JP3556376B2 - 直流ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空調機の圧縮機等の脈動負荷を駆動する場合における直流ブラシレスモータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来直流ブラシレスモータの可変速制御は、モータの平均回転数を指令回転数に一致させるように制御するのが一般的であった。図19は従来の直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。図において、1は直流電源、2はトランジスタにより形成されたインバータ回路、3はインバータ回路2により駆動される直流ブラシレスモータ、4は直流ブラシレスモータの回転子(図示せず)の磁極位置を検出する磁極位置検出回路、5は磁極位置検出回路4の信号に基づいてインバータ回路2の制御信号を出力するインバータ制御装置である。インバータ制御装置5は、磁極位置検出回路が出力する磁極位置検出信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部5aと、その平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部5bと、その平均電圧と磁極位置検出信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部5fとから構成されている。図20は磁極位置検出回路4の一例である。
【0003】
図21は、上記のように構成された直流ブラシレスモータの制御装置のタイムチャート図である。(a)は負荷トルクで、(b)は回転数である。点線はそれぞれの平均値を示している。このように負荷トルクが周期的に変動していても、モータ1回転中の平均回転数としては一定であり、回転数は部分的に加速および減速している。
【0004】
回転数の変動を対策するものとして、例えば実開平2−159992号公報に開示された他の直流ブラシレスモータの制御装置がある。図22は他の従来の直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。磁極位置検出回路4は図23に示す回路で構成されており、直流電源電圧の1/2に相当する電圧とモータの各相をY結線してつくられる疑似中性点の電圧とを比較器6に通すことにより前記ブラシレスモータの回転子の磁極位置を検出する構成になっている。
【0005】
図24は、上記のように構成された他の従来の直流ブラシレスモータの制御装置のタイムチャート図である。(a)はインバータ制御装置5より出力される制御信号、(b)は直流ブラシレスモータの各相における端子電圧、(c)は各相をY結線して作られる仮想中性点電圧(点線は母線電圧の1/2に相当する電圧)、(d)は各相に発生する誘起電圧のゼロクロスタイミングである。
【0006】
次に動作について説明する。モータの各相をY結線して作られる疑似中性点の電圧と電源電圧の1/2に相当する電圧とを比較器6に通すことにより、直流ブラシレスモータの回転子の磁極位置を検出することができ、この磁極位置検出信号によって区切られる電気角毎に速度制御することにより、1回転中の速度変動を抑制するというものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の直流ブラシレスモータの制御装置は、以上のように構成されているが、磁極位置検出信号によって区切られる時間は、直流電源電圧の1/2に相当する電圧を生成するための分圧抵抗およびモータの各相をY結線して疑似中性点電圧を生成するための抵抗の精度などにより正確に検出することができない場合があり、そのため磁極位置検出信号によって区切られる電気角毎に速度制御すると逆に1回転中の速度変動を大きくする可能性があるという問題点があった。
【0008】
また、電流が多く流れている状態で磁極位置検出信号によって区切られる電気角毎に速度制御を行うと、過電流保護が入りやすくなったり、または過電流保護を入り難くするためスイッチング素子の容量を大きくしなければならない可能性があるという問題点があった。
【0009】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、磁極位置検出回路の精度が悪くてもトルク制御の信頼性を向上し振動と騒音を抑制でき、また検出した回転数もしくは母線電流値より駆動電圧パターンを変更できるようにすることで負荷トルクへの追従性をよくし振動と騒音をさらに抑制でき、また補正電圧を必要か不必要かを判定することによりトルク制御を行うことにより過電流保護に入りやすくなったり、または過電流保護に入らないようにするためスイッチング素子の容量を上げる必要性がない直流ブラシレスモータの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の直流ブラシレスモータの制御装置は、磁極位置検出信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部と、平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部と、磁極位置検出信号を基に電気角周期が最大もしくは最小となる電気角360゜時間間隔を含む機械角1周期分の電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部と、演算した機械角1周期分の電気角360゜の時間間隔が同じになるようにモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部と、磁極位置検出信号と平均電圧と補正電圧より直流ブラシレスモータの駆動電圧を演算する駆動電圧演算部と、駆動電圧と磁極位置信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部とを具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項2の直流ブラシレスモータの制御装置は、請求項1記載のものにおいて、駆動電圧演算部が駆動電圧を平均電圧と補正電圧と平均回転数と磁極位置検出信号より演算することを特徴とする。
【0012】
請求項3の直流ブラシレスモータの制御装置は、請求項1記載のものにおいて、母線電流を検出する母線電流検出部を備え、駆動電圧演算部が駆動電圧を平均電圧と補正電圧と母線電流検出部より検出された母線電流値より演算することを特徴とする。
【0013】
請求項4の直流ブラシレスモータの制御装置は、請求項1または請求項2または請求項3記載のものにおいて、平均回転数より補正電圧が必要か不必要かを判定する補正電圧判定部を備え、補正電圧を必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧と補正電圧より演算し、補正電圧を不必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧より演算することを特徴とする。
【0014】
請求項5の直流ブラシレスモータの制御装置は、請求項1または請求項2または請求項3記載のものにおいて、母線電流を検出する母線電流検出部と、母線電流検出部より検出された母線電流値より補正電圧が必要か不必要かを判定する補正電圧判定部を備え、補正電圧を必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧と補正電圧より演算し、補正電圧を不必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧より演算することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。図1は、この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置を示すブロック図である。従来装置と同様の部分は同一符号で示す。図において、インバータ制御部5は、磁極位置検出回路4からの信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部5aと、その平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部5bと、磁極位置検出信号より電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部5cと、その電気角360゜の時間間隔よりモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部5dと、平均電圧と補正電圧と磁極位置検出信号より駆動電圧を演算する駆動電圧演算部5eと、駆動電圧と磁極位置検出信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部5fとから構成されている。磁極位置検出回路4は従来の図20のものでも図23のものでも回転子のゼロクロスタイミングを検出できるものであればよい。
【0016】
図2は、上記のように構成された実施の形態1の直流ブラシレスモータのタイムチャート図である。なお、ここでは4極の永久磁石回転子を有する直流ブラシレスモータでシングルロータリーコンプレッサを6ステップ120゜通電で動作させた場合について説明している。図において、(a)は負荷トルク、(b)は各相にかかる端子電圧、(c)は磁極位置検出回路4より出力される磁極位置検出信号、(d)は各相に発生する誘起電圧のゼロクロスタイミング、(e)はゼロクロスタイミングによって区切られるモード、(f)はモータの駆動電圧、(g)はインバータ制御部が出力する制御信号、(h)は母線電流、(i)は制御信号によりインバータ回路が発生する発生トルクである。
【0017】
次に、上記のように構成された直流ブラシレスモータの動作を図3〜5のフローチャート図を参照しつつ説明する。図3は平均電圧演算部5bでの処理、図4は補正電圧演算部5dでの処理、図5は駆動電圧演算部5eの処理である。
【0018】
図3において、検出した平均回転数と指令回転数を比較し(ステップ1,2)、その結果、平均回転数の方が高かった場合は平均電圧VA を0.1[V]減少し(ステップ3)、平均回転数の方が低かった場合は平均電圧VA を0.1[v]増加し(ステップ4)、等しかった場合は平均電圧VA はそのままという処理(ステップ5)を行う。
【0019】
図4において、モード1〜6間の電気角360゜時間T1−6 とモード7〜12間の電気角360゜時間T7−12を比較し(ステップ6,7)、その結果モード1〜6間の電気角360゜時間T1−6 の方が大きかった場合は補正電圧VH を0.1[V]減少し(ステップ8)、モード1〜6区間の電気角360゜時間T1−6の方が小さかった場合は補正電圧VH を0.1[V]増加し(ステップ9)、等しかった場合は補正電圧VH はそのままという処理(ステップ10)を行う。
【0020】
図5において、モード判定(ステップ11)を行い、モードが4〜9の場合は駆動電圧VD(4−9)を平均電圧VA と補正電圧VH の和とし(ステップ12)、モードが1〜3もしくは10〜12の場合は駆動電圧VD(10−3) を平均電圧VA から補正電圧VH を引いた差とする処理(ステップ13)を行う。
【0021】
以上のようにして得られた駆動電圧が図2(f)である。この駆動電圧と図2(d)の各相の誘起電圧のゼロクロスタイミングにより、図2(g)の制御信号を生成しインバータ回路に出力し、図2(h)のような母線電流が生成され、図2(i)のような発生トルクを得て図2(a)の負荷トルクに追従させている。
【0022】
また、駆動電圧演算部5eの処理を図6のフローチャート図のようにモード判定を行い(ステップ14)、モード毎に予め定められた補正比率αi(i=1〜12)を用いて駆動電圧VDIの演算を行う(ステップ15)ようにすれば、図7のタイムチャート図のようにより負荷トルクに追従した発生トルクを出力することができる。
【0023】
以上のように、この実施の形態1によれば磁極位置検出回路4の抵抗などの精度が悪くても磁極位置間隔を正確に検出できる電気角360゜毎の時間間隔に基づいて発生トルクを負荷トルクに追従するようにしたので、トルク制御の信頼性を向上し、1回転中の負荷トルクの変化に伴う速度変動を抑制し、振動と騒音を抑制できる。
本実施例ではPWM制御で制御する場合について説明しているが、PAM制御で制御しても同様の効果が得られる。
【0024】
また、この実施の形態1を空調機で使用した場合、低回転領域での振動と騒音を抑制できるため、低回転領域でも動作できるようになり省エネにもなる。
【0025】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図について説明する。図8は、この発明の実施の形態2による直流ブラシレスモータの制御装置を示すブロック図である。従来装置と同様の部分は同一符号で示す。図において、インバータ制御部5は、磁極位置検出回路4からの信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部5aと、その平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部5bと、磁極位置検出信号より電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部5cと、その電気角360゜の時間間隔よりモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部5dと、平均電圧と補正電圧と平均回転数と磁極位置検出信号より駆動電圧を演算する駆動電圧演算部5e’と、駆動電圧と磁極位置検出信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部5fとから構成されている。磁極位置検出回路4は従来の図20のものでも図23のものでも回転子のゼロクロスタイミングを検出できるものであればよい。
【0026】
上記のように構成された実施の形態2の直流ブラシレスモータの動作を図11のフローチャート図を参照しつつ説明する。図11は駆動電圧演算部5e’での処理である。図11において、モード判定(ステップ16)を行い、平均回転数により予め定められた補正比率αi (i=1〜12)を読み込み(ステップ17)、補正比率αi を用いて駆動電圧VDiの演算(ステップ18)を行う。このようにすると、図9,10のタイムチャート図のように負荷トルクが変動する場合においても回転数により補正比率を予め定めることにより、負荷トルクに追従した発生トルクを出力することができる。
【0027】
以上のように、この実施の形態2によれば負荷トルクが変動する場合でも回転数により各モード毎に補正比率を予め定めることにより、負荷トルクに追従した発生トルクを出力することができ、さらにトルク制御の信頼性を向上し、1回転中の負荷トルクの変化に伴う速度変動を抑制し、振動と騒音を抑制できる。
【0028】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図について説明する。図12は、この発明の実施の形態3による直流ブラシレスモータの制御装置を示すブロック図である。従来装置と同様の部分は同一符号で示す。図において、インバータ制御部5は、磁極位置検出回路4からの信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部5aと、その平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部5bと、磁極位置検出信号より電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部5cと、その電気角360゜の時間間隔よりモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部5dと、母線電流を検出する母線電流検出部5gと、平均電圧と補正電圧と母線電流検出部5gより検出される母線電流値と磁極位置検出信号より駆動電圧を演算する駆動電圧演算部5e”と、駆動電圧と磁極位置検出信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部5fとから構成されている。磁極位置検出回路4は従来の図20のものでも図23のものでも回転子のゼロクロスタイミングを検出できるものであればよい。
【0029】
上記のように構成された実施の形態3の直流ブラシレスモータの動作を図13のフローチャート図を参照しつつ説明する。図13は駆動電圧演算部5e”での処理である。図13において、モード判定(ステップ19)を行い、母線電流値により予め定められた補正比率αi (i=1〜12)を演算し(ステップ20)、補正比率αi を用いて駆動電圧VDiの演算(ステップ21)を行う。このようにすれば、図9,10のタイムチャート図のように負荷トルクが変動する場合においても母線電流により補正比率を変化させることにより、負荷トルクに追従した発生トルクを出力することができる。
【0030】
以上のように、この実施の形態3によれば負荷トルクが変動する場合でも母線電流により補正比率を変化させることにより、より一層負荷トルクに追従した発生トルクを出力することができ、トルク制御の信頼性を向上し、1回転中の負荷トルクの変化に伴う速度変動を抑制し、振動と騒音を抑制できる。
【0031】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図について説明する。図14は、この発明の実施の形態4による直流ブラシレスモータの制御装置を示すブロック図である。従来装置と同様の部分は同一符号で示す。図において、インバータ制御部5は、磁極位置検出回路4からの信号よりモータの平均回転数を演算する平均回転数演算部5aと、その平均回転数と指令回転数より平均電圧を演算する平均電圧演算部5bと、磁極位置検出信号より電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部5cと、その電気角360゜の時間間隔よりモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部5d’と、平均電圧と補正電圧と磁極位置検出信号より駆動電圧を演算する駆動電圧演算部5eと、駆動電圧と磁極位置検出信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部5fと、平均回転数により補正電圧が必要か不必要かを判定する補正電圧判定部5hから構成されている。磁極位置検出回路4は従来の図20のものでも図23のものでも回転子のゼロクロスタイミングを検出できるものであればよい。
【0032】
上記のように構成された実施の形態4の直流ブラシレスモータの動作を図15,16のフローチャート図を参照しつつ説明する。図15は補正電圧判定部5hでの処理、図16は補正電圧演算部5d’での処理である。図15において、平均回転数を予め定められた回転数(たとえば50[rps])と比較し(ステップ22)、平均回転数の方が低い場合は補正電圧必要と判定し(ステップ23)、平均回転数の方が高い場合は補正電圧不必要と判定(ステップ24)する。
【0033】
図16において、補正電圧必要/不必要の判定結果を読み込み(ステップ28)、補正電圧必要と判定した場合、図4のステップ6〜10と同様の処理を行い(ステップ29〜33)、補正電圧不必要と判定した場合は補正電圧を判定し(ステップ34,35)、補正電圧が零より大きい場合は補正電圧を0.1[V]減少し(ステップ36)、補正電圧が零より小さい場合は補正電圧を0.1[V]増加し(ステップ37)、補正電圧が零の場合はそのまま補正電圧を零とする処理(ステップ38)を行う。
【0034】
以上のように、この実施の形態4によれば平均回転数より補正電圧が必要か不必要かの判定を行う補正電圧判定部を備え、補正電圧を必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧と補正電圧より演算し、補正電圧を不必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧より演算するようにしたので、検出した回転数より補正電圧が不必要と判定した領域で過電流保護に入りやすくなったり、または過電流保護を入り難くするためにスイッチング素子の容量を上げるなどの必要性がない。
【0035】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図について説明する。図17は、この発明の実施の形態5による直流ブラシレスモータの制御装置を示すブロック図である。従来装置と同様の部分は同一符号で示す。図において、インバータ制御部5は、磁極位置検出回路4からの信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部5aと、その平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部5bと、磁極位置検出信号より電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部5cと、その電気角360゜の時間間隔よりモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部5d’と、平均電圧と補正電圧と磁極位置検出信号より駆動電圧を演算する駆動電圧演算部5eと、駆動電圧と磁極位置検出信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部5fと、母線電流を検出する母線電流検出5gと、検出した母線電流値により補正電圧が必要か不必要かを判定する補正電圧判定部5h’とから構成されている。磁極位置検出回路4は従来の図20のものでも図23のものでも回転子のゼロクロスタイミングを検出できるものであればよい。
【0036】
上記のように構成された実施の形態5の直流ブラシレスモータの動作を図18のフローチャート図を参照しつつ説明する。図18は補正電圧判定部5hでの処理である。図18において、検出した母線電流値を予め定められた母線電流値(たとえば10[A])と比較し(ステップ25)、検出した母線電流値の方が低い場合は補正電圧必要と判定し(ステップ26)、検出した母線電流値の方が高い場合は補正電圧不必要と判定(ステップ27)する。
【0037】
以上のように、この実施の形態5によれば母線電流値により過電流保護の入りやすい領域では駆動電圧を平均電圧より演算するようにしたので、補正電圧により過電流保護に入りやすくなったり、または過電流保護を入り難くするためにスイッチング素子の容量を上げるなどの必要性がない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の直流ブラシレスモータの制御装置は、磁極位置検出回路の精度が悪くても磁極位置の検出間隔を正確に検出できる電気角360゜の時間間隔に基づいて発生トルクを負荷トルクに追従するようにしたので、トルク制御の信頼性を向上し、1回転中の負荷トルクの変化に伴う速度変動を抑制し、振動と騒音を抑制できる。
【0039】
請求項2の直流ブラシレスモータの制御装置は、負荷トルクに追従した発生トルクを出力することができ、さらにトルク制御の信頼性を向上し、1回転中の負荷トルクの変化に伴う速度変動を抑制し、振動と騒音を抑制できる。
【0040】
請求項3の直流ブラシレスモータの制御装置は、検出した母線電流値により駆動電圧パターンを変更できるようにしたのでより発生トルクを負荷トルクに追従するようにでき、振動と騒音をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図3】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図4】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図5】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図6】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図7】この発明の実施の形態1による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図8】この発明の実施の形態2による直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図10】この発明の実施の形態2による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図11】この発明の実施の形態2による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図12】この発明の実施の形態3による直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態3による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図14】この発明の実施の形態4による直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図15】この発明の実施の形態4による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図16】この発明の実施の形態4による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図17】この発明の実施の形態5による直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図18】この発明の実施の形態5による直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図19】従来の直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図20】従来の直流ブラシレスモータの制御装置の磁極位置検出回路の回路図である。
【図21】従来の直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図22】他の従来の直流ブラシレスモータの制御装置のブロック図である。
【図23】他の従来の直流ブラシレスモータの制御装置の磁極位置検出回路の回路図である。
【図24】他の従来の直流ブラシレスモータの制御装置の動作を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 直流電源、2 インバータ回路、3 直流ブラシレスモータ、4 磁極位置検出回路、5 インバータ制御部、5a 平均回転数演算部、5b 平均電圧演算部、5c 電気角360゜時間演算部、5d 補正電圧演算部、5e 駆動電圧演算部、5f 制御信号演算部、5g 母線電流検出部、5h 補正電圧判定部。
Claims (5)
- 直流を三相交流に変換するインバータ回路と、空調機等に使用されるシングルロータリコンプレッサを駆動し、前記三相交流により駆動される永久磁石回転子を有する直流ブラシレスモータの回転子が回転することにより発生する誘起電圧に基づいて磁極位置を検出する磁極位置検出回路と、該磁極位置検出回路が出力する電気角60゜毎のタイミングが得られる磁極位置検出信号に基づいて前記インバータ回路の制御信号を出力するインバータ制御装置とを備え、前記直流ブラシレスモータのステータとロータと前記シングルロータリーコンプレッサのシリンダとローラの回転位置関係が機械的に決まっている直流ブラシレスモータの制御装置において、
前記磁極位置検出信号より平均回転数を演算する平均回転数演算部と、
前記平均回転数と指令回転数よりモータの平均電圧を演算する平均電圧演算部と、
前記磁極位置検出信号を基に電気角周期が最大もしくは最小となる電気角360゜時間間隔を含む機械角1周期分の電気角360゜の時間間隔を演算する電気角360゜時間演算部と、
前記演算した機械角1周期分の電気角360゜の時間間隔が同じになるようにモータの補正電圧を演算する補正電圧演算部と、
前記磁極位置検出信号と前記平均電圧と前記補正電圧より前記直流ブラシレスモータの駆動電圧を演算する駆動電圧演算部と、
前記駆動電圧と前記磁極位置信号よりインバータ回路の制御信号を生成する制御信号生成部と、
を具備したことを特徴とする直流ブラシレスモータの制御装置。 - 前記駆動電圧演算部が駆動電圧を平均電圧と補正電圧と平均回転数と磁極位置検出信号より演算することを特徴とする請求項1記載の直流ブラシレスモータの制御装置。
- 母線電流を検出する母線電流検出部を備え、駆動電圧演算部が駆動電圧を平均電圧と補正電圧と母線電流検出部より検出された母線電流値より演算することを特徴とする請求項1記載の直流ブラシレスモータの制御装置。
- 平均回転数より補正電圧が必要か不必要かを判定する補正電圧判定部を備え、前記補正電圧を必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧と前記補正電圧より演算し、前記補正電圧を不必要と判定した場合は前記駆動電圧を前記平均電圧より演算することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の直流ブラシレスモータの制御装置。
- 母線電流を検出する母線電流検出部と、該母線電流検出部より検出された母線電流値より補正電圧が必要か不必要かを判定する補正電圧判定部を備え、前記補正電圧を必要と判定した場合は駆動電圧を平均電圧と前記補正電圧より演算し、前記補正電圧を不必要と判定した場合は前記駆動電圧を前記平均電圧より演算することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の直流ブラシレスモータの制御装置。
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