JP4610132B2 - 非赤外線遮蔽層を有する印刷用構成体 - Google Patents

非赤外線遮蔽層を有する印刷用構成体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は写真ネガチブを用いることなく、デジタル情報となった画像を赤外レーザーを用いて直接描画する製版プロセスに対応したフレキソ印刷版用感光性構成体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のフレキソ印刷版用感光性構成体はポリエステルフィルムなどを支持体とし、その上に熱可塑性エラストマー及び、少なくとも一つのモノマー、及び放射線に感応する少なくとも一つの開始剤を含む感光性樹脂層を積層した構成を有するのが一般的である。
このようなフレキソ印刷版用感光性構成体からフレキソ印刷版を製版する手順としては、まず紫外線に対して透明な支持体を通して感光性樹脂層全面に紫外線露光(バック露光)を施し、同樹脂層内に薄い均一な光硬化層を設ける。次いで、この光硬化層と反対側の感光性樹脂層面に置かれたネガフィルムを通して感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)を行い、未露光部分の樹脂を現像用溶剤で洗い流して所望の画像すなわちレリーフ画像を得て印刷版が形成される。ここで感光性樹脂層の上にはネガフィルムとの接触をなめらかなものにする目的で、しばしばスリップ層または保護層と呼ばれる薄膜が設けられている。
【0003】
一方、ネガフィルムを用いず、デジタル化されたネガチブ画像情報を直接描画することができるフレキソ印刷用感光性構成体およびその製法に関する技術も知られている。その方法は、感光性樹脂層上に設けられた非赤外線遮蔽層を、コンピューターで処理したデジタル情報に基づいて選択的に切除することによって所望のネガチブを得るものである。感光性樹脂層上に画像を描画した後は、従来の製版プロセスをそのまま適用することができる。すなわち既存の露光装置を用いて支持体側からバック露光を、赤外線レーザーで描かれた画像側からレリーフ露光を施し、その後現像工程を経てフレキソ印刷版が得られる。
【0004】
この製版方法は従来のネガフィルムを用いる方法に比べ、時間と労力が節約できるという長所がある。例えば画像の修正が生じた際、新たにネガフィルムを作成し直す必要がなく、デジタル化されたネガチブデータをコンピューター上で修正することで対応できる。また従来のネガチブに比較して寸法安定性においても有利であり、このことはレリーフ像の再現性、ひいては印刷品質の向上につながるものである。
この様なフレキソ印刷版用感光性構成体の非赤外線遮蔽層に関して、特開平8−305030号公報にはそのバインダーポリマーとして感光性樹脂層の少なくとも1つの低分子物質と実質的に非相溶であるものを用いることが記載されている。
【0005】
また特開平11−153865公報には、非赤外線遮蔽層のバインダーポリマーとしてモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体、又はその共重合体に水素添加処理をしたものを用いることが記載されている。
非赤外線遮蔽層を有するフレキソ印刷用感光性構成体は、非赤外線遮蔽層の塗工液をポリエステル等のフィルム上に塗布して非赤外線遮蔽層を形成した後、一旦巻き取ってロール状にし、次いでこのフィルムを繰り出しながら感光性樹脂層と貼り合わせることで製造されるのが一般的である。しかしながら、これら一連の製造プロセスにより得られたフレキソ印刷版は、しばしば本来意図しない画像の形成が認められ、このため、良好な印刷物を得ることができないという問題が生じ、この問題を解決し、印刷品質の向上を達成する手段が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ネガフィルムを用いることなく、デジタル情報となったネガチブを赤外線レーザーを用いて直接描画する製版プロセスにおいて、本来意図しないレリーフ像を有さず、ネガチブデータ通りの印刷物を得ることを可能とするフレキソ印刷用感光性樹脂構成体および、その歩留まりのよい製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、従来のフレキソ印刷版製造工程において、非赤外線遮蔽層がフィルム送りロールと触れたり、非赤外線遮蔽層フィルムロール輸送中に巻き締まりによって保護フィルムとこすれたりすることなどによって、発生する非赤外線遮蔽層の欠落、つまりピンホールを抑制することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
1.少なくとも1つの感光性樹脂層(a)および赤外線レーザーによって選択的に切除可能な非赤外線遮蔽層(b)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体において、非赤外線遮蔽層(b)に存在する長径100μm以上のピンホールの個数が、平均10(個/m 2 )以下であるフレキソ印刷用感光性構成体の製造法であって、保護フィルム(c)上に非赤外線遮蔽層(b)を塗布、乾燥後に(b)層上に剥離フィルム(d)を貼り合わせてなる遮蔽層積層体(e´)から、剥離フィルム(d)を剥離しながら感光性樹脂層(a)と非赤外線遮蔽層(b)を貼り合わせることを特徴とする、フレキソ印刷用感光性構成体の製造法。
2.剥離フィルム(d)がポリエチレンフィルムであることを特徴とする1.記載のフレキソ印刷用感光性構成体の製造法である。
3.少なくとも1つの感光性樹脂層(a)および赤外線レーザーによって選択的に切除可能な非赤外線遮蔽層(b)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、保護フィルム(c)上に非赤外線遮蔽層(b)を塗布、乾燥後に(b)層上に剥離フィルム(d)を貼り合わせてなる遮蔽層積層体(e´)から、剥離フィルム(d)を剥離しながら感光性樹脂層(a)と非赤外線遮蔽層(b)を貼り合わせて得られることを特徴とする、非赤外線遮蔽層(b)に存在する長径100μm以上のピンホールの個数が、平均10(個/m2)以下であるフレキソ印刷用感光性構成体。
4.剥離フィルム(d)がポリエチレンフィルムである3.記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【0009】
【発明実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明におけるフレキソ印刷用感光性構成体の支持体としてはポリエステル、スチール、アルミなど、寸法安定性の良好な通常75〜300μmの厚みのフィルムを用いることができる。また、この支持体と感光性樹脂層(a)との間、もしくは支持体の感光性樹脂層に対する面とは反対側の面にポリウレタン樹脂等の弾性フォーム層を設けてもよい。上記支持体と感光性樹脂層(a)との間には必要に応じて接着剤層を設けてもよい。
【0010】
本発明における感光性樹脂層(a)は、バインダーポリマーとしてモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーを重合して得られる熱可塑性エラストマーと、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、及び光重合開始剤で構成される。
感光性樹脂層のバインダーポリマーとして用いられるモノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られる熱可塑性エラストマーにおいて、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また、共役ジエンモノマーとしてはスチレン、イソプレン等が用いられ、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が挙げられる。
【0011】
また少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーは、バインダーポリマーと相溶性のあるもので、例としては、t−ブチルアルコールやラウリルアルコールなどのアルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルやラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、あるいはジオクチルフマレートなどのアルコールとフマル酸のエステル、さらにはヘキサンジオールジ(メタ)アクリーレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルなどを挙げることができる。
【0012】
また光開始剤としてはベンゾフェノンのような芳香族ケトン類やベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類などの公知の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせて使用することができる。
さらに本発明で用いられる感光性樹脂層(a)には、要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を含んでいても良い。
【0013】
感光性樹脂層は種々の方法で調製することができる。例えば配合される原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることができる。また、溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することができる。
【0014】
本発明における赤外線で切除可能な非赤外線遮蔽層(b)は、バインダーポリマーと赤外線吸収物質および非赤外線遮蔽物質で構成される。
非赤外線遮蔽層(b)のバインダーポリマーとしては、特開平11−153865号公報に記載されているスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのモノビニル置換芳香族炭化水素とブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンからなる共重合体モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体に水素添加処理をしたものや、特開平8−305030号公報に記載されているポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールのグラフト共重合体、両性インターポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロース、エチレンとビニルアセテートとの共重合体、セルロースアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム、スチレンとアクリル酸との共重合体、ポリビニルピロリドンとビニルアセテートの共重合体、及びこれらポリマー群の組み合わせのもの等が用いられる。
【0015】
赤外線吸収物質には通常750〜2000nmの範囲で強い吸収波長をもつ単体あるいは化合物が使用される。そのようなものの例としては、カーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロームなどの無機顔料やポリフタロシアニン化合物、シアニン色素、金属チオレート色素などの色素類などが挙げられる。特にカーボンブラックは粒径13〜85nmの広い範囲で使用可能である。これら赤外線吸収物質は、使用するレーザー光線で切除可能な感度を付与する範囲で添加され、一般的には10〜80重量%の範囲で添加される。
【0016】
非赤外線の遮蔽物質には紫外光を反射または吸収する物質を用いることができる。紫外線吸収剤やカーボンブラック、グラファイトなどはその好例であり、所望の光学濃度が達成できるように添加量を設定する。一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上の光学濃度となるように添加することが望ましい。なお、赤外線吸収物質と非赤外線遮蔽物質は同一であっても差し支えない。
非赤外線遮蔽層(b)は、一般的にバインダーポリマー及び赤外線吸収物質、非赤外線遮蔽物質を溶剤等に均一に溶解または分散させた非赤外線遮蔽層(b)の塗工液をポリエステル等のフィルム上に塗布して形成される。
【0017】
非赤外線遮蔽層(b)の塗工液は、バインダーポリマー及び赤外線吸収物質、非赤外線遮蔽物質を適当な溶剤を加えて攪拌ばねによる強制攪拌や、ボールミルを用いた分散、超音波を利用した攪拌またはそれらを併用した方法や、バインダーポリマーと赤外線吸収物質、非赤外線遮蔽物質とを押し出し機やニーダーを用いて予備混練してから溶剤に溶解する方法等で調製される。また、ラテックス溶液の状態にあるポリマー中に赤外線吸収物質および非赤外線遮蔽物質を強制分散させることでも非赤外線遮蔽層(b)の塗工液を調製することができる。
【0018】
非赤外線遮蔽層(b)の塗布、形成は、非赤外線遮蔽層(b)の塗工液を上記保護フィルム(c)上にグラビアコーター、グラビアリバースコーター、バーコーター、ナイフコーター等で所望の厚みに塗布し、乾燥することで行われる。
本発明で用いる保護フィルム(c)としては、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム、あるいはこれらのフィルムを積層した厚さ20〜300μmのフィルム等があげられる。非赤外線遮蔽層の塗布厚みは赤外線レーザーによる切除の感度と非赤外線の遮蔽効果を考慮して決定され、0.1〜20g/m2、好ましくは1〜5g/m2の範囲で塗布される。非赤外線遮蔽層が形成されたフィルムは、一旦巻き取られ、ロール状にされて輸送、保管されるのが一般的である。
【0019】
非赤外線遮蔽層(b)を有するフレキソ印刷用感光性構成体は、保護フィルム(c)及びその上に形成された非赤外線遮蔽層(b)からなる非赤外線遮蔽層積層体(e)を、感光性樹脂層(a)と貼り合わせることで製造されるのが一般的である。
この非赤外線遮蔽層積層体(e)を感光性樹脂層(a)に貼り合わせることによるフレキソ印刷用感光性構成体の製造工程において、遮蔽層積層体(e)をフィードするフィルム送りロールと非赤外線遮蔽層(b)間の摩擦や、遮蔽層積層体(e)を巻き取った際の巻き締まり等による非赤外線遮蔽層(b)と保護フィルム(c)間の摩擦によって非赤外線遮蔽層(b)の欠陥、すなわちピンホールが発生する。この非赤外線遮蔽層(b)に存在するピンホールの長径が100μm以上になると、最終的に得られるレリーフ印刷版にこのピンホールによる本来意図しない画像の形成が認められるようになる。
【0020】
この非赤外線遮蔽層(b)に存在するピンホールの数は、感光性樹脂層(a)上に積層する前の非赤外線遮蔽層(b)、非赤外線遮蔽層(b)を有するフレキソ印刷用感光性構成体、又は、赤外線レーザーによる画像描画後の感光性構成体について、これらのうちのいずれかをライトテーブル上に置いて目視観察を行う、あるいは、CCD型センサーカメラによる透過画像の画像処理を利用した検査装置で計測する、など方法により知ることができる。
【0021】
上記計測手段によって、長径100μm以上のピンホールが確認された場合、赤外線レーザーによる非赤外線遮蔽層(b)に対する画像描画の後、非赤外線遮蔽層(b)の塗工液を綿棒につけてピンホールを塞ぐ等の手段で遮蔽層(b)の修復を行うことができる。しかしながら、ピンホールの数が非常に多い場合、満足すべき印刷品質を確保する為には、上記、手作業によるピンホールの修復作業に多大な労力を必要とし、生産性の点で現実的でない為、赤外線レーザー描画前の印刷用構成体における非赤外線遮蔽層(b)に存在する長径100μm以上のピンホールの数は平均10(個/m2)以下である必要があり、好ましくは平均5(個/m2)以下、より好ましくは平均2(個/m2)以下である。
【0022】
非赤外線遮蔽層中のピンホールの発生を防ぐ効果的な方法として、例えば、保護フィルム(c)上に非赤外線遮蔽層(b)を塗布、乾燥後に、非赤外線遮蔽層(b)層上に剥離フィルム(d)を貼り合わせた遮蔽層積層体(e')を形成し、これを、感光性樹脂層(a)にラミネートする直前に、剥離フィルム(d)を剥離しながら感光性樹脂層(a)と貼り合わせる方法が挙げられる。ここにおいて、遮蔽層積層体(e')は、輸送及び保管等の目的で予めロール状に巻き取られたものから引き出しながら用いてもよい。
【0023】
本発明で使用される剥離フィルム(d)としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等があげられる。特にポリエチレンフィルムは、他のフィルムに比べ伸縮性があり、非赤外線遮蔽層(b)の欠陥の原因の一つである剥離フィルムのシワが抑制できるためより好ましい。ポリエチレンフィルムとしては、汎用の低密度ポリエチレンフィルム、あるいは自己粘着処理加工されたポリエチレンフィルム等が使用できる。さらに、非赤外線遮蔽層(b)とフィルム送りロール、保護フィルムとの接触を最大限回避するためには、剥離フィルムは非赤外線遮蔽層(b)が、乾燥した直後に貼り付けるのがより好ましい。
【0024】
また、非赤外線遮蔽層(b)と剥離フィルム(d)との密着強度は、非赤外線遮蔽層(b)と保護フィルム(c)の密着強度よりも十分小さい方が、非赤外線遮蔽層積層体(e')と感光性樹脂層(a)の貼り合わせ工程中における剥離フィルム(d)の剥離がより円滑に進行し好ましい。
製版工程で使用される赤外線レーザーとしては波長が750〜2000nmのものを用いることができる。このタイプの赤外線レーザーとしては750〜880nmの半導体レーザーや1064nmのNd−YAGレーザーが一般的である。これらのレーザーの発生ユニットは駆動系ユニットとともにコンピューターで制御されており、感光性樹脂層上の非赤外線遮蔽層を選択的に切除していくことにより、デジタル化された画像情報をフレキソ版用感光性樹脂構成体に付与するものである。
【0025】
レーザーによる画像描画が終了した後、フレキソ版用感光性構成体の感光性樹脂層を光硬化するのに用いられる紫外線光源としては、高圧水銀灯、蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光などがある。紫外線を画像面から露光することにより所望のレリーフ像を得ることができるが、レリーフ像を未硬化部の洗い出し時の応力に対してより安定なものにするために、支持体の側からも全面露光を行うことが有効である。
【0026】
感光性樹脂層に紫外線を照射して画像を形成させた後、非赤外線遮蔽層と感光性樹脂の未露光部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、感光性樹脂層を溶解する性質を持つものであればいずれも使用できるが、例えばへプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類、テトラクロルエチレンなどの塩素系溶剤等が好ましい。
またこれらの溶剤にプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合したものを用いることも可能である。
【0027】
非赤外線遮蔽層および未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、又はブラシによるブラッシングで行われる。得られた版はリンス洗浄され、乾燥後に後露光を実施して仕上げられる。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲及び実施の形態は、これらに限定されるものではない。
【0028】
【実施例1】
アサフレックス815(旭化成工業製、スチレン含量約77%(紫外分光法による測定値)のスチレン−ブタジエンブロックコポリマー)65重量部と粒子径平均30nmのカーボンブラックである汎用カラーブラック#30(三菱化学製)35重量部をバンバリーミキサーで混練して粉砕したものを、ビーズミルを使って酢酸ブチルに均一に分散、溶解させて、固形分濃度10重量%の均一な非赤外線遮蔽層(b)の塗工液を調製した。
【0029】
保護フィルム(c)として、100μmの厚みのポリエステルフィルム上に、バーコーターを用いてこの塗工液を、乾燥後の膜厚が5〜6g/m2となるように塗布後、乾燥して非赤外線遮蔽層(b)を形成し、コーターの送りロールと非赤外線遮蔽層(b)が触れる前に、30μmの低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製 GF−118)を剥離フィルム(d)として貼り合わせることで、遮蔽層積層体(e')を形成し、これを巻き取ってロール状とした。このロールから遮蔽層積層体(e')を引き出し、剥離フィルム(d)を除去した後、ライトテーブル上で目視による非赤外線遮蔽層(b)のピンホール検査を行った結果、長径100μm以上のピンホールは平均0.2(個/m2)であった。
【0030】
次に、タフプレンA(旭化成工業製、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)60重量部、B−2000(日本石油化学製、液状ポリブタジエン)30重量部、1,9−ノナンジオ−ルジアクレート7重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部とを押し出し成型機に投入し、T型ダイスから押し出し成型された感光性樹脂層(a)の片方の面に支持体として、接着剤の塗付された厚み125μmのポリエステルフィルムを接着剤の塗布された面を感光性樹脂層に向けて貼り合わせ、感光性樹脂層のそれとは反対の面に遮蔽層積層体(e')を感光性樹脂層(a)と貼り合わせる直前に剥離フィルム(d)を剥がしながら非赤外線遮蔽層(b)を感光性樹脂層(a)に貼り合わせるようにして積層し、厚み1.14mm、サイズ1067mm×1524mmのフレキソ印刷用感光性構成体を成型した。
【0031】
この構成体の保護フィルム(c)を除去した後、上記ライトテーブル上での目視検査法により非赤外線遮蔽層(b)を観察した結果、長径100μm以上のピンホールは、10枚のシートで平均0.2(個/m2)であった。
次に感光性構成体をレーザー書き込み装置のドラムに非赤外線遮蔽層の上からテープで固定し、10MW/cm2のエネルギー密度のNd−YAGレーザーを用いてドラムの回転数を毎分2000回転として、非赤外線遮蔽層を選択的に切除し、ネガチブを形成させた。
【0032】
次にこの構成体に対して、AFP−1500露光機(旭化成工業製)にて370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用い、支持体側から800mJ/cm2のバック露光、引き続き非赤外線遮蔽層側から8000mJ/cm2のレリーフ露光を行った。更に、露光した版をテトラクロルエチレン/n−ブタノール(容積比:3/1)を現像液として、フレキソ印刷版現像機AFP−1500(旭化成工業製)で現像し、得られた版をリンス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して仕上げを行った。
この版を工場顕微鏡で観察したところ、本来意図しないレリーフ像の形成は認められず、画像データを忠実に再現したフレキソ印刷版が得られた。この版を用いてフレキソ印刷機により印刷を行ったところ、良好な印刷物を得ることができた。
【0033】
【比較例1】
実施例1で用いた非赤外線遮蔽層の塗工液を実施例1に準じて調製し、保護フィルム(c)としてポリエステルフィルム上にこれを塗布し、非赤外線遮蔽層積層体(e)を形成し、これに剥離フィルム(d)を貼り合わせることなく巻き取った。このロールから非赤外線遮蔽層積層体(e)を引き出し、ライトテーブル上での目視検査法により非赤外線遮蔽層(b)を観察した結果、長径100μm以上のピンホールが平均43(個/m2)見られた。
【0034】
こうして得られた非赤外線遮蔽層積層体(e)を用いて、剥離フィルム(d)を剥がす操作以外は実施例1と同じ方法でフレキソ印刷用感光性構成体を成型した。得られた構成体の保護フィルム(c)を除去した後、ライトテーブル上での目視検査法により非赤外線遮蔽層(b)を観察した結果、長径100μm以上のピンホールが10枚のシートで平均76(個/m2)見られた。
次いでこの構成体を実施例1と同じ手順で製版し、工場顕微鏡にて仕上がり版の観察をしたところ、修正しきれなかった長径100μm以上のピンホールが存在した場所に本来意図しないレリーフ像が多数確認され、その版では良好な印刷物を得ることができなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明のフレキソ印刷は、従来のものに比べ、優れた印刷品質を有する。

Claims (4)

  1. 少なくとも1つの感光性樹脂層(a)および赤外線レーザーによって選択的に切除可能な非赤外線遮蔽層(b)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体において、非赤外線遮蔽層(b)に存在する長径100μm以上のピンホールの個数が、平均10(個/m2)以下であるフレキソ印刷用感光性構成体の製造法であって、保護フィルム(c)上に非赤外線遮蔽層(b)を塗布、乾燥後に(b)層上に剥離フィルム(d)を貼り合わせてなる遮蔽層積層体(e´)から、剥離フィルム(d)を剥離しながら感光性樹脂層(a)と非赤外線遮蔽層(b)を貼り合わせることを特徴とする、フレキソ印刷用感光性構成体の製造法
  2. 剥離フィルム(d)がポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項記載のフレキソ印刷用感光性構成体の製造法。
  3. 少なくとも1つの感光性樹脂層(a)および赤外線レーザーによって選択的に切除可能な非赤外線遮蔽層(b)を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、保護フィルム(c)上に非赤外線遮蔽層(b)を塗布、乾燥後に(b)層上に剥離フィルム(d)を貼り合わせてなる遮蔽層積層体(e´)から、剥離フィルム(d)を剥離しながら感光性樹脂層(a)と非赤外線遮蔽層(b)を貼り合わせて得られることを特徴とする、非赤外線遮蔽層(b)に存在する長径100μm以上のピンホールの個数が、平均10(個/m2)以下であるフレキソ印刷用感光性構成体。
  4. 剥離フィルム(d)がポリエチレンフィルムである請求項記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
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