JP2000263744A - 継ぎ目の無い感光性樹脂スリーブ印刷版の製造方法 - Google Patents

継ぎ目の無い感光性樹脂スリーブ印刷版の製造方法

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JP2000263744A
JP2000263744A JP7301799A JP7301799A JP2000263744A JP 2000263744 A JP2000263744 A JP 2000263744A JP 7301799 A JP7301799 A JP 7301799A JP 7301799 A JP7301799 A JP 7301799A JP 2000263744 A JP2000263744 A JP 2000263744A
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infrared
sleeve
layer
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Shuji Ozaki
修司 小崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線レーザーを用いた継ぎ目の無い印刷版
を得る方法において、グラインド後の赤外線感受性層を
設ける際に生じるすじ状のかすれをなくし均一な赤外線
感受性層を形成する方法を提供すること。 【解決手段】 スリーブ上に感光性樹脂層を積層し、次
いで感光性樹脂の軟化温度以上に加熱することによって
つなぎ目を接着し、グラインドにより感光性樹脂表面を
研磨することによって完全につなぎ目を無くした後、赤
外感受性層を設け、赤外線レーザー描画によりマスクを
形成し、さらにマスクを通しての画像露光、未露光部の
現像によりつなぎ目の無い印刷版を得る方法において、
該グラインド工程と赤外線感受性層を設ける工程の間に
感光性樹脂の軟化温度以上で加温する工程を設けること
を特徴とする継ぎ目の無い感光性樹脂スリーブ印刷版の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキソ印刷に用
いられる継ぎ目の無い感光性樹脂スリーブ印刷版を製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のフレキソ印刷版は特開昭55−4
8744号公報や特開平5−134410号公報などに
記載されているように、感光性エラストマー組成物を用
い、それをネガフィルムを通して画像露光し、未露光部
を洗い出すことによって製造されている。そして得られ
た印刷版は印刷機のシリンダーにはりつけられて印刷に
用いられるが、精度よく位置を決めてはりこむ作業に長
時間を要しており、この作業を簡略化、できれば省略す
る方法が望まれている。
【0003】また、連続的で切れ目の無い図柄を印刷す
る場合には、版のつなぎ目部分の処理が問題となるが、
従来から板状の感光性樹脂をスリーブなどに巻き付けた
後、類似の液状樹脂あるいは感光性エラストマー組成物
を溶剤に溶かしたものなどをつなぎ目の接着剤として用
い、つなぎ目に生じる盛り上がりを削り取るなどしてシ
ームレスの状態にする方法がとられてきた。しかし、こ
のような作業は熟練と長時間の作業が必要な上に、その
方法では完全につなぎ目を無くすことが難しく、簡単に
完全なシームレスの版を得る方法が望まれていたのであ
る。
【0004】完全につなぎ目がないスリーブ状版を作製
する方法としては、これ迄に板状感光性樹脂をスリーブ
に巻き付けた後、該感光性樹脂の軟化温度以上に加温し
てつなぎ目を無くし、ついでグラインダーで表面を研磨
することで精度の良い継ぎ目の無い感光性樹脂層を得る
方法が提案されている。しかし、この方法により継ぎ目
のない精度の良いスリーブ状感光性樹脂層を得ることが
できるようになったが、画像を形成するためにネガフィ
ルムを版に密着させて露光すると、ネガフィルムの端部
が重なりを生じ、得られる印刷版のその部分が段差模様
となるため、印刷版として継ぎ目のないものを得ること
はできなかった。
【0005】最近になって、特開平8−305030号
公報や特開平9−166875号公報などに記載されて
いるような、感光性樹脂表面に赤外線レーザーによる切
除が可能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受
性層を設け、赤外線レーザーで描画することでマスクを
形成し、ついでこのマスクを通しての画像露光、現像、
乾燥により印刷版を作製することが行われるようになっ
てきた。
【0006】この技術を利用して、つなぎ目の無い感光
性樹脂層の上に赤外線感受性層を設けて赤外線レーザー
でマスクを形成し、これを通して画像露光、現像、乾燥
によりつなぎ目の無い印刷版を作製することが試みられ
るようになった。しかし、グラインドして得られる感光
性樹脂表面に赤外線感受性溶液を塗布するとすじ状のか
すれが現れ、均一な赤外線感受性層を得ることができな
いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解決し、前述の赤外感受性層を設け、
赤外線レーザー描画により継ぎ目の無い印刷版を得る方
法において、グラインド後赤外線感受性層を設ける際に
生じるすじ状のかすれをなくし均一な赤外線感受性層を
形成する方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題につ
いて検討した結果、前述のつなぎ目の無い印刷版を得る
方法において、グラインド工程と赤外線感受性層を設け
る工程の間に感光性樹脂の軟化温度以上で加温する工程
を設けることで該課題を解決できることを見いだし本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明はスリーブ上に感光性樹
脂層を積層し、次いで感光性樹脂の軟化温度以上に加熱
することによってつなぎ目を接着し、グラインドにより
感光性樹脂表面を研磨することによって完全につなぎ目
を無くした後、赤外感受性層を設け、赤外線レーザー描
画によりマスクを形成し、さらにマスクを通しての画像
露光、未露光部の現像によりつなぎ目の無い印刷版を得
る方法において、該グラインド工程と赤外線感受性層を
設ける工程の間に感光性樹脂の軟化温度以上で加温する
工程を設けることを特徴とする継ぎ目の無い感光性樹脂
スリーブ印刷版の製造方法を提供するものである。
【0010】本発明で用いられるスリーブはフレキソ印
刷用スリーブとして一般に使用されているものであれば
よく、例えばニッケルスリーブ、プラスチックスリーブ
やグラスファイバースリーブなどを用いることができ
る。又必要に応じてスリーブ上にウレタンフォームなど
のクッション層を設け、感光性樹脂層を積層して用いる
ことができる。またスリーブ、クッション材、感光性樹
脂層などの間には必要に応じて接着剤を使用してもよ
い。
【0011】本発明において用いる感光性樹脂組成物
は、フレキソ印刷版用として公知のものが使用できる。
一般的にはバインダーポリマーと少なくとも一種のエチ
レン性不飽和モノマーと光開始剤を主成分とする組成物
が用いられる。さらに、この感光性樹脂層に要求される
特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤な
どの添加剤を含むことができる。
【0012】バインダーポリマーとしては、例えばモノ
ビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマ
ーを重合して得られる熱可塑性エラストマーが用いられ
る。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマーと
してはブタジエン、イソプレン等があげられる。具体例
としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体などをあげることができる。
【0013】少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマ
ーとしては、バインダーポリマーと相溶性のあるもの
で、例えばt−ブチルアルコールやラウリルアルコール
などのアルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエス
テル、或いはラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレ
イミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、
又はジオクチルフマレートなどのアルコールとフマール
酸のエステル、さらにはヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど
の多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエス
テルなどを挙げることができる。
【0014】光開始剤としては、ベンゾフェノンのよう
な芳香族ケトン類やベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メ
トキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジエトキシ
フェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類など
の公知の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせ
て使用される。
【0015】感光性樹脂層は種々の方法で調製すること
ができる。例えば配合される原料を適当な溶媒、例えば
クロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケ
トン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中
に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることがで
きる。また溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミル
で混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより
所望の厚さの板に成形することができる。感光性樹脂シ
ートをスリーブに巻き付けるにあたっては、感光性樹脂
の端部同士に隙間ができないよう、正確にシートを切断
して用いることが必要である。
【0016】スリーブに巻き付けた後、感光性樹脂の軟
化点以上に加温して感光性樹脂の端部同士を溶融接着さ
せる。加温時間は通常20分から1時間で、温度と樹脂
の軟化点に応じて端部同士が融着することを目安に決め
られる。ついでグラインダーで感光性樹脂表面を研磨し
てつなぎ目を完全に無くすと同時に精度を出した後、感
光性樹脂の軟化点以上に再度加温処理を行う。その時間
は温度によるが10から40分程度で、感光性樹脂表面
全体に光沢が見られるようになるまで行う。長時間加温
し続けると印刷版としての精度が損なわれるので一時間
以内で処理することが望ましい。これらの加温工程が極
めて重要な工程なのである。なお、スリーブ上にクッシ
ョン層やストッキングなど設け、その上に感光性樹脂を
積層し、加温処理を長時間行う際、気泡が発生すること
があるので、それを防ぐために端部からの真空引きを行
うことが望ましい。
【0017】ついで赤外線感受性溶液が塗布される。赤
外線感受性溶液は、溶剤可溶または分散性のバインダー
ポリマー、赤外線吸収性物質、非赤外線遮蔽性物質を含
有する溶液で、感光性樹脂層上に塗布することで赤外線
による切除が可能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤
外線感受性層を形成するのに使用される。
【0018】赤外線感受性溶液に用いられる溶剤可溶性
または分散性バインダーポリマーとしては、種々のラテ
ックスやジエン系ポリマー、ポリアミド、セルロース誘
導体など、特開平8−305030号公報や特開平9−
166875号公報などに赤外線感受性層用バインダー
ポリマーとして開示されている公知のものが用いられ
る。
【0019】バインダーとしてラテックスを用いると水
系の赤外線感受性溶液となるため作業環境や安全性の点
で好ましい。また、もともと水に分散された状態のため
再溶解の手間がかからず好都合である。このようなラテ
ックスとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エス
テルを原料単量体とするアクリル系ラテックス、スチレ
ン−アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラ
テックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系ラテッ
クス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、ク
ロロプレン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、エ
チレン−酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系ラテック
スなどが挙げられ、好ましくはアクリル系ラテックス、
スチレン−アクリル系ラテックス、スチレンブタンジエ
ン系ラテックスなどを挙げることができる。これらは単
独あるいは混合して用いることができる。
【0020】このようなラテックスは、公知の乳化重合
法によって得られる。乳化重合の方法に関しては特に制
限はなく、従来公知の方法、例えば、水性媒体中で単量
体、連鎖移動剤と界面活性剤、ラジカル重合開始剤と、
必要に応じて用いられる他の添加剤成分を基本構成成分
とする分散系において、単量体を重合させて合成樹脂の
粒子の水性分散液、すなわちラテックスを製造する。そ
して、重合に際しては、単量体組成を全重合課程で均一
にする方法や重合課程で逐次、あるいは連続的に変化さ
せることによって生成するラテックス粒子の形態的な組
成変化を与える方法など所望に応じてさまざまな方法も
利用できる。
【0021】またウレタン系ラテックスは、イソシアネ
ート化合物とポリオール化合物との反応によって得られ
るウレタン樹脂を、分子中の親水性基もしくは界面活性
剤で乳化させたものが用いられる。本発明に用いられる
ラテックスは、塗工液を塗工して乾固した時に膜を形成
することが可能で、使用する赤外線レーザー光線で切除
可能な膜厚を与える範囲で添加される。一般的には乾固
後の膜に対してポリマー分として20〜80重量%の添
加が好ましい。
【0022】本発明に用いられるラテックスは、ガラス
転移温度(Tg)が低すぎると乾燥後の非赤外線の遮蔽
層のべとつきが大きくなって、表面に印刷版の再現性に
悪影響を与えるゴミやホコリが付着し易くなる為、感光
性樹脂層の上での非赤外線の遮蔽層のタック値は、PI
CMAタックテスター(東洋精機社製、被接触体PE
T)による測定で300g/13mm以下であることが
望ましい。逆にラテックスのTgが高すぎると、乾燥し
た時に膜にクラックを生じ易くなる為、好適なTgの範
囲がある。
【0023】本発明の中で定義するTgは、DSCによ
る10℃/分の昇温で、変曲点の温度を指し、ラテック
スとして−20〜50℃のものを使用することが望まし
い。またこの時、膜のべとつき低減とクラック発生の抑
制をバランスよく達成する為には、2−(2−ブトキシ
エトキシエタノール)や2−ブトキシエタノールなどを
製膜助剤として添加することが有効である。
【0024】バインダーと組み合わせて用いられる赤外
線吸収物質としては通常750〜2000nmの範囲で
強い吸収をもつ単体あるいは化合物が使用される。その
ようなものの例としては、カーボンブラック、グラファ
イト、亜クロム酸銅、酸化クロームなどの無機顔料やポ
リフタロシアニン化合物、シアニン色素、クロコニウム
色素、金属チオレート色素などの色素類などが挙げられ
る。特に水分散性の顔料は、バインダーとしてラテック
スを用いる場合、混合し易く適している。これら赤外線
吸収物質は、使用する赤外線レーザー光線で切除可能な
感度を付与する範囲で添加される。一般的には乾固後の
膜に対して赤外線吸収物質分として20〜80重量%の
範囲で添加される。
【0025】非赤外線の遮蔽物質には、紫外光を反射ま
たは吸収する物質を用いることができる。例えば紫外線
吸収剤やカーボンブラック、グラファイト等はその好例
であり、所望の光学濃度が達成できるように添加量を設
定する。一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上
の光学濃度となるように添加することが必要である。な
お、赤外線吸収性物質と非赤外線遮蔽性物質は同一であ
っても差し支えない。
【0026】ラテックスをバインダーとして用いる赤外
線感受性液の場合、塗工液の濡れ性を良くする目的でス
ルホン酸塩型アニオン界面活性剤やパーフルオロアルキ
ル化合物などの界面活性剤を添加することができる。更
に消泡剤、防腐剤などの添加剤を加えても良い。塗工液
を容器から移し替える時などの取り扱い性を改善する目
的で加える消泡剤としては、シリコーン類、長鎖アルコ
ール類、脂肪酸エステル類、金属セッケン類など公知の
消泡剤を用いることができる。
【0027】感光性樹脂の表面に直接塗布する方法とし
ては、リングコーターなどの浸漬塗工方法、スプレーな
どが挙げられる。本発明では特にリングコーターような
浸積塗工の方が効果が優れている。
【0028】赤外線感受性層の厚みは、赤外線レーザー
による切除の感度と非赤外線の遮蔽効果を考慮して決定
されるが、通常は0.1〜20g/m2、好ましくは1
〜5g/m2の範囲で設定される。
【0029】次いで、赤外線レーザー描画により赤外線
感受性層を画像的に切除しマスクを形成する。この工程
で使用される赤外線レーザーとしては波長が750−2
000nmのものを用いることができる。このタイプの
赤外レーザーとしては750−880nmの半導体レー
ザーや1060nmのNd−YAGレーザーが一般的で
ある。これらレーザーの発生ユニットは駆動系ユニット
とともにコンピューターで制御されており、感光性樹脂
層上の非赤外線の遮蔽層を選択的に切除していくことに
より、デジタル化された画像情報をフレキソ版用感光性
構成体に付与することができる。
【0030】レーザーによる画像描画が終了した後、フ
レキソ版用感光性構成体の感光性樹脂層を光硬化するの
に用いられる紫外線光源としては、高圧水銀灯、紫外線
蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光な
どがある。紫外線を画像面から露光することにより所望
のレリーフ像を得ることができる。
【0031】感光性樹脂層に紫外線を照射して画像を形
成させた後、非赤外線の遮蔽層と感光性樹脂層の未露光
部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、感光性
樹脂層を溶解する性質を持つものであればいずれも使用
可能であるが、例えばヘプチルアセテート、3−メトキ
シブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエ
ン、デカリン等の炭化水素類、テトラクロルエチレンな
どの塩素系溶剤等が用いられる。またこれらの溶剤にプ
ロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール
類を混合したものも用いることも可能である。
【0032】非赤外線の遮蔽層および未露光部の洗い出
しはノズルからの噴射によって、又はブラシによるブラ
ッシングでおこなわれる。得られた印刷版はリンス洗浄
し、乾燥後に後露光を実施して仕上げをする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を実施
例に基づいて具体的に説明する。
【0034】
【実施例】実施例1 外周461.15mm、長さ1250mmのニッケルス
リーブ外面に接着剤メガム11658(商品名、ケメタ
ール社(独)製)をウエットの塗工量120g/m2
均一にスプレー塗布し、60℃で15分間乾燥させた。
これにTGIストッキング(商品名、アンダーソン・ア
ンド・フリーラント社製)を繊維の重なりがないように
引き伸ばしながら被せた。
【0035】フレキソ印刷用感光性樹脂固体版AFP/
HD−11(商品名、旭化成(株)製、版厚3.18m
m、サイズ762mm×1016mm)の短い辺を切っ
て、465.15mm×1016mmの大きさとした。
このシートのスリップ層のある面とは反対側のフィルム
を剥離除去した後、前述のスリーブにフィルムを除去し
た面を下にして、465.15mmに切った辺を円周方
向として弛みなく巻き付けたところ、シートの長さはス
リーブの周囲よりわずかに短くなった。この隙間を粘着
テープで引き寄せるようにしてつないだ後、感光性樹脂
シートの両端5cmからスリーブの外側までを粘着テー
プで隙間なく覆った。
【0036】スリーブ両端を覆った粘着テープとスリー
ブとの間を真空引きすることで、感光性樹脂シートとス
リーブを密着させた状態にし、感光性樹脂シート表面の
PETフィルム(カバーシート)を感光性樹脂シート両
端に巻き付けた粘着テープのすぐ内側でカッターナイフ
で円周に沿って切った後、切った内側のPETフィルム
並びにスリップ層を剥離除去した。なおも感光性樹脂シ
ート両端の粘着テープとスリーブの間を真空引きしたま
まの状態で、スリーブ全体を130℃で20分間加熱処
理したところ、感光性樹脂シートの継ぎ目が見えなくな
った。
【0037】こうして得られた継ぎ目のない感光性樹脂
スリーブを、グラインディングマシンSA6/2U×2
00(シュライフ・マシーネンヴェルク社(独)製)に
セットし、感光性樹脂の外周が480mmになるまで研
磨した。得られた感光性樹脂の表面にはすじ状の模様が
見られ、白く濁った外観であった。次いでこの感光性樹
脂スリーブの感光性樹脂層とスリーブの間を真空引きし
ながら、全体を、130℃で30分間加熱処理したとこ
ろ、感光性樹脂表面のすじ状の模様が消え、光沢のある
透明な外観となった。
【0038】アクリル系ラテックスA65(商品名、旭
化成(株)製、固形分濃度65%、Tg約7℃)5.5
重量部、アクリル系ラテックスF2400(商品名、旭
化成(株)製、固形分濃度47%、Tg約30℃)1
7.6重量部、湿潤剤ノプコウェット50(商品名、サ
ンノプコ(株)製、固形分約50%)1.5重量部、界
面活性剤サーフロンS−113(商品名、セイミケミカ
ル(株)製、固形分30%)0.05重量部、消泡剤S
Nデフォーマー777(商品名、サンノプコ(株)製、
固形分98%)0.02重量部、2−(2−ブトキシエ
トキシ)エタノール1.0重量部、液体タイプ顔料ユニ
スパースBlack B−PI(商品名、チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ(株)製)34.3重量部、水4
0重量部を混合し、超音波洗浄機FC−100Z−IA
(日本ヒューチャア社製)で30分間分散処理を行うこ
とで、赤外線感受性塗工液を準備した。
【0039】前述の感光性樹脂スリーブを上記赤外線感
受性塗工液に浸漬した後、スリーブの長さ方向を塗工液
の液面と直角にして50mm/分の速度で引き上げ、6
0℃で30分間乾燥させたところ、感光性樹脂の表面に
均一な赤外線感受性層を得ることができた。
【0040】この赤外線感受性層付感光性樹脂スリーブ
に対して、赤外線レーザーセッターで描画したところ、
画像データを忠実に再現したフォトマスクを形成するこ
とができた。この感光性樹脂スリーブ表面の全体に、1
2mw/cm2の紫外線蛍光灯で4000mj/cm2
露光を行った後、ソルベッソ150(商品名、エクソン
化学社製、芳香族炭化水素)/ベンジルアルコール=
4:1(体積)の混合溶剤を用いてブラシによる非赤外
線の遮蔽層の洗い落とし及び感光性樹脂層の未露光部分
の洗い出しを行い、60℃で1時間乾燥したところ、良
好な継ぎ目のないフレキソ印刷版を得ることができた。
【0041】比較例1 実施例1と同じ方法で感光性樹脂シートをスリーブに巻
き付け、加熱して継ぎ目を融着した後、グラインディン
グマシーンで表面を研磨した感光性樹脂スリーブに対し
て、本発明の加熱処理を行わずに、直ちに実施例1と同
じ方法で赤外線感受性溶液の塗工をおこなった。その結
果、かすれたようなむらのある塗工面しか得ることがで
きなかった。これを実施例1と同じ方法でレーザー描
画、紫外線露光、現像、乾燥の処理したところ、非赤外
線の遮蔽層のカスレ部分で画像の埋まりが起こり、良好
なフレキソ印刷版を得ることができなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によって、グラインド後に赤外線
感受性層を設ける際に生じるすじ状のかすれの発生が防
止でき、均一な赤外線感受性層の形成が可能となり、継
ぎ目の無い良好なフレキソ印刷版を容易に得ることがで
きるようになった。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB02 AC01 AD01 BC32 BC42 CA01 CB11 CB16 DA40 FA01 FA03 FA15 FA30 2H084 AA14 AA16 AA30 BB01 BB16 CC05 2H096 AA02 BA05 BA20 CA20 DA10 EA02 GA03 HA03 JA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブ上に感光性樹脂層を積層し、次
    いで感光性樹脂の軟化温度以上に加熱することによって
    つなぎ目を接着し、グラインドにより感光性樹脂表面を
    研磨することによって完全につなぎ目を無くした後、赤
    外感受性層を設け、赤外線レーザー描画によりマスクを
    形成し、さらにマスクを通しての画像露光、未露光部の
    現像によりつなぎ目の無い印刷版を得る方法において、
    該グラインド工程と赤外線感受性層を設ける工程の間に
    感光性樹脂の軟化温度以上で加温する工程を設けること
    を特徴とする継ぎ目の無い感光性樹脂スリーブ印刷版の
    製造方法。
JP7301799A 1999-03-18 1999-03-18 継ぎ目の無い感光性樹脂スリーブ印刷版の製造方法 Pending JP2000263744A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008520003A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 マクダーミッド プリンティング ソリューションズ, エルエルシー 感光性印刷スリーブの熱処理方法
JP2010061131A (ja) * 2008-08-15 2010-03-18 E I Du Pont De Nemours & Co 印刷組版として使用される円筒形感光エレメントの作製方法

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