JPH10271958A - 臭気の低減された蛋白質加水分解物の製造方法 - Google Patents

臭気の低減された蛋白質加水分解物の製造方法

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JPH10271958A
JPH10271958A JP9098047A JP9804797A JPH10271958A JP H10271958 A JPH10271958 A JP H10271958A JP 9098047 A JP9098047 A JP 9098047A JP 9804797 A JP9804797 A JP 9804797A JP H10271958 A JPH10271958 A JP H10271958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品素材又は化粧品素材に広く使用できる、
臭気の低減された蛋白質加水分解物を製造する方法を提
供する。 【解決手段】 原料蛋白質の全チロシン及びフェニルア
ラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラ
ニンの含量の百分率が75%(重量)以下の範囲で蛋白
質を加水分解し、加水分解反応後、90℃以上の温度条
件で、40分間以上加熱処理を行い、のち加熱処理済蛋
白質加水分解物をナノフィルトレーション膜を用いてペ
プチドを主体とする膜非透過画分と、遊離アミノ酸及び
臭気の原因物質を主成分とする膜透過画分とに分画し、
膜透過画分を脱臭処理し、前記膜非透過画分と混合する
ことを特徴とする臭気の低減された蛋白質加水分解物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品素材又は化粧
品素材として有用な、臭気の低減された蛋白質加水分解
物を、効率的かつ経済的に製造する方法に関するもので
ある。
【0002】なお、本明細書において、百分率(%)の
表示は、特に断りのない限り重量による値である。
【0003】
【従来の技術】蛋白質を加水分解して得られる、ペプチ
ドと遊離アミノ酸との混合物は、単独の蛋白質、アミノ
酸混合物等と比較して種々の優位性があるため、各方面
から注目されている。
【0004】例えば、栄養学的には、ジペプチド又はト
リペプチドはアミノ酸とは別の経路により、その構成ア
ミノ酸の混合物よりも速く吸収されること、及び蛋白質
の加水分解物は、その構成アミノ酸混合物と比較して個
々のアミノ酸の吸収量に変動がないことなどが明らかに
されている[代謝、第27巻、第993〜1000ペー
ジ、1990年]。
【0005】また、食品蛋白質は、人間にとって異種蛋
白質であり、消化が不十分な状態で抗原性を有するまま
体内に吸収された場合、アレルギー症状を呈することが
ある。この解決策の一つとして食品中の蛋白質を酵素に
よって抗原性を低減又は消失させるために加水分解する
ことが行われており、このような蛋白質加水分解物を配
合した食品も増加している[特開平4−248959号
公報、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・デイリー・ア
ンド・フード・サイエンス(Japanese Journalof Dairy
and Food Science)、第33巻、第1号、第A−5〜
A−12ページ、1984年]。
【0006】更に、蛋白質加水分解物は、機能的な特性
をから化粧料及び皮膚外用剤の原料としても有用であ
り、この分野でも利用されている(特開平4−2660
4号公報、特開平4−26605号公報)。
【0007】しかしながら、前記利点を有するペプチド
組成物を得る目的で、蛋白質加水分解物を製造した場
合、製造工程中の加熱等によるアミノ酸の過分解等に起
因するアンモニア、アルデヒド類、硫黄化合物等が発生
し、加水分解物に特有の臭気が付与され、特に、遊離ア
ミノ酸含量が多くなるほどその傾向が顕著になる。この
ような蛋白質加水分解物をそのまま食品又は化粧品の素
材として使用した場合、製品に不快な臭気が移行するた
め、食品又は化粧料等に蛋白質加水分解物を利用する際
の大きな制約となっていた。
【0008】そこで従来は、蛋白質加水分解物の脱臭の
ために、食品工業、化学工業等において広く脱臭、脱色
等の処理に用いられている活性炭[柳井 弘著、「活性
炭読本」、第162ページ、第166ページ、日刊工業
新聞社、昭和51年4月20日]等の吸着剤を利用した
処理が一般的に行われていた。
【0009】一方、近年、分子量分画が可能な限外濾過
膜と水だけを透過除去する逆浸透膜との中間的な分画性
を有するナノフィルトレーション膜(ル−ス逆浸透膜と
も呼ばれている。)が開発され、ミネラル、遊離アミノ
酸等の分子量数十から数百程度の低分子量物質を透過さ
せることにより、それ以上の分子量を有する物質との分
画・分離が可能となっている。例えば、原料乳をナノフ
ィルトレーション処理してナトリウム、カリウム等の一
価のミネラルを低減した風味の良好な低ミネラルミルク
パウダー及びその製造法が開示されている(特開平8−
266221号公報)。
【0010】また、少なくとも90%以上のチロシン及
びフェニルアラニンを遊離させた蛋白質の加水分解液を
食塩阻止率10〜70%の逆浸透膜を用いて処理し、膜
透過画分と膜非透過画分とに分画し、膜透過画分中の芳
香族アミノ酸を除去し、のち前記膜非透過画分と再び混
合することからなる低芳香族アミノ酸含量のペプチド混
合物の製造法が開示されている(特開平9−47230
号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術に記載し
たとおり、従来、臭気の低減された蛋白質加水分解物を
製造する場合、酵素、酸、アルカリ等により蛋白質を加
水分解して得たペプチドと遊離アミノ酸との混合物か
ら、活性炭等の吸着剤により脱臭する方法が採用されて
いた。
【0012】しかしながら、この方法で除去される物質
は、硫黄化合物、アンモニア、アルデヒド類等の不快な
臭気の原因物質ばかりではなく、ある種のアミノ酸及び
一部有用なペプチドも同時に除去され、その結果、製造
される臭気の低減された蛋白質加水分解物の回収率が低
下するばかりではなく、有用な成分であるペプチドを喪
失することにより栄養学的及び機能的な損失を招くとい
う欠点があった。
【0013】一方、蛋白質加水分解物からペプチド画分
と遊離アミノ酸及び不快な臭気の原因物質とを含む画分
とを分画し、得られた遊離アミノ酸及び不快な臭気の原
因物質を含む画分を脱臭処理し、回収率向上のために脱
臭処理後の残留アミノ酸混合物をペプチド画分と混合し
た場合、一時的に臭気の低減された蛋白質加水分解物が
得られるが、これを食品、化粧品等の製造原料として使
用した場合、製造工程での加熱により再び遊離アミノ酸
等の変化が生じ、不快な臭気が発生するという問題点が
あった。
【0014】この問題を解決するため、ペプチド画分の
みを製品とした場合には、臭気の低減が最も必要とされ
る高いアミノ酸遊離率を有する蛋白質加水分解物におい
て、大部分の遊離アミノ酸は有効に利用されることなく
廃棄されることになるため、著しく回収率が低下すると
いう欠点があった。
【0015】また、前記低芳香族アミノ酸含量のペプチ
ド混合物の製造法(特開平9−47230号公報)は、
フェニルアラニンの摂取制限を必要とするフェニルケト
ン尿症患者、並びにチロシン及びフェニルアラニンの摂
取制限を必要とする肝疾患患者への供給を目的とした特
殊なペプチドの製造方法に関するものであり、得られた
ペプチドは低芳香族アミノ酸含量という点で特異なアミ
ノ酸バランスを示しており、アミノ酸スコアは、チロシ
ン及びフェニルアラニン含量の合計が制限要因となり、
100%から大幅に低下し、通常の食品の素材としては
適さないという欠点があった。アミノ酸スコアが100
%を下回った場合、問題となるのは、蛋白質の利用率が
必要量に対して最も少ない割合で存在する必須アミノ酸
の量によって制限を受けることによるものである[科学
技術庁資源調査会・資源調査所編、「改訂日本食品アミ
ノ酸組成表」、大蔵省印刷局発行、第211〜217ペ
ージ、昭和61年10月25日]。
【0016】このような状況において、本発明者らは、
前記従来技術に鑑みて、臭気が低減され、有用なペプチ
ドを喪失することなく、再加熱により不快な臭気の発生
がなく、かつアミノ酸スコア100%を示す蛋白質加水
分解物を効率良く製造する方法を開発することを目標と
して鋭意研究を積み重ねた結果、一定の範囲で蛋白質を
加水分解し、これを、一定の条件下で加熱処理し、ナノ
フィルトレーション膜を用いて膜非透過画分と膜透過画
分とに分画処理し、膜透過画分についてのみ脱臭処理
し、のち前記膜非透過画分と混合することにより所期の
目的を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0017】本発明は、食品素材又は化粧品素材に広く
使用可能であり、臭気の低減された蛋白質加水分解物を
製造する方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、有用なペプチドを喪失することなく、
再加熱により不快な臭気の発生がなく、かつアミノ酸ス
コア100%を示す蛋白質加水分解物を回収率良く製造
する方法を提供することを他の目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、原料蛋白質の全チロシン及びフェニルアラ
ニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラニ
ンの含量の百分率が75%(重量)以下の範囲で蛋白質
を加水分解し、加水分解反応後、90℃以上の温度条件
で、40分間以上加熱処理を行い、のち加熱処理済蛋白
質加水分解物をナノフィルトレーション膜を用いてペプ
チドを主体とする膜非透過画分と、遊離アミノ酸及び臭
気の原因物質を主成分とする膜透過画分とに分画し、膜
透過画分を脱臭処理し、前記膜非透過画分と混合するこ
とを特徴とする臭気の低減された蛋白質加水分解物の製
造方法である。
【0019】また、本発明は、ナノフィルトレーション
膜による分画が、流水透析濾過法により行われ、かつ膜
非透過画分中に含有される遊離アミノ酸の濃度の測定を
経時的に行われることを望ましい態様としてもいる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳述する。本
発明の出発原料である蛋白質は、獣乳、卵、魚肉、畜肉
等に由来する動物性蛋白質、大豆、小麦等に由来する植
物性蛋白質、又はこれらの任意の混合物であり、特に限
定されるものではない。また、これらの蛋白質を、限外
濾過、イオン交換樹脂処理等の処理により濃縮した蛋白
質濃縮物も本発明の出発原料として使用することができ
る。
【0021】前記出発原料を蛋白質換算で5〜30%、
望ましくは10%前後の濃度で水に溶解し、殺菌のため
65〜90℃の温度範囲で5〜30分間加熱処理しても
よい。
【0022】次いで、前記出発原料水溶液に蛋白質分解
酵素を添加するが、蛋白質分解酵素の添加は、一括添
加、又は少量に分割して逐次添加してもよい。使用する
蛋白質分解酵素としては、動物由来(例えば、パンクレ
アチン、トリプシン、キモトリプシン、ペプシンな
ど)、植物由来(例えば、パパイン、ブロメライン、フ
ィシンなど)、微生物由来(例えば、乳酸菌、酵母、カ
ビ、枯草菌、放線菌など)のエンドプロテアーゼ及びエ
キソプロテアーゼ、並びにこれらの粗精製物、菌体破砕
物等を例示することができる。なお、アミノ酸スコアの
バランスを維持するために、原料蛋白質からのチロシン
及びフェニルアラニンの遊離が、少ない蛋白質分解酵素
であるバシラス属細菌由来のエンドプロテアーゼ、パパ
イン等を使用することが望ましい。
【0023】前記出発原料に対する酵素の使用量は、基
質濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間により異なる
が、一般的には出発原料中の蛋白質1g当り3000〜
10000活性単位の割合で酵素を単独、又は複数組み
合わせて添加する。
【0024】酵素反応は、酵素添加前に、前記出発原料
水溶液のpHをアルカリ又は酸溶液を使用して、蛋白質
加水分解反応に使用する蛋白質分解酵素の至適pHを含
む範囲に調整し、行うことが望ましい。使用するアルカ
リ溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム等を、酸溶液としては塩酸、クエン酸、硫
酸、酢酸、リンゴ酸、グルコン酸等をそれぞれ例示する
ことができる。
【0025】酵素反応の温度については格別の制限はな
く、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供せ
られ得る範囲から選ばれ、通常30〜70℃の範囲から
選ばれる。温度を50〜60℃の範囲に維持することで
酵素反応中の腐敗を防止することができる。
【0026】酵素反応の停止は、蛋白質加水分解液中の
酵素の失活により行われ、常法による加熱処理により実
施することができる。なお、酵素反応は、アミノ酸スコ
アのバランスを維持するために、原料蛋白質中に含有さ
れる全チロシン及びフェニルアラニンの量の測定及び蛋
白質加水分解液中の遊離型のチロシン及びフェニルアラ
ニンの濃度の測定を経時的に行い、これらから原料蛋白
質の全チロシン及びフェニルアラニン含量に対する遊離
型のチロシン及びフェニルアラニンの含量の百分率を算
出し、この値が75%以下の範囲内で停止することが必
須である。なお、この値は、その下限として0%を含む
が、これは、蛋白質の加水分解が行われない場合を意味
するものではなく、蛋白質の加水分解は行われるが、そ
の分解が軽度であって、遊離型のチロシン及びフェニル
アラニン以外のアミノ酸は存在しても、遊離型のチロシ
ン及びフェニルアラニンが存在せず、チロシン及びフェ
ニルアラニンは専らペプチド鎖としてのみ存在する状態
を意味している。
【0027】原料蛋白質の全チロシン及びフェニルアラ
ニン含量の測定は、蛋白質加水分解反応前に、後記する
アミノ酸組成の測定方法に従って行うことができる。ま
た、蛋白質加水分解液中の遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの濃度の測定は、高速液体クロマトグラフ法
等により経時的に行うことが望ましい。
【0028】加熱処理の加熱温度と保持時間は、使用し
た酵素の熱安定性を考慮し、十分に失活できる条件を設
定することができるが、蛋白質加水分解物の再加熱によ
る不快な臭気の発生をなくすためには、この時点におい
て臭気成分を発生させておくことが必要であり、このた
め、90℃以上の温度条件で、40分間以上加熱処理を
行うことが必須である。望ましい加熱処理温度と加熱処
理時間は、90〜130℃で40〜60分間であり、圧
力釜等の特殊な加熱機を使用せず、かつ短時間で十分な
効果が得られることから、特に望ましくは90〜100
℃で40〜50分間である。
【0029】蛋白質加水分解液中の酵素の失活後、常法
により分解液を冷却し、必要な場合には濾過により不溶
性物質を除去する。濾過の方法は、例えば、硅藻土濾
過、精密濾過、限外濾過等を例示することができる。
【0030】蛋白質加水分解液中のアンモニア、アルデ
ヒド類、硫黄化合物等の臭気の原因物質の分画は、ナノ
フィルトレーション膜を使用することにより、これらの
臭気の原因物質及び遊離アミノ酸を膜透過画分に移行さ
せ、ペプチド成分を膜非透過画分に残留させることによ
り行われる。ナノフィルトレーション膜としては、公知
のものを使用することが可能であり、材質はスルフォン
化ポリエーテルスルフォン系、ポリアミド系、酢酸セル
ロース系等であり、また膜形状は、スパイラル型、チュ
ーブラー型、平膜型等の形状であってもよい。ナノフィ
ルトレーション膜の食塩阻止率及び膜荷電の有無等は、
蛋白質加水分解液の遊離アミノ酸の含量、種類及び臭気
の強弱に応じて適宜選択できるが、ペプチド成分が膜透
過画分に透過しない膜を選定することが望ましい。市販
のナノフィルトレーション膜として、SU−610,S
U−620、SC−220S(いずれも東レ社製)、N
TR−7410、NTR−7450、NTR−7250
(いずれも日東電工社製)、NF45(フィルムテック
社製)等を例示することができる。
【0031】また、ナノフィルトレーション膜による分
画処理においては、膜透過画分として遊離アミノ酸、ミ
ネラル、及び水が除去されるにしたがって、膜非透過画
分の濃縮が進行し、固形分濃度が上昇し、アンモニア、
アルデヒド類、硫黄化合物等の臭気の原因物質の透過が
困難となるため、水を添加して膜非透過画分の液量を一
定に維持しながら膜分離操作を行う流水透析濾過(ダイ
アフィルトレーション)を実施し、臭気の原因物質を完
全に膜透過画分に透過させることが望ましい。
【0032】ナノフィルトレーション膜による分画処理
は、処理時間、膜透過画分の固形分濃度等を基準として
終了してもよいが、ペプチド成分を喪失しないために
は、膜非透過画分の遊離アミノ酸濃度を測定することが
望ましい。
【0033】この点について更に具体的に説明する。ま
ず、臭気の原因物質の透過が不十分な場合には、膜非透
過画分に対しては脱臭処理を行わないため最終生産物で
ある蛋白質加水分解物の臭気が十分に低減されない。一
方、膜分離処理を過度に行った場合には、遊離アミノ酸
が完全に透過し、ペプチドの中でも最も消化吸収性が良
く、抗原性も消失しているジペプチド、トリペプチド等
の低分子量のペプチドが膜透過画分に透過する可能性が
あり、特に流水透析濾過法においてその可能性が大であ
った。
【0034】しかしながら、臭気の原因物質の透過性
は、ナノフィルトレーション膜処理の操作条件又は該膜
の劣化、汚染状態等にも影響をうけるため、一定の条件
を決定することは困難であった。これに対して、本発明
の望ましい様態では、ナノフィルトレーション膜による
分画処理の工程を、膜非透過画分の遊離アミノ酸の濃度
を経時的に測定しながら実施することにより、膜非透過
画分の遊離アミノ酸の濃度が、ほぼ0になった時点で分
画処理を終了すること、即ち、遊離アミノ酸が完全に透
過した時点でペプチドを透過させることなく分画処理を
終了することを可能とした。膜非透過画分の遊離アミノ
酸の濃度を経時的に測定する方法としては、高速液体ク
ロマトグラフ法、酵素膜センサー法等を例示することが
できる。
【0035】膜透過画分の脱臭処理には公知の方法が利
用できるが、例えば、活性炭若しくは吸着樹脂による吸
着法を単独、又はこれらを組み合わせて利用することが
できる。活性炭としては、白鷺(武田薬品工業社製)
等、吸着樹脂としてはアンバーライトXAD(ローム・
アンド・ハース社製)、KS−35(北越炭素社製)等
を、それぞれ例示することができる。脱臭操作は、活性
炭又は吸着樹脂を充填したカラムへ膜透過画分を通液す
る連続法、活性炭又は吸着樹脂を膜透過画分へ投入して
所定時間接触させるバッチ法等により実施することがで
きる。
【0036】前記各工程により脱臭処理された膜透過画
分及び膜非透過画分を混合し、公知の方法により濃縮す
ることも可能であり、この濃縮した液を公知の方法によ
り乾燥して粉末とすることも可能である。また、それぞ
れ別個に濃縮又は乾燥し、これらを混合することもでき
る。更に、膜透過画分及び膜非透過画分を、任意の割合
で混合し、濃縮し、乾燥することも可能であり、それぞ
れを別個に濃縮し、乾燥し、のち任意の割合で混合する
ことも可能である。
【0037】前記方法は、原料である蛋白質加水分解物
を直接脱臭処理する従来の方法と比較して、ほとんどの
ペプチド成分をナノフィルトレーションによって分離
し、その後、膜透過液を脱臭処理してから回収し、再混
合するので、臭気原因物質以外の成分、特に有用なペプ
チド成分の損失を最小限に抑えることができるほか、同
一量の蛋白質加水分解物の製造に使用する脱臭処理剤の
量を少なくすることができる。
【0038】前記方法により得られた臭気の低減された
蛋白質加水分解物の溶液、その濃縮液又は粉末は、従来
の脱臭方法に比較してアミノ酸及びペプチドの喪失が最
小限に抑えられているにも拘らず、臭気が低減されてお
り、再加熱により不快な臭気の発生がなく、かつアミノ
酸スコアが100%であるため、食品素材及び化粧品素
材として極めて高い利用価値を有している。
【0039】次に試験例を示して本発明を詳述するが、
以下の試験例においては、次の試験方法を採用した。
【0040】(1)アミノ酸組成の測定方法 トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミ
ノ酸については、試料を6規定の塩酸で110℃、24
時間加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バ
リウムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイ
ン及びメチオニンについては、過ギ酸処理後、6規定の
塩酸で110℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ
酸自動分析機(日立製作所社製。835型)により分析
し、アミノ酸の質量を測定した。
【0041】なお、原料蛋白質の全チロシン及びフェニ
ルアラニン含量(mg/g蛋白質)は、この方法により
測定したチロシン及びフェニルアラニンの質量(mg)
を原料蛋白質の総量(g)で除すことにより求めた。
【0042】(2)遊離アミノ酸含有率 試料中の各アミノ酸組成を前記(1)の方法により測定
し、これを合計して試料中の全アミノ酸の質量を求め
る。次いで、スルホサリチル酸で試料を除蛋白し、残留
する各遊離アミノ酸の質量を前記(1)の方法により測
定し、これを合計して試料中の全遊離アミノ酸の質量を
求める。これらの値から、試料中の遊離アミノ酸含有率
を次式により算出した。
【0043】遊離アミノ酸含有率(%)=(全遊離アミ
ノ酸の質量/全アミノ酸の質量)×100
【0044】(3)高速液体クロマトグラフ(HPL
C)法による蛋白質加水分解液中の遊離型のチロシン及
びフェニルアラニンの濃度の測定方法 Inertosil PREP-ODSカラム(GLサイエンス社製。6.
5×250mm)をHPLC(島津製作所社製)に装着
し、蛋白質加水分解液0.1mlを供給し、溶離液A
(0.1%トリフルオロ酢酸溶液)に対する溶離液B
(0.1%トリフルオロ酢酸−アセトニトリル溶液)の
割合が100分間で50%となる濃度勾配で1.5ml
/分の流速で溶出を行い、溶出時間及び溶出ピーク面積
から蛋白質加水分解液中の遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの濃度(mg/l)を測定した。なお、蛋白
質加水分解液中の遊離型のチロシン及びフェニルアラニ
ンの総量(mg)は、蛋白質加水分解液の総量(l)に
蛋白質加水分解液中の遊離型のチロシン及びフェニルア
ラニンの濃度(mg/l)を掛けることにより求まり、
これを蛋白質加水分解に使用された原料蛋白質の重量
(g)で除すことにより、遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの含量(mg/g蛋白質)を求めた。
【0045】(4)原料蛋白質の全チロシン及びフェニ
ルアラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニル
アラニンの含量の百分率 前記(1)の方法により求まる原料蛋白質の全チロシン
及びフェニルアラニン含量(mg/g蛋白質)で前記
(3)の方法により求まる遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの含量(mg/g蛋白質)を除して百分率で
表示することにより求めた。
【0046】(5)蛋白質の分解率 ケルダール法により試料の全窒素を、ホルモール滴定法
により試料のホルモール態窒素を、それぞれ測定し、こ
れらの値から次式により算出した。
【0047】分解率(%)=(ホルモール態窒素/全窒
素)×100
【0048】(6)遊離アミノ酸濃度の測定方法 遊離アミノ酸測定用酵素膜センサー(旭化成工業社製)
を装着したバイオテックアナライザー(旭化成工業社
製)により遊離アミノ酸量を測定した。
【0049】(7)固形分回収率 原料の固形分を100として、各種処理後の固形分の重
量比より求めた。
【0050】(8)不快臭度 試料を蒸留水に溶解し、15%濃度の水溶液とした試料
溶液100mlを使用して、20歳から40歳までの男
女各20人のパネルにより官能的に試験し、不快な臭気
について強い(5点)から弱い(1点)まで5段階に評
価し、評価点の平均値から1.0点以上〜1.4点未満
を「弱い」、1.4点以上〜2.2点未満を「やや弱
い」、2.2点以上〜3.8点未満を「ふつう」、3.
8点以上〜4.6点未満を「やや強い」、4.6点以上
〜5.0点未満を「強い」と判定した。
【0051】(9)再加熱後の不快臭度 試料を蒸留水に溶解し、15%濃度の水溶液とし、90
℃で40分間加熱処理した試料溶液100mlを使用し
て、前記(8)の方法により、その不快臭度を官能的に
試験した。
【0052】(10)アミノ酸スコア アミノ酸スコアは、アミノ酸スコアの算定方法[科学技
術庁資源調査会・資源調査所編、「改訂日本食品アミノ
酸組成表」、大蔵省印刷局発行、第216〜217ペー
ジ、昭和61年10月25日]に基づいて、試料中の各
必須アミノ酸の含量(mg/g蛋白質)を1985年の
FAO/WHO/UNUにより設定された成人のアミノ
酸評点パタン(mg/g蛋白質)で除して百分率で表示
し、そのうちの最低値をもってアミノ酸スコアとして算
定した。なお、最低値が100を上回る場合のアミノ酸
スコアは100とした。
【0053】(11)残存酵素活性 精製寒天及びカゼイン(いずれもシグマ社製)をそれぞ
れ1.5%の濃度で蒸留水に加熱溶解し、シャーレに厚
さ2mmに均一に撒いてカゼインプレートを作成し、カ
ゼインプレートに直径3mmの穴を数箇所あけ、この穴
へ蛋白質加水分解液100μlを注入し、37℃で24
時間インキュベートした後、3%トリクロロ酢酸溶液を
カゼインプレートに注ぎ、カゼインプレートの状態を肉
眼観察した。酵素活性が残存している場合には、カゼイ
ンプレートの穴の周辺に透明なリングが観察されること
に基づき残存酵素活性の有無を判定した。
【0054】試験例1 この試験は、従来の製造方法により調製した臭気の低減
された蛋白質加水分解物と比較して本発明の製造方法に
より調製した臭気の低減された蛋白質加水分解物が優れ
ていることを示すために行った。
【0055】(1)被検試料の調製 次に示す5種類の試料を調製した。 試料1:加熱処理、ナノフィルトレーション膜による分
画処理及び脱臭処理を行わないことを除いて、実施例1
と同様の方法により、チロシン及びフェニルアラニンの
含量を前記試験方法により予め求めた市販の食用カゼイ
ンを原料蛋白質として使用し、その10kgを10%濃
度で脱イオン水に分散し、10%水酸化ナトリウム溶液
でpH7.0に調整して溶解し、80℃で10分間加熱
殺菌した後、50℃に保持し、10%水酸化ナトリウム
でpH9.0に調整し、パンクレアチンF 150g、
トリプシン 50g、及びパパインW−40 50gを
添加し、Inertosil PREP-ODSカラムを装着したHPLC
により蛋白質加水分解液中の遊離型のチロシン及びフェ
ニルアラニンの濃度を経時的に測定しながら加水分解反
応を行い、前記測定値に基づいて前記試験方法により求
まる原料蛋白質に含有されるチロシン及びフェニルアラ
ニンに対する遊離型のチロシン及びフェニルアラニンの
含量の百分率が54%となった時、即ち14時間加水分
解した時点で、80℃、10分間の酵素失活処理を行
い、加水分解を停止させた後、冷却し、限外濾過により
沈殿物を除去し、常法により噴霧乾燥し、粉末状の蛋白
質加水分解物約7.1kgを調製した。なお、試料1
は、試料2、試料3及び試料4の各種脱臭処理の原料と
なる蛋白質加水分解物である。
【0056】試料2:試料1の蛋白質加水分解物を実施
例1の脱臭処理と同様の方法により、試料1の蛋白質加
水分解物3kgを、脱イオン水を加えて濃度5%に溶解
し、この水溶液に粉末活性炭100gを投入して脱臭処
理し、常法により活性炭を除去し、これをエバポレータ
ーにより濃縮し、凍結乾燥し、臭気の低減された蛋白質
加水分解物約2.43kgを調製した。
【0057】試料3:粉末活性炭の使用量を200gと
したことを除き、試料2の調製方法と同一の方法で、臭
気の低減された蛋白質加水分解物約2.04kgを調製
した。
【0058】試料4:試料1の蛋白質加水分解物を実施
例1のナノフィルトレーション膜による分画処理と同様
の方法により、試料1の蛋白質加水分解物3kgを、脱
イオン水を加えて濃度5%に溶解し、この加熱処理済蛋
白質加水分解物水溶液(遊離アミノ酸濃度150.0m
mol/L)をナノフィルトレーション膜NTR−74
10により、膜非透過画分の濃度を20%(重量)に濃
縮し、膜非透過画分に加水を行い、流水透析濾過(ダイ
アフィルトレーション)を実施し、遊離アミノ酸測定用
酵素膜センサーを装着したバイオテックアナライザーに
より膜非透過画分の遊離アミノ酸濃度を経時的、かつ短
時間に測定し、遊離アミノ酸濃度が0.0mmol/L
となった時点でナノフィルトレーション膜による分画処
理操作を停止し、膜非透過画分のみを回収し、これをエ
バポレーターにより濃縮し、凍結乾燥し、臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物約2.1kgを調製した。
【0059】試料5:本発明の実施例1と同一の方法に
より臭気の低減された蛋白質加水分解物約2.7kgを
調製した。
【0060】(2)試験方法 ナノフィルトレーション膜による分画処理及び脱臭処理
などの各種脱臭処理の原料となる蛋白質加水分解物に対
する各種脱臭処理後に得られた臭気の低減された蛋白質
加水分解物の固形分回収率、不快臭度、及び再加熱後の
不快臭度は、いずれも前記の試験方法により試験した。
【0061】(3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表1から明
らかなとおり、ナノフィルトレーション膜による分画処
理によりペプチドと遊離アミノ酸及び不快な臭気の原因
物質とを分画しないで、蛋白質加水分解物を直接活性炭
などの吸着剤により脱臭処理する従来の製造方法(試料
2及び試料3)を用いた場合には、固形分の回収率が低
下し、また、本発明の製造方法と同程度の脱臭効果を得
るためには、より多くの脱臭剤(粉末活性炭)が必要で
あった(試料3)。
【0062】更に、原料となる蛋白質加水分解物を加熱
処理しなかった場合には、再加熱により不快な臭気の発
生が認められた(試料2及び試料3)。また、再加熱に
より不快な臭気の発生を回避するため、ナノフィルトレ
ーション膜による分画処理によりペプチド画分のみを製
品とする従来の製造方法(試料4)を用いた場合には、
固形分回収率が低下することが認められた。
【0063】これらの結果から、従来の製造方法による
試料(試料2、試料3及び試料4)に比較して、本発明
の製造方法による試料(試料5)においては、固形分回
収率、不快臭度、及び再加熱後の不快臭度のいずれにお
いても優れていることが確認された。
【0064】なお、酵素及び原料蛋白質の種類を変更し
て試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0065】
【表1】
【0066】試験例2 この試験は、臭気の低減された蛋白質加水分解物のアミ
ノ酸スコアを指標として、適正な蛋白質加水分解の程度
を示す原料蛋白質の全チロシン及びフェニルアラニン含
量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラニンの含
量を調べるために行った。
【0067】(1)被検試料の調製 次に示す4種類の試料を調製した。
【0068】試料6:原料蛋白質の全チロシン及びフェ
ニルアラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの含量の百分率が90%となった時点、即ち
25時間加水分解した時点で、90℃、40分間の加熱
処理を行ったことを除き、実施例1と同一の方法により
臭気の低減された蛋白質加水分解物を調製した。
【0069】試料7:原料蛋白質の全チロシン及びフェ
ニルアラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの含量の百分率が80%となった時点、即ち
20時間加水分解した時点で、90℃、40分間の加熱
処理を行ったことを除き、実施例1と同一の方法により
臭気の低減された蛋白質加水分解物を調製した。
【0070】試料8:原料蛋白質の全チロシン及びフェ
ニルアラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの含量の百分率が75%となった時点、即ち
18時間加水分解した時点で、90℃、40分間の加熱
処理を行ったことを除き、実施例1と同一の方法により
臭気の低減された蛋白質加水分解物を調製した。
【0071】試料9:原料蛋白質の全チロシン及びフェ
ニルアラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニ
ルアラニンの含量の百分率が10%となった時点、即ち
4時間加水分解した時点で、90℃、40分間の加熱処
理を行ったことを除き、実施例1と同一の方法により臭
気の低減された蛋白質加水分解物を調製した。
【0072】(2)試験方法 原料蛋白質の全チロシン及びフェニルアラニン含量に対
する遊離型のチロシン及びフェニルアラニンの含量の百
分率、並びに臭気の低減された蛋白質加水分解物のアミ
ノ酸スコアは、いずれも前記の試験方法により試験し
た。
【0073】(3)試験結果 この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明
らかなとおり、原料蛋白質の全チロシン及びフェニルア
ラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラ
ニンの含量の百分率が75%以下でないと、最終的に得
られる臭気の低減された蛋白質加水分解物のアミノ酸ス
コアが100%にならないことが認められた。
【0074】この結果から、蛋白質の利用率を良好に維
持することを目的として、アミノ酸スコアを100%と
するためには、原料蛋白質の全チロシン及びフェニルア
ラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラ
ニンの含量の百分率を75%以下の範囲とすることが必
要であることが判明した。
【0075】なお、酵素及び原料蛋白質の種類を変更し
て試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0076】
【表2】
【0077】試験例3 この試験は、残存酵素活性、臭気の低減された蛋白質加
水分解物の不快臭度、及び再加熱後の不快臭度を指標と
して、適正な蛋白質加水分解液の加熱処理条件(加熱処
理温度及び加熱処理時間)を調べるために行った。
【0078】(1)被検試料の調製 次に示す17種類の試料を調製した。
【0079】1)試料の調製 試料10:蛋白質加水分解液の加熱処理を条件を加熱処理
温度80℃、加熱処理時間5分間としたことを除き、実
施例1と同一の方法により臭気の低減された蛋白質加水
分解物を調製した。
【0080】試料11:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度80℃、加熱処理時間10分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0081】試料12:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度80℃、加熱処理時間30分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0082】試料13:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度80℃、加熱処理時間40分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0083】試料14:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度80℃、加熱処理時間60分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0084】試料15:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度80℃、加熱処理時間90分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0085】試料16:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度90℃、加熱処理時間30分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0086】試料17:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度90℃、加熱処理時間40分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0087】試料18:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度90℃、加熱処理時間60分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0088】試料19:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度90℃、加熱処理時間70分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0089】試料20:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度130℃、加熱処理時間30分間とし
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0090】試料21:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度130℃、加熱処理時間40分間とし
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0091】試料22:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度130℃、加熱処理時間60分間とし
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0092】試料23:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度130℃、加熱処理時間70分間とし
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0093】試料24:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度140℃、加熱処理時間5分間とした
ことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物を調製した。
【0094】試料25:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度140℃、加熱処理時間40分間とし
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0095】試料26:蛋白質加水分解液の加熱処理を条
件を加熱処理温度140℃、加熱処理時間60分間とし
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0096】(2)試験方法 残存酵素活性、臭気の低減された蛋白質加水分解物の不
快臭度、及び再加熱後の不快臭度は、いずれも前記の試
験方法により試験した。
【0097】(3)試験結果 この試験の結果は表3に示すとおりである。表3から明
らかなとおり、残存酵素活性が消失し、かつ最終的に得
られる臭気の低減された蛋白質加水分解物の不快臭度及
び再加熱後の不快臭度が共に「弱い」のは、加熱処理温
度が90℃以上で、かつ加熱処理時間が40分間以上の
場合であった。
【0098】これらの結果から、残存酵素活性の消失、
並びに優れた不快臭度、及び再加熱後の不快臭度を達成
するためには、90℃以上の温度条件で、40分間以上
加熱処理を行う必要があること、望ましい加熱処理温度
と加熱処理時間は、90〜130℃で40〜60分間で
あることが判明した。
【0099】なお、酵素及び原料蛋白質の種類を変更し
て試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0100】
【表3】
【0101】前記試験例2及び試験例3の結果から、再
加熱により不快な臭気の発生がなく、かつアミノ酸スコ
ア100%を示す臭気の低減された蛋白質加水分解物を
製造するためには、原料蛋白質に含有されるチロシン及
びフェニルアラニンに対する遊離型のチロシン及びフェ
ニルアラニンの含量の百分率が0〜75%の範囲で蛋白
質を加水分解し、加水分解反応後、90℃以上の温度条
件で、40分間以上加熱処理を行うことが重要であるこ
とが判明した。
【0102】試験例4 この試験は、臭気の低減された蛋白質加水分解物の固形
分回収率、不快臭度、及び再加熱後の不快臭度を指標と
して、本発明の望ましい様態であるナノフィルトレーシ
ョンによる分画処理の工程を、膜非透過画分の遊離アミ
ノ酸の濃度を経時的に測定しながら実施することによ
り、膜非透過画分の遊離アミノ酸の濃度が、ほぼ0にな
った時点で分画処理を終了することの有用性を調べるた
めに行った。
【0103】(1)被検試料の調製 試料27:膜非透過画分の遊離アミノ酸濃度が5.1mm
ol/Lとなった時点でナノフィルトレーション膜によ
る分画処理を停止したことを除き、実施例1と同一の方
法により臭気の低減された蛋白質加水分解物を調製し
た。
【0104】試料28:膜非透過画分の遊離アミノ酸濃度
が1.1mmol/Lとなった時点でナノフィルトレー
ション膜による分画処理を停止したことを除き、実施例
1と同一の方法により臭気の低減された蛋白質加水分解
物を調製した。
【0105】試料29:本発明の実施例1と同一の方法に
より臭気の低減された蛋白質加水分解物を調製した。
【0106】試料30:膜非透過画分の遊離アミノ酸濃度
が0.0mmol/Lとなった時点からさらに2時間流
水透析濾過(ダイアフィルトレーション)を継続した
後、ナノフィルトレーション膜による分画処理を停止し
たことを除き、実施例1と同一の方法により臭気の低減
された蛋白質加水分解物を調製した。
【0107】(2)試験方法 ナノフィルトレーション膜による分画処理及び脱臭処理
の原料となる蛋白質加水分解物(後記する実施例1で示
される加熱処理済蛋白質加水分解物)に対する最終的に
得られた臭気の低減された蛋白質加水分解物の固形分回
収率、不快臭度、及び再加熱後の不快臭度は、いずれも
前記の試験方法により試験した。
【0108】(3)試験結果 この試験の結果は表4に示すとおりである。表4から明
らかなとおり、ナノフィルトレーション膜による分画処
理が不十分で膜非透過画分に遊離アミノ酸が残存する場
合(試料27及び試料28)には、不快な臭気が存在した。
一方、過度にナノフィルトレーション膜による分画処理
を行った場合(試料30)には、低分子量のペプチド成分
が膜透過画分に透過流出し、これらが脱臭処理工程で吸
着除去されることなどによりペプチド成分が喪失し固形
分回収率が低下した。
【0109】これらの結果から、優れた固形分回収率、
不快臭度、及び再加熱後の不快臭度を達成するために
は、ナノフィルトレーションによる分画処理の工程を、
膜非透過画分の遊離アミノ酸の濃度を経時的に測定しな
がら実施することにより、膜非透過画分の遊離アミノ酸
の濃度が、ほぼ0になった時点で分画処理を終了するこ
とが望ましいことが判明した。
【0110】なお、酵素及び原料蛋白質の種類を変更し
て試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0111】
【表4】
【0112】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0113】
【実施例】
実施例1 チロシン及びフェニルアラニンの含量を前記試験方法に
より予め求めた市販の食用カゼイン[アラシド。ニュー
ジーランド・デイリー・ボード製。蛋白質含量85%、
チロシン及びフェニルアラニンの含量82(mg/g蛋
白質)]を原料蛋白質として使用し、その10kgを1
0%濃度で脱イオン水に分散し、10%水酸化ナトリウ
ム溶液でpH7.0に調整して溶解し、80℃で10分
間加熱殺菌し、のち50℃に保持し、10%水酸化ナト
リウムによりpH9.0に調整し、パンクレアチンF
(天野製薬社製)150g、トリプシン(ノボ・ノルデ
ィスク社製)50g、及びパパインW−40(天野製薬
社製)50gを添加し、Inertosil PREP-ODSカラム(G
Lサイエンス社製。6.5×250mm)を装着したH
PLC(島津製作所社製)により蛋白質加水分解液中の
遊離型のチロシン及びフェニルアラニンの濃度を経時的
に測定しながら加水分解反応を行い、前記測定値に基づ
いて前記試験方法により求められる原料蛋白質の全チロ
シン及びフェニルアラニン含量に対する遊離型のチロシ
ン及びフェニルアラニンの含量の百分率が54%となっ
た時点、即ち14時間加水分解した時点で、90℃、4
0分間の加熱処理を行い、酵素を失活させ、加水分解を
停止するとともに臭気成分を発生させ、のち冷却し、限
外濾過により沈殿物を除去し、常法により噴霧乾燥し、
粉末状の加熱処理済蛋白質加水分解物約7.1kgを得
た。
【0114】得られた加熱処理済蛋白質加水分解物は、
前記試験した結果、蛋白質の分解率は31%、遊離アミ
ノ酸含有率30%を示した。
【0115】次いで、加熱処理済蛋白質加水分解物3k
gを、脱イオン水を加えて濃度5%に溶解し、この加熱
処理済蛋白質加水分解物水溶液(遊離アミノ酸濃度15
0.0mmol/L)をナノフィルトレーション膜NT
R−7410(日東電工社製)により、膜非透過画分の
濃度を20%に濃縮し、膜非透過画分に加水を行い、流
水透析濾過(ダイアフィルトレーション)を実施し、遊
離アミノ酸測定用酵素膜センサー(旭化成工業社製)を
装着したバイオテックアナライザー(旭化成工業社製)
により膜非透過画分の遊離アミノ酸濃度を経時的、かつ
短時間に測定し、遊離アミノ酸濃度が0.0mmol/
Lとなった時点、即ち2時間経過した時点で、ナノフィ
ルトレーション膜による分画処理を停止し、膜透過画分
と膜非透過画分をそれぞれ分けて回収し、次いで、膜透
過画分にのみ粉末活性炭[白鷺(武田薬品工業社製)]
100gを投入して脱臭処理し、常法により活性炭を除
去した後、未処理の膜非透過画分と混合し、この混合物
をエバポレーターにより濃縮し、凍結乾燥し、臭気の低
減された蛋白質加水分解物約2.7kgを得た。
【0116】得られた臭気の低減された蛋白質加水分解
物の不快臭度を前記試験方法により試験した結果、不快
感がなく望ましいという評価であり、再加熱により不快
な臭気の発生も認められなかった。
【0117】実施例2 チロシン及びフェニルアラニンの含量を前記試験方法に
より予め求めた市販の乳清蛋白質濃縮物[ミラクテール
80。ミライ社製。蛋白質含量75%、チロシン及びフ
ェニルアラニンの含量67(mg/g蛋白質)]を原料
蛋白質として使用し、その5kgを10%濃度で脱イオ
ン水に溶解し、70℃で15秒間加熱殺菌し、のち50
℃に保持し、10%水酸化ナトリウムによりpH8.5
に調整し、パンクレアチンF(天野製薬社製)100
g、プロテアーゼA(天野製薬社製)20g、及びアル
カラーゼ(ノボ・ノルディスク社製)50gを添加し、
Inertosil PREP-ODSカラム(GLサイエンス社製。6.
5×250mm)を装着したHPLC(島津製作所社
製)により蛋白質加水分解液中の遊離型のチロシン及び
フェニルアラニンの濃度を経時的に測定しながら加水分
解反応を行い、前記測定値に基づいて前記試験方法によ
り求められる原料蛋白質の全チロシン及びフェニルアラ
ニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラニ
ンの含量の百分率が68%となった時点、即ち12時間
加水分解した時点で、100℃、50分間の加熱処理を
行い、酵素を失活させ、加水分解を停止するとともに臭
気成分を発生させ、のち冷却し、セライト濾過により沈
殿物を除去し、加熱処理済蛋白質加水分解物水溶液約4
0Lを得た。
【0118】得られた加熱処理済蛋白質加水分解物を、
前記試験方法と同一の方法により試験した結果、蛋白質
の分解率は46%、遊離アミノ酸含有率は43%を示し
た。
【0119】次いで、この加熱処理済蛋白質加水分解物
水溶液(遊離アミノ酸濃度340.9mmol/L)を
ナノフィルトレーション膜SU−610(東レ社製)に
より、膜非透過画分の濃度を20%に濃縮し、膜非透過
画分に加水を行い、流水透析濾過(ダイアフィルトレー
ション)を実施し、遊離アミノ酸測定用酵素膜センサー
(旭化成工業社製)を装着したバイオテックアナライザ
ー(旭化成工業社製)により膜非透過画分の遊離アミノ
酸濃度を経時的、かつ短時間に測定し、遊離アミノ酸濃
度が0.0mmol/Lとなった時点、即ち3時間経過
した時点で、ナノフィルトレーション膜による分画処理
を停止し、膜透過画分と膜非透過画分をそれぞれ分けて
回収し、のち膜透過画分のみを吸着樹脂KS−35(北
越炭素社製)を充填した長さ75cm、直径30cmの
カラムに通液して脱臭処理し、未処理の膜非透過画分と
混合し、この混合物をエバポレーターにより濃縮し、凍
結乾燥し、臭気の低減された蛋白質加水分解物約2.9
kgを得た。
【0120】得られた臭気の低減された蛋白質加水分解
物の不快臭度を前記試験方法により試験した結果、不快
感がなく望ましいという評価であり、再加熱により不快
な臭気の発生も認められなかった。
【0121】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、臭気の
低減された蛋白質加水分解物の製造方法であり、本発明
により奏せられる効果は次のとおりである。 1)有用なペプチド成分の喪失がなく、アミノ酸スコア
が100%の臭気の低減された蛋白質加水分解物が得ら
れる。 2)蛋白質加水分解物の回収率が高い。 3)同一量の蛋白質加水分解物の製造に使用する脱臭処
理剤の量を少なくすることができる。 4)再加熱により不快な臭気の発生がない臭気の低減さ
れた蛋白質加水分解物が得られる。 5)食品素材又は化粧品素材として広範な利用価値を有
する臭気の低減された蛋白質加水分解物を、脱臭による
有用な成分の喪失を最小限に抑えて安定して効率よく製
造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料蛋白質の全チロシン及びフェニルア
    ラニン含量に対する遊離型のチロシン及びフェニルアラ
    ニンの含量の百分率が75%(重量)以下の範囲で蛋白
    質を加水分解し、加水分解反応後、90℃以上の温度条
    件で、40分間以上加熱処理を行い、のち加熱処理済蛋
    白質加水分解物をナノフィルトレーション膜を用いてペ
    プチドを主体とする膜非透過画分と、遊離アミノ酸及び
    臭気の原因物質を主成分とする膜透過画分とに分画し、
    膜透過画分を脱臭処理し、前記膜非透過画分と混合する
    ことを特徴とする臭気の低減された蛋白質加水分解物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ナノフィルトレーション膜による分画
    が、流水透析濾過法により行われ、かつ膜非透過画分中
    に含有される遊離アミノ酸の濃度の測定を経時的に行わ
    れる請求項1に記載の臭気の低減された蛋白質加水分解
    物の製造方法。
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