JPH09271198A - Pmモータの制御装置 - Google Patents

Pmモータの制御装置

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JPH09271198A
JPH09271198A JP9010601A JP1060197A JPH09271198A JP H09271198 A JPH09271198 A JP H09271198A JP 9010601 A JP9010601 A JP 9010601A JP 1060197 A JP1060197 A JP 1060197A JP H09271198 A JPH09271198 A JP H09271198A
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啓之 ▲榊▼原
Hiroyuki Sakakibara
Michiya Okuno
倫也 奥野
Kazuyoshi Obayashi
和良 大林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素化された構成で、かつ絶縁増幅器等の高
価な装置を必要とせずに、デッドタイムに起因する誤差
電圧を高い精度で補償可能なPMモータの制御装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 インバータに接続されたモータの回転を
制御するPMモータの制御装置に、電流符号を記録する
電流符号記録回路3を設け、例えばU相の電流の向きを
表す電流符号信号331aを電圧比較器331 により生成し、
インバータ1のスイッチング素子を制御するスイッチ制
御信号92の立上がりと立下がりに引き続くデッドタイム
期間の中央のタイミングを遅延回路321 により生成して
電流符号信号を記録し、この電流符号信号を情報処理部
2に入力し、情報処理部にて実際のPWMデューティを
算出することにより、正確な平均電圧を算出しこの算出
結果を回転子の角度計算等に使用するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPMモータの制御装
置に関し、特にインバータによる交流モータの制御シス
テムにおいて、PMモータに印加される電圧を正確に知
る必要がある場合に、PMモータに流れる電流値とイン
バータの制御信号からPMモータ各相電圧の平均値を検
出し、インバータのデッドタイム電圧の補正を可能とす
るPMモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータのデッドタイムに起因する誤
差電圧の補正方法については、例えば、特開平2─17
9277号公報に開示されている。この方法では、イン
バータを離散時間系システムによりフィードバックする
制御方法において、離散的に得られる電流値に対して、
電流方向を実電流と等しくするオフセット電流を加え、
オフセット電流が加えられた電流値に基づいて電流の方
向を判別し、電流の方向に基づいてデッドタイム補償を
行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、誘導モータや同
期モータをインバータにより回転センサを使用せずに制
御する回転センサレス制御システムや、広範囲の回転数
又はトルクを高精度に制御するシステムでは、インバー
タを構成するスイッチング素子の短絡防止のために設け
られているデッドタイム(一対のスイッチング素子の導
通期間を若干ずらせてスイッチング動作させる場合のず
れ時間、即ち、何れのスイッチング素子もオフ状態の期
間)に起因する誤差電圧の補正が必要である。
【0004】例えば上記の文献に記載のように、従来、
このデッドタイムに起因する誤差電圧の補正のためにス
イッチング前の電流値からスイッチング時の誤差電圧を
予測して補正する等の方法や、上述の文献の方法のよう
にオフセット電流が加えられた電流値に基づいて電流の
方向を判別し、電流の方向に基づいてデッドタイム補償
を行う方法等がとられてきた。
【0005】しかしながら、これらの方法では必ずしも
正確なデッドタイム補償が行えないばかりか、構成が複
雑化する問題や、スイッチングノイズが発生する問題
や、さらに電圧測定等のために例えば絶縁増幅器等の高
価な装置を多数必要とする問題があった。本発明の目的
は、上記の従来の問題点に鑑み、簡素化された構成で、
かつ絶縁増幅器等の高価な装置を必要とせずに、デッド
タイムに起因する誤差電圧を高い精度で補償可能なPM
モータの制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、電流符号記録回路3において、例えばU相の電
流の向きを表す電流符号信号331aを電圧比較器33
1により生成し、インバータ1のスイッチング素子を制
御するスイッチ制御信号92の立上がりと立下がりに引
き続くデッドタイム期間のタイミングを遅延回路321
により生成して電流符号信号を記録する。この電流符号
信号を情報処理部に入力し、情報処理部にて実際のPW
Mデューティを算出することにより、正確な平均電圧を
算出する。そしてこの算出結果を回転子の角度計算等に
使用する。なお、他の2相のV相及びW相も同様であ
る。
【0007】このように構成することにより、簡素化さ
れた構成で、かつ絶縁増幅器等の高価な装置を使用せず
にデッドタイムに起因する誤差電圧を補正することがで
き、その結果、制御システムの制御精度を向上させるこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるPMモータの
制御装置のブロック図である。図示のように、本発明の
PMモータの制御装置は、基本的に、PMモータ(M)
を制御するインバータ1と、このインバータ1を制御す
る情報処理部2と、PMモータ(M)に供給する電流の
方向を記録する電流符号記録回路3と、インバータ1の
スイッチング素子を駆動制御するスイッチ駆動回路6
と、デッドタイム付加回路7とにより構成される。
【0009】インバータ1は6個のスイッチング素子
(111,112等)で構成される3相インバータであ
る。情報処理部2はインバータ1の電源電圧信号8a
と、U相の電流信号41aと、W相の電流信号42a
と、後述するインバータ1の出力電圧の推定値とからセ
ンサレス制御理論によりPMモータの回転子の位置(角
度)を推定し、図示しない外部から入力されるトルク指
令に従ってインバータ1のスイッチング制御信号を生成
する。電流符号記録回路3はスイッチ制御信号92と、
U相とW相の電流信号からスイッチング時の電流の向き
を記録するものである。
【0010】41は3相モータMのU相の電流を検出す
るU相電流センサであり、42は3相モータMのW相の
電流を検出するW相電流センサである。51は突極形の
PMモータ(突極形の永久磁石界磁の同期モータ)の電
機子コイルである。スイッチ駆動回路6はインバータ1
内の6個のスイッチング素子を駆動するためのものであ
る。
【0011】デッドタイム付加回路7は、情報処理部2
からのスイッチ制御信号92に基づきインバータ1内の
上側及び下側配線間の短絡防止用のデッドタイムを付加
してオーバーラップの無い3対の遅延付加スイッチ制御
信号96を生成する。さらにインバータ1内にはインバ
ータ1の電源の電圧を検出する電源検出回路8が設けら
れる。
【0012】図2は図1の電流符号記録回路3の詳細ブ
ロック図である。図2において、31は利得が−1の加
算回路である。加算回路31にはU相電流センサ41か
らの電流値とW相電流センサ42からの電流値が入力さ
れ、その出力は後述する電圧比較器に供給される。32
1〜323は遅延回路であり、各遅延回路の入力には情
報処理部2からの対応するスイッチ制御信号が供給さ
れ、各遅延回路の出力は後述する対応するD形フリップ
フロップ回路に供給される。
【0013】331〜333は電圧比較器であり、電圧
比較器331はU相電流センサ41からの検知電流値を
受け、電圧比較器333はW相電流センサ42からの検
知電流値を入力する。これらの電圧比較器331,33
3の比較結果の出力は対応するD形フリップフロップ回
路に供給される。一方、電圧比較器332は加算回路3
1の出力電圧を受け、比較結果の出力をD形グリップフ
ロップ343,344に供給する。
【0014】341〜346はD形フリップフロップ回
路であり、各電圧比較器毎に1対設けられている。ま
た、351〜353はNOT回路である。NOT回路は
遅延回路のQ出力を反転し一方のD形フリップフロップ
回路に供給するものである。例えば、U相について、遅
延回路321はシフトレジスタで構成され、その遅延時
間はスイッチ駆動回路6とインバータ1内のスイッチン
グ素子とU相電流センサ41と電圧比較器331とによ
る伝搬遅延時間の総和と、デッドタイム付加回路7で付
加するデッドタイムの1/2を加算した時間とする。そ
してこの遅延回路321はインバータ1内のU相電圧の
立上りと立下りのデッドタイムの中央での相電流の符号
がD形フリップフロップ回路に記録できるように調整す
る。なお、W相についても上述のU相と同様にW相の電
流の符号をフリップフロップ回路に記録できるように構
成する。一方、V相については、U相電流値IuとW相
電流Iwを加算回路31で算出してV相電流とする以外
は上述のU相、W相の場合と同様である。
【0015】本図のIu,Iw,Su,Sv,Sw等の
記号は図1の電流符号記録回路3の記号に対応する。ま
た、本図の端子93からの各電流符号信号(Fu1,F
u2,Fv1,Fv2,Fw1,Fw2等)は、図1の
電流符号記録回路3のFijに対応する。即ち、“i
j”は“U1”,“U2”....等の何れかに対応す
る。ここで、j=1はスイッチ制御信号の立上り、j=
2は立下りのタイミングに対応する。
【0016】図3は図1の情報処理部2の詳細ブロック
図である。本図において、21は高速演算可能なデジタ
ル信号処理装置(DSP: Digital Signal Processor)
であり、22はDSP21の各電圧指令21a〜21c
に従って3相のPWM信号を生成可能なPWM回路であ
り、23〜25はA/Dコンバータ(アナログ/デジタ
ル変換器)である。
【0017】A/Dコンバータ24と25は、PWM回
路22から入力された変調周期信号22aに同期して、
入力されたU相とW相の電流Iu及びIwをサンプリン
グし、後述するようにA/D変換の後にDSP21に割
込みをかけて割込み処理を開始させるように構成してあ
る。図中のVBは図1の電圧検出回路8からの出力を受
ける端子であり、Fijは図1の電流符号記録回路3か
らの電流符号信号Fijに対応する。
【0018】図4(A),(B)は図1及び図2の情報
処理部のフローチャートである。(A)は起動直後に実
行されるリセット割込みルーチンであり(S21)、
(B)はインバータのPWM制御周期で電流をサンプリ
ングするA/Dコンバータからの割込み信号で起動する
割込み処理ルーチンである(S22)。(A)におい
て、まずハードウェアを初期化し(S210)、次に制
御変数を初期化し(S211)、回転子の初期の角度位
置を検出し(S212)、磁極の極性を判別する(S2
13)、等のモータ制御の準備を行う。
【0019】その後に、外部からトルク指令を入力し
(S214)、電流指令を計算し(S215)、電源電
圧を入力した(S216)後、固定子コイルの温度を測
定し(S217)、固定子コイルの抵抗を計算する(S
218)。以下S214から再度繰り返し実行する。
(B)において、U相,W相電流センサにより検出され
た相電流検出値を入力し(S220)、固定座標上の電
流ベクトルを算出し(S221)、電流符号記録回路3
から電流方向を示す電流符号信号Fijを入力し(S2
22)、電流符号信号Fijにより電圧指令のデッドタ
イムにおける電圧を補正し(S223)、固定座標上の
電圧ベクトルを計算し(S224)、補正された電圧ベ
クトルと電流ベクトルからセンサレス制御理論に基づい
て回転子の位置を計算する(S225)。
【0020】さらに回転座標(d−q座標)上の電流ベ
クトルを計算し(S226)、回転子の速度を計算し
(S227)、ベクトル制御方式により電流指令を計算
し、現在の電流をPI制御方式で制御する電圧指令を計
算し(S228)、固定座標上の3相の第1の電圧指令
に変換し、最後にデッドタイムの影響を現在の電流値か
ら推定し(S229)、補正して第2の電圧指令として
出力する(S229)。
【0021】上記の各ステップにおいて電圧指令の補正
(S223)が本発明の特徴とするものであり、その他
のステップについてはステップS223を導出するため
の段階及び導出結果を用いて電圧指令を発生する段階を
説明している。以下に、PMモータの場合の回転子の位
置と速度を、電機子電圧と電流から計算する計算式につ
いて説明する。
【0022】PMモータの電圧方程式を、 vd = (Rd + pLd )id - ωLq iq vq = ωLd id + (Rq + pLq )iq + ωφf とする。ここで、vd は回転座標のd軸方向の電圧成
分、vq は回転座標のq軸方向の電圧成分、id は回転座
標のd軸方向の電流成分、iq は回転座標のq軸方向の
電流成分、Rd ,Rq は電機子抵抗、Ld はd軸方向のイン
ダクタンス、Lq はq軸方向のインダクタンス、Pは微
分演算子、ωは回転子の速度、φf は界磁磁束、であ
る。
【0023】さらに下記の如き固定座標(xy座標)と
回転座標(dq座標)の関係式、 vd = cosθvy + sin θvxq = - sinθvy + cos θvx id = cosθiy + sin θix iq = - sinθiy + cos θix をd軸に関する電圧方程式に代入し、整理すると、 tan θ= {vy - (Rd + pLd )iy + ω(Lq - Ld)ix}/
{-vx + (Rd + pLd)ix +ω(Lq - Ld)iy} を得る。
【0024】回転子の位置θから電流、電圧のdq座標
上での値がわかるので、q軸に関する電圧方程式から、
回転子の速度ωは、 ω={vq - (Rq + pLq )iq}/ (Ldid + φf ) よなる。上述以外の説明、例えば、起動時の回転子の磁
極の極性判別等、PMモータのセンサレス制御に関する
詳細は文献、渡辺他「永久磁石界磁同期電動機の回転子
位置と速度のセンサレス検出の方法」(電気学会論文誌
D,110巻11号、平成2年)に記載されている。
【0025】図5は図1及び図2の電流符号記録回路3
の動作をU相に関して説明するタイミング・チャートで
ある。図中、TDはデッドタイムであり、U相下側スイ
ッチング素子の立下がりと上側スイッチング素子の立上
がりの期間若しくはU相上側スイッチング素子の立下が
りとU相下側スイッチング素子の立上がりの期間を示
す。
【0026】また、T1は図2の遅延回路の遅延時間で
あり、t1はU相電圧の仮の立ち上がり時刻、t2はU
相電圧の仮の立ち下がり時刻(t1,t2は図示のよう
に実際の立上がり/立下がりではない)である。また、
I1は時刻t1における相電流Iuの値、I2は時刻t
2における相電流Iuの値である。本発明では遅延回路
により遅延時間T1を調整して時刻t1,t2をデッド
タイムTDの中央に設定するようにし、電流をサンプリ
ングする方法をとる。
【0027】また、電流符号信号Fu1,Fu2に示さ
れる斜線の部分は論理が不定であることを示す。また、
上記以外の図中の符号は図1と図2の対応部分の信号に
対応している。図6は図4のフローチャートの処理ステ
ップS223の詳細をU相に関して説明する図である。
図中、図5に示すようにTはインバータ1を制御するス
イッチ制御信号Suのパルス幅、TDはデッドタイム、
VDはデッドタイムに対応するPWM制御周期当たりの
平均電圧の変動である。平均電圧の変動VDは、 VD=(電源電圧VB)×(デッドタイムTD)/(P
WM制御周期) の関係がある。
【0028】なお、電圧VBは図5に示すようにインバ
ータU相出力電圧であるが、このVBは図1に示すイン
バータ1内の電圧検出回路8の出力でもあり情報処理部
2に供給されるものである。本図は電流符号信号Fu1
とFu2とデッドタイム補正後の第2の電圧指令値Vか
らこの制御周期における相電圧の平均電圧がどのように
変化するかを示している。各デッドタイムTDではU相
上側スイッチング素子111とU相下側スイッチング素
子112が同時にオフとなるので、電流が負(モータか
らインバータの向き)の場合にはU相上側ダイオード1
21が導通して電圧はVBに、電流が正の場合にはU相
下側ダイオード122が導通して電圧は0となる。
【0029】従って、上記処理ステップS223では前
回インバータに出力した第2の電圧指令Vに対して、F
u1=Fu2=0の場合は+VD、Fu1=Fu2=1
の場合は−VDの補正を加えて前回の電圧の出力の平均
値として(V+VD又はV−VD)回転子の位置の計算
(ステップS225)に使用する。Fu1≠Fu2の場
合には補正は不要である(Vを使用する)。
【0030】本発明の作用を以下により詳細に説明す
る。なお、以下ではU相を中心に説明するが、他の2相
も同様である。上記構成によれば、PWM制御周期中の
インバータ出力電圧の立ち上がりエッジと立ち下がりエ
ッジのデッドタイムTDの中央の時刻のU相電流Iuの
符号が図2の電流符号記録回路3のフリップフロップ3
41と342に記録されて情報処理部2に出力され、情
報処理部2は電流のサンプリング時に同時に前回のPW
M制御周期における立ち上がりエッジと立ち下がりエッ
ジのデッドタイムの電流の符号を入力してこの電流の符
号から電圧指令値を図6に基づいて正しく補正する。従
って、制御周期以前の電流符号からデッドタイムでの電
圧を補正する従来の回転子の位置計算に比べて精度が向
上し、最終的にはトルク制御精度が向上することにな
る。
【0031】例えば、図5のように制御周期中に電流の
符号が変化する場合、従来の方式では制御周期の直前の
電流の符号から2つのデッドタイムでの電圧は0Vであ
る(即ち、インバータ出力の平均電圧がVDだけ減少す
る)と予測して第1の指令電圧Vに対してV+VDをイ
ンバータに指示する。しかし、電流符号がPWM周期中
に途中で変化する場合にはインバータでは誤差が加わら
ないのでVDだけ出力が過大となる。従来の方式ではこ
の過大な電圧を回転子の計算に使用することになるの
で、位置の計算精度が悪化していた。
【0032】一方、本発明ではインバータの出力電圧は
従来と同様にしか補正されないが、実際の出力電圧が出
力後に電圧指令値からどのように変動したかを補正でき
るのでセンサレス方式で最も重要な位置の計算精度が向
上するのである。上述のように本発明の補正方式の効果
は電流の符号がPWM制御期間中に変化する場合に発揮
されるが、これは電流振幅に対してリップルが大きい場
合で、かつデッドタイムによる電圧誤差VDがPWMに
よる平均電圧に対して無視できない場合であり、モータ
の制御状態に換言すると、低速度かつ低トルクの場合と
なる。
【0033】なお、以上の補正はデッドタイムの間に電
流符号の変化がないと仮定しているが、デッドタイム中
に電流符号の変化がある場合にも、推定誤差の統計的な
期待値を最小とするようにデッドタイムの中央の時刻で
の電流符号を記録するのである。さらに、第2の実施形
態としては図2の電流符号記録回路3の遅延回路321
としてアナログ的なパルス遅延回路を使用したものを提
示する。パルスを遅延させるという機能の実現方法を置
き換えただけであるので詳細説明を省略する。
【0034】さらに、第3の実施形態として図2の電流
符号記録回路3の加算回路31を削除し、図1のインバ
ータ出力のV相にV相電流センサ(図示せず)を付加し
てその出力を電圧比較器332に入力することもでき
る。図2で説明したV相電流値を得る手段を置き換えた
だけであるから詳細説明を省略する。さらに、上述の実
施形態では電流符号を得るために電流をサンプリングす
るタイミングとしてデッドタイムTDの中央を指定して
いるが、制御精度が許せば中央以外(例えばスイッチン
グ後)でも適用可能である。
【0035】さらに、上述の説明では3相のPMモータ
のセンサレス制御方式に関して説明したが、一般の多相
交流での拡張は容易である。即ち、図2の電流符号記録
回路を相数に合わせて増設すればよい。
【0036】図7は情報処理部の他の構成例ブロック図
である。上述の説明では電流符号記録手段はハードウェ
アによって実現したが、以下に説明するように情報処理
手段における演算プログラムによって実現することもで
きる。
【0037】図示のように、情報処理部2は、各相のス
イッチ制御信号の立上がりによって起動し、前述の遅延
回路321〜323の遅延時間と同一の時間後に対応す
るA/Dコンバータに電流値のサンプリングを指示する
タイマ261、263及び265で構成された第1の計
時手段と、各相のスイッチ制御信号の立下がりによって
起動し、遅延回路321〜323の遅延時間と同一の時
間後に対応するA/Dコンバータに電流値のサンプリン
グを指示するタイマで構成された第2の計時手段と、U
相電流値とW相電流値からV相電流値を算出する演算増
幅器で構成された加算回路28と、タイマ261〜26
6によりサンプリング動作を起動するA/Dコンバータ
271〜276と、により構成され、A/Dコンバータ
271〜276は変換終了直後にデジタル信号処理装置
21に割込みをかけるように構成される。
【0038】図8(A)〜(F)は図7のデジタル信号
処理装置における割込み処理フローチャートである。デ
ジタル信号処理装置21は、A/Dコンバータ271〜
276におけるA/D変換終了後に図示の割込み処理プ
ログラムが起動するようなプログラムを持つ。なお、図
中、sign(x) は x の符号を返す関数である。このよう
な構成において、A/Dコンバータ271〜276は図
5と同様のタイミングt1又はt2で各相の電流値を記
録する。その直後に起動する割込み処理プログラムは、
各ステップ(S230,S240,...,S280)
で示すように、図5に示す各相のデッドタイム期間の中
央での電流値(相電流Iu,Iv,Iw)を、対応する
A/Dコンバータ(271〜276)から読み込む。そ
して、各ステップ(231,S241,...,S28
1)で示すように、その正負を判定することにより各相
の電流の符号が得られ、図1に示す電流符号記録手段と
同一の機能を実現することができる。即ち、得られた電
流符号信号Fijに基づいてデジタル信号処理装置21
は図4(B)に示す処理を実行する。この処理について
は既に説明しているのでここでは省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPMモータの制御装置のブロック
図である。
【図2】図1の電流符号記録回路の詳細ブロック図であ
る。
【図3】図1の情報処理部の詳細ブロック図である。
【図4】図1及び図2の情報処理部のフローチャート
(A,B)である。
【図5】図1及び図2の電流符号記録回路の動作をU相
について説明するタイミング・チャートである。
【図6】図4のフローチャートの処理ステップS223
の詳細をU相について説明する図である。
【図7】図1の情報処理部の他の構成例ブロック図であ
る。
【図8】図7のデジタル信号処理装置における割込み処
理フローチャート(A〜F)である。
【符号の説明】
1…インバータ 2…情報処理部 3…電流符号記録回路 6…スイッチ駆動回路 7…デッドタイム付加回路 21…デジタル信号処理装置(DSP) 22…PWM回路 23〜25,271〜276…A/D変換器 31…加算回路 41…U相電流センサ 42…W相電流センサ 51…PMモータ 261〜266…タイマ 321〜323…遅延回路 331〜333…電圧比較器 341〜346…D形フリップフロップ回路 351〜353…NOT回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02P 21/00 H02P 5/408 C 6/18 6/02 371S (72)発明者 大林 和良 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータの出力に接続されたモータの
    回転を制御するPMモータの制御装置であって、 前記PMモータ(M)を前記インバータを介してPWM
    制御する情報処理手段(2)と、 前記情報処理手段から出力させたスイッチ制御信号にデ
    ッドタイムを付加するデッドタイム付加手段(7)と、 前記デッドタイム付加手段の出力により前記インバータ
    (1)のスイッチング素子を駆動制御するスイッチ駆動
    手段(6)と、 前記PMモータの相電流を検出する電流検出手段(4
    1,42)と、 前記電流検出手段からの出力と、前記スイッチ制御信号
    に基づいて、前記デッドタイムにおける前記PMモータ
    の各相の電流の符号を記録する電流符号記録手段(3)
    とを備え、 前記情報処理手段は、前記電流符号記録手段の出力に基
    づいて、前記デッドタイムにおける電圧を算出し、前記
    算出された電圧によりPWM周期全体の相電圧の平均値
    を算出し、算出された平均値に基づいて前記PMモータ
    の回転子の位置を算出することを特徴とするPMモータ
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電流符号記録手段(3)は、 前記電流検出手段からのU相電流値とW相電流値を受
    け、これらを加算して出力する加算回路(31)と、 前記情報処理手段からのスイッチ制御信号を受け、所定
    の遅延を行う各相ごとの遅延回路(321〜323)
    と、 前記電流検出手段からのU相電流値とW相電流値の正負
    の符号を検出するU相/W相電圧比較回路(331,3
    33)と、 前記加算回路の出力電圧の正負の符号を検出するV相電
    圧比較回路(332)と、 前記電圧比較回路の出力と前記遅延回路の出力を受ける
    一方のD形フリップフロップ回路及び前記電圧比較回路
    の出力と前記遅延回路の反転出力を受ける他方のD形フ
    リップフロップ回路とで構成され、各々の回路から電流
    符号信号(Fu1,Fu2,Fv1,Fv2,Fw1,
    Fw2)を前記情報処理部(2)に出力する各相ごとの
    D形フリップフロップ回路対と、 を具備する請求項1に記載のPMモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記情報処理手段(2)は、 前記インバータの電源電圧信号(8a)を受け、アナロ
    グ─デジタル変換する第1のA/D変換回路(23)
    と、 U相電圧値を受け、アナログ─デジタル変換する第2の
    A/D変換回路(24)と、 W相電圧値を受け、アナログ─デジタル変換する第3の
    A/D変換回路(25)と、 前記第1〜第3のA/D変換回路からのデジタル信号と
    前記電流符号記録手段からの電流符号信号(Fij)を
    受け、所定の処理後に各相毎の電圧指令値(21a〜2
    1c)を出力するデジタル信号処理部(21)と、 前記電圧指令値に基づいて各相毎のパルス幅変調を行っ
    てスイッチ制御信号を生成し、かつパルス幅変調の変調
    周期信号を前記第2及び第3のA/D変換回路に出力す
    るPWM回路(22)と、 を具備する請求項1に記載のPMモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電流符号記録手段(3)は、前記デ
    ッドタイムの中央で電流のサンプリングをする請求項1
    に記載のPMモータの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電流符号記録手段(3)は、 各相のスイッチ制御信号の立上がりで起動する相数個の
    第1の計時手段と、 各相のスイッチ制御信号の立下がりで起動する相数個の
    第2の計時手段と、 前記相数の2倍の数の計時手段によって起動して各相の
    電流値をサンプリングする記録手段と、 前記記録手段で記録した電流の符号を求める演算プログ
    ラムと、 を具備する請求項1に記載のPMモータの制御装置。
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