JPH10279784A - ガスバリア性ポリエステル容器及びその製造法 - Google Patents

ガスバリア性ポリエステル容器及びその製造法

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JPH10279784A
JPH10279784A JP10246197A JP10246197A JPH10279784A JP H10279784 A JPH10279784 A JP H10279784A JP 10246197 A JP10246197 A JP 10246197A JP 10246197 A JP10246197 A JP 10246197A JP H10279784 A JPH10279784 A JP H10279784A
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polyester
pet
melt
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acid
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JP10246197A
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Junichi Kono
順一 河野
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン
イソフタレート系ポリエステルとの溶融混合物からな
り、耐熱性及び耐衝撃性に優れたガスバリア性ポリエス
テル容器を提供する。 【解決手段】 極限粘度が0.65以上のポリエチレンテレ
フタレート(A)50〜95重量%と極限粘度が 0.6〜1.0
のポリエステル(B)〔イソフタル酸及びテレフタル酸
を主体とし、イソフタル酸が20〜100 モル%を占める酸
成分とエチレングリコール又はこれを主体とするグリコ
ール成分とからなるもの〕50〜5重量%との混合物を下
記の式〜を満足する条件で溶融混合して容器に成形
する。 260≦t≦300 、 0.5≦θ≦10、 1.5≦tθ/i
≦30 ここで、tは溶融混合温度(℃)、θは溶融滞留時間
(分)、iはポリエステル(B)の酸成分に占めるイソ
フタル酸成分の割合(モル%)を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレートとポリエチレンイソフタレート系ポリエステ
ルとの溶融混合物からなる耐熱性及び耐衝撃性に優れた
ガスバリア性ポリエステル容器及びその製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れ、また、
安価であり、各種飲料用、調味料や食用油用、医療用等
の容器として広く使用されている。
【0003】しかし、PETからなる容器は、ガスバリ
ア性が不十分であるという問題があった。ガスバリア性
の不十分さはPET本来の性質によるものであり、成形
加工条件の変更により解決することは困難であった。
【0004】ガスバリア性の改善されたポリエステル容
器として、ポリエチレンイソフタレート(PEI)とP
ETとの溶融混合物を用いたもの(特開昭59− 64658
号)が提案されている。
【0005】PEIとPETとを溶融混合する場合、混
練の度合、すなわち、溶融滞留時間等に応じてPEIの
PETへの分散とエステル交換反応とが同時に起こる。
そして、容器のガスバリア性はPEIの分散の度合が高
いほど良く、耐熱性はエステル交換反応の度合が低いほ
ど良く、また、耐衝撃性は分散の度合が高いほど良い
が、エステル交換反応の度合が高すぎても低すぎても低
下する。
【0006】従来、PEIとPETとの分散度合やエス
テル交換反応の度合については特に考慮されておらず、
溶融混合や成形の条件、生産速度、容器の形状、肉厚等
によってこれらの度合が異なり、品質が安定しないとい
う問題があった。すなわち、溶融滞留時間が短すぎると
PEIがPETに十分に分散しないし、逆に溶融滞留時
間が長すぎるとPEIのPETへの分散は十分になるも
のの、PEIとPETとのエステル交換反応が起こりす
ぎ、耐熱性及び耐衝撃性が共に低下するという問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消し、PETとPEI系ポリエステルとの溶融混合
物からなる耐熱性及び耐衝撃性に優れたガスバリア性ポ
リエステル容器及びその製造法を提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、PETとPEI系
ポリエステルとを特定の条件で溶融混合(成形)して、
得られる溶融混合物のブロック共重合の度合を制御する
ことにより、この目的が達成されることを見出し、本発
明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。 1.極限粘度が0.65以上のPET(A)50〜95重量%と
極限粘度が 0.6〜1.0 のポリエステル(B)50〜5重量
%との溶融混合物からなる容器であって、ポリエステル
(B)が、イソフタル酸及びテレフタル酸を主体とし、
イソフタル酸が20〜100 モル%を占める酸成分とエチレ
ングリコール又はこれを主体とするグリコール成分とか
らなるものであり、溶融混合物の次式で表される共重合
連鎖指数Rが5〜500 であることを特徴とするガスバリ
ア性ポリエステル容器。 R=4×P(T-E-T)×P(I-E-I)/P(T-E-I)2 ここで、Tはテレフタル酸残基、Eはエチレングリコー
ル残基、Iはイソフタル酸残基であり、P(T-E-T) は T
-E-Tからなる共重合連鎖ユニットのモル分率、P(T-E-
I) は T-E-Iからなる共重合連鎖ユニットのモル分率、
P(I-E-I) は I-E-Iからなる共重合連鎖ユニットのモル
分率を示す。 2.PET(A)50〜95重量%とポリエステル(B)50
〜5重量%との混合物を下記の式〜を満足する条件
で溶融混合して容器に成形することを特徴とするガスバ
リア性ポリエステル容器の製造法。 260≦t≦300 0.5≦θ≦10 1.5≦tθ/i≦30 ここで、tは溶融混合温度(℃)、θは溶融滞留時間
(分)、iはポリエステルBの酸成分に占めるイソフタ
ル酸成分の割合(モル%)を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の容器は、PET(A)とPEI系
ポリエステル(B)との溶融混合物からなっている。
【0012】本発明において、PET(A)は、容器の
主体となって強度を高める役割を担うものであり、極限
粘度が0.65以上のものであることが必要である。そし
て、PET(A)としては、通常、容器(ボトル)用と
して使用されているものを使用することができる。すな
わち、溶融重合により得られた極限粘度 0.5〜0.7 程度
のPETを固相重合(又は固相熱処理)して、アルデヒ
ド類やオリゴマーの含有量を低減したものが好ましく用
いられる。
【0013】一方、ポリエステル(B)は、ガスバリア
性を向上させる作用をするものであり、イソフタル酸
(IPA)及びテレフタル酸(TPA)を主体とし、I
PAが20〜100 モル%を占める酸成分とエチレングリコ
ール(EG)又はこれを主体とするグリコール成分とか
らなるものが使用される。
【0014】ポリエステル(B)におけるIPA成分の
割合が酸成分の20モル%未満であると、ポリエステル
(B)を多量に用いることが必要となり、容器の強度が
低下する。ポリエステル(B)におけるIPA成分の割
合は、好ましくは酸成分の30〜95モル%、最適には50〜
90モル%とするのが適当である。
【0015】ポリエステル(B)において、エチレング
リコールと併用することのできる好ましいグリコールと
しては、1,3−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリ
コール、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、及び2,2−ビス(4′−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
エーテル、ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)ス
ルホキシド等のビスフェノール類のエチレンオキサイド
付加体が挙げられる。
【0016】また、ポリエステル(B)は、極限粘度が
0.6〜1.0 、好ましく 0.7〜0.9 のものであることが必
要である。極限粘度が 0.6未満のもでは、容器の強度を
低下させることがあり、また、極限粘度が 1.0を超える
ものでは、エチレンイソフタレート単位の環状2量体
(DEI)の含有量が多くなり、好ましくない。
【0017】ポリエステル(B)は、結晶化速度がPE
Tに比べて遅いか、あるいは非晶性になりやすいため、
単独で用いると実用に供し得る耐熱性や強度を有する容
器とならず、また、成形時に均一に延伸することが困難
である。しかるに、PET(A)とポリエステル(B)
とを特定の割合で配合し、特定の条件で溶融混合し、溶
融混合物のブロック共重合の度合を適切に制御すると、
これらの問題が解消すると同時に、ガスバリア性が良好
となるのである。
【0018】すなわち、本発明においては、PET
(A)とポリエステル(B)とを前者が50〜95重量%、
後者が50〜5重量%の割合で用いて溶融混合し、溶融混
合物の共重合連鎖指数Rが5〜500 となるようにする。
【0019】ポリエステル(B)の割合が50重量%を超
えると、成形時に均一に延伸できず、実用に供すること
のできる強度を有する容器を得ることが困難であり、一
方、この割合が5重量%未満であると、十分なガスバリ
ア性を有する容器を得ることができない。好ましくは、
ポリエステル(B)の割合を40〜10重量%とするのが適
当である。
【0020】容器の耐熱性及び耐衝撃性の程度は、溶融
混合物中のIPA成分の割合と共重合連鎖指数Rによっ
て左右され、PET(A)とポリエステル(B)とを上
記のような割合で用い、溶融混合物の共重合連鎖指数R
が5〜500 の範囲になるようにすることによって、耐熱
性及び耐衝撃性が良好となるのである。また、このよう
な溶融混合物は、ポリエステル(B)のPET(A)へ
の分散が良好で、優れたガスバリア性を示す。
【0021】共重合連鎖指数Rが5未満であると、ラン
ダム共重合性が高く、耐熱性、耐衝撃性共に低下し、一
方、Rが 500を超えると、エステル交換反応が十分でな
く、耐衝撃性が低下する。Rが好ましくは10〜450 、よ
り好ましくは15〜400 となるようにするのが望ましい。
【0022】溶融混合物の連鎖分布は、 1H−NMRを
用いて測定することができる。すなわち、常磁性シフト
試薬:トリス(ジピバロイルメタナト)ユーロピウム
(III)〔Eu(DPM)3〕を適当量サンプルに混合して、 1
−NMRを測定すると、EGのメチレンプロトンのピー
クが T-E-T、 T-E-I、 I-E-Iの3種類に分離できる。そ
れぞれの積分強度比からP(T-E-T)、P(I-E-I)及びP(T
-E-I) を求めることができる。
【0023】なお、PETとPEIとの完全ランダム共
重合体では、TPAのモル分率をPT、IPAのモル分
率をPIとすると、ベルヌーイ統計から、P(T-E-T)=P
T 2、P(T-E-I)=2PT・PI、P(I-E-I)=PI 2となり、
R=1となる。Rは0≦R<1の範囲ではRが0に近づ
くほど交互共重合性が高く、R>1の範囲ではRが大き
いほどブロック共重合性が高いと見なすことができ、こ
のRの値から、共重合連鎖分布を評価することができる
〔Isao Ando et al., Polymer J.,3,3,394 (1972) 〕。
ここで、交互共重合とは、エチレンテレフタレート単位
とエチレンイソフタレート単位とが完全に交互に共重合
されたものをいい、ブロック共重合とは、エチレンテレ
フタレート単位又はエチレンイソフタレート単位の各々
の連鎖体が混ざっているか又は各々の連鎖体の末端が結
合したものであることを意味する。すなわち、エチレン
テレフタレート単位とエチレンイソフタレート単位との
結合の数が多いほど交互共重合性が高く、少ないほどブ
ロック共重合性が高く、その中間にランダム共重合があ
ることを意味する。
【0024】上記のような共重合連鎖指数Rを有する溶
融混合物からなる容器を得るには、PET(A)とポリ
エステル(B)とを前記の式〜を満足する条件で溶
融混合して成形すればよい。
【0025】PET(A)とポリエステル(B)とは、
容器の成形時に押出機、射出成形機等の成形機で直接溶
融混合してもよいし、両者を一旦溶融混練してチップ化
したものを成形機に供給してさらに溶融混合してもよ
い。そして、後者の場合は、溶融混練と成形機での溶融
混合とを合わせて溶融混合という。
【0026】混練機又は成形機としては、単軸スクリュ
ー式又は同方向もしくは異方向回転の二軸スクリュー式
のものが好ましく使用され、スクリューの形状や寸法等
は任意でよい。回転数、吐出量は、溶融滞留時間が所定
の範囲に入るように、プレフォームの冷却時間等を含む
成形サイクルの時間、混練機や成形機の容量等に応じて
適宜調節すればよい。
【0027】溶融混合の温度tは、 260〜300 ℃、好ま
しくは 270〜290 ℃とすることが必要である。溶融温度
が 260℃未満であると、ポリエステルチップが十分に溶
融しないため、きれいなプレフォームが得られず、一
方、溶融温度が 300℃を超えると、ポリエステルの熱分
解等により、DEIやエチレンテレフタレートの環状三
量体等のオリゴマーが発生して金型等が汚染し、ひいて
は容器を汚染するため、成形作業を頻繁に中断して金型
等を洗浄する必要があり、生産性が低下して好ましくな
い。
【0028】また、溶融滞留時間θは、 0.5〜10分、好
ましくは1〜7分、より好ましくは2〜5分とすること
が必要である。溶融滞留時間が 0.5分未満であると、ポ
リエステル(B)のPET(A)中への分散が十分でな
く、容器のガスバリア性、耐衝撃性が共に低下する。一
方、溶融滞留時間が10分を超えると、PET(A)とポ
リエステル(B)とのエステル交換反応が起こりすぎて
ランダム共重合の度合が高くなるため、容器の耐熱性及
び耐衝撃性が低下する。
【0029】さらに、ポリエステルBの酸成分に占める
イソフタル酸成分の割合iに応じて、溶融混合温度t及
び溶融滞留時間θを式を満足するように選定すること
が必要である。tθ/iの値が 1.5未満であると、PE
T(A)とポリエステル(B)とのエステル交換反応が
十分でなく、容器の耐衝撃性が低下する。一方、この値
が30を超えると、PET(A)とポリエステル(B)と
のエステル交換反応が起こりすぎてランダム共重合性が
高くなるため、耐熱性性、耐衝撃性共に低下する。tθ
/iの値が、好ましくは2〜25、最適には3〜20となる
ようにするのが望ましい。
【0030】なお、溶融混合に際し、必要に応じて、滑
剤、着色剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、消
泡剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができ
る。
【0031】容器の製造は、射出成形又は押出成形によ
りプレフォームを成形し、必要に応じて、口栓部及び底
部の加工をした後、このプレフォームを再加熱して二軸
延伸するホットパリソン法あるいはコールドパリソン法
等を適用して行うことができる。
【0032】この際、射出成形あるいは押出成形時の成
形温度、具体的には、成形機のシリンダー各部及びノズ
ルの温度は、通常、 270〜300 ℃の範囲とする。また、
延伸温度は、70〜120 ℃、好ましくは80〜110 ℃とし、
延伸倍率は、縦方向に 1.5〜3.5 倍、円周方向に2〜5
倍の範囲とするのが適当である。
【0033】得られた容器はそのままで使用することも
できるが、特に熱充填を必要とする果汁飲料を充填する
容器の場合には、一般に、成形に用いたものと同じブロ
ー金型内又は別途設けた金型内でヒートセットし、耐熱
性を向上させて使用する。このヒートセットは、圧縮空
気、機械的伸張等による緊張下、 100〜200 ℃、好まし
くは 120〜180 ℃で、2秒〜2時間、好ましくは10秒〜
30分間行われる。
【0034】なお、本発明の容器には、強度を改良する
ために、PETを内層及び/又は外層に積層することが
できる。
【0035】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、ポリエステルの特性値等の測定、評価法は
次のとおりである。 (a) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20.0℃で測定した。 (b) IPA及びグリコール成分の共重合割合 ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノー
ルと重水素化クロロホルムとの容量比1/25の混合溶媒
に溶解し、日本電子社製LA-400型NMR装置で1H−N
MRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロ
トンのピークの積分強度から、共重合割合を求めた。 (c) ガスバリア性(炭酸ガス透過係数)〔単位:ml・mm/
m2・ day・atm 〕 ボトルの切片について、ジーエルサイエンス社製 GPM−
250 型測定器を用いて、二酸化炭素の透過した体積から
求めた。この値は低いほど良く、8.0 未満であれば合格
である。 (d) ボトルの異物 ボトルの表面を目視で観察して、白色の異物の有無を調
べた。 ○:異物なし、 ×:異物あり (e) ボトルの耐熱性 ボトルに70℃の熱水を充填し、30分間放置したときの体
積変化の有無を目視で調べた。 ○:体積変化なし、 ×:体積変化あり (f) ボトルの強度 ボトルをその底部を下にして、温度5℃で、高さ3mの
位置からコンクリート板上に落下させ、ボトルに亀裂、
へこみの発生の有無を調べた。 ○:亀裂、へこみの発生なし、 ×:亀裂、へこみの発
生あり (g) 共重合性連鎖指数R ボトルの切片を常磁性シフト試薬:Eu(DPM)3の存在下、
重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化ク
ロロホルムとの容量比1/34の混合溶媒に溶解し、日本
電子社製LA-400型NMR装置で 1H−NMRを測定し、
得られたチャートのEG部位のメチレンプロトンのピー
クの積分強度から、共重合連鎖指数Rを求めた。
【0036】実施例1 ビス (β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその
低重合体(PETオリゴマー)の存在するエステル化反
応缶に、TPAとEGとのモル比1/1.6 のスラリーを
連続的に供給し、温度 250℃、圧力 500Paの条件で反応
させ、滞留時間を8時間としてエステル化反応率95%の
PETオリゴマーを連続的に得た。別のエステル化反応
缶に、IPA33.2kg及びEG24.8Kg(モル比1/2)か
らなるスラリーを仕込み、温度 200℃、大気圧下で約3
時間エステル化反応を行い、エステル化反応率95%のP
EIオリゴマーを得た。PETオリゴマー10kgとPEI
オリゴマー40kgとを重縮合反応缶に仕込み、全酸成分1
モルに対し三酸化アンチモンを4×10-4モル加え、減圧
にして、最終的に66.7Pa、 280℃で3時間重縮合を行
い、コポリエステル〔ポリエステル(B)〕を得た。得
られたポリエステル(B)は、極限粘度が0.85、IPA
の共重合割合iが79.2モル%であった。一方、PETオ
リゴマー60kgを重縮合反応器に仕込み、TPA成分1モ
ルに対し三酸化アンチモンを3×10-4モル加え、重縮合
反応器中を減圧にして、最終的に66.7Pa、 280℃で、2
重縮合を行い、極限粘度0.65のPETを得た。この
PETを、回転式固相重合装置に仕込み、70℃で2時間
予備乾燥し、続いて 130℃で4時間乾燥させた後、温度
220℃、圧力66.7Paで18時間固相重合を行い、極限粘度
0.75のPET(A)を得た。ポリエステル(B)10kg
(20重量部)とPET(A)40kg(80重量部)とを用
い、シリンダー各部及びノズルの温度 280℃、スクリュ
ー回転数100rpm、射出時間8秒、冷却時間22秒、金型温
度20℃に設定した射出成形機(日精エーエスビー製ASB-
50HT型)でプレフォームを成形した(溶融滞留時間は1
分)。次いで、このプレフォームを 110℃の雰囲気下、
ブロー圧力2MPa で延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚 2
50μm 、内容積1Lのボトルとし、引き続いて 160℃に
設定した金型内で圧縮緊張下、10秒間ヒートセットして
ボトルを得た。得られたボトルの評価結果等を表1に示
す。
【0037】実施例2〜8 ポリエステル(B)のIPAの共重合割合i、EG以外
のグリコール成分の種類とその共重合割合、ポリエステ
ル(B)とPET(A)との混合割合、極限粘度、溶融
混合温度t、溶融滞留時間θを表1に示すように変え、
実施例1に準じた方法でボトルを作製した。得られたボ
トルの評価結果等を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、BHBは1,3−ビス(β−ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、NPGはネオペンチルグリコー
ル、BAEOは2,2−ビス(4′−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパン、CHDMは1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、DEGはジエチレングリコールを表す。
【0040】比較例1〜11 ポリエステル(B)の種類、ポリエステル(B)とPE
T(A)の混合割合、溶融混合(成形)条件を表2に示
すように変え、実施例1に準じた方法でボトルを作製し
た。得られたボトルの評価結果等を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】比較例1では、ポリエステル(B)のIP
Aの共重合割合iが少なすぎるため、ボトルのガスバリ
ア性が低かった。比較例2では、ポリエステル(B)の
EGの共重合割合が少なすぎるため、溶融重合で十分に
極限粘度が上がらず、ボトルの強度が小さいと共に、ガ
スバリア性が低かった。比較例3では、ポリエステル
(B)の混合量が多すぎるため、ボトルの強度が低かっ
た。比較例4では、溶融混合温度tが高すぎるため、成
形時に多量のオリゴマーが発生し、ボトルに異物として
混入した。比較例5では、溶融滞留時間θが短すぎ、ポ
リエステル(B)のPET(A)への分散が不十分であ
ると共に、エステル交換反応も不十分であるため、ボト
ルのガスバリア性が低く、強度が小さかった。比較例6
では、溶融滞留時間θが長すぎたため、エステル交換反
応が起こりすぎてブロック共重合性が低下し、ボトルの
ガスバリア性が低いと共に、耐熱性、強度とも劣ってい
た。比較例7では、ポリエステル(B)の混合量が少な
すぎるため、ボトルのガスバリア性が低かった。比較例
8では、ポリエステル(B)の極限粘度を大きくしすぎ
たため、溶融重合時に多量のDEIが生成してチップに
付着したため、成形したボトルにも、それが異物となっ
て混入した。比較例9では、PET(A)の極限粘度が
小さすぎたため、ボトルの強度が低かった。比較例10で
は、溶融混合の条件が適切でなく、θt/iの値が大き
く、ブロック共重合性が低下したと共に、エステル交換
反応が起こりすぎ、ボトルのガスバリア性が低く、耐熱
性、強度とも劣っていた。比較例11では、溶融混合の条
件が適切でなく、θt/iの値が小さく、ブロック共重
合性が高いと共に、エステル交換反応が不十分なため、
ボトルの強度が低かった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、PETとPEI系ポリ
エステルとの溶融混合物からなり、耐熱性及び耐衝撃性
に優れたガスバリア性ポリエステル容器を安定して製造
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度が0.65以上のポリエチレンテレ
    フタレート(A)50〜95重量%と極限粘度が 0.6〜1.0
    のポリエステル(B)50〜5重量%との溶融混合物から
    なる容器であって、ポリエステル(B)が、イソフタル
    酸及びテレフタル酸を主体とし、イソフタル酸が20〜10
    0 モル%を占める酸成分とエチレングリコール又はこれ
    を主体とするグリコール成分とからなるものであり、溶
    融混合物の次式で表される共重合連鎖指数Rが5〜500
    であることを特徴とするガスバリア性ポリエステル容
    器。 R=4×P(T-E-T)×P(I-E-I)/P(T-E-I)2 ここで、Tはテレフタル酸残基、Eはエチレングリコー
    ル残基、Iはイソフタル酸残基であり、P(T-E-T) は T
    -E-Tからなる共重合連鎖ユニットのモル分率、P(T-E-
    I) は T-E-Iからなる共重合連鎖ユニットのモル分率、
    P(I-E-I) は I-E-Iからなる共重合連鎖ユニットのモル
    分率を示す。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレート(A)50〜
    95重量%とポリエステル(B)50〜5重量%との混合物
    を下記の式〜を満足する条件で溶融混合して容器に
    成形することを特徴とするガスバリア性ポリエステル容
    器の製造法。 260≦t≦300 0.5≦θ≦10 1.5≦tθ/i≦30 ここで、tは溶融混合温度(℃)、θは溶融滞留時間
    (分)、iはポリエステル(B)の酸成分に占めるイソ
    フタル酸成分の割合(モル%)を示す。
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