JPH10287611A - カルボン酸クロリドの製造方法 - Google Patents

カルボン酸クロリドの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度で色相の良好なカルボン酸クロリドを
高収率で製造する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 カルボン酸とリン系塩素化剤とからカル
ボン酸クロリドを製造するにあたり、カルボン酸3モル
に対して1.1〜1.3モルの三塩化リンを反応させ、
副生する亜リン酸を除去したのち、カルボン酸に対して
1.5〜6モル%のオキシ塩化リンをカルボン酸の0.
1〜2モル%のカルボン酸アミドの存在下に反応させる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊離カルボン酸、
酸無水物、リン化合物などの不純物が少なく色相の良好
なカルボン酸クロリドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸クロリドは、多くの化学製
品、たとえば、化粧品基剤、有機過酸化物、アルキルケ
テンダイマ―などを合成する際の工業的に重要な中間体
である。このカルボン酸クロリドは、カルボン酸と塩化
リンまたはホスゲンを反応させて得られるが、ホスゲン
は毒性が高く、安全性の点で塩化リンが好ましい。塩化
リンには、五塩化リン、三塩化リンまたはオキシ塩化リ
ンがある。
【0003】五塩化リンは、反応性の面で最もすぐれて
おり、低い過剰量でカルボン酸をほぼ完全にカルボン酸
クロリドに変換できるが、不揮発性であるため、その過
剰分を分離するのが困難であり、また他の塩化リンに比
べて高価な上に、有効塩素も20%と低いため、経済的
に著しく不利である。また、吸湿性固体であるため、他
の塩化リンに比べてハンドリング性が悪い。
【0004】三塩化リンは、すべての塩素が有効に働く
ため、経済的に最も有利であり、また得られる製品の色
相が良好なため、工業的に広く用いられている。しかる
に、五塩化リンに比べて反応性に劣るので、高純度であ
ることが要求される場合は、反応後に蒸留による精製が
必要となり、収率が落ちる。
【0005】オキシ塩化リンは、ジメチルホルムアルデ
ヒドなどの触媒を使用すると、反応性にすぐれるが、副
生成物が飴状のメタリン酸であり、反応混合物が高粘度
スラリ―状になるので、静置分離後のメタリン酸の除去
に長時間を要する上、除去時に分層不良によりカルボン
酸クロリドが損失し、収率が低下する。
【0006】特開昭63−316753号公報には、炭
素数7以上のカルボン酸を塩化リンと反応させて得た粗
製酸クロリドにカルボン酸アミドの存在下に塩化水素ガ
スを吹き込むことによる二段階のカルボン酸クロリドの
製造方法が記載されている。しかしながら、この方法
は、塩化水素ガスを使用しているので、特殊な装置が必
要となる上、塩化水素の反応性が低いため、触媒とし
て、大量(カルボン酸仕込み量の10モル%程度)のカ
ルボン酸アミドを必要とし、これがカルボン酸クロリド
の色相を著しく損ねる結果となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に照らし、高純度で色相の良好なカルボン酸クロリドを
高収率で製造する方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して、鋭意検討した結果、カルボン酸と三塩化リ
ンとの反応、これに引き続く少量のオキシ塩化リンとの
反応より、高純度で色相の良好なカルボン酸クロリドを
高収率で製造できることを見い出し、本発明を完成する
に至つた。
【0009】すなわち、本発明は、カルボン酸とリン系
塩素化剤とからカルボン酸クロリドを製造するにあた
り、カルボン酸3モルに対して1.1〜1.3モルの三
塩化リンを反応させ、副生する亜リン酸を除去したの
ち、カルボン酸に対して1.5〜6モル%のオキシ塩化
リンをカルボン酸の0.1〜2モル%のカルボン酸アミ
ドの存在下に反応させることを特徴とするカルボン酸ク
ロリドの製造方法に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるカルボン酸
は、炭素数が8〜24の飽和または不飽和のカルボン酸
であり、たとえば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノ―ル酸、リノレン酸、
アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、トリメリツト酸など
や、それらの混合物であるヤシ油脂肪酸、パ―ム油脂肪
酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、なたね油
脂肪酸、ト―ル油脂肪酸などが挙げられる。炭素数が7
以下のカルボン酸を用いると、副生する亜リン酸の分離
が困難となり、また、炭素数が25以上のカルボン酸を
用いると、融点が85℃を超えるので、反応温度が高く
なり、酸無水物が多く副生して、純度が低下する。
【0011】本発明においては、まず、上記のカルボン
酸に対し三塩化リンを反応させる。ここで、三塩化リン
の使用量は、カルボン酸3モルに対して、1.1〜1.
3モル、好ましくは1.15〜1.25モルである。
1.1モル未満の使用量では、オキシ塩化リンの必要量
が増えるので、副生成物のメタリン酸により、反応混合
物の撹拌が困難になつたり、収率が低下する。1.3モ
ルを超える量を使用しても、純度、収率、色相の向上は
みられない。
【0012】カルボン酸と三塩化リンとの反応は、たと
えば、カルボン酸中に三塩化リンを50〜75℃で撹拌
下に30〜120分かけて滴下して反応させ、さらに同
温度で30〜180分間反応を続ければよい。反応温度
は上記した50〜75℃が好ましい。50℃未満では反
応速度が遅く、75℃を超えると三塩化リンが揮発す
る。このように反応させたのち、上記温度で10〜30
0分間静置して、下層の亜リン酸を分離して、引き続く
反応に供する。
【0013】引き続く反応は、カルボン酸アミドの存在
下でのオキシ塩化リンとの反応であり、これにより三塩
化リンとの反応に関与しなかつた未反応のカルボン酸を
ほぼ完全に反応させる。ここで、オキシ塩化リンの使用
量は、カルボン酸に対して、1.5〜6モル%、好まし
くは2〜4モル%である。1.5モル%未満では、反応
率が低下し、純度、収率が落ちる。6モル%を超える
と、副生成物のメタリン酸により反応混合物の撹拌が困
難になつたり、収率が低下する。
【0014】カルボン酸アミドは、カルボン酸とオキシ
塩化リンとの反応の触媒として作用するものであり、具
体的には、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなどのN,N−ジアルキルア
ミドが用いられる。工業的に容易に入手できるジメチル
ホルムアミドが最も好ましい。また、その使用量は、カ
ルボン酸に対して、0.1〜2モル%、好ましくは0.
3〜1モル%である。0.1モル%未満では、反応率の
低下により純度、収率が低下する。2モル%を超える
と、カルボン酸クロリドの色相を損ねやすい。
【0015】カルボン酸とオキシ塩化リンとの反応は、
前記のようにカルボン酸と三塩化リンとの反応後下層の
亜リン酸を分離したのちの反応混合物に、上記量のカル
ボン酸アミドとオキシ塩化リンとを加え、反応温度を5
0〜85℃に設定して、30〜120分間反応させれば
よい。反応温度が50℃未満では、反応速度が遅く、8
5℃を超えると、酸無水物の生成量が増え、純度、収率
が低下する。
【0016】このように反応させたのち、上記温度で1
0〜180分間静置して、メタリン酸層を分離する。最
後に、40〜160℃、0.1〜40mmHgで不活性
ガスを吹き込みながらストリツピングを行い、リン化合
物を除去する。これにより、目的とする高純度でかつ色
相の良好なカルボン酸クロリドが高収率で得られる。ま
た、さらなる高純度化を望むなら、上記のストリツピン
グに代え、あるいは上記のストリツピング後に、蒸留に
よる精製を施してもよい。
【0017】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。
【0018】実施例1A 撹拌機および200mLの滴下ロ―トを取り付けた2L
の底栓弁付反応器に、硬化牛脂脂肪酸(酸価274、ヨ
ウ素価0.5)822g(3モル)を仕込み、これに三
塩化リン171.9g(1.25モル)を65℃で撹拌
下に1時間かけて滴下し、同温度で1時間保持したの
ち、撹拌を止め、30分間静置した。
【0019】そののち、下層の亜リン酸層を分離し、上
層にジメチルホルムアミド1.1g(0.015モ
ル)、オキシ塩化リン9.2g(0.06モル)を加
え、65℃で1時間撹拌したのち、30分間静置して、
下層のメタリン酸層を分離した。ついで、65℃、3m
mHgで窒素ガスバブリング下(流速20ml/分)に
ストリツピングを行い、リン化合物を除去した。
【0020】実施例1B 実施例1Aと同様の操作を行い、下層のメタリン酸層を
分離したのち、有効伝熱面積が0.03m2であるグラス
製の薄膜蒸留機で、200℃、1mmHg、流速5g/
分の条件にて、蒸留を行つた。
【0021】実施例2A 撹拌機および200mLの滴下ロ―トを取り付けた2L
の底栓弁付反応器に、硬化牛脂脂肪酸(酸価274、ヨ
ウ素価0.5)822g(3モル)を仕込み、これに三
塩化リン165.0g(1.20モル)を65℃で撹拌
下に1時間かけて滴下し、同温度で1時間保持したの
ち、撹拌を止め、30分間静置した。
【0022】そののち、下層の亜リン酸層を分離し、上
層にジメチルホルムアミド0.66g(0.009モ
ル)、オキシ塩化リン13.8g(0.09モル)を加
え、65℃で1時間撹拌したのち、30分間静置して、
下層のメタリン酸層を分離した。ついで、65℃、3m
mHgで窒素ガスバブリング下(流速20ml/分)に
ストリツピングを行い、リン化合物を除去した。
【0023】実施例2B 実施例2Aと同様の操作を行い、下層のメタリン酸層を
分離したのち、有効伝熱面積が0.03m2であるグラス
製の薄膜蒸留機で、200℃、1mmHg、流速5g/
分の条件にて、蒸留を行つた。
【0024】実施例3A 撹拌機および200mLの滴下ロ―トを取り付けた2L
の底栓弁付反応器に、硬化牛脂脂肪酸(酸価274、ヨ
ウ素価0.5)822g(3モル)を仕込み、これに三
塩化リン158.1g(1.15モル)を65℃で撹拌
下に1時間かけて滴下し、同温度で1時間保持したの
ち、撹拌を止め、30分間静置した。
【0025】そののち、下層の亜リン酸層を分離し、上
層にジメチルホルムアミド2.2g(0.03モル)、
オキシ塩化リン18.4g(0.12モル)を加え、6
5℃で1時間撹拌したのち、30分間静置して、下層の
メタリン酸層を分離した。ついで、65℃、3mmHg
で窒素ガスバブリング下(流速20ml/分)にストリ
ツピングを行い、リン化合物を除去した。
【0026】実施例3B 実施例3Aと同様の操作を行い、下層のメタリン酸層を
分離したのち、有効伝熱面積が0.03m2であるグラス
製の薄膜蒸留機で、200℃、1mmHg、流速5g/
分の条件にて、蒸留を行つた。
【0027】以上の実施例1A,1B〜3A,3Bに関
し、第一段階での塩素化剤の種類と量(カルボン酸3モ
ルに対するモル数)、第二段階での塩素化剤の種類と量
(カルボン酸に対するモル%)および触媒の種類と量
(カルボン酸に対するモル%)、反応時の撹拌状態、精
製方法を、表1にまとめて示した。なお、触媒の種類の
欄における「DMF」は、ジメチルホルムアミドを意味
している。
【0028】
【0029】比較例1A 撹拌機および200mLの滴下ロ―トを取り付けた2L
の底栓弁付反応器に、硬化牛脂脂肪酸(酸価274、ヨ
ウ素価0.5)822g(3モル)を仕込み、これに三
塩化リン192g(1.4モル)を65℃で撹拌下に1
時間かけて滴下し、同温度で2時間保持したのち、撹拌
を止め、1時間静置後に、下層の亜リン酸層を分離し
た。ついで、65℃、3mmHgで窒素ガスバブリング
下(流速20ml/分)にストリツピングを行い、リン
化合物を除去した。
【0030】比較例1B 比較例1Aと同様の操作を行い、下層の亜リン酸層を分
離したのち、有効伝熱面積が0.03m2であるグラス製
の薄膜蒸留機で、200℃、1mmHg、流速5g/分
の条件にて、蒸留を行つた。
【0031】比較例2A 撹拌機および200mLの滴下ロ―トを取り付けた2L
の底栓弁付反応器に、硬化牛脂脂肪酸(酸価274、ヨ
ウ素価0.5)822g(3モル)とジメチルホルムア
ミド2.2g(0.03モル)の混合物を仕込み、これ
にオキシ塩化リン237.9g(1.55モル)を65
℃で撹拌下に1時間かけて滴下し、同温度で2時間保持
した。反応中は、メタリン酸による増粘により撹拌が困
難であつた。そののち、撹拌を止め、1時間静置後に、
メタリン酸層を分離した。ついで、65℃、3mmHg
で窒素ガスバブリング下(流速20ml/分)にストリ
ツピングを行い、リン化合物を除去した。
【0032】比較例2B 比較例2Aと同様の操作を行い、下層のメタリン酸層を
分離したのち、有効伝熱面積が0.03m2であるグラス
製の薄膜蒸留機で、200℃、1mmHg、流速5g/
分の条件にて、蒸留を行つた。
【0033】比較例3A 撹拌機および200mLの滴下ロ―トを取り付けた2L
の底栓弁付反応器に、硬化牛脂脂肪酸(酸価274、ヨ
ウ素価0.5)822g(3モル)を仕込み、これに三
塩化リン192g(1.4モル)を65℃で撹拌下に1
時間かけて滴下し、同温度で1時間保持したのち、撹拌
を止め、同温度で30分間静置した。
【0034】そののち、下層の亜リン酸層を分離し、上
層にジメチルホルムアミド22.0g(0.3モル)を
加え、塩化水素ガス11.0g(0.3モル)を撹拌下
に1時間かけて吹き込んだのち、30分間静置して、下
層のジメチルホルムアミド塩酸塩層を分離した。つい
で、65℃、3mmHgで窒素ガスバブリング下(流速
20ml/分)にストリツピングを行い、リン化合物を
除去した。
【0035】比較例3B 比較例3Aと同様の操作を行い、下層のジメチルホルム
アミド塩酸塩層を分離したのち、有効伝熱面積が0.0
3m2であるグラス製の薄膜蒸留機で、200℃、1mm
Hg、流速5g/分の条件にて、蒸留を行つた。
【0036】以上の実施例1A,1B〜3A,3Bおよ
び比較例1A,1B〜3A,3Bにより得られた製品
(カルボン酸クロリド)について、収率、不純物(遊離
カルボン酸、酸無水物、リン分)含量、塩素含量、製品
純度および色相(ガ―ドナ―)を調べた。結果は、下記
の表2に示されるとおりであつた。
【0037】なお、不純物の測定は、以下の方法で行つ
た。遊離カルボン酸は2重量%四塩化炭素溶液のIR吸
収(1,710nm)により求めた。酸無水物は、試料
をアニリンと反応させて生じたカルボン酸量を滴定で求
め、この値から遊離カルボン酸量を差し引いて2倍し
た。リン分は、ケルダ―ル酸化法により、P(III )を
P(V)に酸化し、モリブデン(V)青色錯体としてU
V吸収により求めた。さらに、製品純度(クロリド純
度)は、[100−(遊離カルボン酸+酸無水物+リン
分×82/31)](重量%)として、求めた。
【0038】
【0039】上記の表2の結果から、本発明の実施例1
A,1B〜3A,3Bの方法によれば、遊離カルボン
酸、酸無水物、リン分などの不純物が少なく、高純度
で、色相の良好なカルボン酸クロリドを高収率で製造で
きることがわかる。
【0040】これに対し、比較例1A,1Bの方法は、
一段階の反応だけ(塩素化剤としてPCl3 をカルボン
酸3モルに対して1.4モル使用)を行つたものである
が、この場合、反応率が低くて、不純物含量が多く、製
品純度が低くなつており、これを蒸留により精製する
と、収率が大きく低下する。
【0041】また、比較例2A,2Bの方法は、同じく
一段階の反応だけ(塩素化剤としてPOCl3 をカルボ
ン酸2モルに対して1.03モル用い、かつ触媒として
ジメチルホルムアミドをカルボン酸に対して1モル%使
用)を行つたものであるが、この場合、反応中にメタリ
ン酸による増粘で撹拌が困難になつたり、反応後のメタ
リン酸の除去に手間がかかるなどの不都合があり、色相
および収率の面でも、好結果が得られにくい。
【0042】さらに、比較例3A,3Bは、第一段階に
おいて、塩素化剤としてPCl3 をカルボン酸3モルに
対して1.4モル用いて反応させたのち、第二段階にお
いて、塩素化剤として塩化水素ガスを用いて反応させ、
その際、触媒としてジメチルホルムアミドをカルボン酸
に対して10モル%用いるようにしたものであるが、こ
の場合、塩化水素ガスを使用するため、特殊な装置が必
要となるなどの不都合があり、また製品の色相が著しく
低下するのを免れない。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明は、カルボン酸と
三塩化リンとの反応、これに引き続く少量のオキシ塩化
リンとの反応からなる特定の二段階反応により、遊離カ
ルボン酸、酸無水物、リン化合物などの不純物が少な
く、高純度で色相の良好なカルボン酸クロリドを高収率
で製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸とリン系塩素化剤とからカル
    ボン酸クロリドを製造するにあたり、カルボン酸3モル
    に対して1.1〜1.3モルの三塩化リンを反応させ、
    副生する亜リン酸を除去したのち、カルボン酸に対して
    1.5〜6モル%のオキシ塩化リンをカルボン酸の0.
    1〜2モル%のカルボン酸アミドの存在下に反応させる
    ことを特徴とするカルボン酸クロリドの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255902A (ja) * 2001-02-26 2002-09-11 Toray Ind Inc 光学活性カルボン酸クロリドの精製方法
JP2008526900A (ja) * 2005-01-17 2008-07-24 サームフォス・トレイディング・ゲー・エム・ベー・ハー アミノポリアルキレンホスホン酸化合物の製造方法
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