JPH10288593A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH10288593A
JPH10288593A JP9098805A JP9880597A JPH10288593A JP H10288593 A JPH10288593 A JP H10288593A JP 9098805 A JP9098805 A JP 9098805A JP 9880597 A JP9880597 A JP 9880597A JP H10288593 A JPH10288593 A JP H10288593A
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oxidation catalyst
gas sensor
ceramic
gas
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Masao Maki
正雄 牧
Takashi Niwa
孝 丹羽
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白金電極の劣化を阻止して耐久信頼性を高め
る。 【解決手段】 酸素イオン導電体2の両面に、それぞれ
白金電極3,3を形成し、この白金電極3,3の上に、
平均細孔径が1000Å以下のセラミック多孔体4,4
を積層し、一方のセラミック多孔体4の上に、酸化触媒
を含有する多孔体層5を積層し、排気ガス中の有害ガス
が白金電極3,3に到達するのを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス,石油などを
燃料とする各種燃焼機器の排気ガス中に含まれる可燃性
ガス、特に一酸化炭素を検出するガスセンサに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素は、無色,無味,無臭で、空
気よりやや軽い気体であるが、毒性が強く、200PP
M位の低濃度でも2〜3時間呼吸すると頭痛などが生
じ、3000PPM以上の濃度になると10分位の呼吸
で死亡し、6000PPM以上の濃度になると数分間の
呼吸で死亡する。
【0003】一般家庭でも、一酸化炭素は、瞬間湯沸か
し器,風呂釜,石油暖房器具,ガス暖房器具,炭火など
から発生するので、これらの機器に内蔵させて用いた
り、または、室内に設置して用いたりすることができる
安価,小型で信頼性の高いガスセンサ、特に一酸化炭素
を検知するガスセンサが強く要望されている。
【0004】従来におけるガスセンサ、特に一酸化炭素
を検知する化学センサとしては、以下に説明するような
方式のものが提案されている。
【0005】すなわち、一酸化炭素を吸収して酸化する
電極を電解液に設け、一酸化炭素濃度に比例する電流地
から一酸化炭素濃度を検知する方式の定電位電解式ガス
センサ、貴金属などの微量の金属元素を添加して増感し
たN型半導体酸化物、例えば酸化スズなどの焼結体タイ
プを用い、これらの半導体が可燃性ガスと接触すると、
その電気電導度が変化する特性を利用してガスを検知す
る方式の半導体式ガスセンサ、20μm程度の白金の細
線にアルミナを添着し、貴金属を担持したものと担持し
ないものとの一対の比較素子を用いて一定温度に加熱
し、可燃性ガスがこの素子に接触して触媒酸化反応を行
った際の発熱差を検出する方式の接触燃焼式ガスセンサ
などが知られている(例えば、大森豊明監修:「センサ
実用事典」:フジ・テクノシステム〔第14章 ガスセ
ンサの基礎(春田正毅担当)、P112−130(19
86)参照〕)。
【0006】また、ジルコニア電気化学セルを構成し、
電極の一方側に白金/アルミナの触媒層を形成して一酸
化炭素を検出する固体電解質式一酸化炭素センサも提案
されている〔例えば、H.OKAMOTO、H.OBA
YASI AND T.KUDO,Solid Sta
te Ionics、1、319(1980)参照〕。
【0007】この固体電解質式一酸化炭素センサの原理
は、触媒層側と裸側との白金電極上で一種の酸素濃淡電
池ができることによるもので、触媒層側の電極では、酸
素がそのまま到達し、一酸化炭素が到達しない状態にあ
るのに対して、裸側の電極では、酸素も一酸化炭素も到
達し、この一酸化炭素が酸素を還元し、両者の電極の間
に酸素濃淡電池が形成され、起電力出力が現れることを
利用するものである。
【0008】また、ガスを選択して透過する透過体とし
て、セラミックガス分離膜、すなわち無機分離膜が提案
されている〔例えば、大久保達也、諸岡成冶、「無機分
離膜の現状と今後の展開」、ケミカルエンジニアリン
グ、12、1(1988、1989)参照〕が、この無
機分離膜をガスセンサに応用することの提案は、従来に
おいてはなされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のガスセンサとし
て広く用いられている化学センサにあっては、それが安
全性に関わる決定的なセンサであるにも拘わらず、フェ
ールセーフのシステムを構築することができず、どうし
てもフェールアウトの検出システムになってしまうとい
う問題点があった。すなわち、センサの特性劣化によ
り、センサ出力が低下するので、心要なときにセンサが
出力を出せないことがあるという懸念があった。これ
は、原理的には、センサとしての信号が、一酸化炭素を
検出しないときにはゼロとなり、一酸化炭素の検出によ
り信号を出力し、また、センサの特性劣化により、この
出力信号が低下してしまうということに要因がある。
【0010】ガスセンサを燃焼機器に搭載して不完全燃
焼の検出に用いる場合、不完全燃焼の危険性が増加する
のは、燃焼機器をかなり使い込んだ後の状態の場合が多
いが、その時には、ガスセンサの特性劣化が進行してい
る危険性があり、ガスセンサの特性劣化により出力信号
が低下すると、不完全燃焼を検出することができないと
いう問題点があった。
【0011】これは、化学センサの出力が低下、すなわ
ち劣化するのは、化学センサの中心的な機能を担う電極
や触媒が反応の進行とともに経時的に劣化することによ
るものであり、この経時的な劣化は、燃焼の排気ガス中
に存在する水素,炭化水素などの還元性ガスにより触媒
が還元されたり、電極表面に硫黄系化合物などが強く吸
着したりして、一酸化炭素の検出反応が阻害されること
に起因する。
【0012】また、これらの化学センサでは、センサの
中心的な機能を担う電極,触媒などに貴金属を用いる場
合が多く、これらの貴金属は、硫黄系化合物やシリコー
ン系化合物に弱くて劣化し易く、耐久性の確保が非常に
困難になるという問題点があった。また燃焼機器の排気
ガス中に共存する炭化水素は、分子量も大きく、分子の
サイズも大きいため、白金のような貴金属の表面に吸着
されると、一酸化炭素のようなガスの吸着が阻害され、
妨害ガスとして悪影響を及ぼすという問題点もあった。
【0013】また、固体電解質式一酸化炭素センサの場
合、その動作原理は、すでに説明したように、触媒層側
の白金電極と裸側の白金電極との間で一種の酸素濃淡電
池ができることによるものであり、触媒層側の電極で
は、酸素がそのまま到達し、一酸化炭素が到達しない状
態にあるのに対して、裸側の電極では、酸素および一酸
化炭素が到達し、この一酸化炭素が酸素を還元し、両者
の電極の間に酸素濃淡電池が形成され、起電力出力が現
れることを利用するものである。
【0014】しかし、白金電極に、一酸化炭素よりもさ
らに吸着性の強いガス、例えば、亜硫酸ガスを含有する
空気が接触した場合、多孔性の触媒層の拡散抵抗によ
り、触媒層側の白金電極と裸側の白金電極とに到達する
亜硫酸ガスのレベルが異なることになり、最初は、裸側
の白金電極から吸着が始まり、まずセンサ出力は増加す
るが、しばらくすると多孔性の触媒層側の白金電極に
も、亜硫酸ガスが到達することにより、センサ出力は徐
々に低下し、そのうちに出力が失われる。そして、亜硫
酸ガスは、一般に、ガス,石油の燃焼機器の排気ガス中
に含まれているので、燃焼機器の排気ガス中に、この種
の固体電解質式一酸化炭素センサを設置すると、このゼ
ロ点のズレと出力低下との問題が避けられないものとな
る。
【0015】さらに、本質的に、これらのセンサシステ
ムのフェールセーフでないので、これを高い信頼性で実
用化できるようにするためには、極めて耐久性において
信頼度の高いガスセンサが求められるが、現在、思想的
レベルにおいても、耐久性の保証を確実に確立できたセ
ンサシステムは実現されていないという問題点もあっ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明のガスセンサは、加熱手段を備え、表面
に一対の白金電極を形成した酸素イオン導電体と、この
酸素イオン導電体の両面に積層した平均細孔径が100
0Å以下の一対のセラミック多孔体と、その一方のセラ
ミック多孔体に積層した酸化触媒を含有する多孔体層と
を有することとしている。そして、平均細孔径が100
0Å以下の一対のセラミック多孔体により、白金電極を
劣化させる亜硫酸ガス等の悪影響ガスの流入を規制する
ことができ、例え白金電極に亜硫酸ガスなどが一部流入
したとしても、一対の白金電極がセラミック多孔体で被
覆されているので、ほぼ同様の劣化の進行が生じること
でゼロ点のバランスを変化させることが極めて少なく、
長時間安定したガスセンサとしての動作が可能になる。
【0017】また、平均細孔径が1000Å以下のセラ
ミック多孔体は、その平均細孔径のサイズにより、異な
るガスの透過特性を有する。平均細孔径が1000Å以
下から10Åまでの範囲では、透過速度がガスの分子量
の平均根に逆比例する特性、すなわちクヌッセン拡散の
特性を示すので、灯油蒸気や亜硫酸ガス、さらには、低
分子のシリコーン化合物などの分子量の大きなガスの透
過を抑制することができる。平均細孔径が10Å以下で
は、セラミック多孔体は、分子篩型または表面拡散型の
透過性を示すので、ガス分子のサイズにより流入が規制
される特性、または、ガス分子と細孔内壁との親和性に
より多孔体内部への拡散性が決定される特性を発揮す
る。とくに、シリカ化合物もしくはジルコニア化合物の
一種以上を含む皮膜により平均細孔径を10Å以下に制
御した多孔体の場合には、細孔壁が強い疎水性を持つた
め、10Å以下の親水性細孔壁では細孔内で毛管凝縮を
起こして細孔を閉塞してしまう懸念をもつ水蒸気につい
て、細孔内での拡散を阻止し、水蒸気の凝縮を防止する
ことができる。また同様に親水的な二酸化硫黄の表面拡
散性も阻止し、亜硫酸ガスの流入をブロックすることが
できる。こられの特性により、ガスセンサの動作の基本
となる白金電極への被毒影響を軽減および均等化するこ
とができる。
【0018】また、セラミック多孔体が、白金電極と密
着した構成となるため、平均細孔径が1000Å以下か
ら10Åまでの範囲にある場合、亜硫酸ガスの流入が規
制されて劣化に至る時間が延長されるのみならず、平均
細孔径が、例えば100Åであった場合でも、全体の細
孔の中には10Å以下の細孔径の部分も含まれておるの
で、その部分では、完全に亜硫酸ガスをブロックするこ
とができる効果を有している。したがって、一部の大き
な細孔を持つ部分の白金電極が、亜硫酸ガスにより劣化
したとしても、他の小さな細孔の部分の白金電極は、劣
化することがなく、ガスセンサの特性を継続的に発揮す
ることができる。なお、一対のセラミック多孔体は、同
一のプロセスで製作すれば、近似した細孔特性をもつた
め、上記の効果を充分に発揮することが可能になる。
【0019】セラミック多孔体の基材としては、焼結法
により作成される多孔性セラミックの細孔をコーティン
グ処理し、適切な細孔特性に制御処理して用いる。セラ
ミック多孔体の基材は、それが密着する酸素イオン導電
体が、例えばイットリア安定化ジルコニア固体電解質に
より形成されている場合、センサ素子の耐熱衝撃性の観
点からは、ジルコニアと熱膨張係数が近いアルミナ化合
物もしくはジルコニア化合物を用いるのが望ましい。
【0020】多孔性セラミックは、セラミックフィルタ
ーとして各種用途に利用されおり、例えば、ビールの酵
母の分離などに利用されていることはよく知られてい
る。その孔径は0.1μmから数μm程度であるが、こ
のままでは、ガスの選択透過性は得られないので、その
細孔を埋めて細孔径を制御する必要がある。
【0021】細孔径の制御方法としては、細孔表面上に
ゾル−ゲル皮膜を形成して行う方法、または、熱分解に
より細孔内に皮膜を形成して細孔を制御するCVD法な
どが知られており、本発明における多孔体の細孔制御方
法としては、公知の各種皮膜形成法は、いずれも適用可
能である。ゾル−ゲル皮膜を形成して行う方法、または
熱分解により細孔内に皮膜を形成して細孔を制御するC
VD法のいずれの方法を選択しても、同じ方法で同じ管
理条件で細孔制御したセラミック多孔体は、近似した細
孔特性をもつため、これを組み合わせて用いることによ
り、近似した細孔特性を有する一対のセラミックを得る
ことができる。
【0022】センサ素子の駆動に必要な熱源としては、
ガスセンサが備える加熱手段により達成されるように
し、必要に応じて、サーミスタ,熱電対などの温度検知
手段を併用して温度制御を実施することができる。加熱
手段としては、電熱線,抵抗ヒータ膜など各種手段が適
用でき、抵抗ヒータ膜に用いる材料としては、白金など
貴金属系のものが耐久性の点では望ましく、また電熱線
を用いる場合には、鉄−クロム系,ニッケル−クロム系
のものを用いることができる。また、このヒータの抵抗
−温度特性を利用して、センサ素子の温度制御を実施し
ても良い。
【0023】このように構成したガスセンサは、以下に
説明するように動作する。一般大気中、もしくは燃焼機
器の排気ガス中に含まれているガスは、ガスセンサに接
触すると、その一方の側では、酸化触媒を含有する多孔
体層において一酸化炭素が酸化されるので、セラミック
多孔体を経由して流入する量は規制され、白金電極面へ
は、一酸化炭素を含有しない空気が到達する。他方の側
では、同様にその量は規制されるが、酸化触媒が存在し
ないので、白金電極面には、一酸化炭素を含有した空気
が到達する。これにより一対の電極間で、酸素濃度の差
が生じ、酸素イオン導電体を介して、電極間に一酸化炭
素濃度に起因した起電力が発生する。
【0024】白金電極に吸着するとガスセンサの動作に
悪影響を及ぼす灯油蒸気やシリコーンオリゴマーなど
は、1000Å以下に細孔制御されたセラミック多孔体
により、電極部にはほとんど到達できない。また、亜硫
酸ガスについても、著しく流入を規制されるが、細孔径
の大きな細孔から優先的に進入して一部の白金電極を劣
化させることがある。しかし、大部分は細孔径の小さな
部分であるので、白金電極は、動作可能であり、出力特
性は、一対の電極の酸素濃度の比に関係するので、酸素
濃度比はほとんど変化することがなく、結果として経時
的にはゼロ点に安定化できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態は、加
熱手段を備えたガスセンサにおいて、表面に一対の白金
電極を形成した酸素イオン導電体の両面に、平均細孔径
が1000Å以下のセラミック多孔体を積層し、その一
方のセラミック多孔体の表面には、酸化触媒を含有する
多孔体層を積層したものである。
【0026】ガスセンサが備えた加熱手段により、ガス
センサは、固体電解質素子の駆動に必要な400〜50
0℃程度の温度に保持される。そこで、一酸化炭素を含
有しない空気の場合、空気がガスセンサと接触すると、
一対の白金電極の酸素濃度レベルは、同じであるため起
電力出力は生じない。一酸化炭素を含有した空気が接触
すると、一対の白金電極の片方の白金電極には、酸化触
媒を含有した多孔体層において一酸化炭素が酸化され、
一酸化炭素を含まない空気が到達し、他方の白金電極に
は、一酸化炭素を含有した空気が到達するため、この一
酸化炭素により、電極に吸着する酸素が還元され、電極
間に起電力出力が発生して一酸化炭素の出力が現れる。
【0027】また、亜硫酸ガスなどのように白金電極に
吸着すると酸素の吸着を妨害するガスは、平均細孔径が
1000Å以下の一対のセラミック多孔体で流入が規制
またはブロックされ、長寿命化が達成できる。また、亜
硫酸ガスなどが一部流入することがあっても、一対の白
金電極に同時に流入するため、電極間の酸素濃度のバラ
ンスが崩れることはなく、ゼロ点の移動の不安定も解除
される。このように、白金電極が保護されているのに対
して、触媒層は、そのまま露出した状態にあるので、触
媒層の劣化が懸念される面があるが、その点の問題は少
ない。その第一の理由は、触媒層は、一般の酸化触媒を
用いても、動作温度が400〜500℃と一酸化炭素の
酸化活性が得られる200〜300に対して余裕がある
ことによる。第二の理由は、膜厚の面でも高々十数ミク
ロンの膜厚にしかできない電極に対して、触媒層はミリ
のレベルに設定でき、極めて余裕があるので触媒層の劣
化の心配は極めて少ないためである。
【0028】また、第2の実施の形態は、加熱手段を備
えたガスセンサにおいて、表面に一対の白金電極を形成
した酸素イオン導電体の両面に、平均細孔径が1000
Å以下のセラミック多孔体を積層し、その一方のセラミ
ック多孔体の表面には酸化触媒を含有する多孔体層を積
層し、他方のセラミック多孔体の表面には、酸化触媒を
含有しない多孔体層を積層したものである。
【0029】ガスセンサが備えた加熱手段により、ガス
センサは、固体電解質素子の駆動に必要な400〜50
0℃程度の温度に保持され、ガスセンサの動作と耐久性
に対する効果は第一の実施の形態で説明した場合と同様
である。ただし、第1の実施の形態の場合と比較する
と、第1の実施の形態の場合には、多孔性触媒層による
拡散抵抗の寄与が、両方の白金電極の間で異なるのに対
して、この実施の形態の場合は、一対の電極への被検出
ガスの拡散抵抗は、両方の白金電極の間で同じになるた
め、ゼロ点の安定性は更に優れたものとなる。
【0030】また、第3の実施の形態は、表面に一対の
白金電極を形成した酸素イオン導電体の両面に平均細孔
径が1000Å以下のセラミック多孔体を積層し、その
一方のセラミック多孔体の表面には、酸化触媒を含有す
る多孔体層を、他方のセラミック多孔体の表面には、ヒ
ータ膜層を形成したものである。
【0031】ヒータ膜層により、固体電解質素子の駆動
に必要な温度が得られ、多孔体の表面にヒータ膜層を形
成したにも拘らず、多孔体の細孔特性は殆ど変化するこ
とがなく、ガスの流出入に対する制御作用には変化がな
い。また、ヒータ膜層は、多孔体の細孔径を制御した後
で形成しても、あるいは、ヒータ膜層を形成した後に細
孔を制御しても良い。このガスセンサの動作および耐久
性ならびにゼロ点の安定性に関する効果は既に説明した
場合と同様である。
【0032】また、第4の実施の形態は、酸化触媒を含
有する多孔体層を酸化触媒を担持したセラミック繊維層
により形成するか、酸化触媒を含有しない多孔体層をセ
ラミック繊維層により形成したものである。
【0033】セラミック繊維としては、アルミナ,シリ
カ,ジルコニアなどからなる繊維を一種以上含むものを
用い、酸化触媒としては、白金,パラジウムなどの貴金
属をγ−アルミナなどの微粒状の多孔性担体に担持した
ものやマンガン,銅,ニッケル,コバルト,鉄などの遷
移金属の酸化物または複合酸化物を微粒状にしたものを
そのまま用いるか、または前記貴金属の場合と同様に担
体に担持したものを用いることができる。
【0034】これらの酸化触媒粉末をセラミック繊維と
混抄して酸化触媒を含有したセラミック繊維不織布と
し、または酸化触媒粉末を含有させなければセラミック
ペーパーになり、これらのセラミック繊維不織布、また
はセラミックペーパーを、熱膨張係数に合わせて調合し
たガラスペーストやアルカリ金属珪酸塩系または金属リ
ン酸塩系の接着剤を用いて平均細孔径が1000Å以下
のセラミック多孔体に接合して多孔体層とする。
【0035】このようにして形成した酸化触媒を含有す
る多孔体層は、極めて通気性に優れ、検出ガスに対する
通気抵抗を発生することがなく、良好なガスの透過体に
なる。特に、一酸化炭素などの還元性ガスは、この多孔
体層内を拡散する間に完全に酸化される。
【0036】また、第5の実施の形態は、酸化触媒を含
有する多孔体層を、酸化触媒と皮膜形成粉末とのプラズ
マ溶射皮膜層で形成したものである。
【0037】プラズマ溶射皮膜のベースとしては、アル
ミナ,シリカ,ジルコニア,チタニアなどの酸化物を主
成分とし、これらを単独または混合したものを用いる。
プラズマ溶射皮膜を形成した後に、貴金属を担持する
か、または、遷移金属酸化物を溶射皮膜内に混合するこ
とで酸化触媒を含有したプラズマ溶射皮膜層を得ること
ができる。プラズマ溶射皮膜層は、皮膜がポーラスにな
るため、良好なガスの透過性を持ち、プラズマ溶射皮膜
層は、溶射粒子を粗くしたり、基材の温度を冷却したり
することにより、更に多孔度を制御することができる。
このプラズマ溶射皮膜層は、基材になる平均細孔径が1
000Å以下のセラミック多孔体と強固な密着が得ら
れ、強度的にも安定度が高い酸化触媒層が得られる。
【0038】また、第6の実施の形態は、酸化触媒を含
有する多孔体層を、酸化触媒を分散保持した無機耐熱皮
膜層で形成したものである。
【0039】無機耐熱皮膜層は、水溶液系のアルカリ金
属珪酸塩または金属リン酸塩を結合材とし、細孔径が1
000Å以下のセラミック多孔体との熱膨張係数を調整
するために、アルミナやジルコニアなどのセラミックス
系の充填材および遷移金属酸化物または複合酸化物を主
成分とする酸化触媒ならびに各種アルコールや樟脳など
の有機系の多孔形成材とともに分散させた塗料を用い
て、細孔径が1000Å以下のセラミック多孔体基材上
に塗布し、約300℃で焼成して造膜することにより形
成する。このようにして形成した皮膜層は、水および多
孔形成材が逸散した部分が空隙になり、多孔質で、通気
性に優れ、基材との接着の信頼性も高いものとなる。ま
た、酸化触媒を含有させる操作は、無機耐熱皮膜層に、
最初から酸化触媒を分散させず、貴金属などの酸化触媒
を後から担持させても良い。
【0040】また、第7の実施の形態は、酸化触媒を含
有する多孔体層を、酸化触媒を分散保持した琺瑯皮膜層
により形成したものである。
【0041】この場合は、結合材が水溶液系のアルカリ
金属珪酸塩または金属リン酸塩ではなく、ガラスフリッ
トである点で前記の無機耐熱皮膜層の場合と異なり、ま
た、無機耐熱皮膜層の焼成温度が約300℃であるのに
対し、琺瑯皮膜層の場合は、少なくとも600℃から8
00℃程度の高温の焼成が必要になる。
【0042】また、第8の実施の形成は、酸化触媒を含
有する多孔体層を、酸化触媒を担持した金属繊維焼結体
層により形成したものである。
【0043】金属繊維としては、ステンレスなどの耐熱
金属の繊維を用い、これを不織布にし、焼結してシート
状にする。酸化触媒を担持させるには、貴金属系の酸化
触媒が望ましく、その場合は、耐熱金属繊維不織布の焼
結体表面に、γ−アルミナ,セリア,ジルコニアなどの
皮膜を形成した後に、酸化触媒を担持させる。この場合
は、セラミック繊維不織布の場合と比較して、その機械
的強度がとくに優れたものとなる。金属繊維焼結体層
は、細孔径が1000Å以下のセラミック多孔体に、ガ
ラスペーストまたは無機接着剤を用いて接合する。
【0044】また、第9の実施の形態は、セラミック多
孔体の基材として、アルミナ化合物もしくはジルコニア
化合物の群から選定した一種以上の化合物を用いたもの
である。
【0045】アルミナ化合物もしくはジルコニア化合物
は、酸素イオン導電体と熱膨張係数が近く、各要素を積
層して接合した場合、耐熱安定性の高いガスセンサを構
成することができる。アルミナ化合物もしくはジルコニ
ア化合物の群から選定して形成した多孔体は、原料粉末
を均一に分散し、ドクターブレードなどでシート状に成
型し、これを焼結し、必要な寸法に切断して作製する。
原料粉末の組成,粒度および焼結温度を最適化すること
で、0.1から1μm程度の平均細孔径を持つ多孔体が
得られる。有機性樹脂粉末を混合して成型することによ
り、さらに平均細孔径が0.05μm程度と細かい多孔
体を得ることができる。この多孔体は、ゾル−ゲル法、
または、CVD法により細孔制御すれば、平均細孔径が
1000Å以下の多孔体が得られる。
【0046】また、第10の実施の形態は、セラミック
多孔体が、アルミナ化合物もしくはジルコニア化合物の
群から選定した一種以上の化合物からなる基板の表面
に、シリカ化合物、または、ジルコニア化合物の群から
選定した一種以上の化合物の皮膜を形成した多孔体によ
り構成したものである。
【0047】アルミナ化合物もしくはジルコニア化合物
の群から選定した多孔体については、上記した通りであ
るが、この多孔体について、細孔制御の処理をして、平
均細孔径を1000Å以下にする必要がある。そこで、
多孔体の表面に、細孔制御の目的でシリカ化合物、また
は、ジルコニア化合物の群から選定した一種以上の化合
物の皮膜を形成すれば、細孔制御と同時に多孔体表面の
耐水性および耐酸性を向上させることができる。
【0048】特に、細孔径が10Å以下の細孔になる
と、その表面が親水性材料で構成されている場合、水蒸
気や亜硫酸ガスが毛管凝縮により、細孔内で凝縮して液
体化することで細孔を閉塞し、ガスの透過性を損なう懸
念がある。しかし、シリカ化合物、または、ジルコニア
化合物の群から選定した一種以上の化合物の皮膜は、耐
水性および耐酸性が高く、上記の毛管凝縮の恐れがない
ので、耐久性および長期間のゼロ点の安定性が更に向上
する。
【0049】さらに、第11の実施の形態は、ガスセン
サを構成する各要素の間をガラスペーストまたは無機接
着剤によりシール接合するものである。
【0050】ガラスペースト,無機接着剤はペースト化
し、スクリーン印刷することにより、必要なパターンを
作製することができ、ペーストを所定のパターンに塗
布,印刷した後、目的の要素同士を焼成して接合するこ
とによりガスセンサが構成される。そして、白金電極お
よび白金電極からのリード線の取り出し部を避けて、有
効なパターンで強固な接合を得ることができる。
【0051】以下、本発明の実施例について図1ないし
図9を参照して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1におけるガスセ
ンサの断面概念図を示すものである。図1において、1
は加熱手段で、鉄クロムやニクロムなどの電熱線をコイ
ル状にして接触加熱させる手段、あるいは厚膜印刷によ
り形成した抵抗膜により加熱する手段などを用いること
ができる。ガスセンサは、以下に説明するような形態に
構成され、加熱手段1により、動作に必要な300〜5
00℃の温度域に加熱されて用いる。2は酸素イオン導
電体で、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やセリ
ア安定化ジルコニア(CSZ)などのセラミックバルク
を適用することができる。3は酸素イオン導電体2の両
面上に形成した一対の白金電極、4は一対の白金電極3
の上にそれぞれ配置した平均細孔径が1000Å以下の
一対の多孔体、5は一方の多孔体4の上に配置した酸化
触媒を含有する多孔体層である。そして、これら酸素イ
オン導電体2と、一対の白金電極3,3と、一対の多孔
体4,4と、多孔体層5とを順次積層して板状のガスセ
ンサが形成される。
【0052】多孔体層5は、酸化触媒を含有し、通気性
を有する層で、酸素,一酸化炭素のようなガスを容易に
通過させ、その通過する際に、酸化触媒が活性を発揮し
て一酸化炭素を完全に酸化する。また、多孔体層5は、
金属またはセラミックなどからなる多孔体の内部に、貴
金属系または金属酸化物系の酸化触媒を担持または保持
させることにより構成される。このようにして構成した
酸化触媒を含有する多孔体層5は、200〜300℃の
温度条件の下で、十分に一酸化炭素を完全酸化する能力
を発揮するが、ガスセンサ6の動作温度は、加熱手段1
により300〜500℃に設定されているため、一酸化
炭素を酸化するには、十分に余裕を持った状態にある。
【0053】酸素イオン導電体2はセラミックバルクの
形態で適用し、セラミックバルクは、酸素イオン導電体
の原料組成物をプレス成型法やドクターブレードなどに
より成型した後、焼成し、ついで所定の寸法に切断して
形成している。
【0054】白金電極3を形成するには、酸素イオン導
電体2の表面を、所定のパターンにマスキングした状態
で、スパッタリング法または電子ビーム蒸着法などの薄
膜法で形成することができ、また、別の形成法として
は、白金系ペーストを用いて所定のパターンにスクリー
ン印刷をした後、焼成する厚膜印刷法でも形成すること
ができる。また、酸素イオン導電体2を形成するセラミ
ックバルクの焼成前におけるグリーンシートを用い、ス
クリーン印刷した後、セラミックの焼結も含めて同時焼
成することにより、白金電極3を形成することもでき
る。なお、白金電極3は、使用時の特性を安定させるた
め、すなわち熱影響により白金が凝集することを避ける
ため、あらかじめ、1000℃以上の温度で1時間程
度、焼成しておくことが望ましい。
【0055】多孔体4は、ガスが白金電極3へ流入する
のを規制する目的で配置しているが、セラミック多孔体
を基材とし、皮膜処理により平均細孔径が1000Å以
下になるように制御して作製されるのが好ましい。すな
わち、アルミナあるいはジルコニアなどを焼結法により
作製した細孔径が0.1〜1μmのセラミック製多孔性
基材を用い、ゾル−ゲル法もしくはCVD法により細孔
制御皮膜を形成し、1000Å以下の平均細孔径に細孔
を制御して作製する。用いるセラミック製多孔性基材
は、セラミック粉末をそのまま、もしくは樹脂などの有
機化合物と混合して所定の形状に成型し、ついで、完全
焼結する温度よりも低温側で焼結して作製するが、この
焼結法で作製される多孔性基材の平均細孔径は、0.1
μmが限度である。したがって、ガスセンサに用いるた
めには、焼結法で作製された多孔性基材の細孔は、コー
ティングにより形成した皮膜により孔径を制御処理する
必要がある。なお、焼結法で作製された多孔性基材は精
密濾過膜として一般に市販されているので、この市販品
をセラミック製多孔性基材として用いることができる。
【0056】次に、ゾル−ゲル法により細孔制御皮膜を
形成して、細孔を制御する方法について説明する。
【0057】ジルコニウムイソプロボキシドやテトラエ
トキシシランなどの金属アルコキシドを加水分解した
後、塩酸等の触媒条件の下で縮重合させてゾル溶液を作
成する。このゾル溶液と貫通する孔をもつセラミック製
多孔性基材とを接触させ、例えば多孔性基材をゾル溶液
中に浸漬させると、毛細管現象によりゾル溶液が孔内に
吸引され、この状態でゾル溶液を乾燥させると、多孔性
基材の細孔内でゾル溶液の濃縮、さらにはゲル化が起こ
り、さらに、加熱すると、ゲル化から焼結が進行し、細
孔を制御するコーティング膜が形成される。また、ゾル
溶液を多孔性基材を用いて濾過することによりコーテン
グ膜を形成することもできる。
【0058】このように、孔内にゲル化したゾルを存在
させることにより、細孔径を制御することができる。そ
して、多孔性基材における細孔表面の濡れ性,ゾルの溶
剤,ゾルの濃度,浸漬時間,セラミックの引き上げ速度
などを調整することにより、1000Å以下の比較的均
質な細孔径を持つ多孔体4が得られる。
【0059】このようにして作製した多孔体4における
細孔内でのガス流の特性は、平均細孔径のレベルにより
異なるが、1000Å〜10Åの平均細孔径の場合に
は、クヌッセン拡散特性を示し、分子量の平方根に逆比
例するガス透過特性を示すことが確認されている。ま
た、平均細孔径が10Å以下になると、高分子量のガス
は通過させないので有効な分子篩効果を示すことも確認
されている。さらに、孔の内部に形成したゲル皮膜との
相互作用により、ガス透過性に選択性が発生する。すな
わち、ガス分子とゲル分子との分子間には、永久双曲子
間の相互作用による配向力、および永久双曲子と誘起双
曲子との間の誘起力、ならびにファンデルワールス相互
作用による力などに基づく分散力により、ガス透過の選
択性、表面拡散性が発生する。
【0060】酸化触媒を含有する多孔体層5は、セラミ
ックまたは金属の通気性多孔体を用い、その表面上に酸
化触媒を担持する方法で形成することができるが、酸化
触媒および多孔形成材等を混合したバインダー系の触媒
材を用い、乾式法または湿式法により、通気性多孔体の
表面に触媒皮膜を形成しても良い。また、酸化触媒の層
を、平均細孔径が1000Å以下の多孔体の表面に直接
形成しても良いし、酸化触媒を含有する多孔層のみを単
独で形成し、これを平均細孔径が1000Å以下の多孔
体の表面に接合して形成しても良い。
【0061】ガスセンサは、以上説明したようにして形
成した各要素を、接合剤6により接合し、図1に示すよ
うな積層構造の固体電解質型とする。なお、接合剤6と
しては、例えば、ガラスペーストや金属リン酸塩やアル
カリ金属珪酸塩などの無機接着剤を用いることができ
る。
【0062】このような形態の固体電解質型のガスセン
サは、その耐久特性の点で最も課題となる白金電極3
が、多孔体4により十分に保護されているので、ゼロ点
の経時的なドリフトが極めて少なく、信頼性の高い特性
を示すものが得られる。なお、酸化触媒を含有する多孔
体層5の表面は保護されていないが、酸化触媒それ自体
は、白金電極3と比較して反応温度の面および膜厚の面
からも十分余裕があるので、特性に問題が生ずることは
ない。
【0063】(実施例2)図2は、本発明の実施例2に
おけるガスセンサの断面概念図を示すものである。基本
的な構成は、実施例1の場合と同様であるが、酸化触媒
を含有しない多孔体層7を配置していることが相違す
る。すなわち、細孔径が1000Å以下の一方の多孔体
4の表面には、酸化触媒を含有した多孔体層5を配置
し、他方の多孔体4の表面には、酸化触媒を含有しない
多孔体層7を配置している。
【0064】実施例1の場合には、白金電極3への拡散
抵抗を比較すると、酸化触媒を含有する多孔体層5が存
在することに起因する拡散抵抗によって、酸化触媒を含
有する多孔体層5が存在する側におけるガスの透過が、
他方側よりも劣るため電極間の酸素濃度にズレを生ずる
ので、経時的には、ゼロ点は安定したものとなるが、初
期におけるゼロ点のズレを補正する必要がある。
【0065】しかし、この実施例の場合は、この初期に
おけるゼロ点のズレを除去するため、酸化触媒を含有す
る多孔体層5による拡散抵抗に見合う拡散抵抗を、酸化
触媒を含有しない多孔体層7を配置することで補正する
ものである。これにより、ガスセンサのゼロ点における
微妙なズレは修正され、また、酸化触媒を含有しない多
孔体層7を設けることで、1000Å以下の平均細孔径
を持つ多孔体4は、汚染などから保護される。なお、こ
の酸化触媒を含有しない多孔体層7を設けた場合の基本
的な動作や効果は、実施例1の場合と同様である。
【0066】(実施例3)図3(A)は、本発明の実施
例3におけるガスセンサの断面概念図を示し、図3
(B)は、同ガスセンサにおけるヒータ膜層の模式図を
示している。図3(A)において、2は酸素イオン導電
体で、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やセリア
安定化ジルコニア(CSZ)などのセラミックバルクを
適用することができる。3は酸素イオン導電体2の両面
上に形成した一対の白金電極、4は一対の白金電極3の
上にそれぞれ配置した平均細孔径が1000Å以下の一
対の多孔体、5は一方の多孔体4の上に配置した酸化触
媒を含有する多孔体層、8は他方の多孔体4の上に配置
したヒータ膜層である。
【0067】多孔体層5は、酸化触媒を含有し、通気性
を有する層で、酸素,一酸化炭素のようなガスを容易に
通過させ、その通過する際に、酸化触媒が活性を発揮し
て一酸化炭素を完全に酸化する。酸化触媒を含有する多
孔体層5とは反対側に位置する多孔体4の表面には、ヒ
ータ膜層8が形成されている。このヒータ膜層8は、平
均細孔径が1000Å以下の多孔体4において、白金電
極3が配置された面とは反対側の面に、図3(B)に示
すように、耐熱性や耐食性の観点から貴金属系皮膜を用
い、無電解メッキ法や厚膜印刷法などにより、所定のパ
ターンおよび所定の抵抗値を持つように設計して形成さ
れている。このヒータ膜層8は、電圧を加えて発熱さ
せ、ガスセンサとしての動作に必要な400〜500℃
の温度が得られるようになっている。なお、貴金属系皮
膜からなるヒータ膜層8における抵抗値の温度特性を利
用することにより、ヒータ膜層8の温度制御をすること
もできる。実施例1において説明した方法により、細孔
制御をして平均細孔径を1000Å以下とした多孔体4
を用い、その片面に、メッキや厚膜印刷によりパターン
を形成したのち、この多孔体4と、両面に白金電極3を
配置した酸素イオン導電体2とをガラスペーストなどの
接合剤6により接合する。このような形態に構成するこ
とにより、特性の安定化および長寿命化が達成されたガ
スセンサが得られる。
【0068】(実施例4)図4は、本発明の実施例4の
ガスセンサにおける酸化触媒を含有する多孔体層の断面
概念図を示すものである。図4において、10はセラミ
ック繊維層で、酸化触媒9を担持したものは多孔体層5
に適用することができる。酸化触媒9は、遷移金属酸化
物または複合酸化物を含む粉末、またはアルミナなどの
セラミック粉末の表面上に白金やパラジウムなどの貴金
属を担持したものよりなる。セラミック繊維層10は、
アルミナ繊維,シリカ・アルミナ繊維,ジルコニア繊維
などの繊維を一種以上用いてセラミックペーパー層に形
成している。
【0069】多孔体層5として形成するには、例えば、
セラミック繊維と酸化触媒粉末とをアルミナゾルやコロ
イダルシリカなどのバインダーとともに懸濁して水溶液
化し、ついで、これを濾過し、乾燥し、焼成する抄紙法
を用いることにより、通気性に優れた不織布状のセラミ
ック繊維層10の中に酸化触媒9を適度に分散させた多
孔体層5を得ることができる。このようにして形成した
多孔体層5は、極めて優れた酸化触媒の活性を有し、空
気の透過性も良好なものとなり、酸化触媒の配合量およ
びセラミック繊維の密度などを調整することで、触媒活
性に余裕を持たせ、しかも十分な通気性を備えた多孔体
層5に形成することができる。そして、この酸化触媒を
含有する多孔体層5を適用することで、活性が高く、S
2 などの被毒ガスにも強い通気性の触媒層が得られ、
長寿命のガスセンサを実現することができる。
【0070】また、酸化触媒9を担持していないセラミ
ック繊維層は、酸化触媒を含有しない多孔体層7として
も用いることができる。
【0071】(実施例5)図5は、本発明の実施例5の
ガスセンサにおける酸化触媒を含有する多孔体層の断面
概念図を示すものである。
【0072】図5において、11はプラズマ溶射により
形成した溶射皮膜層で、酸化触媒9を保持している。1
2は酸化触媒9とともにプラズマ溶射皮膜を形成する皮
膜形成粉末である。この溶射皮膜層11は、酸化触媒9
および皮膜形成粉末12により形成され、多孔体層5に
適用することができる。
【0073】プラズマ溶射法は、成膜速度が早く、多孔
質皮膜が形成し易いという特長があり、酸化触媒を含有
する多孔性の皮膜の形成には望ましい方法である。プラ
ズマ溶射法によると、何種類かの原料粉末を同時に供給
することができるので、基板に密着する部分は、密着性
の良い組成を構成し、また表面層は、厚み方向にしたが
って触媒の含有量を増大させるような構成にすることも
可能である。貴金属をアルミナなどのセラミック担体に
担持した触媒粉末を供給するか、または遷移金属酸化物
粉末とジルコニア,アルミナ,チタニア,シリカなどの
皮膜形成粉末とを同時に供給するかしてプラズマ溶射法
による溶射皮膜を形成し、溶射皮膜層11とする。原料
粉末の粒度および基材温度を調整することにより、溶射
で形成した皮膜層11の多孔度は調整することができ
る。なお、プラズマ溶射法自体は、微粒子を送り込んで
薄い緻密な皮膜を形成することは苦手であるが、普通に
溶射皮膜を形成する場合は、粗い粒子を用いることにな
るので、厚めで通気性のある多孔体層を形成することが
でき、また、トーチまたはワークを動かすことにより必
要な面積の部分に溶射皮膜を形成することができる。ま
た、成膜速度が早いため、生産性にも優れ、皮膜の機械
的強度も強く、安定性も高いものとなる。そして、酸化
触媒9と皮膜形成粉末12とをプラズマ溶射して形成し
た溶射皮膜層11を、酸化触媒を含有する多孔体層5に
適用することで、長寿命のガスセンサが得られ、生産性
の面でも有利なものとなる。
【0074】(実施例6)図6は、本発明の実施例5の
ガスセンサにおける酸化触媒を含有する多孔体層の断面
概念図を示すものである。
【0075】図6において、13は酸化触媒9を分散保
持した無機耐熱皮膜層で、例えば、以下に説明するよう
な手順で作製され、多孔体層5に適用することができ
る。酸化触媒9は、貴金属系または金属酸化物系のもの
を用い、これをアルカリ金属珪酸塩または金属リン酸塩
の結合材、および基材との熱膨張係数を合わせるための
アルミナ,シリカ,ジルコニアなどの充填材、およびア
ルコール類などの多孔形成材ならびに界面活性剤などの
分散助材を、ボールミルやアトライタなどの分散機によ
り分散させて水系のスラリーを作製し、このスラリーを
基材上に塗布し、乾燥焼成して造膜する。このようにし
て形成した皮膜は、乾燥焼成により、水分を除去したあ
とが空隙になり、しかも酸化触媒9が分散保持された多
孔質な皮膜になるので、酸化触媒を有する多孔体層5と
して用いることができる。
【0076】また、多孔度は、充填材の量、酸化触媒9
の粒径の大きさ、あるいは、アルコール化合物などの多
孔形成材との併用により改善することができる。そし
て、この無機耐熱皮膜層13は、特別な設備を必要とせ
ず、安価に良質で高信頼性を有する多孔性触媒膜を形成
するので、酸化触媒を有する多孔体層5に適用すると、
長寿命のガスセンサが得られ、生産性も優れている。な
お、この無機耐熱皮膜層13を造膜する基材として平均
細孔径が1000Å以下の多孔体を用いると、ガスセン
サの多孔体4に直接接合した形態となり、その信頼性は
高いものとなる。
【0077】(実施例7)図7(A)は、本発明の実施
例7のガスセンサにおける酸化触媒を含有する多孔体層
の断面概念図、図7(B)はその要部拡大模式図を示す
ものである。
【0078】図7において、14は酸化触媒9を分散し
た琺瑯皮膜層である。琺瑯皮膜は、ガラス成分が溶融し
た緻密な皮膜があるが、構成される成分の粒子径を粗く
選定し、セルローズ,ポリビニールアルコール,ポリエ
チレンなどのよう有機物の粒子あるいは繊維を添加して
皮膜を形成すれば、焼成時に除去される有機物のあとが
空隙になり、多孔質な皮膜を得ることができる。そこ
で、このような多孔質な琺瑯皮膜を形成した後に、貴金
属のような酸化触媒9を担持すれば、図7(B)に示す
ように、琺瑯皮膜内部の空隙に酸化触媒9が担持された
多孔性の琺瑯皮膜層14を得ることができる。また、貴
金属のような酸化触媒を担持した粉末および金属酸化物
系の粉末を用い、ガラスフリットおよび基材との熱膨張
係数を合わせるためのセラミック粉末および多孔形成材
とともに、分散してスラリーを作製し、このスラリーを
平均細孔径が1000Å以下の多孔性基材に塗布し、乾
燥焼成することにより、琺瑯皮膜層14を形成すること
もできる。
【0079】琺瑯皮膜を形成する場合においては、ガラ
ス分を焼結するために、最低600℃以上の高い焼成温
度が必要となるが、高い焼成温度により、有機物系の多
孔形成材は完全に燃焼し、有効な空隙が形成されるの
で、長寿命で信頼性の高い多孔性の酸化触媒を含有する
多孔体層5が得られ、高信頼性のガスセンサを実現する
ことができる。
【0080】(実施例8)図8(A)は、本発明の実施
例8のガスセンサにおける酸化触媒を含有する多孔体層
の断面概念図、図8(B)はその要部拡大模式図であ
る。
【0081】図8(A)において、15は酸化触媒9を
担持した金属繊維焼結体層で、金属繊維の不織布を焼結
したものである。この金属繊維焼結体層15は、例え
ば、ジルコニア,セリア,アルミナなどを含有するフェ
ライト系の耐熱ステンレス鋼の繊維を用いて不織布と
し、これを焼結して安定化させ、さらにその繊維表面に
酸化触媒を担持したものである。すなわち、図8(B)
に示すように、ステンレス系耐熱金属焼結体を形成する
金属繊維片16の上に、ウオッシュコート17を介して
酸化触媒9が担持されている。なお、ウオッシュコート
17としては、アルミナゾル,シリカゾルなどで形成し
た多孔性皮膜が望ましく、酸化触媒としては、白金,パ
ラジウムなどの貴金属系の触媒が望ましい。また、ウオ
ッシュコート17に、酸素供給体としての機能をもつセ
リカなどにより補助処理をすると、さらに高活性が得ら
れる。
【0082】このような、酸化触媒9を担持した金属繊
維焼結体層15は、通気性に優れ、高い酸化触媒活性を
持ち、しかも、担持された触媒層の機械的強度も高く、
高信頼性を有するものであるので、酸化触媒を含有する
多孔体層5として用いると、高信頼性のガスセンサを実
現することができる。
【0083】(実施例9)図9は、本発明の実施例9の
ガスセンサにおけるセラミック多孔体の要部断面概念図
を示すものである。平均細孔径が1000Å以下のセラ
ミック多孔体4は基材にアルミナ化合物,ジルコニア化
合物の群から選定して形成した多孔体基板18を用い
る。この多孔体基板18は、アルミナ化合物粉末,ジル
コニア化合物粉末を原料として用い、粒度分布を選定
し、焼成温度を低温側に調整して焼結することにより作
製するか、有機物の微粉末を含有させて成型し、焼結に
より除去された有機物の抜けた空隙を細孔に利用するこ
とにより作製する。多孔体基板18の原料として、アル
ミナ化合物またはジルコニア化合物の群から選定して用
いる理由は、多孔性基材18と白金電極3を配置した酸
素イオン導電体2とを密着させる必要性から、酸素イオ
ン導電体2との熱膨張係数を合わせるためである。この
ような基材を用いることにより、密着させる材料間の熱
膨張係数は近く、耐熱的に安定度の高いガスセンサを形
成することができる。
【0084】また、セラミック多孔体の基材18の平均
細孔径が1000Å以下の多孔体になるように、細孔の
制御をするには、シリカ化合物,ジルコニア化合物の群
から選定した一種以上の化合物からなる皮膜19を形成
することにより実現できる。細孔径が10Å以下になる
と、その細孔内の拡散は、表面拡散または分子篩拡散領
域になり、細孔を形成する壁とガスとの親和性により拡
散特性が支配されるようになる。この条件下で、細孔壁
の表面を親水性材料により構成すると、細孔内で水が凝
縮して細孔が閉塞される懸念があるが、細孔壁の表面を
疎水性材料、例えば、シリカ化合物,ジルコニア化合物
の群から選定した一種以上の化合物よりなる皮膜19を
形成すると、この懸念は解消され、白金電極3を劣化さ
せる亜硫酸ガスも親水性であるため、完全に侵入を阻止
することができる。
【0085】したがって、このようなセラミック多孔体
4を用いたガスセンサは、白金電極3が十分に保護さ
れ、極めて長寿命のガスセンサを実現することができ
る。
【0086】つぎに、効果に関わる実験結果について記
載する。酸素イオン導電体2として、イットリア安定化
ジルコニア(イットリア8mol%品)の市販焼結品
(寸法:10mm×10mm×0.35mm)を用い、
その両面の中央部に、6×8mmの寸法で、以下の形態
の白金電極3を形成した。
【0087】(1)基板温度を250℃とし、スパッタ
リングにより0.5μmの膜厚で白金電極を形成する (2)基板温度を300℃とし、電子ビーム蒸着により
0.5μmの膜厚で白金電極を形成する (3)1300℃で焼成し、焼成膜を厚くする、厚膜印
刷により10μmの膜厚で白金電極を形成する なお、この白金電極3の端部からは、市販の白金ペース
トを用いて、0.1mmの径の白金リード線を取り出し
ている。
【0088】次に、酸化触媒を含有したセラミック繊維
不織布よりなるセラミック繊維層10を多孔体層として
用い、このセラミック繊維層10は、以下の手順で作製
した。先ず酸化触媒については、粒径が40/60メッ
シュのγアルミナの上に、塩化白金酸,塩化パラジウム
の硝酸,塩酸水溶液を吸着させた後、水素化ホウ素ナト
リウム水溶液にて還元して生成した0.1wt%の白金
およびパラジウムを担持して触媒を作製し、ついで、シ
リカアルミナ繊維とともに700g/m2の坪量にて混
抄して厚み1mmのシートとする。
【0089】多孔体層5の基材としては、粒度分布およ
び焼成温度を調整して作製した平均細孔径が0.2μm
で寸法が10mm×10mm×0.8mmのジルコニア
多孔体基板を用い、この基板をジルコニアイソプロポキ
シドを主成分とするアルコキシド溶液に浸漬処理して細
孔制御を行った。細孔制御には、アルコキシドの20W
t%溶液を用い、この溶液を基板に塗り重ねることでよ
り細かい細孔を作製するようにした。
【0090】なお、平均細孔径は、ポロシメータを用
い、水銀圧入法により評価した処、塗り重ね回数が1回
の場合は0.1μm、3回の場合は0.08μm、5回
の場合は0.02μmを示した。また、ポロシメータの
測定には限界があるが、上記の細孔制御の処理操作をす
ることにより、1回の塗り重ねの場合でも、最も細かい
細孔は、20Å程度まで形成されていることが確認され
た。
【0091】以上のようにして作製した各要素を積層し
て図1に示す構成のガスセンサを試作した。なお、ガス
センサを構成するために、各要素を積層して接合する接
合剤としては、市販の無機接着剤「スミセラム」(商品
名)を用いた。
【0092】上記のようにして構成したガスセンサの4
50℃における1000ppmの一酸化炭素ガスに対す
る出力および応答性を評価した結果は(表1)示す通り
で、細孔を制御することにより、出力は低下するが、応
答性はほとんど変化していない。なお、応答性は括弧で
示し、単位は、出力がmV、応答性が秒で表示してい
る。
【0093】
【表1】
【0094】さらに、流通型の試験装置を用い、100
ppmの亜硫酸ガスを通しての加速試験により、上記の
ように構成したガスセンサの耐久性を評価した。未処理
のもの、すなわち、0.2μmの平均細孔径の多孔体基
板を用いた場合は、白金電極の種類に関係なく、ゼロ点
が100mV以上もずれた上に、約50時間で出力が出
なくなった。これに対して、平均細孔径が0.1μm以
下の多孔体基板を用いた場合は、500時間の経過後
も、すべてのガスセンサの出力は、変化がなく、ゼロ点
移動は、厚膜印刷白金電極,スパッタリング白金電極,
電子ビーム蒸着白金電極の順で安定性が高く、いずれも
5mV以内に入っていた。厚膜印刷白金電極を用い、平
均細孔径が0.02μmの多孔体基板を用いた場合は、
ゼロ点のズレが、0.5mV以内と極めて高い安定性を
示した。
【0095】ちなみに、これらのガスセンサを、ガスま
たは石油燃焼機器の排気ガス流路に設置した場合の条件
を想定すると、上記の試験は、50〜100倍程度の加
速性が見込まれ、実燃焼機器においては25000から
50000時間に匹敵するので、ガス給湯機自体のライ
フの5000時間、石油暖房機等のライフの15000
時間に対して、高い安全率を提供することができ、耐久
性に関して優れた効果が期待できる。
【0096】
【発明の効果】本発明のガスセンサは以上説明したよう
な形態で実施され、次のような効果を奏する。
【0097】1)一酸化炭素の検出におけるフェールア
ウトの弱点をカバーすることが出来、素子構成の信頼性
が高く、燃焼機器等に設置するのに好適である。
【0098】2)化学センサの実用面において、従来か
ら最大の課題とされていた耐久性について、妨害ガスの
センサ素子への到達を規制する多孔体を用い、多孔体に
よりセンサの弱点になる電極をガードする構成にするこ
とにより、ガスセンサへの被毒影響を持つ酸性ガスを規
制し、または、完全にブロックして飛躍的な長寿命化が
見込まれ、極めて高信頼性のガスセンサシステムが構築
できる。
【0099】3)構成がシンプルで、プロセス的な生産
性にも優れ、安価なガスセンサが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるガスセンサの断面概
念図
【図2】本発明の実施例2におけるガスセンサの断面概
念図
【図3】(A)本発明の実施例3におけるガスセンサの
断面概念図 (B)同ガスセンサにおけるヒータ膜層の模式図
【図4】本発明の実施例4のガスセンサにおける酸化触
媒を含有する多孔体層の断面概念図
【図5】本発明の実施例5のガスセンサにおける酸化触
媒を含有する多孔体層の断面概念図
【図6】本発明の実施例6のガスセンサにおける酸化触
媒を含有する多孔体層の断面概念図
【図7】(A)本発明の実施例7のガスセンサにおける
酸化触媒を含有する多孔体層の断面概念図 (B)同多孔体層の要部拡大模式図
【図8】(A)本発明の実施例8のガスセンサにおける
酸化触媒を含有する多孔体層の断面概念図 (B)同多孔体層の要部拡大模式図
【図9】本発明の実施例9におけるガスセンサの断面概
念図
【符号の説明】
1 加熱手段 2 酸素イオン導電体 3 白金電極 4 セラミック多孔体 5,7 多孔体層 8 ヒータ膜層 9 酸化触媒 10 セラミック繊維層 11 溶射皮膜層 12 皮膜形成粒末 13 無機耐熱皮膜層 14 琺瑯皮膜層 15 金属繊維焼結体層 18 多孔体基板 19 皮膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱手段を備えたガスセンサにおいて、表
    面に一対の白金電極を形成した酸素イオン導電体の両面
    に、平均細孔径が1000Å以下のセラミック多孔体を
    積層し、その一方のセラミック多孔体の表面には酸化触
    媒を含有する多孔体層を積層したガスセンサ。
  2. 【請求項2】加熱手段を備えたガスセンサにおいて、表
    面に一対の白金電極を形成した酸素イオン導電体の両面
    に、平均細孔径が1000Å以下のセラミック多孔体を
    積層し、その一方のセラミック多孔体の表面には、酸化
    触媒を含有する多孔体層を、他方のセラミック多孔体の
    表面には、酸化触媒を含有しない多孔体層を、それぞれ
    積層したガスセンサ。
  3. 【請求項3】表面に一対の白金電極を形成した酸素イオ
    ン導電体の両面に、平均細孔径が1000Å以下のセラ
    ミック多孔体を積層し、その一方のセラミック多孔体の
    表面には、酸化触媒を含有する多孔体層を、他方のセラ
    ミック多孔体の表面には、ヒータ膜層を形成したガスセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】酸化触媒を含有する多孔体層が、酸化触媒
    を担持したセラミック繊維層である請求項1ないし3の
    いずれか1項記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】セラミック繊維層により、酸化触媒を含有
    しない多孔体層を形成した請求項2記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】酸化触媒を含有する多孔体層が、酸化触媒
    と皮膜形成粉末とのプラズマ溶射皮膜層である請求項1
    ないし3のいずれか1項記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】酸化触媒を含有する多孔体層が、酸化触媒
    を分散保持した無機耐熱皮膜層である請求項1ないし3
    のいずれか1項記載のガスセンサ。
  8. 【請求項8】酸化触媒を含有する多孔体層が、酸化触媒
    を分散保持した琺瑯皮膜層である請求項1ないし3のい
    ずれか1項記載のガスセンサ。
  9. 【請求項9】酸化触媒を含有する多孔体層が、酸化触媒
    を担持した金属繊維焼結体層である請求項1ないし3の
    いずれか1項記載のガスセンサ。
  10. 【請求項10】セラミック多孔体が、アルミナ化合物も
    しくはジルコニア化合物の群から選定した一種以上の化
    合物からなる請求項1ないし9のいずれか1項記載のガ
    スセンサ。
  11. 【請求項11】セラミック多孔体が、アルミナ化合物も
    しくはジルコニア化合物の群から選定した一種以上の化
    合物からなる基板の表面に、シリカ化合物もしくは、ジ
    ルコニア化合物の群から選定した一種以上の化合物の皮
    膜を形成した多孔体である請求項1ないし9のいずれか
    1項記載のガスセンサ。
  12. 【請求項12】積層した各要素の間を、ガラスペースト
    または無機接着剤により接合した請求項1ないし11の
    いずれか1項記載のガスセンサ。
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