JP4868920B2 - フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 - Google Patents
フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4868920B2 JP4868920B2 JP2006106219A JP2006106219A JP4868920B2 JP 4868920 B2 JP4868920 B2 JP 4868920B2 JP 2006106219 A JP2006106219 A JP 2006106219A JP 2006106219 A JP2006106219 A JP 2006106219A JP 4868920 B2 JP4868920 B2 JP 4868920B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- thermoplastic elastomer
- photosensitive resin
- molecular weight
- mixture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Materials For Photolithography (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Description
フレキソ印刷版用の構成体としては、ポリエステルフィルムなどを支持体とし、その上に、上記の感光性樹脂組成物、さらに、必要に応じて感光性樹脂組成物の上にネガフィルムとの接触をなめらかにする目的で、スリップ層または保護層、もしくは赤外レーザーで切除可能な赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層が設けられるのが一般的である。
このようなフレキソ印刷版用感光性構成体からフレキソ印刷版を製版するには、まず支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、薄い均一な硬化層を設け、次いでネガフィルムを通して、もしくは紫外線遮蔽層の上から直接、感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)を行い、未露光部分を、現像用溶剤で洗い流すか、あるいは熱溶融後に吸収層で吸収除去後に、後処理露光することによって製造されるのが一般的である。
このようなフレキソ印刷版用の構成体の製造では、感光性樹脂組成物を、スクリュウ押出機等で混合後、所望の厚みになるように、カレンダーロール等で一定の厚みで成型されるが、樹脂組成物の流動性が低いと成型性が困難となる。
これまでに、諸性能を改善するために、感光性樹脂組成物に関し、種々の熱可塑性エラストマーの混合物が提案されている。
文献5の実施例には、少なくとも、イソプレンを50wt%以上含有するブロック共重合体の混合物が提案されている。感光性樹脂組成物の分子量分布に関しての記載はない。
文献6の実施例1には、スチレン含有量が40wt%のスチレンブタジエンブロック共重合体と、スチレン含有量が22wt%のスチレンブタジエンブロック共重合体を、感光性樹脂組成物に対して、それぞれ、45wt%と15wt%含有したスチレン含有量が高い樹脂組成物が提案されている。また、実施例2では、スチレンイソプレンブロック共重合体とスチレンブタジエンブロック共重合体の混合物が提案されている。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記の新規な感光性樹脂組成物を用いることで、該課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
1. 少なくとも、(a)ブロック中の60wt%以上がブタジエンである重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーの混合物、(b)光重合性モノマーおよび(c)光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、熱可塑性エラストマーの混合物(a)は、上記重合体ブロック中のビニル含有量が5〜20mol%の熱可塑性エラストマーと20〜50mol%の熱可塑性エラストマーとを含有し、熱可塑性エラストマーの混合物(a)中のビニル芳香族炭化水素の含有量が25wt%以下で、且つ、感光性樹脂組成物中に含まれる各成分のうち、数平均分子量(Mn)が5万以上の成分全体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.25以上であることを特徴とする樹脂組成物。
2. 感光性樹脂組成物中に含まれる各成分のうち、数平均分子量(Mn)が5万以上の成分全体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.30以上であることを特徴とする1.に記載の樹脂組成物。
3. 感光性樹脂組成物中に含まれる各成分のうち、数平均分子量(Mn)が5万以上の成分全体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.40以上であることを特徴とする1.に記載の樹脂組成物。
4.感光性樹脂組成物中に、液状の共役ジエンゴムを含有し、且つ、少なくとも1種類の液状の共役ジエンゴム中に含まれるビニル含有量が40mol%以上であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.熱可塑性エラストマーの混合物(a)が、少なくとも、数平均分子量が7万以上の熱可塑性エラストマーを2種類以上含有することを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の樹脂組成物。
7. 熱可塑性エラストマーの混合物(a)が、少なくとも、直鎖構造の熱可塑性エラストマーと、分岐構造の熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の樹脂組成物。
(A−B)n、A−(B−A)n 、A−(B−A)n−B、B−(A−B)n (1)
(上式において、Aはブロック中の60wt%以上がビニル芳香族炭化水素である重合体ブロックを示す。Bはブロック中の60wt%以上がブタジエンである重合体ブロックを示す。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物若しくはハロゲン化シラン化合物であるカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。nおよびkは1以上で、分岐数mは3以上6以下の整数である。カップリング剤化合物は単独で使用してもよいし、2種以上の混合物で使用してもよい。)
9.支持体とその面上に形成された1.〜8.のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層からなる積層構造を有するフレキソ印刷版用感光性構成体。
10.感光性樹脂組成物層上に、赤外レーザーで切除可能であり、赤外線感受性物質を含
む紫外線遮蔽層を有する9.に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
フレキソ印刷用構成体は、支持体層、少なくとも一層の感光性樹脂層、スリップ層あるいは赤外レーザーで切除可能な紫外線遮蔽層等からなるのが一般的である。本願発明は、この感光性樹脂組成物に関する。
本願発明の感光性樹脂組成物に必須の熱可塑性エラストマーの混合物(a)とは、少なくともブタジエンを主体とする重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーの2種以上の混合物である。
混合する熱可塑性エラストマーは、入手性の点で、ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーが好ましい。
本明細書を通じて用いられる「主体とする」という用語は、ブロック中の60wt%以上を指す。80wt%以上がより好ましく、90wt%以上がさらに好ましい。
主体とする以外の成分が、イソプレンである場合には、印刷版の耐磨耗性や耐カケ性の点で、20wt%未満が好ましい。10wt%未満がより好ましい。
本願において熱可塑性エラストマーの混合物(a)は、感光性樹脂構成体の高いコールドフロー性や、印刷版の文字部の高い耐カケ性の点で少なくとも、数平均分子量が7万以上の熱可塑性エラストマーを2種類以上含有することが好ましい。9万以上がより好ましく、11万以上がさらに好ましい。ビニル芳香族炭化水素としては例えばスチレン、P−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンなどの単量体が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックの数平均分子量は、印刷版の微小画像の高い形成性の点で、10万以下が好ましく、感光性樹脂構成体の高い耐コールドフロー性の点で、0.3万以上が好ましい。0.5万から8万の範囲がより好ましく、0.5万から6万の範囲がさらに好ましい。
ブタジエンを主体とする重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーの2種以上の混合物(a)中のビニル芳香族炭化水素の含有量は、25wt%以下にすることで、はじめて、感光性樹脂組成物の高い成型性、印刷版の文字部の高い耐カケ性およびフレキソインキ成分が付着したときの印刷版硬度の高い維持性が得られる。一方、感光性樹脂構成体の高いコールドフロー性の点で、13wt%以上が好ましい。15wt%から24wt%の範囲がより好ましく、18wt%から23wt%の範囲がさらに好ましい。
熱可塑性エラストマーの混合物(a)の含有量が上記の範囲であれば、他のエラストマーを併用しても構わない。
ブタジエンを主体とする重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーの混合物の分子構造は、特に限定されないが、感光性樹脂構成体の高いコールドフロー性と、印刷版の文字部の高い耐カケ性の点で、直鎖構造を有する熱可塑性エラストマーと分岐構造を有する熱可塑性エラストマーの混合が好ましい。
(A−B)n 、A−(B−A)n 、A−(B−A)n −B、B−(A−B)n
分岐構造とは、例えば、以下の一般式のものが挙げられる。
(上式において、Aはブロック中の60wt%以上がビニル芳香族炭化水素である重合体ブロックを示す。Bはブロック中の60wt%以上がブタジエンである重合体ブロックを示す。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物若しくはハロゲン化シラン化合物であるカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。nおよびkは1以上で、分岐数mは3以上6以下の整数で、である。カップリング剤化合物は単独で使用してもよいし、2種以上の混合物で使用してもよい)
これらの構造は、単独でも、2種類以上の組合せでも良い。
ブタジエンを主体とする重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーは、必要に応じて、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤の添加は任意の方法でよく、例えば重合終了後、溶液中に添加してもよいし、乾燥後、例えばロール等で添加混練してもよい。
印刷版の文字部のさらに高い耐カケ性の点で、ジメタクリート基を2mol有するモノマーを、樹脂組成物中に1.5重量%以上含有することが好ましい。
本発明の光重合開始剤(c)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物であり、公知の各種のものを用いることが出来るが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。
本発明の感光性樹脂組成物には前記した必須成分の他に、種々の補助添加成分、例えば可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。
この中でも、印刷版の高い柔軟性や高い画像再現性の点で、30℃で粘度が2000(Pa・s)以下すなわち液状の共役ジエンゴムが好ましい。
粘度は、JIS−K−7117で、測定することができる。
ジエンとしては、入手性の点で、イソプレンおよび/またはブタジエンが好ましく、耐カケ性の点で、ブタジエンがより好ましい。
感光性樹脂組成物中に含まれる液状の共役ジエンゴム総量中の、ジエン量に対するビニル含有量は、微小な画像の形成性、印刷版の文字部の高い耐カケ性、あるいは高いインキ耐性のため、40mol%以上が好ましい。60mol%以上がより好ましく、70mol%以上がさらに好ましい。
共役ジエンゴムの含有量は、高い画像再現性、高い耐カケ性および高い柔軟性の点で、感光性樹脂組成物中に、3wt%以上が好ましく、印刷版用感光性構成体の固体維持性の点で、40wt%以下が好ましい。5wt%〜30wt%の範囲がより好ましく、7wt%〜18wt%の範囲がさらに好ましい。
本願の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算分子量である。
装置に、LC-10(島津製作所製、商品名)、カラムに、TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)で測定を行った。分子量既知のポリスチレン標品を使用し、検量線を作成することにより、感光性樹脂組成物中の、分子量が5万以上の組成物の分子量分布を算出することができる。
本発明のフレキソ印刷版用構成体は、種々の方法で調整することができる。
例えば、感光性樹脂組成物の原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板状にすることができる。また、溶剤を用いず、ニーダ、ロールミルあるいはスクリュウ押出機で混練後、カレンダーロールやプレスなどにより所望の厚さに成型することができるが、本発明はこれらの調整方法に限定されるものではない。
保護フィルムや支持体は通常感光性樹脂組成物のシート成形後、ロールラミネートにより感光性樹脂組成物に密着させ、ラミネート後加熱プレスすると一層厚み精度の良い感光性樹脂層を得ることができる。
ネガフィルム側からの露光(レリーフ露光)と支持体側からの露光(バック露光)は、どちらを先におこなっても良いし、また両方を同時におこなってもよい。
露光光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等があげられる。
未露光部の洗い出しは、ノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングでおこなわれる。
後処理露光として、表面に波長300nm以下の光を照射する方法が一般的である。必要に応じて、300nmよりも大きい光も併用しても構わない。
(1)熱可塑性エラストマー
(1−1)熱可塑性エラストマーA
分子構造が直鎖構造のタフプレン315(旭化成ケミカルズ製、商品名)を用いた。
ジャケットと攪拌機のついた10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、スチレン220gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分1.20g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)780gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して最高温度約90℃に達してから4分後に、カップリング剤としてテトラメトキシシランを0.92g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後から、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。 得られたブロック共重合体の溶液を抜き出し、水を10g添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、分岐構造の有する表1の熱可塑性エラストマーB−1のサンプルを得た。
又、スチレン仕込量、n−ブチルリチウム添加量、テトラメトキシシラン添加量を変量した以外は実施例1と同様の方法により、表1の熱可塑性エラストマーB−2、B−3およびB−4のサンプルを得た。
ジャケットと攪拌機の付いた10Lステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7000cc、テトラヒドロフラン1g、スチレン125gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で0.75g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンが完全に重合してから、ブタジエン(1、3−ブタジエン)750gを添加して重合を継続し、ブタジエンの重合が完全に終了後、スチレン125gを添加し重合を継続した。
得られたブロック共重合体の溶液を抜き出し、水を10g添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、分子構造が直鎖構造の表1の熱可塑性エラストマーCのサンプルを得た。
分岐構造が直鎖状のD1101(KRATON製、商品名)を用いた。
感光性樹脂組成として、表2に示した組成をニーダーにて140℃で40分間混合し感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物を、熱可塑性エラストマーを含有する接着剤がコートされた厚さ125μのポリエステルフィルムの支持体と、厚さ4μのポリアミド層を有する100μのポリエステル製カバーシートとで挟み、3mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で200kg/cm2の圧力を4分間かけてフレキソ印刷版用感光性構成体を成形した。
(2)のフレキソ印刷版用感光性構成体のカバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にあるポリアミドの保護膜層の上にネガフィルムを密着させ、AFP-1500露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)上で370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から300mJ/cm2の全面露光をおこなった後、引き続きネガフィルムを通して6000mJ/cm2の画像(レリーフ)露光をおこなった。
このときの露光強度をオ-ク製作所製のUV照度計MO-2型機でUV-35フィルタ-を用いて、バック露光を行なう側である下側ランプからの紫外線をガラス板上で測定した強度は10.3mW/cm2、レリーフ露光側である上側ランプからの紫外線を測定した強度は12.5mW/cm2であった。
(4−1)感光性樹脂組成物の成型性
感光性樹脂組成物を押出機ZSK−25(Werner製、商品名)を用いて、ダイスのリップ幅2mm×100mmに、樹脂温度が130℃で押出量5kg/hで供給したときに、目視で成型性を評価した。幅方向に均一に平滑に成型できる方が良く、○とし、流動性が低く、表面が凹凸のムラになると問題で、×とした。
露光を行っていない厚み3mmの感光性構成体を5cm×5cmに切り出し、全面に28g/cm2の荷重をかけて40℃で24時間静置した後の厚み変化を測定した。この測定で感光性構成体の厚み減少率が3.0%を超えると、感光性構成体の保存あるいは輸送された場合に版が変形することがあるため問題で×とし、2.0%以上3.0未満を○とし、2.0%未満が最も良く◎とした。
印刷版の耐カケ性を、擬似的に、図1に示すように、6ポイントから10ポイントの大きさの文字がある印刷版を作成し、NP式耐刷力試験機(新村印刷株製、商品名、接触体:布、荷重1kg)を用いて300回左右に擦ったときの文字の破壊の程度を顕微鏡で観察した。6ポイントの文字が破壊されていなければ最も良く◎とし、8ポイントの文字が破壊されていなければ次に良く○とし、10ポイントの文字が破壊していれば問題で×とした。
実施例1〜3および比較例1〜4の評価試験結果を表1に記載する。
ブタジエンを主体とする重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーの混合物中に含まれるビニル芳香族炭化水素量が25wt%以下で、且つ、感光性樹脂組成物中の、分子量が5万以上の組成物の分子量分布(Mw/Mn)が、1.25以上で、初めて、成型性、耐コールドフロー性および耐カケ性を同時に満たせることが分かる。
Claims (10)
- 少なくとも、(a)ブロック中の60wt%以上がブタジエンである重合体ブロックを含有する熱可塑性エラストマーの混合物、(b)光重合性モノマーおよび(c)光重合開始剤を含有するフレキソ印刷用感光性樹脂組成物であって、熱可塑性エラストマーの混合物(a)は、上記重合体ブロック中のビニル含有量が5〜20mol%の熱可塑性エラストマーと20〜50mol%の熱可塑性エラストマーとを含有し、熱可塑性エラストマーの混合物(a)中のビニル芳香族炭化水素の含有量が25wt%以下で、且つ、感光性樹脂組成物中に含まれる各成分のうち、数平均分子量(Mn)が5万以上の成分全体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.25以上であることを特徴とする樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物中に含まれる各成分のうち、数平均分子量(Mn)が5万以上の成分全体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.30以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物中に含まれる各成分のうち、数平均分子量(Mn)が5万以上の成分全体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.40以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物中に、液状の共役ジエンゴムを含有し、且つ、少なくとも1種類の液状の共役ジエンゴム中に含まれるビニル含有量が40mol%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 液状の共役ジエンゴム中のビニル含有量が、70mol%以上であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性エラストマーの混合物(a)が、少なくとも、数平均分子量が7万以上の熱可塑性エラストマーを2種類以上含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性エラストマーの混合物(a)が、少なくとも、直鎖構造の熱可塑性エラストマーと、分岐構造の熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする請求項1〜6のいず
れかに記載の樹脂組成物。 - 直鎖構造の熱可塑性エラストマーが下記一般式(1)で示される構造から選ばれる少なくとも1つの熱可塑性エラストマーであり、分岐構造の熱可塑性エラストマーが下記一般式(2)で示される構造から選ばれる少なくとも1つの熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物。
(A−B)n、A−(B−A)n 、A−(B−A)n−B、B−(A−B)n (1)
(上式において、Aはブロック中の60wt%以上がビニル芳香族炭化水素である重合体ブロックを示す。Bはブロック中の60wt%以上がブタジエンである重合体ブロックを示す。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物若しくはハロゲン化シラン化合物であるカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。nおよびkは1以上で、分岐数mは3以上6以下の整数である。カップリング剤化合物は単独で使用してもよいし、2種以上の混合物で使用してもよい。) - 支持体とその面上に形成された請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層からなる積層構造を有するフレキソ印刷版用感光性構成体。
- 感光性樹脂組成物層上に、赤外レーザーで切除可能であり、赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層を有する請求項9に記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006106219A JP4868920B2 (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006106219A JP4868920B2 (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007279422A JP2007279422A (ja) | 2007-10-25 |
JP4868920B2 true JP4868920B2 (ja) | 2012-02-01 |
Family
ID=38680930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006106219A Active JP4868920B2 (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4868920B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012060057A (ja) * | 2010-09-13 | 2012-03-22 | Komuratekku:Kk | 有機薄膜トランジスタの製法 |
JP7261089B2 (ja) * | 2019-05-29 | 2023-04-19 | 旭化成株式会社 | フレキソ印刷原版、及びフレキソ印刷版の製造方法 |
CN113105590A (zh) * | 2021-04-12 | 2021-07-13 | 泉州师范学院 | 一种用于光固化3d打印弹性体的光敏树脂组合物及其制备方法 |
CN117813552A (zh) * | 2021-08-25 | 2024-04-02 | 日本瑞翁株式会社 | 图案形成用感光性组合物和柔性版 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6370242A (ja) * | 1986-09-11 | 1988-03-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 感光性エラストマ−組成物 |
JPH05216225A (ja) * | 1992-02-06 | 1993-08-27 | Nippon Paint Co Ltd | フレキソ版材用感光性組成物 |
BR9911536B1 (pt) * | 1998-06-29 | 2009-01-13 | composiÇço polimÉrica fotocurÁvel, composiÇço polimÉrica curada, precursor de prancha de impressço flexogrÁfica, prancha de impressço flexogrÁfica, e processo para impressço sobre substrato. | |
JP2000181060A (ja) * | 1998-12-15 | 2000-06-30 | Asahi Chem Ind Co Ltd | フレキソ印刷用感光性エラストマー組成物 |
US6326127B1 (en) * | 1998-12-31 | 2001-12-04 | Kraton Polymers U.S. Llc | Photo-curable polymer composition and flexographic printing plates containing the same |
JP2002196492A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-12 | Toyobo Co Ltd | 感光性樹脂組成物およびフレキソ印刷版用原版 |
JP4610132B2 (ja) * | 2001-07-11 | 2011-01-12 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 非赤外線遮蔽層を有する印刷用構成体 |
EP1677147B1 (en) * | 2003-09-25 | 2008-12-10 | Zeon Corporation | Block copolymer composition for photosensitive flexographic plate |
JP4651037B2 (ja) * | 2004-06-11 | 2011-03-16 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | フレキソ印刷版用感光性樹脂 |
JP5163872B2 (ja) * | 2005-12-22 | 2013-03-13 | ジェイエスアール クレイトン エラストマー株式会社 | エラストマー構成体およびそれを用いた感光性組成物 |
-
2006
- 2006-04-07 JP JP2006106219A patent/JP4868920B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007279422A (ja) | 2007-10-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4675334B2 (ja) | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 | |
JP4519129B2 (ja) | 光硬化性組成物および光硬化性組成物含むフレキソ印刷版 | |
JP4651037B2 (ja) | フレキソ印刷版用感光性樹脂 | |
WO2007072613A1 (ja) | エラストマー構成体およびそれを用いた感光性組成物 | |
CN102365585B (zh) | 耐溶剂性优异的柔性版印刷用光敏性树脂组合物 | |
JP4748812B2 (ja) | フレキソ印刷版 | |
JP4490439B2 (ja) | 分布制御ブロックコポリマーから調製した光重合性組成物およびフレキソ印刷版 | |
JP4482032B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP4868920B2 (ja) | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 | |
JP4782580B2 (ja) | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 | |
JP7012526B2 (ja) | フレキソ印刷原版、及びフレキソ印刷版 | |
JP7261089B2 (ja) | フレキソ印刷原版、及びフレキソ印刷版の製造方法 | |
JP6121189B2 (ja) | 印刷版用感光性樹脂組成物 | |
JP2017198743A (ja) | フレキソ印刷版用感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版用感光性樹脂構成体、及びフレキソ印刷版 | |
JP7339825B2 (ja) | フレキソ印刷原版、及びブロック共重合体組成物 | |
JP4895900B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2007279423A (ja) | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 | |
JP4703381B2 (ja) | フレキソ印刷用感光性樹脂組成物 | |
JP2020173308A (ja) | 印刷版用感光性樹脂組成物、印刷版用感光性樹脂構成体、及び印刷版の製造方法 | |
WO2010071200A1 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキソ印刷版 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090313 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20090401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110408 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20110408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110907 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111115 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111115 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4868920 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |