JP2002023348A - スリーブ状感光性樹脂印刷版の製造方法 - Google Patents

スリーブ状感光性樹脂印刷版の製造方法

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JP2002023348A
JP2002023348A JP2000209803A JP2000209803A JP2002023348A JP 2002023348 A JP2002023348 A JP 2002023348A JP 2000209803 A JP2000209803 A JP 2000209803A JP 2000209803 A JP2000209803 A JP 2000209803A JP 2002023348 A JP2002023348 A JP 2002023348A
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photosensitive resin
sleeve
infrared
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printing plate
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JP2000209803A
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Shuji Ozaki
修司 小崎
Shohei Nakamura
庄平 中村
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネガフィルムを用いること無く、デジタル情
報となった画像を赤外線レーザーを用いて直接描画する
製版プロセスに対応したスリーブ状フレキソ印刷版を製
造する工程において、印刷用スリーブ上に積層された感
光性樹脂の表面に、良好なレーザー感度を得るのに十分
な薄さに赤外線感受性層を、厚みばらつき無く安定して
形成することのできる方法を提供すること。 【解決手段】 印刷用スリーブ上に積層された特定硬度
範囲の感光性樹脂層の表面に、リングコーターを使用
し、更にスケージとして特定の硬度範囲のものを使用し
て赤外線感受性塗工液を塗工することで、赤外線感受性
層を形成することを特徴とする感光性樹脂印刷版の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】通常のフレキソ印刷版は特開昭55−4
8744号公報や特開平5−134410号公報等に記
載されているように、感光性エラストマー組成物を用
い、それをネガフィルムを通して画像露光し、未露光部
を洗い出すことによって製造されるのが一般的である。
そして得られた印刷版は印刷機のシリンダーに貼りつけ
られて印刷に用いられるが、その際精度よく位置を決め
て貼りこむ作業に長時間を要しており、この作業を簡略
化、できれば省略することが望まれている。
【0002】この目的のために、画像露光前の印刷版を
スリーブ状に加工することが行われているが、この場
合、連続的で切れ目の無い図柄を印刷する必要があると
きは、元々板状の感光性樹脂をスリーブ等に巻き付けた
後、版のつなぎ目部分をなくす処理が必要であった。完
全につなぎ目が無いスリーブ状印刷版を作成する方法と
しては、これまでに板状感光樹脂をスリーブに巻き付け
た後、該感光性樹脂の軟化温度以上に加熱してつなぎ目
を無くし、次いでグラインダーで表面を研磨することで
精度の良いつなぎ目の無い感光性樹脂層を得る方法がと
られてきた。しかし、この方法によりつなぎ目の無い精
度の良いを得ることができるようになったが、画像を形
成するためにネガフィルムを上記スリーブ状感光性樹脂
層に密着させて露光すると、ネガフィルムの端部が重な
りを生じ、得られる印刷版のその部分が段差模様となる
為、印刷版としてはつなぎ目の無いものを得ることはで
きなかった。
【0003】一方、最近になって、特開平8−3050
30号公報や特開平9−166875号公報等に記載さ
れているような、感光性樹脂表面に赤外線レーザーによ
る切除が可能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線
感受性層を設け、赤外線レーザーで描画することでネガ
ティブを形成し、次いでこのマスクを通して、画像露
光、現像、乾燥により印刷版を作成することが行われる
ようになってきた。そこで、この技術を利用して、つな
ぎ目の無い感光性樹脂層の上に、つなぎ目の無い赤外線
感受性層を設けて赤外線レーザーでネガティブを形成
し、これを通して画像露光、現像、乾燥によりつなぎ目
の無い印刷版を作成することも試みられている。
【0004】その際、赤外線レーザーによる切除が可能
で非赤外線遮蔽性を有する赤外線感受性層を感光性樹脂
層上に設けるのに、赤外線感受性層を構成する成分を含
む溶液を塗工する方法がとられている。しかしスリーブ
状の被塗工体へ塗工液を塗工する方法として一般に用い
られるスプレーコーター、ハケ塗り、浸漬引き上げ等の
方法では、良好なレーザー感度を得るのに十分な薄さ
で、厚みばらつき無く安定した塗膜を形成することが困
難であるという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解決したスリーブ状感光性樹脂印刷版
の製造方法、即ち、ネガフィルムを用いること無く、デ
ジタル情報となった画像を赤外線レーザーを用いて直接
描画する製版プロセスに対応したスリーブ状フレキソ印
刷版を製造する工程において、スリーブ状感光性樹脂表
面に、良好なレーザー感度を得るのに十分な薄さの赤外
線感受性層を、厚みばらつき無く安定して形成すること
ができる方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題につ
いて鋭意検討した結果、スリーブ状感光性樹脂層表面
に、リングコーターを使用し、更にリングコーターのス
ケージの硬度が30〜55度(ショアA)のものを使用
して赤外線感受性塗工液を塗工することによって、赤外
線感受性層を形成することで、該課題を解決できること
を見出し、本発明を完成した。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
ける、スリーブ状感光性樹脂層表面に赤外線感受性層を
設ける工程は、赤外線感受性層を形成する為の塗工液
を、リングコーターを用いて塗工することで行われる。
リングコーターに使用されるスケージは、その硬度が感
光性樹脂に対し高すぎると、スケージと感光性樹脂層と
の当たりが強過ぎて、感光性樹脂層表面に傷を残すこと
となるし、また逆にスケージの硬度が低すぎると、感光
性樹脂層との当たりが弱過ぎて、感光性樹脂層とスケー
ジの間から赤外線感受性塗工液が漏れ出し、赤外線感受
性層の膜厚が筋状に厚くなってしまい、結果として均一
な厚みの赤外線感受性層が得られない。
【0008】上記観点からスケージの硬度は30〜55
度(ショアA)が好ましく、この範囲の硬度を有する材
質としては、クロロプレン、NBR、天然ゴム、ブチル
ゴム、バイトン等を用いることができる。これらのうち
感光性樹脂表面に傷をつけないという観点から、硬度3
0〜55度の軟質クロロプレンが特に好ましい。スケー
ジ厚みは0.5〜5mmであり、液が漏れ出さない程度
に当たりを弱くする為により好ましくは、0.8〜1.
2mmのものが使用される。
【0009】塗工されるスリーブ(感光性樹脂層表面)
の径と、スケージの内径との差をオーバーラップと言う
が、オーバーラップは0.5〜1.5mm、より好まし
くは0.8〜1.2mmに設定される。スケージの感光
性樹脂と接する面にバリや断差等があると、感光性樹脂
表面に傷をつけてしまう為、バリ等が無いように加工さ
れたものが使用される。リングコーターでの塗工に使用
される塗工液の液面は、塗工で消費される液量を考慮し
て、感光性樹脂と接するスケージの端部より液面が十分
に高くなるように設定されるのが好ましい。液面が十分
に高くないと、塗工途中で液切れを起こり易く、塗り始
めと塗り終わりとで膜の厚みに違いが生じる場合があ
る。従って塗工液の液面の高さは、塗工されるスリーブ
状印刷版のサイズやリングコーターの形状にもよるが、
感光性樹脂と接するスケージの端部より5mm以上高く
設定することが望ましい。
【0010】リングコーターでの塗工速度は、赤外線レ
ーザーによる赤外線感受性層の切除の感度と非赤外線の
遮蔽効果を考慮した赤外線感受性層の厚みを与えるよう
に設定されるべきであるが、通常は赤外線感受性層のド
ライ塗工量として0.1〜20g/m2、好ましくは
0.5〜5g/m2の塗膜を与えるよう、50〜600
mm/分の範囲で設定される。上記、リングコーターに
よる赤外線感受性層の塗工は,スリーブ状に加工された
感光性樹脂層表面に対し、画像露光を行う前の任意の段
階で行うことができる。特に、未露光状態のものはもち
ろん、必要に応じて背面から励起露光された感光性樹脂
層に対しても塗工を行うことができる。
【0011】本発明で用いられる非赤外線の遮蔽性を有
する赤外線レーザーで切除可能な赤外線感受性層は、赤
外線によりアブレージョン可能なものでかつ感光性樹脂
に活性な放射線に対して実質的に不透明なものである。
赤外線感受性層は、少なくともひとつのバインダーポリ
マー、少なくともひとつの赤外線吸収物質と非赤外線遮
蔽性物質からなり、赤外線吸収物質は非赤外線遮蔽性物
質を兼ねていてもよい。
【0012】本発明で用いられる赤外線感受性層のバイ
ンダーポリマーの例としては、特開平8−305030
号公報に開示されているポリアミド、ポリビニルアルコ
ール、両性インターポリマー、セルロース系ポリマー、
エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリブチラー
ル、環状ゴム等や、特開平9−166875号公報に開
示されているスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−イソプレン共重合体等が挙げられる。これらのバイン
ダーポリマーは、赤外線感受性層の全重量を基準として
20〜90重量%の比率で配合される。
【0013】本発明で用いられる赤外線吸収物質として
は、通常750から2000nmの範囲で強い吸収を持
つ単体あるいは化合物が使用される。そのようなものの
例としては、カーボンブラック、グラファイト、亜クロ
ム酸銅、酸化クローム等の無機顔料やポリフタロシアニ
ン化合物、シアニン色素、クロコニウム色素、金属チオ
レート色素等の色素類等が挙げられる。これらの赤外線
吸収物質は、使用する赤外線レーザー光線で切除可能な
感度を付与する範囲で添加される。一般的には赤外線感
受性層の全重量を基準として赤外線吸収物質分として1
0〜80重量%の範囲で添加される。
【0014】非赤外線の遮蔽物質には、紫外光を反射ま
たは吸収する物質を用いることができる。例えば紫外線
吸収剤やカーボンブラック、グラファイト等はその好例
であり、所望の光学濃度が達成できるように添加量を設
定する。一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上
の光学濃度となるように添加される。なお、赤外線吸収
物質と非赤外線遮蔽性物質は同一であっても差し支えな
い。赤外線感受性層は、バインダーポリマー、赤外線吸
収物質と必要に応じて非赤外線遮蔽性物質を溶剤や水に
均一に溶解または分散させた赤外線感受性塗工液を調製
し、これを塗工することで形成する。
【0015】赤外線感受性塗工液は、バインダーポリマ
ー及び赤外線吸収物質、非赤外線遮蔽性物質に直接適当
な溶剤を加えて攪拌羽根による強制攪拌やボールミルを
用いた分散、超音波を利用した攪拌またはそれらの併用
という方法や、バインダーポリマーと赤外線吸収物質、
非赤外線遮蔽性物質とを、押し出し機やニーダーを用い
て予備混練してから溶剤に溶解する方法等により調製す
る。また予めラテックス溶液にあるポリマー中にカーボ
ンブラックを強制分散させることでも赤外線感受性塗工
液を調製することができる。
【0016】赤外線感受性塗工液には、赤外線吸収物質
や非赤外線遮蔽物質の溶液に対する分散性を良くする目
的で、高分子量非イオン界面活性剤やポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルのリン酸エステル等の分散剤を添加
することができる。赤外線感受性塗工液には、容器から
移し替える時に気泡の発生するのを抑え、また生じた気
泡を短時間で消す為に、シリコーン類、長鎖アルコール
類、脂肪族エステル類、金属セッケン類等の消泡剤を添
加することができる。
【0017】赤外線感受性塗工液には、感光性樹脂表面
やポリエステルフィルム等、被塗工体に対する塗工液の
塗れ性やレベリング性を良くする目的でパーフルオロア
ルキル化合物やスルホン酸塩型アニオン界面活性剤等の
界面活性剤を添加することができる。本発明で用いられ
る感光性樹脂は、フレキソ印刷版用として公知のもの使
用することが可能であるが、一般的にはバインダーポリ
マー、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、光
開始剤を主成分して構成される。更にはこの感光性樹脂
層に要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可
塑剤、着色剤等の添加剤を含むことができる。
【0018】感光性樹脂層のバインダーポリマーとして
用いられる代表的なものはモノビニル置換芳香族炭化水
素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られる熱
可塑性エラストマ−で、モノビニル置換芳香族炭化水素
モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また共
役ジエンモノマ−としてはブタジエン、イソプレン等が
用いられ、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0019】また少なくとも一種のエチレン性不飽和モ
ノマーは、バインダーポリマーと相溶性のあるもので、
例としてはt−ブチルアルコールやラウリルアルコール
等のアルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステ
ルやラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、
ベンジルマレイミド等のマレイミド誘導体、あるいはジ
オクチルフマレート等のアルコールとフマール酸のエス
テル、さらにはヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多価アル
コールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステル等を挙
げることができる。
【0020】光開始剤としてはベンゾフェノンのような
芳香族ケトン類やベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキ
シベンゾインメチルエーテル、2,2−ジエトキシフェ
ニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類等の公知
の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせて使用
することができる。感光性樹脂層は種々の方法で調製す
ることができる。例えば上述のような組成であれば、配
合される原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テト
ラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の
溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸
発させ、そのまま板とすることができる。また溶剤を用
いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押し出し
機、射出成形機、プレス等により所望の厚さの板に成形
することができる。
【0021】スリーブ状感光性樹脂層は、上記感光性樹
脂をシートにしてスリーブに巻き付けて固定し、感光性
樹脂の軟化点以上に加温することでつなぎ目を融着し、
次いでグラインダーで研磨してつなぎ目を完全に無くす
とともに感光性樹脂スリーブの精度を高める方法や、カ
レンダリング等の方法で一般的に製造される。こうして
得られた感光性樹脂スリーブの表面はグラインドによっ
て少なからず荒れた状態となっており、荒れの程度によ
っては印刷時のベタのつぶしが劣ったり、本発明に示す
方法に従って赤外線感受性塗工液を塗工する場合、塗工
された赤外線感受性層にかすれやピンホール等の欠点を
生じ易くなる場合がある。
【0022】この対策としては、グラインド工程と赤外
線感受性層を設ける工程との間に感光性樹脂表面の荒れ
を軽減する処理を施すことが有効である。感光性樹脂表
面の処理は、感光性樹脂の溶解性を有する溶剤で感光性
樹脂の表面を処理する工程を設けることや、感光性樹脂
の軟化温度以上で加温する工程を設けることで行うこと
ができる。本発明における感光性樹脂スリーブ印刷版
は、例えば代表的なものとしては、フレキソ印刷用のス
リーブとして一般に使用されているニッケルスリーブ、
プラスチックスリーブ、グラスファイバースリーブ等の
上に感光性樹脂が積層されたものである。
【0023】印刷用スリーブと感光性樹脂層の間には、
印刷用スリーブから剥離可能な支持体層を設けてもよ
く、この場合印刷の終了したスリーブ状フレキソ印刷用
構成体を該支持体ごと剥がすことができ、印刷用スリー
ブの再利用を容易にすることができる。スリーブと感光
性樹脂層の間には、必要に応じてウレタンフォーム等の
クッション層を設けてもよい。またこれらの印刷用スリ
ーブ、感光性樹脂層、クッション層等の間には、必要に
応じて接着剤層を設けてもよい。
【0024】感光性樹脂上の赤外線感受性層を画像的に
切除してマスクを形成するのに使用される赤外線レーザ
ーとしては、波長が750−2000nmのものを用い
ることができる。このタイプの赤外線レーザーとしては
750−880nmの半導体レーザーや1060nmの
Nd−YAGレーザーが一般的である。これらレーザー
の発生ユニットは駆動系ユニットとともにコンピュータ
ーで制御されており、感光性樹脂層上の赤外線感受性層
を選択的に切除していくことにより、デジタル化された
画像情報をフレキソ版用感光性構成体に付与するもので
ある。
【0025】感光性樹脂の表面に赤外線感受性層を形成
する工程において、感光性樹脂表面への異物付着による
形成の失敗や、形成後の赤外線感受性層に傷をつけてし
まった場合、あるいは既に赤外線レーザーによる画像描
画を行ったパターンを修正したい場合等、赤外線感受性
層の修復を行う必要が生じた際には、赤外線レーザーに
よる全面描画で赤外線感受性層を除去し、その後赤外線
感受性層を再形成して感光性樹脂版を再生することがで
きる。
【0026】レーザーによる画像描画が終了した後、フ
レキソ版用感光性構成体の感光性樹脂層を光硬化するの
に用いられる紫外線光源としては、高圧水銀灯、紫外線
蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光等
がある。紫外線を画像面から露光することにより所望の
レリーフ像を得ることができる。感光性樹脂層に紫外線
を照射して画像を形成させた後、赤外線感受性層と感光
性樹脂層の未露光部を洗い出す。これらは、各々の溶解
性を有する別々の溶剤で順次洗うこともできるが、両者
を一度に洗い出すことが工程上好ましい。両者を一度に
洗う為には、同一の溶剤に可溶な赤外線感受性層と感光
性樹脂層とを組み合わせるか、各々の溶解性を有する溶
剤を有する溶剤を混合して用いる。
【0027】感光性樹脂層の未露光部の洗い出しに用い
られる現像溶剤としては、感光性樹脂層を溶解する性質
を持つものであればいずれも使用可能であるが、例えば
ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等
のエステル類、石油留分、リモネン、デカリン等の炭化
水素類、テトラクロルエチレン等の塩素系溶剤等が用い
られる。またこれらの溶剤にプロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール等のアルコール類を混合したものも用
いることも可能である。赤外線感受性層および未露光部
の洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシ
によるブラッシングで行われる。得られた印刷版はリン
ス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して仕上げをする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例等に基づい
て具体的に説明する。
【0029】
【実施例1】外周461.15mm、長さ1250mm
のニッケル製印刷用スリーブ外面に接着剤メガム116
58(商品名、ケメタール社(独)製)をウエットの塗
工量120g/m2で均一にスプレー塗工し、60℃で
15分間乾燥させた。この印刷用スリーブに対してTG
Iストッキング(商品名、アンダーソン・アンド・フリ
ーラント社製)を繊維の重なりが無いように引き伸ばし
ながら被せ、印刷用スリーブ外面全体を被覆した。
【0030】フレキソ印刷版用感光性樹脂固体版AFP
/HD−11(商品名、旭化成工業製、版厚3.18m
m、生版硬度10〜13度(ショアA)、サイズ762
mm×1016mm)シートの短い辺を切って、46
5.15mm×1016mmの大きさの感光性樹脂シー
トとした。この感光性樹脂シートから支持体フィルムを
剥離除去した後、前述の印刷用スリーブ外面に、支持体
フィルムが除去された後の面が接するようにして、46
5.15mmの辺を印刷用スリーブ円周方向に沿って弛
みなく巻き付けたところ、感光性樹脂シートの1016
mmの両辺の間にわずかに隙間が認められた。この隙間
を横切る形で、感光性樹脂シートの両辺を粘着テープで
互いに引き寄せるようにして、該隙間全体を粘着テープ
で覆った。
【0031】次いでこの印刷用スリーブの両端部に生じ
た感光性樹脂シートに覆われていない部分を、TGIス
トッキングで被覆されている上から粘着テープで隙間な
く覆い、更にスリーブ状になった感光性樹脂シートのス
リーブ円周方向に沿った両端部と印刷用スリーブとの間
に生じた隙間も粘着テープで覆い、スリーブ状感光性樹
脂シートと印刷用スリーブとの間に空気の漏れがないよ
うにした。
【0032】上記スリーブ状感光性樹脂シートと印刷用
スリーブとの間をTGIストッキングの口から排気する
ことにより、真空引きすることで、スリーブ状感光性樹
脂シートと印刷用スリーブを密着させた状態にした。真
空引きしたままの状態でスリーブ状感光性樹脂シート表
面のPETフィルム(カバーシート)を、カッターナイ
フを用いて該感光性樹脂シートのスリーブ円周方向に沿
った両端から5cmのところで円周に沿って切った後、
更に、適当な位置で、印刷用スリーブ回転軸に平行な方
向にも切れ込みを入れ、該PETフィルムを剥ぎ取るよ
うにして除去した。更に感光性樹脂表面に残った剥離層
も粘着テープを用いて剥ぎ取るようにして除去した。引
き続きスリーブ状感光性樹脂シートと印刷用スリーブの
間を真空引きしたままの状態で、全体を130℃で20
分間加熱処理したところ、スリーブ状感光性樹脂シート
のつなぎ目が見えなくなった。
【0033】こうして得られたつなぎ目の無い感光性樹
脂スリーブを、残存している粘着テープ、PETフィル
ム、及び剥離層を除去したのち、グラインディングマシ
ンSA6/2U×200(シュライフ・マシーネンヴェ
ルク社(独)製)にセットし、感光性樹脂スリーブの外
周が480mmになるまで研磨することで、完全につな
ぎ目を無くした。この感光性樹脂スリーブを50rpm
で回転させながら、酢酸エチルを含浸させたベンコット
M−3(商品名、リントフリーワイパー、旭化成工業
製)で拭き上げることで、研磨屑を除去するとともに感
光性樹脂スリーブ表面の荒れを低減し、つなぎ目の無い
感光性樹脂スリーブを得た。
【0034】タフプレン315(商品名、旭化成工業
製、スチレン含量重量22%のスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体)60重量部と、粒子径30nmのカー
ボンブラックである汎用カラーブラック#30(商品
名、三菱化学社製)40重量部をニーダーで混練したも
のを、3−メトキシブチルアセテートに溶解、分散させ
て固形分5重量%の均一な液を調製した。これを300
メッシュSUSで濾過した後、濾過精度1μのカートリ
ッジフィルターSL−010(商品名、ロキテクノ社
製)で濾過して赤外線感受性塗工液を得た。
【0035】軟質クロロプレン(厚さ1mm、内径14
3mm、硬度45度(ショアA))をスケージゴムとし
て用いた、垂直式リングコーター(高木彫刻社製)に上
述のつなぎ目無く加工された感光性樹脂スリーブをセッ
トし、リングコーターに上述の赤外線感受性塗工液を、
液面が感光性樹脂と接するスケージゴムの端部より10
mm高くなるように注いだ。400mm/分の速度で塗
工液の入ったコーター部を下降させることで赤外線感受
性塗工液の塗工を行った後、室温で30分間静置するこ
とで、ピンホール等欠点の無い均一な赤外線感受性層を
感光性樹脂の上に形成することができた。
【0036】この赤外線感受性層付き感光性樹脂スリー
ブに対して、赤外線レーザーセッターで画像描画したと
ころ、画像データを忠実に再現したフォトマスクを形成
することができた。この感光性樹脂スリーブ表面の全体
に、12mW/cm2の紫外線蛍光灯で4000mJ/
cm2の露光を行った後、ソルベッソ150(商品名、
エクソン化学社製、芳香族炭化水素)/ベンジルアルコ
ール=4:1(体積)の混合溶剤を用いてブラシによる
赤外線感受性層の洗い落とし及び、感光性樹脂層の未露
光部分の洗い出しを行い、60℃で1時間乾燥したとこ
ろ、良好なつなぎ目の無いフレキソ印刷版を得ることが
できた。このスリーブ状フレキソ印刷版をフレキソ印刷
機に装着して印刷を行ったところ、良好な印刷物を得る
ことができた。
【0037】
【比較例1】スケージゴムとしてNBR(厚さ3mm、
硬度70度(ショアA))を用いた以外は、実施例1と
同じ方法で赤外線感受性塗工液の塗工を行った。この赤
外線感受性層付き感光性樹脂スリーブを室温で30分間
静置したところ、形成した赤外線感受性層は、かなり荒
れた外観であった。この後、実施例1と同じ方法でフォ
トマスクを形成、紫外線露光、現像、乾燥を実施したと
ころ、本来画像のないところに小さな画像が形成してい
る等、良好なフレキソ印刷版を得ることができなかっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、ネガフィルムを用いる
こと無く、デジタル情報となった画像を赤外線レーザー
を用いて直接描画する製版プロセスに対応したスリーブ
状フレキソ印刷版を製造する工程において、印刷用スリ
ーブ上に積層された感光性樹脂の表面に、良好なレーザ
ー感度を得るのに十分な薄さに赤外線感受性層を、厚み
ばらつき無く安定して形成することを可能とする効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB02 AC08 BC00 CC11 DA13 EA04 FA06 FA10 FA30 2H096 AA02 BA04 CA12 CA20 EA01 EA04 EA23 HA03 2H114 AA01 AA08 AA09 AA23 AA24 AA27 BA05 BA10 DA46 DA47 DA51 DA53 EA08 FA02 GA34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブ状感光性樹脂層表面に赤外線感
    受性塗工液を塗工する工程において、硬度30〜55度
    (ショアA)のスケージを有するリングコーターを使用
    することを特徴とするスリーブ状感光性樹脂印刷版の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 硬度30〜55度(ショアA)のスケー
    ジが、軟質クロロプレン製であることを特徴とする請求
    項1に記載のスリーブ状感光性樹脂印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】 硬度30〜55度(ショアA)のスケー
    ジの厚みが、0.5〜5mmであることを特徴とする請
    求項1または2に記載のスリーブ状感光性樹脂印刷版の
    製造方法。
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