JPH02265441A - 牛乳乳清蛋白質中のβ―ラクトログロブリンの選択的酵素分解方法 - Google Patents

牛乳乳清蛋白質中のβ―ラクトログロブリンの選択的酵素分解方法

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JPH02265441A
JPH02265441A JP1158252A JP15825289A JPH02265441A JP H02265441 A JPH02265441 A JP H02265441A JP 1158252 A JP1158252 A JP 1158252A JP 15825289 A JP15825289 A JP 15825289A JP H02265441 A JPH02265441 A JP H02265441A
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    • AHUMAN NECESSITIES
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は牛乳乳清蛋白質中のβ−ラクトグロブリンを選
択的に酵素分解する方法に関するものである。
更に詳細には、本発明はβ−ラクトグロブリンを選択的
に分解できる酵素を用いて牛乳乳清蛋白質中のβ−ラク
トグロブリンを選択的に分解する゛方法に関するもので
ある。
母乳にはほとんど存在しないβ−ラクトグロブリン(以
下β−Lgと記す)は、時として乳児にとっては強いア
レルゲンとして作用するものである。
本発明によってβ−Lgを分解消去した牛乳乳清蛋白質
を育児用食品調製蛋白源とすれば、アレルゲン性の弱い
育児用食品を提供することができることになる。
(従来技術) 一般に、育児用調製粉乳の製造に際しては、牛乳の蛋白
質成分組成を母乳の蛋白質成分組成に近づける努力がな
されている。
牛乳と母乳の間で最も相違するところは、牛乳に多量に
含まれるβ−1gが母乳にはほとんど含まれていないこ
とである。
従来、調製粉乳の蛋白質組成を母乳の蛋白質組成に近付
けるために、カゼインの一部を乳清蛋白質で置換するこ
とは行なわれている。しかし、この方法では母乳に存在
しない他の成分も混合し、しかもβ−1gの絶対量を少
くすることはできないので、本質的な改善にはならなか
った。
また、乳清または乳清蛋白質濃縮物に特定範囲量の塩化
第二鉄を添加して特定のPH範囲、温度範囲でβ−Lg
低減乳清蛋白質を沈澱として分取する方法(特開昭59
−113848) 、この方法と異なる範囲の塩化第二
鉄量、pl(、温度で乳清または乳清蛋白質濃縮物を処
理し、β−Lg低減蛋白質を上清として分取する方法(
特開昭6l−268131)、および乳清または乳清蛋
白質濃縮物を脱塩後、特定pH範囲に調整し1次いでこ
れを所定の温度範囲内で加熱してβ−Lg低減蛋白質を
沈澱として分取する方法(特開昭6l−268138)
などが提案されている。
しかしながら、乳清蛋白質にはβ−1gが約50%と多
量に含まれているところから、塩化第二鉄法による沈澱
処理では、β−Lg以外の蛋白質も除去される部分が多
く、実用性に乏しいという欠点がある。
また、乳清または乳清蛋白質濃縮物の脱塩後にβ−1g
を可溶性画分に除去する方法では重要な窒素栄養である
非蛋白態窒素成分、例えば尿素、グリコマクロペプチド
などの同伴損失が起る欠点がある。
また、蛋白分解酵素処理によって減アレルゲン性を図っ
たものとして乳酸菌菌体破壊物とバンクレアチンおよび
アスペルギルス属糸状菌より得られた蛋白分解酵素の三
種からなる混合物を特定の温度範囲で乳蛋白質に作用さ
せ、アミノ基含有化合物が所定量遊離した時点で反応を
停止し、無抗原性蛋白質分解物を得る方法(特開昭54
−36235)ならびに乳蛋白質にパンクレアチンとバ
チルス属細菌由来の蛋白分解酵素を作用させて無抗原か
つ易溶性の乳蛋白質分解物を得る方法(特開昭62−1
71644)が提案されている。
しかしながら、乳蛋白質の酵素処理による減アレルゲン
法では構成蛋白質すべてがアミノ酸または小ペプチドに
分解されるので分解産物の特異的な味もしくは苦味が生
成し、食品としての価値が低下し、しかも蛋白質として
の重要な機能が失われるという欠点を有していたのであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 乳清蛋白質巾約50%も含まれるβ−1gだけを分解消
去し、アレルゲンのない育児用食品素材を調製しなけれ
ばならない。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、牛乳乳清蛋白質中のβ−1gのみを酵素
的に分解して消去する方法を求めて鋭意研究したところ
、微生物由来の蛋白分解酵素、たとえばアスペルギルス
属糸状菌由来の蛋白分解酵素。
枯草菌由来の蛋白分解酵素、放線菌由来の蛋白分解酵素
、動物由来の蛋白分解酵素、たとえばトリプシン、α−
キモトリプシンを使用して選択的にβ−1gを酵素分解
できる条件を設定すれば牛乳乳清蛋白質水溶液中のβ−
1gのみが分解されることを知ったのである。
従来、アスペルギルス属糸状菌に由来する蛋白分解酵素
を用いて乳清蛋白質全体を分解する方法は知られている
(特公昭54−36235)が乳清蛋白質混合系で個々
の蛋白質の被分解性を詳細に追跡した例はほとんどなく
、ましてや各種蛋白分解酵素によってβ−1gのみを分
解したことは全く知られていない。
本発明においては、牛乳乳清蛋白質水溶液にアスペルギ
ルス属糸状菌由来の蛋白分解酵素、枯草菌由来の蛋白分
解酵素又は放線菌(Streptomycesgris
eus)由来の蛋白分解酵素、トリプシン、又はα−キ
モトリプシンを加え、pH7〜9、温度30〜40℃、
30分〜20時間の範囲において処理する。アスペルギ
ルス属糸状菌、枯草菌または放線菌由来の蛋白分解酵素
使用の場合は基質蛋白質1g当り220mg、  トリ
プシン、α−キモトリプシン使用の場合は120mgの
グリシン相当の10%トリクロロ酢酸(以下10%TC
Aと記す)可溶性アミノ基含有化合物が遊離するまで蛋
白質を分解処理するのがよい。
本発明において、アスペルギルス属糸状菌由来の蛋白分
解酵素、枯草菌由来の蛋白分解酵素、放線菌由来の蛋白
分解酵素、トリプシン又はキモトリプシンによる乳清蛋
白質中のβ−Lgの選択的酵素分解はきわめて特徴的で
あって、酸性域に最高活性を有する他の蛋白分解酵素で
はβ−Lgの選択的酵素分解は確認できない。
本発明におけるSDS電気泳動法 (SDS−polyacrylamide gel e
lectrophoresis)はLaammliの変
法(Laemmli、 U、 K、 1970.Cle
avageof 5tructural protei
ns during the assemblyof 
the head of bacteriophage
 T4. Nature 227 :、680)におい
て行った・ その条件は次の通りである。
1、ゲル組成 ゲル厚1mm 1−1濃縮ゲル アクリルアミド濃度;4%         Xビスア
クリルアミド:アクリルアミド=1:10$ ゲルバッファー;ラウリル硫酸ナトリウム1%、尿素6
Mを含有する0、125M トリス−塩酸、pH6,8 TEMED濃度; 0.125% 過硫酸アンモニウム濃度; 0,3mg/mff1傘S
odium Dodecyl 5ulfate1−2分
離ゲル アクリルアミド濃度;15% ビスアクリルアミド:アクリルアミド=1:37ゲルパ
ツフアー;ラウリル硫酸ナトリウム1%、尿素6Mを含
有する0、375M )−リス−塩酸、pH8,9TE
MED濃度; 0.125% 過硫酸アンモニウム濃度”、 0.3++g/mQ2、
泳動バッファー ラウリル硫酸ナトリウム Ig/R トリス         3gIQ グリシン       14.4g/Qp)18.33
、染色液組成 りマシーブリリアントブルー   2g/ Q酢1i1
            92tQ/Qメタノール  
        454履Q/124、脱色液組成 酢酸             75mQ/ Qメタノ
ール          250■Q/Q5、電気泳動
試料の調製 試料液(例えば酵素分解した1%単離乳清蛋白質)1m
aを20%トリクロル酢酸1mAと混合し、室温で30
分放置後、遠心分離(1,500g、30分)シ、得ら
れた沈澱を10%トリクロル酢酸1mRに懸濁し、遠心
分離(1,500g、30分)し、得られた沈澱を2%
SDSを含み、6M尿素を含む0.5M トリス−塩酸
バッフy  (pH8,0) 1 tx、Qに溶解し、
加熱して、2分間沸騰させ1次いで0.05%ブロムフ
ェノールブルー1■gを添加し、得られた処理液のlO
μΩを電気泳動試料とした。
第1図には市販の蛋白分解酵素による乳清蛋白質の分解
処理後のSDS電気泳動図が示される。
第1図のSO5電気泳動図にはペプシン、トリプシン、
α−キモトリプシン、バンクレアチンおよびアマノA(
天野製薬製;アスペルギルス属糸状菌由来の蛋白分解酵
素)の各酵素及びペプシンとそれらの組合せの至適P)
l下、37℃における乳清蛋白質への4時間の反応の結
果が示されるが、ここではアマノA以外にトリプシン、
α−キモトリプシンの処理によってβ−Lgの選択的酵
素分解が確認された。しかし、ペプシンにより前処理を
した場合は、これら酵素のβ−Lg選択的酵素分解能は
失なわれることも明らかとなった。
また、第2図はニュートラーゼ(ノボ社製;枯草菌由来
の蛋白分解酵素)によるpH7,0,35℃。
4時間の乳清蛋白質の酵素処理後のSO3電気泳動図で
あるが、これによってニュートラーゼにβ−t、gの選
択的酵素分解能のあることが明らかとなった・ また、第3図は第1図の酵素反応を24時間行った後の
SO3@気泳動図であるが、反応時間が24時間にもな
ると、β−Lgの選択的酵素分解能がなくなることも明
らかとなった。
また、第4図は放線菌(Streptomyces g
riseus)由来の蛋白分解酵素で処理した乳清蛋白
質のsDs電気泳動図であるが、反応時間が3時間にな
るとβ−Lgが1選択的に分解されることが明らがとな
った・ これらの実験から、β−Lgの選択的分解には有効酵素
による短時間処理が必要条件であることがわかる。
また、適切な選択分解能を得るには、7〜9の反応pH
130〜40℃の反応温度が好ましい。p)17未満に
なるとβ−Lgの分解がほとんど起らず、pH5以下で
は逆にβ−t、g以外の乳清蛋白質成分が分解される。
またpHが9を超えるとβ−tg選択分解能がなくなる
ことがあるので好ましくない、また。
反応温度が30℃未満であるとβ−t、gの分解は大巾
に遅れるので産業上適当でなく、40℃を超えるとβ−
Lg選択分解能が失われるので好ましくない。
一般的に、所定の分解産物を得るための反応時間は使用
酵素の力価によって変り力価が高い場合は短く、低い場
合は長くなり、しかもこの力価とその単位は酵素メーカ
ーによって異なり、同一メーカーの同種の酵素でも常時
一定の力価であるとは限らない、従って同一メーカー、
異なるメーカーいずれの酵素を使うにしても、酵素反応
を時間で限定する場合は力価を揃える必要が生じる。し
かしながらメーカーが異なる場合は前記のように力価の
単位が異なるのでこれが困難となる。
本発明においては、酵素力価の変動に対応するため、分
解生成物の生成量によって処理時間をきめるのがよい。
SOS電気泳動操作に対応して乳清蛋白質の分解によっ
て遊離してくる10%TCA可溶アミノ基含有化合物の
量を、標準物質としてグリシンを使用して測定するとβ
−Lgの分解消失する反応時間4時間では使用酵素がア
マノAの場合は基質蛋白質1g当り220mgであり、
またトリプシンとα−キモトリプシンの場合は120m
gであって、この程度の分解が6時間まで続く。
モしてβ−Lgの選択分解能が失われる時間の24時間
ではアマノAが400@g、  トリプシンとα−キモ
トリプシンが170Bのアミノ基含有化合物を遊離する
ことになる。
また、シグマ社のウシトリプシン(Sig■a社、T−
8003)を使用する場合は、 pH8,0テ、37℃
テ、30分間の酵素反応でβ−Lgはほとんど消滅して
しまう。
本発明において、乳清蛋白質中のβ−t、gを酵素によ
り選択的に分解するにはこれに適した酵素としてアマノ
Aで代表されるアスペルギルス属糸状菌由来の中性蛋白
分解酵素、あるいは枯草菌由来の中性蛋白分解酵素ある
いは放線菌 (Straptomyces griseus)由来の
蛋白分解酵素、あるいはトリプシンあるいはキモトリプ
シンのいずれも使用できる。
また、一般的に1反応系のpHは7〜9.温度は30〜
40℃の範囲で、30分〜20時間を維持するのがよい
また、酵素反応すなわち、β〜Lgの分解反応の追跡に
は反応によって遊離して来る10%TCA可溶アミノ基
含有化合物の量を、標準物質としてグリシンを使用して
測定し所定の量が遊離した時点を反応の終点とする必要
がある。その量は使用酵素によっても異なるがアマノA
や枯草菌由来の中性酵素の場合は基質蛋白質1g当り約
220mg、トリプシンとキモトリプシンの場合のそれ
は約120+agとなる。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1 単離乳清蛋白質の1重量%水溶液5Ωを調製し。
これにIN水酸化ナトリウムを加えてpH7,5となし
、大型除菌フィルターを通して蒸気殺菌済みの実容量5
Qのジャーファメンターに注入した。一方、アスペルギ
ルス属糸状菌由来の中性蛋白分解酵素「アマノAJ(天
野製薬製)を上記基質蛋白質に対して1重量%になるよ
うに計りとりこれを少量の水に溶解して小型除菌フィル
ターを通して殺菌済みの三角フラスコに採取した。これ
を前記ジャーノアメンタ−中の乳清蛋白質液に無菌的に
全量加えて攪拌しつつPH7,5,37℃にて酵素反応
を行った。
反応の追跡は前記のように遊離したアミノ基含有化合物
の量の経時的な測定を行い、この方法としてグリシンを
標準物質においたニンヒドリン比色法を採用、基質蛋白
質1g当リアミノ基含有化合物が220I1g遊離した
時点で反応を中止した(反応開始後5時間)、これがβ
−t、g分解の最適点であることをSO5電気泳動法に
よって確認した。
得られた反応液を噴震乾燥してβ−Lg画分の83%が
低分子化されたβ−Lg低減乳清蛋白質49gを得た。
実施例2 実施例1と同様に調製殺菌したジャーノアメンタ−中の
1%乳清蛋白質液5Qに基質に対して1重量%の量に相
当する枯草菌由来の中性蛋白分解酵素「ニュートラーゼ
」(ノボ社製)の除菌水溶液全量を加え、攪拌しつつp
H7,0,40℃で酵素反応を行った。そして反応追跡
操作を実施例1と同様に行いアミノ基含有化合物が基質
1g当り220■g遊離した時点で反応を止め(反応開
始後4時間)、噴霧乾燥を行い、β−14の80%が分
解されたβ−Lg低減乳清蛋白質47gを得た。
実施例3 実施例1,2と同様に潤製殺菌したジャーノアメンタ−
中の1%乳清蛋白質液52に基質に対して1重量%に相
当する量のトリプシンの除菌水溶液全量を加え、攪拌し
つつpH7,5,37℃で酵素反応を行いアミノ基含有
化合物が基質1g当り120−g遊離した時点で反応を
止めた(反応開始後4時間)、この反応物を噴霧乾燥し
てβ−Lgの87%が分解されたβ−tg低減乳清蛋白
質48gを得た。
実施例4 乳清蛋白質濃縮物761.84kg(蛋白質; 1.3
98kg)と乳清蛋白質濃縮物356.63kg(蛋白
質; 2−22−23lを混合し、加水して蛋白質5%
溶液74.38kgを得た。
これを10%水酸化ナトリウムにてpH8,0に調整し
、これにウシトリプシン(Sigma社、T−8003
)1.2XIO” BAEE unitを添加し、PH
8,0,37℃で攪拌しつつ90分間酵素反応を行った
酵素反応0〜90分の間の水酸化ナトリウム消費量(+
wol/kg蛋白質)を測定し、その結果を第5図に示
した。
第5図から酵素反応は90分でほとんど終了するのが分
る。
また、酵素反応0〜90分間のSO5電気泳動分析を行
い、その結果を第6図に示した。
第6図から酵素反応60分後にβ−Lgは選択的に分解
されているのが分る。
実施例5 単離乳清蛋白質の0.5重量%水溶液IQを調製し、こ
れをIN水酸化ナトリウムにてP)l 8.0とし、こ
れにウシトリプシン(Sigma社、T−8003)2
.5 X10’ BAEE unit/g単離乳清蛋白
質を添加し、 PH8,0,37℃で攪拌しつつ2時間
酵素反応を行った。
酵素未反応液20μQ及び酵素反応液20μQをHPL
Cにかけた。
)IPLc(High Performance Li
quidChromatography)の条件は次の
通りである。
カラム: TSK G20005vXL(東ソー)移動
相; 0.1M硫酸ナトリウムを含む50■阿リン酸ナ
トリウムバツフアー、pH6,8 流速 ; 1履Q/園in 検出方法;紫外吸収(λ= 280n腫)試料濃度;単
離乳清蛋白質の場合0.5%、乳清蛋白質として0.4
5% 試料液量;20μ党 カラム温度;25℃ )IPLC分離のクロマトグラムは第7図に示される。
(a)は酵素未反応液のものを示し、(b)は酵素反応
液のものを示す。
第7図からウシトリプシン(Sigma社、T−800
3)による2時“間反応によって完全にβ−Lgが選択
的に分解されているのが分る。
実施例6 本実施例においては、PCA反応(1,Mota an
d D。
Vong、1969.Life 5cience 88
13)の抗原抗体反応による 1、 β−り、の選択的分解 2. α−ラクトアルブミン(以下α−Laと記す)の
残存 の確認を行った。
1、  @白質を含む試料の調製 単離乳清蛋白質の1重量%水溶液IQを調製し、これを
IN水酸化ナトリウムにてPH8,0とし、これにウシ
トリプシン(Sigjma社、 T−8003)10’
 BABEunit/100mg単離乳清蛋白質を添加
し、PH8,0,37℃で攪拌しつつ2時間酵素反応を
行った。
酵素未反応液及び酵素反応液を蛋白質を含む試料とした
2、受身皮膚アナフィラキシ−(PassiveCut
anaous Araphylaxis : PCA)
育毛を刈ったラット(雄、7週齢)を用意する。
一方、0.15N塩化ナトリウムを含む10mMリン酸
ナトリウムバッファー(以下PBSと記す; Phos
phateBuffered 5aline)を用いて
、マウス抗β−Lg血清ノ172希釈系列(1/10.
1/20.1/40.1/80. )及びマウス抗a−
L、a血清の1/2希釈系列(1/10.1/20.1
/40.1/80、)を作り、各希釈血清50jtQを
上記のラットの背部に皮肉注射し、24±2時間感作し
1で得た蛋白質を含む試料(蛋白質1mgを含有)を含
む1%エバンスブルー液0.5ra(1を尾静脈より注
射し、30分後層殺し、背部皮膚をはいで紫斑を観察し
た。
結果は第8図及び第9図に示される。
第8図は酵素未反応液の反応を示し、第9図は酵素反応
液の反応を示している。
第8図から酵素未反応液にはα−La及びβ−Lgのい
ずれも多量含まれているのが分る。
また、第9図からは酵素反応液には多量のα−L8が残
っているが、β−Lgはほとんど分解され、ごく少量残
存するのが分る。
実施例7 本実施例においては、中和PCA法によって、抗原抗体
反応による 1、 β−t、gの選択的分解 2、 α−Laの残存 の確認を行った。
1、蛋白質を含む試料の調製 実施例6と同様にして、酵素未反応液及び酵素反応液を
蛋白質を含む試料とした。
2、 中和PCA法 育毛を刈ったラット(′m、7週齢)を用意する。
200 u g乳清蛋白質を含む各試料又はPBSの各
IVOIとマウス抗β−t、g血清又は抗α−La血清
の各1volを混合し、25℃、2時間中和反応を行い
、混合液の1/2系列希釈(1/10.1/20.1/
40.1/80)液50μaを育毛をかったラット(雄
、7適齢〕の背部に皮肉注射し、24±2時間感作し、
lag β−Lg又はα−Laを含む1%エバンスブル
ー液0.5mmを尾静脈より静注し、30分後に層殺し
、背部皮膚をはいで、内側の紫斑を観察した。
結果は第10図及び第11図に示される。
第10図はマウス抗α−La血清による中和反応後α−
Laによる抗原抗体反応をIil!察した図で、第11
図はマウス抗β−t、g血清による中和反応後β−Lg
による抗原抗体反応を観察した図である。
第10図から、酵素未反応液及び酵素反応液のいずれに
もα−Laは多量の含まれているのが分り、第11図か
らβ−t、gは酵素反応液にはほとんど含まれていない
のが分る。
(発明の効果) 本発明においてはβ−t、g以外の乳清蛋白質1例えば
α−Laや免疫グロブリン、ウシ血清アルブミンなどは
殆ど分解されることがなくβ−t、gのみが選択的に分
解されて非アレルゲン性の低分子ペプチドに変換される
。そしてこのペプチドには苦味等の風味は存在していな
い、また、β−Lg以外の乳清蛋白質は未分解であるの
で乳化力が保持されておりさらに、部分分解物が経口摂
取された場合、通常難消化性であるβ−Lgがすでに分
解されているので、生体内での消化吸収率が向上するな
ど種々の利点を有しており、本発明の処理物は育児用食
品素材としてきbめて有望である。
【図面の簡単な説明】
第1図は市販蛋白分解酵素による乳清蛋白質の分解後の
SDS電気泳動図で、第2図はニュートラーゼによる乳
清蛋白質の酵素処理後のSO5電気泳動因で、第3図は
第1図の酵素反応を24時間行った後のSDS電気泳動
図動因第4図は放線菌(Streptomyces g
riseus)由来の蛋白分解酵素で処理した乳清蛋白
質のSDS電気泳動図動因る。 第5図は実施例4においてウシトリプシンで乳清を0〜
90分間酵素処理した分解曲線を示し、第6図は分解時
の乳清蛋白質のSDS電気泳動図動因る。 第7図は実施例5においてHPLCにかけた図で、(a
)は酵素未反応液のもの、(b)は酵素反応液のものを
示す。 第8図は実施例6で酵素未反応液をPCA法で背部皮膚
の紫斑をa察した図で、第9図は同様に酵素反応液でa
察した図である。 第10図は実施例7で、酵素未反応液、酵素反応液及び
PBSにマウス抗α−La血清を添加、中和反応させた
後α−Laを静注し、背部皮膚の紫斑を観察した図で、
第11図は酵素未反応液、酵素反応液及びPBSにマウ
ス抗β−t、g血清を添加、中和反応させた後β−Lg
を静注し、背部皮膚の紫斑をa察した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)牛乳乳清蛋白質水溶液に動物由来又は微生物由来
    の蛋白分解酵素を添加し、β−ラクトグロブリンを選択
    的に酵素分解することを特徴とする牛乳乳清蛋白質中の
    β−ラクトグロブリンの選択的酵素分解方法。
  2. (2)牛乳乳清蛋白質水溶液に動物由来又は微生物由来
    の蛋白分解酵素を添加し、pH7〜9、30〜40℃、
    30分〜20時間処理し、β−ラクトグロブリンを選択
    的に酵素分解することを特徴とする牛乳乳清蛋白質中の
    β−ラクトグロブリンの選択的酵素分解方法。
  3. (3)動物由来の蛋白分解酵素がトリプシン、α−キモ
    トリプシンからなる群から選択された1種以上である請
    求項1又は2の牛乳乳清蛋白質中のβ−ラクトグロブリ
    ンの選択的酵素分解方法。
  4. (4)微生物由来の蛋白分解酵素がアスペルギルス属糸
    状菌由来の蛋白分解酵素、枯草菌由来の蛋白分解酵素、
    放線菌由来の蛋白分解酵素からなる群から選択された1
    種以上である請求項1又は2の牛乳乳清蛋白質中のβ−
    ラクトグロブリンの選択的酵素分解方法。
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