JPH10287738A - 帯電防止用ポリエーテルエステル - Google Patents

帯電防止用ポリエーテルエステル

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JPH10287738A
JPH10287738A JP9097312A JP9731297A JPH10287738A JP H10287738 A JPH10287738 A JP H10287738A JP 9097312 A JP9097312 A JP 9097312A JP 9731297 A JP9731297 A JP 9731297A JP H10287738 A JPH10287738 A JP H10287738A
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JP
Japan
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polyetherester
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weight
dicarboxylic acid
antistatic
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JP9097312A
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English (en)
Inventor
Genichi Tsuruta
嚴一 鶴田
Satoru Hirota
悟 廣田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性能の付与効果と持続性の向上を目
的としてポリエーテルエステルの組成と粘度を特定し、
樹脂組成物中の形態を制御する。 【解決手段】 分子内に数平均分子量が400〜200
00のポリオキシアルキレングリコールセグメントより
なるポリエーテル成分を20〜65重量%含み、m−ク
レゾール中30℃で測定した相対粘度が1.5〜4.0
であって、250℃、シェアレート101 sec-1での
見かけせん断粘度が500〜10000ポイズであるポ
リエーテルエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリエーテル
エステルに関する。さらに詳しくは、各種の熱可塑性樹
脂、特にアクリル系樹脂に配合して帯電防止性樹脂組成
物を製造するのに有用なポリエーテルエステルに関す
る。本発明のポリエーテルエステルは、それ自体を高分
子型帯電防止剤として用いることができるほか、分子中
に2個以上のエポキシ基を有する化合物と付加反応を行
い、さらに高分子量のポリエーテルエステルを製造する
ための前駆体としても使用できる。本発明のポリエーテ
ルエステルを配合した帯電防止性樹脂組成物は良好な帯
電防止性能を有するほか、それを押出成形して帯電防止
性シートを製造したり、射出成形して帯電防止性成形品
を製造する際に、樹脂の熱劣化による着色物が生成しに
くく、表面外観の優れた成形品を製造することができ
る。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂は、透明性、表面光沢、
表面硬度、耐候性などに優れ、照明器具カバー、テール
レンズ等の車輌外装品、レンズ、導光板、ビデオディス
ク、プロジェクションテレビ用スクリーン等の光学用部
品、自動販売機の前面板、屋外看板、店装ディスプレイ
などの用途に広く使用されている。
【0003】またポリカーボネート樹脂は、その透明性
や衝撃強度を生かして、ヘッドランプレンズ・サンルー
フ用透明天窓等の車輌外装品、コンパクトディスク等の
光学部品、高速道路の透明遮音壁、アーケードやドーム
等の建材など各種の用途に使用されている。ところで先
に挙げた用途は、アクリル系樹脂やポリカーボネート樹
脂が、いずれも実質的に非晶質性で透明であるという特
徴を生かしたものであるが、これらの樹脂は一般的に帯
電しやすく、製品にほこりが付着して透明性や表面外観
が損なわれやすいほか、成形品やシートの後加工におい
てほこりの付着が障害となる、といった欠点も有してい
る。従って、ほこりの付着を防止するためには、これら
の樹脂に良好な帯電防止性能を付与することが求められ
てきた。
【0004】アクリル系樹脂などに帯電防止性能を付与
するためには、これまでにも様々な方法が提案されてき
た。則ち、 1.シリコン系化合物などを樹脂表面に塗布する方法。 2.界面活性剤を樹脂に添加、混合する方法。 3.親水性基および/またはイオン性基を有する単量体
を共重合し、樹脂を化学的に改質する方法。
【0005】1.については、成形品やシートに対する
塗付工程が必要であり、コスト的に不利なばかりか、得
られた製品の帯電防止効果の持続性に劣り、降雨などの
流水により効果が消失しやすいため、十分な解決とは言
い難い。2.に関するものとしては、例えば、スルホン
酸基を有する化合物またはこれとポリエーテルとをアク
リル樹脂に練り込む方法(特開昭47ー26438号公
報、特開平3ー43440号公報)、スルホン酸基を有
する化合物、ポリオキシアルキレングリコール、および
特定のリン化合物を練り込む方法(特公昭53ー307
24号公報)が提案されているが、ポリエーテル等を比
較的多量に添加するため、成形品表面に帯電防止剤がブ
リードアウトしやすく、表面外観を損なうほか、べとつ
きの原因となるなど問題がある。また、ポリアルキレン
グリコールと高級脂肪酸モノグリセライドを混練する方
法(特公昭53ー36865号公報)、さらに特定のリ
ン化合物を併用する方法(特公昭53ー15896号公
報、特開昭54ー74849号公報)が提案されている
が、アクリル樹脂のガラス転移温度が比較的高く、モノ
グリセライドの成形品表面への移行性が低いため、十分
な帯電防止性能を付与するためには、多量にモノグリセ
ライドを添加する必要があり、表面外観を損ないやすい
という欠点がある。その他、アルキルスルホン酸塩また
はアルキルベンゼンスルホン酸塩とトリアルキルフォス
ファイトを混練する方法(特開昭64ー24845号公
報)も提案されているが、アルキルスルホン酸塩等を比
較的多量に添加する必要があるため、樹脂の表面外観に
劣るという問題がある。またこれらの方法に共通する問
題として、添加した界面活性剤が流水などで成形品表面
から失われやすいため、帯電防止性能の持続性に劣るこ
とが挙げられる。
【0006】3.に関しては、例えばスルホコハク酸エ
ステル系の単量体とアクリレート系単量体との共重合体
と酸性リン酸エステルあるいはアルキレンオキサイド化
合物とからなる組成物(特開昭59ー182837号公
報、182838号公報)が提案されており、帯電防止
効果の持続性の観点からは有利であるが、特殊な単量体
を比較的多く共重合させる必要があり、コスト的に不利
なばかりか、組成物の耐候性や耐熱性が低下するという
問題がある。
【0007】帯電防止効果の持続性を向上するために、
高分子型帯電防止剤を添加する方法が提案されてきた。
則ち、 4.親水性およびイオン性基を含むビニル系共重合体を
混練する方法。 5.ポリエーテルアミド系重合体を混練する方法。 4.に関しては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、およ
びスルホン酸塩あるいは第4級アンモニウム塩構造を有
するビニル系共重合体をアクリル系樹脂に混練する方法
(特開昭55ー36237号公報、特開昭63ー637
39号公報)が提案されているが、高価な特殊単量体を
使用するため、このビニル系共重合体を配合するのはコ
スト的に不利なばかりか、アクリル系樹脂の耐熱性を低
下させるという問題があった。
【0008】5.については、ポリアミドセグメントと
ポリエーテルセグメントとからなるポリエーテルアミド
重縮合体を帯電防止成分としてアクリル系樹脂に混練す
る方法(特開昭64ー90246号公報、特開平1ー3
08444号公報、特開平8−120147号公報)が
提案されている。これらの方法では帯電防止性能の持続
性には優れるが、ポリアミドセグメントを含む重縮合体
は、それ自体が高温下に空気と接触すると熱着色しやす
いこと、また、特にアクリル系樹脂とポリアミドセグメ
ントを含む重縮合体とが加熱下に架橋反応を起こして不
溶不融のゲル状物を生成しやすいことにより、例えば押
出機中に滞留した該組成物が着色したゲルとなって射出
成形品やシートに混入し、製品の外観を著しく損なうと
いう欠点があった。
【0009】このようなゲル化と着色異物の欠点を改良
するために、特定分子量のポリオキシアルキレングリコ
ールセグメントからなるポリーテル成分を特定の割合で
含み、かつ特定の還元比粘度をもつポリエーテルエステ
ル重縮合体とアクリル樹脂とからなる帯電防止性樹脂組
成物が提案されている(特開平8−134309号公
報)。同様なポリエーテルエステルと任意の熱可塑性樹
脂とからなる制電性樹脂組成物も提案されている(特開
平6−57153号公報)。しかしながら、これらのポ
リエーテルエステル系重縮合体をアクリル樹脂等に混合
して帯電防止性樹脂組成物を製造する場合に分散状態を
適度に制御することが帯電防止性付与の効果上重要であ
ると考えられているが、該ポリエーテルエステル系重縮
合体自体の流動性の温度依存性が大きいため、良好な分
散状態を実現しうるコンパウンド条件幅が狭いものであ
った。さらに該重縮合体は溶融粘度が低く、アクリル樹
脂と混練すると0.03μm以下の微小な分散体となり
やすく、帯電防止性能付与の効果の観点から、なお不十
分なものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクリル系
樹脂等に配合することによって良好な帯電防止性能を付
与した樹脂組成物を製造でき、その樹脂組成物を押出成
形して帯電防止性シートを製造したり、射出成形して帯
電防止性成形品を製造する際に、樹脂組成物の熱劣化に
よる着色物が生成しにくく、表面外観の優れた成形品を
製造することができるポリエーテルエステルを提供しよ
うとするものである。
【0011】高分子型帯電防止剤として用いうるポリエ
ーテルエステルは、一般にポリ(アルキレンオキシド)
グリコール、ジオール、ジカルボン酸またはジカルボン
酸エステルを共重縮合させて得られるが、これまではそ
の数平均分子量はせいぜい10万前後であった(特開平
6−57153号公報)。ここで、ポリエーテルエステ
ルをポリエーテルエステルアミド重縮合体と比較する
と、ポリアミド部分に由来する分子間水素結合を欠くた
め、同程度の分子量であってもそれ自体の溶融粘度は格
段に低くなる。このため、アクリル樹脂等とコンパウン
ドする場合、加工温度におけるポリエーテルエステルと
アクリル樹脂との粘度差は(一般的にはアクリル樹脂の
方が粘度が大きい)、ポリエーテルエステルアミド重縮
合体とアクリル樹脂との粘度差よりも大きく、ポリエー
テルエステルアミド重縮合体に比べてコンパウンド時お
よび成形時のシェアにより0.03μm以下の分散体に
微細化されやすい傾向があった。帯電防止性能付与効果
からは、高分子型帯電防止剤がマトリックス樹脂中にあ
まりに微分散しすぎることは好ましくないと考えられて
おり、従ってポリエーテルエステルを高分子型帯電防止
剤として使用しようとする場合は、ポリエーテルエステ
ルアミド重縮合体と同等以上まで溶融粘度を高める工夫
が必要である。
【0012】しかしながら、前述したようにこれまでポ
リエーテルエステルの溶融粘度を高くすることはかなり
困難であったことが、高分子型帯電防止剤としてのポリ
エーテルエステルの利用を制約してきたと考えられる。
さらに、ポリエーテルエステルは分子中のポリアミド成
分を欠き、ポリエステル成分の割合を大きくしないとア
クリル樹脂との相溶性が高いため、やはりコンパウンド
時および成形時にアクリル樹脂中に0.03μm以下の
分散体に微細化されやすい傾向があった。一方、ポリエ
ーテルエステル分子中のポリエステル成分の割合を大き
くするということは、ポリエーテル成分の割合が小さく
なることになり、帯電防止性能付与の効果が低下する傾
向があるほか、ポリエーテルエステルの屈折率が高くな
り、特にアクリル樹脂と屈折率差が大きくなるため、樹
脂組成物にした場合に曇りが大きく外観、色調に劣るも
のしか得られなかった。
【0013】このようにポリエーテルエステルをポリエ
ーテルエステルアミド重縮合体に変えて高分子型帯電防
止剤として用いようとすると、従来のようにポリマー組
成や分子量を調整するだけでは良好な帯電防止性能をア
クリル樹脂等に付与することは困難であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次のような
重要な発見に到達し、本発明を完成するに至った。即
ち、 1)ポリエーテル成分を特定の割合で含有したポリエー
テルエステルは、アクリル系樹脂等に混合して帯電防止
押出板や帯電防止成形材料を製造する場合、コンパウン
ド時および成形時にほとんど熱着色せず、架橋、ゲル化
も生じにくいため製品中に焼け異物が混入せず、極めて
外観が良好な製品が得られる。このことは熱着色、ゲル
化しやすいポリエーテルエステルアミドに比べて有利な
点である。 2)ところがポリエーテルエステルは強固な分子間水素
結合を有するポリエーテルエステルアミドに比べて溶融
粘度が低く、アクリル樹脂との相溶性が高いので、分子
量が同程度であればアクリル樹脂とのコンパウンド時に
微分散しやすく、帯電防止性能の付与効果と持続性に劣
ったものしか得られない。 3)そこで、ポリエーテルエステルの原料成分としての
多価アルコール成分がジオール成分を主体とし、トリオ
ールおよび/またはテトラオール成分を併用することに
より、ポリエーテルエステルの溶融粘度を容易にポリエ
ーテルエステルアミドと同等に調整することができる。 4)ポリエーテルエステルのアクリル樹脂との相溶性を
下げ、分散を微細化にしないようにするためには、分子
中のポリエステル成分の割合を大きくすることになる
が、同時にポリエーテルエステルの屈折率が高くなるこ
とを防ぐため、芳香族ポリエステル成分だけでなく、脂
肪族ポリエステル成分をも導入することが効果的で、特
にアクリル樹脂との組成物にした場合に外観、色調が改
良される。 5)以上の知見を総合して、樹脂組成物をルテニウム酸
染色した超薄切片を透過型電子顕微鏡を用いて観察した
場合に、特定の形態(モルフォロジー)を取る様に設計
すれば、帯電防止性能、外観、色調のいずれにも優れた
帯電防止性樹脂組成物を得ることができる。
【0015】即ち、本発明は、分子内に数平均分子量が
400〜20000のポリオキシアルキレングリコール
セグメントよりなるポリエーテル成分を20〜65重量
%含み、m−クレゾール中30℃で測定した相対粘度が
1.5〜4.0であって、250℃、シェアレート10
1 sec-1での見かけせん断粘度が3000〜1000
0ポイズであるポリエーテルエステル、に関するもので
ある。
【0016】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明のポリエーテルエステルは、一般的に炭素数8〜2
0の芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステルと
炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸および/またはそ
のエステルとから選ばれる少なくとも1種のジカルボン
酸および/またはそのエステル、炭素数2〜18の多価
アルコール、および数平均分子量が400〜20000
のポリオキシアルキレングリコールとを重縮合して得ら
れる。
【0017】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられる炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸および/
またはそのエステルとしては、テレフタル酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸などと、それ
らの芳香族ジカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、
ブチルエステルなどが挙げられる。これらの芳香族ジカ
ルボン酸やそのエステルは単独で使用しても良いし、2
種類以上を組み合わせて使用することも可能である。得
られるポリエーテルエステルの融点、耐熱性の観点か
ら、テレフタル酸およびそのアルキルエステルが好まし
く用いられる。
【0018】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられる炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸および/
またはそのエステルとしては、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸など
と、それらの脂肪族ジカルボン酸のメチル、エチル、プ
ロピル、およびブチルエステルなどが挙げられる。これ
らの脂肪族ジカルボン酸やそのエステルはそれぞれ単独
で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0019】また炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸
および/またはそのエステルと炭素数4〜20の脂肪族
ジカルボン酸および/またはそのエステルとは併用する
ことができる。とりわけ、アクリル樹脂組成物の様に外
観、色調の改良に対する要求が強い分野では、芳香族ジ
カルボン酸および/またはそのエステルのみをポリエス
テル形成原料として用いると、製造されるポリエーテル
エステルの屈折率が高くなり、アクリル樹脂との屈折率
差が大きくなって樹脂組成物とした場合に外観、色調が
悪くなることがある。これを回避するためには、芳香族
ジカルボン酸および/またはそのエステルと脂肪族ジカ
ルボン酸および/またはそのエステルとを併用し、ポリ
エーテルエステルの結晶性を低下させることが有効であ
る。ただし、一般には脂肪族ジカルボン酸および/また
はそのエステルを導入すると熱劣化しやすくなり、かつ
ポリエーテルエステルの融点も低下するので、導入量の
決定には注意を要する。
【0020】本発明を構成する(b)ジカルボン酸成分
の割合は20〜65重量%である。一般的には、ポリエ
ーテルエステル中の(b)ジカルボン酸成分は(b1)
炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸成分を主体とし、
(b)ジカルボン酸成分の1〜50重量%、好ましくは
2〜30重量%が(b2)脂肪族ジカルボン酸成分とな
るようにするのが良い。芳香族ジカルボン酸および/ま
たはそのエステルと脂肪族ジカルボン酸および/または
そのエステルとの併用例としては、ポリエーテルエステ
ルの30〜50重量%がテレフタル酸をジカルボン酸成
分とするポリエステル、3〜20重量%がアジピン酸ま
たはセバシン酸をジカルボン酸成分とするポリエステル
となる様に組み合わせることが、ポリエーテルエステル
の屈折率、融点、結晶性を調整し、ポリマーの取り扱い
やアクリル樹脂組成物としたときのポリエーテルエステ
ルの分散状態、外観、色調などの点から好ましい。
【0021】本発明のポリエーテルエステル中の(b)
ジカルボン酸成分は(b1)炭素数8〜20の芳香族ジ
カルボン酸成分を主体とし、(b)ジカルボン酸成分の
0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%が(b
3)分子中に1個以上のスルホン酸金属塩を含む芳香族
または脂肪族ジカルボン酸成分となるようにすると、帯
電防止性の点からはさらに好ましい。分子中に1個以上
のスルホン酸金属塩を含む芳香族または脂肪族ジカルボ
ン酸およびそのエステルとしては、5−スルホイソフタ
ル酸・ナトリウム塩、スルホコハク酸・ナトリウム塩お
よびそれらの低級アルキルエステル等が挙げられる。ポ
リエーテルエステル中に5−スルホイソフタル酸・ナト
リウム塩成分が0.5〜20重量%となるようにするの
が帯電防止性能上好ましい。5−スルホイソフタル酸・
ナトリウム塩成分の割合が20重量%を越える場合は、
得られるポリエーテルエステルが熱着色し易くなり、好
ましくない。
【0022】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられる(c)炭素数2〜18の多価アルコールは、分
子中に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物であって脂
肪族、脂環式、および芳香族多価アルコールのうち、い
ずれを用いてもよい。また、これらは単独で使用するこ
とも、あるいは2種類以上を併用することも可能であ
る。1分子中に2個のヒドロキシ基を含むジオールとし
ては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,3ーブタン
ジオール、1,4ーブタンジオール、2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6ーヘキサンジオール、1、8ーオクタンジオ
ールの様な脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、ビス−1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ
ンの様な脂環式ジオール、およびヒドロキノンレゾルシ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノール−Aの
様な芳香族ジオールが挙げられる。1分子中に3個のヒ
ドロキシ基を有するトリオールとしてはトリメチロール
プロパン、グリセロールなどが挙げられ、1分子中に4
個のヒドロキシ基を有するテトラオールとしてはペンタ
エリスリトールが挙げられる。
【0023】これらの多価アルコールは、本発明のポリ
エーテルエステルを重縮合法で製造する際に、ジカルボ
ン酸および/またはジカルボン酸エステルとポリオキシ
アルキレングリコールとを連結して高分子量化する働き
を持つ。即ち、高分子量のポリエーテルエステルを得る
ためには、ポリオキシアルキレングリコールの末端ヒド
ロキシ基と多価アルコールの持つヒドロキシ基の合計モ
ル数が、ジカルボン酸および/またはジカルボン酸エス
テルの持つカルボキシル基のモル数と厳密に一致しなけ
ればならないが、この関係を満足させるために一般に多
価アルコールをあらかじめ反応系に過剰に仕込んでお
き、過剰な多価アルコールを反応系外へ留去させながら
反応を進める方法が好ましく用いられる。従って、ポリ
オキシアルキレングリコールとジカルボン酸および/ま
たはジカルボン酸エステルの仕込み組成を決めれば、こ
れらの反応系外への留出が無い通常の条件で製造を実施
する場合、得られたポリエーテルエステル中の(c)多
価アルコール成分の割合はほぼ自動的に決まると考えら
れる。
【0024】本発明を構成する(c)多価アルコール成
分の割合は5〜30重量%である。ポリエーテルエステ
ル中の(c)多価アルコール成分としては、(c1)炭
素数2〜18のジオール成分が主体で、その0.005
〜5重量%を(c2)炭素数2〜18のトリオールおよ
び/またはテトラオール成分に置換したものであること
が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量%であ
る。ポリエーテルエステル(A)中の(c2)炭素数2
〜18のトリオールおよび/またはテトラオール成分の
割合が0.005重量%未満の場合は、重縮合時の溶融
粘度上昇がゆるやかなために重縮合時間が長く生産性に
劣るほか、ポリエーテルエステルが熱着色しやすく好ま
しくない。さらに得られるポリエーテルエステルの溶融
粘度が十分でなく、アクリル系樹脂との組成物を製造す
る際に樹脂中に微分散しやすく、帯電防止性能の発現の
点からも好ましくない。一方、(c2)炭素数2〜18
のトリオールおよび/またはテトラオール成分の割合が
5重量%を越える場合は、重縮合時の溶融粘度上昇が急
激で反応が不安定になりやすく、反応器内で固化トラブ
ルを起こす恐れがある。さらに得られるポリエーテルエ
ステルの溶融粘度が高くなり過ぎ、アクリル系樹脂との
組成物を製造する際に樹脂中に分散しにくいため、これ
また帯電防止性能の発現の点からも好ましくない。
【0025】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられるポリオキシアルキレングリコールとしては、例
えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、ポリオキシヘキサメチレングリコール、エチレング
リコール/プロピレングリコールブロック共重合体など
が挙げられる。また、これらのポリオキシアルキレング
リコールをヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
ビスフェノール−A等のエチレンオキシド付加体やプロ
ピレンオキシド付加体などで代替することも可能であ
る。これらのうちでも、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ビスフェノール
−Aのエチレンオキシド付加体やプロピレンオキシド付
加体を用いると、得られるポリエーテルエステルの帯電
防止性能が良好となり好ましい。これらの化合物は、単
独で使用しても、2種類以上を併用しても良い。またポ
リオキシエチレングリコールとポリオキシテトラメチレ
ングリコールを組み合わせて用いると、得られる重縮合
体の帯電防止性能が良好で、かつ機械的強度にも優れた
ものが得られるので、さらに好ましい。
【0026】本発明のポリエーテルエステル中の(a)
ポリオキシアルキレングリコール成分は、数平均分子量
は400〜20000であり、より好ましくは1000
〜12000、さらに好ましくは1500〜10000
である。(a)ポリオキシエチレングリコール成分を2
種類以上併用する場合は、その組成比を勘案して平均分
子量がこの範囲内になるように選ぶのが好ましい。
(a)ポリオキシエチレングリコール成分の数平均分子
量が400未満の場合、得られるポリエーテルエステル
の軟化温度が低くなり、常温でもべとつきやすくなって
取り扱いが困難になる。また吸水性が過大となり、加工
時に含水率の管理を徹底しないと重縮合体の加水分解が
起きやすく実用的ではない。また、この化合物の数平均
分子量が20000を越える場合は、得られるポリエー
テルエステルの帯電防止性能付与効果が低下し、さらに
加工時のポリエーテルエステルの熱分解性が大きくなる
ため、やはり好ましくない。
【0027】さらにポリエーテルエステルとアクリル系
樹脂とからなる帯電防止性アクリル樹脂組成物を押出成
形してシート、フィルム状の成形品を製造する際に、ポ
リエーテルエステル中の(a)ポリオキシアルキレング
リコール成分の数平均分子量が2000未満の場合は、
シーティング用ロールの表面に曇り状の付着物が見ら
れ、成形品外観を損なう恐れがあるので(a)ポリオキ
シアルキレングリコール成分の数平均分子量は2000
以上が特に好ましい。
【0028】本発明のポリエーテルエステルを構成する
(a)ポリオキシアルキレングリコール成分は、前述し
たポリオキシエチレングリコールをジカルボン酸および
/またはジカルボン酸のアルキルエステル、および多価
アルコールと重縮合することにより、ポリマー中にポリ
エーテルブロック成分として導入しうる。本発明のポリ
エーテルエステルを構成する(a)ポリオキシアルキレ
ングリコール成分の割合は20〜65重量%であり、3
0〜60重量%が好ましい。(a)ポリオキシアルキレ
ングリコール成分の割合が20重量%未満の場合は、得
られるポリエーテルエステルの帯電防止性能の付与効果
が低下し、一方、この割合が65重量%を越える場合も
帯電防止性能の付与効果がやはり低下するので、いずれ
も好ましくない。即ち、(a)ポリオキシアルキレング
リコール成分の割合には、最適な範囲が存在する。この
ような現象が起きる作用機構については、なお不明な点
が多い。帯電防止性能を発現する主体は親水性のポリエ
ーテルブロック成分と考えられ、この割合が過少の場合
は帯電防止性能の付与効果が低下すると推定される。一
方、この割合が過多の場合は、得られるポリエーテルエ
ステルのアクリル樹脂などとの相容性が良くなり、樹脂
中にかなり微細に分散してしまい、帯電防止性能の付与
に効果的とされる「海ー島構造」という形態的特徴を発
現しにくくなるため、性能が低下してしまうものと推定
される。
【0029】本発明のポリエーテルエステルは、ヘキサ
フロロイソプロパノールを溶媒として40℃でゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略
す)を測定した際に、ポリメチルメタクリレート換算数
平均分子量が5万〜20万であることが好ましく、6万
〜18万がさらに好ましい。このGPC分析を実施する
際には、分子量分布の狭い標準ポリメチルメタクリレー
トを用いて分子量の検量線を作成しておき、クロマトグ
ラムから数平均分子量を算出する。該ポリエーテルエス
テルの数平均分子量が5万未満の場合、ポリマー自体が
やや脆く、さらにアクリル樹脂等とコンパウンドすると
微分散しやすく、帯電防止性の付与効果が低下するので
好ましくない。さらに該ポリマーの金属との密着性が増
し、押出機のバレルやスクリューに滞留しやすくなり、
熱着色の原因となりやすいので好ましくない。一方、該
ポリエーテルエステルの数平均分子量が20万を越える
場合は、アクリル樹脂等とコンパウンドする際に微分散
しにくくなるので、やはり好ましくない。
【0030】従来のポリエーテルエステルの数平均分子
量は、大きいものでも10万前後にとどまっていた。そ
こでポリアルキレングリコール、多価アルコール、ジカ
ルボン酸またはジカルボン酸エステルを共重縮合させて
数平均分子量5〜10万のポリエーテルエステルを前駆
体として得、このポリマー末端のヒドロキシ基を酸無水
物と付加反応させることにより末端にカルボキシル基を
導入でき、このカルボキシル化したポリエーテルエステ
ルと分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物との
付加反応を行うことにより、さらに高分子量化すること
も可能である。
【0031】カルボキシル化されたポリエーテルエステ
ルの製造に用いうる酸無水物としては、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸、無水トリメリ
ット酸、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド
酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水
物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられ、
これらは単独で使用しても、2種類以上を併用しても良
い。
【0032】酸無水物の使用量はポリエーテルエステル
末端のヒドロキシ基のモル数に対して酸無水物基として
0.5〜2倍モルを用いるのが好ましい。これらはポリ
エーテルエステルのヒドロキシ基末端と付加反応してポ
リマー中にカルボキシル基を導入しうる。分子中に2個
の酸無水物基を有する化合物を用いた場合は、その一部
はポリエーテルエステル末端どうしをカップリングさせ
て高分子量化する効果も期待できる。酸無水物の使用量
がポリエーテルエステルのヒドロキシ末端に対して0.
5倍モル未満の場合は末端のカルボキシル基化率が低
く、分子中に2個以上のエポキシ基を含む化合物と付加
反応させて高分子量化する効果が不足するので好ましく
ない。一方、酸無水物の使用量がポリエーテルエステル
のヒドロキシ末端に対して2倍モルを超える場合は、付
加反応に伴って副反応により架橋やゲル化が生じやすく
なり、やはり好ましくない。
【0033】酸無水物とポリエーテルエステルのヒドロ
キシ基末端とを付加反応させる方法について特に制限は
無い。例えば、 1.ポリエーテルエステルを攪拌機付き反応槽内で製造
し、酸無水物を反応槽へ追添してさらに攪拌下に付加反
応を行い、カルボキシル化されたポリエーテルエステル
を製造する方法、 2.ポリエーテルエステルを攪拌機付き反応槽内で製造
後、溶融状態のまま混練機へ払い出し、酸無水物を注入
しながら混練機内で付加反応させて、カルボキシル化さ
れたポリエーテルエステルを製造する方法、 3.ポリエーテルエステルを攪拌機付き反応槽内で製造
後、いったん払い出し、固化、細粒化する。この後、酸
無水物と押出機やニーダー型混練機を用いてコンパウン
ドし、付加反応させてカルボキシル化されたポリエーテ
ルエステルを製造する方法、 等いずれの方法を用いても良い。反応温度は生産性、副
反応の抑制、ポリエーテルエステルの分解防止等を考慮
して選択すれば良いが、一般には150〜260℃で実
施するのが好ましい。酸無水物は原料中及び空気中の水
分と反応しやすいので、実施に当たっては原料の乾燥、
反応機や押出機の窒素置換などに留意する必要がある。
【0034】効果的な帯電防止剤とするために、カルボ
キシル化されたポリエーテルエステルと分子中に2個以
上のエポキシ基を含む化合物とを付加反応させて高分子
量化して用いても良い。分子中に2個以上のエポキシ基
を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル
エステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等
の脂肪族ジエポキシ化合物や、レゾルシンジグリシジル
エーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、o−フ
タル酸ジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
ビスフェノールSジグリシジルエーテル、N,N−ジグ
リシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−メチル
アニリン等の芳香族ジエポキシ化合物、トリグリシジル
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グ
リセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル等の3官能性エポキシ化
合物、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ル、1,3−ビス(N.N’−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサン等の4官能性エポキシ化合物、エポ
キシ化クレゾールノボラック樹脂、メタクリル酸メチル
/メタクリル酸グリシジル共重合体等のポリエポキシ化
合物が挙げられ、1、6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテルやネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テルが毒性、皮膚刺激性の少ないことから好ましい。こ
れらは単独で使用しても、2種類以上を併用しても良
い。
【0035】分子中に2個以上のエポキシ基を有する化
合物の使用量は、ポリエーテルエステル中のカルボキシ
ル基のモル数に対してエポキシ基として0.5〜2倍モ
ルを用いるのが好ましい。分子中に2個以上のエポキシ
基を有する化合物の使用量がポリエーテルエステル中の
カルボキシル基に対して0.5倍モル未満の場合は付加
反応させて高分子量化する効果が不足し、一方、2倍モ
ルを超える場合は付加反応に伴う副反応により架橋、ゲ
ル化が生じやすくなり、いずれも好ましくない。
【0036】カルボキシル化されたポリエーテルエステ
ルと分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物とを
付加反応させる方法について特に制限は無い。例えば、 1.カルボキシル化されたポリエーテルエステルを攪拌
機付き反応槽内で製造し、分子中に2個以上のエポキシ
基を有する化合物を反応槽へ追添してさらに攪拌下に付
加反応を行い、高分子量化されたポリエーテルエステル
を製造する方法。 2.カルボキシル化されたポリエーテルエステルを攪拌
機付き反応槽内で製造後、溶融状態のまま混練機へ払い
出し、分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物を
注入しながら混練機内で付加反応させて、高分子量化さ
れたポリエーテルエステルを製造する方法。 3.カルボキシル化されたポリエーテルエステルを攪拌
機付き反応槽内で製造後、いったん払い出し、固化、細
粒化する。この後、分子中に2個以上のエポキシ基を有
する化合物を押出機やニーダー型混練機を用いてコンパ
ウンドし、付加反応させて高分子量化されたポリエーテ
ルエステルを製造する方法。 など、いずれの方法を用いても良い。反応温度は生産
性、副反応の抑制、ポリエーテルエステルの分解防止等
を考慮して選択すれば良い。一般には150〜260℃
で実施するのが好ましい。酸無水物は水分と反応しやす
いので、実施に当たっては原料の乾燥や反応機、押出機
等の窒素置換に留意する必要がある。
【0037】また、本発明のポリエーテルエステルはm
ークレゾール中、30℃で測定した相対粘度が1.5〜
4.0であり、好ましくは1.8〜3.5であり、さら
に好ましくは2.0〜3.2である。この相対粘度が
1.5未満では、ポリマー自体の流動性が大きく、アク
リル系樹脂等とコンパウンドした場合に、樹脂中にポリ
エーテルエステルが微分散して帯電防止性能の付与効果
が低下するので好ましくない。一方、相対粘度が4.0
を越える場合は、アクリル系樹脂等とコンパウンドした
場合に、樹脂中にポリエーテルエステルが分散しにくく
なり、やはり帯電防止性能の付与効果が低下するので好
ましくない。
【0038】また、本発明のポリエーテルエステルは、
250℃、シェアレート101 sec-1での見かけせん
断粘度が500〜10000ポイズであり、1000〜
10000ポイズが好ましく、2000〜10000ポ
イズがさらに好ましい。シェアレート101 sec-1
概ね押出成形時のシェアに相当する。見かけせん断粘度
が500ポイズ未満では、加工温度(概ね250〜27
0℃)におけるアクリル系樹脂(一般に見かけせん断粘
度は数千から数万ポイズである)との溶融粘度差が大き
く、アクリル系樹脂中にポリエーテルエステルが微分散
して帯電防止性能が低下するので好ましくない。一方、
見かけせん断粘度が10000ポイズを越える場合は、
コンパウンド時にアクリル系樹脂中にポリエーテルエス
テルが分散しにくく、やはり帯電防止性能が低下するの
で好ましくない。
【0039】また本発明のポリエーテルエステルは、荷
重1kgで測定したメルトフローレートが1g/10分
間以下となる温度、即ち実質的に固化が始まる温度が1
60〜230℃の範囲にあることが好ましく、170〜
220℃の範囲がさらに好ましい。このような特徴を有
することの意義を以下に述べる。本発明のようなポリエ
ーテルエステルを製造する方法としては、温度240〜
280℃の範囲での溶融重縮合法によるのが一般的であ
るが、反応終了後にポリマーを反応器から払い出し、さ
らにポリマー自体の包装やアクリル系樹脂等とのコンパ
ウンディングに便利なように細粒化する工程が実施され
ることが多い。従って、ポリマーが実質的に固化する温
度が230℃を越えて反応温度に接近すると、反応器か
ら払い出されたポリマーの表面は直ちに固くなり始め、
シート状に吐出されたポリマーを冷却ドラムへ巻き取っ
たり、あるいはストランド状に吐出されたポリマーをロ
ールで引き取ってカッターへ導入するなどの工程を安定
して実施することは困難となる。この結果、反応器から
安定してポリマーを払い出すことができず、生産性が著
しく損なわれることになる。一方、ポリマーが実質的に
固化する温度が160℃よりも低くなると、反応器から
払い出されたポリマーがべとつき、やはり後処理工程を
安定して実施することが困難となる。
【0040】本発明のポリエーテルエステルの荷重1k
gでのメルトフローレートが1g/10分間以下となる
温度、即ち実質的に固化が始まる温度を160〜230
℃の範囲にするための方法にはいくつか考えられる。重
縮合ポリマーの固化現象は、ポリマー中のポリエステル
連鎖の結晶性によって概ね規定されると考えられる。従
って、ポリエステル連鎖の結晶性を低下させるために、
ポリエステル連鎖の鎖長を短くする、言い換えればポリ
マー中に組み込むポリエーテルブロックの鎖長を短くし
て、ポリエステルとポリエーテルのいずれのブロックも
短くして連結することが効果的である。またポリエステ
ル連鎖中に結晶性の低い成分を導入することも有効であ
り、例えば脂肪族のジカルボン酸成分を導入することが
行われる。ただし、これらの方法は、いずれもポリマー
の常温でのべとつきの原因ともなり、取り扱いを極めて
困難にするという欠点があるので注意を要する。
【0041】また本発明のポリエーテルエステルをポリ
アルキレングリコール、多価アルコール、およびジカル
ボン酸および/またはジカルボン酸のアルキルエステル
とを重縮合して製造する際に、分子中にスルホン酸塩や
リン酸塩を含有する化合物、例えば、スルホン酸塩を含
むイソフタル酸またはそのアルキルエステルを共重縮合
させ、ポリエーテルエステル中に導入することも可能で
ある。分子中にスルホン酸塩やリン酸塩を含有する化合
物単位を導入する場合は、ポリエーテルエステル中に
0.2〜20重量%含有されることが好ましく、0.5
〜10重量%がさらに好ましく、0.5〜3重量%が特
に好ましい。該化合物単位が20重量%を越える場合
は、得られる重縮合ポリマーの吸湿性が過大となり、樹
脂組成物を製造する際の水分コントロールに留意しない
と加水分解を引き起こしやすく、好ましくない。
【0042】本発明のポリエーテルエステルの製造方法
に関しては、一般的な方法で実施しうる。例えば、ポリ
オキシアルキレングリコール10〜60重量%、ジカル
ボン酸および/またはジカルボン酸エステル20〜60
重量%、および多価アルコール5〜50重量%からなる
原料混合物を反応器に仕込み、溶媒の存在下または不存
在下で、反応中に生成する水もしくはアルコールを反応
器外へ除去しながら重縮合させ、高分子量化させる方法
が好ましく用いられる。水もしくはアルコールを反応器
外へ除去するには、窒素ガスを流すか、あるいは反応器
内を高度に減圧にして実施することが好ましい。重縮合
時の温度は150〜300℃、好ましくは180〜27
0℃で実施しうる。
【0043】本発明のポリエーテルエステルを製造する
際には、酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸コバル
ト、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、チタンテトラアルコ
キシド、有機ジルコニウム化合物等を触媒として用いる
と、反応時間を短縮でき、その結果、反応中の重縮合体
の着色、劣化が防止できるので好ましい。本発明のポリ
エーテルエステルを製造する際には、反応中の重縮合体
の熱劣化を防止し、かつ高分子量化を実現するため、適
当な熱安定剤をポリエーテルエステル100重量部に対
して0.01〜5重量部添加しておくことが好ましい。
熱安定剤としては、例えば、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシケイ皮アミド、4,4’−
ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]等のヒンダードフェノール系安定剤、N,N’−
ビス(β−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ポリ
(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)等のアミン系安定剤、ジラウリルチオジプロピオネ
ート等のイオウ系安定剤、あるいはトリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン化合物
などを使用しても良い。これらのうちでも、分子中にヒ
ドロキシフェニル基を少なくとも2個、好ましくは3個
以上有する安定剤が特に顕著な効果を示す。これらは原
料にあらかじめ混合して重縮合反応時に共存させること
もでき、あるいは反応途中や反応後に反応器に追加する
など、任意の方法で添加しうる。
【0044】本発明のポリエーテルエステルは、それ自
体で、または分子中に2個以上のエポキシ基を含む化合
物とを付加反応させて高分子量化した後に、アクリル系
樹脂に混合して帯電防止性樹脂組成物を製造することが
可能である。さらにこの樹脂組成物を押出成形して帯電
防止性シートを製造したり、射出成形して帯電防止性の
各種成形品を製造することもできる。
【0045】アクリル系樹脂としては、メチルメタクリ
レート単位単独、あるいはそれと30重量%以下の共重
合可能な他の単量体単位とからなるものが好ましい。メ
チルメタクリレート単位70〜99重量%、およびこれ
と共重合可能な他の単量体単位1〜30重量%からなる
ものが好ましく、共重合可能な他の単量体としては、ア
ルキル基の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレー
ト、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレ
ートのほか、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不
飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和
基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレ
ン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、マレ
イミド、N−置換マレイミド等が挙げられ、これらは単
独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよ
い。またメチルメタクリレートとメタクリル酸あるいは
アクリル酸との共重合体には、それを熱処理して脱アル
コール反応あるいは脱水反応を行い六員環酸無水物単位
を生成した重合体、およびアンモニアやアミンとイミド
化反応させ、六員環イミド単位を生成した重合体も含ま
れる。これらのなかでも、共重合体の耐光性、耐熱分解
性や流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート等が好ましく用いられ、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート
が特に好ましい。
【0046】アクリル系樹脂としては、クロロホルム中
25℃における還元粘度が30〜90ml/gであり、
35〜85ml/gのものが好ましく、50〜75ml
/gのものがさらに好ましい。還元粘度が30ml/g
未満の場合は、得られる帯電防止性樹脂組成物の機械強
度が低下し、一方、還元粘度が90ml/gを越える場
合は、得られる帯電防止性樹脂組成物の流動性が低下し
て押出成形や射出成形が困難となるので、いずれも好ま
しくない。
【0047】このようなアクリル系樹脂の製造方法とし
ては特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、
あるいは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いてもよ
い。重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系やア
ゾ系のラジカル重合開始剤を用いることができ、これと
還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として実施
しても良い。アルキルリチウムなどを用いたアニオン重
合法、有機金属錯体を用いた配位重合法、グループトラ
ンスファー重合法などを用いて得られたアクリル系樹脂
を使用してもさしつかえない。重合温度は、懸濁重合ま
たは乳化重合では30〜120℃、塊状または溶液重合
では80〜170℃で実施するのが一般的である。該ア
クリル系樹脂の還元粘度を制御するために、アルキルメ
ルカプタン等を連鎖移動剤として用いて実施してもよ
い。その他、多層構造アクリルゴムなどを配合した耐衝
撃性アクリル系樹脂組成物をも使用できる。
【0048】なお、本発明のポリエーテルエステルを混
合して帯電防止性樹脂組成物を製造することが可能な熱
可塑性樹脂としては、上記のアクリル系樹脂以外にもポ
リカーボネート樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチ
レン、非晶性コポリエステルなどの樹脂を使用すること
もできる。アクリル系樹脂組成物は、ルテニウム酸染色
した超薄切片を透過型電子顕微鏡を用いて観察した場合
に、(1)該アクリル系樹脂組成物が海島構造を呈して
おり、島を構成する分散体の長径の平均値が0.06〜
20μm、短径の平均値が0.03〜0.5μmであ
り、(2)分散体の長径と短径の平均値の比が1.2以
上である、という特徴を有することが好ましい。ここ
で、ルテニウム酸で染色されて島を構成する分散体とし
て観察されるのがポリエーテルエステルと考えられる。
島を構成する分散体の長径の平均値が0.06μm未満
の場合は、ポリエーテルエステルがアクリル系樹脂にか
なり相溶性を持ち微分散している状態と見られ、帯電防
止性能が低く好ましくない。長径の平均値は好ましくは
0.1〜15μm、さらに好ましくは0.3〜10μm
である。また短径の平均値は好ましくは0.05〜0.
5μm、さらに好ましくは0.07〜0.4μmであ
る。短径の平均値が0.03μm未満の場合は、ポリエ
ーテルエステルがアクリル系樹脂にかなり相溶性を持ち
微分散している状態と見られ、帯電防止性能が低く好ま
しくない。0.5μmを越える場合は、ポリエーテルエ
ステルがアクリル系樹脂に分散不良であると見られ、や
はり帯電防止性能が低く好ましくない。島を構成する分
散体の長径と短径の平均値の比は1.2以上であり、好
ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上である。
長径と短径の平均値の比が1.2未満の場合は帯電防止
性能が低く好ましくない。
【0049】本発明のポリエーテルエステルの組成、粘
度を適当な範囲に調整し、このような形態的特徴を持た
せることが帯電防止性能と成形品の表面外観のいずれも
改良しうる重要な発見となり、本発明を完成するに至っ
たのである。本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して帯電防止性アクリル系樹脂組成物を
製造する場合には、該ポリエーテルエステルを3〜40
重量%、好ましくは5〜20重量%とアクリル系樹脂6
0〜97重量%、好ましくは80〜95重量%とを混合
して使用するのが好ましい。該ポリエーテルエステルが
3重量%未満の場合は、得られるアクリル系樹脂組成物
の帯電防止性能が十分でなく、一方、該ポリエーテルエ
ステルが40重量%を越える場合は、得られるアクリル
系樹脂組成物の機械強度が低下してやはり好ましくな
い。帯電防止性樹脂組成物を製造するための混合方法に
は特に制限は無い。ドラムブレンダーやヘンシェルミキ
サーで混合する方法や、これらの方法で混合したあと押
出機を用いて200〜280℃の温度で造粒する方法等
がある。押出混合する場合は、ポリエーテルエステルの
熱分解および加水分解を抑制するために、押出温度、該
重縮合体の水分、押出機内の窒素パージ等に留意して実
施することが好ましい。
【0050】本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して帯電防止性アクリル系樹脂組成物を
製造する場合に、帯電防止性能をさらに向上させるた
め、有機スルホン酸塩と有機リン酸塩から選ばれた少な
くとも1種の化合物を併用しても良い。これらの化合物
の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸の様な芳香族ス
ルホン酸、ラウリルスルホン酸、ステアリルスルホン酸
等のアルキルスルホン酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸
ジフェニル等の有機リン酸等のアルカリ金属塩やアルカ
リ土類金属塩等が挙げられる。樹脂組成物の帯電防止効
果の点から、ナトリウム塩やカリウム塩が好ましい。有
機スルホン酸塩や有機リン酸塩の配合量は帯電防止性樹
脂組成物100重量部に対して0.05〜5重量部が好
ましい。5重量部を越える場合は得られる樹脂組成物の
機械強度が低下し、また樹脂組成物が着色しやすくなる
ので、好ましくない。
【0051】本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して帯電防止性アクリル系樹脂組成物を
製造する場合に、帯電防止性能を損なわない範囲で、例
えば、各種の染料、顔料、メチルメタクリレート/スチ
レン共重合体ビーズなどの有機系光拡散剤、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルクなどの無機系
光拡散剤、ヒンダードフェノール系、リン酸塩系などの
熱安定剤、酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、2ーヒ
ドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステ
ル系などの紫外線吸収剤、フタル酸エステル系、脂肪酸
エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステ
ル系、ポリエステル系などの可塑剤、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグ
リセリドなどの離型剤、高級脂肪酸エステル、ポリオレ
フィン系などの滑剤、リン系、リン/塩素系、リン/臭
素系などの難燃剤、ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤
等を混合して使用しても良い。
【0052】特に帯電防止性アクリル系樹脂組成物の熱
安定化のためには、ポリエーテルエステルとアクリル系
樹脂の合計100重量部に対して、分子中にヒドロキシ
フェニル基を少なくとも2個有する安定剤o.005〜
5重量部を含有することが好ましい。このような安定剤
の例は前述した。さらに、帯電防止性アクリル系樹脂組
成物の光(紫外線)、熱安定化ためには、ポリエーテル
エステルとアクリル系樹脂の合計100重量%に対し
て、分子中に少なくとも1個のトリアジン環を有する安
定剤0.005〜5重量部を含有することが好ましい。
このじょうな安定剤の例としては、2−(4,6−ジフ
ェニル1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−
(ヘキシル)オキシ −フェノール等が挙げられる。
【0053】本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して得られた帯電防止性アクリル系樹脂
組成物は、押出成形により帯電防止性シートやフィルム
を製造したり、射出成形することにより各種成形品を製
造することができる。これらの成形加工は樹脂の焼けや
劣化を防ぐため、樹脂温度180〜270℃の範囲で実
施することが好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に実施例と比較例を用いて本
発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明
はこれによって何ら制限されるものではない。なお、用
いた評価および試験方法を以下に示す。 1.相対粘度 ポリマー0.25gを精秤し、m−クレゾール50ml
に溶解してオストワルド粘度計No.3を用いて、30
℃で流下時間を測定した。溶解に使用したm−クレゾー
ルについても同様に流下時間を測定した。相対粘度はポ
リマーのm−クレゾール溶液の流下時間とm−クレゾー
ルの流下時間の比として算出した。 2.ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C) 試料5mgをヘキサフロロイソプロパノール5mlに溶
解し、昭和電工製カラムHFIP8120を付けたGP
C測定装置(東ソー製HLC8120型)を用い、ヘキ
サフロロイソプロパノールを溶媒とし、カラム温度40
℃にて測定を実施した。予め、標準ポリメチルメタクリ
レートを用いて同様の測定を行い、溶出時間と分子量と
の検量線を作成しておき、クロマトグラムから試料の数
平均分子量を算出した。 3.ポリマー組成1 H−NMR分析を行い、各成分に対応するシグナルの
強度比からポリマー組成を求めた。 4.見かけせん断粘度 東洋精機精メルトインデクサーを用いて、荷重を変えな
がら250℃でのメルトフローレヘート(MFR)を測
定し、このデータからシェアーレートと見かけせん断粘
度とをブロットしたグラフを作成した。グラフからシェ
アレート101sec-1での見かけせん断粘度を読み取
った。 5.樹脂組成物の形態観察 樹脂組成物からウルトラミクロトームで(厚さを100
0Åに設定)超薄切片を作製し、ルテニウム酸蒸気で染
色を行った。平行に倍率3000倍で透過型電子顕微鏡
観察を行い、写真を3倍に引き伸ばして倍率9000と
した。この写真から島を構成する分散体の長径と短径を
測り、20個の算術平均値で示した。 6.表面固有抵抗Rs 東亜電波工業製の絶縁抵抗計ウルトラメグオームメータ
ーSM−8200シリーズSME8311型を用いて、
23℃、相対湿度50%の環境で成形品に500Vを4
5秒間印加し、15秒後の表面固有抵抗Rsを測定し
た。
【0055】また、下記の略号を用いた。 EG :エチレングリコール PEG(1500):ポリオキシエチレングリコール。 なお、( )内の数字は数平均分子量を示す。 SIPM :5−スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩 SIP :5−スルホイソフタル酸・ナトリウム塩 DBS :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム なお部数は特に断らない限り、重量部を示す。
【0056】
【実施例1】 ポリエーテルエステル(A−1) 攪拌機、窒素導入管、留去管を備えた耐圧反応器にテレ
フタル酸ジメチル71重量部、エチレングリコール68
重量部および酢酸マンガン2水和物0.02重量部を仕
込み、180〜220℃で3時間加熱して、生成するメ
タノールを留去しながらエステル交換反応を実施した。
次に、反応器へ数平均分子量1500のポリオキシエチ
レングリコール30重量部、三酸化アンチモン0.06
重量部、トリメチルホスフェート0.02重量部、「イ
ルガノックス1330」(チバガイギ−製)0.5重量
部、および「トパノールCA」0.02重量部を追加
し、270℃に昇温した。反応器内を徐々に減圧し、過
剰のエチレングリコールを留去しつつ内圧を1トール以
下に保ち4時間重縮合反応を実施した。その後反応器内
に窒素で圧力をかけながら底部のバルブを開け、ポリマ
ーをノズルからストランド状に排出し、水浴槽で冷却後
にペレタイザーでカットしてペレットを得た。ポリマー
の排出状態は安定し、カッティング性も良好であった。
【0057】得られたポリエーテルエステル(A−1)
の相対粘度は1.8であり、GPC分析の結果、ポリメ
チルメタクリレート換算の数平均分子量は7.4万であ
った。1 H−NMR分析の結果、その組成は、ポリエー
テル成分30重量%、ジカルボン酸(テレフタル酸)成
分55重量%、多価アルコール(エチレングリコール)
成分15重量%であった。また、250℃、シェアレー
ト101 sec-1での見かけせん断粘度は800ポイズ
であった。結果を表1、3に示した。
【0058】
【実施例2】 ポリエーテルエステル(A−2) 攪拌機、窒素導入管、留去管を備えた耐圧反応器にテレ
フタル酸ジメチル46重量部、セバシン酸ジメチル15
重量部、エチレングリコール56重量部、および酢酸マ
ンガン2水和物0.008重量部を仕込み、190〜2
20℃で3時間加熱して、生成するメタノールを留去し
ながらエステル交換反応を実施した。次に、反応器へ数
平均分子量5000のポリオキシエチレングリコール4
0重量部、三酸化アンチモン0.06重量部、トリメチ
ルホスフェート0.02重量部、「イルガノックス13
30」(チバガイギ−製)0.5重量部、および「トパ
ノールCA」0.02重量部を追加し、内温を250℃
に昇温した。反応器内を徐々に減圧し、過剰のエチレン
グリコールを留去しつつ内圧を1トール以下に保ち3時
間重縮合反応を実施した。その後は実施例1と同様に行
い、ポリエーテルエステル(A−2)を得た。
【0059】得られたポリエーテルエステル(A−2)
の相対粘度は1.9であり、GPC分析の結果、ポリメ
チルメタクリレート換算の数平均分子量は7.8万であ
った。1 H−NMR分析を実施し、その組成は、ポリエ
ーテル成分40重量%、ジカルボン酸(テレフタル酸、
セバシン酸)成分47重量%、多価アルコール(主にエ
チレングリコール)成分13重量%の結果であった。ま
た、250℃、シェアレート101 sec-1での見かけ
せん断粘度は900ポイズであった。結果を表1、3に
示した。
【0060】
【実施例3〜9】 ポリエーテルエステル(A−3)〜(A−9) 仕込み組成を表1のように変えた以外は実施例2と同様
にして行った。得られたポリエーテルエステルの製造結
果を表3にまとめて示した。
【0061】
【比較例1、2】 ポリエーテルエステル(A−10)、(A−11) 仕込み組成を表2のように変えた以外は実施例2と同様
にして行った。得られたポリエーテルエステルの製造結
果を表3に示した。
【0062】
【比較例3】 ポリエーテルエステル(A−12) 仕込み組成を表2のように変え、また重縮合反応を26
0℃、2時間で終了した以外は実施例2と同様にして行
った。得られたポリエーテルエステルの製造結果を表3
に示した。
【0063】
【比較例4】 ポリエーテルエステル(A−13) 仕込み組成を表2のように変えた以外は実施例2と同様
にして行った。得られたポリエーテルエステルの製造結
果を表3に示した。
【0064】
【参考例1】実施例4で得られたポリエーテルエステル
(A−4)15重量部、MMA単位/MA単位=94/
6重量比でクロロホルム中25℃で測定した還元粘度が
70ml/gのアクリル樹脂(B−1)85重量部、イ
ルガノックス1330(C−1)0.4重量部、チヌビ
ン1577(D−1)0.3重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.5重量部とをドラムブレンダ
ーで混合し、30mm二軸押出機を用いて樹脂温度約2
60℃で混練、造粒した。
【0065】得られたペレットを幅約30cmのTダイ
を付けた50mm単軸押出機から樹脂温度約260℃で
押出し、表面温度約100℃のポリシングロールの間隔
を調整して、厚さ約2mmのシート状に成形した。成形
中にポリシングロール表面の曇りやTダイのリップへの
目やに状付着物は認められなかった。このシートから試
験片を切り出し、23℃、相対湿度50%の恒温室内に
置いて24時間後に表面固有抵抗値Rsを測定したとこ
ろ、5×1011Ωであった。また試験片を水道水を流し
ながら布で軽く60回ぬぐい、水滴を拭き取ってから恒
温室内に置いて15時間後に表面固有抵抗値Rsを測定
したところ、9×10 11Ωであり、大きな性能低下は見
られなかった。さらに400W高圧水銀灯で75℃の雰
囲気下、約50cmの距離から30日間照射した後に上
記の恒温室内に置き24時間後の表面固有抵抗値Rsを
測定したところ、8×1011Ωであった。またシートか
ら押出方向に平行に切削して超薄切片を作製し、染色後
に透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、島状に分散し
たポリエーテルエステルは平均長径0.38μm、平均
短径0.12μmで、平均長径と平均短径の比が3.2
の棒状に引き伸ばされた形態を呈していた。
【0066】
【参考例2】比較例2で得られたポリエーテルエステル
(A−11)を用いた以外は、参考例1と同様にしてシ
ートを得た。このシートから試験片を切り出し、23
℃、相対湿度50%の恒温室内に置いて24時間後に表
面固有抵抗Rsを測定したところ、7×1014Ωであ
り、帯電防止性能は不十分であった。また試験片を水道
水を流しながら布で軽く60回ぬぐい、水滴を拭き取っ
てから恒温室内に置いて15時間後に表面固有抵抗値R
sを測定したところ、1×1015Ωに性能低下した。さ
らに400W高圧水銀灯で75℃の雰囲気下、約50c
mの距離から30日間照射した後に上記の恒温室内に置
き24時間後の表面固有抵抗値Rsを測定したところ、
2×1015Ωであった。
【0067】またシートから押出方向に平行に切削して
超薄切片を作製し、染色後に透過型電子顕微鏡観察を行
ったところ、島状に分散したポリエーテルエステルは平
均長径0.08μm、平均短径0.07μmで、平均長
径と平均短径の比が1.2未満のだ円形の形態を呈して
いた。
【0068】
【参考例3】 1.ポリエーテルエステルアミド(X−1)の製造 数平均分子量1500のポリオキシエチレングリコール
とε−カプロラクタムを主原料として、さらにテレフタ
ル酸を連結剤として用いて、公知の方法で共重縮合し
た。得られたポリエーテルエステルアミド系ポリマーの
相対粘度は2.1で1 H−NMR分析により、組成はポ
リオキシエチレングリコール成分60重量%、テレフタ
ル酸成分8重量%、およびカプロラクタム成分32重量
であった。1kg荷重でのメルトフローレートが1g/
10分間以下になる温度は180℃であった。また、2
50℃、シェアレート101 sec-1での見かけせん断
粘度は2900ポイズであった。 2.帯電防止性樹脂組成物の製造と評価 1.で製造したポリエーテルエステルアミド(X−1)
15重量部を用い、安定剤として、イルガノックス24
5(C−2)0.1重量部とチヌビン234(D−2)
0.3重量部とを用いた以外は参考例1と同様にして行
ったところ、約30分間の連続運転でポリシングロール
表面の曇りやTダイリップの目やに状付着物が見られ、
シートの表面に着色した目やにが付着し、参考例1に比
べて外観の劣るものしか得られなかった。
【0069】
【参考例4】参考例1で用いたアクリル樹脂(B−1)
89.5重量部、分子量5000のポリエチレングリコ
ール10重量部、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.5重量部とをドラムブレンダーで混合し、
30mm二軸押出機を用いて樹脂温度約260℃で混
練、造粒した。
【0070】以下は、参考例1と同様に実施したが、得
られたシートの表面抵抗値Rsは3×1010Ω、水拭き
後の表面抵抗値Rsは8×1015Ωであり、帯電防止性
能の持続性に関して著しく劣るものであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】本発明のポリエーテルエステルはアクリ
ル系樹脂などの熱可塑性樹脂に混合して持続型の帯電防
止性樹脂組成物を製造するための高分子型帯電防止剤と
して好適である。また本発明のポリエーテルエステル
は、アクリル系樹脂等に混合して帯電防止性押出板や成
形材料を製造する場合、コンパウンド時や押出成形時に
熱着色しにくく、かつ架橋やゲル化も発生しないために
極めて外観が良好で帯電防止性能の持続性に優れた製品
が得られる。さらに押出板製造用ポリシングロールや射
出成形用金型の曇りが発生しにくく、表面外観の良好な
製品を安定して得られる。従って、本発明のポリエーテ
ルエステルは照明器具カバー、半導体部品の輸送容器、
クリーンルーム内で使用する器具、プロジェクションテ
レビの前面板、光学レンズ等の帯電やほこり付着を嫌う
用途に使用される帯電防止性樹脂組成物を製造するのに
好適である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に数平均分子量が400〜200
    00のポリオキシアルキレングリコールセグメントより
    なるポリエーテル成分を20〜65重量%含み、m−ク
    レゾール中30℃で測定した相対粘度が1.5〜4.0
    であって、250℃、シェアレート101 sec-1での
    見かけせん断粘度が500〜10000ポイズであるポ
    リエーテルエステル。
  2. 【請求項2】 (a)数平均分子量が400〜2000
    0のポリオキシアルキレングリコール成分20〜65重
    量%、(b)ジカルボン酸成分20〜65重量%、およ
    び(c)多価アルコール成分5〜30重量%からなる特
    許請求範囲第1項記載のポリエーテルエステル。
  3. 【請求項3】 (b)ジカルボン酸成分が(b1)炭素
    数8〜20の芳香族ジカルボン酸成分を主体として、そ
    の1〜50重量%を(b2)炭素数4〜20の脂肪族ジ
    カルボン酸成分で置換したものである特許請求範囲第1
    〜2項記載のポリエーテルエステル。
  4. 【請求項4】 (b)ジカルボン酸成分が(b1)炭素
    数8〜20の芳香族ジカルボン酸成分を主体として、そ
    の0.5〜50重量%を(b3)分子中に1個以上のス
    ルホン酸金属塩を含む芳香族または脂肪族ジカルボン酸
    成分で置換したものである特許請求範囲第1〜3項記載
    のポリエーテルエステル。
  5. 【請求項5】 (c)多価アルコール成分が(c1)炭
    素数2〜18のジオール成分を主体とし、その0.00
    5〜5重量%を(c2)炭素数2〜18のトリオールお
    よび/またはテトラオール成分に置換したものである特
    許請求範囲第1〜4項記載のポリエーテルエステル。
  6. 【請求項6】 ポリエーテルエステルが炭素数8〜20
    の芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステルと炭
    素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸および/またはその
    エステルとから選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸
    および/またはそのエステル、炭素数2〜18の多価ア
    ルコール、および数平均分子量が400〜20000の
    ポリオキシアルキレングリコールを重縮合して得られた
    ものである請求項1〜5項に記載のポリエーテルエステ
    ル。
  7. 【請求項7】 特許請求第1〜8項記載のポリエーテル
    エステルからなる帯電防止剤。
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