JP3492911B2 - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP3492911B2
JP3492911B2 JP12228298A JP12228298A JP3492911B2 JP 3492911 B2 JP3492911 B2 JP 3492911B2 JP 12228298 A JP12228298 A JP 12228298A JP 12228298 A JP12228298 A JP 12228298A JP 3492911 B2 JP3492911 B2 JP 3492911B2
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善紀 林
清三 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光走査装置において、光偏向器で偏向さ
れる偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光する
走査結像レンズ系は、従来、レンズ内部における屈折率
が一定であるものとして設計が行われている。近来、走
査結像レンズ系に、プラスチック成形によるプラスチッ
クレンズが使用されるようになってきている。プラスチ
ック成形でレンズを形成すると、成形型内での冷却の際
のレンズ内部の温度差の影響により、先に冷却するレン
ズ外周辺部に比してレンズ内部の密度が低くなる傾向が
あり、このため、作製されたレンズ内部に屈折率の分布
が生じてしまい、この屈折率の不均一が光学的に作用し
て、走査結像レンズ系の光学性能が設計通りにならない
という問題がある。この傾向は、冷却時間を短縮した場
合に特に顕著であり、冷却時間の短縮による生産効率の
向上と、それに伴うコストの低減化を困難にしている。
【0003】また、光走査装置による画像記録の高密度
化の要請に伴い、光スポット径をより小さくすることが
求められ、このために、像面湾曲とともに球面収差を良
好に補正する必要が生じている。球面収差を良好に補正
するのに、レンズ内に「設計された所定の屈折率分布」
を持たせることが有効であるが、このような屈折率分布
を設計通りに実現することは難しい。
【0004】結局、プラスチック成形の際に発生するレ
ンズ内屈折率分布も、設計条件として与えられるレンズ
内屈折率分布も、屈折率の分布として一義的には決まら
ず、ある程度「バラつく」ことになる。このため、実使
用に耐える上記走査結像レンズの歩留まりの向上が困難
であり、走査結像レンズ系、ひいては光走査装置のコス
ト低減を困難にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、走査結像
レンズや走査結像レンズ系に含まれるレンズ内に、屈折
率の分布がある場合に、良好な光スポット径を確保しつ
つ、屈折率の分布のバラツキの許容度を拡げることを課
題とする。
【0006】また、上記屈折率分布のバラツキによる結
像位置のバラツキを低減することをも課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査装置は
「光源からの光束を、第1結像光学系により主走査対応
方向(光源から被走査面に至る光路上で、主走査方向に
対応する方向)に長い線像として結像させ、上記線像の
結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向さ
せ、偏向された光束を第2結像光学系により被走査面上
に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査装
置」である。
【0008】請求項1記載の発明において、第2結像光
学系は「副走査対応方向(光源から被走査面に至る光路
上で副走査方向に対応する方向)に屈折率分布を有する
アナモフィックな単玉レンズである走査結像レンズ」で
構成される。この走査結像レンズにおける光軸上の屈折
率をn0(0)とするとき、副走査断面内で副走査対応方
向における光軸からの距離:zに対し、屈折率の分布を
「n(z)=n0(0)+Δn(0)・z2」で近似し、走査結
像レンズの、光偏向器側および被走査面側の各レンズ面
の、副走査断面内における曲率半径を、それぞれr
S1(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd、これらrS1(0),
S2(0),d,n0(0)から算出される副走査対応方向
焦点距離をf(0)とし、線像の結像位置から「走査結像
レンズの副走査対応方向の前側主点」までの距離をS
0(0)、後側主点から被走査面までの距離をSL(0)、副
走査方向のスポット径深度余裕をω0とするとき、これ
らの量は、条件: (1) |1/[{1/f(0)}−2Δn(0)・d−{1/S0(0)}]−SL(0)| <ω0/2 を満足する。上記焦点距離:f(0)は、 f(0)=1/[{n0(0)−1}{(1/rS1(0))−(1/r
S2(0))}+{n0(0)−1}2・d/{n0(0)・rS1(0)・
S2(0)}] で与えられる。「副走査断面」は、単玉の走査結像レン
ズの光軸を含み、副走査対応方向に平行な平断面であ
る。「副走査方向のスポット径深度余裕:ω0」は、
「副走査対応方向のビームウエスト径(デフォーカスを
変化させたときの、副走査方向の光スポット径の最小
値)に対し、副走査方向の光スポット径の変動が10%
以下となるデフォーカス幅」として定義される。条件
(1)の上限を超えると、光スポットの副走査対応方向
の(被走査面からの)結像位置ずれが大きくなり、副走
査方向の光スポット径が設計値よりも顕著に大きくな
る。
【0009】 上記請求項1記載の光走査装置はまた、
第2結像光学系である走査結像レンズの光偏向器側の面
に入射する偏向光束の副走査対応方向の「光束半幅」を
Zとするとき、前記Δn(0)とZとは条件: (2) 0<Z2・Δn(0)≦1.1×10-4 を満足する。
【0010】条件(2)の上限を超えると、副走査方向
の球面収差が大きくなり、副走査方向の光スポット径が
大きくなってしまう。
【0011】また、下限を超えると、プラスチック成形
時の冷却時間短縮が難しく、成形時間が長くなってレン
ズの量産性が悪く、製造コストの低減化が困難である。
【0012】 上記請求項1記載の光走査装置におい
て、第2結像光学系である走査結像レンズは「副走査断
面内において、光偏向器側に凹のメニスカス形状」で、
有効走査幅をW、光偏向器による偏向の起点から被走査
面に至る光軸上の距離をLとするとき、条件: (3) 0.2≦{rS2(0)/rS1(0)}×(W/L)2
0.6 を満足することができる(請求項2)。
【0013】条件(3)の上限を超えると、副走査方向
の球面収差が大きくなり、副走査方向の光スポット径が
大きくなってしまう。また条件(3)の下限を超える
と、副走査対応方向における走査結像レンズの横倍率が
大きくなり、走査結像レンズの組み付け誤差に対する許
容度が小さくなる。
【0014】 上記請求項1または2記載の光走査装置
において、「主走査対応方向に長い線像の結像位置と、
第2結像光学系である走査結像レンズによる、上記線像
の被走査面近傍の結像位置との副走査対応方向の横倍
率」を、画角:θに関してβ(θ)とし、光走査の最周辺
画角をβ(θMAX),β(θMIN)とするとき、条件: (4−1) 0.95×β(0)≦β(θMAX)≦1.05
×β(0) (4−2) 0.95×β(0)≦β(θMIN)≦1.05
×β(0) を同時に満足することができる(請求項3)。
【0015】これら条件(4−1),(4−2)を満足
することにより、横倍率の変動に起因する光スポット径
の変動を有効に抑えることができる。
【0016】 請求項4記載の光走査装置は、「第2結
像光学系が2枚以上のレンズを含む走査結像レンズ系
で、少なくとも1枚のレンズは副走査対応方向に屈折率
分布を有し、走査結像レンズ系における最も被走査面側
にあるレンズが副走査対応方向に正のパワーを持つ」こ
とを特徴とする。このようにすることにより、内部に屈
折率分布が存在しても、それに伴う像面湾曲の劣化を低
減でき、内部屈折率分布に「バラツキ」があっても、そ
れに伴う「像面湾曲のバラツキ」を小さく抑えることが
可能になる。
【0017】 上記請求項4記載の光走査装置におい
て、第2結像光学系である走査結像レンズ系を2枚のレ
ンズで構成し、副走査対応方向のパワーを、光偏向器側
のレンズにつきP1、被走査面側のレンズにつきP2とす
るとき、条件: (5) P2>P1 を満足することが好ましい(請求項5)。 条件(5)
を満足することにより、上記請求項4の発明の効果をよ
り有効に助長できる。この場合、第2結像光学系である
走査結像レンズ系の2枚のレンズのうち、被走査面側の
レンズの副走査断面内の形状は、「光偏向器側に凹のメ
ニスカス形状」とすることが好ましい(請求項6)。
【0018】 上記請求項4または5または6記載の光
走査装置において、第2結像光学系である走査結像レン
ズ系を2枚のレンズで構成し、光偏向器側のレンズのみ
が副走査対応方向に屈折率分布を有する場合、走査結像
レンズ系の光偏向器側レンズにおける光軸上の屈折率を
0(0)、副走査断面(光偏向器側レンズの光軸を含み
副走査対応方向に平行な平断面)内で副走査対応方向に
おける光軸からの距離:zに対して、同レンズ内の屈折
率の分布を「n(z)=n0(0)+Δn(0)・z2」で近似
し、光偏向器側レンズの、光偏向器側および被走査面側
の各レンズ面の副走査断面内の曲率半径をそれぞれrS1
(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd1、これらrS1(0),
S2(0),d1,n0(0)から算出される副走査対応方向
焦点距離をf1(0)とし、線像の結像位置から「光偏向
器側レンズの副走査対応方向の前側主点」までの距離を
0(0)、同レンズの副走査対応方向の後側主点から被
走査面側レンズの前側主点までの距離をS1(0)、被走
査面側レンズの副走査対応方向の後側主点から被走査面
までの距離をSL(0)、上記被走査面側レンズの副走査
対応方向焦点距離をf2(0)、副走査方向のスポット径
深度余裕をω0とし、 「Λ={1/f1(0)}−2Δn(0)・d1−{1/S0(0)}」
とするとき、条件: (6) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ/(1−S
1(0)・Λ)}]|<ω0/2 を満足することが好ましい(請求項7)。 上記焦点距離:f1(0)は、 f1(0)=1/[{n0(0)−1}{(1/rS1(0))−(1/
S2(0))} +{n0(0)−1}2・d1/{n0(0)・rS1(0)・r
S2(0)}] で与えられる。 条件(6)の上限を超えると、光ス
ポットの副走査対応方向の(被走査面からの)結像位置
ずれが大きくなり、副走査方向の光スポット径が設計値
よりも顕著に大きくなる。
【0019】 上記請求項4または5または6記載の光
走査装置において、第2結像光学系である走査結像レン
ズ系が2枚のレンズで構成され、被走査面側レンズのみ
が副走査対応方向に屈折率分布を有する場合、走査結像
レンズ系の光偏向器側レンズの焦点距離をf1(0)と
し、第1結像光学系により結像する主走査対応方向に長
い線像の結像位置から光偏向器側レンズの副走査対応方
向の前側主点に至る距離をS0(0)、光偏向器側レンズ
の副走査対応方向の後側主点から被走査面側レンズの副
走査対応方向の前側主点に至る距離をS1(0)、被走査
面側レンズの副走査対応方向の後側主点から被走査面に
至る距離をSL(0)とし、被走査面側レンズにおける光
軸上の屈折率をn0'(0)とするとき、副走査断面(被走
査面側レンズの光軸を含み副走査対応方向に平行な平断
面)内で副走査対応方向における光軸からの距離:zに
対して、同レンズ内の屈折率の分布を「n'(z)=n0'
(0)+Δn'(0)・z2」で近似し、被走査面側レンズ
の、光偏向器側および被走査面側の各レンズ面の、副走
査断面内における曲率半径をそれぞれ、rS3(0),rS4
(0)、レンズ肉厚をd3、これらrS3(0),rS4(0),
3,n0'(0)から算出される副走査対応方向の焦点距
離をf2(0)、副走査方向のスポット径深度余裕をω0
し、「Λ'={1/f1(0)}−{1/S0(0)}」とするとき、
条件: (7) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ'/(1−S
1(0)・Λ')}−2Δn'(0)・d3]|<ω0/2 を満足することが好ましい(請求項8)。 上記焦点
距離:f2(0)は、 f2(0)=1/[{n0'(0)−1}{(1/rS3(0))−(1
/rS4(0))}+{n0'(0)−1}2・d3/{n0'(0)・r
S3(0)・rS4(0)}] で与えられる。 条件(7)の上限を超えると、光ス
ポットの副走査対応方向の(被走査面からの)結像位置
ずれが大きくなり、副走査方向の光スポット径が設計値
よりも顕著に大きくなる。
【0020】 上記請求項4または5または6記載の光
走査装置において、第2結像光学系である走査結像レン
ズ系が2枚のレンズで構成され、これら2枚のレンズが
共に、副走査対応方向に屈折率分布を有する場合は、走
査結像レンズ系の光偏向器側レンズの光軸上の屈折率を
0(0)とするとき、副走査断面(光偏向器側レンズの
光軸を含み副走査対応方向に平行な平断面)内で、副走
査対応方向における光軸からの距離:zに対して、同レ
ンズ内の屈折率の分布を「n(z)=n0(0)+Δn(0)
・z2」で近似し、光偏向器側レンズの、光偏向器側お
よび被走査面側の各レンズ面の副走査断面内における曲
率半径をそれぞれ、rS1(0),rS2(0)、レンズ肉厚を
1、これらrS1(0),rS2(0),d1,n0(0)から算
出される副走査対応方向の焦点距離をf1(0)とし、走
査結像レンズ系の被走査面側レンズの光軸上の屈折率を
0'(0)とするとき、副走査断面(被走査面側レンズの
光軸を含み副走査対応方向に平行な平断面)内で、副走
査対応方向における光軸からの距離:zに対して、同レ
ンズ内の屈折率の分布を「n'(z)=n0'(0)+Δn'
(0)・z2」で近似し、被走査面側レンズの、光偏向器
側および被走査面側の各レンズ面の、副走査断面内にお
ける曲率半径をそれぞれ、rS3(0),rS4(0)、レンズ
肉厚をd3、これらrS3(0),rS4(0),d3,n0'(0)
から算出される副走査対応方向の焦点距離をf2(0)と
し、第1結像光学系により結像する主走査対応方向に長
い線像の結像位置から光偏向器側レンズの副走査対応方
向の前側主点に至る距離をS0(0)、光偏向器側レンズ
の副走査対応方向の後側主点から被走査面側レンズの副
走査対応方向の前側主点に至る距離をS1(0)、被走査
面側レンズの副走査対応方向の後側主点から被走査面に
至る距離をSL(0)、副走査方向のスポット径深度余裕
をω0とし、「Λ={1/f1(0)}−2Δn(0)・d1−{1
/S0(0)}」とするとき、条件: (8) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ/(1−S
1(0)・Λ)}−2Δn'(0)・d3]|<ω0/2 を満足することが好ましい(請求項9)。 ここで、
1(0)は、(6)式におけるものと同様であり、f
2(0)は(7)式におけるものと同様である。 条件
(8)の上限を超えると、光スポットの副走査対応方向
の(被走査面からの)結像位置ずれが大きくなり、副走
査方向の光スポット径が設計値よりも顕著に大きくな
る。請求項10記載の光走査装置は、光源からの光束
を、第1結像光学系により主走査対応方向に長い線像と
して結像させ、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を
持つ光偏向器により偏向させ、偏向された光束を第2結
像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させ
て光走査を行う光走査装置において、上記第2結像光学
系は、副走査対応方向に屈折率分布を有するアナモフィ
ックな単玉レンズである走査結像レンズで構成され、上
記走査結像レンズにおける光軸上の屈折率をn 0 ( )
するとき、副走査断面内で副走査対応方向における光軸
からの距離:zに対して、屈折率の分布を、 ( ) =n 0 ( ) +Δn ( ) ・z 2 で近似し、 上記走査結像レンズの光偏向器側の面に入射する偏向光
束の副走査対応方向の光束半幅をZとするとき、条件: (2) 0<Z 2 ・Δn ( ) ≦1.1×10 -4 を満足することを特徴とする。この請求項10記載の光
走査装置において、第2結像光学系である走査結像レン
ズが、副走査断面内において、光偏向器側に凹のメニス
カス形状であり、有効走査幅をW、光偏向器による偏向
の起点から被走査面に至る光軸上の距離をLとすると
き、条件: (3) 0.2≦ {r S2 ( ) /r S1 ( )} × ( W/L ) 2
0.6 を満足することが好ましい(請求項11)。また、上記
請求項10または11記載の光走査装置において、主走
査対応方向に長い線像の結像位置と、第2結像光学系で
ある走査結像レンズによる上記線像の被走査面近傍の結
像位置との副走査対応方向の横倍率を、画角:θに関し
てβ ( θ ) とし、光走査の最周辺画角をβ ( θ MAX ) ,β ( θ
MIN ) とするとき、条件: (4−1) 0.95×β ( ) ≦β ( θ MAX ) ≦1.05
×β ( ) (4−2) 0.95×β ( ) ≦β ( θ MIN ) ≦1.05
×β ( ) を同時に満足することが好ましい(請求項12)。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施の形態を説明
する。請求項1記載の光走査装置の実施の1形態を示す
図1(a)において、発光源であるLD10から放射され
た発散性の光束は、LD10と共に「光源」を構成する
カップリングレンズ12により「以後の光学系」にカッ
プリングされる。光源からの光束は「第1結像光学系」
であるシリンダレンズ14により副走査対応方向(図面
に直交する方向)に収束され、「光偏向器」であるポリ
ゴンミラー16の偏向反射面近傍に主走査対応方向に長
い線像として結像し、ポリゴンミラー16の回転により
等角速度的に偏向する。偏向光束は「第2結像光学系」
を成す単玉の光走査用レンズ18に入射し、光走査用レ
ンズ18の作用により被走査面20(その位置に、光導
電性の感光体が配備される)上に光スポットとして集光
され、被走査面20を主走査方向(図の上下方向)に光
走査する。図中の距離:Wは「有効主走査幅」である。
【0022】即ち、図1の実施の形態は「光源10,1
2からの光束を、第1結像光学系14により主走査対応
方向に長い線像として結像させ、線像の結像位置近傍に
偏向反射面を持つ光偏向器16により偏向させ、偏向さ
れた光束を第2結像光学系18により被走査面20上に
光スポットとして集光させて光走査を行う光走査装置で
あって、第2結像光学系18はアナモフィックな単玉レ
ンズである走査結像レンズ」で構成されている(請求項
1)。なお、第1結像光学系であるシリンダレンズ14
は「凹のシリンダミラー」により代替することができ
る。「カップリングレンズ」は発光源からの光束を、シ
リンダレンズ以下の光学系にカップリングさせる光学素
子であり、発光源からの光束を「平行光束」または「弱
い集光性の光束」もしくは「弱い発散性の光束」にする
ことができる。
【0023】図1(a)に示す実施の形態では、カップリ
ングレンズ12はLD10からの光束を「弱い集光光
束」とする機能を持ち、このため主走査対応方向に就い
てみると、偏向角:0の偏向光束は、光走査用レンズ1
8がなければ自然集光点:Qに集光する。「自然集光
点」は、カップリングレンズによりカップリングされた
光束が「光源から被走査面に到る光路を光軸に沿って直
線的に展開した仮想的な光路」において、この光路上に
線像結像光学系や走査結像レンズが無いとした場合に自
然に集光する位置である。偏向反射面による「偏向の起
点」から自然集光点:Qに到る距離を、図のように距
離:Sで表す。自然集光点Qが、光偏向器よりも被走査
面側にあるとき「S>0」であり、このときはカップリ
ングされた光束は弱い収束性である。また、自然集光点
Qが光偏向器よりも光源側にあるとき「S<0」で、こ
のときカップリングされた光束は弱い発散性である。カ
ップリングされた光束が平行光束であるときは「S=
∞」である。
【0024】図2は、光走査用レンズ18の「副走査断
面」内の形状を示している。図のように副走査断面内の
形状は「偏向反射面側(図の左側)に凹のメニスカス形
状」で(請求項3)、副走査対応方向の前側主点:Hお
よび後側主点:H’は共に、レンズ本体よりも被走査面
側(図の右側)に位置する。従って、光走査用レンズ1
8の実際の位置よりも副走査対応方向の結像倍率を低減
化でき、組み付け誤差の結像性能への影響を軽減でき
る。図中のA点は「線像の結像位置」、B点は「上記線
像を物点とする光束が光走査用レンズ18により結像す
る結像点」である。上記A点と前側主点:Hの間の距
離:S0(0)、後側主点:H’とB点との距離:S0'
(0)を用いると、前述の|β(0)|は「S0'(0)/S
0(0)」である。また、図中のSL(0)は、後側主点:
H'から被走査面20に至る距離を表し、f(0)は、光
走査用レンズ18の、副走査対応方向の曲率半径:rS1
(0),rS2(0),肉厚:d,光軸上の屈折率n0(0) か
ら算出される副走査対応方向焦点距離であり、ω0は副
走査方向のスポット径深度余裕を表している。
【0025】図1(d)を参照すると、この図の左側の
図は、走査結像レンズ18における屈折率の分布を等高
線図的に示している。図1(d)の右側の図に示すよう
に、走査結像レンズ18における光軸上の屈折率をn
0(0)とするとき、副走査断面内で副走査対応方向にお
ける光軸からの距離:zに対して、屈折率の分布は、n
(z)=n0(0)+Δn(0)・z2で近似することができ
る。Δn(0)は「副走査断面内で副走査対応方向におけ
る単位距離(1mm)当りの、屈折率の変化」を表し、
屈折率分布:n(z)は、光軸の両側のz座標に関して対
称的である。走査結像レンズ18の、光偏向器側および
被走査面側の各レンズ面の、副走査断面内における曲率
半径をそれぞれrS1(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd、
これらrS1(0),rS2(0),d,n0(0) から算出され
る副走査対応方向焦点距離をf(0)とする。
【0026】上記屈折率の分布:n(z)=n0(0)+Δ
n(0)・z2を「レンズ作用」に換算すると、焦点距
離:Δf=−1/{2Δn(0)・d}を持ったレンズに
相当し、Δn(0)>0のときは「負のレンズ」、Δn
(0)<0のときは「正のレンズ」のレンズ作用と等価で
ある。従って「屈折率の分布が無いときの走査結像レン
ズ18の焦点距離:f(0)と焦点距離:Δfを持つレン
ズの合成レンズ系」としての焦点距離は、1/[{1/
f(0)}+(1/Δf)]となる。屈折率分布による焦
点距離変化は結像点の変化をもたらす。上記屈折率分布
があるときの「後側主点:H’から結像点に至る距離」
をS’とすると、結像関係の式: (1/S’)+{1/S0(0)}={1/f(0)}+(1/
Δf) が成り立つことになるので、この式に上記Δf=−1/
{2Δn(0)・d}を代入すると、 S’=1/[{1/f(0)}−2Δn(0)・d−{1/S
0(0)}] が得られる。このとき、副走査対応方向における光スポ
ットの結像位置は、設計上の結像位置:SL(0)とのあ
いだに「ずれ:S’−SL(0)」を生じる。
【0027】副走査方向のスポット径深度余裕:ω0
「副走査対応方向のビームウエスト径(デフォーカスを
変化させたときの副走査方向の光スポット径の最小値)
に対して、副走査方向の光スポット径が10%以下とな
るデフォーカス幅」として定義され、副走査方向の光ス
ポット径の許容領域を表す。この許容領域はビームウエ
ストの両側に存在するので、実際には結像位置ずれの絶
対値は「ω0/2」より小さくなくてはならない。従っ
て、副走査方向の光スポット径が、スポット径深度余裕
内に入る条件は、条件(1)が満足されることであるこ
とになる。
【0028】 図14は、請求項4〜7記載の発明の実
施の1形態を説明に必要な部分のみ略示している。光源
から光偏向器に至る光学配置は図1(a)と同様で、符号
Aは線像の結像位置を示している。
【0029】 即ち、図14の実施の形態において、光
源からの光束は、図示されない第1結像光学系により主
走査対応方向に長い線像として結像し、線像の結像位
置:A近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向さ
れ、偏向された光束は第2結像光学系により被走査面2
0上に光スポットとして集光して光走査を行う。第2結
像光学系は2枚以上のレンズ18’,19を含む走査結
像レンズ系で、少なくとも1枚のレンズは副走査対応方
向に屈折率分布を有し、走査結像レンズ系における最も
被走査面側にあるレンズ19は「副走査対応方向に正の
パワー」を持つ(請求項4)。また、この実施の形態に
おいて、第2結像光学系である走査結像レンズ系は2枚
のレンズ18’,19で構成され、副走査対応方向のパ
ワーを、光偏向器側のレンズ18’につきP1、被走査
面20側のレンズ19につきP2とするとき「P2
1」である(請求項5)。第2結像光学系である走査
結像レンズ系をなす2枚のレンズ18’,19のうち、
被走査面20側のレンズ19の「副走査断面内の形状」
は、図14には示されていないが「光偏向器側に凹のメ
ニスカス形状」である(請求項6)。
【0030】さらに、第2結像光学系を構成する2枚の
レンズ18’,19のうち光偏向器側のレンズ18’の
みが、副走査対応方向に屈折率分布を有し、レンズ1
8’における光軸上の屈折率をn0(0)とすると、副走
査断面内で副走査対応方向における光軸からの距離:z
に対して、同レンズ内の屈折率の分布は「n(z)=n
0(0)+Δn(0)・z2」で近似できる。光偏向器側レン
ズ18’の、光偏向器側および被走査面側の各レンズ面
の副走査断面内の曲率半径を、それぞれrS1(0),rS2
(0)、レンズ肉厚をd1、これらrS1(0),rS2(0),
1,n0(0)から算出される副走査対応方向焦点距離を
1(0) とし、線像の結像位置:Aから、光偏向器側レ
ンズ18’の副走査対応方向の前側主点までの距離をS
0(0) 、同レンズ18’の副走査対応方向の後側主点か
ら被走査面側レンズの前側主点までの距離をS1(0)、
被走査面側レンズ19の、副走査対応方向の後側主点か
ら被走査面までの距離をSL(0) 、同レンズ19の副走
査対応方向焦点距離をf2(0)、副走査方向のスポット
径深度余裕をω0とし、Λ={1/f1(0)}−2Δn(0)・
1−{1/S0(0)}とする。
【0031】レンズ18’に屈折率分布が存在すると、
レンズ18’の副走査対応方向の焦点距離がf1(0)か
らΔf1=−1/2Δn(0)・d1だけずれることは、上
述の説明から容易に理解されよう。従って、レンズ1
8’により結像される線像の副走査対応方向の像のでき
る位置をレンズ18’の後側焦点からの距離:S1
は、 S1’=1/[{1/f1(0)}−2Δn(0)・d1−{1
/S0(0)}] であり、この結像位置からレンズ19の前側主点までの
距離:S2は、 S2=S1’−S1(0) である。レンズ19(屈折率分布は無い)による(副走
査対応方向の)結像位置のレンズ19の後側主点からの
距離をS2’とすると、結像関係の式: (1/S2’)={1/f1(0)}+(1/S2)={1/f1
(0)}+1/(1/[1/{1/f1(0)}−2Δn(0)・d1
−{1/S0(0)}]−S1(0)) が成り立つので、これからS2’を求め、レンズ18’
に屈折率分布の無いときの結像位置:SL(0)との差:
|S2’−SL(0)|を求めると、前述の条件(1)の左辺
を導いたとのと同様の計算により、前記「Λ」を用いて
(6)式の左辺: |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ/(1−S1(0)・
Λ)}]| が得られるので、レンズ18’の屈折率分布の存在のも
とで、実用上良好な「副走査方向の光スポット径」で光走
査を行える条件は、条件(6)が満足されることである
ことが理解される。
【0032】逆に、第2結像光学系を構成する2枚のレ
ンズ18’,19のうち被走査面側レンズ19のみが、
副走査対応方向に屈折率分布を有する場合、レンズ19
における光軸上の屈折率をn0'(0)とすると、副走査断
面内で副走査対応方向における光軸からの距離:zに対
して、同レンズ内の屈折率の分布は「n'(z)=n0'(0)
+Δn'(0)・z2」で近似できる。図15に示すよう
に、光偏向器側レンズ18’の焦点距離をf1(0)と
し、第1結像光学系により結像する主走査対応方向に長
い線像の結像位置:Aから、光偏向器側レンズ18’の
副走査対応方向の前側主点に至る距離をS0(0)、光偏
向器側レンズ18’の副走査対応方向の後側主点から被
走査面側レンズ19の副走査対応方向の前側主点に至る
距離をS1(0)、被走査面側レンズ19の副走査対応方
向の後側主点から被走査面20に至る距離をSL(0)、
被走査面側レンズ19の、光偏向器側及び被走査面側の
各レンズ面の、副走査断面内における曲率半径をそれぞ
れrS3(0),rS4(0)、レンズ肉厚をd3とし、これら
S3(0),rS4(0),d3および上記n0'(0)から算出
される副走査対応方向の焦点距離をf2(0)、副走査方
向のスポット径深度余裕をω0とし、「Λ'={1/f
1(0)}−{1/S0(0)}」とする。この場合に、レンズ1
9の屈折率分布の存在のもとで実用上良好な「副走査方
向の光スポット径」で光走査を行える条件は、上記と同
様の考察により、条件: (7) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ'/(1−S1(0)・Λ')} −2Δn'(0)・d3]|<ω0/2 が満足されることであることが分かる。
【0033】さらに、第2結像光学系である走査結像レ
ンズ系を構成する光偏向器側レンズ18’、被走査面側
レンズ19が共に、副走査対応方向に屈折率分布を有す
る場合には、光偏向器側レンズ18’の光軸上の屈折率
をn0(0)とするとき、副走査断面内で副走査対応方向
における光軸からの距離:zに対して、同レンズ内の屈
折率の分布は「n(z)=n0(0)+Δn(0)・z2」で近
似でき、被走査面側レンズ19の光軸上の屈折率をn0'
(0)とするとき、副走査断面内で副走査対応方向におけ
る光軸からの距離:zに対し、同レンズ内の屈折率の分
布は「n'(z)=n0'(0)+Δn'(0)・z2」で近似で
きる。光偏向器側レンズ18’の、光偏向器側及び被走
査面側の各レンズ面の、副走査断面内における曲率半径
をそれぞれ、rS1(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd1
これらrS1(0),rS2(0),d1,n0(0)から算出され
る副走査対応方向の焦点距離をf1(0)とし、被走査面
側レンズ19の、光偏向器側および被走査面側の各レン
ズ面の、副走査断面内における曲率半径をそれぞれ、r
S3(0),rS4(0)、レンズ肉厚をd3、これらr
S3(0),rS4(0),d3,n0'(0)から算出される副走
査対応方向の焦点距離をf2(0)とし、第1結像光学系
により結像する主走査対応方向に長い線像の結像位置か
ら光偏向器側レンズ18’の副走査対応方向の前側主点
に至る距離をS0(0)、光偏向器側レンズ18’の副走
査対応方向の後側主点から被走査面側レンズ19の副走
査対応方向の前側主点に至る距離をS1(0)、被走査面
側レンズ19の副走査対応方向の後側主点から被走査面
に至る距離をSL(0)、副走査方向のスポット径深度余
裕をω0とし、「Λ={1/f1(0)}−2Δn(0)・d1
{1/S0(0)}」とすると、この場合に、レンズ19の屈
折率分布の存在のもとで実用上良好な「副走査方向の光
スポット径」で光走査を行える条件は、上記と同様の考
察により、条件: (8) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ/(1−S1(0)・Λ)} −2Δn'(0)・d3]|<ω0/2 を満足することであることが分かる。
【0034】
【実施例】以下、具体的な実施例と比較例とを挙げる。
実施例1〜3は請求項1、2記載の光走査装置の実施例
であり、比較例1〜3は実施例1〜3に対する比較例で
ある。上記実施例3は請求項3記載の発明の実施例でも
ある。実施例4は、請求項4〜7記載の発明の実施例で
ある。また、実施例5は請求項8記載の光走査装置の実
施例であり、実施例6は請求項9記載の光走査装置の実
施例である。
【0035】実施例1〜3・比較例1〜3は、図1(a)
に示すごとき実施の形態を利用して実施した。但し、こ
れら実施例および比較例で、光偏向器としては図1(a)
の、回転多面鏡16に代えて「回転単面鏡」を用い、偏
向反射面の回転軸が偏向反射面と一致するようにして
「サグ」が発生しないようにした。また、実施例1〜3
・比較例1〜3を通じ、光源のカップリングレンズでカ
ップリングされた光束は「平行光束」となり、シリンダ
レンズにより主走査対応方向に長い線像として、光偏向
器の偏向反射面の回転軸位置に結像するので、光偏向器
による偏向光束の偏向の起点は変動しない。
【0036】光偏向器以後の光路において、図1(a)に
示すように、距離:d0,d1,d2を定める。距離:d1
は「単玉の走査結像レンズの肉厚」であり、条件(1)
の左辺における「d」である。また、走査結像レンズに
おける面形状を、光偏向器側の面に就きX1(Y) および
1(Y) で表し、被走査面側の面形状に就きX2(Y) お
よびx2(Y) で表す。X1(Y)およびX2(Y)は「光軸を
含み主走査対応方向に平行な面」内におけるレンズ面形
状で、非球面形状に関連して周知の式、即ち、光軸方向
にX軸、主走査対応方向にY軸を取るとき、Riを近軸
曲率半径、Ki,Ai,Bi,Ci,Di,...を定数と
して、 Xi(Y)=Y2/[Ri+Ri√{1−(1+Ki)(Y/
i)2}]+Ai・Y4+Bi・Y6+Ci・Y8+Di・Y10
+... で表され、近軸曲率半径:Ri及び定数:Ki,Ai
i,Ci,Di,.(光偏向器側面に就きi=1、被走
査面側面に就きi=2)を与えて特定される「非円弧形
状」である。
【0037】実施例1〜3・比較例1〜3とも「光軸を
含み主走査対応方向に平行な面内での光学配置」は共通
で、上記Ri,Ki,Ai,Bi,Ci,Di,.(i=1,
2),di(i=0〜3)および走査結像レンズ18の
材質の屈折率として光軸位置における屈折率:n0(0)
を与える。
【0038】「光軸を含み、主走査対応方向に平行な
面」内のデータ(実施例1〜3・比較例1〜3に共通) S=∞(カップリングされた光束は平行光束である) W=216mm、L=175mm i Rii0(0) 0 29.887 1 137.503 12.364 1.53664 2 −154.248 132.649 X1(Y): R1= 137.503,K1=−92.438, A1=−1.11822E−6,B1= 7.28745E−10, C1=−3.20311E−13,D1= 9.55204E−17 X2(Y): R2=−154.248,K2= 5.36873, A2=−2.51300E−6,B2= 1.95625E−9, C2=−1.18490E−12,D2= 3.38372E−16 。
【0039】なお、長さの次元を持つ数値の単位は「m
m」である。上記数値中「Eとそれに続く数値」は「1
0のべき乗」を表す。例えば「E−9」は10~9を意味
し、この数値がその直前にある数値にかけられるのであ
る。以下の説明においても同様である。上記のデータに
より実現される「主走査方向の像面湾曲と歪曲収差」を
図3に示す。図3に示す歪曲収差は、偏向光束の偏向角
(画角):θに対応する光スポットの実際の像高:H
(θ)、偏向角:θに対する理想像高:H0(θ)(=k0
θ:k0;比例定数)を用いて、 [{{H(θ)−H0(θ)}/H0(θ)]×100(%)=[{{H
(θ)−k0・θ}/(k0・θ)]×100(%) により定義されるもので、周知のfθ特性に類する特性
である。
【0040】以下に挙げる実施例1〜6・比較例1〜3
において、第1結像光学系であるシリンダレンズの中心
肉厚:D0、副走査断面内の曲率半径:Rs1(光源側),
s2(光偏向器側)、光偏向器側面から偏向反射面に至る
距離:D1、材質の屈折率:Nとする。実施例1〜3・
比較例1〜3に就き、上記D0、Rs1,Rs2、D1、Nお
よび前記n0(0)、Δn(0)、rS1(0),rS2(0)、S0
(0)、SL(0)、ω0、W、L、Z(走査結像レンズの光
偏向器側の面に入射する偏向光束の副走査対応方向の強
度半値幅)および条件(1)の左辺、条件(2)のパラ
メータ:Z・Δn(0)、条件(3)のパラメータ:{rS2
(0)/rS1(0)}×(W/L)2、β(0)を挙げる。まず、
実施例1〜3のデータを挙げる。 実施例1 実施例2 実施例3 D0 3 3 3 Rs1 30.0 30.0 30.0 Rs2 ∞ ∞ ∞ D1 56.703 56.703 56.703 N 1.51118 1.51118 1.51118 rS1(0) -60 -60 -35 rS2(0) -13.54 -14.15 -11.96 n0(0) 1.53664 1.53664 1.53664 Δn(0) 2.70E-5 -5.0E-5 1.0E-4 W 216 216 216 L 175 175 175 S0(0) 39.39 39.51 40.18 SL(0) 130.50 130.38 129.13 Z 1.02 1.02 1.02 ω0 6.7 6.7 7.8 条件(1)の左辺 3.01 0.57 0.53 Z2・Δn(0) 2.81E-5 -5.20E-5 1.04E-4 {rS2(0)/rS1(0)}×(W/L)2 0.279 0.291 0.422 β(0) 3.39 3.31 3.23 。
【0041】実施例1〜3に関する「球面収差」の図を
図4〜図6に順次示す。実施例1〜3は条件(1)〜
(3)を満足し、図4〜6のように球面収差は良好であ
る。特に、実施例2ではΔn(0)<0であり、球面収差
はより良好に補正されている。実施例1,2において、
副走査断面内および副走査断面に平行な断面内における
走査結像レンズ面形状は両面ともに「円弧形状」であ
り、上記rS1(0),rS2(0)が曲率半径である。即ち、
実施例1,2において、前述の形状:x1(Y) 、x
2(Y)は、それぞれ、前述のX1(Y),X2(Y)を「光軸
上で各レンズ面から距離:rS1(0),rS2(0)だけ離
れ、主走査方向に平行で光軸に直交する軸」の回りに回
転して得られる形状である。
【0042】実施例3においては、走査結像レンズ18
の両面は、図1(b)もしくは(c)で示すような「特殊な
トーリック面」となっている。前述のように、副走査断
面に平行な面内に関する形状を、図1(a)のように記
号的にx1(Y),x2(Y)で表す。Yは上記副走査断面に
平行な面の主走査対応方向における座標である。図1
(b),(c)において、曲線:X(Y)は前記「非円弧形状
(Rは上式における近軸曲率半径)」を表わす。特殊な
トーリック面は、図1(b),(c)に示すように「非円弧
形状の各Y座標位置(主走査対応方向における光軸から
の距離)に応じ、副走査断面に平行な平断面(図のXZ
面)内の曲率円の曲率半径:r(Y)が連続的に変化する
形状である。このとき、曲率半径:r(Y)における曲率
中心を連ねたものは、図1(b),(c)に鎖線で示すよう
に一般に「非直線」である。これら、rs1(Y),r
s2(Y)を特定するのに、これらが光軸対称であるときに
は、偶数次の多項式: rsk(Y)=rsk(0)+Σakj・Y**2j で表す。iは、偏向反射面側の面に就き「k=1」、被
走査面側の面に就き「k=2」であり、jは自然数:
1,2,3,...である。「Y**2j」は「Yの2
j乗」を表す。また、rs1(Y),rs2(Y)が光軸非対称
である場合には、多項式: rsk(Y)=rsk(0)+Σbkj・Y**j (j=
1,2,3,,,) で表される。前述のように各実施例1〜3とも、光偏向
器として「回転単面鏡」を用い、偏向反射面の回転軸が
偏向反射面と一致するようにしたので、偏向光束の偏向
は走査結像レンズの光軸に関して対称的であるので、上
記偶数次の多項式を用いる。
【0043】実施例3において、 x1(Y):rs1(Y)=rs1(0)+Σa1j・Y**2j rs1(0)=−35,a11=2.78772E−2,a
12=−1.11838E−4,a13= 1.24795
E−7,a14=−2.06364E−11,a15=−
6.94829E−14,a16= 3.9456E−1
7 x2(Y):rs2(Y)=rs2(0)+Σa2j・Y**2j rs2(0)=−11.96 a21=−5.58E−4,a22=a23=a24=a25=a
26=..=0.0 である。
【0044】実施例3では、β(θMAX)=β(θMIN)=β
(±45度)=3.13、β(0)=3.23であって、β
MAX)/β(0)=β(θMIN)/β(0)=0.97となる
から条件(4)を満足し、副走査方向の光スポット径の像
高による変動が小さい(請求項4)。なお、実施例3の
走査結像レンズでは、θMAXおよびθMINにおいてはレン
ズ内に屈折率の不均一は存在しないものとしている。
【0045】比較例1〜3のデータは次の通りである。 比較例1 比較例2 比較例3 D0 3 3 3 Rs1 30.0 30.0 30.0 Rs2 ∞ ∞ ∞ D1 56.703 56.703 56.703 N 1.51118 1.51118 1.51118 rS1(0) -14 -35 -35 rS2(0) -10.04 -11.38 -12.00 n0(0) 1.53664 1.53664 1.53664 Δn(0) 2.70E-5 2.0E-4 1.0E-4 W 216 216 216 L 175 175 175 S0(0) 43.50 39.97 40.20 SL(0) 122.89 129.37 129.11 Z 1.02 1.02 1.43 ω0 − − − 条件(1)の左辺 2.97 0.92 3.28 Z2・Δn(0) 2.81E-5 2.08E-4 2.04E-4 {rS2(0)/rS1(0)}×(W/L)2 0.885 0.401 0.423 β(0) 2.89 3.26 3.29 。
【0046】比較例1〜3に関する「球面収差」の図を
図7〜図9に順次示す。比較例1〜3と実施例1〜3の
球面収差を比較すると明らかなように、実施例1〜3は
比較例1〜3に比して球面収差が良好であり、その分、
副走査方向の光スポット径を小径化できることがわか
る。比較例1では条件(3)の上限を越えており、比較
例2,3では条件(2)の上限を越えており、いずれも
球面収差が実施例1〜3より劣化している。
【0047】「実施例4〜6」は、図14に示すごとき
実施の形態を利用して実施した。光偏向器としては「回
転単面鏡」を用い、偏向反射面の回転軸が偏向反射面と
一致するようにして「サグ」が発生しないようにした。
光源のカップリングレンズでカップリングされた光束は
「平行光束」となり、シリンダレンズにより主走査対応
方向に長い線像として、光偏向器の偏向反射面の回転軸
位置に結像するので、光偏向器による偏向光束の偏向の
起点は変動しない。図14に示すように、光偏向器以後
の光路において、距離:d0,d1,d2,d3,d4を定
める。距離:d1は「光偏向器側レンズの肉厚」であ
り、条件(6),(8)の「Λ」における「d1」であ
る。また、距離:d3は「被走査面側レンズの肉厚であ
り、であり、条件(7),(8)の「Λ'」における
「d3」である。走査結像レンズ系の光軸を含み、主走
査対応方向に平行な面内における曲率半径もしくは近軸
曲率半径をRi(i=1〜4)で表し、レンズ18’,1
9の材質の屈折率(屈折率に分布のない設計上の屈折
率)をNj(j=1,2)で表すことにする。
【0048】走査結像レンズ系における光偏向器側レン
ズ18’の両面は上記面内で「非円弧形状」であるの
で、前述のX1(Y) およびX2(Y)) で表す。
【0049】「光軸を含み、主走査対応方向に平行な
面」内のデータは、実施例4〜6において共通であり、
以下のように与えられる。
【0050】 S=∞(カップリングされた光束は平行光束である) W=216mm、L=175mm i Rii j Nj 0 29.887 1 137.503 12.364 1 1.53664 2 −154.248 20.000 3 −700.0 3.0 2 1.53664 4 −700.0 111.649 X1(Y): R1= 137.503,K1=−92.438, A1=−1.11822E−6,B1= 7.28745E−10, C1=−3.20311E−13,D1= 9.55204E−17 X2(Y): R2=−154.248,K2= 5.36873, A2=−2.51300E−6,B2= 1.95625E−9, C2=−1.18490E−12,D2= 3.38372E−16 。
【0051】レンズ19は両面とも「光軸を含み、主走
査対応方向に平行な面内」で上記曲率半径:R3,R4
「円弧形状」である。上記データに基づく、主走査方向
の像面湾曲と歪曲収差(前記実施例1〜3の場合と同様
に定義されたもの)を図10に示す。
【0052】実施例4〜6のデータは次の通りである。 実施例4 実施例5 実施例6 D0 3 3 3 Rs1 30.0 30.0 30.0 Rs2 ∞ ∞ ∞ D1 56.703 56.703 56.703 N 1.51118 1.51118 1.51118 rS1(0) -500 -500 -500 rS2(0) -450 -450 -450 n0(0) 1.53664 1.53664 1.53664 Δn(0) 2.70E-5 0 2.0E-05 rS3(0) -31 -31 -31 rS4(0) -12.45 -13.03 -12.6 Δn'(0) − 1.0E-05 1.0E-05 W 216 216 216 L 175 175 175 S0(0) 103.95 103.95 103.95 S1(0) -43.57 -43.48 -43.55 SL(0) 110.41 110.31 110.38 f1(0) 7718.923 7718.923 7718.923 f2(0) 36.698 39.579 37.427 Λ -0.0102 − -0.0100 Λ' − -0.0095 − 条件(6)の左辺 0.38 − − 条件(7)の左辺 − 0.2 − 条件(8)の左辺 − − 0.8 ω0 8.2 8.2 8.2 β(0) 1.82 1.81 1.83 。
【0053】 レンズ19の両面は、副走査断面とこれ
に平行な平面内で、上記rS3(0)およびrS4(0)を半径
とする円弧形状である。 実施例4は条件(6)を満足
し、β(0)は実施例1〜3に比して低減している(副走
査方向の光スポット径が実施例1〜3より小さい)。ま
た、光偏向器側のレンズ18’の副走査対応方向のパワ
ー:P1=1.3E−4、被走査面側のレンズ19の副
走査対応方向のパワー:P2=2.6E−2で、条件
(5)の「P2>P1」を満足し(請求項5)、被走査面側
のレンズ19の副走査断面内の形状は「光偏向器側に凹
のメニスカス形状」であり、前・後側主点位置が実際の
レンズ配置よりも被走査面側に位置するので、組み付け
誤差に対する許容度が大きい(請求項6)。 実施例
5は条件(7)を、実施例6は条件(8)をそれぞれ満
足し、これら実施例5,6において、β(0)は実施例1
〜3に比して低減している。また、光偏向器側のレンズ
18’の副走査対応方向のパワー:P は、実施例
5,6ともP1=1.3E−4、被走査面側のレンズ1
9の副走査対応方向のパワー:P2は、実施例5におい
てP2=2.5E−2、実施例6においてP2=2.7E
−2であって、実施例5,6とも、条件(5)の「P2
1」を満足し(請求項5)、被走査面側のレンズ19
の副走査断面内の形状は、実施例5,6とも「光偏向器
側に凹のメニスカス形状」であり、前・後側主点位置が
実際のレンズ配置よりも被走査面側に位置するので、組
み付け誤差に対する許容度が大きい(請求項6)。 図
11〜13に実施例1〜6に関する「副走査方向のデフ
ォーカス量(副走査方向のビームウエストからのずれ
量)」に対する副走査方向のビームスポット径(副走査
方向の光束系)の変化を示している。図11は実施例
1,2に関する図、図12は実施例3に関する図、図1
3は実施例4,5,6に関する図である。これらの図に
おける「横線」はビームスポット径が「ビームウエスト
(ビームスポット径の最小値)の10%増」の値を示
し、この「横線」が、ビームスポット径変化の曲線によ
り切り取られる長さに対応するデフォーカス領域が「ス
ポット径深度余裕:ω0」である。 なお、各実施例
および比較例において、主走査対応方向における屈折率
の分布および光軸に平行な方向の屈折率の分布について
は、微小変化であるとしてこれらを無視した。光軸に平
行な方向の屈折率は、偏向光束の光路長に影響するが、
屈折率の変化量が小さいこと、および光路長の変化には
屈折率の平均が影響することにより、上記屈折率分布を
無視しても、実測上、光軸に平行な方向の屈折率分布の
影響はなかった。また、上記説明において、主点位置に
は屈折率の分布を考慮していないが、実質的な問題はな
い。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な光走査装置を実現できる。請求項1〜3記載
発明は、光スポットの小径化に必要な「良好な球面収
差」を、走査結像レンズ内部の屈折率の不均一にも拘ら
ず実現できる。また、請求項1記載の発明は、副走査方
向の球面収差のより有効な補正を可能とし、副走査方向
の光スポット径のより有効な小径化を可能とする。
求項2記載の発明では、副走査方向の球面収差を有効に
補正して、副走査方向の光スポット径を有効に小径化
し、副走査対応方向における走査結像レンズの横倍率の
増大を抑えて、走査結像レンズの組み付け誤差に対する
許容度を大きくできる。さらに、請求項3記載の発明で
は、横倍率の変動に起因する副走査方向の光スポット径
の像高による変動を有効に抑えることができる。
求項4記載の発明では、走査結像レンズ系に内部屈折率
分布を持つレンズが存在しても、それに伴う像面湾曲の
劣化を低減でき、内部屈折率分布に「バラツキ」があっ
ても、それに伴う「像面湾曲のバラツキ」を小さく抑え
ることが可能になる。請求項5、6記載の発明では、上
請求項4記載の発明の効果をより有効に助長できる。
また、請求項7〜9記載の発明では、走査結像レンズ内
部の屈折率の不均一にも拘らず「設計上の光スポット径
との差が許容範囲内である光スポット径」を実現でき
る。 この発明によれば、上記のように、走査結像レ
ンズや走査結像レンズ系内のレンズに屈折率の不均一が
存在しても、その不均一の範囲がある範囲内に収まるも
のは実使用ができるので、走査結像レンズや走査結像レ
ンズ系の歩留まりが向上し、プラスチック成形の差異の
冷却時間の短縮を図ることができ、走査結像レンズや走
査結像レンズ系の製造効率を向上させ、これらのコスト
ひいては光走査装置のコストの低減化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜3記載の発明の実施の形態を説明す
るための図である。
【図2】請求項1記載の発明における条件(1)を説明
するための図である。
【図3】実施例1〜3・比較例1〜3の主走査方向の像
面湾曲と歪曲収差を示す図である。
【図4】実施例1の副走査方向の球面収差を示す図であ
る。
【図5】実施例2の副走査方向の球面収差を示す図であ
る。
【図6】実施例3の副走査方向の球面収差を示す図であ
る。
【図7】比較例1の副走査方向の球面収差を示す図であ
る。
【図8】比較例2の副走査方向の球面収差を示す図であ
る。
【図9】比較例3の副走査方向の球面収差を示す図であ
る。
【図10】実施例4,5および6の主走査方向の像面湾
曲と歪曲収差を示す図である。
【図11】実施例1,2におけるデフォーカス量とビー
ムスポット径の関係を示す図である。
【図12】実施例3におけるデフォーカス量とビームス
ポット径の関係を示す図である。
【図13】実施例4,5および6におけるデフォーカス
量とビームスポット径の関係を示す図である。
【図14】請求項4〜7記載の発明の実施の形態を説明
するための図である。
【図15】請求項4〜7記載の発明における条件(7)
を説明するための図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザ 12 カップリングレンズ 14 第1結像光学系(シリンダレンズ) 16 光偏向器 18 第2結像光学系(走査結像レンズ) 18’ 光偏向器側レンズ 19 被走査面側レンズ 20 被走査面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須原 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平8−110466(JP,A) 特開 平9−49976(JP,A) 特開 平3−174507(JP,A) 特開 平2−210412(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光束を、第1結像光学系により
    主走査対応方向に長い線像として結像させ、上記線像の
    結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向さ
    せ、偏向された光束を第2結像光学系により被走査面上
    に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査装置
    において、 上記第2結像光学系は、副走査対応方向に屈折率分布を
    有するアナモフィックな単玉レンズである走査結像レン
    ズで構成され、 上記走査結像レンズにおける光軸上の屈折率をn0(0)
    とするとき、副走査断面内で副走査対応方向における光
    軸からの距離:zに対して、屈折率の分布を、 n(z)=n0(0)+Δn(0)・z2で近似し、 上記走査結像レンズの、光偏向器側および被走査面側の
    各レンズ面の、上記副走査断面内における曲率半径をそ
    れぞれrS1(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd、これらr
    S1(0),rS2(0),d,n0(0) から算出される副走査
    対応方向焦点距離をf(0)とし、 上記線像の結像位置から、上記走査結像レンズの副走査
    対応方向の前側主点までの距離をS0(0)、後側主点か
    ら被走査面までの距離をSL(0)、副走査方向のスポッ
    ト径深度余裕をω0とするとき、条件: (1) |1/[{1/f(0)}−2Δn(0)・d−{1/S
    0(0)}]−SL(0)|<ω0/2 を満足し、 且つ、第2結像光学系である走査結像レンズの光偏向器
    側の面に入射する偏向光束の副走査対応方向の光束半幅
    をZとするとき、条件: (2) 0<Z 2 ・Δn ( ) ≦1.1×10 -4 を満足する ことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査装置において、 第2結像光学系である走査結像レンズが、副走査断面内
    において、光偏向器側に凹のメニスカス形状であり、有
    効走査幅をW、光偏向器による偏向の起点から被走査面
    に至る光軸上の距離をLとするとき、条件: (3) 0.2≦{rS2(0)/rS1(0)}×(W/L)2
    0.6 を満足することを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の光走査装置におい
    て、 主走査対応方向に長い線像の結像位置と、第2結像光学
    系である走査結像レンズによる上記線像の被走査面近傍
    の結像位置との副走査対応方向の横倍率を、画角:θに
    関してβ(θ)とし、光走査の最周辺画角をβ(θMAX),
    β(θMIN)とするとき、条件: (4−1) 0.95×β(0)≦β(θMAX)≦1.05
    ×β(0) (4−2) 0.95×β(0)≦β(θMIN)≦1.05
    ×β(0) を同時に満足することを特徴とする光走査装置。
  4. 【請求項4】光源からの光束を、第1結像光学系により
    主走査対応方向に長い線像として結像させ、上記線像の
    結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向さ
    せ、偏向された光束を第2結像光学系により被走査面上
    に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査装置
    において、 上記第2結像光学系は、2枚以上のレンズを含む走査結
    像レンズ系で、少なくとも1枚のレンズは副走査対応方
    向に成形時に発生する屈折率分布を有し、 上記走査結像レンズ系における最も被走査面側にあるレ
    ンズが、上記屈折率分布に伴う像面湾曲の劣化を低減す
    るように、副走査対応方向に正のパワーを持つことを特
    徴とする光走査装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の光走査装置において、 第2結像光学系である走査結像レンズ系は2枚のレンズ
    で構成され、 副走査対応方向のパワーを、光偏向器側のレンズにつき
    1、被走査面側のレンズにつきP2とするとき、条件: (5) P2>P1 を満足することを特徴とする光走査装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の光走査装置において、 第2結像光学系である走査結像レンズ系の2枚のレンズ
    のうち、被走査面側のレンズの副走査断面内の形状が、
    光偏向器側に凹のメニスカス形状であることを特徴とす
    る光走査装置。
  7. 【請求項7】請求項4または5または6記載の光走査装
    置において、 第2結像光学系である走査結像レンズ系が2枚のレンズ
    で構成され、光偏向器側のレンズのみが副走査対応方向
    に屈折率分布を有し、 上記走査結像レンズ系の光偏向器側レンズにおける光軸
    上の屈折率をn0(0)とするとき、副走査断面内で副走
    査対応方向における光軸からの距離:zに対して、同レ
    ンズ内の屈折率の分布をn(z)=n0(0)+Δn(0)・
    2で近似し、 上記光偏向器側レンズの、光偏向器側および被走査面側
    の各レンズ面の、上記副走査断面内における曲率半径を
    それぞれ、rS1(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd1、こ
    れらrS1(0),rS2(0),d1,n0(0) から算出され
    る副走査対応方向焦点距離をf1(0)とし、 上記線像の結像位置から、上記光偏向器側レンズの副走
    査対応方向の前側主点までの距離をS0(0) 、同レンズ
    の副走査対応方向の後側主点から被走査面側レンズの前
    側主点までの距離をS1(0) 、被走査面側レンズの副走
    査対応方向の後側主点から被走査面までの距離をS
    L(0) 、上記被走査面側レンズの副走査対応方向焦点距
    離をf2(0)、副走査方向のスポット径深度余裕をω0
    し、 Λ={1/f1(0)}−2Δn(0)・d1−{1/S0(0)} とするとき、条件: (6) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ/(1−S
    1(0)・Λ)}]|<ω0/2 を満足することを特徴とする光走査装置。
  8. 【請求項8】請求項4または5または6記載の光走査装
    置において、 第2結像光学系である走査結像レンズ系が2枚のレンズ
    で構成され、被走査面側レンズのみが副走査対応方向に
    屈折率分布を有し、 上記走査結像レンズ系の光偏向器側レンズの焦点距離を
    1(0)とし、 第1結像光学系により結像する主走査対応方向に長い線
    像の結像位置から上記光偏向器側レンズの副走査対応方
    向の前側主点に至る距離をS0(0)、上記光偏向器側レ
    ンズの副走査対応方向の後側主点から上記被走査面側レ
    ンズの副走査対応方向の前側主点に至る距離をS
    1(0)、上記被走査面側レンズの副走査対応方向の後側
    主点から被走査面に至る距離をSL(0)、 上記被走査面側レンズにおける光軸上の屈折率をn0'
    (0)とするとき、副走査断面内で副走査対応方向におけ
    る光軸からの距離:zに対して、同レンズ内の屈折率の
    分布をn'(z)=n0'(0)+Δn'(0)・z2で近似し、 上記被走査面側レンズの、光偏向器側および被走査面側
    の各レンズ面の、上記副走査断面内における曲率半径を
    それぞれ、rS3(0),rS4(0)、レンズ肉厚をd3、こ
    れらrS3(0),rS4(0),d3,n0'(0)から算出され
    る副走査対応方向の焦点距離をf2(0)、副走査方向の
    スポット径深度余裕をω0とし、 Λ'={1/f1(0)}−{1/S0(0)} とするとき、条件: (7) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ'/(1−S
    1(0)・Λ')}−2Δn'(0)・d3]|<ω0/2 を満足することを特徴とする光走査装置。
  9. 【請求項9】請求項4または5または6記載の光走査装
    置において、 第2結像光学系である走査結像レンズ系が2枚のレンズ
    で構成され、これら2枚のレンズが共に、副走査対応方
    向に屈折率分布を有し、 上記走査結像レンズ系の光偏向器側レンズの光軸上の屈
    折率をn0(0)とするとき、副走査断面内で副走査対応
    方向における光軸からの距離:zに対して、同レンズ内
    の屈折率の分布をn(z)=n0(0)+Δn(0)・z2で近
    似し、 上記光偏向器側レンズの、光偏向器側および被走査面側
    の各レンズ面の、上記副走査断面内における曲率半径を
    それぞれ、rS1(0),rS2(0)、レンズ肉厚をd1、こ
    れらrS1(0),rS2(0),d1,n0(0)から算出される
    副走査対応方向の焦点距離をf1(0)とし、 上記走査結像レンズ系の被走査面側レンズの光軸上の屈
    折率をn0'(0)とするとき、副走査断面内で副走査対応
    方向における光軸からの距離:zに対して、同レンズ内
    の屈折率の分布をn'(z)=n0'(0)+Δn'(0)・z2
    で近似し、 上記被走査面側レンズの、光偏向器側および被走査面側
    の各レンズ面の、上記副走査断面内における曲率半径を
    それぞれ、rS3(0),rS4(0)、レンズ肉厚をd3、こ
    れらrS3(0),rS4(0),d3,n0'(0)から算出され
    る副走査対応方向の焦点距離をf2(0)、 第1結像光学系により結像する主走査対応方向に長い線
    像の結像位置から上記光偏向器側レンズの副走査対応方
    向の前側主点に至る距離をS0(0)、上記光偏向器側レ
    ンズの副走査対応方向の後側主点から上記被走査面側レ
    ンズの副走査対応方向の前側主点に至る距離をS
    1(0)、上記被走査面側レンズの副走査対応方向の後側
    主点から被走査面に至る距離をSL(0)、副走査方向の
    スポット径深度余裕をω0とし、 Λ={1/f1(0)}−2Δn(0)・d1−{1/S0(0)} とするとき、条件: (8) |SL(0)−1/[{1/f2(0)}+{Λ/(1−S
    1(0)・Λ)}−2Δn'(0)・d3]|<ω0/2 を満足することを特徴とする光走査装置。
  10. 【請求項10】光源からの光束を、第1結像光学系によ
    り主走査対応方向に長い線像として結像させ、上記線像
    の結像位置近傍に偏向反射面を持つ光偏向器により偏向
    させ、偏向された光束を第2結像光学系により被走査面
    上に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査装
    置において、 上記第2結像光学系は、副走査対応方向に屈折率分布を
    有するアナモフィックな単玉レンズである走査結像レン
    ズで構成され、 上記走査結像レンズにおける光軸上の屈折率をn0(0)
    とするとき、副走査断面内で副走査対応方向における光
    軸からの距離:zに対して、屈折率の分布を、 n(z)=n0(0)+Δn(0)・z2で近似し、 上記走査結像レンズの光偏向器側の面に入射する偏向光
    束の副走査対応方向の光束半幅をZとするとき、条件: (2) 0<Z2・Δn(0)≦1.1×10-4 を満足することを特徴とする光走査装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の光走査装置において、 第2結像光学系である走査結像レンズが、副走査断面内
    において、光偏向器側に凹のメニスカス形状であり、有
    効走査幅をW、光偏向器による偏向の起点から被走査面
    に至る光軸上の距離をLとするとき、条件: (3) 0.2≦{rS2(0)/rS1(0)}×(W/L)2
    0.6 を満足することを特徴とする光走査装置。
  12. 【請求項12】請求項10または11記載の光走査装置
    において、 主走査対応方向に長い線像の結像位置と、第2結像光学
    系である走査結像レンズによる上記線像の被走査面近傍
    の結像位置との副走査対応方向の横倍率を、画角:θに
    関してβ(θ)とし、光走査の最周辺画角をβ(θMAX),
    β(θMIN)とするとき、条件: (4−1) 0.95×β(0)≦β(θMAX)≦1.05
    ×β(0) (4−2) 0.95×β(0)≦β(θMIN)≦1.05
    ×β(0) を同時に満足することを特徴とする光走査装置。
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