JP3422238B2 - 同期モータの回転子回転位置検出方法およびその装置 - Google Patents

同期モータの回転子回転位置検出方法およびその装置

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JP3422238B2 JP30615697A JP30615697A JP3422238B2 JP 3422238 B2 JP3422238 B2 JP 3422238B2 JP 30615697 A JP30615697 A JP 30615697A JP 30615697 A JP30615697 A JP 30615697A JP 3422238 B2 JP3422238 B2 JP 3422238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は同期モータ制御方
法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、同期モ
ータの回転子の回転位置を検出し、回転位置に基づい
て、同期モータに動作用電圧を印加するためのインバー
タを制御するようにした同期モータ制御方法およびその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ブラシレスDCモータを制御
するためには、回転子の回転位置を検出し、回転位置検
出信号に基づいて、ブラシレスDCモータに動作用電圧
を供給するためのインバータを制御することが必要であ
ることが知られている。その理由は、出力波形の位相が
回転子の磁極位置(回転位置)に対応していない場合
に、モータ効率が低下し、最悪の場合には脱調に至ると
いう不都合の発生を未然に防止するためである。ここ
で、回転子の回転位置を検出するための装置として、ホ
ール素子を用いたセンサなどを用いる装置(特開平9−
149679号公報参照)、モータ誘起電圧から回転子
の回転位置を検出する装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の装置に
より得られる回転位置検出信号は、回転位置検出信号を
生成するハードウェアの特性の影響を受け、またはモー
タ誘起電圧の特性の影響を受けることになるので、回転
子の磁極位置を正確に示すことが殆ど不可能になってし
まうという不都合がある。そして、回転位置検出信号と
回転子の磁極位置とがずれてしまうことに起因して、モ
ータ効率が低下し、最悪の場合には脱調に至ってしま
う。
【0004】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、回転子の磁極位置を正確に示すことがで
きる回転位置検出信号を得ることができる同期モータの
回転子回転位置検出方法およびその装置を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の同期モータの
回転子回転位置検出方法は、同期モータの回転子の回転
位置を検出し、回転位置に基づいて、同期モータに動作
用電圧を印加するためのインバータを制御するに当っ
て、過去の複数個の回転位置から回転子の回転位置を計
算して新たにインバータ制御のための回転位置を得る方
法である。
【0006】請求項2の同期モータの回転子回転位置検
出方法は、過去の複数個の回転位置から回転子の回転位
置を計算し、計算された回転位置の平均値を計算して新
たに回転位置を得る方法である。請求項3の同期モータ
の回転子回転位置検出方法は、回転位置検出信号を絶縁
手段を通して取り込むよう構成し、過去の偶数個の回転
位置から回転子の回転位置を計算し、計算された回転位
置の平均値を計算して新たに回転位置を得る方法であ
る。
【0007】請求項4の同期モータの回転子回転位置検
出装置は、同期モータの回転子の回転位置を検出し、回
転位置に基づいて、同期モータに動作用電圧を印加する
ためのインバータを制御する同期モータ制御装置におい
て、過去の複数個の回転位置から回転子の回転位置を計
算して新たにインバータ制御のための回転位置を得る回
転位置補正手段を含むものである。
【0008】請求項5の同期モータの回転子回転位置検
出装置は、前記回転位置補正手段として、過去の複数個
の回転位置から回転子の回転位置を計算し、計算された
回転位置の平均値を計算して新たに回転位置を得るもの
を採用するものである。請求項6の同期モータの回転子
回転位置検出装置は、回転位置検出信号を取り込むため
の絶縁手段をさらに含み、前記回転位置補正手段とし
て、過去の偶数個の回転位置から回転子の回転位置を計
算し、計算された回転位置の平均値を計算して新たに回
転位置を得るものを採用するものである。
【0009】請求項7の同期モータの回転子回転位置検
出装置は、絶縁手段としてフォトカプラを採用するもの
である。
【0010】
【作用】請求項1の同期モータの回転子回転位置検出方
法であれば、同期モータの回転子の回転位置を検出し、
回転位置に基づいて、同期モータに動作用電圧を印加す
るためのインバータを制御するに当って、過去の複数個
の回転位置から回転子の回転位置を計算して新たにイン
バータ制御のための回転位置を得るのであるから、実際
に検出された回転位置が回転子の磁極位置を示していな
くても、新たに得られた回転位置は回転子の磁極位置を
示すことになり、モータ効率の低下、脱調などの不都合
の発生を未然に防止することができる。
【0011】請求項2の同期モータの回転子回転位置検
出方法であれば、過去の複数個の回転位置から回転子の
回転位置を計算し、計算された回転位置の平均値を計算
して新たに回転位置を得るのであるから、請求項1と同
様の作用を達成することができる。請求項3の同期モー
タの回転子回転位置検出方法であれば、回転位置検出信
号を絶縁手段を通して取り込むよう構成し、過去の偶数
個の回転位置から回転子の回転位置を計算し、計算され
た回転位置の平均値を計算して新たに回転位置を得るの
であるから、フォトカプラの特性に起因する回転位置検
出信号のずれを補正して、請求項1と同様の作用を達成
することができる。
【0012】請求項4の同期モータの回転子回転位置検
出装置であれば、同期モータの回転子の回転位置を検出
し、回転位置に基づいて、同期モータに動作用電圧を印
加するためのインバータを制御するに当って、回転位置
補正手段によって、過去の複数個の回転位置から回転子
の回転位置を計算して新たにインバータ制御のための回
転位置を得ることができる。
【0013】したがって、実際に検出された回転位置が
回転子の磁極位置を示していなくても、新たに得られた
回転位置は回転子の磁極位置を示すことになり、モータ
効率の低下、脱調などの不都合の発生を未然に防止する
ことができる。請求項5の同期モータの回転子回転位置
検出装置であれば、前記回転位置補正手段として、過去
の複数個の回転位置から回転子の回転位置を計算し、計
算された回転位置の平均値を計算して新たに回転位置を
得るものを採用するのであるから、請求項4と同様の作
用を達成することができる。
【0014】請求項6の同期モータの回転子回転位置検
出装置であれば、回転位置検出信号を取り込むための絶
縁手段をさらに含み、前記回転位置補正手段として、過
去の偶数個の回転位置から回転子の回転位置を計算し、
計算された回転位置の平均値を計算して新たに回転位置
を得るものを採用するのであるから、絶縁手段の特性に
起因する回転位置検出信号の誤差を補正して、請求項4
と同様の作用を達成することができる。
【0015】請求項7の同期モータの回転子回転位置検
出装置であれば、絶縁手段としてフォトカプラを採用す
るのであるから、フォトカプラの特性に起因する回転位
置検出信号の誤差を補正して、請求項6と同様の作用を
達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の同期モータの回転子回転位置検出方法およびその
装置の実施の態様を詳細に説明する。図1は、この発明
の回転子回転位置検出装置が組み込まれた同期モータ制
御装置の一実施態様を示す電気回路図である。なお、こ
の装置は、同期モータとしてブラシレスDCモータを採
用している。
【0017】この同期モータ制御装置は、積分装置1
と、ゼロクロスコンパレータ3と、マイコン4と、ブラ
シレスDCモータ5と、Y結線した抵抗回路6と、マイ
コン4により制御される三相インバータ7とを有してい
る。さらに詳細に説明する。ブラシレスDCモータ5の
固定子巻線5a,5b,5cがY結線されているととも
に、Y結線した抵抗回路6を構成する抵抗6a,6b,
6cが固定子巻線5a,5b,5cと並列接続されてい
る。そして、三相インバータ7の出力電圧が固定子巻線
5a,5b,5cおよび抵抗6a,6b,6cに印加さ
れている。なお、5dは回転子である。
【0018】積分装置1は、オペアンプ1aと、オペア
ンプ1aの反転入力端子と出力端子との間に互いに並列
接続された抵抗1bおよびコンデンサ1cとを有してい
る。そして、固定子巻線5a,5b,5cの接続点にお
いて得られる第1の中性点電圧VNがオペアンプ1aの
非反転入力端子に印加され、抵抗6a,6b,6cの接
続点において得られる第2の中性点電圧VMがオペアン
プ1aの反転入力端子に印加されている。したがって、
両中性点電圧の差電圧VMN(=VN−VM)がこの積
分装置1により積分され、積分信号∫VMNdtを得る
ことができる。
【0019】ゼロクロスコンパレータ3は、オペアンプ
3aと、オペアンプ3aの非反転入力端子と出力端子と
の間に互いに直列接続された抵抗3bおよび発光ダイオ
ード3cと、オペアンプ3aの非反転入力端子とアース
端子との間に接続された抵抗3dと、抵抗3bと発光ダ
イオード3cとの接続点に接続されたプルアップ抵抗3
eと、発光ダイオード3cからの光を受光するフォトト
ランジスタ3fと、フォトトランジスタ3fのコレクタ
端子と動作用電源端子との間に接続された抵抗3gとを
有している。そして、フォトトランジスタ3fのエミッ
タ端子をアースと直接接続し、フォトトランジスタ3f
のコレクタ端子から回転位置検出信号SINTを出力す
るようにしている。ただし、発光ダイオード3cとフォ
トトランジスタ3fとからなる、絶縁手段としてのフォ
トカプラを省略して、オペアンプ3aの出力端子から直
接に回転位置検出信号SINTを出力するようにしても
よい。また、絶縁手段としては、フォトカプラに代えて
アイソレーションアンプなどを採用することが可能であ
る。したがって、積分信号∫VMNdtのゼロクロスが
発生するごとにレベルが反転する回転位置検出信号SI
NTを出力することができる。そして、この回転位置検
出信号SINTはマイコン4に供給される。
【0020】なお、マイコン4から出力される比較レベ
ル設定信号に基づいて比較レベルが設定される比較部2
aに前記積分信号∫VMNdtを供給してレベル判定を
行い、レベル判定結果信号をフリップフロップ回路2b
により保持するとともに、フリップフロップ回路2bの
保持データ(レベル検出信号)をマイコン4に供給して
いる。そして、フリップフロップ回路2bには、マイコ
ン4から出力されるリセット信号が供給されている。
【0021】前記マイコン4は、回転位置検出信号SI
NTを入力として、新たにインバータ制御のための回転
位置検出信号を生成し、新たに生成された回転位置検出
信号に基づいて、例えば、速度制御および効率制御を行
って電圧振幅指令および位相指令を生成し、電圧振幅指
令および位相指令に基づくパルス幅変調を行ってインバ
ータ波形信号を生成し、ドライブ回路7aを介してイン
バータ7に供給する。なお、マイコン4における速度制
御、効率制御などは従来公知であるから、詳細な説明を
省略する。また、インバータ7の入力電流が過電流にな
ったことを過電流検出回路7bにより検出して過電流検
出信号を生成し、マイコン4に供給する。
【0022】次いで、上記の構成の回転位置検出装置の
作用を説明する。図2中(A)(B)(C)に示す誘起
電圧が発生する固定子巻線5a,5b,5cの接続点に
おいて得られる第1の中性点電圧VNがオペアンプ1a
の非反転入力端子に印加されるとともに、抵抗6a,6
b,6cの接続点において得られる第2の中性点電圧V
Mがオペアンプ1aの反転入力端子に印加されることに
より、図2中(D)に示す差電圧VMNが積分され、図
2中(E)に示す積分信号∫VMNdtを得ることがで
きる。そして、積分信号∫VMNdtをゼロクロスコン
パレータ3に供給することにより、図2中(F)に示す
回転位置検出信号を得ることができる。
【0023】この回転位置検出信号はマイコン4に割込
信号として供給され、過去の複数個の回転位置検出信号
から新たにインバータ制御のための回転位置検出信号を
生成する。ここで、新たに回転位置検出信号を生成する
ための回転位置検出信号の個数は、回転位置検出信号の
変動周期の整数倍に設定すればよい。図3、図4は、過
去の複数個の回転位置検出信号から新たにインバータ制
御のための回転位置検出信号を生成する処理を説明する
概略図である。
【0024】図3は、1回転中に6つの回転位置検出信
号が生成される場合を示しており、しかも、6つの回転
位置検出信号どうしの位相差が互いに異なっている。こ
こで、回転位置検出信号どうしの位相差は60°になる
べきであるから、図3において、実際に得られた回転位
置検出信号から、60°の整数倍の位相差を加算するこ
とにより、回転位置検出信号を推定することができる
(1、2、3、4、5で示される各矢印参照)。したが
って、例えば、複数個の推定された回転位置検出信号の
平均値を算出することにより、誤差の少ない回転位置検
出信号を得ることができる(図4中破線を参照)。この
誤差の少ない回転位置検出信号は、位相差がほぼ60°
になっている。
【0025】ただし、このままでは、回転位置検出信号
が回転子の磁極位置に一致しているという保証がない。
しかし、例えば、リラクタンスDCモータの発生トルク
は電圧振幅と電圧位相とで決定され、出力波形位相は回
転子の磁極位置(位相)に位相補正量を加算した値とな
るのであり、1回転中の回転位置検出信号のばらつきの
ような短期間のばらつきを上述のように解消し、この状
態で位相補正量を制御することにより、回転位置検出信
号を回転子の磁極位置にほぼ一致させることができる。
【0026】図5は、過去の複数個の回転位置検出信号
から新たにインバータ制御のための回転位置検出信号を
生成する処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップSP1において、最新の回転位置検出信号割込
から最新の回転位置検出信号割込までの時間(周期)
と、平均回転速度から算出した0°(60°×0)相当
の時間の計算値との差を算出し、ステップSP2におい
て、前回の回転位置検出信号割込から最新の回転位置検
出信号割込までの時間(周期)と、平均回転速度から算
出した60°(60°×1)相当の時間の計算値との差
を算出し、ステップSP3において、2回前の回転位置
検出信号割込から最新の回転位置検出信号割込までの時
間(周期)と、平均回転速度から算出した120°(6
0°×2)相当の時間の計算値との差を算出し、ステッ
プSP4において、3回前の回転位置検出信号割込から
最新の回転位置検出信号割込までの時間(周期)と、平
均回転速度から算出した180°(60°×3)相当の
時間の計算値との差を算出し、ステップSP5におい
て、4回前の回転位置検出信号割込から最新の回転位置
検出信号割込までの時間(周期)と、平均回転速度から
算出した240°(60°×4)相当の時間の計算値と
の差を算出し、ステップSP6において、5回前の回転
位置検出信号割込から最新の回転位置検出信号割込まで
の時間(周期)と、平均回転速度から算出した300°
(60°×5)相当の時間の計算値との差を算出し、ス
テップSP7において、ステップSP1からステップS
P6で算出された6個の値の平均値を算出し、ステップ
SP8において、最新の回転位置検出信号割込時刻に対
して前記の平均値を加算して新たな時刻を得、この得ら
れた時刻を補正後の回転位置検出信号割込位置に設定
し、そのまま一連の処理を終了する。
【0027】図6は、過去の複数個の回転位置検出信号
から新たにインバータ制御のための回転位置検出信号を
生成する処理の他の例を説明するフローチャートであ
る。ステップSP1において、最新の回転位置検出信号
割込から最新の回転位置検出信号割込までの時間(周
期)を算出し、ステップSP2において、前回の回転位
置検出信号割込から最新の回転位置検出信号割込までの
時間(周期)を算出し、ステップSP3において、2回
前の回転位置検出信号割込から最新の回転位置検出信号
割込までの時間(周期)を算出し、ステップSP4にお
いて、3回前の回転位置検出信号割込から最新の回転位
置検出信号割込までの時間(周期)を算出し、ステップ
SP5において、4回前の回転位置検出信号割込から最
新の回転位置検出信号割込までの時間(周期)を算出
し、ステップSP6において、5回前の回転位置検出信
号割込から最新の回転位置検出信号割込までの時間(周
期)を算出し、ステップSP7において、ステップSP
1からステップSP6で算出された6つの時間(周期)
の合計値を算出し、ステップSP8において、平均回転
速度から算出した0°(60°×0)相当の時間(周
期)の計算値を算出し、ステップSP9において、平均
回転速度から算出した60°(60°×1)相当の時間
(周期)の計算値を算出し、ステップSP10におい
て、平均回転速度から算出した120°(60°×2)
相当の時間(周期)の計算値を算出し、ステップSP1
1において、平均回転速度から算出した180°(60
°×3)相当の時間(周期)の計算値を算出し、ステッ
プSP12において、平均回転速度から算出した240
°(60°×4)相当の時間(周期)の計算値を算出
し、ステップSP13において、平均回転速度から算出
した300°(60°×5)相当の時間の計算値を算出
し、ステップSP14において、ステップSP8からス
テップSP13で算出された6つの時間(周期)の合計
値を算出し、ステップSP15において、ステップSP
7で算出された合計値とステップSP14で算出された
合計値との差を算出し、ステップSP16において、ス
テップSP15で算出された差を6で除算して補正値の
平均値を算出し、ステップSP17において、最新の回
転位置検出信号割込時刻に対して前記の補正値の平均値
を加算して新たな時刻を得、この得られた時刻を補正後
の回転位置検出信号割込位置に設定し、そのまま一連の
処理を終了する。
【0028】図7は、ゼロクロスコンパレータ3からの
出力信号(SINT一次)を、絶縁のためにフォトカプ
ラを通して出力する場合に、最終的に得られる回転位置
検出信号(SINT二次)のずれを説明する図である。
図7中(A)(B)に示すように、積分信号とゼロクロ
スコンパレータ3からの出力信号(SINT一次)とは
図2に示す信号と等しい。しかし、図7中(C)に示す
ように、フォトカプラの出力信号の立ち上がり時間と立
ち下がり時間とは互いに等しくないので、ゼロクロスコ
ンパレータ3の出力信号のハイレベル時間とローレベル
時間とに差が生じ、図7中(D)に示すように、回転位
置検出信号(SINT二次)のずれを招くことになる。
【0029】この結果、回転位置検出信号は、図8に示
すように、位相差が小さい状態と位相差が大きい状態と
が交互に発生することになる。この場合には、過去2回
の回転位置検出信号の位相から新たに回転位置検出信号
の位相を決定すればよく、図9中に破線で示すように、
フォトカプラの出力信号の立ち上がり時間と立ち下がり
時間との影響を排除して、回転位置検出信号どうしの位
相差を一定にすることができる。但し、過去2個の回転
位置検出信号に限らず、変動周期の整数倍の回転位置検
出信号を採用することが可能である。
【0030】図10は、モータ巻線電流の影響を受けて
回転位置検出信号に生じるずれを説明する図である。な
お、図10において、破線が無負荷時の信号波形を示
し、実線が誤差電圧の影響を受けた信号波形を示してい
る。リラクタンスDCモータ用インバータでは、モータ
端子電圧と中性点電位とから検出した差信号VMNを積
分して積分信号∫VMNdtを得る。そして、この積分
信号∫VMNdtのゼロクロス点をゼロクロスコンパレ
ータで検出することにより、回転位置検出信号SINT
を得る。しかし、実際の差信号VMNは、図10中
(A)に示すように、モータ巻線電流の影響で発生する
電圧降下による電圧が重畳されるので、回転子の磁極位
置に対してずれが生じ、この影響を受けて、図10中
(B)(C)に示すように、積分信号∫VMNdt、回
転位置検出信号SINTにもずれが生じてしまう。
【0031】図11は回転位置検出信号SINTのずれ
の一例を説明する図である。図11においては、破線で
示す回転位置検出信号が矢印で示す方向にずれた状態を
示している。そして、図11に示す回転位置検出信号S
INTの位相のずれを過去の6個の回転位置検出信号S
INTの位相に基づいて補正することにより、図12中
に一転鎖線で示すように、回転位置検出信号SINTの
ずれを大幅に低減することができる。
【0032】なお、以上には、過去の2個の回転位置検
出信号、過去の6個の回転位置検出信号に基づいて新た
にインバータを制御するための回転位置検出信号を生成
する場合について説明したが、過去の3〜5個の回転位
置検出信号、過去の7個以上の回転位置検出信号に基づ
いて新たにインバータを制御するための回転位置検出信
号を生成することが可能であるほか、この発明の要旨を
変更しない範囲内において種々の設計変更を施すことが
可能である。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明は、実際に検出された回
転位置が回転子の磁極位置を示していなくても、新たに
得られた回転位置は回転子の磁極位置を示すことにな
り、回転位置検出信号のノイズや突発的な変動を抑制で
き、モータ効率の低下、脱調などの不都合の発生を未然
に防止することができるという特有の効果を奏する。
【0034】請求項2の発明は、請求項1と同様の効果
を奏する。請求項3の発明は、絶縁手段の特性に起因す
る回転位置検出信号のずれを補正して、請求項1と同様
の効果を奏する。請求項4の発明は、実際に検出された
回転位置が回転子の磁極位置を示していなくても、新た
に得られた回転位置は回転子の磁極位置を示すことにな
り、回転位置検出信号のノイズや突発的な変動を抑制で
き、モータ効率の低下、脱調などの不都合の発生を未然
に防止することができるという特有の効果を奏する。
【0035】請求項5の発明は、請求項4と同様の効果
を奏する。請求項6の発明は、絶縁手段の特性に起因す
る回転位置検出信号のずれを補正して、請求項4と同様
の効果を奏する。請求項7の発明は、フォトカプラの特
性に起因する回転位置検出信号のずれを補正して、請求
項6と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の回転子回転位置検出装置が組み込ま
れた同期モータ制御装置の一実施態様を示す電気回路図
である。
【図2】図1の装置の各部の信号波形を示す図である。
【図3】実際に得られた6つの回転位置検出信号から推
定される回転位置検出信号を説明する図である。
【図4】実際に得られた6つの回転位置検出信号と補正
された6つの回転位置検出信号とを示す図である。
【図5】過去の複数個の回転位置検出信号から新たにイ
ンバータ制御のための回転位置検出信号を生成する処理
の一例を説明するフローチャートである。
【図6】過去の複数個の回転位置検出信号から新たにイ
ンバータ制御のための回転位置検出信号を生成する処理
の他の例を説明するフローチャートである。
【図7】ゼロクロスコンパレータ3からの出力信号を、
絶縁のためにフォトカプラを通して出力する場合に、最
終的に得られる回転位置検出信号のずれを説明する図で
ある。
【図8】ずれが生じた回転位置検出信号を示す図であ
る。
【図9】図8の回転位置検出信号を補正した状態を示す
図である。
【図10】モータ巻線電流の影響を受けて回転位置検出
信号に生じるずれを説明する図である。
【図11】ずれが生じた回転位置検出信号を示す図であ
る。
【図12】図11の回転位置検出信号を補正した状態を
示す図である。
【符号の説明】
3c 発光ダイオード 3f フォトトランジスタ 4 マイコン 5 ブラシレスDCモータ 5d 回転子 7 インバータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−312989(JP,A) 特開 平9−261991(JP,A) 特開 平9−233882(JP,A) 特開 平8−223969(JP,A) 特開 平6−311773(JP,A) 特開 平6−289938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期モータ(5)の回転子(5d)の回
    転位置を検出し、回転位置に基づいて、同期モータ
    (5)に動作用電圧を印加するためのインバータ(7)
    を制御する同期モータ制御方法において、過去の複数個
    の回転位置から回転子(5d)の回転位置を計算して新
    たにインバータ制御のための回転位置を得ることを特徴
    とする同期モータの回転子回転位置検出方法。
  2. 【請求項2】 過去の複数個の回転位置から回転子(5
    d)の回転位置を計算し、計算された回転位置の平均値
    を計算して新たに回転位置を得る請求項1に記載の同期
    モータの回転子回転位置検出方法。
  3. 【請求項3】 回転位置検出信号を絶縁手段(3c)
    (3f)を通して取り込むよう構成し、過去の偶数個の
    回転位置から回転子(5d)の回転位置を計算し、計算
    された回転位置の平均値を計算して新たに回転位置を得
    る請求項1に記載の同期モータの回転子回転位置検出方
    法。
  4. 【請求項4】 同期モータ(5)の回転子(5d)の回
    転位置を検出し、回転位置に基づいて、同期モータ
    (5)に動作用電圧を印加するためのインバータ(7)
    を制御する同期モータ制御装置において、過去の複数個
    の回転位置から回転子(5d)の回転位置を計算して新
    たにインバータ制御のための回転位置を得る回転位置補
    正手段(4)を含むことを特徴とする同期モータの回転
    子回転位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記回転位置補正手段(4)は、過去の
    複数個の回転位置から回転子(5d)の回転位置を計算
    し、計算された回転位置の平均値を計算して新たに回転
    位置を得るものである請求項4に記載の同期モータの回
    転子回転位置検出装置。
  6. 【請求項6】 回転位置検出信号を取り込むための絶縁
    手段(3c)(3f)をさらに含み、前記回転位置補正
    手段(4)は、過去の偶数個の回転位置から回転子(5
    d)の回転位置を計算し、計算された回転位置の平均値
    を計算して新たに回転位置を得るものである請求項4に
    記載の同期モータの回転子回転位置検出装置。
  7. 【請求項7】 絶縁手段(3c)(3f)は、フォトカ
    プラ(3c)(3f)である請求項6に記載の同期モー
    タの回転子回転位置検出装置。
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