JP3051671B2 - 光走査用レンズおよび光走査装置 - Google Patents

光走査用レンズおよび光走査装置

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JP3051671B2
JP3051671B2 JP34073795A JP34073795A JP3051671B2 JP 3051671 B2 JP3051671 B2 JP 3051671B2 JP 34073795 A JP34073795 A JP 34073795A JP 34073795 A JP34073795 A JP 34073795A JP 3051671 B2 JP3051671 B2 JP 3051671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査用レンズお
よび光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】主走査対応方向(光源から被走査面に到
る光路を光学系の光軸に沿って直線的に展開した仮想的
な光路上で主走査方向と平行的に対応する方向を言い、
上記仮想的な光路上で副走査方向に平行的に対応する方
向を副走査対応方向という)に長い線像に結像した光束
を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光
偏向器により等角速度的に偏向させ、光走査用レンズに
より被走査面上に光スポットとして集光させ、被走査面
を等速的に光走査する光走査装置は従来から光プリンタ
やデジタル複写装置に関連して広く知られている。この
ような光走査装置において、装置のコンパクト化や価格
の低廉化の観点から、「単玉構成」の光走査用レンズの
使用が提案されている(特開平7−174998号公報
等)。光走査装置は「コンパクトで広い有効主走査幅を
有する」ことが望ましく、このために光偏向器による有
効偏向角の範囲を大きくとることが必要となる。
【0003】光走査用レンズを大型化させないために
は、光走査用レンズをなるべく光偏向器の近傍に配備す
ることが望ましい。しかし、光走査用レンズの配備位置
を光偏向器に近付けると、光走査用レンズの倍率が大き
くなり、例えば上記「線像」を結像させるための光学系
の光軸方向の僅かな位置誤差で線像の結像位置が上記の
「仮想的な光路上」で僅かにずれても、光スポットの結
像位置は大きくずれ、像面湾曲は設計上のものから大き
く劣化したものとなってしまう。このような像面湾曲の
劣化の影響は副走査方向の像面湾曲において大きい。単
玉構成の光走査用レンズも、光走査の等速特性が良好
で、光スポット径が光スポットの像高により変動しない
ように、主走査方向・副走査方向の像面湾曲が共に良好
に補正されることが望ましいことは勿論である。単玉構
成の光走査用レンズにより上記の如き要請を満足しよう
とすると、レンズ面は少なくとも1面に非球面等の特殊
な面形状が必要となる。特殊な面形状を持つレンズの作
製方法として3次元切削法等も可能であるが、プラスチ
ックによる成形加工は容易で且つ確実である。しかし、
単玉構成の光走査用レンズをプラスチックによる成形加
工で作製する場合、光走査用レンズの形状が成形加工に
適した形状、即ち、成形の過程で「ヒケやウネリ」とい
った形状誤差が生じないような形状であることが必要で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑み、単玉構成の光走査用レンズにおいて、主・副
走査方向の像面湾曲や走査の等速特性といった性能を良
好にし、なおかつ広い有効主走査幅を可能ならしめるこ
とを課題とする。また、単玉構成の光走査用レンズをプ
ラスチックで成形加工する場合の形状誤差の有効な防止
を可能ならしめることを別の課題とする。さらに、光学
素子の光軸方向の組付け公差に対する制限を緩和するこ
とを他の課題とする。さらに、単玉構成の光走査用レン
ズにおいて、光スポットの像高による光スポット径の偏
差を小さくすることを課題とする。この発明はまた、単
玉構成の光走査用レンズを用いる光走査装置において、
装置のコンパクト化、高性能化を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査用レン
ズは「主走査対応方向に長い線像に結像した光束を、上
記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光偏向器
により等角速度的に偏向させ、主走査対応方向に関して
平行光束もしくは発散性または収束性の光束である偏向
光束を、光走査用レンズにより被走査面上に光スポット
として集光させ、上記被走査面を等速的に光走査する光
走査装置」における光走査用レンズであって、以下の如
き特徴を有する(請求項1)。即ち、光走査用レンズは
「単玉構成」であり、偏向面内において「両凸形状」を
有する。「偏向面」は、光偏向器により理想的に偏向さ
れた偏向光束の主光線が偏向に伴い掃引する平面であ
る。光走査用レンズは、光偏向器側の面と被走査面側の
面のうちのすくなくとも1方の面が上記偏向面内におけ
る形状として非円弧形状を有する。「非円弧形状」は、
光走査用レンズの光軸方向の座標をX、偏向面内におけ
る光軸直交方向の座標をY、近軸曲率半径をR、円錐定
数をK、高次の係数をA,B,C,D...として、 X=Y2/[R+R√{1−(1+K)(Y/R)2}] +A・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+...
(式:1) なる式における上記R,K,A,B,C,D...を与
えて特定される形状である。さらに、光走査用レンズの
2つの面のうち、少なくとも1つの面は特殊なトーリッ
ク面である。「特殊なトーリック面」は、この明細書中
において、偏向面内における面形状を特定する曲線の各
位置におけるレンズ面の「偏向直交面内における曲率中
心を連ねた線」が、偏向面内において上記曲線(偏向面
内における面形状)とは異なる曲線を描くような面とし
て定義される。「偏向直交面」は、偏向面に直交する平
面のうちで光走査用レンズの光軸に平行な面である。従
って、偏向直交面は副走査対応方向に平行であり、その
位置は前記座標:Yで特定することができる。即ち、特
殊なトーリック面は、「偏向面内における面形状」と、
偏向直交面内の曲率半径:R(Y)の座標Yとの対応関
係を与えることにより特定される。上記「非円弧形状」
を有する「一方の面」と、特殊なトーリック面を持つ
「1つの面」は、同じ面であることもあるし、異なる面
であることもある。光走査用レンズによる有効主走査幅
をW、上記光偏向器による偏向の起点から被走査面まで
の光軸上の距離をLとするとき、これらW,Lは条件: (1) W/L>0.9 を満足する。また、光走査用レンズの光軸上の肉厚をd
1とすると、前記W,Lとd1は条件: (2)10<(W/L)2・(L/d1)<30 を満足する。そしてこの発明の光走査用レンズは「プラ
スチックで成形加工」される。この発明の光走査用レン
ズは「副走査対応方向に関しては、線像の像を被走査面
上に結像させる」が、主走査対応方向に関しては以下の
3つの自由度がある。即ち第1は、偏向光束が主走査対
応方向に関して平行光束である場合であり、この場合に
は光走査用レンズは「アナモフィックなfθレンズ」で
ある。第2に、偏向光束は主走査対応方向に関して発散
性の光束でもよく、第3に、偏向光束は主走査対応方向
に関して収束性の光束であっても良い。従って、光走査
用レンズは「主走査対応方向に発散性である偏向光束を
被走査面上に集光させる機能」を持つこともできるし、
「主走査対応方向に収束性である偏向光束を被走査面上
に集光させる機能」を持つこともできる。勿論、「主走
査方向に平行光束である偏向光束を被走査面上に集光さ
せる機能」を持つこともできる。
【0006】請求項1記載の光走査用レンズは、以下の
如き特徴を有する。即ち、偏向角:θで光走査用レンズ
に入射する偏向光束の主光線の、光偏向器側の面への入
射位置および被走査面側の面からの射出位置の主走査対
応方向における座標をそれぞれY,Y’、線像の結像位
置から上記入射位置に到る距離をS(θ)、上記入射位置
と射出位置との間の距離をd(θ)、上記射出位置から副
走査対応方向における結像点までの距離をl(θ)、上記
入射位置および射出位置における直交偏向面内での実効
的な近軸曲率半径をそれぞれrs1'(Y),rs2'(Y')、
使用波長に対するレンズ材質の屈折率をnとするとき、 P(θ)=d(θ)/[n{rs2'(Y')−rs1'(Y)}+(n
−1)・d(θ)] |β(θ)|={l(θ)+rs2'(Y')・P(θ)}/{S(θ)
−rs1'(Y)・P(θ)} として、|β(0)|が条件: (3) 1.45≦|β(0)|≦4.75 を満足するように、rs1'(0),rs2'(0)を設定するの
である。「直交偏向面」とは、偏向角:θで偏向された
偏向光束の主光線を考え、この主光線を含んで前記「偏
向面」に直交する面であり、従って主光線の屈折に従っ
て屈曲する。上記2つの近軸曲率半径のうち「rs1'
(Y)」は、光偏向器側のレンズ面に入射する偏向光束の
主光線に関しての直交偏向面内での近軸曲率半径であ
り、また「rs2'(Y')」は、被走査面側のレンズ面の位
置Y’に向かって入射する「レンズ内の偏向光束」の主
光線に関しての直交偏向面内におけるものである。偏向
角:θが0のとき、即ちY=Y’=0では、rs1'
(0),rs2'(0)は光軸を含む偏向直交面内の近軸曲率
半径:rs1(0),rs2(0)にそれぞれ等しい。
【0007】請求項2記載の光走査用レンズは、上記|
β(θ)|が条件: (4) 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05
|β(0)| を満足するように、上記rs1'(Y),rs2'(Y')を設定
したことを特徴とする。この請求項2記載の光走査レン
ズは、上記請求項1記載の条件(3)を満足することが
できる(請求項3) 記請求項1〜の任意の1に記
載の光走査用レンズは、主走査対応方向に発散性である
偏向光束を被走査面上に集光させる機能、もしくは、主
走査対応方向に収束性である偏向光束を被走査面上に集
光させる機能を持つことができる(請求項)。請求項
1〜の任意の1に記載の光走査用レンズは、光軸を含
む偏向直交面内における形状が、光偏向器側に凹面を向
けたメニスカス形状であることができる(請求項)。
光軸を含む偏向直交面は、Y=0における偏向直交面で
あり、光軸と副走査対応方向とを含む平面である。請求
項1〜の任意の1に記載の光走査用レンズは、光偏向
器側の面および被走査面側の面が共に、偏向面内におけ
る形状として非円弧形状を有することができ(請求項
)、請求項1または2または3または4記載の光走査
用レンズは、光偏向器側の面および被走査面側の面が共
に、特殊なトーリック面であることができる(請求項
)。
【0008】この発明の光走査装置(請求項)は「主
走査対応方向に長い線像に結像した光束を、線像の結像
位置の近傍に偏向反射面を有する光偏向器により等角速
度的に偏向させ、光走査用レンズにより被走査面上に光
スポットとして集光させ、被走査面を等速的に光走査す
る光走査装置」であって、光走査用レンズとして請求項
1〜の任意の1に記載の光走査用レンズを用いること
を特徴とする。「光偏向器」としては、ほぞ型ミラー等
の回転単面鏡や回転2面鏡、あるいはポリゴンミラーを
用いることができる。光偏向器の偏向反射面に入射する
光束は副走査対応方向には収束性でその収束性により
「主走査対応方向に長い線像」に結像するが、主走査対
応方向に関しては「収束性もしくは発散性または平行
的」とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を説明する。
【0010】図1(a)において、符号10は発光源で
あるLD、符号12はLD10と共に「光源」を構成す
るカップリングレンズを示す。LD10から放射された
発散性の光束はカップリング12によりカップリングさ
れ、線像結像光学系であるシリンダレンズ14により副
走査対応方向(図面に直交する方向)に集光され、光偏
向器の偏向反射面16の位置に主走査対応方向に長い線
像として集光する。この実施の形態では光偏向器は「回
転単面鏡」が想定され、偏向反射面16の回転軸16A
は偏向反射面16内にあり線像は、その主光線が回転軸
16Aの位置を通るように結像する。この実施の形態で
は、偏向反射面16の回転に伴う、線像と偏向反射面と
のずれ、所謂「サグ」は生じない。シリンダレンズ14
は凹のシリンダミラーで代替することもできる。偏向反
射面16が等角速度的に回転すると反射光束も等角速度
的に偏向して偏向光束となり、単玉構成の光走査用レン
ズ18に入射し、光走査用レンズ18の結像作用により
被走査面20上に光スポットとして集光し、被走査面2
0を等速的に走査する。被走査面20の位置には通常、
光導電性の感光体が配備され、上記光スポットによる光
走査により書込みが行なわれる。
【0011】単玉構成の光走査用レンズ18は、図1
(a)に示されているように「偏向面内の形状が両凸レ
ンズ」である。光軸AXを含む偏向直交面内における形
状は種々の形状が可能であり、後述する実施例2の場合
のように「両凸形状」とすることもできる。光軸AXを
含む偏向直交面内における形状を、実施例1,5〜8の
場合のように「光偏向器側に凹面を向けたメニスカス形
状」とすると(請求項)、図1の(b)に示すよう
に、光走査用レンズ18の実体に比して、前側主面:
H、後側主面:H’を共に被走査面側に設定でき、光走
査用レンズ18を光偏向器に近接させても、主面H,
H’はレンズ実体よりも被走査面側にあるため、副走査
対応方向の横倍率の増大が有効に抑制され、シリンダレ
ンズ14の光軸方向の組付け公差に対する制限が有効に
緩和される。光走査用レンズ18は条件(1)を満足す
る。条件(1)における「W/L」は、像高:0のとき
の光偏向器による「偏向の起点」から被走査面20に到
る光路長:L(=図1(a)におけるS(0)+d(0)+
l(0))に対する有効主走査幅:Wとの比を表し、この
比が大きくなるほど光走査用レンズ18は広画角とな
り、光走査装置をコンパクト化できる。条件(1)の下
限値:0.9を超えると、光走査用レンズにより広い有
効主走査幅を実現することができず、光走査装置のコン
パクト化も困難になる。
【0012】「近軸部と周辺部との肉厚差」の少ない光
走査用レンズを用いて光走査装置をコンパクト化するに
は、光路長:Lと肉厚:d1(図1(a)におけるd
(0))との比:L/d1と、条件(1)における前記パラ
メータ:W/Lの2乗との積:(W/L)2・(L/d1)が
条件(2)を満足することが望ましい(請求項1)。条
件(1)を満足した状態で条件(2)のパラメータが小
さくなるほど、光軸上の肉厚:d1が大きくなって近軸
部と周辺部の肉厚差が大きくなり、プラスチックによる
成形加工に不利な形状になる。従って、条件(2)の下
限値:10を下回るほど上記不利が顕著となり、成形加
工時に「ヒケやウネリ」といった形状誤差の発生を防止
するのが難しくなる。また、条件(2)の上限値:30
を超えると肉厚差が小さくなり成形加工上は有利である
が、レンズが薄肉化しすぎるため、像面湾曲や等速化機
能の実現が困難になる。反面、上記の条件(2)を充足
させる場合、光走査用レンズに入射する光束を「主走査
対応方向に関して平行光束」とする場合、即ち、光走査
用レンズをfθレンズとして使用する場合、条件(2)
が「設計上の自由度に対する強い制限」になる。即ち、
光走査用レンズへの入射光が「平行光束」である場合に
条件(2)を満足させるには、図1(a)の光路長:d
(0),l(0)の比:d(0)/l(0)が「0.2の近傍」に
限られ、光走査用レンズの配備位置が強い制限を受け
る。条件(2)の充足に対するこのような設計上の制限
を回避するには、光走査用レンズへの入射光束が「主走
査対応方向に関して発散性もしくは収束性の光束」とな
るようにすればよい(請求項2,3)。
【0013】ここで、後述の実施例において表れる「非
円弧トーリック面」および「特殊なトーリック面」に就
いて説明する。トーリック面は「円弧を、この円弧と同
一の面内にあり、円弧の中心を通らない直線を軸として
回転させるとき円弧の描く曲面形状」として定義され
る。「非円弧トーリック面」は、非円弧形状を、この非
円弧形状と同一平面内にある直線を軸として回転させて
得られる面形状である。図2(a)に非円弧トーリック
面の1例を示す。図2(a)においてX(Y)は「非円
弧形状」であり、前記「式:1」で表現される。図2
(a)の非円弧トーリック面は、非円弧形状:X(Y)
を、Y軸に平行な回転軸axの回りに回転して得られ
る。このとき、XZ面に平行な平面による断面内におい
て、非円弧トーリック面の曲率半径は、上記断面のY座
標をY=ηとすると、図に示すr(η)である。非円弧ト
ーリック面では、図2(a)に示すように、XZ面に平
行な平面による断面内における曲率中心は、常に回転軸
axと合致する。即ち上記曲率中心を連ねた線は「回転
軸ax自体」である。「特殊なトーリック面」の2例
を、図2(b),(c)に示す。図2(b),(c)で
「X(Y)はXY平面内における曲線」を表す。図の例で
はX(Y)は非円弧形状であるが単純な円弧形状でもよい
しY軸に平行な直線でもよい。特殊なトーリック面は、
曲線:X(Y)の各点において、XZ面に平行な面内にお
ける曲率半径が「座標:Yの関数」として定まり、各Y
座標位置における曲率中心がXY平面内にあり、この曲
率中心を連ねた曲線:L(Y)もXY面内にあり、なおか
つ曲線:L(Y)がX(Y)と異なる形状であるような曲面
である。図2(b)に示す特殊なトーリック面は、曲
線:L(Y)が曲線:X(Y)の近軸曲率中心(近軸曲率半
径:R)と逆の側にある場合、(c)に示す特殊なトー
リック面は、曲線:L(Y)が曲線:X(Y)の近軸曲率中
心(近軸曲率半径:R)と同じ側にある場合である。
【0014】以下の説明の都合上、図1(a)に示すよ
うに単玉構成の光走査用レンズ18に就き、その「偏向
面」内の形状(図に表わされている形状)を、光偏向器
側の面に就きX1(Y)、被走査面側の面に就きX2(Y)で
表す。Yは、光軸AX位置を原点とする主走査対応方向
の座標である。副走査対応方向における面形状は、光偏
向器側の面に就きrs1(Y)、被走査面側の面に就きrs2
(Y)で表す。rs1(Y)は座標:Yにおける「偏向直交面
内における光偏向器側の面の曲率半径」であり、r
s2(Y)は座標:Yにおける「偏向直交面内における光偏
向器側の面の曲率半径」である。この発明では、偏向面
内におけるレンズ面形状:X1(Y),X2(Y)のうちの少
なくとも一方が「非円弧形状」であり、少なくとも1つ
の面が「特殊なトーリック面」であり、従って、上記非
円弧形状を適切に定めることにより、主走査方向の像面
湾曲や等速特性を良好に補正し、上記特殊なトーリック
面の形状を適切に定めることにより上記等速特性や副走
査方向の像面湾曲を良好に補正する。従って、光走査用
レンズの両面の偏向面内における形状を共に「非円弧
面」としたり、両面を共に「特殊なトーリック面」とす
ることによ、上主・副走査方向の像面湾曲や等速特性
を補正する自由度が増加し、補正がより容易になる。
【0015】図3(a)を参照すると、この図は偏向反
射面16の回転軸16Aの位置(偏向の起点)で、偏向
角:θで偏向された偏向光束の主光線の状態を示してい
る。偏向角:θで光走査用レンズ18に入射する偏向光
束の主光線の入射側の光線部分ln1は光偏向器側の面
へ主走査対応方向の入射位置:Yで入射し、屈折されて
光線部分ln2となってレンズ内を進み、被走査面側の
面から主走査対応方向の位置:Y’で射出し、光線部分
ln3となって被走査面20に入射する。請求項7,8
におけるS(θ),d(θ),l(θ),rs1'(Y),rs2'
(Y')を、図3(a)に即して説明すると、線像の結像
位置(偏向反射面16の回転軸16Aの位置)から入射
位置に到る距離、即ち、光線部分ln1の長さがS(θ)、
上記入射位置と射出位置との間の距離、即ち、レンズ1
8内の光線部分ln2の長さがd(θ)、上記射出位置から
副走査対応方向における結像点までの距離、即ち、光線
部分ln3の長さがl(θ)である。また、主光線の光線部
分ln1,ln2,ln3を含み、図面に直交する面が「直交
偏向面」であるが、光線部分ln1を含む直交偏向面内に
おいて、位置Yにおけるレンズ面の実効的な近軸曲率半
径がrs1'(Y)であり、光線部分ln2を含む直交偏向面
内において、位置Y’におけるレンズ面の実効的な近軸
曲率半径がrs2'(Y')である。従って偏向角:θが0の
とき上記Y=Y’であり、この場合S(0),d(0),l
(0)は図1(a)に示す如くになり、これらの和が前述
の光路長:Lである。
【0016】図3(b)は「光軸を含む偏向直交面」内
における光走査用レンズ18の断面形状を示している。
図中、符号Aは偏向反射面による主光線の「偏向の起
点」を示し、符号Bは光スポットの「結像位置(副走査
方向の)」を示す。H,H’は副走査対応方向における
光軸上の前、後側主面をそれぞれ示す。光偏向器側の面
と前側主面:Hとのずれ量をΔH(0)とし、被走査面側
のレンズ面と後側主面:H’とのずれ量をΔH'(0)と
すると、これらは図中の記号を用いて以下のように表さ
れる。即ち、 ΔH(0)=−rs1'(0)×d(0)/[n{rs2'(0)−rs2'(0)}+(n−1)・d(0)] =−rs1'(0)×P(0) ΔH’(0)=−rs2'(0)×P(0) となる。このとき副走査対応方向における結像の横倍
率:β(0)の絶対値は、 |β(0)|={l(0)−ΔH'(0)}/{S(0)+ΔH
(0)} ={l(0)+rs2'(Y')・P(0)}/{S(0)−rs1'
(Y)P(0)} となる。なお、rs1'(0)=rs1(0),rs2'(0)=rs2(0)
である。従って上記メニスカス形状(rs2(0)<0,r
s1(0)<0)とすることにより、前側主点・後側主点と
もに像側、即ち被走査面側に近付けることができ、副走
査対応方向の倍率|β(0)|を小さくすることができる。
このとき、結像の縦倍率はβ2(0)となる。
【0017】図1(a)において例えばシリンダレンズ
14の配備位置が光軸方向に「Δ」だけずれると、光ス
ポットの副走査方向の結像位置は光軸方向へ距離:Δ×
β2(0)だけずれる。従って、上記位置誤差:Δに対す
る許容度を大きくするには倍率の絶対値:|β(0)|を
なるべく小さく設定するのがよい。|β(0)|を小さく
する方法としては、光走査用レンズ18を被走査面に近
付けることが考えられるが、この方法では光走査用レン
ズの肉厚および有効径(主走査方向の)が大きくなりが
ちである。請求項1記載の発明では、光走査用レンズを
なるべく光偏向器側に配備することにより光走査用レン
ズのコンパクト化を図りつつも、光学素子組付けにおけ
る光軸方向の公差に強い光走査装置の実現を意図してい
る。条件(3)は、このような目的を達成するための条
件である。条件(3)の下限を超えると光走査用レンズ
の肉厚が厚くなり、副走査方向の像面湾曲や等速特性を
良好に補正することも困難になる。上限を超えると、主
走査方向の配置の公差に対する許容度が厳しくなる。図
3(c)は、偏向角:θで偏向した偏向光束の主光線に
対する結像状況を示している。このとき、ΔH(θ),Δ
H'(θ)は図中の記号を用いて、 ΔH(θ)= −rs1'(θ)×d(θ)/[n{rs2'(Y')−rs1'(Y)}+(n−1)・d(θ)] =−rs1'(0)×P(θ) ΔH'(θ)=−rs2'(θ)×P(θ) となり、偏向角:θの偏向光束に関する副走査対応方向
の横倍率の絶対値:|β(θ)|は、 |β(θ)|={l(θ)+rs2'(Y')・P(θ)}/{S(θ)−
s1'(Y)P(θ)}となる。すると偏向角:θの偏向光束
が光スポットとしてB点に結像するときの副走査方向の
光スポット径:ω1(θ)は、偏向の起点に結像している
線像の副走査対応方向の光束幅:ω0を用いて、ω1=|
β(θ)|・ω0となる。もし|β(θ)|が偏向角:θと
ともに大きくばらつくと、副走査方向の光スポット径も
大きく変動する。光スポット径の「像高間のばらつきの
許容度」は通常「±5%以内」である。請求項2記載の
発明において、有効走査領域内において|β(θ)|が条
件: (2) 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05
|β(0)| を満足するというのは、このように副走査方向の光スポ
ット径を安定化する条件であり、この条件が満足される
ように上記rs1'(Y),rs2'(Y’)を設定するのであ
る。以上の説明では光偏向器として「サグ」の生じない
ものを想定してきた。しかし、光偏向器にポリゴンミラ
ーを用いるとサグが発生し、その影響で像面湾曲や等速
特性が若干劣化する場合があるが、光走査用レンズのシ
フトやティルト等により改善が可能である。
【0018】
【実施例】以下、具体的な実施例を説明する。
【0019】図1(a)を参照すると、カップリングレ
ンズ12によりカップリングされた光束は前述のように
「平行光束」となることも「弱い発散性の光束」となる
ことも、あるいは「弱い収束性の光束」となることもで
きる。カップリングレンズ12によりカップリングされ
た光束が、弱い収束性の光束となる場合、偏向反射面1
6による偏向角:θを0とし、シリンダレンズ14と光
走査用レンズ18とを取り除いたとすると、この集光光
束は、図1(a)に符号Qで示す位置(被走査面20の
後方の位置)に集光する。この点Qを「自然集光点」と
呼び、偏向反射面16による偏向の起点から自然集光点
Qに到る距離を「S」で表す。「S」には符号を考え、
図1(a)のように「自然集光点Qが被走査面側にある
ときを正」とする。Sが「負」のときは自然集光点は偏
向反射面よりも光源側にあり、このときカップリングさ
れた光束は弱い発散性である。カップリングされた光束
が平行光束であるときは「S=∞」である。また「L」
は偏向の起点から被走査面に到る光軸上の光路長:S
(0)+d(0)+l(0)、「W」は有効主走査幅を表す。以
下の実施例1〜8は何れも光偏向器として「サグのない
もの」を想定している。また「n」は光走査用レンズの
材質の使用波長(780nm)における屈折率を表す。
【0020】「非円弧形状」は前述のR,K,A,B,
C,Dを用いる式により特定し、特殊なトーリック面に
おける、偏向直交面内の座標Yにおける曲率半径r
si(Y)(i=1,2)は、 rsi(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10
+..(式:2) における係数a,b,c,d,e,f,..を与えて特
定する。高次の係数:A,B,C,D,b,c,d,
e,f,..の表記において、Eとそれに続く数値は羃
乗を示す。例えば「E−9」とあれば、これは「1
-9」を意味し、この数値がその直前の数値に掛かるの
である。また「距離の次元を持つ量」の単位はmmであ
る。
【0021】実施例1 W=216,L=213.2,S=3245.2(カッ
プリングレンズ12によりカップリングされた光束は弱
い収束光束である) S(0)=49.0 非円弧トーリック面 d(0)=21.754 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=142.446 光偏向器側の面:非円弧トーリック面 X1(Y)(非円弧形状) R=461.302,K= 35.937, A=−2.205E−7,B= 2.732E−11, C=−4.9587E−15,D= 1.6248E−19 rs1(Y) rs2(0)=−73.845 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(円弧形状) R=−97.244 rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−20.63952,b=8.2661E−4, c=1.3218E−7,d=2.09082E−11, e=−5.3157E−15,f=−4.71E−19 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒1.01 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=10.1 図4に実施例1に関する像面湾曲と等速特性およびリニ
アリティの図を示す。「等速特性」は、偏向角:θの時
の理想上の像高:h(θ)(=定数×θ)と実際の像高:
h'(θ)を用いて、[{h'(θ)−h(θ)}/h(θ)]×
100(%)で定義される。像面湾曲の図において、破
線が主走査方向の像面湾曲、実線が副走査方向の像面湾
曲を示す。
【0022】実施例2 W=216,L=174.9,S=∞(カップリングレ
ンズ12によりカップリングされた光束は平行光束であ
る) S(0)=29.887 共軸非球面 d(0)=12.364 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=132.649 光偏向器側の面:共軸非球面 R=137.503,K=−92.438, A=−1.11822E−6,B= 7.28745E−10, C=−3.20311E−13,D= 9.55204E−17 で特定される非円弧形状を光軸(X軸)の回りに回転して得られる形状。 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−154.248,K= 5.36873, A=−2.51300E−6,B= 1.95625E−9, C=−1.18490E−12,D= 3.38372E−16, rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−17.0750,b=−4.7190E−3, c=1.1918E−5,d=−2.3684E−8, e= 2.2979E−11,f=−8.0723E−15 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒1.23 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=21.6 図5に実施例2に関する像面湾曲と等速特性およびリニ
アリティの図を示す。
【0023】実施例3 W=216,L=174.9,S=−387.690
(カップリングレンズ12によりカップリングされた光
束は弱い発散光束である) S(0)=22.381 共軸非球面 d(0)=10.000 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=142.519 光偏向器側の面:共軸非球面 R=108.503,K=−56.32541, A=−3.46610E−6,B= 1.98195E−9, C=−1.32194E−13,D= 5.00528E−17 で特定される非円弧形状を光軸(X軸)の回りに回転して得られる形状。 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−121.259,K= 4.91312, A=−3.24924E−6,B= 1.44308E−9, C=−1.89357E−12,D= 1.43613E−15, rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−13.9150,b=−6.6641E−3, c=1.0956E−5,d=−6.2958E−9, e= 3.4232E−12,f=−3.6141E−15 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒1.23 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=26.7 図6に実施例3に関する像面湾曲と等速特性およびリニ
アリティの図を示す。
【0024】実施例4 W=216,L=224.939,S=774.830
(カップリングレンズ12によりカップリングされた光
束は弱い収束光束である) S(0)=51.669 共軸非球面 d(0)=10.390 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=162.880 光偏向器側の面:共軸非球面 R=148.864,K= 5.4534, A=−7.09267E−7,B=−2.21975E−10, C= 6.07139E−14,D=−8.33979E−18 で特定される非円弧形状を光軸(X軸)の回りに回転して得られる形状。 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−562.372,K=−462.3035, A=−4.60398E−7,B=−2.89720E−11, C=−5.93656E−14,D= 1.75926E−17, rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−26.3310,b=−5.2874E−3, c=1.9092E−6,d=−3.4661E−10, e= 8.6372E−13,f=−3.6498E−16 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒0.96 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=20.0 図7に実施例4に関する像面湾曲と等速特性およびリニ
アリティの図を示す。
【0025】実施例5 W=216,L=175.201,S=−375.92
2(カップリングレンズ12によりカップリングされた
光束は弱い発散光束である) S(0)=22.274 非円弧トーリック面 d(0)=10.0 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=142.927 光偏向器側の面:非円弧トーリック面 X1(Y)(非円弧形状) R=107.1,K=−60.197, A=−3.5107E−6,B= 2.0684E−9, C=−8.9722E−14,D= 1.1672E−17 rs1(Y) rs2(0)=−60.0 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−119.99,K= 4.78039, A=−3.4156E−6,B= 1.5437E−9, C=−1.8765E−12,D= 1.4637E−15, rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−11.4579,b=−4.3509E−3, c=8.8457E−6,d=−6.9161E−9, e= 5.3831E−12,f=−3.2985E−15 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒1.23 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=26.6 図8に実施例5に関する像面湾曲と等速特性およびリニ
アリティの図を示す。
【0026】以下、請求項1,2に関する実施例を3例
上げる。
【0027】実施例6 W=216,L=175.201,S=−375.92
2(カップリングレンズ12によりカップリングされた
光束は弱い発散光束である) S(0)=22.274 特殊なトーリック面 d(0)=10.0 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=142.927 光偏向器側の面:特殊なトーリック面 X1(Y)(非円弧形状) R=107.1,K=−60.197, A=−3.5107E−6,B= 2.0684E−9, C=−8.9722E−14,D= 1.1672E−17 rs1(Y)=a+bY2+cY4+dY6eY8+fY10+gY12 において、 a=−22,b=−2.5751E−1, c=4.49657E−3,d=−4.466449E−5, e= 1.956944E−7,f=−3.87E−10, g= 2.792783E−13 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−119.99,K= 4.78039, A=−3.4156E−6,B= 1.5437E−9, C=−1.8765E−12,D= 1.4637E−15 rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10+gY12 において、 a=−9.807,b=−1.662605E−2, c= 1.870374E−4,d=−1.27425E−6, e= 4.079722E−9,f=−6.029437E−12, g= 3.315003E−15 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒1.23 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=26.6
【0028】S(θ),d(θ),l(θ),rs1'(Y),r
s2'(Y')を一覧にして示す。 θ 0 10 20 30 36 40 45 S(θ) 22.274 22.689 23.997 26.399 28.509 30.261 32.924 d(θ) 10 9.876 9.452 8.551 7.635 6.793 5.386 l(θ) 142.887 144.327 148.338 154.765 159.674 163.608 168.608 rS1'(Y) -22 -24.732 -27.589 -36.35 -43.735 -55.259 -69.233 rS2'(Y') -9.807 -10.101 -10.495 -11.382 -12.042 -12.761 -13.572 これらのデータをP(θ)の式の右辺に代入し、β
(θ)を算出すると偏向角:θに関する|β(θ)|及び
|β(θ)/β(0)|は以下のようになる。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 Y 0 3.94 8.207 13.2 16.757 19.451 23.281 |β(θ)| 4.42 4.47 4.49 4.53 4.53 4.55 4.52 |β(θ)/β(0)| 1.0 1.01 1.02 1.03 1.03 1.03 1.02 条件式のパラメータの値: 条件(3) |β(0)|=4.42 条件(4) |β(0)|≦|β(θ)|≦1.03|β(0)| 図9に、実施例6に関する像面湾曲の図および等速特性
・リニアリティの図を示す。
【0029】実施例7 W=216,L=174.9,S=554.6(カップ
リングレンズ12によりカップリングされた光束は弱い
収束光束である) S(0)=38.916 特殊なトーリック面 d(0)=15.0 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=120.984 光偏向器側の面:特殊なトーリック面 X1(Y)(非円弧形状) R=168.191,K=−39.924, A=−3.4224E−7,B= 2.2729E−13, C= 8.0209E−15,D=−8.7059E−19 rs1(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−31,b=−3.26507E−2, c=−2.90654E−4,d= 5.99426E−7, e=−3.979759E−10,f= 4.109081E−14, g= 2.443981E−17 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−188.994,K=−4.83792, A=−4.9817E−7,B= 7.7236E−12, C=−1.6386E−14,D= 1.7827E−18 rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10+gY12 において、 a=−13.91,b=−2.866184E−3, c=−1.21239E−5,d= 2.690094E−8, e=−2.090761E−11,f= 6.668513E−15, g=−6.734702E−19 条件式のパラメータの値: 条件(1) W/L≒1.23 条件(2) (W/L)2・(L/d1)=17.8
【0030】S(θ),d(θ),l(θ),rs1'(Y),r
s2'(Y')を一覧にして示す。
【0031】 θ 0 10 20 30 36 40 45 S(θ) 38.916 39.656 42.01 46.417 50.376 53.81 58.794 d(θ) 15 14.747 13.884 12.038 10.135 8.354 5.324 l(θ) 121.012 122.213 125.713 131.319 135.629 138.898 143.746 rs1'(Y) -31 -32.676 -43.121 -62.437 -69.544 -84.248 -101.250 rs2'(Y') -13.91 -14.145 -15.21 -16.769 -17.478 -18.376 -19.395 これらのデータをP(θ)の式の右辺に代入し、β
(θ)を算出すると偏向角:θに関する|β(θ)|およ
び|β(θ)/β(0)|は以下のとおりである。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 Y 0 6.886 14.368 23.208 29.610 34.524 41.573 |β(θ)| 2.19 2.20 2.25 2.29 2.28 2.27 2.27 |β(θ)/β(0)| 1.0 1.01 1.03 1.04 1.04 1.04 1.04 条件式のパラメータの値: 条件(3) |β(0)|=2.19 条件(4) |β(0)|≦|β(θ)|≦1.04|β(0)| 図10に、実施例7に関する像面湾曲の図および等速特
性・リニアリティの図を示す。
【0032】実施例8 W=216,L=174.9,S=316.7(カップ
リングレンズ12によりカップリングされた光束は弱い
収束光束である) S(0)=48.618 特殊なトーリック面 d(0)=20.0 n=1.53664 特殊なトーリック面 l(0)=106.282 光偏向器側の面:特殊なトーリック面 X1(Y)(非円弧形状) R= 200.224,K=−30.5827, A=−1.5926E−7,B=−4.0453E−12, C= 6.0017E−15,D=−3.9857E−19 rs1(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10 において、 a=−30,b=1.521146E−2, c=−6.399798E−5,d=1.166608E−7, e=−9.651438E−11,f=3.652588E−14, g=−5.073881E−18 被走査面側の面:特殊なトーリック面 X2(Y)(非円弧形状) R=−224.092,K= 1.19901, A=−3.2013E−7,B= 7.0634E−12, C=−9.2418E−15,D= 1.9593E−18 rs2(Y)=a+bY2+cY4+dY6+eY8+fY10+gY12 において、 a=−15.32,b=1.12584E−3, c=−3.490667E−6,d=5.91427E−9, e=−4.057836E−12,f=1.284796E−15, g=−1.500234E−19
【0033】S(θ),d(θ),l(θ),rs1'(Y),r
s2'(Y')を一覧にして示す。 θ 0 10 20 30 36 40 45 S(θ) 48.618 49.552 52.533 58.152 63.255 67.611 74.444 d(θ) 20 19.662 18.494 15.956 13.296 10.774 6.411 l(θ) 106.282 107.376 110.608 115.846 119.932 123.124 127.823 rs1'(Y) -30.0 -28.769 -27.175 -24.561 -22.426 -19.745 -13.291 rs2'(Y') -15.316 -15.220 -15.123 -14.736 -14.155 -13.233 -10.366 これらのデータをP(θ)の式の右辺に代入し、β
(θ)を算出すると偏向角:θに関する|β(θ)|およ
び|β(θ)/β(0)|は以下のとおりである。 θ(度) 0 10 20 30 36 40 45 Y 0 8.605 17.967 29.076 37.180 43.459 52.640 |β(θ)| 1.46 1.45 1.44 1.42 1.41 1.41 1.40 |β(θ)/β(0)| 1.0 0.99 0.99 0.97 0.97 0.97 0.96 条件式のパラメータの値: 条件(3) |β(0)|=1.46 条件(4) |β(0)|≦|β(θ)|≦0.96|β(0)| 図11に、実施例8に関する像面湾曲の図および等速特
性・リニアリティの図を示す。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、新規な光走査用レンズおよび光走査装置を実現でき
る。請求項1〜記載の発明は、単玉構成の光走査用レ
ンズを用いる光走査装置において、広い有効主走査領域
とコンパクト化を可能とする。請求項1,2記載の発明
は、単玉構成の光走査用レンズをプラスチックで成形加
工する際のヒケやウネリ等の形状誤差の発生を有効に防
止して、形状精度の向上が可能である。請求項5記載の
発明は、光学素子の光軸方向の組付け公差に対する制限
の緩和が可能である。請求項6,7記載の発明は、単玉
構成の走査結像レンズを用いる光走査装置において、主
・副走査方向の像面湾曲および等速特性を良好にでき
る。請求項1記載の発明は、単玉構成の走査結像レンズ
を用いる光走査装置において、副走査方向の光スポット
径の変動を有効に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の走査結像レンズと光走査装置の実施
の1形態を説明するための図である。
【図2】非円弧トーリック面と特殊なトーリック面とを
説明するための図である。
【図3】条件式(3),(4)を説明するための図であ
る。
【図4】実施例1に関する像面湾曲および等速特性・リ
ニアリティの図である。
【図5】実施例2に関する像面湾曲および等速特性・リ
ニアリティの図である。
【図6】実施例3に関する像面湾曲および等速特性・リ
ニアリティの図である。
【図7】実施例4に関する像面湾曲および等速特性・リ
ニアリティの図である。
【図8】実施例5に関する像面湾曲および等速特性・リ
ニアリティの図である。
【図9】実施例6に関する像面湾曲および等速特性・リ
ニアリティの図である。
【図10】実施例7に関する像面湾曲および等速特性・
リニアリティの図である。
【図11】実施例8に関する像面湾曲および等速特性・
リニアリティの図である。
【符号の説明】
10 LD 12 カップリングレンズ 14 シリンダレンズ 16 偏向反射面 18 走査結像レンズ 20 被走査面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−174998(JP,A) 特開 昭62−139520(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主走査対応方向に長い線像に結像した光束
    を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、主走査対応方向に
    関して平行光束もしくは発散性または収束性の光束であ
    る偏向光束を、光走査用レンズにより被走査面上に光ス
    ポットとして集光させ、上記被走査面を等速的に光走査
    する光走査装置における光走査用レンズであって、 偏向面内において両凸形状を有する単玉構成であり、 光軸方向の座標をX、光軸直交方向の座標をY、近軸曲
    率半径をR、円錐定数をK、高次の係数をA,B,C,
    D...として、 X=Y2/[R+R√{1−(1+K)(Y/R)2}] +A・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+... なる式における上記R,K,A,B,C,D...を与
    えて特定される非円弧形状を、少なくとも一方の面が偏
    向面内における形状として有し、 少なくとも1つの面は、偏向直交面内における曲率中心
    を連ねて得られる線が、偏向面内において、上記1つの
    面の形状とは異なる曲線を描くように、上記偏向直交面
    内の曲率半径が主走査対応方向に変化する、特殊なトー
    リック面に定められ、 有効主走査幅をW、光軸上の肉厚をd1、上記光偏向器
    による偏向の起点から被走査面までの光軸上の距離をL
    とするとき、これらW,d1,Lが条件: (1) W/L>0.9 (2) 10<(W/L)2・(L/d1)<30 を満足し、且つ、プラスチックで成形加工され、 偏向角:θで光走査用レンズに入射する偏向光束の主光
    線の、光偏向器側の面への入射位置および被走査面側の
    面からの射出位置の主走査対応方向における座標をそれ
    ぞれY,Y’、線像の結像位置から上記入射位置に到る
    距離をS(θ)、上記入射位置と射出位置との間の距離を
    d(θ)、上記射出位置から副走査対応方向における結像
    点までの距離をl(θ)、上記入射位置および射出位置に
    おける直交偏向面内での実効的な近軸曲率半径をそれぞ
    れrs1'(Y),rs2'(Y’)、使用波長に対するレンズ材
    質の屈折率をnとするとき、 P(θ)=d(θ)/[n{rs2'(Y')−rs1'(Y)}+(n
    −1)・d(θ)] |β(θ)|={l(θ)+rs2'(Y')・P(θ)}/{S(θ)
    −rs1'(Y)・P(θ)} として、|β(0)|が条件: (3) 1.45≦|β(0)|≦4.75 を満足するように、上記rs1'(0),rs2'(0)が設定さ
    れたことを特徴とする光走査用レンズ。
  2. 【請求項2】主走査対応方向に長い線像に結像した光束
    を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、主走査対応方向に
    関して平行光束もしくは発散性または収束性の光束であ
    る偏向光束を、光走査用レンズにより被走査面上に光ス
    ポットとして集光させ、上記被走査面を等速的に光走査
    する光走査装置における光走査用レンズであって、 偏向面内において両凸形状を有する単玉構成であり、 光軸方向の座標をX、光軸直交方向の座標をY、近軸曲
    率半径をR、円錐定数をK、高次の係数をA,B,C,
    D...として、 X=Y2/[R+R√{1−(1+K)(Y/R)2}] +A・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+... なる式における上記R,K,A,B,C,D...を与
    えて特定される非円弧形状を、少なくとも一方の面が偏
    向面内における形状として有し、 少なくとも1つの面は、偏向直交面内における曲率中心
    を連ねて得られる線が、偏向面内において、上記1つの
    面の形状とは異なる曲線を描くように、上記偏向直交面
    内の曲率半径が主走査対応方向に変化する、特殊なトー
    リック面に定められ、 有効主走査幅をW、光軸上の肉厚をd1、上記光偏向器
    による偏向の起点から被走査面までの光軸上の距離をL
    とするとき、これらW,d1,Lが条件: (1) W/L>0.9 (2) 10<(W/L)2・(L/d1)<30 を満足し、且つ、プラスチックで成形加工され、 偏向角:θで光走査用レンズに入射する偏向光束の主光
    線の、光偏向器側の面への入射位置および被走査面側の
    面からの射出位置の主走査対応方向における座標をそれ
    ぞれY,Y’、線像の結像位置から上記入射位置に到る
    距離をS(θ)、上記入射位置と射出位置との間の距離を
    d(θ)、上記射出位置から副走査対応方向における結像
    点までの距離をl(θ)、上記入射位置および射出位置に
    おける直交偏向面内での実効的な近軸曲率半径をそれぞ
    れrs1'(Y),rs2'(Y')、使用波長に対するレンズ材
    質の屈折率をnとするとき、 P(θ)=d(θ)/[n{rs2'(Y')−rs1'(Y)}+
    (n−1)・d(θ)] |β(θ)|={l(θ)+rs2'(Y')・P(θ)}/{S(θ)
    −rs1'(Y)・P(θ)} として、有効主走査幅内において、|β(θ)|が条件: (4) 0.95|β(0)|≦|β(θ)|≦1.05
    |β(0)| を満足するように、上記rs1'(Y),rs2'(Y')が設定
    されたことを特徴とする光走査用レンズ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光走査レンズにおいて、 請求項1記載の条件(3)を満足することを特徴とする
    光走査用レンズ。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載の光走査用
    レンズにおいて、 主走査対応方向に発散性である偏向光束を被走査面上に
    集光させる機能、もしくは、主走査対応方向に収束性で
    ある偏向光束を被走査面上に集光させる機能を持つこと
    を特徴とする光走査用レンズ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の任意の1に記載の光走査用
    レンズにおいて、 光軸を含む偏向直交面内における形状が、光偏向器側に
    凹面を向けたメニスカス形状であることを特徴とする光
    走査用レンズ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の任意の1に記載の光走査用
    レンズにおいて、 光偏向器側の面および被走査面側の面が共に、偏向面内
    における形状として非円弧形状を有することを特徴とす
    る光走査用レンズ。
  7. 【請求項7】請求項1または2または3または4記載の
    光走査用レンズにおいて、 光偏向器側の面および被走査面側の面が共に、特殊なト
    ーリック面であることを特徴とする光走査用レンズ。
  8. 【請求項8】主走査対応方向に長い線像に結像した光束
    を、上記線像の結像位置の近傍に偏向反射面を有する光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、光走査用レンズに
    より被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走
    査面を等速的に光走査する光走査装置であって、 光走査用レンズとして請求項1〜7の任意の1に記載の
    光走査用レンズを用いることを特徴とする光走査装置。
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