JP2000267264A - 感光性樹脂スリーブ構成体 - Google Patents

感光性樹脂スリーブ構成体

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JP2000267264A
JP2000267264A JP7299699A JP7299699A JP2000267264A JP 2000267264 A JP2000267264 A JP 2000267264A JP 7299699 A JP7299699 A JP 7299699A JP 7299699 A JP7299699 A JP 7299699A JP 2000267264 A JP2000267264 A JP 2000267264A
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sleeve
photosensitive resin
infrared
latex
adhesive
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JP7299699A
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Shuji Ozaki
修司 小崎
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷した後、そのスリーブを容易に回収再生
でき、繰り返し使用が可能な感光性樹脂スリーブ構成体
を提供する。 【解決手段】(1)スリーブ (2)スリーブ上に設けられ、スリーブとは剥離可能な
支持体 (3)支持体上に設けられたつなぎ目が実質的にない感
光性樹脂層 (4)感光性樹脂層上に設けられた赤外線により切除可
能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受性層 の(1)(2)(3)(4)からなるつなぎ目の無いス
リーブ印刷版を作製するための感光性樹脂スリーブ構成
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキソ印刷に用
いられるつなぎ目の無いスリーブ印刷版を作製する際に
用いられる赤外感受性層を有する構成体であって、その
スリーブが繰り返し使用可能な感光性樹脂スリーブ構成
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のフレキソ印刷版は、特開昭55−
48744号公報や特開平5−134410号公報など
に記載されているように、感光性エラストマー組成物を
用い、それをネガフィルムを通して画像露光し、未露光
部を洗い出すことによって製造されている。そして得ら
れた印刷版は印刷機のシリンダーにはりつけられて印刷
に用いられるが、精度よく位置を決めてはりこむ作業に
長時間を要しており、この作業を簡略化、できれば省略
する方法が望まれている。
【0003】また、連続的で切れ目の無い図柄を印刷す
る場合には、版のつなぎ目部分の処理が問題となるが、
従来から板状の感光性樹脂をスリーブなどに巻き付けた
後、類似の液状樹脂あるいは感光性エラストマー組成物
を溶剤に溶かしたものなどをつなぎ目の接着剤として用
い、つなぎ目に生じる盛り上がりを削り取るなどしてシ
ームレスの状態にする方法がとられてきた。しかし、こ
のような作業は熟練と長時間の作業が必要な上に、その
方法では完全につなぎ目を無くすことが難しく、簡単に
完全なシームレスの版を得る方法が望まれていたのであ
る。
【0004】完全につなぎ目がないスリーブ版を作製す
る方法としては、これ迄に板状感光性樹脂をスリーブに
巻き付けた後、該感光性樹脂の軟化温度以上に加温して
つなぎ目を無くし、ついでグラインダーで表面を研磨す
ることで精度の良い継ぎ目の無い感光性樹脂層を得る方
法が提案されている。しかし、この方法により継ぎ目の
ない精度の良いスリーブ感光性樹脂層を得ることができ
るようになったが、画像を形成するためにネガフィルム
を版に密着させて露光すると、ネガフィルムの端部が重
なりを生じ、得られる印刷版のその部分が段差模様とな
るため、印刷版として継ぎ目のないものを得ることはで
きなかった。
【0005】最近になって、特開平8−305030号
公報や特開平9−166875号公報などに記載されて
いるような、感光性樹脂表面に赤外線レーザーによる切
除が可能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受
性層を設け、赤外線レーザーで描画することでマスクを
形成し、次いでこのマスクを通しての画像露光、現像、
乾燥により印刷版を作製することが行われるようになっ
てきた。
【0006】この技術を利用して、つなぎ目の無い感光
性樹脂層の上に赤外線感受性層を設けて赤外線レーザー
でマスクを形成し、これを通して画像露光、現像、乾燥
によりつなぎ目の無い印刷版を作製することが試みられ
るようになった。しかし、従来の方法では接着材を用い
てスリーブ上に設けられた感光性樹脂層をスリーブと直
接あるいはクッション層などを介してしっかり接着させ
るため、印刷終了後スリーブから剥がすことが難しく、
高価なスリーブの再生利用ができないという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解決した、印刷版としての使用後、容
易に再生利用できるつなぎ目の無い感光性樹脂スリーブ
印刷版を作製するのに用いる感光性樹脂スリーブ構成体
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題につ
いて検討した結果、感光性樹脂スリーブ構成体のスリー
ブ上に該スリーブとは剥離可能な支持体を設けることで
該課題を解決できることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は (1)スリーブ (2)スリーブ上に設けられ、スリーブとは剥離可能な
支持体 (3)支持体上に設けられたつなぎ目が実質的にない感
光性樹脂層 (4)感光性樹脂層上に設けられた赤外線により切除可
能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受性層 の(1)(2)(3)(4)からなるつなぎ目の無いス
リーブ印刷版を作製するための感光性樹脂スリーブ構成
体を提供するものである。
【0010】本発明で用いられるスリーブは、フレキソ
印刷用スリーブとして一般に使用されているものであれ
ば使用でき、例えばニッケルスリーブ、プラスチックス
リーブ、グラスファイバースリーブなどが用いられる。
【0011】本発明では、そのスリーブの一部に接着
材、粘着材、あるいは両面接着テープを付けた後、支持
体付き感光性樹脂シートをその両端部が接着材、粘着材
あるいは両面接着テープの上に来るように巻き付けるこ
とで、スリーブとは剥離可能な支持体をスリーブ上に形
成することができた。なお支持体フィルムのみをまずス
リーブに巻き付けてその上に感光性樹脂シートを貼り付
けても差し支えない。
【0012】両面接着テープを用いる場合、その幅は5
mmから10cm程度のものが使用されるが、幅が大き
いと剥離操作がしにくくなるし、小さいと後の工程で感
光性樹脂層が剥がれ易くなるので、2〜5cm程度のも
のが好ましい。接着材を使用する場合も上記と同程度の
幅に接着材を塗布して支持体を巻き付ける。粘着材を使
用する場合は広範囲に粘着材を塗布しても支持体の剥離
作業は支障ないが、狭すぎると十分に固定することがで
きないので、3cm以上の幅にわたって付与することが
望ましい。接着材、粘着材及び両面接着テープは市販の
ものを使用することができる。
【0013】支持体は寸法安定性を有するフィルム、シ
ート類を使用することができる。ポリエステルフィルム
は寸法安定性、取り扱い安さの上で好適な支持体であ
る。支持体の厚みは通常75μから300μ程度のもの
が使用されるが、厚くなりすぎるとスリーブに巻き付け
にくくなるので200μ以下の厚みのものが好ましい。
また、スリーブ上での作業性の点からは支持体上に感光
性樹脂が必要に応じて接着材を介して積層されたものを
用いるのが好ましい。
【0014】本発明で用いる感光性樹脂組成物はフレキ
ソ印刷版用として公知のものが使用できる。一般的には
バインダーポリマーと少なくとも一種のエチレン性不飽
和モノマーと光開始剤を主成分として構成された組成物
が用いられ、又感光性樹脂層に要求される特性に応じて
増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を
添加した組成物が使用できる。
【0015】バインダーポリマーとしては、例えばモノ
ビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマ
ーを重合して得られる熱可塑性エラストマーが用いられ
る。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、
スチレン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレン、
p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマーと
してはブタジエン,イソプレン等があげられる。具体例
としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体などをあげることができる。
【0016】少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマ
ーとしては、バインダーポリマーと相溶性のあるもの
で、例えばt−ブチルアルコールやラウリルアルコール
などのアルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエス
テル或いはラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイ
ミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、又
はジオクチルフマレートなどのアルコールとフマール酸
のエステル、さらにはヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの
多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステ
ルなどを挙げることができる。
【0017】光開始剤としてはベンゾフェノンのような
芳香族ケトン類やベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキ
シベンゾインメチルエーテル、2,2−ジエトキシフェ
ニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類などの公
知の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせて使
用される。
【0018】感光性樹脂層は種々の方法で調製すること
ができる。例えば、配合される原料を適当な溶媒、例え
ばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチル
ケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の
中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることが
できる。また溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミ
ルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどによ
り所望の厚さの板に成形することができる。
【0019】感光性樹脂シートをスリーブに巻き付ける
にあたっては、感光性樹脂の端部同士に隙間ができない
よう、正確にシートを切断して用いることが必要であ
る。スリーブに巻き付けた後、感光性樹脂の軟化点以上
に加温して感光性樹脂の端部同士を溶融接着させる。加
温時間は通常20分から1時間で、温度と樹脂の軟化点
に応じて端部同士が融着することを目安に決められる。
ついでグラインダーで感光性樹脂表面を研磨してつなぎ
目を完全に無くすと同時に精度を出した後、感光性樹脂
の軟化点以上に再度加温処理を行う。
【0020】その時間は温度によるが10から40分程
度で、感光性樹脂表面全体に光沢が見られるようになる
まで行う。長時間加温し続けると印刷版としての精度が
損なわれるので一時間以内で処理することが望ましい。
【0021】次いで赤外線感受性溶液が塗布される。赤
外線感受性溶液は、溶剤可溶または分散性のバインダー
ポリマー、赤外線吸収性物質、非赤外線遮蔽性物質を含
有する溶液で、感光性樹脂層上に塗布することで赤外線
による切除が可能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤
外線感受性層を形成するのに使用される。
【0022】赤外線感受性溶液に用いられる溶剤可溶性
または分散性バインダーポリマーとしては、種々のラテ
ックスやジエン系ポリマー、ポリアミド、セルロース誘
導体など、特開平8−305030号公報や特開平9−
166875号公報などに赤外線感受性層用バインダー
ポリマーとして開示されている公知のものが用いられ
る。
【0023】バインダーとしてラテックスを用いると水
系の赤外線感受性溶液となるため作業環境や安全性の点
で好ましい。また、もともと水に分散された状態のため
再溶解の手間がかからず好都合である。このようなラテ
ックスとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エス
テルを原料単量体とするアクリル系ラテックス、スチレ
ン−アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラ
テックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系ラテッ
クス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、ク
ロロプレン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、エ
チレン−酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系ラテック
スなどが挙げられ、好ましくはアクリル系ラテックス、
スチレン−アクリル系ラテックス、スチレンブタンジエ
ン系ラテックスなどを挙げることができる。これらは単
独あるいは混合して用いることができる。
【0024】このようなラテックスは、公知の乳化重合
法によって得られる。乳化重合の方法に関しては特に制
限はなく、従来公知の方法、例えば水性媒体中で単量
体、連鎖移動剤と界面活性剤、ラジカル重合開始剤と、
必要に応じて用いられる他の添加剤成分を基本構成成分
とする分散系において、単量体を重合させて合成樹脂の
粒子の水性分散液、すなわちラテックスを製造する。そ
して、重合に際しては、単量体組成を全重合課程で均一
にする方法や重合課程で逐次、あるいは連続的に変化さ
せることによって生成するラテックス粒子の形態的な組
成変化を与える方法など所望に応じてさまざまな方法も
利用できる。
【0025】またウレタン系ラテックスは、イソシアネ
ート化合物とポリオール化合物との反応によって得られ
るウレタン樹脂を、分子中の親水性基もしくは界面活性
剤で乳化させたものが用いられる。本発明に用いられる
ラテックスは、塗工液を塗工して乾固した時に膜を形成
することが可能で、使用する赤外線レーザー光線で切除
可能な膜厚を与える範囲で添加される。一般的には乾固
後の膜に対してポリマー分として20〜80重量%の添
加が好ましい。
【0026】本発明に用いられるラテックスは、ガラス
転移温度(Tg)が低すぎると乾燥後の非赤外線の遮蔽
層のべとつきが大きくなって、表面に印刷版の再現性に
悪影響を与えるゴミやホコリが付着し易くなる為、感光
性樹脂層の上での非赤外線の遮蔽層のタック値は、PI
CMAタックテスター(東洋精機社製、被接触体PE
T)による測定で300g/13mm以下であることが
望ましい。逆にラテックスのTgが高すぎると、乾燥し
た時に膜にクラックを生じ易くなる為、好適なTgの範
囲がある。
【0027】本発明の中で定義するTgは、DSCによ
る10℃/分の昇温で、変曲点の温度を指し、ラテック
スとして−20〜50℃のものを使用することが望まし
い。またこの時、膜のべとつき低減とクラック発生の抑
制をバランスよく達成する為には、2−(2−ブトキシ
エトキシエタノール)や2−ブトキシエタノールなどを
製膜助剤として添加することが有効である。
【0028】バインダーと組み合わせて用いられる赤外
線吸収物質としては通常750〜2000nmの範囲で
強い吸収をもつ単体あるいは化合物が使用される。その
ようなものの例としては、カーボンブラック、グラファ
イト、亜クロム酸銅、酸化クロームなどの無機顔料やポ
リフタロシアニン化合物、シアニン色素、クロコニウム
色素、金属チオレート色素などの色素類などが挙げられ
る。特に水分散性の顔料は、バインダーとしてラテック
スを用いる場合、混合し易く適している。これら赤外線
吸収物質は、使用する赤外線レーザー光線で切除可能な
感度を付与する範囲で添加される。一般的には乾固後の
膜に対して赤外線吸収物質分として20〜80重量%の
範囲で添加される。
【0029】非赤外線の遮蔽物質には、紫外光を反射ま
たは吸収する物質を用いることができる。例えば紫外線
吸収剤やカーボンブラック、グラファイト等はその好例
であり、所望の光学濃度が達成できるように添加量を設
定する。一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上
の光学濃度となるように添加することが必要である。な
お、赤外線吸収性物質と非赤外線遮蔽性物質は同一であ
っても差し支えない。
【0030】ラテックスをバインダーとして用いる赤外
線感受性液の場合、塗工液の濡れ性を良くする目的でス
ルホン酸塩型アニオン界面活性剤やパーフルオロアルキ
ル化合物などの界面活性剤を添加することができる。更
に消泡剤、防腐剤などの添加剤を加えても良い。塗工液
を容器から移し替える時などの取り扱い性を改善する目
的で加える消泡剤としては、シリコーン類、長鎖アルコ
ール類、脂肪酸エステル類、金属セッケン類など公知の
消泡剤を用いることができる。
【0031】感光性樹脂の表面に直接塗布する方法とし
ては、リングコーターなどの浸漬塗工方法、スプレーな
どが挙げられる。本発明では特にリングコーターような
浸積塗工の方が効果が優れている。
【0032】赤外線感受性層の厚みは、赤外線レーザー
による切除の感度と非赤外線の遮蔽効果を考慮して決定
されるが、通常は0.1〜20g/m2、好ましくは1
〜5g/m2の範囲で設定される。
【0033】次いで、赤外線レーザー描画により赤外線
感受性層を画像的に切除しマスクを形成する。この工程
で使用される赤外線レーザーとしては波長が750−2
000nmのものを用いることができる。このタイプの
赤外レーザーとしては750−880nmの半導体レー
ザーや1060nmのNd−YAGレーザーが一般的で
ある。これらレーザーの発生ユニットは駆動系ユニット
とともにコンピューターで制御されており、感光性樹脂
層上の非赤外線の遮蔽層を選択的に切除していくことに
より、デジタル化された画像情報をフレキソ版用感光性
構成体に付与することができる。
【0034】レーザーによる画像描画が終了した後、フ
レキソ版用感光性構成体の感光性樹脂層を光硬化するの
に用いられる紫外線光源としては、高圧水銀灯、紫外線
蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光な
どがある。紫外線を画像面から露光することにより所望
のレリーフ像を得ることができる。
【0035】感光性樹脂層に紫外線を照射して画像を形
成させた後、非赤外線の遮蔽層と感光性樹脂層の未露光
部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、感光性
樹脂層を溶解する性質を持つものであればいずれも使用
可能であるが、例えばヘプチルアセテート、3−メトキ
シブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエ
ン、デカリン等の炭化水素類、テトラクロルエチレンな
どの塩素系溶剤等が用いられる。またこれらの溶剤にプ
ロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール
類を混合したものも用いることも可能である。非赤外線
の遮蔽層および未露光部の洗い出しはノズルからの噴射
によって、またはブラシによるブラッシングでおこなわ
れる。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾燥後に後露光
を実施して仕上げをする。
【0036】このようにして得られたつなぎ目の無いス
リーブ印刷版は印刷に供された後、感光性樹脂層にカッ
ターで切り込みを入れることによりスリーブを傷付ける
ことなく容易にスリーブから剥ぎ取ることができ、その
スリーブは再使用することができるのである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明のの実施の形態を実
施例に基づいて具体的に説明する。
【0038】
【実施例】実施例1 外周461.15mm、長さ1250mmのニッケルス
リーブに、幅3cmに切った両面テープ(スコッチ社
製、テープ厚み100μm)をスリーブの長さ方向にま
っすぐ一筋貼り付けた。幅1200mmのPETフィル
ム(厚さ100μm)をスリーブの周囲より5〜6cm
長い長さで準備し、スリーブに貼った両面テープの表面
合紙は付けたまま両面テープの上で重なり合うようにス
リーブに巻き付けた。
【0039】次いで両面テープ中央部の上から、カッタ
ーナイフにて重なったPETフィルムを二枚一緒に切っ
た。切り取ったPETフィルムの端と両面テープの表面
合紙を除去し、PETフィルムの切り口を両面テープに
隙間なく合わせて貼り付けることで、表面にたるみや重
なりなくPETフィルムを貼ったニッケルスリーブを得
た。
【0040】このスリーブのPETフィルムの上から、
接着剤メガム11658(商品名、ケメタール社(独)
製)をウエットの塗工量120g/m2で均一にスプレ
ー塗布し、60℃で15分間乾燥させた。これにTGI
ストッキング(商品名、アンダーソン・アンド・フリー
ラント社製)を繊維の重なりがないように引き伸ばしな
がら被せた。
【0041】フレキソ印刷用感光性樹脂固体版AFP/
HD−11(商品名、旭化成(株)製、版厚3.18m
m、サイズ762mm×1016mm)の短い辺を切っ
て、465.8mm×1016mmの大きさとした。こ
のシートのスリップ層のある面とは反対側のフィルムを
剥離除去した後、前述のスリーブにフィルムを除去した
面を下にして、465.8mmに切った辺を円周方向と
して弛みなく巻き付けたところ、シートの長さはスリー
ブの周囲よりわずかに短くなった。この隙間を粘着テー
プで引き寄せるようにしてつないだ後、感光性樹脂シー
トの両端5cmからスリーブの外側までを粘着テープで
覆った。
【0042】スリーブ両端を覆った粘着テープとスリー
ブとの間を真空引きすることで、感光性樹脂シートとス
リーブを密着させた状態で、感光性樹脂シート表面のP
ETフィルム(カバーシート)を感光性樹脂シート両端
に巻き付けた粘着テープのすぐ内側でカッターナイフで
円周に沿って切った後、切った内側のPETフィルム並
びにスリップ層を剥離除去した。なおも感光性樹脂シー
ト両端の粘着テープとスリーブの間を真空引きしたまま
の状態で、スリーブ全体を130℃で20分間加熱処理
したところ、感光性樹脂シートの継ぎ目が見えなくなっ
た。
【0043】こうして得られた継ぎ目のない感光性樹脂
スリーブを、グラインディングマシンSA6/2U×2
00(シュライフ・マシーネンヴェルク社(独)製)に
セットし、感光性樹脂の外周が480mmになるまで研
磨した。次いでこの感光性樹脂スリーブ全体を、130
℃で30分間加熱処理して、継ぎ目のない感光性樹脂ス
リーブを得た。
【0044】アクリル系ラテックスA65(商品名、旭
化成(株)製、固形分濃度65%、Tg約7℃)23.
1重量部、湿潤剤 ノプコウェット50(商品名、サン
ノプコ(株)製、固形分約50%)1.0重量部、界面
活性剤サーフロンS−113(商品名、セイミケミカル
(株)製、固形分30%)0.05重量部、消泡剤SN
デフォーマー777(商品名、サンノプコ(株)製、固
形分98%)0.02重量部、液体タイプ顔料ユニスパ
ースBlack B−PI(商品名、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(株)製)38.1重量部、水30重
量部を混合し、超音波洗浄機FC−100Z−IA(日
本ヒューチャア社製)で30分間分散処理を行うこと
で、赤外線感受性塗工液を準備した。
【0045】前述の感光性樹脂スリーブを上記の赤外線
感受性塗工液に浸漬した後、スリーブの長さ方向を塗工
液の液面と直角にして50mm/分の速度で引き上げ、
60℃で30分間乾燥させたところ、感光性樹脂の表面
に均一な赤外線感受性層を得ることができた。
【0046】この赤外線感受性層付き感光性樹脂スリー
ブに対して、赤外線レーザーセッターで描画したとこ
ろ、画像データを忠実に再現したフォトマスクを形成す
ることができた。この感光性樹脂スリーブ表面の全体
に、12mw/cm2の紫外線蛍光灯で4000mj/
cm2の露光を行った後、ソルベッソ150(商品名、
エクソン化学社製、芳香族炭化水素)/ベンジルアルコ
ール=4:1(体積)の混合溶剤を用いてブラシによる
非赤外線の遮蔽層の洗い落とし及び感光性樹脂層の未露
光部分の洗い出しを行い、60℃で1時間乾燥して継ぎ
目のないフレキソ印刷版を得た。
【0047】これを用いて印刷を行ったところ良好な印
刷物がえられ、また印刷中にスリーブ上で感光性樹脂レ
リーフが動くなどの不具合も見られなかった。印刷終了
後、不要となった継ぎ目のないスリーブフレキソ印刷版
は、樹脂表面からカッターナイフで樹脂とその下のPE
Tフィルムとを切断することで、容易にニッケルスリー
ブからPETフィルムごと感光性樹脂層を除去すること
ができた。こうして回収したニッケルスリーブは、表面
にキズ等ほとんどなく、上記方法で繰り返し使用しても
スリーブが裂けるようなことはなかった。
【0048】比較例1 外周461.15mm、長さ1200mmのニッケルス
リーブに接着剤メガム11658(商品名、)をウエッ
トの塗工量120g/m2で均一にスプレー塗布し、6
0℃で15分間乾燥させた。これにTGIストッキング
(商品名、)を繊維の重なりがないように引き伸ばしな
がら被せた。以下実施例1と同じ方法で継ぎ目のないフ
レキソ印刷版を作製した。これを用いて印刷を行った
後、版をスリーブから剥がそうとしても、剥ぎ取ること
ができなかった。そこで感光性樹脂層を研磨除去するこ
とでニッケルスリーブを再利用することを試みたが、研
磨工程でスリーブに傷が入り、再利用の際にスリーブが
裂けて使用することができなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂スリーブ構成体は、
それを用いて印刷した後、そのスリーブを容易に回収再
生することができるので、該スリーブを繰り返し使用で
きるという効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)スリーブ (2)スリーブ上に設けられ、スリーブとは剥離可能な
    支持体 (3)支持体上に設けられたつなぎ目が実質的にない感
    光性樹脂層 (4)感光性樹脂層上に設けられた赤外線により切除可
    能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受性層 の(1)(2)(3)(4)からなるつなぎ目の無いス
    リーブ印刷版を作製するための感光性樹脂スリーブ構成
    体。
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