JPH10288749A - 光走査用レンズ - Google Patents

光走査用レンズ

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JPH10288749A
JPH10288749A JP9708797A JP9708797A JPH10288749A JP H10288749 A JPH10288749 A JP H10288749A JP 9708797 A JP9708797 A JP 9708797A JP 9708797 A JP9708797 A JP 9708797A JP H10288749 A JPH10288749 A JP H10288749A
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lens
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Seizo Suzuki
清三 鈴木
Yoshiaki Hayashi
善紀 林
Koji Masuda
浩二 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光走査用レンズのレンズ内の屈折率分布に起因
する、光スポット径の像高による変動を実使用上許容で
きる程度に抑える。 【解決手段】光偏向器20により偏向される光束を被走
査面近傍に集光させる光走査用レンズ30であって、プ
ラスチック成形で形成され、レンズ内部に存在する屈折
率の不均一に起因する光スポット径の像高による変動
が、実使用上の許容領域内に納まるような深度余裕を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査用レンズに
関する。
【0002】
【従来の技術】近来、光走査装置に用いられる光走査用
レンズは、プラスチック成形で製造されるようになって
きている。プラスチック成形では、熱溶融したプラスチ
ック材料を金型で成形し、金型内で冷却させるが、金型
の中心部に比して周辺部の冷却が速いため、プラスチッ
ク内部に密度の不均一な分布(冷却の速い部分の密度
が、冷却の遅い部分の密度に対して相対的に高くなる)
や変成を生じ、形成されたレンズの内部で屈折率が均一
にならずに、屈折率分布が発生する。
【0003】図4は、このような屈折率分布の1例を説
明図的に示している。図4の(a)は、光走査用レンズ
1を、光軸を含み主走査対応方向(光源から被走査面に
いたる光路上で副走査方向に平行的に対応する方向)に
平行な面で仮想的に切断した断面における屈折率分布を
「等高線表示」した図であり、(b)は(a)において
鎖線で示す「レンズ肉厚中心に沿った屈折率の分布」を
示している。図4の(c)は、光走査用レンズ1を、光
軸を含み副走査対応方向(光軸から被走査面に至る光路
上で副走査方向に平行的に対応する方向)に平行な面で
仮想的に切断した断面における屈折率分布を「等高線表
示」した図であり、(d)は(c)において光軸を含
み、主走査方向に平行な面上における屈折率の分布を示
し、(e)は(c)において「レンズ肉厚中心面に沿っ
た屈折率の分布」を示している。図4に示すように、レ
ンズ内部の屈折率分布は通常、レンズ中心部よりもレン
ズ周辺部の屈折率が高くなるように生じる。これは、レ
ンズ周辺部が中心部より早く冷却され、中心部よりも相
対的に高密度になるからである。
【0004】光走査用レンズの内部に屈折率分布がある
と、現実の光学特性は「レンズ内の屈折率を均一として
設計された光走査用レンズの設計上の光学特性」と若干
異なったものと成る。
【0005】光走査用レンズは正のパワーを持つが、平
均的に見て、光走査用レンズの中心部に比して周辺部の
屈折率が高くなるので、被走査面上に集光すべき光スポ
ットの実際の集光位置は「設計上の位置よりも光偏向器
から遠ざかる」ように作用する。
【0006】被走査面の有効走査領域を光走査する光ス
ポット径は、光走査用レンズの像面湾曲に応じてその像
高とともに変化するが、レンズ内に上記のごとき屈折率
の分布があると、屈折率分布によっても変化することに
なる。図6において、縦軸は光スポット径を示し、横軸
はデフォーカス量(光スポットの結像位置(集光位置)と
被走査面位置の差)を示している。光走査用レンズ内に
屈折率分布が無く「屈折率が至る所均一」であるとき
は、デフォーカス量と光スポット径の関係は破線で示す
ように、被走査面位置(デフォーカス量が0の位置、実
体的には感光体表面)で光スポット径が最小になるが、
屈折率分布が存在すると、デフォーカス量と光スポット
径との関係は「実線で示す」ようになり、被走査面上に
おける光スポット径は「ビーム径太り」により、設計上
の大きさ(破線と縦軸の交点)よりも大きくなってしま
う。
【0007】光走査用レンズの設計において上記の如き
屈折率分布が考慮されていないと、「光スポット径の像
高による変動」が大きくなって、光走査により書き込ま
れる記録画像の像質を低下させる原因となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の屈
折率分布に起因する、光スポット径の像高による変動を
実使用上許容できる程度に抑え得るような光走査用レン
ズの実現を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査用レン
ズは「光偏向器により偏向される光束を被走査面近傍に
集光させる光走査用レンズ」であって、プラスチック成
形で形成され、レンズ内部に存在する屈折率の不均一に
起因する光スポット径の像高による変動が、実使用上の
許容領域内に納まるような「深度余裕」を有することを
特徴とする。
【0010】上記「深度余裕」は、光スポットの像高:
Hが0のときの光スポットの光強度分布における「1/
2強度」を基準光スポット径としたとき、全像高(光
走査による書込みの「有効領域」)における「光スポッ
ト径の変動の許容幅」である。
【0011】請求項2記載の発明の光走査用レンズは、
上記請求項1記載の光走査用レンズにおいて、光走査用
レンズの、焦点距離を「f」、ラジアル方向(光軸に直
行する方向)の屈折率分布量を「Δnr 」、前側主点位
置から物点までの距離(物体距離)を「S」、有効範囲
内における最大レンズ厚を「t」、深度余裕を「w」と
するとき、これらが前記有効領域にわたって、条件: w/(2t)≧|{(S・f)/(S−f)}2・Δnr| (1) を満足することを特徴とする。
【0012】深度余裕:wは、上記光スポットの像高:
Hが0のときの光スポットの光強度分布における1/e2
強度を基準光スポット径としたとき、全像高、即ち光走
査による書込みの有効領域における光スポット径の変動
が「規準光スポット径の±10%以下」となるデフォー
カス量として定義される。
【0013】屈折率分布量:Δnr は、偏向光束の主光
線を含む半径:1mmの範囲における前記ラジアル方向
の屈折率変化における「最大値と最小値の差」として定
義される。即ち、図5を参照すると、図5における縦軸
は屈折率:nを表し、横軸は偏向光束の主光線からのラ
ジアル方向の距離を表す。屈折率の分布が図5の曲線5
−1のようであるとすると、屈折率分布5−1はレンズ
空間に固定的である。
【0014】今、仮に偏向光束の主光線が図5の縦軸に
合致した場合を考えると、図5の縦軸の両側に±1.0
mmの幅を取り、この範囲内における屈折率の最大値と
最小値の差:Δnr がこの場合の「屈折率分布量」であ
る。偏向光束の主光線位置が、光走査用レンズに対して
変位すると、図5における屈折率分布5−1はそのまま
で、屈折率分布5−1に対して縦軸位置が変位し、それ
に応じて屈折率分布量:Δnr も変化する。
【0015】請求項2記載の光走査用レンズにおいて、
光走査用レンズは「主・副走査対応方向のパワーが異な
るアナモフィックなレンズで、副走査対応方向に関し
て、光偏向器による偏向の起点と被走査面とを略共役な
関係とする機能を持つ」ように構成することができる。
このようにアナモフィックなレンズとして光走査用レン
ズを構成する場合には前記の、焦点距離:f、物体距
離:S、深度余裕:w、屈折率分布量:Δnrを各々、
主走査対応方向に就きfm,Sm,wm,Δnrm、副走査
対応方向に就きfs,Ss,ws,Δnrs とするとき、こ
れらが有効領域にわたって、条件: wm/(2t)≧|{(Sm・fm)/(Sm−fm)}2・Δnrm| (1−m) ws/(2t)≧|{(Ss・fs)/(Ss−fs)}2・Δnrs| (1−s) を満足する(請求項3)。
【0016】図7は、屈折率の分布がレンズの焦点距離
と結像位置に与える影響を説明するための説明図であ
る。図7において、レンズLの前側主点位置:E、後側
主点位置:F、物点:P、像点:Q、焦点距離:f、物
体距離:S、像距離:S’は、レンズLの屈折率を至る
所均一として定義されたものであり、レンズ面の曲率半
径や、レンズ肉厚、レンズ材質の屈折率により定まる。
このとき上記S,S’,fの間に関係「(1/S)+
(1/S’)=1/f」が成り立つ。この状態において、
レンズLに前述の屈折率分布が存在すると、その影響に
より、焦点距離がΔfだけ変化する。この焦点距離変
化:Δfは像点を像点位置:QからΔS’だけ変化させ
る。「ΔS’」は近似的に、 ΔS’≒{S/(S−f)}2・Δf (2) で表される。
【0017】屈折率分布はレンズ作用をもつから、生じ
た屈折率分布を「これに等価なレンズ」と考えて、その
焦点距離をf’とすれば、屈折率分布の生じたレンズL
の焦点距離は、本来の焦点距離fを持つレンズLと、焦
点距離:f’のレンズの合成系の焦点距離となり、上記
焦点距離変化:Δfは、近似的に、 Δf≒f2/f’ (3) で表される。
【0018】次に、レンズL内における屈折率の分布を
表現する。屈折率分布の表現は、一義的ではなく、種々
の表現が可能であるが、レンズ形状が光軸対称であると
考えると、光軸に直交する方向(ラジアル方向)の座標
としてrを取り、光軸方向の座標をZとすると、屈折率
の分布が図4に示すようにレンズの中心に対して対称的
である場合が一般的であることに鑑み、屈折率分布:n
(r,Z)を、a,b,c,..,A,B,C,..を定
数係数として、 のように表すことができる。「n0」は光軸上でレンズ
中央部の屈折率を表す。実際にレンズ内に生ずる屈折率
分布では、rやZの4乗以上の項は無視することがで
き、屈折率分布:n(r,Z)は、 n(r,Z)=n0+ar2+AZ2 (4) で表すことができる。ラジアル方向(光軸に直交する方
向)のみでは、 n(r)=n0+ar2 (4’) アクシアル方(光軸に平行な方向)のみでは、 n(Z)=n0+AZ2 (4'') で表すことができる。
【0019】内部屈折率分布「n(r)=n0+ar2」を
等価なレンズで置き換えたときの、焦点距離、即ち、前
述のf’は、レンズの最大肉厚:tを用いて、近似的
に、 f’≒1/(2at) (5−1) で表すことができる。屈折率:n0を基準とすると、前
述の屈折率分布量:Δnrの定義に従い、Δnr は係
数:aに等しい。従って、(5−1)式は、 f’≒1/(2・Δnr・t) (5−2) と書くことができ、ラジアル方向に(4’)式で表され
る屈折率分布があるとき、前記(3)式は、 Δf≒f2・(2・Δnr・t) (3’) となる。この(3’)式の右辺を(2)式の右辺に代入
すると、 ΔS’≒{S/(S−f)}2・f2・(2Δnr・t) ={(S・f)/(S−f)}2・2Δnr・t (2’) となる。この式が、屈折率分布に起因するデフォーカス
量を与えることになる。
【0020】一方、深度余裕:wは、前述の如く「光ス
ポット径の変動が±10%以下となるデフォーカス量」
であるから、光スポット径の変動が実使用上許容される
範囲内になるためには、光走査用レンズの有項領域内の
至る所で、 w≧|ΔS’| (6) である必要があり、t>0であることを考慮すれば、 w/(2t)≧|{(S・f)/(S−f)}2・Δnr| (1) が成り立つレンズであれば、レンズ内に屈折率分布:n
(r)=n0+ar2が存在しても、光スポット径の像高に
よる変動は、±10%以内に抑えられることになる。
【0021】アクシアル方向の屈折率分布:ΔnZは、
焦点距離:Δfには殆ど影響しないため、像面位置変
化:ΔS’は実質的に発生しない。しかし、曲率を有す
る界面で大きなΔnZが存在する場合には波面収差が劣
化し、「ビームウエスト径」の変動を生じる虞れがあ
る。従って、ΔnZが大きい場合には、上記波面収差の
劣化によるビームウエストの変動を考慮して、光スポッ
ト径の変動が実使用上の許容範囲内にあるように十分な
深度余裕を持つことが望ましい。上に説明した計算過程
では「ラジアル方向の屈折率分布が光軸対称」であると
した。実際に製造される光走査用レンズは、副走査対応
方向には必要最小限の幅とすることにより「短冊状」に
形成される場合が多い。このような場合には、屈折率の
分布は、主走査対応方向と副走査対応方向とで同じにな
らず、副走査対応方向により大きな屈折率勾配が発生し
やすい(図4(e)参照)。
【0022】このような場合には、主走査対応方向の屈
折率分布量:Δnrmと副走査対応方向の屈折率分布量:
Δnrsとが異なることになるので、主・副走査対応方向
の深度余裕:wm,wsとして、上記(1)式に換えて、 wm/(2t)≧|{(S・f)/(S−f)}2・Δnrm| (1−m’) ws/(2t)≧|{(S・f)/(S−f)}2・Δnrs| (1−s’) を満足するようにすればよい。さらに、光走査用レンズ
が「主・副走査対応方向のパワーが異なるアナモフィッ
クなレンズで、副走査対応方向に関して、光偏向器によ
る偏向の起点と被走査面とを略共役な関係とする機能を
持つ」ように構成される場合(請求項3)は、前記物体
距離:S、像距離:S’や焦点距離:fも主・副走査方
向で異なるので、前記式(1−m),(1−s)を満足
させることにより、主・副走査方向の光スポット径の変
動を有項領域にわたって、±10%以内にできる。
【0023】上記請求項2または3記載の光走査用レン
ズにおいて、前述のように、光走査用レンズを、副走査
対応方向を幅方向とする短冊状に形成した場合には一般
に、 |Δnrm|<|Δnrs| となるので、主・副走査対応方向の深度余裕:wm,ws
は条件: wm<ws を満足する必要がある(請求項4)。
【0024】被走査面上における光スポットの光スポッ
ト径の像高による変動は、光走査用レンズの設計により
定まる主・副走査方向の像面湾曲と上記屈折率分布とに
起因して起こるものであるから、必要な深度余裕を確保
するには、光走査用レンズの設計上「主・副走査方向の
像面湾曲が可及的に小さくなる」ように設計を行うこと
が有効である。また、副走査方向に関しては、像面湾曲
のみならず「光学的横倍率の像高による変化」が光スポ
ット径変動の原因となるので、上記光学的横倍率を可及
的に一定にするような設計を行うことが有効である。さ
らに、プラスチック成形に起因する光走査用レンズの屈
折率分布は、実験やシミュレーション等によりある程度
予測できるので、このような予測に基づき、屈折率分布
による影響を考慮して像面湾曲補正を行うことも有効で
ある。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の光走査用レン
ズを用いた光走査装置の1例を示している。半導体レー
ザである光源10からの光束は、カップリングレンズ1
2により以後の光学系にカップリングされる。カップリ
ングされた光束は「平行光束」または「弱い発散性の光
束」もしくは「弱い集束性の光束」となり、ビーム成形
用のアパーチュア14により光束周辺部分を遮断されて
適当な光束断面形状とされ、シリンダレンズ16に入射
し、シリンダレンズ16により副走査対応方向(図面に
直交する方向)に集束され、ミラー18で反射される
と、ポリゴンミラーである光偏向器20の偏向反射面近
傍に「主走査対応方向に長い線像」に結像する。なお、
シリンダレンズ16はシリンダ凹面鏡で代替することも
できる。
【0026】光偏向器20により等角速度的に偏向され
た偏向光束は、光走査用レンズ30を透過し、被走査面
40(この位置に光導電性の感光体の感光面が配備され
る)上に光スポットとして集光し、被走査面40を等速
的に光走査する。
【0027】この光走査装置において、光走査用レンズ
30は「プラスチックの成形加工」で形成され、レンズ
内部に屈折率分布を有するが、前記(1−m),(1−
s)式を有効領域全域で満足するように深度余裕を持た
せた設計により、光スポット径の像高による変動を実使
用の許容域内に抑えている。
【0028】
【実施例】図1の光走査装置の具体的な実施例を挙げ
る。
【0029】半導体レーザである光源10として発光波
長:780nmのものを用い、光源10からの光束をカ
ップリングレンズ12により弱い集束性の光束とする。
アパーチュア14は、主走査対応方向幅:2.9mm、
副走査対応方向幅:1.7mmの長方形形状の開口を有
する。
【0030】光偏向器20は内接円半径:18mmの6
面鏡であり、光源側から入射する光束の主光線と、光走
査用レンズ30の光軸とが成す角は60度である。
【0031】アパーチュア14以下、被走査面40に至
る光軸上の距離を図1に示す如く、添字をiとしてd
i(i=0〜5)とし、シリンダレンズ14の入射側面、
射出側面、光偏向器20の偏向反射面、光走査用レンズ
30の光偏向器側面および被走査面側の面および被走査
面40を順次、面番号:i=1〜5とする。シリンダレ
ンズおよび光走査用レンズの主・副走査対応方向の曲率
半径(光走査用レンズ30に就いては近軸曲率半径)
を、面番号:iを添字として、Ri,riとし、これらレ
ンズの屈折率をNで表示すると、図1の光学配置は以下
の如くになる。
【0032】 i Ri ri di N 0 10.000 (アパーチュア12) 1 ∞ 44.68 3.000 1.51933 (シリンダレンズ1面) 2 ∞ ∞ 70.000 (シリンダレンズ2面) 3 ∞ ∞ 48.06 (偏向反射面) 4 199.5 -40.03 20.000 1.51933 (光走査用レンズ1面) 5 -212.0 -15.973 106.94 (光走査用レンズ2面)。
【0033】カップリングレンズによりカップリングさ
れた光束は弱い集束性の光束となるので、その自然集光
点(カップリングされた弱い集光性の光束が、それ自体
の集光性のみにより集光する仮想的な位置)は、光走査
用レンズ30の主走査対応方向における物点となるが、
この物点の位置は、上記偏向反射面位置から被走査面側
へ向かって距離:312mmの位置にある。図1に示す
書込み幅:W=216mmである。
【0034】光走査用レンズ30の焦点距離は、主走査
対応方向においてfm=201.25mm、副走査対応
方向においてfs=39.853、光走査用レンズ30
に対する物体距離は、主走査対応方向に就きSm=−2
57.45mm、副走査対応方向においてSs=61.
737である。
【0035】光走査用レンズ30は、その光軸を含む主
走査対応方向に平行な面内における形状が、両面とも光
軸方向にX軸、光軸直交方向にY軸を取るとき、Ri
上記近軸曲率半径、Ki,Ai,Bi,Ci,Di,...
を定数として、 X=Y2/[R+R√{1−(1+Ki)(Y/Ri)2}]+A
i・Y4+Bi・Y6+Ci・Y8+Di・Y10+... なる式で表される「非円弧」形状であり、上記曲率半
径:Riおよび定数:Ki,Ai,Bi,Ci,Di,.(光
偏向器側面に就きi=4、被走査面側面に就きi=5)
は以下の値を持つ。
【0036】光偏向器側面 R4=199.5,K4=−35.1384,A4=−
1.9846×10~7,B4=2.1692×10~11
4= 1.9018×10~15,D4=−1.8800
×10~19 被走査面側面 R5=−212.0,K5= 2.106,A5=−3.
7090×10~7,B5=1.7132×10~11,C5
=−5.9300×10~15,D5= 1.4940×1
0~18
【0037】また、光走査用レンズ30の両面は、光軸
と副走査方向とに平行な平面による仮想的な断面におけ
る曲率半径:rが、上記Y座標を用いて、 ri(Y)=ri(0)+Σaij・Y**2j なる式(光偏向器側面に就きi=4、被走査面側面に就
きi=5)に従って変化している。なお「Y**2j」
はYの2j乗を表す。和の項は添字:j(正の整数)に
就き取る。
【0038】光偏向器側面 r4(0)=−40.03,a41=−1.190×10~
2,a42= 1.678×10~5,a43=−1.764
6×10~8,a44= 9.9902×10~12,a45
−2.8355×10~15,a46= 3.154×10~
19 被走査面側面 r5(0)=−15.973,a51=−8.580×1
0~4,a52= 2.072×10~7,a53= 1.50
5×10~9,a54=−1.77196×10~12,a55
= 9.1971×10~16,a56=−2.28×10~
1957= 2.18171×10~23
【0039】この実施例による像面湾曲(破線が主走査
方向、実線が副走査方向)と等速特性の図を図2に示
す。図2においては光走査用レンズ内部の屈折率分布の
影響は考慮されていない。等速特性としてはリニアリテ
ィ(実線)とfθ特性(実線)を示す。カップリングレ
ンズによりカップリングされた光束は弱い集束性である
ので、光走査用レンズは厳密にはfθレンズでないが、
誤解を生じる虞れはないと思われるので、fθ特性なる
用語を用いる。
【0040】図3は、上記実施例のデータに基づきLS
F(line spread function)から求めた「1/e2強度で定
義される光スポット径」のデフォーカス量に対する変化
を、像高:−110mm、−82mm、0mm、82m
m、107mmの位置においてシミュレーションで求め
た図であり、図3(a)は主走査方向、(b)は副走査
方向である。これらの図において「上限」と記された直
線は、光スポット径の変動が「像高:0mmの光スポッ
ト径を基準として実使用上の許容範囲である±10%以
内に納まる」ときの光スポット径の最大値であり、書込
み領域全体で光スポット径が「上限」以下と成る領域が
「深度余裕:w」であり、図示のように主走査方向に就
きwm=5.5mm、副走査方向に就きws=8mmであ
る。即ち、wm<wsであって、請求項4の条件が満足さ
れている。
【0041】光走査用レンズは最大レンズ厚が20.0
0mmであるから、(1−m)式の左辺の「wm/(2
t)」は、5.5/(2・20.0)≒0.14、右辺は、 |{(-257.45×201.25)/(-257.45-201.25)}2・Δnrm| (1−m1) となる。また(1−s)式の左辺の「ws/(2t)」は8
/(2・20.0)=0.2、右辺は、 |{(61.737×39.853)/(61.737-39.853)}2・Δnrs| (1−s1) となる。屈折率分布量:Δnrm,Δnrsに就いて、種々
の測定やシミュレーションで評価してみると、「Δ
rm」に就いては「α×10~6」で9.5>α>5の大
きさであり、「Δnrs」に就いては「β×10~5」でβ
<3の量であることが知れる。
【0042】そこで、(1−m1)式におけるΔnrm
して「9×10~6」、(1−s1)式における「Δ
rs」として「1×10~5」を想定してみると、(1−
m1)式の右辺は0.1148、(1−s1)式の右辺
は0.126となり、(1−m)式および(1−s)式
の条件が満足されることがわかる。
【0043】このようにして、光走査用レンズ30内に
屈折率分布が存在しても、光スポット径の変動は±10
%以内に抑えられ、良好な光走査を行うことができる。
【0044】先に、光走査用レンズの深度余裕を確保す
るのに、「主・副走査方向の像面湾曲が可及的に小さく
なる」ように、また「副走査方向に関して像面湾曲のみ
ならず、光学的横倍率を可及的に一定にする」ようにレ
ンズ設計を行うことが有効であることを説明した。
【0045】説明中の実施例では、光走査用レンズの両
面を「光軸を含み主走査対応方向に平行な面内での形状
を非円弧形状」とし、「光軸と副走査対応方向とに平行
な面内の曲率半径を光軸からの主走査対応方向の距離:
Yに応じて変化させる」ことにより、図2に示すように
主・副走査方向の像面湾曲を良好に補正している。ま
た、副走査方向に関する横倍率:β(θ)(θは偏向光束
の偏向角)に就いては、有効領域内での任意の偏向角:
θに対し、条件: 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05|β(0)| を満足するように設計が行われており、これにより、上
記の如く(1−m)式、(1−s)式の条件を満足する
十分な深度余裕が得られているのである。
【0046】なお、請求項2記載の発明において、深度
余裕として、上記の如く光スポット径の変動が±10%
以内に納まる場合を限定しているが、実際の実使用にお
いて光スポット径の変動が±10%より大きくても、実
使用上許容される場合も考えられ、請求項1における
「実使用上許容される光スポット径の変動」は、そのよ
うな場合には、±10%に限られないことはいうまでも
ない。
【0047】また、プラスチックで光走査用レンズを成
形する場合には、上記屈折率分布の他に、プラスチック
は光学異方性定数が大きいため、成形後の冷却の過程
で、内部応力がレンズ内部に残留して「複屈折分布」が
生じることが考えられる。
【0048】このような複屈折分布があると、透過光束
に対して波面収差が発生しやすく、波面収差が大きくな
ると、光スポット径を決定する偏向光束の「ビームウエ
スト径」が大きくなり、これがまた、光スポット径変動
の原因となる。
【0049】このような複屈折分布に起因する光スポッ
ト径変動を軽減させるには、複屈折分布に起因して透過
光束に生じる位相の遅れである「リターデーション:Δ
r」が、偏向光束の波長:λ以下、即ち、ΔRr≦λと
なるようにすることが有効であり、このような補正を屈
折率分布に対する補正と組み合わせることにより、光ス
ポット径変動をより有効に軽減させることができる。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な光走査用レンズを実現することができる。この
発明の光走査用レンズは、上記の如き深度余裕を持って
設計されるので、レンズ内に屈折率分布があっても、光
スポット径の変動を実使用上許容される範囲に抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光走査用レンズを用いる光走査装置
の1例の光学配置を示す図である。
【図2】上記光走査装置の具体的な実施例における光走
査用レンズの像面湾曲と、等速特性とを示す図である。
【図3】実施例に関して、主走査対応方向と副走査対応
方向の深度余裕を説明するための図である。
【図4】光走査用レンズ内の屈折率分布を説明するため
の図である。
【図5】ラジアル方向の屈折率分布量:Δnrを説明す
るための図である。
【図6】光走査用レンズの屈折率分布に起因する光スポ
ット径の変化を説明するための図である。
【図7】屈折率分布の、レンズの結像作用への影響を説
明するための図である。
【符号の説明】
10 光源 12 カップリングレンズ 14 アパーチュア 16 シリンダレンズ 20 光偏向器 30 光走査用レンズ 40 被走査面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる光走査用レンズであって、 プラスチック成形で形成され、 レンズ内部に存在する屈折率の不均一に起因する光スポ
    ット径の像高による変動が、実使用上の許容領域内に納
    まるような深度余裕を有することを特徴とする光走査用
    レンズ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査用レンズにおいて、 光走査用レンズの、焦点距離をf、光軸に直交するラジ
    アル方向の屈折率分布量をΔnr 、光走査用レンズの前
    側主点位置から物点までの距離をS、有効範囲内におけ
    る最大レンズ厚をt、深度余裕をwとするとき、これら
    が有効領域にわたって、条件: w/(2t)≧|{(S・f)/(S−f)}2・Δnr| を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光走査用レンズにおいて、 光走査用レンズは、主・副走査対応方向のパワーが異な
    るアナモフィックなレンズで、副走査対応方向に関し
    て、光偏向器による偏向の起点と被走査面とを略共役な
    関係とする機能を持ち、 焦点距離:f、光走査用レンズの前側主点位置から物点
    までの距離:S、深度余裕:w、屈折率分布量:Δnr
    をそれぞれ、主走査対応方向に就きfm,Sm,wm,Δ
    rm、副走査対応方向に就きfs,Ss,ws,Δnrs
    するとき、これらが有効領域にわたって、条件: wm/(2t)≧|{(Sm・fm)/(Sm−fm)}2・Δ
    rm|, ws/(2t)≧|{(Ss・fs)/(Ss−fs)}2・Δ
    rs| を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の光走査用レンズに
    おいて、 |Δnrm|<|Δnrs| であり、 主・副走査対応方向の深度余裕:wm,wsが条件: wm<ws を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
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