JPH10273708A - 高炉炉底状況の推定方法 - Google Patents

高炉炉底状況の推定方法

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JPH10273708A
JPH10273708A JP7711097A JP7711097A JPH10273708A JP H10273708 A JPH10273708 A JP H10273708A JP 7711097 A JP7711097 A JP 7711097A JP 7711097 A JP7711097 A JP 7711097A JP H10273708 A JPH10273708 A JP H10273708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高炉炉底の耐火物の残存厚さと内容物の層の厚
さの正確な推定。 【解決手段】高炉炉底の耐火物の残存厚さ及び耐火物内
面に付着する内容物凝固層の残存厚さを、炉底温度の実
測値を用いて伝熱計算によって推定する方法において、
炉底構造をa)健全な耐火物の層、b)健全な耐火物以
外の耐火物の層、c)凝固した銑鉄の層、d)固体と液
体の共存している銑鉄の層、e)流れの速度がゼロの溶
融銑鉄の層でモデル化し、各々の層に厚さと物性値を付
与して、経過時間に依存する非定常の伝熱解析を実施
し、実測値の炉底温度と計算値の炉底温度の差を評価関
数として求まる前記各層の厚さを炉底状況の最終状態と
する高炉炉底状況の推定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鉱炉(以下、高
炉という)の炉底内部の状況推定方法に関し、特に、高
炉の操業管理ならびに炉底耐火物寿命診断のため、炉底
耐火物の浸食状況,及び炉底耐火物内面に付着している
内容物の形成の状況を把握する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的な高炉の炉底の状況を、図1に模
式的に示す。高炉における耐火物の浸食後(浸食部分
4)の健全部2の残存厚さならびに耐火物内面に付着す
る内容物の凝固層3の厚さを、図1に示すように炉底耐
火物内に設置された温度センサー9、9a、9b、9c
などにより測定された実測値を用いた伝熱計算によって
推定する従来方法は、具体的には次のようなものであ
る。すなわち、耐火物内に設置された温度センサーによ
る実測値のうち最高温度への到達値と鉄皮1の表面5の
温度あるいは鉄皮表面における伝熱条件から、炉底耐火
物の浸食形状6(通常はこの部分の温度は溶銑の凝固点
温度である1150°Cである)を一次元的に決定し、
残存厚さを求めるものである。
【0003】しかし、このような従来の推定方法は、一
次元的であるため、実際の炉底の解体調査時に見られる
炉底耐火物の浸食形状が曲線状の複雑な形状である事実
と推定形状が合わないことが多く、炉底耐火物の健全部
2の残存厚さの推定精度に問題があった。
【0004】これを解決する方法として、炉底耐火物浸
食形状を連続ラインと仮定し、二次元的に差分法や有限
要素法を用いて逐次的に求め、実測温度を再現する浸食
形状を決定し、炉底耐火物の残存厚さを推定することが
行われている。例えば、特公昭57−51445号公報
に開示された発明では、実測値の温度と計算値である推
定基準温度の差を用いて、先に仮定した耐火物の浸食形
状を補正することにより、実際の浸食形状を求めてい
る。
【0005】また、特公昭61−37328号公報に開
示された発明では、境界要素法と数理計画法を組み合わ
せて、炉底耐火物の浸食形状や炉内内容物の凝固形状を
推定している。また、特開平7−278632号公報に
開示された発明では、有限要素法と最適化手法の一つで
ある遺伝的アルゴリズムを用いて、炉底耐火物と内容物
の分布状態を最適化することによって、炉底耐火物の浸
食形状や炉内内容物の凝固形状を推定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に述
べたように、炉底耐火物の浸食形状や炉底耐火物表面に
付着した炉内内容物の凝固層の形状の、従来技術による
推定方法には、以下のような問題がある。
【0007】(a)まず、従来技術による推定方法で
は、実測値の炉底温度の値は最高温度に達した値だけを
採用し、また伝熱計算においては、時間に依存しない定
数の状態としての計算であることが問題である。実際は
図2に示すように、炉底(図1の9a部)の実測温度は
時間に依存して変化しており、最も耐火物の残存厚を管
理したい時期である浸食が進んで耐火物の残存厚が薄く
なってきた場合には、実測値の温度の時間に依存する変
化がさらに大きくなり、しかも、図1に示す高炉の円筒
状の側面には熱伝導率の高い材質の耐火物を用いること
が多いことも影響して、従来技術による推定方法のよう
に定常の状態として計算した場合には、炉底耐火物の残
存厚さや耐火物表面に付着した炉内内容物の凝固層の厚
さの推定を誤ることになる。つまり、ある時刻での実際
の高炉半径方向の温度分布,耐火物の実際の厚さ,耐火
物の実際の内表面位置11が図3に示すような場合で
も、耐火物の外表面である0点、耐火物の内部のa点、
耐火物の内表面であるs’点の実際と同じ温度を用いて
定常計算で推定した場合は、その推定温度分布は図3の
破線のようになり、S’と同じ温度S”でありながらそ
の厚さの内表面位置は12のように実際の位置11と異
なる結果になる。
【0008】(b)また、従来技術による推定方法で
は、伝熱計算において、図1に示すように、炉底耐火物
の健全部分2の他には炉底耐火物表面に付着した炉内内
容物3が一種類存在するとして物性値を決め、その生成
と消滅は温度の大きさに応じて炉内内容物の表面7のラ
インを連続的に移動させる方法を採用しいてるが、これ
も問題である。図4に示すように、実際の高炉炉底の解
体調査から、前記炉内内容物3は2種類(3a,3b)
以上の材質のものから構成されていること、また実測値
の炉底温度は、図2に示すように、長時間に渡って安定
した状態から急激に上昇する場合があり、伝熱計算結果
と一致せず、結果として炉底耐火物の浸食形状6や炉底
耐火物表面に付着した炉内内容物3の凝固層の厚さの推
定を誤ることになる。
【0009】そこで、本発明は、炉底温度の実測値が時
間に依存して大きく変化する場合や炉内の内容物が生成
と消滅を起こす場合でも、耐火物の残存厚さと内容物の
層の厚さを推定することができる高炉炉底状況の推定方
法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、高炉炉
底の耐火物の損耗時期と残存厚さならびに耐火物内面に
付着する内容物凝固層の生成・消滅時期と残存厚さを、
高炉炉底に設置された温度センサーの実測値を用いて伝
熱計算によって推定する方法において、以下の手順を特
徴とする高炉炉底状況の推定方法である。
【0011】(A):高炉炉底構造の伝熱解析を行うた
め、炉底構造を以下のような5層、すなわち、(a)健
全な耐火物の層、(b)健全な耐火物以外の耐火物の
層、(c)凝固した銑鉄の層、(d)固体と液体の共存
している銑鉄の層、(e)流れの速度がゼロの溶融銑鉄
の層から構成されるモデルを作り、各々の層に厚さと物
性値を付与する; (B):炉底耐火物内に設置された複数の温度センサー
により測定された炉底耐火物の温度の時系列データを実
測値の炉底温度とする; (C):該モデルに、経過時間に依存する非定常の伝熱
解析を実施する; (D):解析結果の温度の大きさによって、(A)の各
層を、生成あるいは消滅させるが、その時、生成させる
限界温度と消滅させる限界温度は同一値または異なる値
とする; (E):(C)へ戻り、計算する所定の経過時間に達す
るまで(C)、(D)を繰り返して、計算値として得ら
れた温度分布のうち、(B)の実測値の炉底温度と同位
置でかつ所定の経過時間までの計算結果の時系列の温度
値を、計算値の炉底温度とする; (F):(B)による実測値の炉底温度と(E)による
計算値の炉底温度の極小値及び極大値、並びに温度上昇
率及び温度下降率、並びに温度上昇加速度及び温度下降
加速度を所定の期間内で比較する; (G):(A)へ戻り、(F)での実測値の炉底温度と
計算値の炉底温度との比較の差に従って、5種類の材質
の層の厚さを変えて再び(C)以下の手順を、(F)に
よる実測値の炉底温度と計算値の炉底温度の差が所定の
値以下になるまで繰り返す; (H):(G)においての繰り返し計算が終了した時の
(A)における5種類の(厚さゼロも含む)各層の厚さ
が求める炉底状況の最終状態とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明による高炉炉底状況の推定方法で
は、まず始めに、炉温度の実測データのうち、6時間以
上に渡り安定した温度データ、すなわち図2の時刻0か
ら時刻t0までのような温度データを用いて、図5に示
した炉底構造のモデルの炉底耐火物の健全部分17とそ
の炉内側表面に付着した内容物の各層13,14,1
5,16の厚さを定常計算によって求め、その結果を以
後の非定常計算の初期状態とする。
【0013】すなわち、図5のTaの位置の温度センサ
ー9で測定された図2の実測データと、予め容易に測る
ことができる図5の鉄皮の外面の温度T1を用いて、定
常状態として熱貫流量を求めて、図5に示した炉底構造
の伝熱計算のための多層のモデルの各物性値を与え、定
常の伝熱計算を行い、各層の厚さを決める。
【0014】次に、図2に示した炉底温度の実測データ
の時刻t0からt2までの例で示すような温度が上昇する
過程、すなわち、耐火物の炉内側表面に付着した内容物
あるいは健全な耐火物も含み消滅していく過程の温度デ
ータを用い、炉内側最内の内容物の層であるところの、
流れの速度がゼロの溶融銑鉄の層13の、炉内表面7の
熱伝達率あるいは炉内熱源の温度の上昇開始を初期条件
にし、前に求められている定常状態を初期状態にして、
時間に関しての逐次計算、すなわち時刻歴過渡応答非定
常伝熱解析を開始する。
【0015】引き続いて、計算する時刻に沿って逐一、
健全耐火物と付着した内容物の各層の表面の温度、すな
わち図5におけるTx3,Tx2,Tx1,Tm,Tc
の位置の温度、および各層の物性値として予め定めた存
在限界温度に当たる位置を探知し、各層の表面温度が該
層の存在限界温度より高い値の場合は、図6に示すよう
に、内容物の炉内側最内表面の最初の位置21から該層
の存在温度の深さ22までの厚さ相当の層20を削除ま
たは減少させたうえで、次の時刻に計算を進める。
【0016】以下、同様に繰り返して、どの層の表面も
該層の存在限界温度と同等となるかあるいは、図2に示
した実測データと同位置での計算結果を比較しながら実
測データの極大値と同等になるまで計算を繰り返す。そ
の結果が該時刻での炉底耐火物の健全部分の残存厚さ、
あるいは耐火物健全部分の炉内側表面に付着した内容物
が存在している場合はその残存厚さ、を示すことができ
る。
【0017】引き続いて、図2に示した炉底温度の実測
データの時刻t2からt3の例で示すような、温度が下降
する過程、すなわち、耐火物の炉内側表面に内容物が生
成していく過程の温度データを用い、炉内側最内の内容
物の層であるところの、流れの速度がゼロの溶融銑鉄の
層の炉内表面側の熱伝達率あるいは炉内熱源の温度の下
降開始を初期条件にして、時間に関しての逐次計算、す
なわち時刻歴過渡応答非定常伝熱解析を開始する。
【0018】引き続いて、計算する時刻に沿って逐一、
炉内側最内表面の温度を参照し、物性値として予め定め
た付着すべき内容物の各層の存在限界温度と比較し、健
全な耐火物の表面も含み、内容物の炉内側最内表面の温
度が付着すべき内容物の各層の存在限界温度より低い値
の場合は、図7に示すように、計算値に最も近い値の存
在限界温度を有する内容物の層23を、健全な耐火物の
表面あるいは内容物の炉内側最内表面25に微小な厚さ
を生成させ、同時に、物性値として予め定めた各層の存
在限界温度の位置を参照し、その位置から低温側の次の
層の存在限界温度の位置24までの厚さを該層の物性値
に置き換えたうえで次の時刻に計算を進める。
【0019】以下、同様に繰り返して、どの層の表面も
該層の存在限界温度と同等となるかあるいは、図2に示
した実測データと同位置での計算結果を比較しながら実
測データの極大値t2と同等になるまで計算を繰り返
す。その結果が、該時刻での炉底耐火物の健全部分の残
存厚さ、あるいは耐火物健全部分の炉内側表面に付着し
た内容物が存在している場合はその残存厚さ、を示すこ
とになる。
【0020】
【実施例】内容積5000m3級の大型高炉で、図1の
高炉炉底の温度計9aの存在する部位すなわち側壁と呼
ぶ部分について、本発明の高炉炉底状況の推定方法を適
用した。解析に用いた実測データは、図1の9aに相当
する位置でのある期間の測定結果であり、図2に実線で
示す。図5に相当する伝熱解析の多層モデルは、図8お
よび表1に示すように各層に物性値を与え、最外壁の鉄
皮19(図8)の表面温度は実測値30°Cを用いた。
図8の中で図2の実測データの測定位置に対応する位置
は、図8の計算モデルでの位置9aであり、温度は計算
結果としてのTaである。計算手法は有限要素法を用い
た。
【0021】
【表1】
【0022】始めに、図2の実測データの初期の安定期
間である時刻0からt0におけるTaの値および図8お
よび表1に示した各層の物性値を用いて定常温度解析を
行い、図8の各層の未知の厚さを決定する。すなわち、
熱源と炉内側最内内容物の表面の間の熱伝達率α=38
kcal/m2/hr/°C、炉底耐火物の健全部分の
厚さLc=750mm、健全な耐火物以外の耐火物の厚
さLm=840mm、凝固した銑鉄の層の厚さLx1=
100mm、固体と液体の共存している銑鉄の層の厚さ
Lx2=98mm、流れの速度がゼロの溶融銑鉄の層の
厚さLx3=602mmが決まる。
【0023】引き続き、図2の実測データの温度上昇過
程すなわち時刻t0からt2について解析する。時刻t0
からt2の初期条件としては、熱源と炉内側最内内容物
の表面の間の熱伝達率をα=38kcal/m2/hr
/°Cから115kcal/m2/hr/°Cに上昇さ
せ、時刻歴過渡応答非定常伝熱解析を開始する。時刻歴
過渡応答計算での時刻刻みは10分とした。
【0024】引き続いて、計算の時刻刻みの10分毎に
逐一、図8に示した各層の炉内側表面の温度、すなわ
ち、炉内側最内表面の位置7すなわち流れの速度がゼロ
の溶融銑鉄の層13の表面での温度Tx3,固体と液体
の共存している銑鉄の層14の表面温度Tx2,凝固し
た銑鉄の層15の表面温度Tx1,健全な耐火物以外の
耐火物の層16の表面温度Tm、および、耐火物の健全
部分の表面6の位置の温度Tcを、各々の存在限界温
度、すなわち、Tx3=1300°C,Tx2=118
0°C,Tx1=1150°C,Tm=1300°C、
および、Tc=1180°Cと比較し、計算値が高い場
合、内容物の層の炉内側最内表面の位置7から炉外側に
向かって微小量厚さ(10mm)を削除したうえで10
分間の非定常伝熱解析を行い、各層の炉内側表面の温度
の計算値が各々の存在限界温度に等しいかそれ以下にな
る時刻まで、10分当たり10mmづつの削除を繰り返
し、計算を進める。
【0025】このようにして得られた図8の9aにおけ
る温度Taの計算結果は、図2の本発明による計算結果
を示す破線の時刻t0からt2までで示す。また、各層の
状態の計算結果、すなわち、図2の時刻t1における各
層の残存状態は図9に、図2の時刻t2における各層の
残存状態は図10に、それぞれ示す。
【0026】引き続いて、図2の実測データの温度下降
過程すなわち時刻t2からt3について解析する。時刻t
2からt3の初期条件、すなわち図2の時刻t2は実際の
操業において休風開始であったため、図8の熱源の温度
Thを1500°Cから1470°Cに下降させて、時
刻歴過渡応答非定常伝熱解析を開始する。時刻歴過渡応
答計算での時刻刻みは10分とした。
【0027】引き続いて、計算の時間刻みの10分毎に
逐一、図10に示した残存層すなわち残存した耐火物健
全部分の炉内側最内表面位置7に、初期条件として微小
量(10mm)を付着させた、流れの速度がゼロの溶融
銑鉄の層13の表面温度Tx3の計算結果を探索して参
照し、その存在限界温度1300°Cと比較して計算値
が低い場合には炉内側に向かって微小量厚さ(10m
m)を更に生成させ、更に各層の存在限界温度と同等の
温度の位置を探索し該当する温度がある場合、該位置か
ら低温側を該層の物性に置換した後、10分間の非定常
伝熱解析を行い、炉内側最内表面の位置7(流れの速度
がゼロの溶融銑鉄の層の炉内側表面)の温度の計算値
が、存在限界温度1300°Cに等しいかそれ以下にな
る時刻まで10分当たり10mmづつの生成を繰り返
し、計算を進める。
【0028】このようにして得られた図8の9aにおけ
る温度Taの計算結果は、図2の本発明による計算結果
を示す破線の時刻t2からt3までで示す。また、各層の
状態の計算結果、すなわち図2の時刻t3における各層
の残存状態は図11に示す。
【0029】
【発明の効果】本発明により、炉底温度が過去の履歴の
中で最高温度に達しない場合、および実測値が時間に依
存して変化する場合にも、炉底耐火物の浸食状況、及び
炉底耐火物内面に付着している内容物の形成の状況を把
握することができるため、本発明は、高炉の操業管理な
らびに炉底耐火物寿命診断に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高炉炉底の縦断面を模式的に示す断面図であ
る。
【図2】 図1に示す高炉健全耐火物2の、温度センサ
−9aの位置での温度実測データの時間変化とそれに対
応する本発明の計算結果を示すタイムチャ−トである。
【図3】 定常計算による厚さ推測領域と計算温度との
関係を示すグラフであり、横方向は高炉の半径方向位
置、縦方向は温度レベルである。
【図4】 実在の高炉の長期使用後の炉底解体調査観察
結果を模式的に示す、縦断面図である。
【図5】 本発明で用いる伝熱計算用一次元多層モデル
での高炉の半径方向の層分割を示す模式的な断面図であ
り、横方向が半径方向である。
【図6】 図5と同様な模式的な断面図であるが、温度
が上昇する過程における炉内側表面内容物の消滅を概念
的に示す。
【図7】 図5と同様な模式的な断面図であるが、温度
が下降する過程における炉内側表面内容物の生成を概念
的に示す。
【図8】 図5と同様な模式的な断面図であるが、本発
明の実施例における伝熱計算用一次元多層モデルでの層
分割を示す。
【図9】 図8と同様な模式的な断面図であるが、図2
の時刻t1における各層の残存状態を示す。
【図10】 図8と同様な模式的な断面図であるが、図
2の時刻t2における各層の残存状態を示す。
【図11】 図8と同様な模式的な断面図であるが、図
2の時刻t3における各層の残存状態を示す。
【符号の説明】
1:鉄皮 2:炉底
耐火物の健全部分 3:炉底耐火物内面に付着する内容物 4:耐火
物の浸食部分 5:鉄皮表面 6:炉底耐火物の浸食後の健全部表面ライン 7:炉底耐火物内面に付着する内容物の炉内側最内表面
ライン 8:高炉稼働開始初期の耐火物炉内側表面ライン 9:炉底に設置された温度センサー 11:実際の炉内側最内表面の位置 12:定常計算から求められる炉内側最内表面の位置 13:流れの速度がゼロの溶融銑鉄の層 14:固体と液体の共存している銑鉄の層 15:凝固した銑鉄の層 16:健
全な耐火物以外の耐火物 17:炉底耐火物の健全部分 18:充
填材 19:鉄皮 20:消
滅させる層 21:消滅前の炉内側最内表面の位置 22:消滅後の炉内側最内表面の位置 23:生成させる層 24:生成後の炉内側最内表面の位置 25:生成前の炉内側最内表面の位置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉炉底の耐火物の損耗時期と残存厚さ
    ならびに耐火物内面に付着する内容物凝固層の生成・消
    滅時期と残存厚さを、高炉炉底に設置された温度センサ
    ーの実測値を用いて伝熱計算によって推定する方法にお
    いて、以下の手順を特徴とする高炉炉底状況の推定方
    法: (A):高炉炉底構造の伝熱解析を行うため、炉底構造
    を以下のような5層、すなわち、 (a)健全な耐火物の層、 (b)健全な耐火物以外の耐火物の層、 (c)凝固した銑鉄の層、 (d)固体と液体の共存している銑鉄の層、 (e)流れの速度がゼロの溶融銑鉄の層から構成される
    モデルを作り、各々の層に厚さと物性値を付与する; (B):炉底耐火物内に設置された複数の温度センサー
    により測定された炉底耐火物の温度の時系列データを実
    測値の炉底温度とする; (C):該モデルに、経過時間に依存する非定常の伝熱
    解析を実施する; (D):解析結果の温度の大きさによって、(A)の各
    層を、生成あるいは消滅させるが、その時、生成させる
    限界温度と消滅させる限界温度は同一値または異なる値
    とする; (E):(C)へ戻り、計算する所定の経過時間に達す
    るまで(C),(D)を繰り返して、計算値として得ら
    れた温度分布のうち、(B)の実測値の炉底温度と同位
    置でかつ所定の経過時間までの計算結果の時系列の温度
    値を、計算値の炉底温度とする; (F):(B)による実測値の炉底温度と(E)による
    計算値の炉底温度の極小値及び極大値、並びに温度上昇
    率及び温度下降率、並びに温度上昇加速度及び温度下降
    加速度を所定の期間内で比較する; (G):(A)へ戻り、(F)での実測値の炉底温度と
    計算値の炉底温度との比較の差に従って、5種類の材質
    の層の厚さを変えて再び(C)以下の手順を、(F)に
    よる実測値の炉底温度と計算値の炉底温度の差が所定の
    値以下になるまで繰り返す; (H):(G)においての繰り返し計算が終了した時の
    (A)における5種類の各層の、零をも含む厚さが求め
    る炉底状況の最終状態とする。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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