JP2017131000A - 3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法 - Google Patents

3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】好適な位置検出方法のなかった零速から中速域で、ホールセンサ相当の位置情報を得ることができ、閉ループ制御により始動することができる3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法を提供する。
【解決手段】MPU5は、回転子の現在位置情報と回転方向情報から次に出現すると予測される誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相を選択してセンシングパルスを通電し、測定手段を用いて周期的にインダクタンス測定を行い、当該通電相のインダクタンス測定値の大小比較と波形勾配符号判定により回転子位置を特定し、特定した回転子位置情報と回転方向情報に基づいて励磁相を切り替えることで零速から中速域にかけて閉ループ制御にて3相ブラシレスモータを回転駆動する。
【選択図】図10

Description

本発明は、例えば3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法に係り、特にセンサレスモータで零速から中速域にかけて回転子位置を検出して、閉ループ制御にて始動するセンサレス駆動方法に関する。
ブラシレスDCモータをコストダウンするにはセンサレス駆動が有効である。しかし現状のセンサレス駆動は始動初期に回転子位置を検出できないオープンループ期間がある。そのため始動ミスを始め様々な問題が発生しており、センサレス駆動の普及を阻んでいる。
一般的な永久磁石界磁型の位置センサレス3相ブラシレスDCモータを対象とする。図13に一例を示す。回転子軸1を中心に回転する回転子2には永久磁石3が設けられ、固定子4には120°位相差で設けられた極歯にコイルU,V,Wが配置され、コモンCを介してスター結線される。永久磁石界磁の磁極構造(IPM,SPM)あるいは極数等は様々である。
また3相ブラシレスDCモータをセンサレス駆動する駆動回路を対象としている。図14に一例を示す。基本的な回路はセンシング部・制御部・インバータ部からなり、例えば強制同期にて始動し120°通電(後述)等にて回転する構成となっている。
センシング部はダミーコモンcを生成する抵抗網を備え、ゼロクロスコンパレータCOMP1〜3はコイルU,V,Wとダミーコモンc間の電圧を比較して誘起電圧を検出する。
MPUはマイクロプロセッサであり、コンパレータ出力SU,SV,SWに応じてゲート出力OUT1〜OUT6を切り替えてインバータ部を制御する。
インバータ部は3個のハーフブリッジB1〜B3で構成され、コイルU,V,Wを正逆励磁あるいはハイインピーダンス状態とする。
(静止時の位置検出)
上述したモータ駆動装置(DRIVER)は、静止時の位置検出に磁気回路の空間高調波によるコイルインダクタンス変化を検出するインダクティブセンス方式が一般的である。コイル電流プロファイルからインダクタンスを推定する方法や、高周波パルスを重畳させて高周波電流ピークを測定する方法などがある。
またインダクタンス変化は界磁のN極とS極で等しく位置検出には極性判別が必要となる。磁気飽和あるいは磁気ヒステリシス等を利用して極性を判別する方法も種々提案されている。
あるいは回転子を強制的に位置決めし位置検出は行わないセットアップ法もある。静止時に任意の固定磁界を与え回転子を特定の位置に固定する。デッドポイントを避けるため通常、2段階の固定励磁にて最終位置に位置決めする。この方法は位置決めに時間を要することと電気角で180°以上逆転する場合があるといった欠点があるが、検出手段が不要で手順も簡便であり位置決め効果も高いことから小型モータでは広く用いられている。以下の説明では、これらの技術により静止時の回転子位置は特定されているものとする。
(回転時の位置検出)
回転時は誘起電圧Vbを利用して位置検出を行っている。
誘起電圧はVb=Ke×N×sinθで表される。但し、Ke=誘起電圧定数、N=回転数、θ=回転子電気角を示す。
図15に3相の誘起電圧プロファイルを示す。SU〜SWはゼロクロスコンパレータ出力波形である。なお本書では回転子N極方向がU相N極方向と一致するゼロクロス点を0°とし、120°通電の通電区間である位相角30°から始まる60°ピッチの区間で電気角を区分する。
励磁方式は誘起電圧のゼロクロス点を検出する120°通電が主流で、2相に通電し、残りの1相を誘起電圧検出に使用する。現在位置から次のゼロクロス発生相を予測し閉ループ制御により駆動する。
図16に120°通電のタイミングチャートを示す。U〜Wがコイル通電波形である。中心線より上側が+励磁、下側が−励磁を表す。参考までに、破線サイン波=誘起電圧波形、ZX0〜300=ゼロクロス点、HU〜HW=ホールセンサ出力波形、を記載した。誘起電圧ゼロクロス点とホールセンサエッジとは30°位相差があることに注意を要する。
尚、零速近傍の極低速域からの駆動を可能とする位置センサレス駆動方式が提案されている。この方式は永久磁石モータの中性点電位をインバータのPWM波形に同期させて検出し理想的な正弦波状の電流で駆動するものである(特許文献1参照)。
特開2010−74898号公報
上述した背景技術に示す3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法は、以下に述べる技術的課題があった。即ちモータ静止時はインダクタンスを測定し、インダクタンスプロファイルからパターンマッチング法により回転子位置を検出している。しかしモータ始動直後の低速域ではまだ誘起電圧が小さすぎて利用できず回転子位置が検出できない。このため、オープンループにて徐々に転流周期を上げるランプスタート法が一般的であるが、オープンループ制御はトルク変動や加速レートに厳しい制約があり、始動ミスが発生し易く、始動時間がかかるなど様々な課題がある。
この回転子位置が検出できない期間を超えるために矩形波駆動で急加速してわずか1励磁区間で誘起電圧を検出する方法も多用されている。しかし情報機器・ファンなどに用途が限られ、また微妙なタイミング設定が要求されるなど制約が多く回転動作は不安定となる。
極低速域から中速回転(50rpm〜300rpm程度)まで継続して回転子位置を検出する方法としては、上述の先行技術例の他にも空間ベクトルPWMによるセンサレスベクトル制御等がある。しかし、その実現には高精度電流センサと高速A/Dコンバータ、マルチパターンPWM回路、高性能CPUなどが必要となる。また位置推定演算の負荷が大きくソフトウェアの負担も大きい。このようにセンサレスベクトル制御はハード・ソフトともにコストがかかりすぎ低価格の小型モータでの利用は困難である。
前述した特許文献1の構成においては、コモン線を設けなければならず配線が多くなるうえにセンサレスベクトル制御回路が必要であるため、小型の3相ブラシレスDCモータではコスト的に採用が難しい。
このように現状では3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法において、低価格で零速近傍の極低速域から中速域にかけて継続的に回転子位置を検出する好適な方法が無い。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、好適な位置検出方法のなかった零速から中速域で、ホールセンサ相当の位置情報を得ることができ、閉ループ制御により始動することができる3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法を提供することにある。
本発明は、上記従来技術の課題を解決すべく以下の手段を備える。
即ち、永久磁石界磁型の回転子を備えた3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法であって、上位コントローラからの回転指令によりモータ駆動信号を出力制御する制御手段と、前記制御手段の出力指令により、所定相コイルに正方向通電または逆方向通電するためのハーフブリッジ回路を3相分備えたモータ出力手段と、任意の相のインダクタンスを測定する測定手段と、を具備し、前記制御手段は、前記回転子の現在位置情報と回転方向情報から次に出現すると予測される誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相を選択してセンシングパルスを通電し、前記測定手段を用いて周期的にインダクタンス測定を行い、当該通電相のインダクタンス測定値の大小比較と波形勾配符号判定により回転子位置を特定し、特定した回転子位置情報と回転方向情報に基づいて前記モータ出力手段による励磁相を切り替えることで零速から中速域にかけて閉ループ制御にて3相ブラシレスモータを回転駆動することを特徴とする。
上記3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法を用いれば、従来回転子の好適な位置検出方法のなかった零速から中速域で、ホールセンサ相当の回転子位置情報を得ることができ、3相ブラシレスモータのセンサレス駆動において閉ループ制御による始動が可能となり、始動トルク範囲が広がり、負荷変動による始動ミスや脱調を無くすことができる。
前記制御手段は、前記センシングパルスを所定相コイルに対して、1相正方向・1相逆方向・2相正方向・2相逆方向・3相正方向・3相逆方向の6種の通電方式からひとつを選択し、任意の相へ任意のタイミングで通電することで、電気角0°から始まる30°ピッチで、誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相を特定し、これにより回転子位置を特定することが望ましい。
これにより、制御手段は、特定した回転子位置から次に出現する誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相へ所定の通電方式により通電する動作を電気角で30°ピッチで繰り返すことで、確実にセンサレス駆動することができる。
前記測定手段は、前記制御手段に内蔵したタイマーであり、前記制御手段は、インダクタンス測定対象コイルに一定電圧かつ一定時間のセンシングパルスを印可し、通電遮断時に発生するコイル蓄積エネルギー放出によるスパイクパルスのパルス幅時間を前記タイマーにより測定することで、当該パルス幅時間をもってインダクタンス相当値とみなすことが望ましい。
これにより、制御手段であるMPUに標準的に内蔵する計測用タイマーを用いて各検出相コイルのスパイクパルスのパルス幅時間を測定し、制御手段はパルス幅時間の大小比較という簡易な演算処理で誘起電圧負側交点の検出を実現できる。また、コイルに蓄積されたエネルギーは電流を積分したものであり、減衰振動やノイズが低減されて微小なインダクタンス変化を安定してしかも高精度に測定することができる。
前記制御手段は、負極性スパイクパルスを検出する際に中性点電位が与えられるゼロクロスコンパレータリファレンス電位を電源電位の1/2以下に下げるバイアス手段と、正極性スパイクパルスを検出する際にゼロクロスコンパレータリファレンス電位を電源電位の1/2以上に上げるバイアス手段と、を備え、前記制御手段はセンシングパルスの通電方向に応じて前記バイアス手段を制御して、ゼロクロスコンパレータによりスパイクパルスを検出してもよい。
これにより、センサレス駆動回路が通常有するゼロクロスコンパレータを用いてスパイクパルスを検出するので簡易な回路構成で広い電源電圧範囲に対応することができる。
或いは、前記制御手段は、相ごとに負極性スパイクパルス及び正極性スパイクパルスを入力レベルに整合させる2個のレベルシフト手段を備え、3相分で合計6個の前記レベルシフト手段の出力を、センシングパルスの通電相及び通電方向に応じていずれかひとつを選択して内部タイマーに送出し、スパイクパルス幅時間を測定するようにしてもよい。
これにより、各相で発生する負極性スパイクパルス及び正極性スパイクパルスを電圧レベルを下げて制御手段に取り込むことで、位相遅れを低減しスパイクパルス幅時間を高精度で測定することができる。また、ゼロクロスコンパレータが不要となり、回路構成が簡易になる。
前記制御手段は、励磁区間番号とそれに応じたセンシングパルス通電方向と、誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相と、当該通電相のインダクタンス波形勾配符号情報をルックアップテーブルに記憶しておき、励磁方式に対応するセンシング通電方式を選択し前記回転子の現在位置に応じた励磁区間番号を参照することで、センシング通電することが好ましい。
これにより、回転子の位置検出に必要な演算は、通電相のインダクタンス測定値の相対レベルの大小比較だけですむので、ハードウェアはシンプルであり、さらにルックアップテーブル参照方式により複雑な演算を要さずソフトウェアの負荷も少なく、ハード・ソフトの両面から低コスト化を実現できる。
上述した3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法を用いれば、従来、小型の3相ブラシレスDCモータのセンサレス駆動において、好適な位置検出方法のなかった極低速域から中速域で、ホールセンサ相当の回転子位置情報を得ることができる。それにより閉ループ制御による始動が可能となり以下の効果が生まれる。
3相ブラシレスモータの始動トルク範囲が広がり、負荷変動による始動ミスや脱調を回避できるうえに、加速レート範囲も広がり、ソフトスタートあるいはストール運転をすることもできる。
ピーク始動電流を低減でき、電源容量も小さく抑える事ができるため省エネルギー化を図ることができる。また、制御手段による最適な励磁切り替えにより、モータ振動が減り、始動時間も短縮される。
IPM(Interior Permanent Magnet)、SPM(Surface Permanent Magnet)など永久磁石界磁型の回転子を備えた各種モータのセンサレス駆動に適用することができる。
更には、励磁切り替え原理が明快で判りやすく、従来のモータ駆動回路に容易に組み込むことができ、センサレス駆動の可能性を大きく拡げ、小型モータ分野での用途拡大が期待される。
1相通電センシング零速時のインダクタンス波形図(インダクタンスプロファイル)である。 1相通電センシング回転時のインダクタンス波形図(インダクタンスプロファイル)である。 1相通電センシング零速時のインダクタンス実測波形図(インダクタンス実測プロファイル)である。 1相通電センシング回転時のインダクタンス実測波形図(インダクタンス実測プロファイル)である。 1相正方向通電/逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形図(インダクタンス実測プロファイル)である。 2相正方向通電/逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形図(インダクタンス実測プロファイル)である。 3相正方向通電/逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形図(インダクタンス実測プロファイル)である。 3相のインダクタンス測定波形図である。 始動時の3相正・逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形図(インダクタンス実測プロファイル)である。 実施例1に係るモータ駆動回路の構成図である。 実施例2に係るモータ駆動回路の構成図である。 センサレス駆動方法を示すフローチャート図である。 3相ブラシレスモータの説明図である。 従来の3相ブラシレスモータのモータ駆動回路の構成図である。 誘起電圧波形図(誘起電圧プロファイル)である。 120°通電を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明に係る3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本願発明は、回転子に永久磁石界磁を備え、固定子4に巻き線を120°位相差で配置してスター結線し、相端が前記モータ出力手段に接続された3相ブラシレスDCモータをセンサレス駆動するセンサレス駆動方法に広く適用することができる。
以下では、3相DCブラシレスモータをセンサレス駆動するセンサレス駆動方法についてモータの構成と共に説明する。
図13に本発明に係る3相ブラシレスDCモータの一実施例を示す。一例として2極永久磁石ロータと3スロットを設けた固定子4を備えた3相ブラシレスDCモータを例示する。モータはインナーロータ型でもアウターロータ型でもいずれでもよい。
図13において、回転子軸1には回転子2が一体に設けられ、界磁として2極の永久磁石3が設けられている。固定子4には120°位相差で極歯U,V,Wが永久磁石3に対向して配置されている。固定子4の各極歯U,V,Wに巻線u,v,wを設けて相間をコモンCで結線して後述するモータ駆動装置(DRIVER)に配線された3相ブラシレスDCモータとなっている。尚、コモン線は、不要であるので省略されている。
次に本発明に係るモータ駆動装置(DRIVER)の構成例を図10及び図11に示す。駆動方式は1相120°バイポーラ矩形波励磁である。MPU5(マイクロプロセッサ;制御手段)は、上位コントローラ6からの回転指令(RUN)によりモータ駆動信号を出力端子OUT1〜OUT6から出力制御する。また、MPU5は、上位コントローラ6に回転子位置情報や回転方向情報を送出する。
(実施例1)
図10に実施例1の駆動回路図を示す。
上位コントローラ6は回転指令RUNをMPU5(制御手段)に与える。モータ駆動回路のレギュレータは、MPU用電源VCCを生成する。MPU5はマイクロプロセッサであり、ゼロクロス点検出手段COMP1〜3の出力信号SU〜SWによりハーフブリッジ回路B1〜B3(モータ出力手段)のゲート信号OUT1〜6を切り替え、1相120°バイポーラ通電などを行う。MPU5は、予め回転子2の位相角度に対するインダクタンス測定情報をメモリ内のセンシングテーブルSTに格納している。また、スパイクパルス時間を計測する内蔵タイマーTM(測定手段)を備えている。MPU5は、上位コントローラ6のコマンドにより動作し、メモリに記憶されたプログラムを読み込出し、プログラムの指示に従ってコマンドを出力したり、メモリからデータを参照したりして、入力データをプログラム通りに演算・加工したうえで出力する。
ハーフブリッジ回路B1〜B3は、各相端u,v,wを高電位H(+V)あるいは低電位L(GND)に接続する。各相端u〜wはそれぞれハーフブリッジ回路B1〜B3の出力端子(ハイサイドトランジスタとロウサイドトランジスタの接続部)に接続され、また後述するバイアス手段BS1(抵抗R1〜R6)及びダミーコモンcに各々接続される。
ゼロクロスコンパレータCOMP1〜3(ゼロクロス点検出手段)は各相端u〜wとダミーコモンc間に発生する誘起電圧のゼロクロス点を検出するコンパレータである。ゼロクロスコンパレータCOMP1〜3の出力信号SU〜SWは、MPU5(制御手段)に出力される。
一般にモータ駆動装置(DRIVER)のセンサレス駆動回路には、ゼロクロスコンパレータCOMP1〜3を備えている。このゼロクロスコンパレータCOMP1〜3を使ってスパイクパルスを検出すれば、コストがかからず広い電源電圧範囲に対応できる。そこで、非通電時にコイル電位を電源電位の1/2にするバイアス手段BS1と、負極性スパイクパルスを検出する際に中性点電位を与えるゼロクロスコンパレータリファレンス電位を電源電位の1/2以下に下げるバイアス手段BS2(トランジスタTR1)と、正極性スパイクパルスを検出する際にゼロクロスコンパレータリファレンス電位を電源電位の1/2以上に上げるバイアス手段BS3(ダーリントン接続されたトランジスタTR2及びトランジスタTR3)を備えている。
MPU5は、センシング通電をハーフブリッジ回路B1〜B3(モータ出力手段)により実行するとともに、正極性若しくは負極性のスパイクパルスに応じてバイアス手段BS2及びバイアス手段BS3の動作をOUT7及びOUT8にて制御し、3個のゼロクロスコンパレータCOMP1〜3の出力からSELECTを介してひとつを選択してMPU5の内蔵タイマーTMに送出し、スパイクパルス時間を測定する。
(実施例2)
図11に実施例2の駆動回路図を示す。図10と同一部材には同一符号を付して説明を援用するものとする。
本実施例では、ハーフブリッジ回路B1〜B3は、各相端u,v,wを高電位H(+V)あるいは低電位L(GND)に接続する。各相端u〜wはそれぞれハーフブリッジ回路B1〜B3の出力端子(ハイサイドトランジスタとロウサイドトランジスタの接続部)に接続され、またバイアス手段BS1(抵抗R1〜R6)及びレベルシフト回路LS1〜LS6に各々接続され、更にレベルシフト回路LS1〜LS6を介してMPU5に各々接続されている。
このように、各相コイルU,V,Wに発生したスパイクパルスを直接MPU5に取り込めば位相遅れが小さく高精度化しやすい。しかしながら、MPU5の電源より電圧が高くそのままでは取り込めないので、レベルシフト回路LS1〜LS6を介して取り込むことにした。入力信号は、MPU5内の保護ダイオードによりVCC或いはGNDにクランプされる。なお、図10で用いたゼロクロスコンパレータCOMP1〜3は不要である。
そこで、非通電時に各相コイル電位を電源電位の1/2にするバイアス手段BS1と、相ごとに負極性スパイクパルスをコンディショニングするレベルシフト手段LS1〜LS3(抵抗R7〜R9)と、正極性スパイクパルスをコンディショニングするレベルシフト手段LS4〜LS6(可変抵抗VR1〜VR3)を各々備えている。
MPU5はセンシング通電をハーフブリッジ回路B1〜B3(モータ出力手段)により実行するとともに、各相コイルで発生した正極性若しくは負極性のスパイクパルスを対応する6個のレベルシフト手段LS1〜LS6を経てコンディショニングされた正極性若しくは負極性パルスがMPU5の対応する正負入力端子NU,PU、NV,PV、NW,PWから入力する。入力した正極性若しくは負極性パルスは、SELECTを介してセンシング通電の通電相と通電方向からひとつを選択してMPU5の内蔵タイマーTMに送出して、スパイクパルス時間を測定する。
(安定交点の検出)
ここで、3相ブラシレスモータにセンシング通電した際に発生する誘起電圧負側交点(安定交点)の検出原理について説明する。
本発明は、回転子角度に対するインダクタンス波形(インダクタンスプロファイル)を作成して、速度変化に対し位相及び通電相と波形勾配符号の変化しない交点の存在に着目して回転子位置を特定する。以下では、磁気回路特性を理想的なサイン波としたモデルを用いて説明する。回転子が零速時(励磁電流は流れているが回転子が静止している時)の空間高調波による各相コイルのインダクタンス変化Lを2周期性のコサイン波とすると、
LU=−cos2θ 式1
LV=−cos(2(θ−2π/3)) 式2
LW=−cos(2(θ−4π/3)) 式3
図1は零速時の各相コイルのインダクタンス波形(インダクタンスプロファイル)を示す。
また、回転時の各相コイルのインダクタンス変化Bを、零速時の前記インダクタンス変化Lと正負を反転した誘起電圧の合成とすると、
BU=LU+K(−sinθ) 式4
BV=LV+K(−sin(θ−2π/3)) 式5
BW=LW+K(−sin(θ−4π/3)) 式6 但しK=速度係数
図2に回転時の各相コイルのインダクタンス波形(インダクタンスプロファイル)を示す。bemfU〜bemfWは参考用に表示した誘起電圧波形である。
図1及び図2の双方を比較すると、90°から始まる120°ピッチで位相・通電相・波形勾配符号が一致する3交点(丸印、以下「安定交点」という)が発生していることが判る。これ以外の交点は回転するにつれて位相シフトを起すか勾配が反転するかあるいは交点が消滅する。
安定交点の位相角を計算から求める。
静止時の空間高調波のインダクタンス波形のU相とV相の交点角度は、
−cos2θ=−cos(2(θ−2π/3))と表され、
これを解くとθ=π/3、5π/6、4π/3、11π/6となる。
波形勾配符号はπ/3、4π/3はU=+、V=−であり、5π/6、11π/6はU=−、V=+である。
一方、回転時に発生する逆極性誘起電圧波形のU相とV相の交点角度は、
−sinθ=−sin(θ―2π/3)と表され、
これを解くとθ=5π/6、11π/6となる。
波形勾配符号は5π/6はU=+、V=−、11π/6はU=−、V=+である。
以上からU相とV相の交点のうち、静止時と回転時の双方で等しい角度と波形勾配符号を持つ交点は11π/6つまり330°の一点のみである。
同様にV相とW相、W相とU相の交点を計算すると、90°、210°のみとなる。よって、安定交点は90°、210°、330°の3か所である。
さらに図13に示す実機においても各相コイルのインダクタンス波形(インダクタンスプロファイル)を作成して確認してみる。図3は零速時の各相コイルのインダクタンス実測波形(インダクタンス実測プロファイル)を示す。また、図4は回転時の各相コイルのインダクタンス実測波形(インダクタンス実測プロファイル)を示す。回転数は2極モータ換算で420rpm、インダクタンス測定周期は1.6msである(測定方法は後述)。その結果、モデル同様に安定交点が発生することが判った。尚、図1〜4はすべて1相正方向通電センシング(後述)による。
モータが零速時は、モータの幾何学的構成と電磁気的な特性を反映した磁気回路の空間高調波により回転子位置に応じてインダクタンスが変化し、誘起電圧の負側交点と位相が一致する位置(90°、210°、330°)に安定交点が発生することが判明した。
なお、空間高調波は2周期性があり、安定交点と180°離れた位置に同様の交点が存在する。こちらは回転子位置が判れば検出対象から外すことができる。本発明では回転子2の位置が始動励磁の直前には予め判っていることが前提条件となっている。
次に、回転時も誘起電圧の負側交点と位相が一致する位置に安定交点が発生する理由を説明する。回転子2が回転し始めるとコイルに誘起電圧が発生し、誘起電圧が正側に発生している区間では実効コイル電圧が低下し、負側の誘起電圧が発生している区間では上昇する。つまりコイル電圧Vc=相電圧Vm−誘起電圧Vbと表すことができ、回転時のインダクタンス変化BU〜BWは正負を反転した誘起電圧を反映していると言える。
図2に細線で記載された誘起電圧の参考波形を見ると、例えば左下の誘起電圧波形bemfVが上方に折り返されて左上の波形BVに反映していることが理解される。波形bemfW、bemfUも同様である。その結果、矢印のように誘起電圧負側交点も上方へ折り返される。従って安定交点は、誘起電圧の負側の交点が正負反転したものである。
そして、矩形波駆動の励磁相切り替え動作は2相の誘起電圧が等しくなる交点にて行われる。安定交点は誘起電圧交点を反映していることから励磁切り替え点を示している。
安定交点の角度は、磁気回路特性が磁極中心に対し対称となっている場合は、90°・210°・330°である。偏っていた場合はわずかに位相シフトするがシフトした位置が理想的な励磁切り替え点であることから問題はない。本実施形態では便宜上、磁気回路は歪のないサイン波として角度を説明している。
また空間高調波位相と誘起電圧位相の双方とも角速度に依存しないことから安定交点の位相は零速時も回転時も等しく、常に正確な励磁切り替え点である。
従って、安定交点は、回転子2が零速から回転域にわたって継続的に位置検出に使用可能となることがわかる。
(位相シフト)
誘起電圧の位相は励磁条件によりシフトする。同様にインダクタンスを測定するセンシング通電においても通電条件により安定交点の位相はシフトする。位相シフトは零速時の空間高調波においても発生する。
例えばコイル端u,v,wからコモンCへと通電する1相正方向通電センシングの場合(図10,図11参照)は、前述のとおり安定交点の位相は90°・210°・330°の3点である。しかしコモンCからコイル端u,v,wへと通電する逆方向通電とすると180°位相がずれ270°・30°・150°となる。ただし勾配符号は変化しない。そして逆方向通電は、正方向通電時とは60°位相差の位置を検出できることになる。
図5に零速時の1相正方向通電センシングと1相逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形(インダクタンス実測プロファイル)を示す。2周期性のため下段の逆方向通電波形は一見上段の正方向通電波形と同じに見えるが、よく見ると微細部分が異なっており180°位相シフトしていることが判別できる。また正方向通電と逆方向通電とで双方の安定交点が60°位相差を持つことも判る。
また2相間に通電すると誘起電圧は2相の合成されたものとなり1相通電時と比較して30°位相が進む。そして同様に安定交点の位相も30°進む。図6に零速時の2相正方向通電センシングと2相逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形(インダクタンス実測プロファイル)を示す。1相通電時に90°であった安定交点の位相が60°の位置へと位相シフトしていることが判る。コイルを入れ替え逆方向通電すると1相通電同様、180°位相シフトしていることが判別できる。また正方向通電と逆方向通電とで双方の安定交点が60°位相差を持つことも判る。
さらに3相間に通電することもできる。3相通電時はコモンCを境に1相部と2相部があるが、測定対象相は1相側であり安定交点の位相は1相通電時と同じとなる。図7に零速時の3相正方向通電センシングと3相逆方向通電センシングのインダクタンス実測波形(インダクタンス実測プロファイル)を示す。安定交点の位相は1相通電時と同じであることが判る。また、コイルの通電電位を入れ替え逆方向通電すると1相通電同様、180°位相シフトしていることが判別できる。また正方向通電と逆方向通電とで双方の安定交点が60°位相差を持つことも判る。尚、1相通電はモータ側にコモン線が必要であり駆動回路側でも中性点電源が必要となり実用上不利である。そこで、本実施形態では1相通電は3相通電で代用することとする。
結局、1相または3相通電と2相通電、及び正方向通電と逆方向通電があり、都合4種類のセンシング通電方式がある。一方、センシング通電は、トルク発生のための励磁とは無関係であり自由に通電方式を選択できる。従って、回転子位置を検出できる検出角度は、4種類の通電方式×3か所=12か所となり、0°から始まる30°ピッチで位置検出できる。通電方式と検出位置の関係を表1にまとめる。
MPU5は、上記安定交点の位相、通電相及び波形勾配符号をインダクタンス実測プロファイルとしてセンシングテーブルST(図10、図11参照)に予め記憶しておく。
以上より、回転子2が零速から中速回転域まで、MPU5は、安定交点検出ごとにセンシング通電の通電方式を適宜切り替えながら安定交点を検出し続ければ励磁に必要な位置情報を得ることができ、任意の駆動方式にて励磁切り替えが可能であることをわかる。
(インダクタンス測定方法)
次に、誘起電圧を検出する際の各相コイルインダクタンスの測定方法について説明する。通電により各相コイルに蓄積されるエネルギーはP=LI2/2で表され、インダクタンス成分を含む。通電遮断時のスパイクパルスはそれを反映しており、出力素子のダイオードにより定電流で放電することからインダクタンスは時間関数となりタイマーで測定できる。そこで、本発明ではスパイクパルス幅時間をインダクタンス相当値とみなしている。
図8に3相分のインダクタンス測定時のコイル波形を示す。3相正方向通電センシングであり、センシングパルスはハーフブリッジ回路B1〜B3(図10参照)を使用して電源電圧を印可し、通電遮断時の負極性または正極性のスパイクパルスは電源にダイオードクランプされた後、中間電位に収束する。
測定動作は、最初にU相を電源+にV相とW相をGNDに接続してセンシングパルスを印可し、遮断時のU相スパイクパルス時間を測定する。以下同様にV相・W相を測定する。計測用タイマーは、一般的なMPU5に内蔵されている内蔵タイマーTMで充分であり(図10,図11参照)、電流センサやA/Dコンバータも不要である。
また、コイル蓄積エネルギーは電流を積分したものであり減衰振動やノイズが低減され微小なインダクタンス変化を安定して検出でき、高精度測定が可能である。
(閉ループ駆動方法)
上述した誘起電圧波形の負側交点(安定交点)の位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相を特定し、これにより特定された回転子位置に基づいてMPU5は励磁相を切り替えることで位置センサを用いずに閉ループ制御にて3相ブラシレスモータをセンサレス駆動することができる。駆動方式は、30°ピッチの位置情報で制御可能な任意の駆動方式が可能であるが、トルク発生効率の高さから始動時は120°通電が適する。
図13の実機にて、モータ始動時のインダクタンス波形を測定したインダクタンス実測波形(インダクタンス実測プロファイル)を図9のグラフ図に示す。図9の左端が回転子の零速域、右端で回転数が600rpm(2極モータ換算)である。零速状態から中速回転域まで、区間ごとに正方向通電センシングと逆方向通電センシングが交互に行われ、該当2相がセンシングされている。
また、ホールセンサ情報と本発明によるセンシング情報とを対比して記載した。下段の階段状の波形は区間を表し、最小値が区間1、最大値が区間6であり、一巡が1電気角を表している。良好な位置検出が行われておりスムーズに加速していることが判る。無論、閉ループ制御であるので、例え過負荷により始動時間が長くなってもトルクを発生し続け、負荷が減れば通常通り始動する。
なお、モータ駆動装置に設けたMPU5の制御動作を高速処理化するにはテーブル参照法が有効である。励磁区間番号と、それに応じたセンシングパルス通電方向と、上記安定交点を構成する通電相と、それぞれの勾配符号情報と、をテーブルとして予めメモリに記憶し、さらに励磁方式に対応するセンシング通電方式を選択しておき、現在位置に応じてテーブル内容を参照し、センシングパルス通電方向と、上記安定交点を構成する通電相と、それぞれの勾配符号情報と、を取得し、それに基づいてインダクタンス測定を行い、上記交点構成2相の相対レベルの大小比較により安定交点の検出を行う。
表2に正転時のセンシングテーブルSTを示す。120°通電時は3相通電センシングを、60°または180°通電時は2相通電センシングを適用する。
上記センシングテーブルSTの具体的な使い方は、例えば現在区間が1の場合、正方向通電センシングにてV相とW相を測定し、V>Wならばまだ区間1に位置し、V<Wとなったとき区間2と判定する。現在区間が2の場合、逆方向通電センシングにてU相とV相を測定し、U>Vなら区間2、U<Vとなったら区間3と判定する。以下同様に区間を歩進してゆく。
これによれば、回転子2の位置検出に必要な演算はインダクタンス測定値の大小比較1ステップで済む。
(フローチャート)
上記センサレス駆動回路を用いて、零速から低速域の位置センシング及び励磁制御に関するMPUプログラムのゼネラルフローチャートを図12に示す。尚、モータ始動時に回転子位置は判っているものとする。また、MPU5は、予めセンシング通電により作成されたインダクタンスプロファイルを、センシングテーブルSTとして記憶しているものとする。
以下、センサレス駆動動作の一例を図12のフローチャートを参照して説明する。
先ず、上位コントローラ6の指令によりMPU5は、回転子2の停止位置に応じてモータ回転を付勢する向きにハーフブリッジ回路B1〜B3を通して励磁を開始し、所定時間(数msec)経過して本案による位置検出が開始されるところから記述する。MPU5は、励磁出力をオフしてスパイクパルスが収まるまで待つ(ステップS1)。センシングテーブルSTを参照して安定交点(誘起電圧負側交点)が含まれる検出相1と通電方向を読み出す(ステップS2)。
次いで、MPU5は検出相1に対してセンシング通電を行い(ステップS3)、検出相1から得られるスパイクパルス時間を内蔵タイマーTMで測定し、データT1として記憶する(ステップS4)。
次に現在検出区間番号をもとに検出相2と通電方向をセンシングテーブルSTから読み出す(ステップS5)。
MPU5は検出相2に対してセンシング通電を行い(ステップS6)、検出相2から得られるスパイクパルス時間を内蔵タイマーTMで測定し、データT2として記憶する(ステップS7)。
次に、データT1とデータT2の相対的な大きさを比較し、T1<T2であれば、安定交点を検出したものと判断して励磁区間番号を1だけ歩進させる(ステップS9)。T1>T2であれば励磁区間を歩進せず、検出相1の励磁を所定時間(数msec)継続する(ステップS10)。PWM制御によるデューティ比は任意である。
次にMPU5は、モータ停止命令を受け取ったか否かを判定し、停止命令を受け取っていなければ、ステップS1に戻って上述した位置検出動作及び励磁動作を繰り返し、停止命令を受け取っていれば、励磁動作を停止する(ステップS11)。
以上説明したように、3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法を用いれば、好適な位置検出方法のなかった零速から中速域で、ホールセンサ相当の回転子位置情報を得ることができ、閉ループ制御による始動が可能となり、始動トルク範囲が広がり、負荷変動による始動ミスや脱調を無くすことができる。
また、IPM(Interior Permanent Magnet)、SPM(Surface Permanent Magnet)など永久磁石界磁型の回転子を備えた各種モータのセンサレス駆動に適用することができる。
更には、励磁切り替え原理が明快で判りやすく、従来のモータ駆動回路に容易に組み込むことができ、センサレス駆動の可能性を大きく拡げ、小型モータ分野での用途拡大が見込まれる。
尚、インダクタンスの測定手段として、MPU5に内蔵タイマーTMを用いたが、MPU外部に設けたタイマーや、電流センサやA/Dコンバータなどを用いて測定してもよい。また、上記実施形態では、インダクタンス測定法としてセンシング通電遮断時のスパイクパルス幅測定法を例示して説明したが、それに限定するものではなくその他のインダクタンス検出法を用いることも当然に本願発明の範囲に含まれる。
1 回転子軸 2 回転子 3 永久磁石 4 固定子 5 MPU 6 上位コントローラ


Claims (6)

  1. 永久磁石界磁型の回転子を備えた3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法であって、
    上位コントローラからの回転指令によりモータ駆動信号を出力制御する制御手段と、
    前記制御手段の出力指令により、所定相コイルに正方向通電または逆方向通電するためのハーフブリッジ回路を3相分備えたモータ出力手段と、
    任意の相のインダクタンスを測定する測定手段と、を具備し、
    前記制御手段は、前記回転子の現在位置情報と回転方向情報から次に出現すると予測される誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相を選択してセンシングパルスを通電し、前記測定手段を用いて周期的にインダクタンス測定を行い、当該通電相のインダクタンス測定値の大小比較と波形勾配符号判定により回転子位置を特定し、
    特定した回転子位置情報と回転方向情報に基づいて前記モータ出力手段による励磁相を切り替えることで零速から中速域にかけて閉ループ制御にて3相ブラシレスモータを回転駆動することを特徴とする3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法。
  2. 前記制御手段は、前記センシングパルスを所定相コイルに対して、1相正方向・1相逆方向・2相正方向・2相逆方向・3相正方向・3相逆方向の6種の通電方式からひとつを選択し、任意の相へ任意のタイミングで通電することで、電気角0°から始まる30°ピッチで、前記インダクタンス波形交点を構成する通電相を特定し、これにより回転子位置を特定する請求項1記載の3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法。
  3. 前記測定手段は、前記制御手段に内蔵したタイマーであり、前記制御手段は、インダクタンス測定対象コイルに一定電圧かつ一定時間のセンシングパルスを印可し、通電遮断時に発生するコイル蓄積エネルギー放出によるスパイクパルスのパルス幅時間を前記タイマーにより測定することで、当該パルス幅時間をもってインダクタンス相当値とみなす請求項1又は2記載の3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法。
  4. 前記制御手段は、
    負極性スパイクパルスを検出する際にコモン電位が与えられるゼロクロスコンパレータリファレンス電位を電源電位の1/2以下に下げるバイアス手段と、
    正極性スパイクパルスを検出する際にゼロクロスコンパレータリファレンス電位を電源電位の1/2以上に上げるバイアス手段と、を備え、
    前記制御手段はセンシングパルスの通電方向に応じて前記バイアス手段を制御して、ゼロクロスコンパレータによりスパイクパルスを検出する請求項3記載の3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法。
  5. 前記制御手段は、相ごとに負極性スパイクパルス及び正極性スパイクパルスを入力レベルに整合させる2個のレベルシフト手段を備え、3相分で合計6個の前記レベルシフト手段の出力を、センシングパルスの通電相及び通電方向に応じていずれかひとつを選択して前記タイマーに送出し、スパイクパルス幅時間を測定する請求項3記載の3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法。
  6. 前記制御手段は、励磁区間番号とそれに応じたセンシングパルス通電方向と、誘起電圧波形の負側交点位相に一致するインダクタンス波形交点を構成する通電相と、当該通電相のインダクタンス波形勾配符号情報をルックアップテーブルに記憶しておき、励磁方式に対応するセンシング通電方式を選択し前記回転子の現在位置に応じた励磁区間番号を参照することで、センシング通電する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の3相ブラシレスモータのセンサレス駆動方法。
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CN109756171A (zh) * 2017-11-06 2019-05-14 操纵技术Ip控股公司 马达控制系统中的容错电流测量
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