cよ
り電圧率データDvを読出し、ステップB4と同様に信
号波vavを演算する。
【0080】 Po=Pn−120 (Po<0の場合、Po=Po+360)…(14) vav=Dv×(Da/256)+128 …(15) そして、信号波vavの演算結果をラッチ回路32Lv
に対して出力すると、「信号波vawを演算して出力」
の処理ステップB9に移行する。
に対して出力すると、「信号波vawを演算して出力」
の処理ステップB9に移行する。
【0081】処理ステップB9においては、マイコン3
0は、W相の信号波vawを演算するために、ステップ
B3において演算したU相の電気角Pnから240度を
減じてW相の電圧位相Pqを求める。そして、その電圧
位相Pqに応じてRAM30cより電圧率データDwを
読出し、ステップB4と同様に、信号波vawを演算す
る。 Pq=Pn−240 (Po<0の場合、Po=Po+360)…(16) vaw=Dw×(Da/256)+128 …(17) 尚、以上のステップB4乃至B9は、信号波形成手段に
対応している。
0は、W相の信号波vawを演算するために、ステップ
B3において演算したU相の電気角Pnから240度を
減じてW相の電圧位相Pqを求める。そして、その電圧
位相Pqに応じてRAM30cより電圧率データDwを
読出し、ステップB4と同様に、信号波vawを演算す
る。 Pq=Pn−240 (Po<0の場合、Po=Po+360)…(16) vaw=Dw×(Da/256)+128 …(17) 尚、以上のステップB4乃至B9は、信号波形成手段に
対応している。
【0082】次に、駆動信号回路32の作用について、
図8を参照して説明する。信号波vau,vav,va
wは、ラッチ回路32Lu乃至32Lwを介して搬送波
Pzと比較され、その大小関係から駆動信号Dupが形
成される。比較器32uは、信号波vauと搬送波Pz
のレベルを比較して、信号波vauのレベルが大きい場
合に出力をハイレベルにすることにより駆動信号Dup
を形成する。また、駆動信号Dupを反転した信号が駆
動信号Dunとなる。同様に、信号波vavと搬送波P
zの比較結果から駆動信号Dvp及びその反転信号であ
る駆動信号Dvnが、信号波vawと搬送波Pzの比較
結果から駆動信号Dwp及びその反転信号である駆動信
号Dwnが形成される。
図8を参照して説明する。信号波vau,vav,va
wは、ラッチ回路32Lu乃至32Lwを介して搬送波
Pzと比較され、その大小関係から駆動信号Dupが形
成される。比較器32uは、信号波vauと搬送波Pz
のレベルを比較して、信号波vauのレベルが大きい場
合に出力をハイレベルにすることにより駆動信号Dup
を形成する。また、駆動信号Dupを反転した信号が駆
動信号Dunとなる。同様に、信号波vavと搬送波P
zの比較結果から駆動信号Dvp及びその反転信号であ
る駆動信号Dvnが、信号波vawと搬送波Pzの比較
結果から駆動信号Dwp及びその反転信号である駆動信
号Dwnが形成される。
【0083】図8(h)に示すように、駆動信号Dup
のPWMデューティは、正弦波の振幅変化に応じて、滑
らかに変化して行く。従って、これらの駆動信号により
駆動回路13を介して3相ブリッジ回路7の夫々のトラ
ンジスタT1乃至T6をオンオフ制御すると、モータ8
の各巻線8u,8v,8wには夫々の誘起電圧vmu,
vmv,vmwと電気角Pr進み位相の正弦波電圧が供
給されて、図8(i)のようにロータ位置に応じた正弦
波電流が各巻線に通電される。
のPWMデューティは、正弦波の振幅変化に応じて、滑
らかに変化して行く。従って、これらの駆動信号により
駆動回路13を介して3相ブリッジ回路7の夫々のトラ
ンジスタT1乃至T6をオンオフ制御すると、モータ8
の各巻線8u,8v,8wには夫々の誘起電圧vmu,
vmv,vmwと電気角Pr進み位相の正弦波電圧が供
給されて、図8(i)のようにロータ位置に応じた正弦
波電流が各巻線に通電される。
【0084】図15は、本実施例のインバータ装置35
によって正弦波電圧でモータ8を駆動した場合の、シミ
ュレーションによるモータ8のトルク波形を示したもの
である。実際の端子電圧は複雑なPWM波形を示すが、
ここでは正弦波波形に近似して、しかも交流電圧として
示している。3相分の総合トルク波形としての(vmu
×iu+vmv×iv+vmw×iw)は直線で示さ
れ、トルク変動が激減しているのが明確である。
によって正弦波電圧でモータ8を駆動した場合の、シミ
ュレーションによるモータ8のトルク波形を示したもの
である。実際の端子電圧は複雑なPWM波形を示すが、
ここでは正弦波波形に近似して、しかも交流電圧として
示している。3相分の総合トルク波形としての(vmu
×iu+vmv×iv+vmw×iw)は直線で示さ
れ、トルク変動が激減しているのが明確である。
【0085】以上のように本実施例によれば、モータ8
内にホールIC9u,9v及び9wを配置して、その位
置センサ信号Hu,Hv及びHwに基づいて発生される
割込み信号Shによる割込み処理で、マイコン30は、
ステップA1及びA2において位置センサ信号の変化時
間Tsa乃至Tsfを測定し、ステップA7において始
動終了フラグが「1」にセットされている場合に、ステ
ップA9及びA10においてロータ位相たる電気角Px
a乃至Pxf及び変化時間Tsa乃至Tsfに対応する
ロータ位相差Psa乃至Psfを演算して予めROM3
0aに記憶されて読み出されたデータテーブル1及び2
を書替えて修正し、ステップA12及びA13において
修正されたデータテーブル1及び2から電気角Pxa乃
至Pxf及びロータ位相差Psa乃至Psfを読出すと
共に、割込み信号Spによる割込み処理のステップB1
及びB2において時間カウンタ30bのカウンタデータ
Tc及び電圧位相指令Prを読出すと、これらの演算パ
ラメータからステップB3において電圧位相Pnを演算
(Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts)に
よって求め、ステップB5において電圧位相Pnに対応
する正弦波の電圧率データDuを読出し、その電圧率デ
ータDuに応じてステップB6乃至B9においてU,V
及びW相の信号波vau,vav及びvawを演算して
駆動信号回路32に出力し、駆動信号回路32は、信号
波vau,vav及びvawと搬送波Pzとの振幅レベ
ルを比較することによって駆動信号を形成して駆動回路
13を介してインバータ主回路7に出力するようにし
た。
内にホールIC9u,9v及び9wを配置して、その位
置センサ信号Hu,Hv及びHwに基づいて発生される
割込み信号Shによる割込み処理で、マイコン30は、
ステップA1及びA2において位置センサ信号の変化時
間Tsa乃至Tsfを測定し、ステップA7において始
動終了フラグが「1」にセットされている場合に、ステ
ップA9及びA10においてロータ位相たる電気角Px
a乃至Pxf及び変化時間Tsa乃至Tsfに対応する
ロータ位相差Psa乃至Psfを演算して予めROM3
0aに記憶されて読み出されたデータテーブル1及び2
を書替えて修正し、ステップA12及びA13において
修正されたデータテーブル1及び2から電気角Pxa乃
至Pxf及びロータ位相差Psa乃至Psfを読出すと
共に、割込み信号Spによる割込み処理のステップB1
及びB2において時間カウンタ30bのカウンタデータ
Tc及び電圧位相指令Prを読出すと、これらの演算パ
ラメータからステップB3において電圧位相Pnを演算
(Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts)に
よって求め、ステップB5において電圧位相Pnに対応
する正弦波の電圧率データDuを読出し、その電圧率デ
ータDuに応じてステップB6乃至B9においてU,V
及びW相の信号波vau,vav及びvawを演算して
駆動信号回路32に出力し、駆動信号回路32は、信号
波vau,vav及びvawと搬送波Pzとの振幅レベ
ルを比較することによって駆動信号を形成して駆動回路
13を介してインバータ主回路7に出力するようにし
た。
【0086】従って、ホールIC9u,9v及び9wに
よって位置センサ信号Hu,Hv及びHwを得るだけ
で、これらの位置センサ信号から得られる以上に高い分
解能を有するロータの電圧位相Pnを得ることができ、
その電圧位相Pnに基づいて正弦波の電圧率データDu
に応じた駆動信号によってモータ8を駆動することがで
きるので、トルク変動を著しく低減して振動及び騒音を
も低減することができる。また、従来のような高精度の
エンコーダ15を用いる必要がないので、低コストで実
現でき、モータ8の設置スペースを確保できると共に、
防塵対策なども不要となる。
よって位置センサ信号Hu,Hv及びHwを得るだけ
で、これらの位置センサ信号から得られる以上に高い分
解能を有するロータの電圧位相Pnを得ることができ、
その電圧位相Pnに基づいて正弦波の電圧率データDu
に応じた駆動信号によってモータ8を駆動することがで
きるので、トルク変動を著しく低減して振動及び騒音を
も低減することができる。また、従来のような高精度の
エンコーダ15を用いる必要がないので、低コストで実
現でき、モータ8の設置スペースを確保できると共に、
防塵対策なども不要となる。
【0087】更に、ホールIC9v及び9wの取付け
が、当初予定していた電気角からずれた場合や、ホール
IC9v及び9w自体の感度にばらつきがある場合で
も、電気角Pxa乃至Pxf及びロータ位相差Psa乃
至Psfの正確な値を得ることができるので、基準とす
るU相のホールIC9uの取付け精度のみを考慮して組
立てを行えば良く、モータ8の組立てやテストの時間及
びコストを削減することができる。
が、当初予定していた電気角からずれた場合や、ホール
IC9v及び9w自体の感度にばらつきがある場合で
も、電気角Pxa乃至Pxf及びロータ位相差Psa乃
至Psfの正確な値を得ることができるので、基準とす
るU相のホールIC9uの取付け精度のみを考慮して組
立てを行えば良く、モータ8の組立てやテストの時間及
びコストを削減することができる。
【0088】また、本実施例によれば、マイコン30
は、モータ8が1回転する毎に電気角Pxa乃至Pxf
及びロータ位相差Psa乃至Psfを演算してデータテ
ーブル1及び2を書替えて修正するので、モータ8の運
転中にホールIC9v,9wが周囲温度の影響を受けて
その出力特性が変化した場合でも誤差を修正することが
でき、モータ8のトルク変動をより低減することが可能
である。
は、モータ8が1回転する毎に電気角Pxa乃至Pxf
及びロータ位相差Psa乃至Psfを演算してデータテ
ーブル1及び2を書替えて修正するので、モータ8の運
転中にホールIC9v,9wが周囲温度の影響を受けて
その出力特性が変化した場合でも誤差を修正することが
でき、モータ8のトルク変動をより低減することが可能
である。
【0089】加えて、本実施例によれば、マイコン30
は、割込み信号Shによる割込み処理のステップA6に
おいてモータ8の回転周期時間Tmを得ると、ステップ
A8において今回得られた回転周期時間Tmと前回得ら
れた回転周期時間Tm´とを比較して、今回の値Tmの
変化量が前回の値Tm´に比して1%以内であれば、モ
ータ8の回転が安定したと判断して、ステップA9及び
A10において電気角Pxa乃至Pxf及びロータ位相
差Psa乃至Psfを演算するようにした。
は、割込み信号Shによる割込み処理のステップA6に
おいてモータ8の回転周期時間Tmを得ると、ステップ
A8において今回得られた回転周期時間Tmと前回得ら
れた回転周期時間Tm´とを比較して、今回の値Tmの
変化量が前回の値Tm´に比して1%以内であれば、モ
ータ8の回転が安定したと判断して、ステップA9及び
A10において電気角Pxa乃至Pxf及びロータ位相
差Psa乃至Psfを演算するようにした。
【0090】従って、モータ8の回転状態の安定判断を
容易に行うことができると共に、電気角Pxa乃至Px
f及びロータ位相差Psa乃至Psfを、モータ8の回
転が安定した状態において高い精度で得ることができ
る。
容易に行うことができると共に、電気角Pxa乃至Px
f及びロータ位相差Psa乃至Psfを、モータ8の回
転が安定した状態において高い精度で得ることができ
る。
【0091】次に、本発明の第2実施例について、図1
6乃至図19を参照して説明する。図16に示す第2実
施例では、図1に示す第1実施例のインバータ装置35
において、3相ブリッジ回路7の出力端子7u,7v,
7wとモータ8の各相巻線8u,8v,8wとの間に、
巻線8u,8v,8wに流れる電流に比例した電圧信号
を得るための電流検出器36u,36v,36wが設け
られている。そして、電流検出器36u,36v,36
wの出力端子は、比較器37u,37v,37wを介し
てマイコン30の入力端子に接続されており、電流の正
負判定結果、即ち、ゼロクロス点に対応した電流信号S
iu,Siv,Siwをマイコン30に与えるようにな
っている。尚、電流検出器36u乃至36w及び比較器
37u乃至37wは、電流検出手段を構成している。
6乃至図19を参照して説明する。図16に示す第2実
施例では、図1に示す第1実施例のインバータ装置35
において、3相ブリッジ回路7の出力端子7u,7v,
7wとモータ8の各相巻線8u,8v,8wとの間に、
巻線8u,8v,8wに流れる電流に比例した電圧信号
を得るための電流検出器36u,36v,36wが設け
られている。そして、電流検出器36u,36v,36
wの出力端子は、比較器37u,37v,37wを介し
てマイコン30の入力端子に接続されており、電流の正
負判定結果、即ち、ゼロクロス点に対応した電流信号S
iu,Siv,Siwをマイコン30に与えるようにな
っている。尚、電流検出器36u乃至36w及び比較器
37u乃至37wは、電流検出手段を構成している。
【0092】また、比較器37u乃至37wの出力端子
は、回路構成が第1実施例の割込み信号発生回路31と
全く同様である割込み信号発生回路38の入力端子に接
続されている。その割込み信号発生回路38の出力端子
は、マイコン30の第3の割込み信号入力端子に接続さ
れており、マイコン30に割込み信号Siを与えるよう
になっている。他は第1実施例と同様の構成であり、以
上がインバータ装置39を構成している。尚、選択回路
33及び初期駆動回路34は、図示を省略している。
は、回路構成が第1実施例の割込み信号発生回路31と
全く同様である割込み信号発生回路38の入力端子に接
続されている。その割込み信号発生回路38の出力端子
は、マイコン30の第3の割込み信号入力端子に接続さ
れており、マイコン30に割込み信号Siを与えるよう
になっている。他は第1実施例と同様の構成であり、以
上がインバータ装置39を構成している。尚、選択回路
33及び初期駆動回路34は、図示を省略している。
【0093】次に、第2実施例の作用について、図17
乃至図19をも参照して説明する。マイコン30は、第
2実施例においても図5乃至図7の処理を同様に行い、
更に、割込み信号Siの入力に応じて、図17に示す割
込み処理を行うものである。
乃至図19をも参照して説明する。マイコン30は、第
2実施例においても図5乃至図7の処理を同様に行い、
更に、割込み信号Siの入力に応じて、図17に示す割
込み処理を行うものである。
【0094】処理ステップC1乃至C3は、割込み信号
Siが入力された時刻における電圧位相Pnを演算によ
り求めるもので、第1実施例におけるステップB1乃至
B3と同様の処理である。
Siが入力された時刻における電圧位相Pnを演算によ
り求めるもので、第1実施例におけるステップB1乃至
B3と同様の処理である。
【0095】次の「電流信号データの読込み」の処理ス
テップC4においては、マイコン30は、この時点で電
流信号Siu,Siv,Siw(図19(i)参照)が
示している信号レベルを読込んで、次の「電流位相Pi
を得る」の処理ステップC5に移行する。処理ステップ
C5においては、電流位相としての電気角データPi
を、予め各相の電流の正負判定結果の関係から算出して
マイコン30のROMに30a記憶され、初期処理にお
いてRAM30c上に転送されたデータテーブル3(図
18参照)を参照して求める。そして、「電流位相差P
jを演算」の処理ステップC6に移行する。
テップC4においては、マイコン30は、この時点で電
流信号Siu,Siv,Siw(図19(i)参照)が
示している信号レベルを読込んで、次の「電流位相Pi
を得る」の処理ステップC5に移行する。処理ステップ
C5においては、電流位相としての電気角データPi
を、予め各相の電流の正負判定結果の関係から算出して
マイコン30のROMに30a記憶され、初期処理にお
いてRAM30c上に転送されたデータテーブル3(図
18参照)を参照して求める。そして、「電流位相差P
jを演算」の処理ステップC6に移行する。
【0096】マイコン30は、処理ステップC6におい
ては、U相の誘起電圧vmuと相電流iuとの位相差P
jを算出するもので、ステップC3において得られた電
圧位相PnからステップC5において得た電流位相Pi
を減じることにより、電流位相差(電圧電流位相差)P
j(=Pn−Pi)を求める。そして、「電圧位相指令
Prを決定」の処理ステップC7に移行する。尚、ステ
ップC4乃至C6は、電流位相差検出手段に対応してい
る。
ては、U相の誘起電圧vmuと相電流iuとの位相差P
jを算出するもので、ステップC3において得られた電
圧位相PnからステップC5において得た電流位相Pi
を減じることにより、電流位相差(電圧電流位相差)P
j(=Pn−Pi)を求める。そして、「電圧位相指令
Prを決定」の処理ステップC7に移行する。尚、ステ
ップC4乃至C6は、電流位相差検出手段に対応してい
る。
【0097】処理ステップC7においては、マイコン3
0は、ステップC2ではRAM30cから読出した電圧
位相指令Prを、ステップC6で得られた電圧位相Pn
と電流位相Piとの位相差Pjに置き換えて、RAM3
0cの所定領域に書き込む。この処理によって、以降の
印加電圧の位相は、実際のU相誘起電圧vmuとU相電
流iuとの位相差Pjに基づいて決定されるので、両者
の位相差Pjは、縮小される方向に動的に調整される。
0は、ステップC2ではRAM30cから読出した電圧
位相指令Prを、ステップC6で得られた電圧位相Pn
と電流位相Piとの位相差Pjに置き換えて、RAM3
0cの所定領域に書き込む。この処理によって、以降の
印加電圧の位相は、実際のU相誘起電圧vmuとU相電
流iuとの位相差Pjに基づいて決定されるので、両者
の位相差Pjは、縮小される方向に動的に調整される。
【0098】以上のように第2実施例によれば、電流検
出器36u,36v及び36wによって電流波形のゼロ
クロス点に対応した電流信号Siu,Siv及びSiw
を得て、これらの電流信号に基づいて発生される割込み
信号Siによる割込み処理で、マイコン30は、ステッ
プC4乃至C6において誘起電圧に対する電流の位相差
Pjを検出すると、その位相差Pjを電圧位相指令Pr
として設定するようにした。
出器36u,36v及び36wによって電流波形のゼロ
クロス点に対応した電流信号Siu,Siv及びSiw
を得て、これらの電流信号に基づいて発生される割込み
信号Siによる割込み処理で、マイコン30は、ステッ
プC4乃至C6において誘起電圧に対する電流の位相差
Pjを検出すると、その位相差Pjを電圧位相指令Pr
として設定するようにした。
【0099】従って、電圧電流位相差Pjを正確に検出
することができ、誘起電圧に対する電圧位相指令Prが
その電圧電流位相差Pjに設定されることにより、各相
巻線8u,8v及び8wに流れる巻線電流は、誘起電圧
vau,vav及びvawと同相になり、モータ8の発
生トルクを最大にして効率を高めることができる。
することができ、誘起電圧に対する電圧位相指令Prが
その電圧電流位相差Pjに設定されることにより、各相
巻線8u,8v及び8wに流れる巻線電流は、誘起電圧
vau,vav及びvawと同相になり、モータ8の発
生トルクを最大にして効率を高めることができる。
【0100】本発明は、上記し且つ図面に記載した実施
例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形ま
たは拡張が可能である。位置センサ信号は、対応する各
相の誘起電圧と30度の位相差を有するものとしたが、
これに限定されることなくどの様な位相差を有するもの
でも良い。電気角Px,ロータ位相差Ps,電圧位相指
令Pr及び電流位相Piをマイコン30の初期処理にお
いてROM30aからRAM30cに転送し、ステップ
A4,A5,B6及びC5ではRAM30cから読出す
ようにしたが、これらを直接ROM30aから読出すよ
うにしても良い。また、電圧率データDu,Dv及びD
wについても同様である。
例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形ま
たは拡張が可能である。位置センサ信号は、対応する各
相の誘起電圧と30度の位相差を有するものとしたが、
これに限定されることなくどの様な位相差を有するもの
でも良い。電気角Px,ロータ位相差Ps,電圧位相指
令Pr及び電流位相Piをマイコン30の初期処理にお
いてROM30aからRAM30cに転送し、ステップ
A4,A5,B6及びC5ではRAM30cから読出す
ようにしたが、これらを直接ROM30aから読出すよ
うにしても良い。また、電圧率データDu,Dv及びD
wについても同様である。
【0101】第1実施例において、モータ8の起動時に
初期駆動信号回路34によって駆動した後、駆動信号回
路32に切替える場合に、モータ8の回転周期時間Tm
が所定時間に達した場合に切替えるようにしたが、割込
み信号Shによる割込み処理ルーチンにおいて、割込み
回数をカウントすることによりロータの回転回数を計測
し、その回転回数が所定値を超えた場合に切替えるよう
にしても良い。また、所定時間の経過後に切替えるよう
にしても良い。更に、モータ8の回転数が所定値に達す
ると切替えるようにしても良い。信号波発生手段に対応
するマイコン30の動作は、搬送波Pzに同期した割込
み信号Spに基づいて行われているが、これに限定され
ることはなく、例えば、所定周期の時間などその他のタ
イミングに基づいて行っても良い。
初期駆動信号回路34によって駆動した後、駆動信号回
路32に切替える場合に、モータ8の回転周期時間Tm
が所定時間に達した場合に切替えるようにしたが、割込
み信号Shによる割込み処理ルーチンにおいて、割込み
回数をカウントすることによりロータの回転回数を計測
し、その回転回数が所定値を超えた場合に切替えるよう
にしても良い。また、所定時間の経過後に切替えるよう
にしても良い。更に、モータ8の回転数が所定値に達す
ると切替えるようにしても良い。信号波発生手段に対応
するマイコン30の動作は、搬送波Pzに同期した割込
み信号Spに基づいて行われているが、これに限定され
ることはなく、例えば、所定周期の時間などその他のタ
イミングに基づいて行っても良い。
【0102】電気角データPxa乃至Pxf及びロータ
位相差データPsa乃至Psfの演算をモータ8が1回
転する毎に行う場合は、回転安定判定手段のステップA
8は削除しても良い。電気角データPxa乃至Pxf及
びロータ位相差データPsa乃至Psfの演算をモータ
8が1回転する毎に行うようにしたが、数回転する毎に
1回行うようにしても良い。また、ステップA8におい
て「YES」と判断した後1回だけ行うようにしても良
い。電気角データPxa乃至Pxf及び位相差データP
sa乃至Psfは1電気周期分を記憶・演算するように
したが、1電気周期分に限定せず、例えば4極のモータ
の場合には2電気周期分、例えば8極のモータの場合に
は4電気周期分を記憶・演算するなど、適宜変形が可能
である。
位相差データPsa乃至Psfの演算をモータ8が1回
転する毎に行う場合は、回転安定判定手段のステップA
8は削除しても良い。電気角データPxa乃至Pxf及
びロータ位相差データPsa乃至Psfの演算をモータ
8が1回転する毎に行うようにしたが、数回転する毎に
1回行うようにしても良い。また、ステップA8におい
て「YES」と判断した後1回だけ行うようにしても良
い。電気角データPxa乃至Pxf及び位相差データP
sa乃至Psfは1電気周期分を記憶・演算するように
したが、1電気周期分に限定せず、例えば4極のモータ
の場合には2電気周期分、例えば8極のモータの場合に
は4電気周期分を記憶・演算するなど、適宜変形が可能
である。
【0103】回転安定判断手段がモータ8の回転が安定
したと判断する回転周期時間の変化量は、1%に限らず
適宜変更して良い。回転安定判断手段は、周期時間検出
手段に代えて、モータ8の回転数若しくは回転回数を検
出する回転数検出手段若しくは回転回数検出手段を設け
て、モータ8の回転数若しくは回転回数の変化量が所定
範囲内にある場合に安定したと判断しても良い。
したと判断する回転周期時間の変化量は、1%に限らず
適宜変更して良い。回転安定判断手段は、周期時間検出
手段に代えて、モータ8の回転数若しくは回転回数を検
出する回転数検出手段若しくは回転回数検出手段を設け
て、モータ8の回転数若しくは回転回数の変化量が所定
範囲内にある場合に安定したと判断しても良い。
【0104】電圧位相Pnを求める演算は、(6)式に
限らず適宜変更して良い。メインルーチンの実行周期
は、20msに限らず適宜変更して良い。電圧率データ
Duは、正弦波に応じた電圧率に限ること無く、モータ
8のトルク変動を減少させる波形に応じた電圧率であれ
ば適宜変更して良い。
限らず適宜変更して良い。メインルーチンの実行周期
は、20msに限らず適宜変更して良い。電圧率データ
Duは、正弦波に応じた電圧率に限ること無く、モータ
8のトルク変動を減少させる波形に応じた電圧率であれ
ば適宜変更して良い。
【0105】電圧率データDu及び電圧指令信号Daの
値域は、設定ビット数に応じて適宜変更して良い。ま
た、アップダウンカウンタ22aのビット数も8ビット
に限らず、適宜変更して良い。これらの値を変更する場
合は、信号波vauの計算式である(13)式を、一般
式として以下のように変更する。 vau=Do×(Du/Dum)×(Da/Dm)+Do …(18) Do:アップダウンカウンタ22aのビット数のMSB
が示す値 Dum:電圧率データDuのビット数のMSBが示す値 Dm:電圧指令信号Daの最大値
値域は、設定ビット数に応じて適宜変更して良い。ま
た、アップダウンカウンタ22aのビット数も8ビット
に限らず、適宜変更して良い。これらの値を変更する場
合は、信号波vauの計算式である(13)式を、一般
式として以下のように変更する。 vau=Do×(Du/Dum)×(Da/Dm)+Do …(18) Do:アップダウンカウンタ22aのビット数のMSB
が示す値 Dum:電圧率データDuのビット数のMSBが示す値 Dm:電圧指令信号Daの最大値
【0106】また、電圧率データDuの値域は、「−1
27」〜「127」のように正負の値をとらずとも、例
えば8ビットであれば「0」〜「254」の正の値とし
ても良い。その場合は、(13),(15)及び(1
7)式でoffset値として「128」を加算せずとも良
い。(18)式の場合は、Doの加算が不要となる。
27」〜「127」のように正負の値をとらずとも、例
えば8ビットであれば「0」〜「254」の正の値とし
ても良い。その場合は、(13),(15)及び(1
7)式でoffset値として「128」を加算せずとも良
い。(18)式の場合は、Doの加算が不要となる。
【0107】第1及び第2実施例においては、3個のホ
ールIC9u,9v及び9wを用いることにより、RA
M30cに記憶させる位置センサ信号Hu,Hv及びH
wの変化時間はTsa乃至Tsfの6個であったが、モ
ータの極数が4極の場合は、記憶させる位置センサ信号
Hu,Hv及びHwの変化時間を12個として2電気周
期に渡ってデータテーブル1及び2の形成を行っても良
い。
ールIC9u,9v及び9wを用いることにより、RA
M30cに記憶させる位置センサ信号Hu,Hv及びH
wの変化時間はTsa乃至Tsfの6個であったが、モ
ータの極数が4極の場合は、記憶させる位置センサ信号
Hu,Hv及びHwの変化時間を12個として2電気周
期に渡ってデータテーブル1及び2の形成を行っても良
い。
【0108】また、電気角データ及び位相差データは1
電気周期分を6個のデータとして、位置センサ信号H
u,Hv及びHwの立上がり及び立下りのタイミングで
割込み処理ルーチン(Sh)を行ったが、位置センサ信
号Hu,Hv及びHwの立上がり或いは立下がりのみの
タイミングで割込み処理ルーチン(Sh)を行なうよう
にしても良い。この場合には、1電気周期分の電気角デ
ータ及び位相差データは3個のデータとなる。
電気周期分を6個のデータとして、位置センサ信号H
u,Hv及びHwの立上がり及び立下りのタイミングで
割込み処理ルーチン(Sh)を行ったが、位置センサ信
号Hu,Hv及びHwの立上がり或いは立下がりのみの
タイミングで割込み処理ルーチン(Sh)を行なうよう
にしても良い。この場合には、1電気周期分の電気角デ
ータ及び位相差データは3個のデータとなる。
【0109】更に、1個の位置センサ信号の立上がり及
び立下がりのみのタイミングで割込み処理ルーチン(S
h)を行なうようにしても良い。この場合には、1電気
周期分の電気角データ及び位相差データは2個のデータ
となる。時間カウンタ30bは、マイコン30のシステ
ムタイマによるタイマ割込み間隔が充分短い場合は、ソ
フトウエアタイマにより構成しても良い。
び立下がりのみのタイミングで割込み処理ルーチン(S
h)を行なうようにしても良い。この場合には、1電気
周期分の電気角データ及び位相差データは2個のデータ
となる。時間カウンタ30bは、マイコン30のシステ
ムタイマによるタイマ割込み間隔が充分短い場合は、ソ
フトウエアタイマにより構成しても良い。
【0110】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。請求項1記載のインバータ装置に
よれば、データ演算手段は、複数の位置センサ信号の変
化時間より複数の位置センサ信号の変化に対応する誘起
電圧の電気角データと前記変化時間に対応したロータ位
相差データとを演算により求め、電圧位相決定手段は、
複数の位置センサ信号と変化時間と電気角データ及びロ
ータ位相差データとに基づいて変化時間に対応する電気
角よりも高い分解能を有する電圧位相を決定し、信号波
形成手段は、その電圧位相に対応した電圧率に基づいて
信号波を形成し、駆動信号形成手段は、信号波とPWM
制御を行うための搬送波との振幅レベルを比較すること
によって駆動信号を形成して駆動手段に出力するので、
最小限の位置センサで、ロータ位相と同期した任意波形
の電圧をブラシレスモータに供給でき、ブラシレスモー
タのトルク変動を低減することができると共に、位置セ
ンサの取付けが当初予定していた電気角からずれた場合
や、位置センサ自体の感度にばらつきがある場合でも、
電気角データ及びロータ位相差データの正確な値を得る
ことができるので、ブラシレスモータの組み立てやテス
トの時間及びコストを削減することができる。
以下の効果を奏する。請求項1記載のインバータ装置に
よれば、データ演算手段は、複数の位置センサ信号の変
化時間より複数の位置センサ信号の変化に対応する誘起
電圧の電気角データと前記変化時間に対応したロータ位
相差データとを演算により求め、電圧位相決定手段は、
複数の位置センサ信号と変化時間と電気角データ及びロ
ータ位相差データとに基づいて変化時間に対応する電気
角よりも高い分解能を有する電圧位相を決定し、信号波
形成手段は、その電圧位相に対応した電圧率に基づいて
信号波を形成し、駆動信号形成手段は、信号波とPWM
制御を行うための搬送波との振幅レベルを比較すること
によって駆動信号を形成して駆動手段に出力するので、
最小限の位置センサで、ロータ位相と同期した任意波形
の電圧をブラシレスモータに供給でき、ブラシレスモー
タのトルク変動を低減することができると共に、位置セ
ンサの取付けが当初予定していた電気角からずれた場合
や、位置センサ自体の感度にばらつきがある場合でも、
電気角データ及びロータ位相差データの正確な値を得る
ことができるので、ブラシレスモータの組み立てやテス
トの時間及びコストを削減することができる。
【0111】請求項2または3記載のインバータ装置に
よれば、電圧位相決定手段は、位置センサ信号の変化時
間と、変化時間に対応するロータ位相差と、位置センサ
信号の変化時刻と、その変化時刻に対応するロータ位相
と、予め定められた位相指令とを演算パラメータとし
て、ある時刻における電圧位相を上記演算パラメータに
基づいて演算により決定するので、電圧位相を正確に求
めることができる。
よれば、電圧位相決定手段は、位置センサ信号の変化時
間と、変化時間に対応するロータ位相差と、位置センサ
信号の変化時刻と、その変化時刻に対応するロータ位相
と、予め定められた位相指令とを演算パラメータとし
て、ある時刻における電圧位相を上記演算パラメータに
基づいて演算により決定するので、電圧位相を正確に求
めることができる。
【0112】請求項4記載のインバータ装置によれば、
データ演算手段は、複数の位置センサ信号の変化時間よ
り複数の位置センサ信号の変化に対応する誘起電圧の電
気角データと前記変化時間に対応したロータ位相差デー
タとを演算により求め、電圧位相決定手段は、巻線に流
れる電流の電圧に対する位相差と位置センサ信号と位置
センサ信号の変化時間と電気角データ及びロータ位相差
データとに基づいて変化時間に対応する電圧位相よりも
高い分解能を有する電圧位相を決定し、信号波形成手段
は、その電圧位相に対応した電圧率に基づいて信号波を
形成し、駆動信号形成手段は、信号波とPWM制御を行
うための搬送波との振幅レベルを比較することによって
駆動信号を形成して駆動手段に出力するので、巻線に流
れる電流と誘起電圧とを同相にすることができ、発生ト
ルクを最大にしてモータの効率を高めることができる。
データ演算手段は、複数の位置センサ信号の変化時間よ
り複数の位置センサ信号の変化に対応する誘起電圧の電
気角データと前記変化時間に対応したロータ位相差デー
タとを演算により求め、電圧位相決定手段は、巻線に流
れる電流の電圧に対する位相差と位置センサ信号と位置
センサ信号の変化時間と電気角データ及びロータ位相差
データとに基づいて変化時間に対応する電圧位相よりも
高い分解能を有する電圧位相を決定し、信号波形成手段
は、その電圧位相に対応した電圧率に基づいて信号波を
形成し、駆動信号形成手段は、信号波とPWM制御を行
うための搬送波との振幅レベルを比較することによって
駆動信号を形成して駆動手段に出力するので、巻線に流
れる電流と誘起電圧とを同相にすることができ、発生ト
ルクを最大にしてモータの効率を高めることができる。
【0113】請求項5または6記載のインバータ装置に
よれば、電圧位相決定手段は、位置センサ信号の変化時
間と、変化時間に対応するロータ位相差と、位置センサ
信号の変化時刻と、その変化時刻に対応するロータ位相
と、巻線に流れる電流の電圧に対する位相差とを演算パ
ラメータとして、ある時刻における電圧位相を上記演算
パラメータに基づいて演算により決定するので、請求項
2または3と同様の効果が得られる。
よれば、電圧位相決定手段は、位置センサ信号の変化時
間と、変化時間に対応するロータ位相差と、位置センサ
信号の変化時刻と、その変化時刻に対応するロータ位相
と、巻線に流れる電流の電圧に対する位相差とを演算パ
ラメータとして、ある時刻における電圧位相を上記演算
パラメータに基づいて演算により決定するので、請求項
2または3と同様の効果が得られる。
【0114】請求項7記載のインバータ装置によれば、
電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に対応した電圧率
を正弦波に応じた電圧率としたので、正弦波の電圧をブ
ラシレスモータに供給することができ、ブラシレスモー
タのトルク変動を一層低減することができる。
電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に対応した電圧率
を正弦波に応じた電圧率としたので、正弦波の電圧をブ
ラシレスモータに供給することができ、ブラシレスモー
タのトルク変動を一層低減することができる。
【0115】請求項8記載のインバータ装置によれば、
データ演算手段は、回転安定判断手段によってブラシレ
スモータの回転状態が安定したと判断された場合にのみ
電気角データ及びロータ位相差データを演算するので、
電気角データ及びロータ位相差データを高い精度で演算
することができる。
データ演算手段は、回転安定判断手段によってブラシレ
スモータの回転状態が安定したと判断された場合にのみ
電気角データ及びロータ位相差データを演算するので、
電気角データ及びロータ位相差データを高い精度で演算
することができる。
【0116】請求項9記載のインバータ装置によれば、
回転安定判断手段は、周期時間検出手段が検出するブラ
シレスモータの回転周期時間の変化量が所定範囲内であ
る場合に安定したと判断するので、ブラシレスモータの
回転状態の安定判断を容易に行うことができる。
回転安定判断手段は、周期時間検出手段が検出するブラ
シレスモータの回転周期時間の変化量が所定範囲内であ
る場合に安定したと判断するので、ブラシレスモータの
回転状態の安定判断を容易に行うことができる。
【図1】本発明の第1実施例を示す電気的構成のブロッ
ク図
ク図
【図2】割込み信号発生回路の電気的構成を示す図
【図3】電圧率データの波形図
【図4】選択信号Se1及びSe2と駆動回路に与えら
れる駆動信号との対応を示す図
れる駆動信号との対応を示す図
【図5】制御内容のメインルーチンのフローチャート
【図6】割込み信号Shに対する割込み処理ルーチンの
フローチャート
フローチャート
【図7】割込み信号Spに対する図6相当図
【図8】タイミングチャート
【図9】位置センサ信号Hu,Hv,Hwと電気角Px
との対応を示す図
との対応を示す図
【図10】位置センサ信号Hu,Hv,Hwとロータ位
相差Psとの対応を示す図
相差Psとの対応を示す図
【図11】具体的数値による計算例を示すタイミングチ
ャート
ャート
【図12】データ演算手段により書替えられた図9相当
図
図
【図13】データ演算手段により書替えられた図10相
当図
当図
【図14】修正前のタイミングチャート
【図15】ブラシレスモータの発生トルクを示す図
【図16】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図17】割込み信号Siに対する図6相当図
【図18】電流信号Si,Su,Svと電気角Piとの
対応を示す図
対応を示す図
【図19】図8相当図
【図20】第1の従来例を示す図1相当図
【図21】図8相当図
【図22】PWM回路の電気的構成を示す図
【図23】PWM回路の内部信号のタイミングチャート
【図24】図15相当図
【図25】第2の従来例を示す図1相当図
【図26】図8相当図
7はインバータ主回路(駆動手段)、8はブラシレスモ
ータ、9u,9v,9wはホールIC、13は駆動回
路、30はマイクロコンピュータ、30aはROM(電
圧率記憶手段,パラメータ記憶手段)、30bは時間カ
ウンタ、30cはRAM(パラメータ記憶手段)、32
は駆動信号回路(駆動信号形成手段)、35はインバー
タ装置、36u,36v,36wは電流検出器(電流検
出手段)、39はインバータ装置を示す。
ータ、9u,9v,9wはホールIC、13は駆動回
路、30はマイクロコンピュータ、30aはROM(電
圧率記憶手段,パラメータ記憶手段)、30bは時間カ
ウンタ、30cはRAM(パラメータ記憶手段)、32
は駆動信号回路(駆動信号形成手段)、35はインバー
タ装置、36u,36v,36wは電流検出器(電流検
出手段)、39はインバータ装置を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 ブラシレスモータの複数の巻線に発生す
る誘起電圧と一定の位相関係をもち且つロータの基準位
置からの回転位置たる電圧位相を示す複数の位置センサ
信号に基づいて前記複数の巻線に通電するインバータ装
置において、 前記複数の位置センサ信号が変化した時間を測定する位
置センサ信号変化時間測定手段と、 この位置センサ信号変化時間測定手段によって測定され
た変化時間より、前記複数の位置センサ信号の変化に対
応する誘起電圧の電気角データと前記変化時間に対応し
たロータ位相差データとを演算により求めるデータ演算
手段と、 前記複数の位置センサ信号と前記変化時間と前記電気角
データ及びロータ位相差データとに基づいて、前記変化
時間に対応する電気角よりも高い分解能を有する電圧位
相を決定する電圧位相決定手段と、 この電圧位相決定手段によって決定された電圧位相に対
応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、 この電圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号
波を形成する信号波形成手段と、 PWM制御を行うための搬送波を出力する搬送波出力手
段を有し、前記信号波と前記搬送波との振幅レベルを比
較することによって駆動信号を形成する駆動信号形成手
段と、 この駆動信号形成手段からの駆動信号に基づいて前記複
数の巻線に通電する駆動手段とを具備したことを特徴と
するインバータ装置。 - 【請求項2】 電圧位相決定手段は、位置センサ信号変
化時間測定手段が測定した変化時間と、この変化時間に
対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化時刻
と、この変化時刻に対応するロータ位相と、予め定めら
れた電圧位相指令とを演算パラメータとして記憶するパ
ラメータ記憶手段を有し、 ある時刻における電圧位相を、前記演算パラメータに基
づいて演算により決定することを特徴とする請求項1記
載のインバータ装置。 - 【請求項3】 変化時間をTs,ロータ位相差をPs,
変化時刻をTx,ロータ位相をPx,電圧位相指令をP
rとした場合、電圧位相を決定する時刻Tnにおける電
圧位相Pnは、 Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts のように演算されるようになっていることを特徴とする
請求項2記載のインバータ装置。 - 【請求項4】 ブラシレスモータの複数の巻線に発生す
る誘起電圧と一定の位相関係をもち且つロータの基準位
置からの回転位置たる電圧位相を示す複数の位置センサ
信号に基づいて前記複数の巻線に通電するインバータ装
置において、 前記巻線に流れる電流の誘起電圧に対する位相差即ち電
圧電流位相差を検出する電流位相差検出手段と、 前記複数の位置センサ信号が変化した時間を測定する位
置センサ信号変化時間測定手段と、 この位置センサ信号変化時間測定手段によって測定され
た変化時間より、前記複数の位置センサ信号の変化に対
応する誘起電圧の電気角データと前記変化時間に対応し
たロータ位相差データとを演算により求めるデータ演算
手段と、 前記電圧電流位相差と前記位置センサ信号と前記変化時
間と前記電気角データ及び前記ロータ位相差データとに
基づいて、前記変化時間に対応する電気角よりも高い分
解能を有する電圧位相を決定する電圧位相決定手段と、 この電圧位相決定手段によって決定された電圧位相に対
応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、 この電圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号
波を形成する信号波形成手段と、 PWM制御を行うための搬送波を出力する搬送波出力手
段を有し、前記信号波と前記搬送波との振幅レベルを比
較することによって駆動信号を形成する駆動信号形成手
段と、 この駆動信号形成手段からの駆動信号に基づいて前記複
数巻線に通電する駆動手段とを具備したことを特徴とす
るインバータ装置。 - 【請求項5】 電圧位相決定手段は、位置センサ信号変
化時間測定手段が測定した変化時間と、この変化時間に
対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化時刻
と、この変化時刻に対応するロータ位相と、電流位相差
検出手段が検出する電圧電流位相差とを演算パラメータ
として記憶するパラメータ記憶手段を有し、 ある時刻における電圧位相を、前記演算パラメータに基
づいて演算により決定することを特徴とする請求項4記
載のインバータ装置。 - 【請求項6】 変化時間をTs,ロータ位相差をPs,
変化時刻をTx,ロータ位相をPx,電圧電流位相差を
Pjとした場合、電圧位相を決定する時刻Tnにおける
電圧位相Pnは、 Pn=Px+Pj+Ps×(Tn−Tx)/Ts のように演算されるようになっていることを特徴とする
請求項5記載のインバータ装置。 - 【請求項7】 電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に
対応した電圧率は、正弦波に応じた電圧率であることを
特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインバータ
装置。 - 【請求項8】 データ演算手段は、ブラシレスモータの
回転状態が安定したか否かを判断する回転安定判断手段
を有し、この回転安定判断手段によって安定したと判断
された場合にのみ電気角データ及びロータ位相差データ
を演算することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに
記載のインバータ装置。 - 【請求項9】 回転安定判断手段は、ブラシレスモータ
の回転周期時間を検出する周期時間検出手段を有し、こ
の周期時間検出手段が検出する前記回転周期時間の変化
量が所定範囲内である場合に安定したと判断することを
特徴とする請求項8記載のインバータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7301648A JPH09149679A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | インバータ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7301648A JPH09149679A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | インバータ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09149679A true JPH09149679A (ja) | 1997-06-06 |
Family
ID=17899473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7301648A Pending JPH09149679A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | インバータ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09149679A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU716386B2 (en) * | 1997-08-29 | 2000-02-24 | Toshiba Lifestyle Products & Services Corporation | Motor drive control for washing machine |
JP2001190085A (ja) * | 1999-11-23 | 2001-07-10 | Texas Instr Inc <Ti> | Pwm正弦波駆動とdcモータとを同期させる方法と装置 |
KR100613861B1 (ko) * | 2005-01-22 | 2006-08-17 | 학교법인 유한학원 | 주파수편이 변조를 이용한 공진형 송신기 |
-
1995
- 1995-11-20 JP JP7301648A patent/JPH09149679A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU716386B2 (en) * | 1997-08-29 | 2000-02-24 | Toshiba Lifestyle Products & Services Corporation | Motor drive control for washing machine |
JP2001190085A (ja) * | 1999-11-23 | 2001-07-10 | Texas Instr Inc <Ti> | Pwm正弦波駆動とdcモータとを同期させる方法と装置 |
KR100613861B1 (ko) * | 2005-01-22 | 2006-08-17 | 학교법인 유한학원 | 주파수편이 변조를 이용한 공진형 송신기 |
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