JPH10288745A - 光走査用レンズおよび光走査装置 - Google Patents

光走査用レンズおよび光走査装置

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JPH10288745A
JPH10288745A JP3166098A JP3166098A JPH10288745A JP H10288745 A JPH10288745 A JP H10288745A JP 3166098 A JP3166098 A JP 3166098A JP 3166098 A JP3166098 A JP 3166098A JP H10288745 A JPH10288745 A JP H10288745A
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JP
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optical
deflection
optical scanning
lens
scanning lens
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Application number
JP3166098A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Hayashi
善紀 林
Seizo Suzuki
清三 鈴木
Koji Masuda
浩二 増田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単玉構成の走査結像レンズを用いる光走査装置
において、光学素子の光学配置誤差が光走査の性能に影
響しにくくする。 【解決手段】光走査用レンズが単玉構成である。光走査
用レンズは両面とも、偏向面内における形状として非円
弧形状を有し、少なくとも一方の面は特殊なトーリック
面である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査用レンズお
よび光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】主走査対応方向(光源から被走査面に到
る光路上で主走査方向と対応する方向を言い、上記光路
上で副走査方向に対応する方向を副走査対応方向とい
う)に長い線像に結像した光束を、上記線像の結像位置
の近傍に偏向反射面を有する光偏向器により等角速度的
に偏向させ、光走査用レンズにより被走査面上に光スポ
ットとして集光させ、被走査面を等速的に光走査する光
走査装置は従来から光プリンタやデジタル複写装置に関
連して広く知られている。このような光走査装置におい
て、装置のコンパクト化や価格の低廉化の観点から、
「単玉構成」の光走査用レンズの使用が提案されている
(特開平7−174998号公報等)。光走査装置は
「コンパクトで広い有効主走査幅を有する」ことが望ま
しく、このために、光偏向器による有効偏向角の範囲を
大きくとり、且つ、光走査用レンズを大型化させないた
めには、光走査用レンズをなるべく光偏向器の近傍に配
備することが必要となる。
【0003】しかし、特開平8−248308号公報や
同8−190062号公報記載の発明のように、光走査
用レンズの配備位置を光偏向器に近付けると、光走査用
レンズの副走査対応方向の結像倍率が大きくなる。この
ため、例えば上記「線像」を結像させるための光学系の
光軸方向の僅かな位置誤差が原因で、線像の結像位置が
上記「光路上」で僅かにずれても、縦倍率は横倍率の2
乗に比例するので、上記線像に対する副走査対応方向の
像である光スポットの結像位置は大きくずれ、副走査方
向の像面湾曲は設計上のものから大きく劣化したものと
なってしまう。逆に、特開平8−76011号公報や同
8−297256号公報記載の発明のように、光走査用
レンズの副走査対応方向の結像倍率低減の効果を大きく
し過ぎると、被走査面近傍の結像点を中心とした波面収
差が増大し、光スポット径を小径化するのが困難になっ
たり、前記線像を結像するためのシリンダレンズや光走
査用レンズが光軸に対してチルトした場合に、光スポッ
トが大きくなってしまうという問題が生じる。即ち、上
記各公報に記載された発明では、所望の効果を得るの
に、前記シリンダレンズや光走査用レンズの光学配置を
極めて高精度に行わねばならず、光学配置の僅かな狂い
が大幅な性能劣化を惹起してしまう。
【0004】また、単玉構成の光走査用レンズも、光走
査の等速特性が良好で、光スポット径が光スポットの像
高により変動しないように、主走査方向・副走査方向の
像面湾曲が共に良好に補正されることが望ましいことは
勿論である。しかし、光スポット径の変動が良好に補正
されるためには、像面湾曲が良好に補正されただけでは
不十分である。例えば特開平4−50908号公報記載
の発明では、光走査用レンズの副走査方向の像面湾曲は
良好に補正されているけれども、光走査用レンズの副走
査対応方向の結像倍率が偏向角に応じて変動するため、
副走査方向の光スポット径は光スポットの像高とともに
かなり大きく変化してしまう。また、光偏向器として一
般的なポリゴンミラーを用いると、ポリゴンミラーの回
転軸が偏向反射面内にないため、上記線像の結像位置と
偏向反射面との空間的なずれである「サグ」が、偏向光
束の偏向角に応じて、偏向角:0に関して非対象に発生
して、光走査用レンズの性能劣化の原因になるという問
題がある。
【0005】光走査用レンズは、上記の如く種々の条件
の充足が要請されるので、光走査用レンズを単玉で構成
する場合には、少なくとも一方の面を特殊な非球面形状
とする必要がある。このため、単玉構成の光走査用レン
ズは、プラスチック材料による成形加工が製造方法とし
て適しているが、単玉構成の光走査用レンズを両凸レン
ズとして構成する場合、近軸部の肉厚が大きくなりやす
く、近軸部と周辺部で肉厚差が大きくなりやすい。この
ため、プラスチック成形で光走査用レンズを成形する
と、成形の過程で「ヒケやウネリ」といった形状誤差が
発生しやすい。
【0006】このような「形状誤差」が発生すると、設
計上の性能は如何に優秀であろうとも、現実の性能は著
しく劣化したものとなることは明らかである。この問題
は、光走査装置のコンパクト化や光走査領域の拡張のた
めに走査結像レンズを広角化する場合、走査結像レンズ
の大型化を防止するため光走査用レンズを光偏向器の近
傍に配備するような場合に特に顕著になりやすい。さら
に、光走査用レンズを単玉構成とする場合、光偏向器側
のレンズ面を凸面とすることが、特にfθ機能に代表さ
れる等速化機能の向上に有効である。しかし、光偏向器
側のレンズ面を凸面とする場合、その曲率半径が小さく
なるほどレンズの「コバ厚」が小さくなり、近軸部と周
辺部との肉厚差も大きくなり易く、上記問題が発生し易
い。また、光偏向器側のレンズ面の曲率半径が小さけれ
ば、主走査対応方向においてレンズ周辺部に行くに従
い、偏向光束の該レンズ面への入射角(該レンズ面の外
向き法線と入射偏向光束の主光線とのなす角)が大きく
なり易く、該レンズ面の形状誤差による像面湾曲や等速
性の劣化が生じ易い。
【0007】また、光偏向器としてポリゴンミラーに代
表される偏向反射面を2以上有する回転鏡を用いた場
合、その個々の偏向反射面と回転鏡の回転軸との距離
が、誤差により異なることがありうる。このような場
合、ある偏向反射面で偏向される偏向光束と、他の偏向
反射面で偏向される偏向光束とが、光走査用レンズで被
走査面上に集光されるとき、主走査方向における走査位
置が変動して、所謂「縦線ゆらぎ(副走査方向に直線と
なるように書き込まれた線が、主走査方向に細かく揺ら
いだ線となる現象)」が発生する。良好な光走査を実現
するためには、このような「縦線ゆらぎ」も有効に軽減
されていることが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、単玉構成
の光走査用レンズにおいて、主・副走査方向の像面湾曲
や走査の等速特性といった性能の向上を可能ならしめ、
光学配置における光軸方向の配置誤差や、光軸のチルト
等に光スポット径が影響され難くし、光スポット径の小
さい光スポットを実現することを課題とする(請求項1
〜7)。この発明はまた、光スポット径の、像高による
変動を有効に軽減させること課題とし(請求項3,
4)、所謂「サグ」の影響を有効に軽減することを目的
とする(請求項5)。また、単玉構成の光走査用レンズ
をプラスチックで成形加工する場合の形状誤差の有効な
防止を可能ならしめることを別の課題とする(請求項1
〜3)。
【0009】さらに、光学素子の光軸方向の組付け公差
に対する制限を緩和することを他の課題とする(請求項
6,7)。さらにまた、単玉構成の光走査用レンズにお
いて、縦線ゆらぎを良好に軽減させることを他の課題と
する(請求項8)。この発明はまた、単玉構成の光走査
用レンズを用いる光走査装置において、装置のコンパク
ト化、高性能化、歩留まりの向上を課題とする(請求項
9)。また、この発明は、単玉構成の光走査用レンズを
用いる光走査装置において、縦線ゆらぎを有効に軽減さ
せることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査用レン
ズは「主走査対応方向に長い線像に結像した光束を、線
像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光偏向器によ
り等角速度的に偏向させ、光走査用レンズにより被走査
面上に光スポットとして集光させ、被走査面を等速的に
光走査する光走査装置における光走査用レンズ」であっ
て、以下のごとき特徴を有する(請求項1)。即ち、光
走査用レンズは「偏向直交面内における形状が偏向反射
面側に凹のメニスカス形状の単玉構成」である。光偏向
器により理想的に偏向される光束を想定し、この光束の
主光線が偏向に伴い掃引する平面を「偏向面」と呼ぶ。
光走査用レンズは設計上は、偏向面に光軸を合致させて
配備されるものであり、この明細書における光走査用レ
ンズに関する説明は、光走査用レンズを理想的に配備し
た状態に準拠したものである。上記偏向面に直交する平
面のうちで光走査用レンズの光軸(偏向面内にある)に
平行なものを「偏向直交面」と呼ぶ。偏向直交面は被走
査面における副走査方向と平行的に対応する。光走査用
レンズのレンズ面は両面とも、偏向面内の形状、即ち偏
向面による断面形状が「非円弧形状」である。非円光形
状は、例えば「非球面の式」として広く知られた、光軸
方向の座標:X、光軸直交方向の座標:Y、近軸曲率半
径:R、円錐定数:K、高次の係数:A,B,C,
D...として、 X=Y2/[R+R・√{1−(1+K)(Y/R)2}] +A・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+...(1A) なる式における上記R,K,A,B,C,D...を与
えて特定できる。上記式(1A)以外にも、これと等価
な式による表現は可能である。
【0011】光走査用レンズの、少なくとも1つの面の
「偏向直交面内における曲率」は、主走査対応方向にお
いて光軸からの距離に応じて変化し、且つ「偏向直交面
内における曲率中心を連ねて得られる線が非直線」であ
る。光偏向器側の面における「光軸を含む偏向直交面内
の曲率半径」をrs1(0)、被走査面側の面における「光
軸を含む偏向直交面内の曲率半径」をrs2(0)、有効主
走査幅をW、光偏向器による偏向の起点から被走査面ま
での光軸上の距離をLとするとき、これらrs1(0),r
s2(0)、W、Lは、条件: (1) 0.2≦{rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2≦0.6 を満足する。上記の如く、この発明の光走査用レンズ
は、偏向面内におけるレンズ面形状が両面とも非円弧形
状であり、これら非円弧形状を適切に設定することによ
り、fθ特性等の等速特性や、主走査方向の像面湾曲を
良好に補正することができる。また、少なくとも一方の
面において、偏向直交面内の曲率半径が主走査対応方向
において光軸からの距離に応じて適切に変化させること
により、副走査方向の像面湾曲を良好に補正できる。
【0012】また、偏向直交面内の形状は「偏向反射面
側に凹のメニスカス形状」であり、このメニスカス形状
と条件(1)とにより、副走査対応方向の結像作用に対
する前側主点と後側主点を共に、被走査面側に位置させ
ることができ、光走査用レンズ本体を光偏向器に近づけ
て配備しつつも、副走査対応方向の結像倍率を小さくす
る「倍率低減」が可能になる。しかし、条件(1)の上
限を越えると、被走査面近傍の結像点(偏向光束が集光
する点)を中心とした「波面収差」が増大し、光スポッ
ト径を小さくすることが困難になり、線像を結像させる
ためのシリンダレンズや、光走査用レンズの光軸が偏向
面に対して傾いた場合(チルトした場合)に、光スポッ
ト径が著しく大きくなる。また条件(1)の下限を越え
ると、光走査用レンズの前側主点、後側主点共に光偏向
器側へ近づき、光走査用レンズの副走査対応方向の結像
倍率が増大することになり、前記シリンダレンズの光軸
方向の位置誤差により、光スポットの結像位置が大きく
ずれ、副走査方向の像面湾曲は設計上のものから大きく
劣化したものとなってしまう。
【0013】この発明の光走査用レンズの「どちらか一
方の面」における、偏向直交面内の曲率半径は、主走査
対応方向における光軸からの距離に関わりなく略一定と
してもよい(請求項2)。この場合、当該レンズ面にお
ける偏向直交面内の曲率中心を連ねて得られる曲線は、
当該レンズ面の偏向面内の形状である前記非円弧形状と
略同一になる。このように、一方の面の偏向直交面内の
曲率半径を略一定とすると、光走査用レンズが「光軸方
向にずれ」ても、当該面の主走査対応方向の形状は平行
移動するのみであるから、等速特性や主走査方向の像面
湾曲への影響が少なくてすむ。また他方のレンズ面の偏
向直交面内の曲率半径を主走査対応方向に適切に変化さ
せることにより副走査方向の像面湾曲を良好に補正する
ことが可能である。
【0014】請求項3記載の光走査用レンズは、請求項
2記載の光走査用レンズにおいて、有効主走査領域(有
効主走査幅内の領域)に入射すべく偏向角:θで偏向さ
れる偏向光束に就き、偏向反射面近傍に主走査対応方向
に長く結像する線像に対する、光走査用レンズによる副
走査対応方向の横倍率をβ(θ)とするとき、光軸上にお
ける上記横倍率をβ(0)として、β(θ)が、条件: (2) 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05|β(0)| を満足することを特徴とする。即ち、偏向角:θの偏向
光束においては、光走査用レンズによる副走査対応方向
の結像点で線像は副走査対応方向に「β(θ)倍」される
ことになる。偏向光束は、光走査用レンズの作用により
被走査面近傍に結像するが、この結像関係は、副走査対
応方向においては偏向反射面近傍に結像している線像を
物点とするものである。偏向光束の結像位置が被走査面
のごく近傍であるので、上記線像の副走査対応方向の径
をωA、光スポットの副走査方向の径をωBとすると、偏
向角:θで偏向された偏向光束による光スポットに対し
て、良い近似で、関係「ωB=|β(θ)|×ωA」が成り
立つ。従って、条件(2)が満足されることは、光スポ
ットの副走査方向の径が、光軸上の光スポット(像高:
0の光スポット)の副走査方向の径を規準値:1とし
て、その変動の範囲が0.95から1.05の範囲(±
5%の範囲)にあることを意味する。従って、請求項
1,2により副走査方向の像面湾曲が良好に補正される
条件下においては、光スポットの、結像倍率変化に起因
する像高による変動を良好に抑制することができる。
【0015】請求項4記載の光走査用レンズは、前記請
求項1記載の光走査用レンズにおいて、各面とも、偏向
直交面内における曲率が、主走査対応方向において光軸
からの距離に応じて変化し、且つ、偏向直交面内におけ
る曲率中心を連ねて得られる線が非直線であり、且つ、
上記β(θ)が、上記条件(2)を満足することを特徴と
する。このようにすると等速特性や主走査方向のの像面
湾曲の「光走査用レンズの光軸方向のシフトに対する鈍
感性」は若干犠牲になるが、両レンズ面における「偏向
直交面内における曲率が、主走査対応方向において光軸
からの距離に応じて変化する」ことにより、条件(2)
を満足させることが、より容易になる。
【0016】上記請求項1または2または3または4記
載の光走査用レンズにおいて、偏向直交面内における曲
率が、主走査対応方向において光軸からの距離に応じて
変化し、且つ、偏向直交面内における曲率中心を連ねて
得られる線が非直線である面の少なくとも一方は「偏向
直交面内の曲率半径の、主走査対応方向における変化
が、光軸に関して非対称である」ことができる(請求項
5)。光偏向器として「ポリゴンミラー」を用いると、
ポリゴンミラーの回転中心が偏向反射面内にないため、
前記「線像」と偏向反射面との位置関係がポリゴンミラ
ーの回転に応じて変化する所謂「サグ」の問題があり、
サグは光走査用レンズの光軸に関して非対称に生じる。
このため、レンズ形状を光軸対称にすると、等速特性や
像面湾曲が劣化する。請求項5記載の光走査用レンズの
ように、レンズ形状を非対称化することにより、サグの
影響を有効に軽減させることができる。
【0017】請求項1ないし5の任意の1に記載の光走
査用レンズにおいて、有効主走査幅をW、光軸上の肉厚
をd1、光偏向器による偏向の起点から被走査面までの
光軸上の距離をLとするとき、これらW,d1,Lが条
件: (3) W/L>0.9 (4) 10<(W/L)2・(L/d1)<30 を満足し、且つ、偏向面内の形状が両凸形状であること
ができる(請求項6)。この場合において、偏向面内に
おける焦点距離をfm、偏向反射面側の面の偏向面内に
おける近軸曲率半径をR1とするとき、これらが条件: (5) 1.0≦R1/fm≦3.0 を満足することができる(請求項7)。「有効主走査
幅」は、光スポットにより主走査される走査領域におい
て、光書込みが良好に行なわれる領域として設定された
領域の幅を意味し、一般に光走査装置の設計条件として
定まる。「偏向の起点」は、偏向角が0のときの偏向光
束の反射位置である。条件(3)において、(W/L)
は「像高:0のときの光偏向器から被走査面に到る光路
長:Lに対する有効主走査幅:Wの比」を表し、この比
が大きくなるほど光走査装置は「コンパクト且つ広画
角」となる。従って、条件(3)の下限値:0.9を超
えると、光走査装置のコンパクト化や広い有効主走査領
域を実現することが困難になる。光走査装置をコンパク
トにし、且つ、肉厚差の少ない光走査用レンズを用いて
コンパクトな光走査装置を実現するには、上記光路長:
Lと肉厚:d1との比:(L/d1)と、条件(3)のパ
ラメータ:(W/L)の2乗との積が、ある一定の範囲
に設定されることが望ましい。条件(3)が満足される
範囲で、条件(4)におけるパラメータ:(W/L)2
(L/d1)が小さくなると、レンズ肉厚:d1が大きくな
ると共に「近軸部と周辺部の肉厚差」が大きくなり、プ
ラスチック成形に不利な形状となっていく。条件(4)
の下限値:10を下回ると上記「不利」が顕著になり、
成形加工時に「ヒケやウネリ」等の形状誤差の発生を防
止するのが難しくなる。
【0018】条件(4)における上記パラメータが大き
くなるほど、レンズ肉厚は小さくなり、光走査用レンズ
は薄肉になって成形加工上は有利であるが、レンズが薄
肉になるため像面湾曲の良好な補正や良好な等速化機能
の実現には不利になる。条件(4)の上限値:30を超
えると、主走査方向の像面湾曲の良好な補正や良好な等
速化機能を実現するのが困難になる。また、上記条件
(5)におけるパラメータ:R1/fmが上限の3.0を
越えると、歪曲収差の調整が難しくなり、光走査の等速
化を実現する「等速化機能」を良好にすることが困難に
なり良好な「等速特性」を維持できなくなる。また条件
(5)における上記パラメータが下限の1.0を越える
と、光走査用レンズの肉厚が厚くなったり、近軸部と周
辺部との肉厚差が大きくなりやすく、前記「ヒケやウネ
リ」を発生しやすい。また、光偏向器側のレンズ面への
偏向光束の入射角が、主走査対応方向の周辺部で大きく
なり、計状誤差や、環境変動による形状変化(プラスチ
ックレンズは温・湿度の影響で変形しやすい)による性
能劣化が生じやすい。
【0019】上に説明した請求項1〜6の任意の1に記
載の光走査用レンズにおいて、光偏向器として「光偏向
器が2面以上の偏向反射面を有する回転鏡」を用いる場
合、光源から放射され、カップリングレンズによりカッ
プリングされた光束の自然集光点の、光偏向器による偏
向の起点からの距離をSは、有効主走査幅:Wに対し
て、条件: (6) |S/W|>3 を満足することが好ましい(請求項8)。「自然集光
点」に関しては後述する。条件(6)を満足すると、偏
向光束は偏向面内において平行光束に近いものになり、
このような光束を光走査用レンズにより偏向面内で被走
査面上に集光させるようになるので、回転鏡の回転軸と
偏向反射面との距離が変動しても、光スポットの集光位
置は主走査方向へ変動しにくくなり、「縦線ゆらぎ」を
有効に軽減させることができる。
【0020】請求項9記載の発明の光走査装置は「主走
査対応方向に長い線像に結像した光束を、上記線像の結
像位置の近傍に偏向反射面を有する光偏向器により等角
速度的に偏向させ、光走査用レンズにより被走査面上に
光スポットとして集光させ、上記被走査面を等速的に光
走査する光走査装置」であって、光走査用レンズとして
上記請求項1〜7の任意の1に記載の光走査用レンズを
用いることを特徴とする。このように上記請求項1〜7
の任意の1に記載の光走査用レンズを用いることによ
り、光走査用レンズの特性を生かし、コンパクトで、性
能良好な光走査装置を実現することが可能である。請求
項10記載の発明の光走査装置は「主走査対応方向に長
い線像に結像した光束を、上記線像の結像位置の近傍に
偏向反射面を有する光偏向器により等角速度的に偏向さ
せ、光走査用レンズにより被走査面上に光スポットとし
て集光させ、上記被走査面を等速的に光走査する光走査
装置」であって、光走査用レンズとして請求項8記載の
光走査用レンズを用いることを特徴とする。このように
することとにより、上記光走査用レンズの特性を活か
し、コンパクトで、縦線ゆらぎの有効に軽減された性能
良好な光走査装置の実現が可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施の形態を説明
する。請求項9記載の光走査装置の実施の1形態を示す
図1(a)において、発光源であるLD10から放射さ
れた発散性の光束は、LD10と共に「光源」を構成す
るカップリングレンズ12により「以後の光学系」にカ
ップリングされる。光源からの光束は「線像結像光学
系」である凸のシリンダレンズ14により副走査対応方
向(図面に直交する方向)に収束され、「光偏向器」で
あるポリゴンミラー16の偏向反射面近傍に主走査対応
方向に長い線像として結像し、ポリゴンミラー16の回
転により等角速度的に偏向する。偏向光束は光走査用レ
ンズ18に入射し、光走査用レンズ18の作用により被
走査面20(その位置に、光導電性の感光体が配備され
る)上に光スポットとして集光され、被走査面20を主
走査方向(図の上下方向)に光走査する。図中の距離:
Wは「有効主走査幅」である。線像結像光学系であるシ
リンダレンズ14は「凹のシリンダミラー」により代替
することができる。「カップリングレンズ」は発光源か
らの光束を、シリンダレンズ以下の光学系にカップリン
グさせる光学素子であり、発光源からの光束を「平行光
束」または「弱い集光性の光束」もしくは「弱い発散性
の光束」にすることができる。
【0022】図1(a)に示す実施の形態では、カップ
リングレンズ12はLD10からの光束を「弱い集光光
束」とする機能を持ち、このため主走査対応方向に就い
てみると、偏向角:0の偏向光束は、光走査用レンズ1
8がなければ自然集光点Qに集光する。「自然集光点」
は、カップリングレンズによりカップリングされた光束
が「光源から被走査面に到る光路を光軸に沿って直線的
に展開した仮想的な光路」において、この光路上に線像
結像光学系や走査結像レンズが無いとした場合に自然に
集光する位置である。偏向反射面による「偏向の起点」
から自然集光点Qに到る距離を、図のように距離:Sで
表す。自然集光点Qが、光偏向器よりも被走査面側にあ
るとき「S>0」であり、このときはカップリングされ
た光束は弱い収束性である。また、自然集光点Qが光偏
向器よりも光源側にあるとき「S<0」で、このときカ
ップリングされた光束は弱い発散性である。カップリン
グされた光束が平行光束であるときは「S=∞」であ
る。
【0023】図1(a)において、X1(Y)は「光偏向
器側のレンズ面」の偏向面内の形状(即ち、図1(a)
の図面に表れている形状)を表す。また、X2(Y)は
「被走査面側のレンズ面」の偏向面内の形状を表す。こ
れらは何れも「非円弧形状」であり、例えば、前述の式
(1A)におけるR,K,A,B,C,D,...を与
えて特定される。さらに、光走査用レンズ18は、副走
査対応方向に関しては「副走査対応方向に関して、線像
の結像位置と被走査面18とを幾何光学的に略共役な関
係」とする機能(所謂面倒れ補正機能)を持ち、且つ、
副走査方向の像面湾曲を良好に補正するような形状とな
っている。このため、光偏向器側から数えて第1番目お
よび/または第2番目のレンズ面は、図1(b)もしく
は(c)で示すような「特殊なトーリック面」となって
いる。なお、光走査用レンズ1の各面の副走査対応方向
(図1(a)で図面に直交する方向)に関する形状を、
図1(a)のように記号的にx1(Y),x2(Y)で表す。
即ち、図1(b),(c)において、曲線:X(Y)は前
記の「非円弧形状(Rは上式における近軸曲率半径)」
を表わす。特殊なトーリック面は、図1(b),(c)
に示すように「非円弧形状の各Y座標位置(主走査対応
方向における光軸からの距離)に応じて、偏向直交面内
の曲率円の曲率半径:r(Y)が連続的に変化する形状で
ある。このとき、曲率半径r(Y)における曲率中心を連
ねたものは、図1(b),(c)に鎖線で示すように一
般に「非直線」である。条件(1)における「光偏向器
側の面における光軸を含む偏向直交面内の曲率半径:r
s1(0)」、「被走査面側の面における光軸を含む偏向直
交面内の曲率半径をrs2(0)」は。各面におけるr(Y
=0)を意味する。
【0024】図2は、光走査用レンズ18の光軸を含む
偏向直交面内の形状を示している。図のように偏向直交
面内の形状は「偏向反射面側(図の左側)に凹のメニス
カス形状」であり、副走査対応方向の結像機能に関する
前側主点:Hおよび後側主点:H’は共に、レンズ本体
よりも被走査面側(図の右側)に位置し、光走査用レン
ズ18の実際の位置よりも、副走査対応方向の結像倍率
を低減化できる。
【0025】図中のA点は線像の結像位置であり、B点
は上記線像の光走査用レンズ18による結像点であり、
A点と前側主点Hの間の距離:l0、後側主点:H’と
B点殿距離:l1を用いると、前述の|β(0)|は
「l1/l0」である。光走査用レンズ18の「どちらか
一方の面」における偏向直交面内の曲率半径は「主走査
対応方向における光軸からの距離に関わりなく略一定」
とすることができ(請求項2)、この場合、図3に示す
ように、当該レンズ面における偏向直交面内の曲率円の
曲率半径:r(Y)における曲率中心を連ねたもの(鎖
線)は、図3に示すように、当該レンズ面に置ける「非
円弧形状」X(Y)と略同一の曲線になる。
【0026】図10は、前述の縦線ゆらぎを説明するた
めの図である。図10(b)に示す光走査用レンズ1
8’は、前述の条件(6)を満足しないものである。こ
の場合、光偏向器であるポリゴンミラー16において、
その回転軸と偏向反射面との距離が、偏向反射面16A
と偏向反射面16Bとで図のように「Δ」の差がある
と、偏向反射面16Aで反射された偏向光束は実線のよ
うに進んで、被走査面の実体をなす光導電性の感光体2
00上の位置2001に集光し、偏向反射面16Bで反
射された偏向光束は破線のように進んで感光体200上
の位置2002に集光する。これらの位置2001,2
002は、本来は主走査方向においては同一の位置とな
るべきであるが、これらの位置が主走査方向に変動する
結果、副走査方向に直線となるべく書き込んだ線VRb
は主走査方向に細かく揺らいだ線となってしまうのであ
る。これに対し、図10(a)に示す光走査用レンズ
は、条件(6)を満足している。このとき、自然集光点
が偏向反射面から大きくはなれるため、偏向光束は偏向
面内では平行光束に近いものとなる。ポリゴンミラー1
6の回転軸と偏向反射面との距離が、偏向反射面16A
と偏向反射面16Bとで、図のように「Δ」の差を生じ
ると、偏向反射面16Aで反射された偏向光束は実線の
ように進んで、感光体200上の位置201に集光し、
偏向反射面16Bで反射された偏向光束は、破線のよう
に進んで感光体200上の位置202に集光する。この
とき、偏向光束が偏向面内では平行光束に近いので、位
置201,202は主走査方向において実質的に変動せ
ず、副走査方向に直線となるべく書き込んだ線VRaは
主走査方向に殆どゆらぐことがなく、縦線ゆらぎは有効
に軽減ないし防止される。特に、偏向の起点から自然集
光点に至る距離:Sが∞のときは、偏向光束は偏向面内
において平行光束となり、縦線ゆらぎは完全に防止され
る。
【0027】
【実施例】以下、具体的な実施例を6例挙げる。光走査
装置の形態は図1(a)に示す如き形態である。各実施
例において、図1(a)に示すように、光偏向器による
偏向の起点から光走査用レンズ18の入射側面までの距
離を「d0」、光走査用レンズ18の光軸上の肉厚を
「d1」、被走査面20側のレンズ面と被走査面20と
の間の距離を「d2」とする。従って「L=d0+d1
2」である。偏向面内において、光偏向器側および被
走査面側のレンズ面の近軸曲率半径を「R1」,「R2
とし、レンズ材質の屈折率(波長:780nmに関する
もの)を「N」で表す。また偏向面内における焦点距離
を「fm」とする。
【0028】光偏向器側から数えて第1番目のレンズ面
(偏向反射面側の面)における非円弧形状:X1(Y)に
就いては、R1,K1,A1,B1,C1,D1を与えて形状
を特定し、光偏向器側から数えて第2番目のレンズ面
(被走査面側の面)における非円弧形状:X2(Y)に就
いては、R2,K2,A2,B2,C2,D2を与えて形状を
特定する。偏向反射面側の面における形状:x1(Y)と
しては、主走査対応方向における光軸からの距離:Yを
変数とする偏向直交面内の曲率半径:rs1(Y)を、被走
査面側の面における形状:x2(Y)としては、主走査対
応方向における光軸からの距離:Yを変数とする偏向直
交面内の曲率半径:rs2(Y)を与えるものとする。これ
ら、rs1(Y),rs2(Y)を特定するのに、これらが光軸
対称であるときには、偶数次の多項式: rsk(Y)=rsk(0)+Σakj・Y**2j で表す。iは、偏向反射面側の面に就き「k=1」、被
走査面側の面に就き「k=2」であり、jは自然数:
1,2,3,...である。「Y**2j」は「Yの2
j乗」を表す。
【0029】また、rs1(Y),rs2(Y)が光軸非対称で
ある場合には、多項式: rsk(Y)=rsk(0)+Σbkj・Y**j (j=
1,2,3,,,) で表すことにする。なお、長さの次元を持つ数値の単位
は「mm」である。また、数値中の「Eとそれに続く数
値」は「10のべき乗」を表す。例えば、「E−9」は
10~9を意味し、この数値がその直前にある数値にかけ
られるのである。実施例1〜4においては、光偏向器と
して「サグ」の無い「回転単面鏡」即ち、偏向反射面の
回転中心が偏向反射面内にある光偏向器を用いたもので
ある。光源側からの光束は、シリンダレンズ等により偏
向反射面による偏向の起点の位置に「主走査対応方向に
長い線像として結像される。
【0030】最初に挙げる実施例1,2では、カップリ
ングレンズによりカップリングされた光束は「平行光
束」である。
【0031】 実施例1 S=∞,fm=137.503,W=216 i Rii N 0 29.887 1 137.503 12.364 1.53664 2 −154.248 132.649 。
【0032】X1(Y): R1= 137.503,K1=−92.438,A1
−1.11822E−6,B1= 7.28745E−
10,C1=−3.20311E−13,D1= 9.5
5204E−17 X2(Y): R2=−154.248,K2= 5.36873,A2
=−2.51300E−6,B2= 1.95625E
−9,C2=−1.18490E−12,D2= 3.3
8372E−16 。
【0033】 x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j・Y**2j rs1(0)=−35,a11=2.78772E−2,a
12=−1.11838E−4,a13= 1.24795
E−7,a14=−2.06364E−11,a15=−
6.94829E−14,a16= 3.9456E−1
7 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σa2j・Y**2j rs2(0)=−12.61,a21=a22=a23=a24
25=a26=0.0 即ち、rs2(Y)はYによらず一定値(−12.61)で
ある(請求項2)。
【0034】条件(1),(3),(4),(5)の値
は以下のとおりである。 {rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2=0.55,(W
/L)=1.23,(W/L)2・(L/d1)=21.
6,R1/fm=1.0
【0035】また、条件(2)における|β(θ)|,|β
(θ)/β(0)|は、θ=0,10,20,30,36,4
0,45度に対し、以下の如くになる。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 |β(θ)| 3.19 3.16 3.13 3.12 3.10 3.11 3.10 |β(θ)/β(0)| 1.00 0.99 0.98 0.97 0.97 0.97 0.97 。
【0036】 実施例2 S=∞,fm=137.047,W=215 i Rii N 0 34.511 1 274.094 12.045 1.57210 2 −108.062 133.443 。
【0037】X1(Y): R1= 274.094,K1=−0.488153,A
1=−3.90047E−7,B1=−3.64736E
−11,C1= 1.52644E−14,D1=−4.
46187E−18 X2(Y): R2=−108.062,K2= 2.98552,A2
= 3.11749E−7,B2= 2.04686E
−11,C2=−4.65135E−14,D2= 1.
16507E−17 。
【0038】 x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j・Y**2j rs1(0)=−70,a11=4.92847E−2,a
12=−1.16452E−4,a13= 1.00139
E−7,a14=−1.64815E−12,a15=−
5.48422E−14,a16= 2.37498E−
17 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σa2j・Y**2j rs2(0)=−15.72,a21=a22=a23=a24
25=a26=0.0 即ち、rs2(Y)はYによらず一定値(−15.72)で
ある(請求項2)。
【0039】条件(1),(3),(4),(5)の値
は以下のとおりである。 {rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2=0.32,(W
/L)=1.19,(W/L)2・(L/d1)=21.
2,R1/fm=2.0
【0040】条件(2)における|β(θ)|,|β(θ)/β
(0)|は、θ=0,10,20,30,36,40,4
5度に対し、以下の如くになる。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 |β(θ)| 3.01 3.01 2.99 2.94 2.92 2.91 2.88 |β(θ)/β(0)| 1.00 1.00 0.99 0.98 0.97 0.97 0.96 。
【0041】以下の実施例3〜6ではカップリングレン
ズによりカップリングされた光束は弱い収束性である。
【0042】 実施例3 S=1594.6,fm=145.17,W=214 i Rii N 0 33.2 1 160.0 13.5 1.5244 2 −141.0 128.3 。
【0043】X1(Y): R1= 160.0,K1=−59.97 ,A1
−9.465E−7,B1= 3.85E−10,C1
−8.113E−14,D1= 1.0E−17 X2(Y): R2=−141.0,K2= 4.69,A2=−1.0
2E−6,B2= 2.44E−10,C2=−7.85
6E−14,D2= 2.8E−17 。
【0044】 x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j・Y**2j rs1(0)=−88.85,a11=a12=a13=a14
15=a16=0.0 即ち、rs1(Y)はYによらず一定値(−88.85)で
ある(請求項2)。 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σa2j・Y**2j rs2(0)=−14.94,a21=−2.20767E
−3,a22= 2.43846E−6,a23=−2.7
2962E−10,a24=−1.13767E−12,
25= 1.0764E−15,a26=−3.1196
1E−19 。
【0045】条件(1),(3),(4),(5)の値
は以下のとおりである。 {rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2=0.25,(W
/L)=1.22,(W/L)2・(L/d1)=19.
4,R1/fm=1.1
【0046】条件(2)における|β(θ)|,|β(θ)/β
(0)|は、θ=0,10,20,30,36,40,4
5度に対し、以下の如くになる。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 |β(θ)| 2.96 2.95 2.93 2.90 2.88 2.86 2.84 |β(θ)/β(0)| 1.00 1.00 0.99 0.98 0.97 0.97 0.96 。
【0047】 実施例4 S=1594.6,fm=145.76,W=215 i Rii N 0 33.2 1 160.3 13.5 1.51933 2 −139.3 128.3 。
【0048】X1(Y): R1= 160.3,K1=−58.38 ,A1
−9.22923E−7,B1= 3.65515E−
10,C1=−8.34355E−14,D1= 1.1
13E−17 X2(Y): R2=−139.3,K2= 4.83,A2=−9.7
1348E−7,B2= 2.37E−10,C2=−
8.06014E−14,D2= 2.65E−17
【0049】 x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j・Y**2j rs1(0)=−108.6,a11= 7.803E−
2,a12=−3.15051E−4,a13= 8.16
834E−7,a14=−1.10138E−9,a15
7.352E−13,a16=−1.8802E−16 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σa2j・Y**2j rs2(0)=−15.09,a21=−2.00512E
−3,a22= 3.17274E−6,a23=−4.0
4628E−9,a24= 5.72209E−12,a
25=−4.22019E−15,a26= 1.2482
7E−18 。
【0050】条件(1),(3),(4),(5)の値
は以下のとおりである。 {rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2=0.21,(W
/L)=1.23,(W/L)2・(L/d1)=19.
6 ,R1/fm=1.1
【0051】条件(2)における|β(θ)|,|β(θ)/β
(0)|は、θ=0,10,20,30,36,40,4
5度に対し、以下の如くになる。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 |β(θ)| 2.98 2.98 2.96 2.91 2.89 2.86 2.82 |β(θ)/β(0)| 1.00 1.00 0.99 0.98 0.97 0.96 0.95 。
【0052】以下に挙げる実施例5,6においては、光
偏向器として「偏向反射面数:6、偏向反射面の内接円
半径:18mmのポリゴンミラー」が用いられ、被走査
面に対して直交するように偏向されるときの偏向光束の
主光線と光偏向器へ入射する光束の主光線とのなす角は
60度に設定される。また、カップリングされた光束を
偏向反射面による偏向の起点(偏向光束の主光線が被走
査面に直交するときの反射位置)に主走査対応方向に長
い線像として結像させるのにシリンダレンズが用いられ
る。このシリンダレンズは、入射側面の副走査対応方向
の曲率半径:rc1=13.54(シリンダ面)、射出
側面の副走査対応方向の曲率半径:rc2=∞(平
面)、中心肉厚:dc1=3.0、使用波長における材
質の屈折率:nc=1.51118のもので、射出側面
と偏向反射面までの距離:dc2が25.0mmとなる
ように配備される。
【0053】 実施例5 S=1473.8,fm=145.17,W=214 i Rii N 0 33.2 1 160.0 13.5 1.5244 2 −141.0 128.3 。
【0054】X1(Y): R1= 160.0,K1=−59.97 ,A1
−9.465E−7,B1= 3.85E−10,C1
−8.113E−14,D1= 1.0E−17 X2(Y):R2=−141.0,K2= 4.69,A2
−1.02E−6,B2= 2.44E−10,C2=−
7.856E−14,D2= 2.8E−17 。
【0055】 x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j・Y**2j rs1(0)=−88.85,a11=a12=a13=a14
15=a16=0.0 即ち、rs1(Y)はYによらず一定値(−88.85)で
ある(請求項2)。 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σa2j・Y**2j rs2(0)=−15.1,a21=−1.81E−3,a
22= 2.54E−6,a23=−4.27083E−1
0,a24=−1.1982E−12,a25= 1.09
49E−15,a26=−2.849E−19 。
【0056】条件(1),(3),(4),(5)の値
は以下のとおりである。 {rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2=0.25,(W
/L)=1.22,(W/L)2・(L/d1)=19.
4,R1/fm=1.1
【0057】条件(2)における|β(θ)|,|β(θ)/β
(0)|は、θ=−45,−30,−18,−10,0,
14,22,30,45度に対し、以下の如くになる。 θ(度) −45 −30 −18 −10 |β(θ)| 2.90 2.89 2.90 2.88 |β(θ)/β(0)| 1.01 1.01 1.01 1.01 θ(度) 0 14 22 30 45 |β(θ)| 2.86 2.85 2.87 2.85 2.95 |β(θ)/β(0)| 1.00 1.00 1.0 1.0 1.03 。
【0058】 実施例6 S=1473.8,fm=145.17,W=214 i Rii N 0 33.2 1 160.0 13.5 1.5244 2 −141.0 128.3 。
【0059】X1(Y): R1= 160.0,K1=−59.97 ,A1
−9.465E−7,B1= 3.85E−10,C1
−8.113E−14,D1= 1.0E−17 X2(Y): R2=−141.0,K2= 4.69,A2=−1.0
2E−6,B2= 2.44E−10,C2=−7.85
6E−14,D2= 2.8E−17 。
【0060】x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j
・Y**2j rs1(0)=−88.5,a11=a12=a13=a14=a
15=a16=0.0 即ち、rs1(Y)はYによらず一定値(−88.5)であ
る(請求項2)。 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σb2j・Y**j
(j=1〜12) rs2(0)=−15.15,b21= 0.0,b22=−
1.6739E−3,b23=−4.29659E−6,
24= 2.32748E−6,b25= 8.2713
E−9,b26=−4.59883E−9, b27=−
3.82146E−12,b28=−1.17146E−
12,b29= 0.0,b21= 1.1234E−1
5,b211= 0.0,b212=−2.66782E−1
9 。
【0061】条件(1),(3),(4),(5)の値
は以下のとおりである。 {rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2=0.25,(W
/L)=1.22,(W/L)2・(L/d1)=19.
4,R1/fm=1.1
【0062】条件(2)における|β(θ)|,|β(θ)/β
(0)|は、θ=−45,−30,−18,−10,0,
14,22,30,45度に対し、以下の如くになる。 θ(度) −45 −30 −18 −10 |β(θ)| 2.95 2.92 2.92 2.92 |β(θ)/β(0)| 1.02 1.01 1.01 1.01 θ(度) 0 14 22 30 45 |β(θ)| 2.90 2.89 2.90 2.93 2.95 |β(θ)/β(0)| 1.00 1.00 1.00 1.01 1.02 。
【0063】図4〜図9に、上記実施例1〜6に関する
主・副走査方向の像面湾曲の図と、等速特性に関連する
歪曲収差の図を示す。像面湾曲の図においては、破線が
主走査方向の像面湾曲、実線が副走査方向の像面湾曲を
示し、各実施例とも主・副走査方向の像面湾曲とも小さ
い範囲に収まっている。
【0064】ここで上記「歪曲収差」は、偏向角:θの
ときの光スポットの像高をH(θ)、偏向角:θに対する
理想像高をH0(θ)(=k0θ;k0は定数)としたとき、 [{H(θ)−H0(θ)}/H0(θ)]×100=[{H(θ)−k
0θ}]}/k0θ]×100(%) で定義され、光走査用レンズがfθレンズである場合に
はfθ特性になる。光偏向器がポリゴンミラーで「サ
グ」が存在する実施例5,6に関しては「偏向角の全域
にわたる像面湾曲と歪曲収差」を示した。これら実施例
5,6では、サグの影響のため、像面湾曲・歪曲収差と
も「光軸対称にならない」が、歪曲収差は光軸の両側で
良好(等速特性を実現できる状態)である。特に、実施
例6では、サグの影響を考慮して「被走査面側のレンズ
面における偏向直交面内の曲率半径の変化を光軸に関し
て非対称とした(請求項5)」ことに伴い、実施例5に
比べて副走査方向の像面湾曲が顕著に改善されているの
が分かる。
【0065】また、条件(6)のパラメータ|S/W|
の値は、実施例1〜6のそれぞれに就き、∞、∞、7.
45、7.42、6.89、6.89であり、従って、
実施例1〜6とも条件(6)を満足しており、各実施例
とも縦線ゆらぎは有効に軽減ないし防止されている
【0066】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、新規な光走査用レンズおよび光走査装置を実現でき
る。請求項1〜7記載の発明の光走査用レンズは、光走
査装置に広い有効主走査幅とコンパクト化を可能とし、
像面湾曲や等速特性の良好な補正が可能であり、光学系
の配置誤差による性能劣化が少なく、良好な光スポット
を実現できる。請求項2記載の発明の光走査用レンズは
性能が光軸方向における配置誤差に影響されにくく、請
求項3,4記載の発明の光走査用レンズは、光スポット
の像高による「副走査方向のスポット径の変動」が有効
に軽減される。また、請求項5記載の発明の光走査装置
は、サグの影響を軽減させることができ、請求項6,7
記載の発明の光走査用レンズは、単玉構成の光走査用レ
ンズをプラスチックで成形加工する際のヒケやウネリ等
の形状誤差の発生を有効に防止して、形状精度の向上が
可能である。請求項8記載の発明の光走査用レンズは、
縦線ゆらぎを有効に軽減もしくは防止することができ
る。請求項9記載の発明の光走査装置は、上記のごとき
光走査装置を用いて良好な光走査を実現でき、広い有効
主走査領域とコンパクト化が可能である。請求項10記
載の発明の光走査装置は、縦線ゆらぎを有効に軽減もし
くは防止された良好な光走査が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光走査用レンズと光走査装置の実施
の1形態を説明する図(a)と、レンズ面形状を説明す
るための図(b),(c)である。
【図2】この発明の光走査用レンズの偏向直交面内のレ
ンズ形状と、倍率低減化を説明するための図である。
【図3】請求項2記載の発明の光走査用レンズのレンズ
面形状を説明するための図である。
【図4】実施例1に関する像面湾曲および歪曲収差を示
す図である。
【図5】実施例2に関する像面湾曲および歪曲収差を示
す図である。
【図6】実施例3に関する像面湾曲および歪曲収差を示
す図である。
【図7】実施例4に関する像面湾曲および歪曲収差を示
す図である。
【図8】実施例5に関する像面湾曲および歪曲収差を示
す図である。
【図9】実施例6に関する像面湾曲および歪曲収差を示
す図である。
【図10】請求項8記載の発明における条件(6)の充
足による縦線ゆらぎの軽減を説明するための図である。
【符号の説明】
10 LD 12 カップリングレンズ 14 シリンダレンズ 16 偏向反射面 18 光走査用レンズ 20 被走査面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主走査対応方向に長い線像に結像した光束
    を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、光走査用レンズに
    より被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走
    査面を等速的に光走査する光走査装置における光走査用
    レンズであって、 偏向直交面内における形状が偏向反射面側に凹のメニス
    カス形状の単玉構成であり、 偏向面内における形状が、両面とも非円弧形状であり、 少なくとも1つの面の偏向直交面内における曲率が、主
    走査対応方向において光軸からの距離に応じて変化し、
    且つ、偏向直交面内における曲率中心を連ねて得られる
    線が非直線であり、 光偏向器側の面における光軸を含む偏向直交面内の曲率
    半径をrs1(0)、被走査面側の面における光軸を含む偏
    向直交面内の曲率半径をrs2(0)、有効主走査幅をW、
    上記光偏向器による偏向の起点から被走査面までの光軸
    上の距離をLとするとき、これらrs1(0),rs2(0)、
    W、Lが条件: (1) 0.2≦{rs2(0)/rs1(0)}×(W/L)2≦0.6 を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査用レンズにおいて、 どちらか一方の面における偏向直交面内の曲率半径が、
    主走査対応方向における光軸からの距離に関わりなく略
    一定であることを特徴とする光走査用レンズ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光走査用レンズにおいて、 有効主走査領域に入射すべく偏向角:θで偏向される偏
    向光束に就き、偏向反射面近傍に主走査対応方向に長く
    結像する線像に対する、光走査用レンズの副走査対応方
    向の横倍率をβ(θ)とするとき、光軸上における上記横
    倍率をβ(0)として、上記β(θ)が、条件: (2) 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05|β(0)| を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の光走査用レンズにおいて、 各面とも、偏向直交面内における曲率が、主走査対応方
    向において光軸からの距離に応じて変化し、且つ、偏向
    直交面内における曲率中心を連ねて得られる線が非直線
    であり、 有効主走査領域に入射すべく偏向角:θで偏向される偏
    向光束に就き、偏向反射面近傍に主走査対応方向に長く
    結像する線像に対する、光走査用レンズの副走査対応方
    向の横倍率をβ(θ)とするとき、光軸上における上記横
    倍率をβ(0)として、上記β(θ)が、条件: (2) 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05|β(0)| を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  5. 【請求項5】請求項1または2または3または4記載の
    光走査用レンズにおいて、 偏向直交面内における曲率が、主走査対応方向において
    光軸からの距離に応じて変化し、且つ、偏向直交面内に
    おける曲率中心を連ねて得られる線が非直線である面の
    少なくとも一方は、偏向直交面内の曲率半径の、主走査
    対応方向における変化が、光軸に関して非対称であるこ
    とを特徴とする光走査用レンズ。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の任意の1に記載の光走
    査用レンズにおいて、 有効主走査幅をW、光軸上の肉厚をd1、光偏向器によ
    る偏向の起点から被走査面までの光軸上の距離をLとす
    るとき、これらW,d1,Lが条件: (3) W/L>0.9 (4) 10<(W/L)2・(L/d1)<30 を満足し、偏向面内の形状が両凸形状であることを特徴
    とする光走査用レンズ。
  7. 【請求項7】請求項6記載の光走査用レンズにおいて、 偏向面内における焦点距離をfm、偏向反射面側の面の
    偏向面内における近軸曲率半径をR1とするとき、これ
    らが条件: (5) 1.0≦R1/fm≦3.0 を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の任意の1に記載の光走査用
    レンズにおいて、 光偏向器が2面以上の偏向反射面を有する回転鏡であ
    り、 光源から放射され、カップリングレンズによりカップリ
    ングされた光束の自然集光点の、光偏向器による偏向の
    起点からの距離をSが、有効主走査幅:Wに対して、条
    件: (6) |S/W|>3 を満足することを特徴とする光走査用レンズ。
  9. 【請求項9】主走査対応方向に長い線像に結像した光束
    を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、光走査用レンズに
    より被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走
    査面を等速的に光走査する光走査装置であって、 光走査用レンズとして請求項1〜7の任意の1に記載の
    光走査用レンズを用いることを特徴とする光走査装置。
  10. 【請求項10】主走査対応方向に長い線像に結像した光
    束を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する
    光偏向器により等角速度的に偏向させ、光走査用レンズ
    により被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被
    走査面を等速的に光走査する光走査装置であって、 光走査用レンズとして請求項8記載の光走査用レンズを
    用いることを特徴とする光走査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006025532A1 (ja) * 2004-09-03 2006-03-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 走査光学系、走査光学系を備える画像形成装置、走査光学系を備える画像読取装置
US7522324B2 (en) 2006-12-26 2009-04-21 Canon Kabushiki Kaisha Optical scanning device and image forming apparatus using the same
KR101111904B1 (ko) 2007-02-06 2012-03-14 삼성전자주식회사 광주사유니트 및 이를 채용한 화상형성장치

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