JPWO2006051863A1 - フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、フレキソ印刷版用感光性構成体としては、ポリエステルフィルムなどを支持体とし、その上に、上記感光性樹脂組成物、さらに、必要に応じて該感光性樹脂組成物の上にネガフィルムとの接触をなめらかにする目的で、スリップ層若しくは保護層、又は赤外レーザーで切除可能な赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層が設けられたものが一般的である。
また、製版した印刷版では、印刷版の細線の再現性が低かったり、印刷中や印刷終了時に印刷版の表面に付着したインキを拭取る時に印刷版の文字等が欠けたりする問題がある。
例えば、特許文献1〜2には、熱可塑性エラストマーに、スチレンブタジエンブロック共重合体やスチレンイソプレンブロック共重合体を用いることが提案されているが、該共重合体の分子量が小さいため、印刷版の耐欠け性は必ずしも十分ではない。
また、特許文献4〜5には、多官能カップリング剤で結合した分岐数が3以上の高分子量のブロック共重合体が提案されているが、2個のブロックからなるブロック共重合体の量が十分でなく、樹脂組成物の成型性や印刷版の細線再現性が必ずしも十分ではない。
さらに、特許文献6には、多官能カップリング剤で結合した分岐数が3以上のブロック共重合体が提案されているが、該ブロック共重合体の分子量が小さいため、印刷版の耐欠け性は必ずしも十分でなく、該ブロック共重合体の含有量が十分でないため、樹脂組成物の成型性や印刷版の細線再現性が必ずしも十分ではない。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、及び光重合開始剤(c)を必須成分として含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、熱可塑性エラストマー(a)が、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとからなるブロック共重合体(イ)と、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックとブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとからなる分岐状ブロック共重合体(ロ)とを含むブロック共重合体組成物であって、且つ該熱可塑性エラストマー(a)中の該モノアルケニル芳香族化合物単位が10〜28質量%であり、そして該熱可塑性エラストマー(a)中の該ブロック共重合体(イ)が15〜50質量%、及び該ブロック共重合体(イ)の数平均分子量(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量)が5〜15万であり、該分岐状ブロック共重合体(ロ)の数平均分子量(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量)が20〜40万であることを特徴とする上記フレキソ印刷用感光性樹脂組成物。
3.前記熱可塑性エラストマー(a)が、非ハロゲン系の多官能カップリング剤を用いて製造されたものである上記1.又は2.に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記分岐状ブロック共重合体(ロ)の主成分が3分岐ブロック共重合体である上記1.〜3.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
5.前記熱可塑性エラストマー(a)が酸化防止剤(ただしBHT(2,6−tert−ブチル−p−クレゾール)を除く)を含む上記1.〜4.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
7.前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系化合物である上記6.に記載の感光性樹脂組成物。
8.スクリュー押出し機の第一区域に熱可塑性エラストマー(a)を計量供給し、第一区域に続く区域の二つ以上の供給開口部にその他の成分を供給し、該熱可塑性エラストマー(a)及び該その他の成分を混合することを含む上記1.〜7.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
9.支持体と、その面上に形成された上記1.〜8.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の層とを含んでなる積層構造を有するフレキソ印刷版用感光性構成体。
本発明に必須の熱可塑性エラストマー(a)の含有量は、感光性樹脂組成物100質量部に対して、10〜70質量部の範囲が好ましい。
この熱可塑性エラストマー(a)とは、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとからなるブロック共重合体(イ)(但し、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量が5〜15万である。)と、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックとブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとからなる分岐状ブロック共重合体(ロ)(但し、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量が20〜40万である。)とを含むブロック共重合体組成物である。
モノアルケニル芳香族化合物の量は、熱可塑性エラストマー(a)中、10〜28質量%で、はじめて樹脂組成物の良好な成型性、細線再現性及び耐カケ性を得ることができる。
熱可塑性エラストマー(a)中のブロック共重合体(イ)の数平均分子量(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量)は5〜15万である。5万以上で、耐コールドフロー性や耐欠け性を得ることができる。成型性の点から、15万以下が好ましい。
熱可塑性エラストマー(a)中の分岐状ブロック共重合体(ロ)の数平均分子量(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量)は20〜40万である。20万以上で、耐コールドフロー性や耐欠け性を得ることができる。成型性の点から、40万以下が好ましい。より好ましくは、20〜35万である。
一般式:
(A−B)n−X、(A−B)nA−X、又は(B−A)nB−X
(式中、Aはモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックであり、Bはブタジエンを主体とする重合体ブロックであり、nは2以上の整数である。Xは3官能以上の多官能カップリング剤残基を示す)で示されるブロック共重合体である。
また、熱可塑性エラストマー(a)に含まれる主にブタジエン単位からなるポリマーブロック中の1,2−ビニル結合量は、熱可塑性エラストマー(a)の耐熱性、得られる樹脂組成物の耐欠け性の観点から、1〜30mol%が好ましく、より好ましくは3〜25mol%、さらに好ましくは3〜20mol%である。
さらに、熱可塑性エラストマー(a)には、必要に応じて、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤の添加は任意の方法で行えばよく、例えば重合終了後、溶液中に添加してもよいし、乾燥後、例えばロール等で添加混練してもよい。
、使用温度において液状又は固体状である化合物であれば、どのような化合物でも用いることができる。
光重合性不飽和単量体(b)の含有量は、組成物100質量部に対して、0.5質量部から30質量部の範囲が好ましい。
可塑剤としては、常温で流動性のある液状のもので、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステルなどが挙げられる。これらの可塑剤の分子構造に光重合性の反応基が付与されていても構わない。
この時に、混練ムラをより抑制する目的で、熱可塑性エラストマー(a)を、押出機の好ましくは第一区域に計量供給し、その他の成分を続く区域の二つ以上の供給開口部から供給して該熱可塑性エラストマー(a)及び該その他の成分を混合する方法がより好ましい。この場合、より均一に混合する目的で、その他の成分の供給比率としては、第1供給開口部にその他の成分の10質量%〜40質量%を供給する方法が好ましい。
保護フィルムや支持体は通常感光性樹脂組成物のシート成形後、ロールラミネートによ
り感光性樹脂組成物に密着させ、ラミネート後加熱プレスすると一層厚み精度の良い感光
性樹脂層を得ることができる。
未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、又はブラシによるブラッシングで行われる。得られた印刷版はリンス洗浄、乾燥後してからその表面に波長300nm以下の光を照射し、また必要に応じて300nmよりも大きい光で後露光処理を実施して仕上げをする。
なお、以下の製造例で得られる熱可塑性エラストマー(a)の分析は次の「(1)熱可塑性エラストマーの分析」に依り、そして、感光性樹脂組成物の成型性、硬化前の感光性構成体の耐コールドフロー性及び吸湿濁りの抑制、製版した印刷版の細線(凹線と凸線)再現性及び耐欠け性は次の「(2)評価方法」に依った。
1−1)ブロック共重合体の全スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度から算出した。
1−2)分岐状ブロック共重合体(ロ)の数平均分子量及びブロック共重合体(イ)の組成比
GPC(装置はウォーターズ社製、カラムは、ポリマーラボラトリー社製のMINIMIX(商品名)3本の組み合わせ。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃、流速0.4ml/分、試料濃度0.1重量%、注入量40μlである。)のクロマトグラムから、分岐状ブロック共重合体(ロ)の数平均分子量及びブロック共重合体(イ)の組成比を求めた。なお、数平均分子量は、以下の標準ポリスチレン検量線(ウォーターズ社製。1.54×106、4.1×105、1.10×105、3.5×104、8.5×103、及び1.8×103の標準試料を使用。)からの換算値である。
(2−1)感光性樹脂組成物の成型性
感光性樹脂組成物を、押出機ZSK−25(Werner製、商品名)を用いて、ダイスのリップ幅2mm×100mmに、樹脂温度140℃、押出量5kg/hで供給したときに、目視で成型性を評価した。幅方向に均一に平滑に成型できる方が良く、○とし、流動性が低く、表面が凹凸のムラになると問題であり、×とした。
(2−2)耐コールドフロー性
露光を行っていない厚み3mmの感光性構成体を5cm×5cmに切り出し、全面に28g/cm2の荷重をかけて40℃で24時間静置した後の厚み変化を測定した。この測定で感光性構成体の厚み減少率が3.0%を超えると、感光性構成体の保存又は輸送された場合に版が変形することがあるため問題であり、×とした。
露光を行っていない厚み3mmの感光性構成体を5cm×5cmに切り出し、40℃湿度80%(RH)で7日間経時した後の版の濁度をヘーズメータ1001D(日本電飾工業製、商品名)を用いて測定した。濁度が25%を超えると、感光性構成体が多湿下で保管され濁り、露光において光散乱で再現性が悪化するため問題であり、×とした。
(2−4)印刷版の細線(凹線と凸線)再現性
レリーフ画像の500μmの凹細線と凸細線の形状を、顕微鏡を用いて評価した。凹細線の溝が深く、且つ凸細線がシャープで太りがないものが良く、○とし、凹細線の溝が浅く、凸細線がシャープでなく太った場合は問題であり、×とした。
(2−5)耐欠け性
印刷版の耐欠け性を、擬似的に、図1に示すように、8ポイントから12ポイントの大きさの文字があるネガフィルム1を用いて印刷版2を作成し、NP式耐刷力試験機(新村印刷株製、商品名、接触体:布、大きさ8cm×6cm、荷重1kg)を用いて接触体3を300回左右に擦ったときの文字の破壊の程度を顕微鏡で観察した。文字が破壊されていなければ○、文字が破壊されていれば×、とした。ただし、画像再現性が×のものは評価を中止した。
(製造例1〜3、及び比較製造例2、3)
ジャケットと攪拌機の付いた10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、及びスチレン220gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分1.25g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)780gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して最高温度約90℃に達してから4分後に、カップリング剤としてテトラメトキシシランを0.92g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後から、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。
得られたブロック共重合体の溶液を抜き出し、水10gを添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、及び2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、次の表1の製造例1の分析値を有する熱可塑性エラストマー(a)のサンプルを得た。
また、スチレン仕込量、n−ブチルリチウム添加量、及びテトラメトキシシラン添加量を変量した以外は製造例1と同様の方法により、次の表1の製造例2,3、及び比較製造例2、3の分析値を有する熱可塑性エラストマー(a)のサンプルを得た。
ジャケットと攪拌機の付いた10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、及びスチレン300gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分1.45g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)700gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して最高温度約90℃に達してから4分後に、カップリング剤として四塩化ケイ素を0.86g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後から、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。
得られたブロック共重合体の溶液を抜き出し、水10gを添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、及び2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、次の表1の比較製造例1の分析値を有する熱可塑性エラストマー(a)のサンプルを得た。
ジャケットと攪拌機の付いた10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、及びスチレン300gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分0.96g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)700gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して最高温度約90℃に達してから4分後に、カップリング剤としてジブロモエタンを1.25g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後から、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。
得られたブロック共重合体の溶液を抜き出し、水10gを添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、及び2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、次の表1の比較製造例4の分析値を有する熱可塑性エラストマー(a)のサンプルを得た。
(1)感光性樹脂組成物及び感光性構成体の作成
製造例1〜3及び比較製造例1〜4のスチレンブタジエンブロック共重合体の各55質量部に、液状ゴムLIR−305(クラレ製、商品名)25質量部、炭化水素スモイルP350P(松村石油製、商品名)10質量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート3.0質量部、1,9−ノナンジオールジメタクリレート5.0質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5質量部及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.5質量部を、ニーダを用いて140℃で60分間混合し感光性樹脂組成物を得た。得られた感光性樹脂組成物を、熱可塑性エラストマーを含有する接着剤がコートされた厚さ125μのポリエステルフィルムの支持体と、厚さ4μのポリアミド層を有する100μのポリエステル製カバーシートとで挟み、3mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で200kg/cm2の圧力を4分間かけてフレキソ印刷版用感光性構成体を成形した。
上記(1)のフレキソ印刷版用感光性構成体のカバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にあるポリアミドの保護膜層の上にネガフィルムを密着させ、AFP−1500露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)上で、370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から300mJ/cm2の全面露光を行った後、引き続きネガフィルムを通して6000mJ/cm2の画像(レリーフ)露光を行った。
このときの露光強度を、オーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いて測定した。バック露光を行う側である下側ランプからの紫外線をガラス板上で測定した時の紫外線の強度は10.3mW/cm2、レリーフ露光側である上側ランプからの紫外線を測定した時の紫外線の強度は12.5mW/cm2であった。次いで、3−メトキシブチルアセテートを現像液として、AFP−1500現像機(旭化成ケミカルズ製、商品名)の回転するシリンダーに版を両面テープで貼り付けて、液温25℃で5分間現像を行い、60℃で2時間乾燥させた。
その後、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて版表面全体に2000mJ/cm2 、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cm2の後露光を行ってフレキソ印刷版を得た。なおここで殺菌灯による後露光の線量は、MO−2型機のUV−25フィルターを用いて測定された照度から算出したものである。
実施例1〜3、及び比較例1〜4で得られた感光性樹脂組成物の成型性、硬化前の感光性構成体の耐コールドフロー性及び吸湿濁りの抑制、製版した印刷版の細線(凹線と凸線)再現性及び耐欠け性の評価試験結果の一覧を次の表1の1)〜5)に示す。
この結果から熱可塑性エラストマー(a)中のモノアルケニル芳香族化合物量が28質量部を超えると、成型性が悪化し、細線再現性及び耐欠け性が低下することが分かる。また、ブロック共重合体(イ)の含有量が10質量%未満では、成型性が低下したり、細線再現性が低下することが分かる。
そして、分岐状のブロック共重合体(ロ)の分子量が、20万未満では、耐コールドフロー性が低下したり、耐欠け性が低下することが分かる。
実施例4では、実施例1と同じ熱可塑性エラストマーを、2軸スクリュー押出機の第一区域に計量供給した。実施例5では、実施例1の比較製造例1で、熱可塑性エラストマー(a)に添加した酸化防止剤の代わりに、表1に示す安定剤を加えたそれぞれの熱可塑性エラストマーを、2軸スクリュー押出機の第一区域に計量供給した。実施例1〜3及び比較製1〜4と同じ樹脂組成物の組成から、熱可塑性エラストマーを除くその他の成分を、続く区域の二つの供給開口部から供給して、熱可塑性エラストマー(a)及びその他の成分を混合した。その結果、初期の混合物の版性能は同等であったが、2軸スクリュー押出機に続くダイス出口から出てくる溶液に未溶解のゲル状物が発生してくるまでの時間が、実施例5の2,6−tert−ブチル−p−クレゾールでは、実施例4に比べてかなり短くなり、ダイスや配管の清掃頻度が増えた。
Claims (9)
- 熱可塑性エラストマー(a)、光重合性不飽和単量体(b)、及び光重合開始剤(c)を必須成分として含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、該熱可塑性エラストマー(a)が、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとからなるブロック共重合体(イ)と、モノアルケニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックとブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとからなる分岐状ブロック共重合体(ロ)とを含むブロック共重合体組成物であって、且つ該熱可塑性エラストマー(a)中の該モノアルケニル芳香族化合物単位が10〜28質量%であり、そして該熱可塑性エラストマー(a)中の該ブロック共重合体(イ)が15〜50質量%、及び該分岐状ブロック共重合体(ロ)の数平均分子量(GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量)が20〜40万であることを特徴とする上記感光性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマー(a)に含まれる主にブタジエン単位からなるポリマーブロック中の1,2−ビニル結合量が1〜30mol%である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマー(a)が、非ハロゲン系の多官能カップリング剤を用いて製造されたものである請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記分岐状ブロック共重合体(ロ)の主成分が3分岐ブロック共重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマー(a)が酸化防止剤(ただしBHT(2,6−tert−ブチル−p−クレゾール)を除く)を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記酸化防止剤が、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾール、2,4−ビス(n−ドデシルチオメチル)−O−クレゾール、2,4−ビス(フェニルチオメチル)−3−メチル−6−tert−ブチルフェノール、イオウ系化合物、及びリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系化合物である請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- スクリュー押出し機の第一区域に熱可塑性エラストマー(a)を計量供給し、第一区域に続く区域の二つ以上の供給開口部にその他の成分を供給し、該熱可塑性エラストマー(a)及び該その他の成分を混合することを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
- 支持体と、その面上に形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の層とを含んでなる積層構造を有するフレキソ印刷版用感光性構成体。
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