JPH10282598A - 放射線用カセッテキャリア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周辺に対しての放射線被爆を低減する。 【解決手段】 グリッドホルダー２を装着した放射線用
カセッテ３の収納部４を中央部に形成するとともに、収
納部４の両側に患者Ｋの身体の幅よりも突出する側辺部
５，５を形成し、両側辺部５，５の端部にそれぞれ把手
部６を設け、両側辺部５，５及び収納部４の裏面全体に
放射線を遮蔽吸収する材料からなる遮蔽部材７を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、移動型Ｘ線撮影装
置にてＸ線撮影を行う際に好適な放射線用カセッテキャ
リアに関する。

【０００２】

【従来の技術】現在医療施設では、動かせない患者のＸ
線撮影を行う場合に、移動型Ｘ線撮影装置を用いて撮影
することがある。この際には、患者の下側に放射線用カ
セッテを直接挿入したり、放射線遮蔽物質を含まない布
袋等のカセッテホルダーに放射線用カセッテを入れて患
者の下側に挿入し、Ｘ線照射野を必要最小限に絞り込
み、周辺には人の立ち入りを禁止して撮影を実施してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
場合でも、Ｘ線被爆を低減するために、移動型Ｘ線撮影
装置の操作者や患者の介護者には防護衣を着せたり、防
護衝立等を用いる等の防護処置を講じなければならな
い。また、近年老齢化の進行に伴う在宅介護医療が増加
傾向にあり、医療施設以外の場所でＸ線撮影を行う機会
が多くなることが予想され、この場合も、移動型Ｘ線撮
影装置を用いて撮影する際に、同室、隣室、階下等の周
辺に対してＸ線被爆を低減することが必須条件となる。

【０００４】そこで本発明は、周辺に対してＸ線被爆を
低減することができる放射線用カセッテキャリアを提供
することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の放射線用カセッテキャリアは、グリッド
ホルダーを装着した放射線用カセッテの収納部を中央部
に形成するとともに、該収納部の両側に被撮影者の幅よ
りも突出する側辺部を形成し、両側辺部の端部にそれぞ
れ把手部を設け、両側辺部及び収納部の裏面全体に放射
線を遮蔽吸収する材料からなる遮蔽部材を設けたことを
特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態例に基づいて、さらに詳細に説明する。放射線用カ
セッテキャリア１は、軟質合成樹脂製で、グリッドホル
ダー２を装着した放射線用カセッテ３を厚さ方向から挿
入して収納する収納部４を中央部に形成するとともに、
該収納部４の両側に、被撮影者である患者Ｋの身体の幅
より突出する側辺部５，５を形成し、該側辺部５，５の
端部にそれぞれ把手部６を設け、収納部４及び側辺部
５，５の裏面全体に放射線を遮蔽吸収する鉛、タングス
テン合金、重金属合金等の材料からなる膜状の遮蔽部材
７を設けている。

【０００７】グリッドホルダー２は、撮影時に患者Ｋか
ら発生する散乱線を除去するために、放射線用カセッテ
３の表板３ａ上面に配置される散乱Ｘ線除去用グリッド
を固定するもので、散乱Ｘ線除去用グリッドを固定した
グリッドホルダー２を放射線用カセッテ３に装着するこ
とにより、撮影時における散乱Ｘ線除去用グリッドと放
射線用カセッテ３のずれを防止できる。

【０００８】放射線用カセッテ３は、表板３ａにＸ線吸
収率の低い炭素繊維強化樹脂板、マグネシュウム合金
板、アルミニウム合金板等の材料を使用し、フィルム８
の裏面にフィルム押え３ｂを配置し、該フィルム押え３
ｂと裏蓋３ｃとの間に、上記遮蔽膜７と同様の放射線を
遮蔽吸収する材料からなる遮蔽板３ｄを設けた構造とな
っている。

【０００９】このように構成された放射線用カセッテキ
ャリア１を用いて移動不可能な患者Ｋを臥位にてＸ線撮
影を行う場合、放射線用カセッテキャリア１の収納部４
にグリッドホルダー２を装着した放射線用カセッテ３を
収納し、放射線用カセッテキャリア１を患者Ｋの下側に
挿入し、把手部６，６を持って撮影部位に放射線用カセ
ッテキャリア１を位置合わせして撮影する。

【００１０】同じ患者Ｋに対して連続して撮影をする場
合は、放射線用カセッテキャリア１を患者Ｋの下側から
抜き取らずに、撮影済みの放射線用カセッテ３を収納部
４から抜き取り、新しい放射線用カセッテ３を収納部４
に挿入して別の撮影部位に放射線用カセッテキャリア１
を位置合わせして撮影する。

【００１１】この際に、放射線用カセッテキャリア１
は、患者Ｋの身体の幅よりも側辺部５，５が突出してい
るから、位置関係の確認が容易で、また、側辺部５，５
の端部にそれぞれ把手部６を備えているから、撮影部位
への微妙な位置合わせも容易である。さらに、軟質合成
樹脂製なので、患者Ｋへの当たりが良く、収納部４から
グリッドホルダー２を装着した放射線用カセッテ３を抜
き取れば折り畳みが可能であるから携帯にも便利であ
る。

【００１２】しかも、撮影時に放射線用カセッテ３に照
射されたＸ線は、フィルム８の裏面に設けた遮蔽板３ｂ
により遮蔽吸収され、また、放射線用カセッテ３を透過
した余剰のＸ線は、放射線用カセッテキャリア１の裏面
全体に設けた遮蔽部材７により遮蔽吸収されるから、同
室、隣室、階下等の周辺に対してのＸ線被爆を低減する
ことができる。

【００１３】さらに、放射線用カセッテ３は、グリッド
ホルダー２により散乱Ｘ線除去用グリッドとのずれを防
止されており、また、表板３ａにＸ線吸収率の低い材料
を使用し、フィルム８の裏面に放射線を遮蔽吸収する遮
蔽板３ｂを配置しているから、診断能の高いＸ線写真が
得られる。

【００１４】尚、上記実施形態例では、放射線用カセッ
テキャリア１を軟質合成樹脂で形成したもので説明した
が、硬質合成樹脂や金属で形成しても良く、また、遮蔽
部材７は板状のものでも良い。さらに、放射線用カセッ
テキャリア１の裏面全体を放射線を遮蔽吸収する材料を
混入した軟質合成樹脂で形成しても良い。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の放射線用
カセッテキャリアは、グリッドホルダーを装着した放射
線用カセッテの収納部を中央部に形成するとともに、収
納部の両側に被撮影者の幅よりも突出する側辺部を形成
し、両側辺部の端部にそれぞれ把手部を設け、両側辺部
及び収納部の裏面全体に放射線を遮蔽吸収する材料から
なる遮蔽部材を設けたので、放射線撮影時の放射線を裏
面全体に設けた遮蔽部材で遮蔽吸収して、同室、隣室、
階下等の周辺に対しての放射線被爆を低減することがで
きる。また、側辺部が被撮影者の幅よりも突出している
から、位置関係の確認が容易で、さらに、側辺部の端部
にそれぞれ備えた把手部により、撮影部位への微妙な位
置合わせが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態例を示す放射線用カセッ
テキャリアの断面図である。

【図２】 放射線用カセッテキャリアの分解斜視図であ
る。

【図３】 放射線用カセッテキャリアの使用状態図であ
る。

【符号の説明】

１…放射線用カセッテキャリア、２…グリッドホルダ
ー、３…放射線用カセッテ、４…収納部、５…側辺部、
６…把手部、７…遮蔽部材、８…フィルム、Ｋ…患者

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリッドホルダーを装着した放射線用カ
   セッテの収納部を中央部に形成するとともに、該収納部
   の両側に被撮影者の幅よりも突出する側辺部を形成し、
   両側辺部の端部にそれぞれ把手部を設け、両側辺部及び
   収納部の裏面全体に放射線を遮蔽吸収する材料からなる
   遮蔽部材を設けたことを特徴とする放射線用カセッテキ
   ャリア。