JP4590142B2 - 改良された赤外線切除層を有するフレキソ印刷版用感光性構成体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は写真ネガチブ(以下、ネガフィルムという。)を用いることなく、デジタル情報となった画像を赤外線レーザーを用いて直接描画する製版プロセスに対応した、改良されたフレキソ印刷版用感光性構成体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のフレキソ印刷版用感光性構成体はポリエステルフィルムなどを支持体とし、その上に熱可塑性エラストマー、少なくとも一つのエチレン性不飽和化合物、放射線に感応する少なくとも一つの開始剤を含む感光性樹脂層からなるものが一般的である。このようなフレキソ印刷版用感光性構成体からフレキソ印刷版を製版する手順としては、まず支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、薄い均一な硬化層を設ける。ついでネガフィルムを通して感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)をおこない、未露光部分を現像用溶剤で洗い流して所望の画像、すなわちレリーフ像を得て印刷版となる。ここで感光層の上にはネガフィルムとの接触をなめらかなものにする目的で、しばしばスリップ層または保護層と呼ばれる薄膜が設けられている。
【0003】
一方ネガフィルムを用いず、デジタル化された画像情報を直接描画することができるフレキソ版用感光性構成体およびその製版方法についての技術も知られている。その手法は非赤外放射線感応性の感光性樹脂層上に設けられた非赤外放射線を遮蔽する薄い層を、コンピューターで処理されたデジタル情報に基づいて赤外線レーザーで選択的に切除することによって、所望の画像を得るものである。感光性樹脂層上に画像を描画した後は、従来の製版プロセスをそのまま適用することができる。すなわち既存の露光装置を用いて支持体側からバック露光を、赤外線レーザーで描かれた画像側からレリーフ露光を施し、その後現像工程を経てフレキソ印刷版となる。この製版方法は従来のネガフィルムを用いる方法に比べて、画像の修正が生じた際に新しいネガフィルムを作る必要がなく、デジタル化された画像データをコンピューター上で修正することで対応できるため、時間と労力が節約出来るという長所がある。また従来のネガフィルムに比較して寸法安定性においても有利あり、このことはレリーフ像の再現性、ひいては印刷品質の向上につながるものである。
【0004】
例えば、特開平8−305030号公報では赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層について、赤外線吸収剤や非赤外放射線遮蔽物質と共に用いるバインダーポリマーが、感光性樹脂層の少なくともひとつの低分子物質と実質的に非相溶であることが記されている。このような特性を実現する目的で用いられるバインダーポリマーの例としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールのグラフト共重合体、両性インターポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロース、エチレンとビニルアセテートとの共重合体、セルロースアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム、スチレンとアクリル酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体、及びこれらポリマー群との組み合わせなどを挙げている。
【0005】
しかし、これらのポリマー群から調整される非赤外放射線の遮蔽層は、感光性樹脂層の低分子物質との相溶性が乏しいことに起因する不具合が生じることがある。
例えば非赤外放射線の遮蔽層と感光性樹脂層との親和性が小さい組み合わせにならざるを得ないため、その密着力が小さく、レーザー描画前にカバーシートを剥離する際に非赤外放射線の遮蔽層が部分的に感光性樹脂層から剥離して、カバーシートの方に付着したまま剥ぎとられてしまうことがしばしば起こる。
【0006】
また特開平11−153865号公報では、感光性樹脂層中の熱可塑性エラストマーの少なくとも一つが、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンの重合体であり、かつ赤外線により切除可能な層(非赤外放射線の遮蔽層、以下同じ。)に用いられるバインダーポリマ−が、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体か、あるいは、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体に水素添加処理をしたものである場合、感光性樹脂層との密着力が良好で、カバーシート剥離時などに起こりうる非赤外放射線の遮蔽層のはがれが解消され、加えて広い範囲での現像溶剤の選択が可能であると記されている。
【0007】
しかし、上記バインダーポリマーのモノビニル置換芳香族炭化水素/共役ジエンの共重合体組成比や、該層中に占めるバインダーポリマーの重量分率によっては、赤外線で切除可能な層の伸縮性が十分でなく、層の表面に微細なシワが発生して画像形成に好ましくない影響を与える可能性がある。またカバーシートとの密着力が高くなり、特に大きいサイズの版の場合はカバーシートの剥離が困難となり、製版作業に支障をきたす。さらにはカバーシートの剥離を断続的に少しづつ行わざるをえなくなるため、赤外線で切除可能な層の表面に剥離痕を残したり、誤って感光性樹脂層を持ち上げて、感光性樹脂層に傷をつけてしまうこともしばしば起こりうる。
【0008】
一方特開2001−80225号公報では、赤外線で切除可能な層に脂肪族ジエステルを含むことを特徴とする感光性印刷素子を用いることで、赤外線で切除可能な層の可とう性向上と高感度化を実現している。しかしながらカバーシートと赤外線で切除可能な層との剥離を容易にする手段についての記述はない。
赤外線で切除可能な層に用いることのできる組成物の組み合わせは多岐にわたるが、この層に求められる密着性や機械的物性、取り扱い性、さらには良好なレ−ザ−描画性や現像性などの特性を備えた組成を選定することは極めて困難なことであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はネガフィルムを用いることなく、デジタル情報となった画像を赤外線レ−ザ−を用いて直接描画する製版プロセスに対応したフレキソ印刷版用感光性構成体において、赤外線で切除可能な層表面の微細なシワを解消するとともに、カバーシートの剥離性を向上させることによって、製版時における作業性向上と安定した画像再現性を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願は以下の発明を提供する。
(a)支持体層と、(b)(a)層上にあり、熱可塑性エラストマ−,エチレン性不飽和化合物及び放射線に感応する開始剤を含む非赤外放射線感応の感光性樹脂層と、(c)(b)層上にあり赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層と、(d)(c)層上のカバーシートとからなる構成体において、(c)の赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層がポリエステル骨格を有する数平均分子量300以上10000以下のポリマ−を含むことを特徴とするフレキソ印刷版用感光性構成体。
【0011】
本発明で用いる支持体層にはポリエステルフィルムなど寸法安定な75μ〜300μのフィルムを用いることができ、感光性樹脂層との間には必要に応じて接着剤を用いても良い。
感光性樹脂層を画像露光して得られるレリ−フ体は、フレキソ印刷版に要求される特性を備えていなければならない。すなわち厚紙や軟質のプラスチックフィルムなどの被印刷体に対しても、良好な印刷性能を発揮するものでなければならない。このような感光性樹脂層の例は種々公知であり、たとえば特開昭55−48744号公報、特開昭47−32179号公報、特開昭56−65004号公報などに記載されているものが用いられる。
本発明における感光性樹脂層はバインダ−ポリマ−としての熱可塑性エラストマ−と、ラジカル重合が可能な少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマ−、放射線に感応する開始剤で構成される。
【0012】
感光性樹脂層に用いられるバインダ−ポリマ−としては、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーから構成される熱可塑性エラストマーが用いられるが、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
また少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマ−はバインダーポリマーと相溶性のあるもので例をあげるなら、t−ブチルアルコ−ルやラウリルアルコ−ルなどのアルコ−ルとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルやラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、あるいはジオクチルフマレ−トなどのアルコ−ルとフマ−ル酸のエステル、さらにはヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ノナンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−トなどの多価アルコ−ルとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルなどを用いることができる。
【0013】
また放射線に感応する開始剤としてはベンゾフェノンのような芳香族ケトン類やベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、α−メチロ−ルベンゾインメチルエ−テル、α−メトキシベンゾインメチルエ−テル、2,2−ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類などの公知の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせて使用することができる。
さらに、本発明で用いられる感光性樹脂層には、要求される特性に応じて、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を用いることができる。
感光性樹脂層は種々の方法で調整することができる。例えば上述のような組成であれば、配合される原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることができる。また溶剤を用いず、ニ−ダ−あるいはロ−ルミルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することができる。
【0014】
赤外線レ−ザ−で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層は、バインダ−ポリマ−とポリエステル骨格を有するポリマー、赤外線吸収物質および非赤外放射線の遮蔽物質で構成される。
バインダ−ポリマ−には種々のポリマーの使用が可能であるが、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのモノビニル置換芳香族炭化水素とブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンからなる共重合体が好ましい。これらバインダーポリマーを用いて非赤外放射線の遮蔽層を構成した場合は、感光性樹脂層との親和性が高く、密着性が良好である。
【0015】
赤外線で切除可能な層に含まれるポリエステル骨格を有する数平均分子量300以上10000以下のポリマ−は、該層の可とう性を向上させるために有効であり、かつ機械的物性、レーザー描画性を損なわない範囲で選択し添加することができるが、該層中の成分中1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは5〜12重量%の範囲で用いる。
ポリエステル骨格をもつポリマーとは、ジーオールとカルボン酸の縮合体の繰り返し単位を主鎖中にもつポリマーであって、末端にのみエステル結合をもつジエステル、トリエステル化合物などは含まれない。
【0016】
特に好ましいポリエステル骨格の例としては、アルカンジオールとアジピン酸から合成されたもの、またはアルカンジオールとフタル酸から合成されたもの、さらにはポリカプロラクトン、あるいはこれらポリエステルの2つ以上の組み合せなどを挙げることができる。
これらポリエステル骨格をもつポリマーを用いることで、赤外線で切除可能な層の表面の微細なシワの発生を解消できる上に、カバーシートの剥離性を向上させることができる。その結果、カバーシートとして用いることのできるフィルムの選択の幅が広がり、ポリエステルフィルムを初め各種汎用のフィルムを用いて製版作業を容易におこなえるようにすることができる。
またカバーシートの剥離性の向上に特に効果があるポリエステルとしては、分子末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールである。
さらにこれらポリエステル骨格をもつ化合物は、バインダーポリマーとの相溶性を損なわない範囲で、アミノ基,ニトロ基,スルフォン酸基、ハロゲンなどの各種官能基を含んでいても良い。
【0017】
赤外線吸収物質には通常750〜2000nmの範囲で強い吸収をもつ単体あるいは化合物が使用される。そのようなものの例としては、カ−ボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロ−ムなどの無機顔料やポリフタロシアニン化合物、シアニン色素、金属チオレ−ト色素などの色素類などが挙げられる。これら赤外線吸収物質は、使用するレ−ザ−光線で切除可能な感度を付与する範囲で添加される。一般的には10〜80重量%の添加が効果的である。
非赤外放射線の遮蔽物質には、紫外線等の放射線を反射または吸収する物質を用いることができる。紫外線等の放射線吸収剤やカ−ボンブラック、グラファイトなどはその好例であり、所要の光学濃度が達成できるように添加量を設定する。一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上の光学濃度となるように添加することが必要である。
【0018】
非赤外放射線の吸収物質と遮蔽物質の両方をかねてカ−ボンブラックを使用する場合の調整方法を例にあげると、適当な溶媒を用いてバインダ−ポリマ−溶液を調整し、そこにカ−ボンブラックを分散させてからポリエステルフィルムなどのカバ−シ−ト上にコ−ティングし、その後このカバ−シ−トを感光性樹脂層にラミネ−トまたはプレス圧着して赤外線レ−ザ−で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層を転写させる方法などが有効である。バインダ−ポリマ−溶液にカ−ボンブラックを分散させる方法としては、撹拌羽根による強制撹拌と超音波を利用した撹拌を併用する方法が効果的である。あるいはバインダ−ポリマ−とカ−ボンブラックを、押し出し機やニ−ダ−を用いて予備混練してから溶剤に溶解する方法も、カ−ボンブラックの良好な分散に有効である。非赤外放射線の遮蔽層の厚みは、赤外線レ−ザ−による切除の感度と非赤外放射線の遮蔽効果を考慮して決定されるべきであるが、通常は0.1〜20g/m2 の範囲で設定される。
【0019】
カバーシートには50〜200μmのポリエステルフィルムやポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが用いられる。これらは非赤外放射線の遮蔽層を保護する目的で存在するものであり、赤外線レーザーで描画される前には除去されるものであるが、フィルムの強度や寸法安定性の観点からは、ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
製版工程で使用される赤外線レ−ザ−としては波長が750−2000nmのものを用いることができる。このタイプの赤外レ−ザ−としては750−880nmの半導体レ−ザ−や1060nmのNd−YAGレ−ザ−が一般的である。これらレ−ザ−の発生ユニットは駆動系ユニットとともにコンピュ−タ−で制御されており、感光性樹脂層上の非赤外放射線の遮蔽層を選択的に切除していくことにより、デジタル化された画像情報をフレキソ版用感光性構成体に付与するものである。
【0020】
レ−ザ−による画像描画が終了した後、フレキソ版用感光性構成体の感光性樹脂層を光硬化するのに用いられる非赤外放射線としては、可視光線、紫外線、X線、γ線等があるが、中でも紫外線が好ましい。紫外線光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カ−ボンア−ク灯、キセノンランプ、太陽光などがある。紫外線等の放射線を画像面から露光することにより所望のレリーフ像を得ることができるが、レリ−フ像を未硬化部の洗い出し時の応力に対してより安定なものにするために、支持体の側からも全面露光を行うことが有効である。
【0021】
感光性樹脂層に紫外線等の放射線を照射して画像を形成させた後、非赤外放射線の遮蔽層と感光性樹脂層の未露光部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、例えば1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤や、ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類が用いられる。またこれらの溶剤にプロパノール、ブタノ−ル、ペンタノ−ル等のアルコ−ル類を混合したものも用いることも可能である。
非赤外放射線の遮蔽層および未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングでおこなわれる。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して仕上げをする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
【実施例1〜7】、【比較例1〜4】
スチレンとブタジエンのブロック共重合体であるアサフレックス810(旭化成株式会社製)65wt%とカーボンブラック35wt%をニーダーで混練し、ペレット状に断裁した。このペレット90部と表−1に記載の化合物10部の割合で、酢酸エチル/酢酸ブチル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=50/30/20の重量比で調整した混合溶剤に超音波を利用して溶解し、固形分12wt%の均一な溶液を調整した。
次にこの溶液を100μmの厚みのカバーシートとなるポリエステルフィルム上に、乾燥後の塗布量が4−5g/m2 となるようにナイフコ−タ−を用いて塗布し、80℃で1分間乾燥して、赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層を調整した。これらの光学濃度をDM−500(大日本スクリーン社製)で測定したところ、3.0〜4.0であった。
【0023】
次にタフプレンA(旭化成株式会社製、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)60部と、B−2000(日本石油化学製、液状ポリブタジエン)30部、1,9−ノナンジオールジアクリレート7部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン2部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3部とをニーダーで混練し押出し、感光性樹脂組成物の板を調整した。この感光性樹脂組成物の板を125μのポリエステルフィルムの支持体と、先に調整したカバーシート上の非赤外放射線の遮蔽層とで挟み、3mmのスペ−サーを用いてプレス機で130℃の条件で4分間、200kg/cm2 の圧力をかけて、フレキソ印刷版用感光性構成体を成形した。
【0024】
【表1】
Figure 0004590142
【0025】
このフレキソ印刷版用感光性構成体のカバーシートを剥離したところ、実施例1〜7に示したポリエステルを含む場合は、滑らかにカバーシートが剥離でき、感光性構成体全体を持ちあげて版を傷めたりすることもなく、赤外線切除可能な層の表面も平滑であった。
この構成体をレーザー書き込み装置のドラムに装着し、10MW/cm2 のエネルギ−密度のNd−YAGレーザーを用いて非赤外放射線の遮蔽層を選択的に切除し、3%−120線/インチの網点パタ−ンを描画したあと、AFP−1500露光機(旭化成株式会社製)上で370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から300mJ/cm2 のバック露光をおこなった後、引き続き8000mJ/cm2 のレリ−フ露光をおこなった。次にテトラクロルエチレン/n−ブタノ−ル(容積比:3/1)を現像液として、AFP−1500現像機(旭化成株式会社製)の回転するシリンダーに構成体を両面テ−プで貼り付けて、液温25℃で5分間現像をおこなったところ、網点パターンが忠実に再現されていた。
【0026】
一方比較例1ではカバーシートの剥離が重く、カバーシートの剥離時に感光性構成体が持ちあがり、カバーシートの剥離作業は困難を極めた。強くカバーシートを剥離しようとすると、版全体が屈曲して感光層に傷が残った。また赤外線で切除可能な層の可とう性も乏しく、レーザー書き込み装置のドラムに装着する作業の途中で、赤外線で切除可能な層の表面に微細なシワが多数認められた。
比較例2−4でもやはりカバーシートの剥離が重く、断続的に少しづつ剥離せざるをえないため、赤外線で切除可能な層の表面に剥離痕がところどころに残る結果となった。
比較例1−4の感光性構成体をカバーシートを剥離した後、実施例1−7と同じ手順で製版して得られたフレキソ印刷版を観察したところ、微細なシワや剥離痕に由来するレリーフの形成不良が認められた。
【0027】
【発明の効果】
ネガフィルムを用いることなく、デジタル情報となった画像を赤外線レ−ザ−を用いて直接描画する製版プロセスに対応したフレキソ印刷版用感光性構成体において、ポリエステル骨格を有する数平均分子量300以上10000以下のポリマ−を含む新規な赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層を用いることで、赤外線により切除可能な層の微細なシワを解消するとともに、カバーシートの剥離性を向上させることによって、製版時における作業性向上と安定した画像再現性が可能となる。

Claims (6)

  1. (a)支持体層と、(b)(a)層上にあり、熱可塑性エラストマ−,エチレン性不飽和化合物及び放射線に感応する開始剤を含む非赤外放射線感応の感光性樹脂層と、(c)(b)層上にあり赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層と、(d)(c)層上のカバーシートとからなる構成体において、(c)の赤外線で切除可能な非赤外放射線の遮蔽層がポリエステル骨格を有する数平均分子量300以上10000以下のポリマ−を含むことを特徴とするフレキソ印刷版用感光性構成体。
  2. (b)感光性樹脂層中の熱可塑性エラストマーの少なくとも一つが、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンの重合体であり、かつ、(c)赤外線により切除可能な非赤外放射線の遮蔽層が、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体をバインダーポリマ−として含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷版用感光性構成体。
  3. (c)赤外線により切除可能な非赤外放射線の遮蔽層に含まれるポリエステル骨格をもつポリマ−の重量分率が、該層中成分の1〜20重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレキソ印刷版用感光性構成体。
  4. (c)赤外線により切除可能な非赤外放射線の遮蔽層に含まれるポリエステル骨格をもつポリマーが、その分子末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性構成体。
  5. (c)赤外線により切除可能な非赤外放射線の遮蔽層に含まれるポリエステル骨格をもつポリマ−が、アルカンジオールとアジピン酸から合成されたもの、またはアルカンジオールとフタル酸から合成されたもの、またはポリカプロラクトン、もしくはこれらポリエステルの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性構成体
  6. (d)カバーシートがポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフレキソ印刷版用感光性構成体。
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