JP2004109443A - フレキソ印刷用感光性構成体 - Google Patents

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松本 政樹
Shuji Ozaki
小崎 修司
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Abstract

【課題】印刷版として使用されるときに強固な接着力を有する安価なフレキソ印刷用感光性構成体の提供。
【解決手段】支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)を積層してなる感光性構成体であって、下地層(B)が少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂からなること特徴とするフレキソ印刷用感光性構成体。
【選択図】  選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキソ印刷版の製版に用いられるフレキソ印刷用感光性構成体及びフレキソ印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なフレキソ印刷用感光性構成体は支持体としてポリエステルフィルムを使用し、その上に感光性樹脂を積層した構成となっている。フレキソ印刷用感光性構成体を製版する方法は、まず支持体を通して全面に紫外線露光を行い(バック露光)、薄い均一な硬化層を設け、次いで透明画像担体(ネガフィルム)を通して感光性樹脂の面に画像露光(レリーフ露光)を行った後、未露光部分を現像用溶剤で洗い流して所望の画像、即ちレリーフ画像を形成、印刷版を得るという手順をとっている。フレキソ印刷版の一般的な厚みは0.5〜10mmであり、版の厚みは被印刷体や印刷機の設定によって、適した厚みが選択される。また、印刷版の硬度は被印刷体によって適した硬度が選択され、一般的な印刷版硬度はショアAで30〜80゜である。
【0003】
一方、フレキソ印刷用感光性構成体として、印刷版のコスト削減や取り扱い性向上を目的に感光性樹脂層と支持体層の間に1つ以上に層を設ける複層版構成が、例えば、特開平7−319150で提案されている。しかしながら、支持体と感光性樹脂層間に設けた層が、支持体、感光性樹脂両方に十分な接着力を持たせることは難しく、支持体、及び感光性樹脂層との十分な接着力を得るためには接着剤を用いるか、または、溶剤を用いるのが現状である。このような手法では接着剤、または溶剤を塗布しなかればならないため、工程が複雑になり、更には生産コストが上昇するという問題があった。
【0004】
更に特開平6−186733では感光性樹脂層と支持体の間に不溶化層を設けてあり、感光性樹脂の結合材としてエチレン−酢酸ビニルが挙げられているが、その場合でも接着剤層が必要であり、特開平7−319150と同様な問題が残っていた。また、特開平7―319151では箔押し用感光性樹脂版として感光性樹脂を多層にすることが提案されており、結合剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられているが、その場合でも接着剤層は必要であり、更に最上部の感光性樹脂硬度がショアDで70°以上であり、フレキソ印刷には適していないなどの問題があった。
【0005】
得られたフレキソ印刷版は印刷機の版胴に両面テープなどで固定されて使用されるが、印刷の際に印刷版に版胴と圧胴の間でせん断応力が生じる。このせん断応力にて印刷版が支持体から剥離してしまうことがあった場合は印刷を中断しなければならないなどのトラブルとなってしまう。また印刷終了後に版胴から印刷版を剥がすときに感光性樹脂を引っ張ることで版胴から剥離されることがあり、その場合は感光性樹脂と支持体に応力がかかる。このときに支持体と感光性樹脂層が剥離した場合、印刷版を再使用することができないため、改めて印刷版を作成しなければならなくなる。
【0006】
このような観点から支持体であるポリエステルフィルムと感光性樹脂は強固に接着している必要があり、その接着力は180゜の剥離角度で、支持体と感光性樹脂を強制剥離させた場合、5.9N/cm以上あることが望ましい。
フレキソ印刷における優れた印刷とは、ベタの印刷が良く、更に印刷の圧力による印刷画像の潰れが少ないことである。この点を改良する手段として、段ボール印刷において特開昭62−296142では硬度の異なる二層の感光性樹脂層が提案されている。しかしながら段ボール印刷に限られた用途であるため、被印刷範囲が広範囲な印刷品質に優れたフレキソ印刷版は見いだされていなかった。
上述したように、感光性樹脂、支持体の両層に簡便で安価な接着力を有し、更には良好なフレキソ印刷性能を有するフレキソ印刷版は見いだされていないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−319150号公報
【特許文献2】
特開平6−186733号公報
【特許文献3】
特開昭62−296142号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
印刷版として使用されるときに強固な接着力を有する、安価な、更には印刷品質が優れたフレキソ印刷用感光性構成体を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)を積層してなる感光性構成体であって、下地層(B)が少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂からなること特徴とするフレキソ印刷用感光性構成体が上記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記の通りである。
【0010】
1.支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)を積層してなる感光性構成体であって、下地層(B)が少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂からなること特徴とするフレキソ印刷用感光性構成体。
2.下地層(B)の厚みが0.05〜10mmであることを特徴とする1.記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
3.下地層(B)のショアA硬度が感光性樹脂層(C)以下であることを特徴とする1.または2.記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
4.支持体(A)がポリエステルフィルムであることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
5.支持体(A)が下地層(B)を積層する面に下引き層を少なくとも1層以上有している易接着フィルムであることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
【0011】
6.支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)の各層間の接着力が、180゜の剥離角度で強制剥離させた場合に5.9N/cm以上であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
7.1.〜6.のフレキソ印刷用感光性構成体を製版することによって得られるフレキソ印刷版。
8.支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)を積層してなる感光性構成体であって、下地層(B)が少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂からなる、フレキソ印刷用感光性構成体を製造するに際し、支持体(A)上に、下地層(B)及び感光性樹脂層(C)を積層することを特徴とするフレキソ印刷用感光性構成体の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、具体的に説明する。
本発明に使用される支持体としては、公知の支持体が使用でき、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドシート、金属板などを使用できる。好ましくは厚みが75〜300μmの範囲を持つ寸法安定なポリエステルフィルムを用いることであり、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなど、全ての芳香族ポリエステルフィルムを挙げることができる。また、下地層と支持体であるポリエステルフィルムとの間に更に高い接着力を得るために、少なくとも1層以上の下引き層を設けることが更に好ましい。
【0013】
ポリエステルフィルムには接着性を向上させる目的で塗布される層があり、これらの下引き層は通常0.001〜1μm程度の厚みで塗布される。下引き層を有するポリエステルフィルムは二軸延伸フィルムを製造する工程で下引き層成分を塗布する、いわゆるインライン工程で製造されることが一般的であるり、本発明でも好ましい。
このような下引き層を有するフィルムは市販されており、本発明でも使用できる。このような下引き層を有するポリエステルフィルムの例としては、東レ株式会社製の「ルミラーT90番」(商標)シリーズや、東洋紡績株式会社製の「コスモシャインA4000番」(商標)シリーズや、帝人株式会社製の「テトロンHPE、SG2」(商標)、デュポン株式会社の「メリネックス700番」(商標)シリーズなどが挙げられる。
【0014】
本発明で使用される下地層としては少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体が必要である。本発明で使用できるエチレン−酢酸ビニル共重合体は感光性樹脂、支持体への接着の観点から酢酸ビニル量が11〜50重量%であることが必要であり、好ましくは20〜50重量%であり、更に好ましくは30〜50重量%である。また、本発明では異なる酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用することができるが、その場合は全酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量が11〜50重量%であることが必要である。
【0015】
下地層の厚みは接着性や印刷品質の観点から0.05mmから10mmであることが望ましい。好ましい下地層の厚みとすることで、支持体−下地層−感光性樹脂層の接着品質をより安定させ、更には支持体からの印刷品質への影響を調整することができるなどの利点が得られる。
印刷品質への影響から、下地層のショアA硬度は感光性樹脂層のショアA硬度よりも低いことが望ましい。本発明の硬度とはJIS規格K6253による試験によって求められるショアA硬度であり、感光性樹脂層の硬度と下地層の硬度は同一版厚で測定する。
【0016】
エチレン−酢酸ビニル共重合体は高圧ラジカル重合、溶液重合、エマルジョン重合によって生成することができる。高圧ラジカル重合法ではエチレン、及び酢酸ビニルモノマーを高圧に圧縮し、触媒を注入しつつ反応器内部で重合させることによってエチレン−酢酸ビニル共重合体を得ることができる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は部分けん化されていても使用できる。
更には本発明では市販されているエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用することができ、例えば、旭化成株式会社製の「サンテックEVA」(商標)シリーズ、住友化学株式会社製の「スミテート」(商標)シリーズ、及び三井・デュポンポリケミカル株式会社の「エバフレックス」(商標)シリーズを挙げることができる。
【0017】
下地層には必要に応じて、可塑剤、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、染料、熱重合禁止剤などを添加させることができる。また、感光性樹脂層からのマイグレーションによって、エチレン性飽和化合物、光重合開始剤、可塑剤、熱重合禁止剤など感光性樹脂層の成分が含まれることになっても良い。
本発明の感光性樹脂は少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂であることが必要である。
【0018】
本発明に使用される熱可塑性エラストマーは一般的に使用されている、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーとの重合物を用いることができる。該モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンなどが用いられ、熱可塑性エラストマーの代表的な例としてはスチレン−ブタジエンブロック共重合体などが挙げられる。印刷版として必要な機械的物性を得るためには熱可塑性エラストマーが50重量%以上であることが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの分子量は5000以上、更には10000以上であることが好ましい。
【0019】
エチレン性不飽和化合物としては一般的に感光性組成物に使用されているモノマーを使用することができる。例えば、t−ブチルアルコールやラウリルアルコールなどのアルコールとアクリル酸のエステル、ラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体。あるいはジオクチルフマレートなどのアルコールのフマル酸エステル、更にはヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ノナンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロール(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルなどを単独、または組み合わせて感光性樹脂組成中に使用することができる。エチレン性不飽和化合物は感光性樹脂の紫外線に対する反応性に関する点から、感光性樹脂中の1〜20重量%であり、分子量が5000未満であることが好ましい。
【0020】
光重合性開始剤としては、芳香族ケトン類やベンゾイルエーテル類などの公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンなどの中から使用することができ、それらを組み合わせても使用できる。紫外線に対する感度の点から光重合性開始剤は感光性樹脂中に0.1〜10重量%であることが好ましい。
【0021】
更に、感光性樹脂には必要に応じて、可塑剤や増感剤、熱重合禁止剤、着色剤、更にはフィラーや親水性共重合体などを添加することができる。
本発明の下地層、感光性樹脂層は様々な方法で調製することができる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性エラストマー、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤などを適当な溶媒、例えば、クロロホルム、トルエンなどに溶解させて混合し、型枠の中に流延し、溶媒を蒸発させることで得ることができる。その他にもニーダーやロールで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより、希望の厚みにすることができる。
【0022】
感光性樹脂層は組成によっては粘着性を有することがあるため、製版時に感光性樹脂層の上に重ねられる透明画像担体との接触をよくするために、あるいは透明画像担体の再使用を可能にするために、現像液に可溶性な薄いたわみ性の保護膜を設けることができる。
上記のフレキソ印刷版用感光性構成体を通常の方法で製版処理することにより、フレキソ印刷版を得ることができる。製版処理において用いられる、感光性樹脂を光硬化させる紫外線露光源として、高圧水銀灯や紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプなどがある。紫外線を透明画像担体を通して感光性樹脂に露光することにより目的の画像を得ることができる。支持体と感光性樹脂層との接着をより強固にするために、更にはレリーフ画像を未露光部分の洗い出し時の応力に対して、より安定的なものにするために、支持体側から全面露光を行うことが有効である。この透明画像担体側からの露光と支持体側からの露光はどちらを先に実施しても良く、また同時に行っても良い。画像再現性の観点からは支持体側からの露光を先に行うことが好ましい。
【0023】
未露光部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエチレンなどの塩素系溶剤や、ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、石油留分、トルエン、デカリンなどの炭化水素類やこれらにプロパノール、ブタノールなどのアルコール類を混合したものを挙げることができる。未露光部洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングによって行われる。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して印刷版を得る。
【0024】
また、感光性樹脂層全面に紫外線を照射することにより硬化させたレーザー彫刻可能な層を形成し、その後レーザービームを照射しビームの当たった部分の樹脂を除去することによりパターンを形成するレーザー彫刻印刷版であっても構わない。
得られた印刷版は印刷版として実用上、支障をきたさない程度の接着力を支持体、下地層、感光性樹脂の各層間で持つことが望ましく、各層間の接着力は180゜の剥離角度で強制剥離をさせた場合に5.9N/cm以上の接着力を持つことが好ましい。支持体、下地層、感光性樹脂の各層において、感光性樹脂層と支持体の間で強制剥離を行う場合は、最も弱い接着力の層間から剥離するため、強制剥離をさせた場合の接着力が5.9N/cm以上ある場合は剥離しなかった層間の接着力も5.9N/cm以上あると考えて良い。
【0025】
以下、実施例に基づき詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例1〜4、比較例1〜3】
後述する組成に関しては特に記載がない限り、重量部とする。
感光性樹脂組成として表1に示した組成をニーダーにて混練し、感光性樹脂組成を得た。得られた感光性樹脂組成はシリコーン処理されたポリエステルフィルムとポリアミド膜を有するポリエチレンテレフタレートフィルムで挟み、3mmのスペーサーを用いて130℃の条件で4分間、1.96×10Paの圧力をかけて加圧成形を行った。得られた感光性樹脂層の厚みを測定したところ、3.0mmであった。
【0027】
次に表2に示す組成をニーダーにて混練し、下地層組成を得た。感光性樹脂組成と同様に、シリコーン処理されたポリエステルフィルムと表面処理された125μm厚みのポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャイン」(商標)シリーズ)にて挟み、1mmのスペーサーを用いて、加圧成形を行い、下地層を得た。得られた下地層の厚みを測定したところ、1.0mmであった。
感光性樹脂、下地層のシリコーン処理されたポリエステルフィルムを剥離し、感光性樹脂、下地層それぞれをを130℃に加温したプレス機上に載せ、加温した。加温した感光性樹脂層、下地層をシリコーン処理されたポリエステルフィルムに接していた面同士を張り合わせ、下地層を有するフレキソ印刷用感光性構成体を得た。
【0028】
得られた感光性構成体を「AFP−1500」(商標、旭化成株式会社製)上で370nmを中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず、支持体側から250mJ/cmの全面露光を行った後、引き続き透明画像担体を通して6000mJ/cmの画像露光を行った。このとき、露光強度をオーク製作所製のUV照度計「MO−2型」(商標)でUV−35フィルターを用いて測定し、露光量を決定した。ついでにテトラクロロエチレン/n−ブタノールが3/1(容積比)を現像液として「AFP−1500」現像機(旭化成株式会社製)にて現像し、60℃1時間乾燥後、後露光を行ってフレキソ印刷版を得た。
得られたフレキソ印刷版において支持体と感光性樹脂の剥離強度について、硬化樹脂層を1cm幅の短冊状に切断したサンプルから支持体を強制的に剥がし、引っ張り試験機を用いて180゜の角度で、50mm/分の速度で支持体と樹脂層を剥離したところ、表2の結果を得た。
【0029】
また、表1に示した感光性樹脂組成や表2に示した下地層組成を前述した加圧成形条件にて1mmのスペーサーを用いて加圧成形を行い、版厚を測定したところ、1.0mmであった。表1の感光性樹脂組成や表2の実施例4、比較例1については支持体側から250mJ、シリコーン処理されたポリエステルフィルム側から6000mJの紫外線照射を上述した方法で行った。露光後、シリコーン処理されたポリエステルフィルムを剥がし、剥がしたポリエステルフィルム側から硬度を測定した。その他の下地層組成は加圧成形後、シリコーン処理されたポリエステルフィルムを剥離し、硬度を測定した。ショアA硬度を測定した結果、感光性樹脂組成は79゜、下地層組成については表2に示す硬度となった。
【0030】
実施例1〜4については十分な接着力の目安となる5.9N/cmを越える接着力が得られ、比較例1〜3については十分な接着力が得られなかった。
また、得られたフレキソ印刷版を用いて、酢酸エステルを約15体積%含むインキを用いて、ポリエチレンフィルム上への印刷を行ったところ、実施例1〜4では版胴と圧胴の煎断応力により、支持体と硬化樹脂が剥離することもなく、更に印刷が終了して両面テープで固定された印刷版を版胴から取り外すために、硬化樹脂層部分を持って引き剥がそうとして硬化樹脂層に大きな力が加わった場合でも、印刷版は破損しないで支持体としっかりと密着していた。一方、比較例1〜3では両面テープで印刷機の版胴に固定されたこの版を、硬化樹脂層部分を持って引き剥がそうとしたところ、硬化樹脂と支持体が容易に剥離する現象が見られた。
更には実施例1〜4で得られた印刷物を調べたところ、網点部分の太りが少ない、印刷品質が優れた印刷物が得られた。一方、比較例1〜3では網点部分の太りが目立つ結果となり、印刷品質が優れた印刷物を得ることができなかった。
【0031】
【表1】
Figure 2004109443
【0032】
【表2】
Figure 2004109443
【0033】
【発明の効果】
印刷版として使用されるときに強固な接着力を有する、安価な、更には印刷品質が優れたフレキソ印刷用感光性構成体を得ることができる。

Claims (8)

  1. 支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)を積層してなる感光性構成体であって、下地層(B)が少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂からなることを特徴とするフレキソ印刷用感光性構成体。
  2. 下地層(B)の厚みが0.05〜10mmであることを特徴とする請求項1記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
  3. 下地層(B)のショアA硬度が感光性樹脂層(C)のショアA硬度以下であることを特徴とする請求項1または2記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
  4. 支持体(A)がポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
  5. 支持体(A)が下地層(B)を積層する面に下引き層を少なくとも1層以上有している易接着フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
  6. 支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)の各層間の接着力が、180゜の剥離角度で強制剥離させた場合に5.9N/cm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性構成体を製版することによって得られるフレキソ印刷版。
  8. 支持体(A)、下地層(B)、感光性樹脂層(C)を積層してなる感光性構成体であって、下地層(B)が少なくとも1種類以上の、酢酸ビニル含量が11〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、感光性樹脂層(C)が少なくとも1種類以上のモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマー(a)、少なくとも1種類以上のエチレン性不飽和化合物(b)、少なくとも1種類以上の光重合開始剤(c)を含有する感光性樹脂からなる、フレキソ印刷用感光性構成体を製造するに際し、支持体(A)上に、下地層(B)及び感光性樹脂層(C)を積層することを特徴とするフレキソ印刷用感光性構成体の製造方法。
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JP2010518437A (ja) * 2007-02-08 2010-05-27 フリント グループ ジャーマニー ゲーエムベーハー 光重合性フレキソ印刷エレメントおよびそれから製造される硬質フレキソ印刷フォーム
JP2011173368A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Fujifilm Corp レリーフ印刷版の製版方法及びレリーフ印刷版
WO2012098997A1 (ja) 2011-01-17 2012-07-26 ユニチカ株式会社 ポリエステルフィルム、および感光性樹脂構造体
JP2014202972A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 三菱樹脂株式会社 感光性樹脂構成体
CN108215560A (zh) * 2016-12-14 2018-06-29 乐凯华光印刷科技有限公司 一种金属基感光树脂版支持体及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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