JPH10270686A - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ - Google Patents

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ

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JPH10270686A
JPH10270686A JP7514497A JP7514497A JPH10270686A JP H10270686 A JPH10270686 A JP H10270686A JP 7514497 A JP7514497 A JP 7514497A JP 7514497 A JP7514497 A JP 7514497A JP H10270686 A JPH10270686 A JP H10270686A
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JP
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groove
drain
type layer
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JP7514497A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Ogura
弘義 小倉
Michiya Ootsuji
通也 大辻
Hiroyuki Shindo
裕之 進藤
Shigeru Nagao
茂 長尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オン電圧の上昇を抑えて、ターンオフ時間の
短縮が可能な絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを実
現する。 【解決手段】 チップ周辺部に活性領域14と不活性領
域15とに分離するための溝12を設け、この溝12を
ガラスパシベーンョン膜13で被覆したことを特徴とす
る。溝12は、ドレインN- 型層3表面からコレクタP
型層1に充分到達する深さに形成し、P型主接合領域5
が溝12と接触している。また、活性領域14におい
て、P型ウェル4およびP型主接合領域5はエミッタ電
極10と電気的にコンタクトをとり、不活性領域15の
ドレインN- 型層3の表面は電気的に解放状態である。
不活性領域15には、エミッタ電極10からの電子は流
入せず、コレクタP型層1からの少数キャリアの注入が
なく、不活性領域15のドレインN+ 型層2およびドレ
インN- 型層3に蓄積される少数キャリアも無くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーエレクトロ
ニクス分野で使用される電力用半導体素子の一つである
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下「IGB
T」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】電力用半導体素子として、代表的なもの
に、バイポーラトランジスタ,IGBT,パワーMOS
FETがある。これらの素子は、使用する電圧−電流
(容量)と動作周波数の範囲によって使い分けられ、お
のおの対応した用途に用いられている。
【0003】例えば、バイポーラトランジスタは、1k
Hz前後の動作周波数範囲で、低速の汎用インバータ用
制御素子として主に使用されている。一方、パワーMO
SFETは、ユニポーラ素子であるため50kHz以上
の高速動作が可能であり、各種スイッチング電源用やオ
ーディオ用電源分野などに使用されている。IGBT
は、上記の二つの素子の中間に位置し、〜1kHz程度
の低速から、〜40kHz程度の動作周波数範囲をカバ
ーし、主に溶接機の電源やIPM(インテリジェントパ
ワーモジュール)として各種インバータ制御用素子とし
て広く利用されており、素子特性の改善に応じて、近
年、使用範囲を益々拡大している。
【0004】以下、図面を参照しながら従来から使用さ
れているN型IGBTを例として説明する。図4は従来
のプレーナIGBTの構造を示す断面図である。図4に
おいて、1はコレクタP型層、2はドレインN+ 型層
(バッファ層)、3はドレインN- 型層、4はP型ウェ
ル、5はP型主接合領域、6はP型ウェル4内に形成さ
れたエミッタN+ 型領域、8はゲート酸化膜、7はゲー
ト電極、9は絶縁膜、10はエミッタ電極、11はコレ
クタ電極である。これらによりIGBTの活性領域14
が形成されている。また、ドレインN- 型層3表面のチ
ップ周辺部に高耐圧化のために必要なP型のガードリン
グ領域42を有する。これらのチップ周辺領域は、素子
の動作時には、積極的な役割を担わないので不活性領域
15と言われている。
【0005】次に、このIGBTの動作について簡単に
説明する。まず、IGBTをオン状態にするために、エ
ミッタ電極10を電気的に接地し、コレクタ電極11に
正の電圧を印加する。また、ゲート電極7にしきい値以
上の正の電圧を印加する。この時、P型ウェル4内に反
転チャンネル(図示せず)が形成され、電子がエミッタ
+ 型領域6からチャンネルを通過して、ドレインN-
型層3に流入する。さらに、電子はドレインN- 型層
3,ドレインN+ 型層2中をコレクタ電極11側へと走
行する。これに応じて、コレクタP型層1から少数キャ
リアである正孔が、ドレインN+ 型層2,ドレインN-
型層3に注入され、IGBTはオン状態となる。この
時、伝導度変調効果により、ドレインN+型層2,ドレ
インN- 型層3で生じる電圧降下は減少する。そのた
め、少数キャリアである正孔の注入効率を向上させるこ
とにより、コレクタ−エミッタ間のオン電圧は低減す
る。
【0006】一方、IGBTをオフ状態とするために
は、ゲート電極7に例えば負の電圧を印加して、前述の
チャンネルを閉じて、電子の供給を止め、裏面側のコレ
クタ電極11からの正孔の注入を停止させる。しかし、
ターンオフ時に、P型ウェル4内の反転チャンネルを閉
じて電子の流入を止めても、ドレインN+ 型層2,ドレ
インN- 型層3に注入され蓄積された正孔は瞬時には消
滅せず、消滅するまでは、IGBTは阻止状態とならな
いため、時間遅れが生じ、ターンオフ時間は一般的に遅
くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】IGBTが適用される
分野の拡大につれて、動作周波数の向上がインバータ効
率の改善などのために要望されてきている。IGBTを
高速化する場合に、最も重要となるポイントは、注入さ
れ蓄積されている少数キャリアをオン電圧の上昇を招く
こと無く、いかに早く消滅させるかと言う点である。
【0008】図4に示す従来構造の場合には、不活性領
域15において、コレクタP型層1より、ドレインN+
型層2、ドレインN- 型層3に注入された正孔は、エミ
ッタ電極10と電気的なコンタクトを取っているP型主
接合領域5に流れ込む。しかし、チップ周辺ほど、コレ
クタP型層1からP型主接合領域5までの距離は増加
し、PNPトランジスタのベース幅は大きくなるため、
オン電圧の低減にあまり寄与しない領域が存在してく
る。また、高耐圧品になるほど不活性領域15の幅は大
きくなるため、より不活性領域15はオン電圧の低減に
寄与しない領域が増大することにつながる。なお、チッ
プ周辺ほど、コレクタP型層1からP型主接合領域5ま
での距離は増加するというのは、IGBTの素材は、コ
レクタP型層1の基板上に、コレクタP型層1に対して
平行にドレインN+ 型層2およびドレインN- 型層3を
形成しているため、ドレインN- 型層3内のP型主接合
領域5直下にあるコレクタP型層1−ドレインN+ 型層
2の接合面に比べ、チップ周辺部にあるコレクタP型層
1−ドレインN+ 型層2の接合面からP型主接合領域5
までの距離が長くなるということである。
【0009】ところが、増大した不活性領域15のドレ
インN+ 型層2,ドレインN- 型層3に注入された正孔
の蓄積が存在するため、不活性領域15の幅が大きくな
るにしたがって、不活性領域15に注入された正孔は、
オン電圧の低減にはあまり寄与せず、むしろ、増加した
正孔により、ターンオフ時に消滅するまでの期間が長く
なり、ターンオフ時間をさらに遅くし、損失を増加して
いるという課題を有する。
【0010】通常、ターンオフ時間の改善として、注入
キャリアのライフタイムを制御し、キャリアの再結合速
度を速めるために、電子線照射法や荷電粒子照射法によ
り、シリコン基板中に再結合中心を積極的に形成する方
法などが行われている。しかし、このようなライフタイ
ムコントロールを行うことにより、活性領域14と不活
性領域15のキャリアのライフタイムは全体的に低減す
るが、依然として少数キャリアは不活性領域15にも注
入され、ドレインN+ 型層2やドレインN- 型層3に蓄
積するため、正孔の絶対数が少なくなっても、テール電
流として、必ずターンオフ時間に影響を与え、上記課題
の根本的な改善には至っていない。
【0011】さらに、ライフタイム制御法では、オン電
圧とターンオフ時間がトレードオフの関係にあり、ター
ンオフ時間の短縮を行えば、必ずオン電圧は増大する関
係にある。本発明の目的は、オン電圧の上昇を抑えて、
ターンオフ時間の短縮が可能なIGBTを提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のIGBTは、一
導電型の半導体基板と、半導体基板上に形成した逆導電
型の高濃度ドレイン層と、高濃度ドレイン層上に形成し
た逆導電型の低濃度ドレイン層と、低濃度ドレイン層の
表面の一部領域に形成した一導電型のウェルと、ウェル
の表面の一部領域に形成した逆導電型のエミッタ領域
と、ウェルおよびエミッタ領域の表面に接して形成した
エミッタ電極と、低濃度ドレイン層の上部に絶縁膜を介
して形成したゲート電極と、少なくともエミッタ領域を
囲み低濃度ドレイン層表面から半導体基板に到達する溝
と、溝を被覆するパシベーンョン膜とを備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1記載のIGBTは、一導
電型の半導体基板と、半導体基板上に形成した逆導電型
の高濃度ドレイン層と、高濃度ドレイン層上に形成した
逆導電型の低濃度ドレイン層と、低濃度ドレイン層の表
面の一部領域に形成した一導電型のウェルと、ウェルの
表面の一部領域に形成した逆導電型のエミッタ領域と、
ウェルおよびエミッタ領域の表面に接して形成したエミ
ッタ電極と、低濃度ドレイン層の上部に絶縁膜を介して
形成したゲート電極と、少なくともエミッタ領域を囲み
低濃度ドレイン層表面から半導体基板に到達する溝と、
溝を被覆するパシベーンョン膜とを備えている。
【0014】このように、少なくともエミッタ領域を囲
み低濃度ドレイン層表面から半導体基板に到達する溝を
設け、この溝をパシベーンョン膜で被覆したことによ
り、溝によって内部の活性領域と周辺部の不活性領域と
に分離され、不活性領域においては、エミッタ電極から
の電子は流入せず、半導体基板(コレクタ層)からの少
数キャリア(正孔)の注入もなく、不活性領域における
高濃度および低濃度ドレイン層に蓄積される少数キャリ
アは無くなり、ターンオフ時間を短縮することができ、
スイッチング速度を高め、低損失を実現することができ
る。また、溝を設けたことによるオン電圧の上昇はな
い。
【0015】請求項2記載のIGBTは、請求項1記載
のIGBTにおいて、溝をチップ周辺部に設け、半導体
基板がコレクタ層となる。請求項3記載のIGBTは、
請求項1記載のIGBTにおいて、溝は、その側壁を半
導体基板の表面と垂直に形成している。このように、溝
の側壁を半導体基板の表面と垂直に形成したことによ
り、溝の曲率の大小により生じる活性領域と不活性領域
の中間に位置する遷移的な領域を無くし、さらなるター
ンオフ特性の向上が可能で、スイッチング速度をより高
め、より低損失を実現できる 請求項4記載のIGBTは、請求項1記載のIGBTに
おいて、溝はウェハ状態における素子間分離溝を兼ね、
溝でチップに分割している。
【0016】このように、溝がウェハ状態における素子
間分離溝を兼ね、この溝でチップに分割したことによ
り、チップサイズを縮小し、小型化を図ることができ
る。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照し
ながら説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は本発明の第1の実施の形態
におけるN型IGBTの断面図である。図1において、
1は半導体基板に比較的高濃度なボロンを添加した低比
抵抗なコレクタP型層、2は比較的高濃度の隣を添加し
た低比抵抗なドレインN+ 型層、3は比較的低濃度の隣
を添加した高比抵抗なドレインN- 型層、4および5は
ボロンを導入して形成した拡散長が3〜10μmの範囲
内のP型ウェルおよびP型主接合領域、6はP型ウェル
4内に比較的高濃度の隣または批素などを導入して形成
したエミッタN+ 型領域、7は多結晶シリコンによって
形成されるゲート電極、8はゲート酸化膜、9は代表的
に2酸化シリコンおよび隣珪酸塩ガラス(PSG)によ
って形成される絶縁膜、10はアルミニウムなどの金属
によって形成されP型ウェル4の表面,P型主接合領域
5の表面とオーム接触しているエミッタ電極、11は
金,チタン,銀などの金属によって形成されコレクタP
型層1とオーム接触しているコレクタ電極、12は活性
領域14と不活性領域15とに分離するための溝、13
は鉛または亜鉛などを少量含み高温で焼成したガラスか
らなるパシベーンョン膜である。
【0017】この第1の実施の形態では、チップ周辺部
に活性領域14と不活性領域15とに分離するための溝
12を設け、この溝12をガラスからなるパシベーンョ
ン膜13で被覆したことを特徴とする。溝12は、比較
的等方性エッチング液によりドレインN- 型層3表面か
らコレクタP型層1に充分到達する深さ(例えば40μ
m〜200μmの範囲内の深さ)までエッチングするこ
とによって形成している。なお、P型主接合領域5は活
性領域14内に存在し、溝12と接触している。また、
活性領域14において、P型ウェル4およびP型主接合
領域5はエミッタ電極10と電気的にコンタクトをと
り、不活性領域15では、ドレインN- 型層3の表面は
電気的に解放状態にしている。
【0018】この実施の形態のIGBTによれば、エミ
ッタ電極10を電気的に接地し、コレクタ電極11に正
の電圧を印加し、ゲート電極7にしきい値以上の正の電
圧を印加して、オン状態にしたとき、表面のMOS部か
らの電子の注入が生じるが、活性領域14と不活性領域
15とが溝12によって分離されているため、不活性領
域15においては、エミッタ電極10からの電子は流入
せず、不活性領域15のコレクタP型層1とドレインN
+ 型層2のPN接合は、ほぼ内部電位に固定されるた
め、コレクタP型層1からの少数キャリア(正孔)の注
入はされない。このため、不活性領域15におけるドレ
インN+ 型層2およびドレインN- 型層3に蓄積される
少数キャリアは無くなり、ターンオフ時間を短縮するこ
とができ、スイッチング速度を高め、低損失を実現する
ことができる。また、溝12を設けたことによるオン電
圧の上昇はない。
【0019】なお、図1の構成では、溝12の曲率によ
り、従来のN型IGBTの不活性領域15と同様に、活
性領域14のPNPトランジスタのベース幅より大きい
ベース幅を有するベース幅増大領域16が存在する。し
かし、ベース幅増大領域16は溝12のチップ内部側の
みに存在し、従来のN型IGBTの不活性領域15より
も大幅に減少されているため、チップ全体として、ドレ
インN+ 型層2およびドレインN- 型層3に蓄積される
少数キャリアが減少し、ターンオフ時間を短縮すること
ができる。
【0020】なお、溝12がコレクタP型層1に到達し
ていない場合には、不活性領域15にも電子の注入が起
こるため、コレクタP型層1より正孔が注入されて不活
性領域15においても少数キャリアの蓄積が起こり、タ
ーンオフ時間が遅くなるため、溝12の深さは、コレク
タP型層1に充分に到達している必要がある。また、第
2の実施の形態として、図2に示すように、溝12の側
壁をコレクタP型層1の表面と垂直に形成することによ
り、図1の活性領域14と不活性領域15との中間に位
置し溝12の曲率の大小によって生じるベース幅増大領
域16が無くなり、ターンオフ時間をより短縮し、スイ
ッチング速度をより高め、より低損失を実現することが
できる。
【0021】また、第3の実施の形態として、図3に示
すように、溝12をウェハ状態における素子間の分離領
域に形成し、溝12でチップに分割(分割線17)する
ことにより、図1の場合よりも不活性領域15を大幅に
縮小することができ、チップサイズを縮小し、小型化を
図ることができ、チップコストの大幅な低減を実現する
ことができる。また、この場合も、溝12を、図2に示
すような形状としてもよい。なお、図1に示す第1の実
施の形態の場合には、溝12より周辺部のドレインN-
型層表面からコレクタP型層1に向かって素子の分割線
が存在し、そのため、溝12より周辺部に素子間分離領
域が必要となるが、図3に示す第3の実施の形態の場合
には、溝12を隣接する素子と共用し、素子の分割線1
7を溝12内に設けることにより、図1の場合の素子間
分離領域と溝12の半分を無くすことができ、不活性領
域15を大幅に縮小することができる。
【0022】なお、上記実施の形態において、パシベー
ション膜13は、ガラスを用いることで容易に形成でき
るが、ガラスの他、有機系パシベーション膜,熱酸化膜
を用いてもよい。なお、上記実施の形態では、N型IG
BTの構成例で説明したが、導電型を反対にしたP型I
GBTについても同様に実施可能である。
【0023】また、本実施の形態におけるIGBTを、
他の回路と同一半導体基板上に形成し、IGBTと他の
回路とが1つのチップに含まれる場合には、溝12でI
GBTを取り囲み、その外側に他の回路を形成すればよ
い。なお、通常のバイポーラトランジスタにおいて、同
様な溝を用いて分離領域を形成する場合があるが、バイ
ポーラトランジスタの動作周波数は1kHz程度の低速
であり、この場合の目的は、VCBO 耐圧の向上が主目的
であり、ターンオフ時間の短縮化を目的とする本発明と
は異なるものである。
【0024】
【実施例】本発明の実施例として図1に示す構造のIG
BTを用い、このIGBTと、図4に示す従来のIGB
Tとを、同一素材スペック、同一活性領域面積、同一チ
ップサイズ、同一ライフタイム制御条件で比較を行っ
た。素材は、900V耐圧用を用いた。ドレインN+
層2の厚みとドレインN- 型層3の厚みとを合わせた厚
みは約100μmである。また、ライフタイム制御法に
は、電子線照射法を使用し、熱処理条件を、両者の構造
でのIGBTの飽和電圧が平均で約2.5Vとなるよう
に設定し、ターンオフ時間を測定した。
【0025】なお、図1に示す本実施例において、溝1
2の深さは約130μmであり、ベース幅増大領域16
の幅は約50μmであり、不活性領域15の幅は約50
0μmである。図4に示す従来のIGBTにおける不活
性領域15の幅は、900Vの耐圧を実現するには約5
00μm程度の長さが必要である。図1に示す本実施例
の場合、ベース幅増大領域16でのコレクタP型層1か
らP型主接合領域5までの距離は、P型主接合領域5直
下でのコレクタP型層1からP型主接合領域5までの距
離に比べて長くなり、ベース幅増大領域16はPNPト
ランジスタのベース幅が増大している領域である。すな
わち、ベース幅増大領域16は、図4に示す従来例の不
活性領域15に相当する領域となる。ベース幅増大領域
16は、溝12を等方性のエッチングで形成しているた
めに存在し、ドレインN+ 型層2およびドレインN-
層3が厚くなるほど大きくなる。900V耐圧用の素材
の場合に、図1に示す本実施例では、ベース幅増大領域
16の幅は約50μmとなり、図4に示す従来例では、
ベース幅増大領域にあたる不活性領域15の幅は約50
0μmとなるため、本実施例では従来例に比べて約1/
10に短縮される。
【0026】この結果、従来のIGBTでは、ターンオ
フ時間は330ns(ナノ秒)であったが、本実施例の
IGBTでは、ターンオフ時間は225nsであり、従
来のIGBTよりもターンオフ時間を30%以上短縮す
ることができた。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、少なくと
もエミッタ領域を囲み低濃度ドレイン層表面から半導体
基板に到達する溝を設け、この溝をパシベーンョン膜で
被覆したことにより、溝によって内部の活性領域と周辺
部の不活性領域とに分離され、不活性領域においては、
エミッタ電極からの電子は流入せず、半導体基板(コレ
クタ層)からの少数キャリア(正孔)の注入もなく、不
活性領域における高濃度および低濃度ドレイン層に蓄積
される少数キャリアは無くなり、ターンオフ時間を短縮
することができ、スイッチング速度を高め、低損失を実
現することができる。また、溝を設けたことによるオン
電圧の上昇はない。
【0028】さらに、溝はその側壁を半導体基板の表面
と垂直に形成したことにより、溝の曲率の大小により生
じる活性領域と不活性領域の中間に位置する遷移的な領
域を無くし、さらなるターンオフ特性の向上が可能で、
スイッチング速度をより高め、より低損失を実現できる
また、溝がウェハ状態における素子間分離溝を兼ね、こ
の溝でチップに分割したことにより、チップサイズを縮
小し、小型化が図れ、チップコストを大幅に低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のIGBTの断面図
である。
【図2】本発明の第2の実施の形態のIGBTの断面図
である。
【図3】本発明の第3の実施の形態のIGBTの断面図
である。
【図4】従来のIGBTの断面図である。
【符号の説明】
1 コレクタP型層 2 ドレインN+ 型層 3 ドレインN- 型層 4 P型ウェル 5 P型主接合領域 6 エミッタN+ 型領域 7 ゲート電極 8 ゲート酸化膜 9 絶縁膜 10 エミッタ電極 11 コレクタ電極 12 溝 13 パシベーション膜 14 活性領域 15 不活性領域 16 ベース幅増大領域 17 チップの分割線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 茂 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型の半導体基板と、前記半導体基
    板上に形成した逆導電型の高濃度ドレイン層と、前記高
    濃度ドレイン層上に形成した逆導電型の低濃度ドレイン
    層と、前記低濃度ドレイン層の表面の一部領域に形成し
    た一導電型のウェルと、前記ウェルの表面の一部領域に
    形成した逆導電型のエミッタ領域と、前記ウェルおよび
    前記エミッタ領域の表面に接して形成したエミッタ電極
    と、前記低濃度ドレイン層の上部に絶縁膜を介して形成
    したゲート電極と、少なくとも前記エミッタ領域を囲み
    前記低濃度ドレイン層表面から前記半導体基板に到達す
    る溝と、前記溝を被覆するパシベーンョン膜とを備えた
    絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  2. 【請求項2】 溝をチップ周辺部に設け、半導体基板が
    コレクタ層となる請求項1記載の絶縁ゲート型バイポー
    ラトランジスタ。
  3. 【請求項3】 溝は、その側壁を半導体基板の表面と垂
    直に形成した請求項1記載の絶縁ゲート型バイポーラト
    ランジスタ。
  4. 【請求項4】 溝はウェハ状態における素子間分離溝を
    兼ね、前記溝でチップに分割した請求項1記載の絶縁ゲ
    ート型バイポーラトランジスタ。
JP7514497A 1997-03-27 1997-03-27 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ Pending JPH10270686A (ja)

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