JP3026196B2 - ポータブル型放射線用カセッテのプレッサと該プレッサに用いる遮光性収容体 - Google Patents

ポータブル型放射線用カセッテのプレッサと該プレッサに用いる遮光性収容体

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JP3026196B2
JP3026196B2 JP10235902A JP23590298A JP3026196B2 JP 3026196 B2 JP3026196 B2 JP 3026196B2 JP 10235902 A JP10235902 A JP 10235902A JP 23590298 A JP23590298 A JP 23590298A JP 3026196 B2 JP3026196 B2 JP 3026196B2
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宰臣 岡本
好史 岡本
敏雄 山本
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株式会社岡本製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療施設内での使
用はもとより、外部への持ち運びが容易なポータブル型
の放射線用カセッテのプレッサと、これに用いる蓄積性
螢光体シートや放射線写真フィルム等のシート状画像記
録媒体を収容する遮光性収容体とに関する。
【0002】
【従来の技術】放射線撮影装置から患部に放射線を照射
して、シート状画像記録媒体に放射線画像を得るための
一般的な放射線用カセッテとして、例えば実用新案登録
第2568931号公報に示されるものがある。
【0003】この放射線用カセッテは、周囲をそれぞれ
枠体に囲われる矩形の表板と裏板とをヒンジにて連結し
てカセット本体を構成し、裏板の内面にクッション材と
鉛板とを配設して、カセット本体の表板と裏板との間に
収容される未露光のシート状画像記録媒体を、クッショ
ン材の弾発力によって隙間なく圧着すると共に、表板と
裏板の枠体同士をラビリンス状に嵌合させることによっ
て、カセット本体に遮光性を持たせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
放射線用カセッテを用いた放射線撮影は、放射線撮影装
置を設置した医療施設の放射線診断室で行なわれるほ
か、「特別の理由により移動して使用する場所」とし
て、病室での撮影が例外的に認められてきたが、近年高
齢化社会の進行や在宅医療の普及等の理由から、「特別
の理由により移動して使用する場所」に、患者の居宅を
も含めることが認められ、医療施設へ出掛けることがで
きない被検者には、ポータブル型の放射線撮影装置を居
宅に持ち込んで、放射線撮影が行なえるようになった。
【0005】この放射線撮影は、シート状画像記録媒体
を放射線用カセッテ毎に1枚づつ収容して行なうため
に、一人の患者の撮影にも多くの放射線用カセッテが必
要となるが、上述の放射線用カセッテは、遮光性を担う
ラビリンス状の枠体と画像記録媒体圧着用のクッション
材のそれぞれが相応の厚みを持つことから、重く嵩張る
ものとなっており、このような放射線用カセッテを複数
台使用する居宅での放射線撮影では、放射線用カセッテ
の持ち運びと不慣れな撮影場所での取り扱いに相当な負
担が予想される。
【0006】特に、複数の被検者の居宅を巡回する場合
には、放射線用カセッテの台数とその重量は多大なもの
で、取り扱い者に相当な負担を強いることとなり、医療
施設以外での放射線撮影の普及を妨げる虞がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、医療施設内での放
射線撮影はもとより、被検者の居宅や老人ホームなどの
医療施設以外で多数の放射線撮影を行なう場合にも、軽
量で嵩張らずに持ち運びに優れた放射線用カセッテのプ
レッサと、これに用いる遮光性収容体を、安価に提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従って、請
求項1の発明では、平板状の表板と裏板との一側部をヒ
ンジにて開閉可能に連結すると共に該ヒンジと対向する
他側部に両板を閉じ状態に保持する係止手段を備え、両
板の間に放射線写真フィルムや蓄積性螢光体シート等の
シート状画像記録媒体を収容する遮光性収容体を挟圧保
持する放射線用カセッテのプレッサにおいて、前記表板
と裏板のいずれか一方または双方の板を弾性材で形成
し、該弾性材で形成した板の前記一側部から他側部まで
の間に、他方の板から遠ざかる反りを持たせると共に、
前記裏板の内面に、前記遮光性収容体内のシート状画像
記録媒体を表板へ押圧するクッション材を設ける。
【0009】本発明によれば、プレッサがシート状画像
記録媒体の圧着のみを担うようになり、従来カセッテの
表板と裏板に設けられてきた遮光用の枠体が不要となっ
て、表板と裏板とを平らな薄板で形成できて、重量と厚
みを抑えたプレッサとすることができる。また、プレッ
サが軽量で嵩張らないため、持ち運びが容易で撮影時の
取り扱いにも優れる。特に、被検者が寝たきりの場合に
は、シート状画像記録媒体を挟んだプレッサを、被検者
の体の下側に容易に抜き差しできて至便である。さら
に、前記反りにより、表板と裏板とがヒンジ側から平ら
に重ね合わせされて行くに従って、遮光性収容体内の空
気がヒンジ側から徐々に排出されて行き、シート状画像
記録媒体が、遮光性収容体を介して表板とクッション材
との間に隙間なく挟圧される。これにより、シート状画
像記録媒体の両面に空気が残るいわゆるエアギャップが
防止され、空気溜りがシート状画像記録媒体に画像とし
て黒くボケて写ることがなくなるので、良好な放射線画
像が得られるようになる。
【0010】本発明に係る上述の構成のプレッサを用い
た放射線撮影では、未露光のシート状画像記録媒体を収
容した遮光性収容体を、プレッサの表板とクッション材
との間に挟持し、プレッサの表板を被検者側に向けなが
ら、プレッサを被検者の放射線撮影装置とは反対に配置
する。プレッサの放射線撮影装置と反対側には、鉛シー
トを有する公知のカセッテキャリアを重ね合わせして撮
影が行なわれ、撮影終了後には、撮影済みシート状画像
記録媒体を遮光性収容体に収容したまま、遮光性収容体
をプレッサから取り出す。
【0011】このように、本発明のプレッサによる放射
線撮影は、遮光性収容体に収容してプレッサに挟まれる
未露光のシート状画像記録媒体と撮影済みシート状画像
記録媒体とを交換するだけでよく、多数の放射線撮影を
行なう場合には、シート状画像記録媒体を収容した遮光
性収容体を必要分用意しておくだけで、プレッサは1台
だけ用意すればよい。したがって、被検者の居宅で多数
の放射線撮影を行なう場合にも、搬送部品の点数を削減
して、持ち運びの負担を軽減できるので、利便性に優れ
る。また、プレッサと遮光性収容体のいずれも構造が簡
単であるため、製作が容易で低コストで製造できる。
【0012】請求項2の発明として、請求項1の発明に
おいて、反りを持たせた板の幅方向両側部に、反りを保
持するためのエッジを設ける。これにより、板の反り形
状を保つことがができる。
【0013】請求項3の発明では、請求項1または2の
発明において、プレッサの表板を炭素繊維強化樹脂で形
成する。本発明で、放射線照射側の表板に用いる炭素繊
維強化樹脂は、放射線吸収率がアルミニウム合金の凡そ
1/10と低く、放射線撮影装置から照射した放射線を
極力減衰させずに、シート状画像記録媒体へ無駄なく透
過させるので、良好な放射線画像が得られるようにな
る。特に、炭素繊維強化樹脂製の表板は、電源電圧が一
般家庭等の100V程度で、放射線エネルギーが小さい
ために、良好な放射線画像が得られにくいポータブル型
の放射線撮影装置の場合に効果的である。
【0014】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れかの発明において、プレッサの表板に、散乱放射線を
除去するグリッド機能を併せ持たせる。本発明は、プレ
ッサの表板自体にグリッド機能があって、放射線撮影装
置から照射された放射線のうち、被検者の体内等で発生
した散乱放射線がプレッサへ入射するのを極力除去し
て、散乱放射線を起因とするコントラストの低下を減少
するので、良好な放射線画像が得られるようになる。
【0015】請求項5の発明では、請求項1〜4のいず
れかの発明において、プレッサの裏板に鉛シートを付設
する。鉛シートは、裏板の内側とクッション材との間に
設けられ、このようにプレッサに鉛シートを付設するこ
とにより、別途のカセッテキャリアを省略でき、持ち運
び時の部品点数と放射線撮影時の作業手数の削減が図れ
る。
【0016】また請求項6の発明として、請求項1〜5
のいずれかの発明のプレッサに用いる遮光性収容体は、
シート状画像記録媒体を収容する袋体と、該袋体の折り
返し部に一体に連続する遮光カバーとを備えた遮光袋で
あって、該遮光カバーは、長片と短片とからなり、該短
片を内側にして前記折り返し部より袋体へ折り返しされ
るものとする。本発明では、遮光性収容体を、単純構造
でコスト的にも安い袋状としながら、長・短片の遮光カ
バーによって遮光袋に高い遮光性能を持たせる。
【0017】請求項7の発明では、請求項6の発明の袋
体が、遮光カバーに覆われる側の袋片の折り返し部近傍
に、袋体内の空気を排出するための空気抜き孔が設けら
れている。本発明によれば、遮光袋の遮光性能を良好に
保ちながら、袋体内の空気を空気抜き孔から良好に排出
させる。
【0018】請求項8の発明では、請求項6または7の
発明の遮光性収容体に、放射線エネルギーを可視光に変
換する増感機能を併せ持たせる。放射線エネルギーを増
幅するために、遮光性収容体の内面に螢光体シートを重
合したり、同じく遮光性収容体の内面に螢光体塗料を塗
布する手段があり、特に、電源電圧が一般家庭等の10
0V程度で、放射線エネルギーが小さいポータブル型の
放射線撮影装置の場合に効果的である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態例を、図面
に基づいて説明する。
【0020】放射線用カセッテ1は、放射線写真フィル
ムや蓄積性螢光体シート等のシート状画像記録媒体2を
収容する遮光性の収容体3と、シート状画像記録媒体2
を収容した遮光性収容体3を、薄手な平板の表板4と裏
板5との間に挟持するプレッサ6とで構成されるポータ
ブル型で、本形態例では、放射線画像の撮影に当って、
二つ折りの増感シート7と、散乱放射線除去用のグリッ
ドや放射線吸収用の鉛シート,グリップ等を組合わせた
公知のカセットキャリア(いずれも図示しない)を併用
している。
【0021】遮光性収容体3は、増感シート7を介して
シート状画像記録媒体2を収容する袋体3aと、該袋体
3aの折り返し部3cに一体に連続する遮光カバー3b
とからなる遮光袋であって、黒色や暗色等の遮光性のあ
る紙または軟質合成樹脂シート,不織布等によって形成
されている。袋体3aは、2枚の袋片3d,3eの折り
返し部3cを除く三方を綴じ合わせて、折り返し部3c
までの間に、シート状画像記録媒体2を挟んだ増感シー
ト7を収容できる大きさに形成されており、袋体3aの
一方の袋片3dと他方の袋片3eから折り返し部3cの
外側へ一体に延びる長片3fと短片3gとを、上述の遮
光カバー3bとなしている。
【0022】遮光カバー3bは、短片3gを内側にし
て、折り返し部3cから袋体3aの他方の袋片3eへ折
り返しされ、袋体3aから短片3gを延長して、該短片
3gの開口部3hと袋体3aとの間の折り返し部3cで
折り返すことによって、袋体3aの遮光性をより高める
ようにしている。遮光カバー3bの長片3fは、先端が
円弧状に形成され、該長片3fの先端側内面と、袋体3
aの他方の袋片3eの先端側内面に固着した面ファスナ
8a,8bを接合することにより、袋体3aに遮光カバ
ー3bが閉じ合わせされる。
【0023】遮光カバー3bを閉じ合わせした遮光性収
容体3は、一側方が袋体3aの袋片3d一枚であるのに
対し、他側方が袋体3aの袋片3eと遮光カバー3bの
長・短片3f,3gの三枚重ねであることから、三枚重
ね側が放射線の入射側、即ちプレッサ6の表板4側に位
置すると、シート状画像記録媒体2へ入る放射線の減衰
を招く。
【0024】このため、本形態例は、袋体3aの一方の
袋片3dの略中央に、放射線撮影時の放射線撮影側面を
示す十字記号と「チューブサイド」の文字との指標9を
表記して、指標9を付した袋体3aの一方の袋片3d側
をプレッサ6の表板4側に向けながら、遮光性収容体3
をプレッサ6に収容することにより、放射線の減衰を極
力回避するようにしている。また、袋体3aの一方の袋
片3dには、複数の空気抜き孔10が折り返し部3cに
沿って穿設され、該空気抜き孔10から袋体3a内の空
気を良好に排出できるようにしている。
【0025】前記プレッサ6は、表板4と裏板5の一側
部全長がヒンジ11にて開閉可能に連結され、該ヒンジ
11と対向する表板4と裏板5の他側部に、二股状のク
リップを用いた一対の係止手段12,12が枢支されて
いる。平板状の表板4と裏板5は、それぞれヒンジ11
側の一側部を除く他側部と、これらに直交する幅方向両
側部の三方に、エッジ4a,5が起立しており、両
4,5の他側部のエッジ4a,5aを係止手段12,1
2の二股片で挟むことによって、閉じ合わせ状態を保持
するようにしている。
【0026】そして、表板4と裏板5とを上述の如く閉
じ合わせした際には、両板4,5の三方のエッジ4a,
5aが内外に嵌合して、該エッジ4a,5aの内側に、
シート状画像記録媒体2を収容するための収容空間部1
3が画成される。
【0027】表板4と裏板5の双方には、一側部から他
側部に亙って、互いに他方の板から遠ざかるように、円
弧状の反りが設けられており、表板4と裏板5とを閉じ
合わせする際に、両板4,5が一側部側から互いに反り
を補正しながら平らに重ね合わせされて行き、これに従
って遮光性収容体3内の空気を排出して、シート状画像
記録媒体2の両側に空気溜りが生じないようにしてい
る。
【0028】表板4と裏板5には、このような反りを設
けるために、若干の弾性力を持つ材料が用いられる。さ
らに、表板4と裏板5とにエッジ4a,5aを設けた本
形態例では、両板4,5の一側部及び他側部に直交する
方向両側部のエッジ4a,5aに、上述の反り形状を
保持させることもできる。
【0029】表板4の外面略中央には、放射線撮影側面
を示す指標14が、上述の遮光性収容体3と同様に表記
されており、同じく表板4の内面他側部には、強度メン
バー15が付設されている。また、この強度メンバー1
5は、表板4の幅方向の剛性力を高めると共に、収容空
間部13にシート状画像記録媒体2を収容する際の位置
決めとなって、シート状画像記録媒体2がヒンジ11と
重ならないようにしている。尚、遮光性収容体3の袋体
3aとプレッサ6の表板4の指標9,14は、他の記号
や文字に代えることもできる。
【0030】裏板5の内面には、シート状画像記録媒体
2を抑えるためのクッション材16が貼着されている。
このクッション材16には、収容空間部側の表地16a
と裏板側の裏地16bとに合繊マルチフィラメントの薄
地を用い、これらの間に、中間材16cとして、クッシ
ョン性に優れた合繊モノフィラメントを比較的スペース
を採って編み込んだ3層構造のものが用いられており、
高分子ポリマーを発泡させた従来のクッション材に較べ
ると、クッション性と耐衝撃性,耐弾力回復性,通気並
びに通水性に優れ、さらに座屈やヘタリが生じにくいと
いう特性を併せ持つ。特に、放射線用カセッテのクッシ
ョン材としては、中間材16cとして用いる合繊モノフ
ィラメントがクッション性に富んでおり、従来のクッシ
ョン材より薄くても、シート状画像記録媒体2の押圧に
必要なクッションが得られるので、プレッサ6を薄く軽
量なものとするとこができる。
【0031】表板4と裏板5の材料としては、軽量で若
干の弾性力があり、且つ安価な金属製や合成樹脂製の薄
板を用いることができるが、放射線吸収率の観点から
は、炭素繊維強化樹脂やアルミニウム合金,マグネシウ
ム合金を用いることが好ましい。特に、炭素繊維強化樹
脂の放射線吸収率は、アルミニウム合金の凡そ1/10
と低く優れており、炭素繊維強化樹脂を放射線照射側の
表板4に適用することにより、放射線撮影装置から照射
した放射線の減衰を極力抑えて透過させるので、収容空
間部13内のシート状画像記録媒体2に良好な放射線画
像が得られるようになる。
【0032】但し、炭素繊維強化樹脂やアルミニウム合
金,マグネシウム合金には、あまり弾性力がないので、
これらを表板4に適用する場合には、シート状画像記録
媒体2の圧着性を高めるために、裏板5に弾性力のある
材料を用いて、該裏板5に上述の反りを持たせることが
好ましい。
【0033】放射線入射側の表板4には、さらにグリッ
ド機能を併せ持たせるとよい。このように、表板4自体
にグリッド機能を持たせると、表板4の厚みを増すこと
がなく、被検者の体内等で発生した散乱放射線がプレッ
サ6へ入射するのを極力除去して、散乱放射線を起因と
するコントラストの低下を減少するので、良好な放射線
画像が得られるようになる。
【0034】前記増感シート7には、螢光体シートやそ
れ自体に蓄光性を持たせた合成樹脂シート、或いは合成
樹脂シートの表面に蓄光性ある螢光塗料を塗布したもの
が用いられ、この増感シート7によって、折り片の間に
挟んだシート状画像記録媒体2へ当てられる放射線撮影
装置からの放射線エネルギーを可視光に変換して、より
良好な放射線画像が得られるようにしている。
【0035】次に、上述のように構成される本形態例の
使用例を説明する。
【0036】本形態例の放射線用カセッテ1を用いて、
放射線撮影を行なうに当たり、まず未露光のシート状画
像記録媒体2を増感シート7の折り片の間に挟み込む。
そして、シート状画像記録媒体2を挟んだ増感シート7
を、遮光性収容体3の開口部3hに折り返し側から差し
入れて、増感シート7を袋体3aに収容したのち、遮光
カバー3bを折り返して袋体3aに重ね合わせ、面ファ
スナ8a,8bを接合して、袋体3aと遮光カバー3b
とを閉じ合わせする。
【0037】次に、シート状画像記録媒体2と増感シー
ト7とを収容した遮光性収容体3を、指標9を付した一
方の袋片3d側をプレッサ6の表板4側に向け、さらに
空気抜き孔10側を表板4と裏板5の他側部側に向けな
がら、プレッサ6の収容空間部13に収容したのち、プ
レッサ6の表板4と裏板5とを閉じ合わせる。
【0038】表板4と裏板5には、前述の如く離反方向
の反りが設けられているため、両板4,5の閉じ合わせ
により、表板4と裏板5とが一側部側(ヒンジ11側)
から互いに反りを補正しながら平らに重ね合わせされて
行く。これに従って、遮光性収容体3の袋体3a内の空
気が折り返し部3c方向へ送られ、空気抜き孔10より
排出されて行き、両板4,5のエッジ4a,5aが内外
に嵌合した状態では、クッション材16の圧縮と相俟っ
て袋体3a内の空気が殆ど抜け、シート状画像記録媒体
2の両側に、撮影画像の妨げとなる空気溜りがなくな
る。
【0039】このようにしてシート状画像記録媒体2を
収容したプレッサ6は、指標14を付した表板4側を被
検者に向けながら、被検者の放射線撮影装置とは反対に
配置する。プレッサ6の放射線撮影装置と反対側には、
前述のカセッテキャリアを重ね合わせして撮影が行なわ
れ、撮影終了後には、撮影済みシート状画像記録媒体2
を遮光性収容体3に収容したたまま、遮光性収容体3を
プレッサ6から取り出す。
【0040】また、放射線撮影を続けて行なう場合に
は、撮影済みシート状画像記録媒体入り遮光性収容体3
を取り出したプレッサ6に、未露光のシート状画像記録
媒体2を収容した遮光性収容体3を収容して撮影に供さ
れる。
【0041】本形態例は以上のように、放射線用カセッ
テ1を遮光性収容体3とプレッサ6とに分離して、放射
線用カセッテの遮光機能と圧着機能とをそれぞれに分け
たので、シート状画像記録媒体2の遮光のみを担う遮光
性収容体3は、薄手で遮光性のある合成樹脂シートや不
織布等で形成することができる。また、シート状画像記
録媒体2の圧着のみを担うプレッサ6には、従来遮光を
目的に用いられていた枠体が不要となり、表板4と裏板
5とを薄板で形成できて、プレッサ6の重量と厚みを抑
えることができる。
【0042】このように、本形態例の放射線用カセッテ
1は、軽量で嵩張らないプレッサ6と薄手の遮光性収容
体3とで構成されるので、持ち運びが極めて容易で撮影
時の取り扱いにも優れたものとなる。したがって、放射
線撮影装置を設置した医療施設の放射線撮影室はもとよ
り、医療施設の病室や、医療施設へ出掛けることができ
ない被検者の居宅に、ポータブル型の放射線撮影装置を
持ち込んで、寝たきりの被検者に放射線撮影を行なう場
合にも、プレッサ6を被検者の体の下に容易に抜き差し
できて至便である。
【0043】また、多数の放射線撮影を行なう場合に
は、シート状画像記録媒体2を収容した遮光性収容体3
を撮影に必要な分用意しておき、撮影済みと未露光のシ
ート状画像記録媒体2が入った遮光性収容体3を、プレ
ッサ6に差し替えるけでよく、プレッサ6とカセッテキ
ャリアはそれぞれ1台づつ用意するだけでよいから、特
に、複数の被検者の居宅を巡る医療施設以外の放射線撮
影の場合には、搬送部品の点数を削減して持ち運びの負
担を軽減できるので、利便性が一層高いものとなる。ま
た、安価な遮光性収容体3と、プレッサ6並びにカセッ
テキャリアを1台づつ揃えればよいので、ランニングコ
ストが安く済む。さらに、遮光性収容体3とプレッサ6
とは、いずれも単純構造となるため、製作が容易で低コ
ストの製造が可能である。
【0044】さらに本形態例は、プレッサ6の表板4と
裏板5とに反りを持たせて、収容空間部13内のシート
状画像記録媒体2を、遮光性収容体3と増感シート7と
を介して、表板4とクッション材16との間に隙間なく
挟圧すると共に、遮光性収容体3の袋体3a内の空気
を、空気抜き孔10より排出するようにしたから、格別
な空気抜き操作をせずとも、袋体3a内の空気を容易に
排出するので、シート状画像記録媒体2の両面に空気が
残るいわゆるエアギャップが防止され、空気溜りがシー
ト状画像記録媒体2に画像として黒くボケて写ることが
なくなるので、良好な放射線画像が得られるようにな
る。
【0045】尚、上述の形態例では、プレッサの表板と
裏板とにエッジを設けて、エッジ内にシート状画像記録
媒体を収容する収容空間部を画成したが、本発明のプレ
ッサには、圧着機能のみあればよいから、表板と裏板と
をエッジのない薄板とすることができ、これによってプ
レッサをより薄く軽量なものとすることができる。
【0046】プレッサの裏板には、形態例のカセッテキ
ャリアに設けた鉛シートを一体に設けてもよい。このよ
うな構成により、別途のカセッテキャリアを省略でき、
持ち運び時の部品点数と放射線撮影時の作業手数の削減
が図れる。
【0047】プレッサの表板や裏板に設けられる反り
は、一側部から他側部までの間の一部に設けるだけであ
っても、遮光性収容体内の空気の排出が可能であり、反
り形状は曲線と直線とを組合わせることもできる。プレ
ッサの係止手段は、ノッチ等の他形状であってもよい。
【0048】遮光性収容体としては、形態例で示した遮
光カバー付きの袋状のものが、遮光性が高く好ましい
が、本発明は遮光性を持つ収容体であれば、これ以外の
形状であってもよい。例えば、シート状のものを面ファ
スナやビニールチャックで開閉して、シート状画像記録
媒体を出し入れする構成にしてもよい。
【0049】遮光性収容体には、増感機能を併せ持たせ
ることもできる。このための増感手段は、形態例で示し
た増感シートと同様の螢光体シートや蓄光性のある合成
樹脂シート、蓄光性ある螢光塗料であって、このような
増感シートを遮光性収容体の内側に貼り重ねたり、遮光
性収容体の内面に螢光塗料を塗布して用いる。遮光性収
容体に設ける空気抜き孔は、収容体内の空気を排出でき
ればよく、遮光性を維持する観点からは、ピンホールの
如き小孔であることが望ましい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、放射線用カセッテのプレッサは圧着機能のみを
担うだけとなり、従来用いられていた枠体が不要となる
ので、表板と裏板とを薄手の平板で形成できて、重量と
厚みを抑えたプレッサとすることができ、軽量で嵩張ら
ないプレッサとなるので、持ち運びが容易で撮影時の取
り扱いにも優れる。特に、被検者が寝たきりの場合に
は、シート状画像記録媒体を挟んだプレッサを、被検者
の体の下側に容易に抜き差しできて至便である。さら
に、表板と裏板のいずれか一方または双方に反りを持た
ことにより、シート状画像記録媒体の両面に空気が残る
いわゆるエアギャップが防止され、空気溜りがシート状
画像記録媒体に画像として黒くボケて写ることがなくな
るので、良好な放射線画像が得られるようになる。
【0051】また、本発明の放射線用カセッテを用いた
放射線撮影は、遮光性収容体に収容される未露光のシー
ト状画像記録媒体と撮影済みシート状画像記録媒体とを
プレッサに交換するだけでよく、多数の放射線撮影を行
なう場合には、シート状画像記録媒体を収容した遮光性
収容体を必要分用意しておくだけで、プレッサは1台だ
けで済むので、被検者の居宅を巡るなどして多数の放射
線撮影を行なう場合には、搬送部品の点数を削減して、
持ち運びの負担を軽減できるので、利便性が一層高いも
のとなる。さらに、安価な遮光性収容体と1台のプレッ
サを揃えればよいので、ランニングコストが安く済む。
また、プレッサと遮光性収容体とは、いずれも単純構造
となるため、製作が容易で低コストで製造できる。
【0052】また、請求項2の発明によれば、板の幅方
向両側部に設けたエッジが、板の反り形状を保持する。
【0053】請求項3の発明では、プレッサの表板を炭
素繊維強化樹脂で形成することにより、放射線撮影装置
から照射した放射線を極力減衰させずに、シート状画像
記録媒体へ無駄なく透過させるので、良好な放射線画像
が得られるようになる。特に、電源電圧が低く、良好な
放射線画像が得られにくいポータブル型の放射線撮影装
置との組合わせに効果的である。また、プレッサにグリ
ッド機能を併せ持たせた請求項4の発明では、放射線撮
影装置から照射された放射線のうち、被検者の体内等で
発生した散乱放射線がプレッサへ入射するのを極力除去
して、散乱放射線を起因とするコントラストの低下を減
少するので、良好な放射線画像が得られるようになる。
さらに、プレッサの裏板に鉛シートを付設した請求項5
の発明によれば、別途のカセッテキャリアを省略でき、
持ち運び時の部品点数と放射線撮影時の作業手数の削減
が図れる。
【0054】請求項6の発明によれば、遮光性収容体
を、単純構造でコスト的にも安い袋状としながら、長・
短片の遮光カバーによって、遮光袋に高い遮光性能を持
たせることができる。また、請求項7の発明によれば、
遮光袋の遮光性能を良好に保ちながら、袋体内の空気を
空気抜き孔から良好に排出することができる。
【0055】さらに、請求項8の発明では、遮光性収容
体が放射線エネルギーを可視光に変換する増感機能を併
せ持つので、特に電源電圧の低いポータブル型の放射線
撮影装置の場合に、良好な放射線画像が得られるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一形態例を示す放射線用カセッテの
遮光性収容体とプレッサの分解斜視図
【図2】 本発明の一形態例を示すシート状画像記録媒
体裏板を収容した放射線用カセッテの断面図
【図3】 本発明の一形態例を示すプレッサの斜視図
【図4】 本発明の一形態例を示す遮光性収容体の斜視
【符号の説明】
1…放射線用カセッテ 2…シート状画像記録媒体 3…シート状画像記録媒体2を収容する遮光性の収容体 3a…袋片3d,3eからなる袋体 3b…長片3fと短片3gとからなる遮光カバー 3c…折り返し部 3h…開口部 4…プレッサ6の表板 4a,5a…エッジ 5…プレッサ6の裏板 6…プレッサ 7…増感シート 9,14…指標 10…空気抜き孔 11…ヒンジ 12…係止手段 13…シート状画像記録媒体2を収容する収容空間部 16…クッション材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−308299(JP,A) 実開 昭63−128549(JP,U) 実開 平1−155045(JP,U) 実開 昭63−45551(JP,U) 登録実用新案3008518(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 42/02 - 42/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の表板と裏板との一側部をヒンジ
    にて開閉可能に連結すると共に該ヒンジと対向する他側
    部に両板を閉じ状態に保持する係止手段を備え、両板の
    間に放射線写真フィルムや蓄積性螢光体シート等のシー
    ト状画像記録媒体を収容する遮光性収容体を挟圧保持す
    放射線用カセッテのプレッサにおいて、前記表板と裏
    板のいずれか一方または双方の板を弾性材で形成し、該
    弾性材で形成した板の前記一側部から他側部までの間
    に、他方の板から遠ざかる反りを持たせると共に、前記
    裏板の内面に、前記遮光性収容体内のシート状画像記録
    媒体を表板へ押圧するクッション材を設けたことを特徴
    とするポータブル型放射線用カセッテのプレッサ
  2. 【請求項2】 前記反りを持たせた板の幅方向両側部
    に、反りを保持するためのエッジを設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のポータブル型放射線用カセッテ
    プレッサ
  3. 【請求項3】 前記表板は、炭素繊維強化樹脂で形成さ
    れることを特徴とする請求項1または2に記載のポータ
    ブル型放射線用カセッテのプレッサ
  4. 【請求項4】 前記表板に、散乱放射線の入射を除去す
    るグリッド機能を併せ持たせたことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のポータブル型放射線用カセッ
    のプレッサ
  5. 【請求項5】 前記裏板に、鉛シートを付設したことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポータブル
    型放射線用カセッテのプレッサ
  6. 【請求項6】 前記遮光性収容体は、前記シート状画像
    記録媒体を収容する袋体と、該袋体の折り返し部に一体
    に連続する遮光カバーとを備えた遮光袋であって、該遮
    光カバーは、長片と短片とからなり、該短片を内側にし
    て前記折り返し部より袋体へ折り返しされることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のプレッサに用い
    る遮光性収容体
  7. 【請求項7】 前記袋体は、前記遮光カバーに覆われる
    側の袋片の折り返し部近傍に、袋体内の空気を排出する
    ための空気抜き孔が設けられていることを特徴とする請
    求項6に記載のプレッサに用いる遮光性収容体
  8. 【請求項8】 前記遮光性収容体に、放射線エネルギー
    を可視光に変換する 増感機能を併せ持たせたことを特徴
    とする請求項6または7に記載のプレッサに用いる遮光
    性収容体
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