JPH10287817A - 親水性共重合体組成物及び感光性組成物 - Google Patents

親水性共重合体組成物及び感光性組成物

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JPH10287817A
JPH10287817A JP10810897A JP10810897A JPH10287817A JP H10287817 A JPH10287817 A JP H10287817A JP 10810897 A JP10810897 A JP 10810897A JP 10810897 A JP10810897 A JP 10810897A JP H10287817 A JPH10287817 A JP H10287817A
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敦浩 神崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、強度に優れ、容易に水で現像ができ
る感光性組成物であって、その感光速度の経日変化が少
ないものを提供する。 【解決手段】 水にブタジエン、エチルアクリレ−ト、
燐酸エチレンメタクリレート、燐酸ビス(エチレンメタ
クリレート)、スチレン、エチレングリコールジメタク
リレート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、過
硫酸カリウム及びt−ドデシルメルカプタンを添加し、
乳化重合反応し、親水性共重合体ラテックスを得、該ラ
テックスに、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o
−クレゾールを添加し、次いで、該ラテックスをラウリ
ルジエタノールアミンの水溶液に添加して、親水性共重
合体を凝固し、凝固物を取り出し、乾燥し、親水性共重
合体組成物を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,親水性共重合体組
成物及び感光性組成物に関する。さらに詳しくは、水現
像タイプの感光性フレキソ版の感光層などに使用する感
光性組成物及びこの感光性組成物に適した親水性共重合
体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から親水性共重合体には、種々の老
化防止剤が配合できるといわれている。例えば、フェノ
ールタイプの老化防止剤を配合した親水性共重合体組成
物が知られている。しかし、このフェノールタイプの老
化防止剤を配合した親水性共重合体組成物、特に、リ
ン、イオウが含有している強酸性系の親水性共重合体組
成物においては、老化防止効果が十分でなく、ムーニー
粘度が経日で変化する。また、該親水性共重合体組成物
を感光性フレキソ版用途等に使用したとき、感光速度が
経日変化して、前記用途における要求特性にばらつきを
生じ、工業的生産に適さないという問題が生じることが
ある。また、親水性共重合体は、通常、乳化重合法で製
造される。その製造工程において、親水性共重合体のラ
テックスを凝固する工程がある。しかし、親水性共重合
体は、多量の親水性基の存在により、凝固性が阻害さ
れ、固体の親水性共重合体を高収率で得ることは困難で
あった。
【0003】親水性共重合体組成物の代表的用途とし
て、水現像可能な感光性フレキソ版やマスキング剤など
に使用する感光性組成物が挙げられる。この感光性組成
物においては、必要な図形パターンをフィルムを通し
て、活性光を照射することによって、露光部が硬化し、
そして、未硬化部分を容易に水で取り除くこと(以下、
現像ということがある。)ができることが要求される。
さらに、感光性組成物は、光の透過性(透明性)が高く
なければならず、また露光部分は各用途において必要な
強度(例えば、サンドブラス用マスキング材では耐摩耗
性などの強度)を有する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、強
度に優れ、容易に水で現像ができる感光性組成物であっ
て、その感光速度の経日変化が少ないものを提供するこ
とを一目的としているものである。さらに、本発明は、
ムーニー粘度の経日変動の小さい親水性共重合体組成物
を提供することを一目的としている。さらに本発明は、
さらに凝固性に優れた親水性共重合体組成物を提供する
ことを一目的としている。本発明者らは、この目的を達
成すべく鋭意研究を重ねた結果、親水性共重合体ラテッ
クスに特定の老化防止剤を添加し、凝固することにより
親水性共重合体の収率が向上し、セラム水とクラムの分
離性も良好となり及び凝固クラムも若干肥大化すること
及び凝固して得られた親水性共重合体組成物のムーニー
粘度の変化が小さくなること、さらに、この親水性共重
合体組成物を用いた感光性組成物が透明性、強度に優
れ、且つ水での現像が容易であること、さらに感光速度
の経日変化が小さくなることを見出し、この知見に基づ
き、本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1)アルキルチオ基またはメルカプト基を有する
フェノール化合物からなる老化防止剤及び親水性共重合
体を含有する親水性共重合体組成物が提供される。
【0006】本発明の親水性共重合体組成物の好適な態
様としては、以下のものが提供される。 (2)さらにビスフェノールタイプまたはビスフェノー
ルAタイプの老化防止剤を含有する前記(1)の親水性
共重合体組成物。 (3)親水性共重合体がリン含有の親水性基を有する共
重合体であることを特徴とする前記(1)又は(2)の
親水性共重合体組成物。 (4)親水性共重合体が燐酸エステル基を有する共重合
体であることを特徴とする前記(1)又は(2)の親水
性共重合体組成物。
【0007】(5)ビスフェノールタイプの老化防止剤
が化1で表される構造のものであることを特徴とする前
記(2)の親水性共重合体組成物。 (6)ビスフェノールAタイプの老化防止剤が化2で表
される構造のものであることを特徴とする前記(2)の
親水性共重合体組成物。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】但し、化1及び化2中のR1及びR2は、そ
れぞれ独立に水素又はアルキル基であり、アルキル基の
炭素数は1〜10の整数であり、望ましくは、2〜5の
整数であり、mは1〜3の整数、nは0〜2の整数であ
る。
【0011】(7)アルキルチオ基またはメルカプト基
を有するフェノール化合物が化3で表される構造のもの
であることを特徴とする前記(1)または(2)の親水
性共重合体組成物。
【0012】
【化3】
【0013】但し、化3中のR1及びR2はそれぞれ独立
に、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基あるいは
水素である。
【0014】本発明によれば、(8)親水性共重合体ラ
テックスにビスフェノールタイプ又はビスフェノールA
タイプの老化防止剤及びアルキルチオ基またはメルカプ
ト基を有するフェノール化合物からなる老化防止剤を添
加した後、凝固することを特徴とする親水性共重合体組
成物の製法が提供される。
【0015】本発明の親水性共重合体組成物の好適な製
法として、以下のごときものが提供される。 (9)親水性共重合体ラテックスがリン含有の親水性基
を有する共重合体ラテックスであることを特徴とする前
記(8)の親水性共重合体組成物の製法。 (10)親水性共重合体ラテックスが燐酸エステル基を
有する共重合体ラテックスであることを特徴とする前記
(8)の親水性共重合体組成物の製法。
【0016】(11)ビスフェノールタイプの老化防止
剤が化1で表される構造のものであることを特徴とする
前記(8)の親水性共重合体組成物の製法。 (12)ビスフェノールAタイプの老化防止剤が化2で
表される構造のものであることを特徴とする前記(8)
の親水性共重合体組成物の製法。
【0017】(13)ビスフェノールタイプ又はビスフ
ェノールAタイプの老化防止剤及びアルキルチオ基また
はメルカプト基を有するフェノール化合物からなる老化
防止剤を乳化剤を用いて、エマルジョン化してから添加
することを特徴とする前記(8)の親水性共重合体組成
物の製法。 (16)アルキルチオ基またはメルカプト基を有するフ
ェノール化合物が化3で表される構造のものであること
を特徴とする前記(8)の親水性共重合体組成物の製
法。
【0018】本発明によれば、前記(1)〜(7)の親
水性共重合体組成物、熱可塑性エラストマー、光重合性
エチレン性不飽和単量体及び光重合性開始剤を含有する
感光性組成物が提供される。
【0019】さらに、本発明によれば、前記感光性組成
物を積層してなる感光性ゴム版が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の親水性共重合体組成物
は、アルキルチオ基またはメルカプト基を有するフェノ
ール化合物からなる老化防止剤及び親水性共重合体を含
有するものであり、好適には、さらにビスフェノールタ
イプまたはビスフェノールAタイプの老化防止剤を含有
するものである。
【0021】本発明の親水性共重合体組成物に含有させ
る老化防止剤はアルキルチオ基またはメルカプト基を有
するフェノール化合物からなるものである。具体例とし
ては、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレ
ゾール、1,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルチオメ
チルフェノール、1−t−ブチル−4−オクチルチオメ
チル−o−クレゾール、4−オクチルチオメチル−2,
6−キシレノール、1−ドデシルチオメチル−o−クレ
ゾール、6−オクチルチオメチル−1,3−キシレノー
ル、1−t−ブチル−4−t−オクチルチオメチル−o
−クレゾールなどや、化3で代表されるものが挙げられ
る。
【0022】アルキルチオ基またはメルカプト基を有す
るフェノール化合物からなる老化防止剤の量は、親水性
共重合体100重量部に対して、通常、0.05〜10
重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.05
重量部未満になると親水性共重合体組成物を用いた感光
性組成物の感光速度の経日変化が大きくなる傾向を示
し、10重量部より多くしても、感光速度の経日変化抑
制効果に変わりがなくなるので、経済的でない。
【0023】本発明の親水性共重合体組成物において
は、凝固性及び老化防止効果を改善するために、さら
に、ビスフェノールタイプ又はビスフェノールAタイプ
の老化防止剤、好適にはビスフェノールAタイプ老化防
止剤を含有させることが好ましい。具体的には2,2’
−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6
−シクロヘキシル・フェノール)、4,4’−メチレン
−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,
4’−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−m−クレ
ゾール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ
−t−ブチルフェノール)、2,2’,6’−トリ−t
−ブチル−4,4’−イソプロピリデン−ジフェノー
ル、4,4’−イソプロピリデン−ビス(2−t−ブチ
ルフェノール)、2−t−ブチル−4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノールなどのアルキル化ビスフェノー
ル、変性アルキル化ビスフェノール、ポリアルキル化ビ
スフェノールA等が挙げられる。これらのうち、化2で
代表的に表されるビスフェノールAタイプの老化防止剤
は、リン酸エステル基のごとき酸性系親水性官能基をも
つ親水性共重合体ラテックスの劣化防止効果、凝固性が
良好になるので好適である。これらのビスフェノールタ
イプまたはビスフェノールAタイプの老化防止剤は1種
または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】ビスフェノールタイプ又はビスフェノール
Aタイプの老化防止剤の量は、親水性共重合体100重
量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは
0.5〜5重量部である。
【0025】本発明の組成物においては、前記特定の老
化防止剤以外に他の老化防止剤を必要に応じて含有させ
ることができる。他の老化防止剤としては、(トリスノ
ニルフェニル)ホスファイト、フェニル−ジイソデシル
ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)
ホスファイト、トリフェニルホスファイト等の亜リン酸
エステル系;N−フェニル−1−ナフチルアミン、p−
(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等
のアミン系老化防止剤;6−エトキシ−2,2,4−ト
リメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン系老
化防止剤;2,5−ジ−(t−アミル)ヒドロキノン、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモ
ノメチルエーテル等のヒドロキノン誘導体系老化防止
剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6―ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノー
ル等のモノフェノール系老化防止剤等が挙げられる。
【0026】本発明で用いる親水性共重合体は、親水性
の官能基を有する常温で固体の共重合体、好適には内部
架橋された共重合体である。親水性の官能基としては、
水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基や、リン
酸エステル基のごときリン含有の親水性基、ホウ酸エス
テル基のごときホウ素含有の親水性基、硫酸エステル基
のごとき硫黄含有の親水性基などが挙げられる。これら
のうちリン酸エステル基のごときリン含有の親水性基、
ホウ酸エステル基のごときホウ素含有の親水性基、硫酸
エステル基のごとき硫黄含有の親水性基などの強酸性の
親水性基、特にリン含有の親水性基を有する共重合体が
好適である。
【0027】親水性共重合体は、通常、親水性の官能基
を含有するエチレン性不飽和単量体及び必要に応じて用
いるその他の単量体を共重合することによって得る。
【0028】親水性の官能基を含有するエチレン性不飽
和単量体としては、燐酸エチレンアクリレート、燐酸ト
リメチレンアクリレート、燐酸プロピレンアクリレー
ト、燐酸テトラメチレンアクリレート、燐酸ジエチレン
グリコールアクリレート、燐酸トリエチレングリコール
アクリレート、燐酸ポリエチレングリコールアクリレー
ト、燐酸エチレンメタクリレート、燐酸トリメチレンメ
タクリレート、燐酸プロピレンメタクリレート、燐酸テ
トラメチレンメタクリレート、燐酸ジエチレングリコー
ルメタクリレート、燐酸トリエチレングリコールメタク
リレート、燐酸ポリエチレングリコールメタクリレート
や、化4で代表的に表される燐酸エステル基含有モノエ
チレン性不飽和単量体;
【0029】
【化4】
【0030】(化4中、R1は水素又はメチル基、R3
びR4はそれぞれ独立に水素またはメチル基、mは好適
には1〜10の整数、nは好適には1〜10の整数であ
る。)
【0031】燐酸ビス(エチレンアクリレート)、燐酸
ビス(トリメチレンアクリレート)、燐酸ビス(テトラ
エチレンアクリレート)、燐酸ビス(ジエチレングリコ
ールアクリレート)、燐酸ビス(トリエチレングリコー
ルアクリレート)、燐酸ビス(ポリエチレングリコール
アクリレート)、燐酸ビス(エチレンメタクリレー
ト)、燐酸ビス(トリメチレンメタクリレート)、燐酸
ビス(テトラエチレンメタクリレート)、燐酸ビス(エ
チレングリコールメタクリレート)、燐酸ビス(トリエ
チレングリコールメタクリレート)、燐酸ビス(ポリエ
チレングリコールメタクリレート)や、化5で代表的に
表される燐酸エステル基含有ジエチレン性不飽和単量
体;
【0032】
【化5】
【0033】(化5中、R1及びR2はそれぞれ独立に水
素又はメチル基、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立
に水素またはメチル基、m及びkは独立に1〜10の整
数が好ましく、n及びlは独立に1〜10の整数が好ま
しい。)
【0034】メタクリロニトリル、アクリロニトリル等
のシアン化ビニル単量体;
【0035】ビニルホスホン酸、ジメチルビニルホスホ
ン酸、ジエチルビニルホスホン酸、ジイソプロピルビニ
ルホスホン酸、ジイソブチルビニルホスホン酸、ジブチ
ルビニルホスホン酸、フェニルビニルホスホン酸や、化
6で代表的に表される単量体;p−ビニルベンゼンホス
ホン酸や、化7で代表的に表される単量体等のホスホン
酸基含有モノエチレン性不飽和単量体;
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】(化6及び化7中の、R1は水素またはメ
チル基である。)
【0039】ジビニルホスホン酸、ビス(ジエチルビニ
ル)ホスホン酸、ビス(ジメチルビニル)ホスホン酸、
ビス(ジイソプロピルビニル)ホスホン酸、ビス(ジイ
ソブチルビニル)ホスホン酸、ビス(ジブチルビニル)
ホスホン酸、ビス(フェニルビニル)ホスホン酸のごと
き化8で表されるホスホン酸基含有ジエチレン性不飽和
単量体;
【0040】
【化8】
【0041】(化8中の、R1及びR2は独立に水素また
はメチル基である。)
【0042】ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナ
トリウム等のスルホン基、スルホキシド基あるいはスル
ホン酸基含有ビニル単量体;2−スルホエチル(メタ)
アクリレートや化9で代表的に表されるスルホキシド
基,スルホン基あるいは,スルホン酸基含有(メタ)ア
クリレート;
【0043】
【化9】
【0044】(化9中の、R1は水素又はメチル基、R3
及びR4はそれぞれ独立に水素またはメチル基、mは好
適には1〜10の整数、nは好適には1〜10の整数で
ある。)
【0045】ボルニル(メタ)アクリレート、2−ボル
ニルエチル(メタ)アクリレートのごとき化10で表さ
れるホウ酸基含有モノエチレン性不飽和単量体;
【0046】
【化10】
【0047】(化10中の、R1は水素又はメチル基、
3及びR4はそれぞれ独立に水素またはメチル基、mは
好適には1〜10の整数、nは好適には1〜10の整数
である。)
【0048】アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性
不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラ
コン酸、イタコン酸のごときエチレン性不飽和多価カル
ボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル
等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化
物;
【0049】ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
メチルアミノエチルアクリレート、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチルアクリルアミドのごときアミノ基およびア
ミド基含有モノエチレン性不飽和単量体;
【0050】2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタク
リレートのごとき水酸基含有モノエチレン性不飽和単量
体;などが挙げられる。
【0051】これら親水性官能基を有する単量体のう
ち、リンを含有する親水性の官能基が好ましく、特に、
リン酸エステル基含有のモノエチレン性不飽和単量体と
リン酸エステル基含有のジエチレン性不飽和単量体とを
組み合わせて用いるのが好ましい。
【0052】親水性官能基を有する単量体の量は、親水
性共重合体を得るために用いる全単量体のうち、通常、
1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。リ
ン酸エステル基含有のモノエチレン性不飽和単量体(以
下、PM1ということがある。)とリン酸エステル基含
有のジエチレン性不飽和単量体(以下、PM2というこ
とがある。)とを組み合わせて用いる場合には、PM1
の量とPM2の量との重量比([PM1]/[PM
2])が、通常、95/5〜20/80、好ましくは8
0/20〜30/70である。
【0053】親水性官能基を有する単量体と共重合させ
る単量体として好適なものは、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジ
エンのごとき共役ジエン単量体、特に1,3−ブタジエ
ンである。共役ジエン単量体を共重合させて得られた親
水性共重合体を感光性フレキソ版に成形した場合に版の
強度バランス、水現像速度が向上する。共役ジエンの量
は、親水性共重合体ラテックスを得るために用いる全単
量体のうち、通常、30〜90重量%、好ましくは45
〜80重量%である。
【0054】親水性官能基を有する単量体と共重合させ
る単量体として好適なものは、エチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート等の多価アル
コールのアクリル酸エステル、及びこれらに対応するメ
タクリル酸エステル;ジビニルベンゼン、トリビニルベ
ンゼン等の多官能の芳香族ビニル単量体;などの多価ビ
ニル化合物、特にエチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレートである。多価ビニ
ル化合物を共重合させることによって得られる親水性共
重合体を感光性フレキソ版に成形した場合に版の強度バ
ランスが向上する。多価ビニル化合物の量は、親水性共
重合体ラテックスを得るために用いる全単量体のうち、
通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であ
る。
【0055】親水性官能基を有する単量体と共重合させ
る単量体としてその他に挙げられるものは、スチレン、
O−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、3−ジメチ
ルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニ
ルアントラセン等の芳香族ビニル単量体;
【0056】アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸
イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘ
キシルアクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソ
アミルメタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸エチルヘキ
シル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸グリシジル
等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;
【0057】アリルグリシジルエーテル等のエチレン性
不飽和グリシジルエーテル;などである。これらの単量
体は、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用しても
差し支えない。
【0058】本発明に用いる親水性共重合体は、前記単
量体をラジカル重合、好適には乳化重合して得る。重合
に用いる開始剤、乳化剤等は、特に限定されない。
【0059】本発明の親水性共重合体組成物の製法は、
特に限定されないが、好適には、親水性共重合体のラテ
ックスにビスフェノールタイプ又はビスフェノールAタ
イプの老化防止剤及びアルキルチオ基またはメルカプト
基を有するフェノール化合物からなる老化防止剤(以
下、これら2種の老化防止剤を併せて「前記特定の老化
防止剤」ということがある。)を添加して凝固する方法
が挙げられる。アルキルチオ基またはメルカプト基を有
する化合物からなる老化防止剤及びビスフェノールタイ
プまたはビスフェノールAタイプの老化防止剤を添加す
る方法としては、前記特定の老化防止剤をそのまま親水
性共重合体のラテックスに添加するか、前記特定の老化
防止剤を溶媒に溶解した後、添加するか、あるいは前記
特定の老化防止剤を乳化剤を用いてエマルジョン化した
後、添加する。これらの添加方法のうち、前記特定の老
化防止剤を乳化剤を用いてエマルジョン化した後、親水
性共重合体のラテックスに添加する方法が共重合体のラ
テックスに前記特定の老化防止剤が均一に混合されるの
で特に好ましい。従来のように、親水性共重合体のラテ
ックスを凝固して固形ポリマーにした後、前記特定の老
化防止剤を添加すると、ポリマーの劣化防止が充分でな
くなる場合がある。
【0060】本発明の親水性共重合体組成物の製法にお
いて、親水性共重合体のラテックスを凝固させる手段及
び方法は特に限定されないが、三級アミン、四級アンモ
ニウム塩、化11で表される化合物、硫酸塩、塩酸塩,
金属塩等の凝固剤を用いて凝固するのが好適である。特
に、三級アミン、四級アンモニウム塩、化11で表され
る化合物が凝固性が良好である。
【0061】
【化11】
【0062】(化11の式中の、R1は一価の炭化水素
基、R2及びR3はそれぞれ二価の炭化水素基であり、そ
れらは、たがいに同一でも異なっていてもよく、n及び
mはそれぞれ0〜60の整数で一方は必ず1以上であ
る。)
【0063】三級アミンとしては、N,N−ジメチルス
テアリルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、
N,N−ジメチルフェニルアミン、N,N−ジメチルナ
フチルアミン、N,N−ジエチルステアリルアミン、
N,N−ジエチルラウリルアミン、N,N−ジフェニル
アミン、N,N−ジエチルナフチルアミン、N−エチル
−N−メチルフェニルアミン、N−エチル−N−メチル
ラウリルアミン、N−エチル−N−メチルナフチルアミ
ン、N−エチル−N−プロピルアニリンなどが挙げられ
る。
【0064】四級アンモニウム塩としては、ラウリルト
リメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチル
クロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、
ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドなどのラテ
ックス配合において公知のカチオン性界面活性剤が挙げ
られる。
【0065】化11で表される化合物としては、N−モ
ノ(ポリオキシエチレン)ドデシルアミン、N−モノ
(ポリオキシプロピレン)ドデシルアミン−N−モノ
(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン等のアルキル
アミンエチレンオキシド誘導体やアルキルアミンプロピ
レンオキシド誘導体;N,N−ビス(ポリオキシエチレ
ン)ドデシルアミン、N,N−ビス(ポリオキシプロピ
レン)ドデシルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチ
レン)ステアリルアミン等のアルキルアミンエチレンオ
キシド誘導体やアルキルアミンプロピレンオキシド誘導
体等が挙げられる。これらのアミン化合物からなる凝固
剤は一種類で用いても、二種類以上を組み合わせて用い
ても良い。
【0066】凝固剤は、通常、0.1〜10重量%の水
溶液として用いる。そして、この凝固剤水溶液に前記親
水性共重合体ラテックスを添加する。しかる後、この系
全体を、凝固が完全になるまで5℃〜80℃の間の温度
にて攪拌する。
【0067】このようにして親水性共重合体のラテック
スを凝固させたのち,脱水,乾燥などの公知の手法によ
る処理を行うことにより,親水性共重合体組成物を得る
ことができる。
【0068】本発明の感光性組成物は、前記の親水性共
重合体組成物、熱可塑性エラストマー、光重合性エチレ
ン性不飽和単量体及び光重合開始剤とを含有するもので
ある。
【0069】(熱可塑性エラストマー)本発明の感光性
組成物に用いる熱可塑性エラストマーは、熱可塑性非エ
ラストマー状重合体ブロックからなるハードセグメント
と、エラストマー状重合体ブロックからなるソフトセグ
メントとを有するブロックポリマーである。
【0070】熱可塑性非エラストマー状重合体ブロック
からなるハードセグメントは、通常、芳香族ビニル単量
体を主構成単位とする重合体である。ハードセグメント
を構成する芳香族ビニル単量体単位の量は、ハードセグ
メントの、通常、50重量%以上、好ましくは70重量
%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。ハー
ドセグメントの重量平均分子量は、通常、3,000〜
200,000、好ましくは8,000〜100,00
0である。
【0071】エラストマー状重合体ブロックからなるソ
フトセグメントは、共役ジエン単量体を主構成単位とす
る重合体である。ソフトセグメントを構成する共役ジエ
ン単量体単位の量は、ソフトセグメントの、通常、50
重量%を超える量、好ましくは60重量%以上、さらに
好ましくは80重量%以上である。50重量%以下で
は、感光性組成物を用いて得られる感光性ゴム版の強度
バランスが悪くなる。ソフトセグメントの重量平均分子
量は、通常、5,000〜500,000、好ましくは
10,000〜300,000である。
【0072】ハードセグメントとソフトセグメントとの
重量比は、通常、(ハードセグメント/ソフトセグメン
ト=)5/95〜95/5、好ましくは10/90〜9
0/10、さらに好ましくは15/85〜75/25で
ある。
【0073】熱可塑性エラストマーは、その全体の重量
平均分子量が、通常、8,000〜2,000,00
0、好ましくは18,000〜1,000,000、特
に好ましくは50,000〜400,000のものであ
る。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーを用いて測定し、標準ポリスチレンの分
子量に換算した値である。
【0074】本発明感光性組成物の成分である熱可塑性
エラストマーは、ハードセグメントAとソフトセグメン
トBとの組合せ構造によって限定されず、例えば、一般
式(A−B)n、(A−B)n−A、(A−B)n−A−
B、B−(A−B)n−A−B、(A−B)m−X、
((A−B)n−A)m−X、(B−A−(B−A)nm
−X、(B−A−(B−A)n−B)m−X(但し式中、
Aはハードセグメント、Bはソフトセグメント、Xはカ
ップリング剤又は多官能イオン重合開始剤の残基、nは
1〜10、好ましくは1〜5の整数、mは2〜10、好
ましくは2〜5の整数である。カップリング剤としては
四塩化スズ、四塩化ケイ素、エポキシ化エステル、ポリ
ビニル化合物、カルボン酸エステル、ポリハロゲン化炭
化水素などが挙げられ、多官能イオン重合開始剤として
は多官能有機リチウム化合物などが挙げられる。)で表
されるものが挙げられる。これらのうち一般式A−B−
Aまたは(A−B)2−Xで表される構造のものが好ま
しい。
【0075】ソフトセグメントとハードセグメントとは
直接に結合されていてもよい。ソフトセグメントの単量
体単位の組成から、ハードセグメントの単量体単位の組
成へ漸次変化していく単量体単位組成を有するテーパー
部を設けたA−B型の熱可塑性エラストマーを前記A−
B−Aまたは(A−B)2−Xで表される構造の熱可塑
性エラストマーと併用すると現像速度が速くなるので好
ましい。
【0076】熱可塑性エラストマーの好適なものとして
は、その共役ジエン単量体単位部分のビニル結合含有量
が、通常、15〜70%、好ましくは25〜55%のも
のが挙げられる。ビニル結合含有量が多くなると、感光
性ゴム版の透明性及び強度バランスが良くなり、また洗
浄速度が速くなる。
【0077】ビニル結合含有量は、熱可塑性エラストマ
ー中に1,2−結合、3,4−結合または1,4−結合
の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体単位の
うち、1,2−結合又は3,4−結合の結合様式で組み
込まれた共役ジエン単量体単位の割合である。ビニル結
合含有量は核磁気共鳴装置を用いて測定して得られる値
である。
【0078】本発明感光性組成物における熱可塑性エラ
ストマーの量は、熱可塑性エラストマーと後記親水性共
重合体との合計量100重量部のうち、15〜65重量
部、好ましくは30〜50重量部である。
【0079】(光重合性エチレン性不飽和単量体)本発
明の感光性組成物に用いる光重合性エチレン性不飽和単
量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルトル
エン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアン
トラセン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等の
芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;
【0080】アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸
イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘ
キシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イ
ソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸エチル
ヘキシル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ヒドロキ
シエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸グリシジル、エチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナ
ンジオールジメタクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタ
クリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシプロピレングリコールアクリレート、マレ
イン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等のエチレン性不
飽和カルボン酸エステル単量体;アリルグリシジルエー
テル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル;
【0081】1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン;アクリ
ル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン
酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸
等のエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノ
エチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和
多価カルボン酸の部分エステル化物;燐酸エチレンアク
リレート、燐酸トリメチレンアクリレート、燐酸プロピ
レンアクリレート、燐酸テトラメチレンアクリレート、
燐酸ビス(エチレンアクリレート)、燐酸ビス(トリメ
チレンアクリレート)、燐酸ビス(テトラメチレンアク
リレート)、燐酸ジエチレングリコールアクリレート、
燐酸トリエチレングリコールアクリレート、燐酸ポリエ
チレングリコールアクリレート、燐酸ビス(ジエチレン
グリコールアクリレート)、燐酸ビス(トリエチレング
リコールアクリレート)、燐酸ビス(ポリエチレングリ
コールアクリレート)及びこれらに対応するメタクリレ
ート等の燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体な
どが挙げられる。
【0082】光重合性エチレン性不飽和単量体の量は、
熱可塑性エラストマーと親水性共重合体との合計量10
0重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10
〜100重量部である。5重量部未満では活性光による
感光性組成物の硬化が不十分となるため、感光性ゴム版
の強度が低下する。逆に100重量部を超えると感光性
ゴム版の強度及び耐溶剤性が低下する。
【0083】(光重合開始剤)本発明の感光性組成物に
用いる光重合開始剤としては、ジアセチル、ベンジル等
のα−ジケトン;ベンゾイン、ピバロイン等のアシロイ
ン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロイン
エーテル;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等の
多核キノン;などが挙げられる。
【0084】光重合開始剤の量は、熱可塑性エラストマ
ーと親水性共重合体との合計量100重量部に対して、
0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部であ
る。0.1重量部未満では活性光による感光性組成物の
硬化が不十分となるため、感光性ゴム版の強度が低下す
る。逆に10重量部を超えると光重合速度が低下する。
【0085】本発明の感光性組成物には、その他の成分
として必要に応じて可塑剤、保存安定剤などを配合する
ことができる。
【0086】可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン
油等の炭化水素油;分子量3000以下のポリスチレン
又はポリアクリレート;前述の液状共役ジエン系重合体
以外の液状1,2−ポリブタジエン、液状1,4−ポリ
ブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、液状スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられ
る。
【0087】保存安定剤としては、ヒドロキノン、ピロ
ガロール、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコ
ール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフ
ェノール;ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロ
キノン等のキノン;フェニル−α−ナフチルアミン等の
アミンなどが挙げられる。
【0088】本発明の感光性組成物は、通常、ニーダー
やロールミルなどの混練機を用いて、前記成分を混練し
て調製する。混練の順序は、特に限定されないが、均一
な組成物を得るために、親水性共重合体と熱可塑性エラ
ストマーとを混練した後、光重合性エチレン性不飽和単
量体と光重合開始剤とを添加して混練するのがよい。
【0089】本発明の感光性ゴム版は、前記感光性組成
物を積層してなるものである。感光性ゴム版は、通常、
板状に形成されている。図1にみられるように、本発明
の感光性ゴム版には、通常、ベースフィルム4、スリッ
プフィルム3、プロテクターフィルム7が積層される。
【0090】ベースフィルム4は感光性ゴム版の一方の
版面に積層されるものである。ベースフィルム4は感光
性ゴム版を後記支持板に積層する際に剥される。ベース
フィルムは可撓性の樹脂で形成される。可撓性の樹脂と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。また感光
性ゴム版1を支持板に積層する際にベースフィルム4が
感光性ゴム版1から剥がれ易くするためにベースフィル
ム4の感光性ゴム版面に接触する面に剥離層(図示せ
ず)を設けることが好ましい。剥離層は、通常、シリコ
ーン、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂などで形成され
る。図1中の参照番号2は、ベースフィルム4を剥した
後に、感光性ゴム版を支持板(図2中の参照番号5)に
積層させるための接着性組成物の層である。ベースフィ
ルム4は、感光性ゴム版を支持板に積層しない場合に
は、感光性ゴム版1から剥がれないように接着されるこ
とがある。
【0091】スリップフィルム3は、感光性ゴム版のベ
ースフィルムを積層していない版面に積層させるもので
ある。感光性組成物の表面は、通常、粘着性が強いの
で、その表面に直接原画フィルムを載置すると、感光性
ゴム版と原画フィルムとの間に気泡が入り込み、活性光
の乱屈折が起きて、レリーフの再現性が悪化するうえ、
原画フィルムが汚染されて再利用ができないという問題
を生じることがあるが、しかし、スリップフィルムを積
層することによって、上記問題が解消される。
【0092】スリップフィルムは非粘着性の水溶性高分
子化合物により形成される。水溶性高分子としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリエチレンイミン及びそれらの誘導体などが挙げ
られる。これらのうちポリビニルアルコールが好まし
く、特にケン化度65〜80モル%で、温度20℃にお
けるヘブラー粘度計で測定した時の粘度が10cp以下
のポリビニルアルコールが好ましい。
【0093】スリップフィルムの厚さは、通常、0.5
〜10μmである。厚すぎると原画フィルムとの密着不
良が生じやすい。薄すぎると原画フィルムの粘着防止効
果が小さくなる。
【0094】スリップフィルムを感光性ゴム版に積層す
るには、水溶性高分子化合物の溶液を版面に直接塗被す
る方法を採用することができるが、通常、後記のプロテ
クターフィルムに水溶性高分子化合物の溶液を塗被して
得られるプロテクターフィルムとスリップフィルムとの
積層物を、感光性ゴム版の上にスリップフィルムが接触
するように該積層フィルムを密着する方法が採用され
る。
【0095】プロテクターフィルムは感光性ゴム版のベ
ースフィルムを積層した側とは反対側の面に積層される
ものである。通常、前記のスリップフィルムが感光性ゴ
ム版とプロテクターフィルムとの間に介在するように積
層される。プロテクターフィルムは感光性ゴム版を貯蔵
又は搬送する時に外力により変形するのを防ぐためのも
のであり、露光に先立って原画フィルムをスリップフィ
ルムの上に載置する際に剥される。
【0096】プロテクターフィルムは可撓性樹脂で形成
される。可撓性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等
が挙げられる。また、プロテクターフィルムをスリップ
フィルムから剥がれ易くするためにプロテクターフィル
ムの面に剥離層を設けることが好ましい。剥離層は、通
常、シリコーン、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂などで
形成される。プロテクターフィルムの厚さは通常、75
〜200μm、好ましくは100〜150μmである。
薄すぎるとフィルム強度が不足し、成形した感光性ゴム
版が変形しやすくなる。逆に厚すぎるとフィルム強度が
強すぎるので感光性ゴム版からの剥離が困難になる。
【0097】本発明の感光性ゴム版を段ボール印刷用途
に用いる場合などには、図2に示すように、前記感光性
ゴム版を支持板に積層して使用する。
【0098】支持板5は、通常、エラストマーからなる
板である。支持板を形成するエラストマーとしては天然
ゴム、合成ゴム、軟質塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
またフレキソ印刷時の印圧を調整するために支持板とし
て発泡体から形成されるものを用いることができる。
【0099】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが,本発明は,これらの例によってなんら限定され
るものではない。なお,実施例,比較例中の部及び%
は,特に断りのない限り重量基準である。
【0100】親水性共重合体ラテックスの凝固性の評価
は,下記の試験方法に基づいて行った。 [分離速度]親水性共重合体ラテックスを凝固剤である
N−モノ(ポリオキシエチレン)ラウリルアミンと水と
を添加後、3分間攪拌する。攪拌を止めて、一分後、水
相とクラム相とに固液分離した状態の水相の体積を求め
た。
【0101】[水の状態]親水性共重合体ラテックスを
凝固剤であるN−モノ(ポリオキシエチレン)ラウリル
アミンと水とを添加後、3分間攪拌する。攪拌を止め
て、一分後、水相とクラム相とに固液分離した状態の水
相の濁度を紫外可視分光光度計にて測定した値を水の状
態とした。
【0102】[クラムの回収率]親水性共重合体ラテッ
クスを凝固剤であるN−モノ(ポリオキシエチレン)ラ
ウリルアミンと水とを添加後、3分間攪拌する。あらか
じめ2mmΦの篩の重さW1を測定し,攪拌停止一分
後、2mmΦの篩にて固液分離を実施し、篩を80℃に
て2時間熱風乾燥後の篩の重さW2を測定し、(W2−
W1)で算出されるクラムの重さを親水性共重合体ラテ
ックス中の固形分で割り100を掛けた値をクラムの回
収率とした。
【0103】[ムーニー粘度の経日変化]親水性共重合
体組成物のムーニー粘度(ML1+4)を、凝固、乾燥後
から1000日間、測定した。乾燥後1日目、200日
目、300日目及び400日目の値から、ムーニー粘度
の値の変化値を求め、その平均値を経日変化(Δt/
日)の指標とした。
【0104】実施例1 オートクレーブに、水200部を仕込み、次いでブタジ
エン60部、エチルアクリレ−ト18部、燐酸エチレン
メタクリレート7.6部、燐酸ビス(エチレンメタクリ
レート)3.9部、スチレン10部、エチレングリコー
ルジメタクリレート0.5部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.3部及びt−
ドデシルメルカプタン0.4部を添加し、50℃に加熱
して乳化重合反応を開始し、重合転化率が95%に達し
た時点で停止剤を添加して反応を終了し、水冷して親水
性共重合体ラテックスを得た。この親水性共重合体ラテ
ックス1500部(固形分:495部)に、4,6−ビ
ス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(化12参
照)5部をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムで乳
化したものを攪拌しながら添加した。
【0105】水2200部に凝固剤であるラウリルジエ
タノールアミン10部を添加し、攪拌して得られた凝固
剤液に、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−ク
レゾール含有の親水性共重合体ラテックスを全量添加し
て、親水性共重合体を凝固し、凝固物を取り出し、乾燥
し、親水性共重合体組成物を得た。分離速度を測定した
ところ30cc/minであり、水の濁度の測定値は、
65.9%であり、クラムの回収率は84.2%であっ
た。この親水性共重合体組成物のムーニー粘度の経日変
化(Δt/日)は0.024であった。
【0106】
【化12】
【0107】比較例1 4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール
5部に変えてポリブチル化ビスフェノールA(化13、
化14、化15及び化16を主成分とするもの)5部を
用いた他は実施例1と同様にして共重合体組成物を得
た。分離速度を測定したところ90cc/minであ
り、水の状態は、透明であり、水の濁度の測定値は、9
9.5%であり、クラムの回収率は97.1%であっ
た。この共重合体組成物のムーニー粘度の経日変化(Δ
t/日)は0.143であった。
【0108】
【化13】
【0109】
【化14】
【0110】
【化15】
【0111】
【化16】
【0112】実施例2 4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール
5部に変えて、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−
o−クレゾール2.5部及びポリブチル化ビスフェノー
ルA2.5部を用いた他は実施例1と同様の操作を行っ
た。分離速度は、90cc/minであり、水の状態
は、透明であり、水の濁度の測定値は、98.9%であ
り、クラムの回収率は97.9%であった。この親水性
共重合体組成物のムーニー粘度の経日変化(Δt/日)
は0.022であった。4,6−ビス(オクチルチオメ
チル)−o−クレゾールとポリブチル化ビスフェノール
Aとを併用することで、クラム回収率が高くなり且つム
ーニー粘度変化が小さくなった。
【0113】実施例3 4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール
5部に変えて、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−
o−クレゾール2.5部及びトリス(ノニルフェニル)
ホスフェート2.5部を用いた他は実施例1と同様の操
作を行った。分離速度は、30cc/minであり、水
の濁度の測定値は、82.1%であり、クラムの回収率
は76.4%であった。この親水性共重合体組成物のム
ーニー粘度の経日変化(Δt/日)は0.072であっ
た。
【0114】比較例2 4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール
5部に変えて、ポリブチル化ビスフェノールA2.5部
及びトリス(ノニルフェニル)ホスフェート2.5部を
用いた他は実施例1と同様の操作を行って共重合体組成
物を得た。分離速度は、80cc/minであり、水の
濁度の測定値は、93.1%であり、クラムの回収率は
92.1%であった。この共重合体組成物のムーニー粘
度の経日変化(Δt/日)は0.169であった。
【0115】実施例4 比較例1と同様にして共重合体組成物を得た後、該共重
合体組成物495部に4,6−ビス(オクチルチオメチ
ル)−o−クレゾール1部をニーダー(混練機)を用い
て混練し、次いで、ロールを用いてシート成形した親水
性共重合体組成物を得た。この共重合体組成物のムーニ
ー粘度の経日変化(Δt/日)は0.023であった。
【0116】感光性組成物及び感光性ゴム版の評価は、
下記の試験法に基づいて行った。
【0117】[洗浄性]感光性ゴム版を30mm×30
mmの小片に裁断し、この小片を、感光性フレキソ版用
洗出機(日本電子精機製JOW−A2−SS型)を用い
て、濃度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル水溶液で洗浄し、小片の厚みが2mm
に到達するまでの時間を求め、下記の基準により洗浄性
の優劣を表示した。 a:7分未満 b:7分以上9分未満 c:9分以上11分未満 d:11分以上13分未満 e:13分以上 評点aが最も洗浄性に優れており、b〜c〜d〜eの順
に洗浄性に劣っているこを示す。
【0118】[透明性]感光性ゴム版を30mm×30
mmの大きさに裁断した試料について、マクベス濃度計
(透過型)を用いて透過濃度を測定した。数値が小さい
方が透明性に優れていることを示す。
【0119】[レリーフ画像の再現性]感光性ゴム版の
一方の面を、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2
−SS型)を用いて、硬化層の厚さが1.5mm程度に
なるように露光した。次に、露光していない面のポリエ
ステルフィルムを剥し、再現性評価用のネガフィルムを
表面に密着させて、この面を、前記紫外線露光機を用い
て15分間露光した。ネガフィルムを取り除き、濃度2
%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル水溶液で未露光部分をブラシを用いて除去した。
その後、70℃で20分間乾燥し、未露光部分が除去さ
れた面を前記紫外線露光機を用いて10分間再露光し
て、再現性評価用のレリーフを作製した。このレリーフ
を50倍の実体顕微鏡で観察し以下の基準で評価した。
【0120】凸細線再現性:ネガフィルムの凸細線と同
一幅で、歪み、太りがなく再現されている凸細線の最低
幅を測定した。数値が小さい方が凸細線再現性に優れて
いることを示す。
【0121】凹細線再現性:0.7mm幅凹細線の溝の
深さを測定した。数値が大きい方が凹細線再現性に優れ
ていることを示す。
【0122】[強度バランス]レリーフ画像の再現性の
評価で用いた版の平面部をJIS K−6301「引張
試験方法」に準拠して、引張速度500mm/分、標線
距離20mmの条件で、破断時における引張強度と伸び
との積(抗張積)を求めた。抗張積の値が大きい方が強
度バランスが優れていることを示す。
【0123】[感光速度の経日変化]感光性ゴム版を2
0mm×160mmの大きさに裁断し、これの一方の面
を20mm×20mm単位で、0.5分、1分、2分、
3分、4分、6分及び8分間、紫外線露光機(日本電子
精機製、JE−A2−SS型)を用いて露光し、次い
で、もう一方の面のポリエステルフィルムを剥がし、濃
度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル水溶液で、未露光部分をブラシで除去し、7
0℃、20分で乾燥後、ブラシで洗浄した部分を前記紫
外線露光機を用いて10分間、露光して、各露光時間で
の厚みを測定し、該データから厚み25mmになる露光
時間を内挿法により求め、その径日変化を120日間観
測し、一日あたりの平均変化で表した。
【0124】参考例1 窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶に脱水精
製シクロヘキサン2300部、テトラメチルエチレンジ
アミン0.4部及びn−ブチルリチウム0.8部を仕込
み、次いでスチレン100部を添加して70℃で1時間
重合した。その後、重合缶内を70℃に保ったまま1,
3−ブタジエン800部を1時間かけて添加し、添加終
了後、さらに30分間重合し、次いでスチレン100部
を添加して70℃で1時間重合し、最後にメタノール
0.05部を添加してブロック共重合体の溶液を得た。
【0125】この溶液に2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール5部及びトリスノニルフェニルホスフ
ェート5部を添加し、スチーム凝固法にて溶媒を除去
し、さらに真空乾燥機を用いて水分を除去して、A−B
−A型ブロック共重合体(ブロックA=ポリスチレン、
含有量19.8%、重量平均分子量1.05万;ブロッ
クB=ポリブタジエン、含有量80.2%、ビニル結合
量30.2%、重量平均分子量11.3万;全体の重量
平均分子量13.4万)を得た。
【0126】参考例2 窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶に1,3
−ブタジエン580部、シクロヘキサン8500部及び
テトラメチルエチレンジアミン0.16部を仕込み、そ
こへn−ブチルリチウム0.64部をn−ヘキサン溶液
にして添加し、重合缶内容物を50℃に加熱して重合を
開始した。重合反応に伴い反応缶内の温度は80℃に上
昇した。1,3−ブタジエンの重合反応終了後、スチレ
ン30部及び1,3−ブタジエン120部を添加し、引
き続き重合反応を1時間進行させた。その後、スチレン
270部を30分間にわたって逐次添加して重合をさら
に続けた。全ての単量体の重合反応が終了した後、メタ
ノール1.6部を添加して反応を停止させ、さらに2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール10部を添加し、
水蒸気を吹き込むことにより生成重合体を凝固した。次
いでロールを用いて水絞りを行い、60℃で24時間減
圧乾燥し、テーパードA−B型ブロック共重合体を得
た。
【0127】実施例5 実施例1で得られた親水性共重合体組成物55部、参考
例1で得られたA−B−A型ブロック共重合体30部と
参考例2で得られたテーパードA−B型ブロック共重合
体15部、液状ポリブタジエン(日本曹達社製ニッソー
PB、B1000)55部及び2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール0.2部を、ニーダーを用いて、15
0℃で、均一になるまで混練した後、ニーダー温度を1
20℃に下げ、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト10部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
10部、ベンゾインメチルエーテル1部及びメチルハイ
ドロキノン0.02部を添加して、さらに混練し感光性
組成物を得た。
【0128】この感光性組成物をスペーサー厚み3mm
で、上下が開口した枠金型に入れ、枠金型の開口部の上
下に厚さ0.1mmのポリエステルフィルムを被覆し、
プレス加工機を用いて110〜130℃、150kgf
で加熱加圧後、冷却することにより、総厚み3mmの感
光性ゴム版を得た。
【0129】この感光性組成物は、透明性、洗浄性、強
度バランス及び画像再現性に優れており、フレキソ印刷
版として実用可能な性能を有している。具体的な評価結
果を表1に示した。
【0130】
【表1】
【0131】実施例6〜8 実施例5において使用した実施例1で得られた親水性共
重合体組成物を、実施例2〜4で得られた親水性共重合
体組成物にそれぞれ変えた他は実施例5と同様にして感
光性組成物及び感光性ゴム版を得た。その結果を表1及
び表2に示した。
【0132】比較例3〜4 実施例5において使用した実施例1で得られた親水性共
重合体組成物を、比較例1〜2で得られた親水性共重合
体組成物にそれぞれ変えた他は実施例5と同様にして感
光性組成物及び感光性ゴム版を得た。その結果を表2に
示した。
【0133】
【表2】
【0134】表1及び表2から、4,6−ビス(オクチ
ルチオメチル)−o−クレゾールのごときアルキルチオ
基を有する化合物からなる老化防止剤を含有する感光性
組成物(感光性ゴム版)は、透明性、強度バランス、水
現像性に優れており、しかも、感光速度の経日変化が小
さいことが分かる。特にアルキルチオ基を有する化合物
からなる老化防止剤と、ポリブチル化ビスフェノールA
からなる老化防止剤とを併用した場合には、親水性共重
合体組成物の凝固性が高くなり且つ感光速度の経日変化
が小さくなっていることが分かる。
【0135】
【発明の効果】本発明の親水性共重合体組成物は、ムー
ニー粘度の経日変動が小さい。また、この親水性共重合
体組成物を用いて得られる感光性組成物は、その透明
性、強度バランスに優れ且つ容易に水で現像ができ、し
かも感光速度の経日変化が小さいので、特性のばらつき
が小さくなる。さらに本発明の親水性共重合体の製法に
よれば、ムーニー粘度の経日変動が小さく且つ凝固性に
優れているので、高収率で安定した親水性共重合体組成
物を提供することができ、工業的大量生産に適してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光性ゴム版を含むフレキソ印刷用
積層物の一つの例を示す断面図。
【図2】 本発明の感光性ゴム版を含むフレキソ印刷用
積層物の別の例を示す断面図。
【符号の説明】
1 感光性ゴム版 2 接着性組成物の層 3 スリップフィルム 4 ベースフィルム 5 支持板 7 プロテクターフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 6/22 C08F 6/22 265/00 265/00 273/00 273/00 275/00 275/00 C08K 5/13 C08K 5/13 5/37 5/37 C08L 57/04 C08L 57/04 G03F 7/00 502 G03F 7/00 502 7/004 501 7/004 501 G03G 5/05 101 G03G 5/05 101

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルチオ基またはメルカプト基を有
    するフェノール化合物からなる老化防止剤及び親水性共
    重合体を含有する親水性共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 さらにビスフェノールタイプまたはビス
    フェノールAタイプの老化防止剤を含有する請求項1記
    載の親水性共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 親水性共重合体ラテックスにビスフェノ
    ールタイプ又はビスフェノールAタイプの老化防止剤及
    びアルキルチオ基またはメルカプト基を有するフェノー
    ル化合物からなる老化防止剤を添加した後、凝固するこ
    とを特徴とする親水性共重合体組成物の製法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の親水性共重合体
    組成物、熱可塑性エラストマー、光重合性エチレン性不
    飽和単量体及び光重合性開始剤を含有する感光性組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の感光性組成物を積層して
    なる感光性ゴム版。
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