JPH10268106A - 多層反射防止膜 - Google Patents
多層反射防止膜Info
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- JPH10268106A JPH10268106A JP9230000A JP23000097A JPH10268106A JP H10268106 A JPH10268106 A JP H10268106A JP 9230000 A JP9230000 A JP 9230000A JP 23000097 A JP23000097 A JP 23000097A JP H10268106 A JPH10268106 A JP H10268106A
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Abstract
な斜入射用多層反射防止膜を提供する。 【解決手段】入射媒質側から高屈折率層、低屈折率層の
交互層が順次積層されてなる多層反射防止膜であって、
前記交互層の前記高屈折率層の各層の光学的膜厚が同一
であり、かつ前記低屈折率層の各層の光学的膜厚が同一
であり、150nm≦λ≦250nmの波長範囲のp偏光に対し
て、70°≦θ≦80°の入射範囲で反射防止の効果を有す
る多層反射防止膜。
Description
等の紫外領域の光に有効な斜入射用多層反射防止膜に関
するものである。
開発が進み、紫外光を利用した装置への開発要求が高ま
っている。これらの装置に使用される光学素子及び光学
系では、種々の目的のために斜入射で使用可能な反射防
止膜が必要とされている。エキシマレーザーは直線偏光
であり、光学素子に対してp偏光として入射するか、s
偏光として入射するかは、光学系の配置に依存する。
率物質と低屈折率物質を交互に積層して構成され、入射
角(垂直入射からの角度)が大きくなるにしたがって、
積層数を多くする必要があり(例えば、入射角θ≧70°
では、積層数は4層以上)、また、各層の光学的膜厚が
まったく異なる任意膜厚と呼ばれる多層膜の構成であっ
た。この任意膜厚の多層膜では、各層の光学膜厚が異な
るために、成膜する際、各層の膜厚を正確に制御する必
要があった。
止膜の各層の光学的膜厚及び積層数の双方を変更して再
設計する必要があった。
任意膜厚による斜入射用多層反射防止膜を作製するには
以下のような問題点が存在した。 (1)実際に作製した斜入射用多層反射防止膜の光学特
性が設計値と一致しない場合に、各層の膜厚が異なるの
で斜入射用多層反射防止膜中のどの層の光学的膜厚が設
計値と異なっているのか特定することが困難である。し
たがって、設計値通りの光学特性を得るためには試行錯
誤する必要がある。 (2)一般的に、薄膜は成膜過程において、機械的な膜
厚方向に構造が変化するので、同じ材料で成膜しても成
膜後の膜厚が異なると屈折率が異なる。したがって、作
製する任意膜厚の斜入射用多層反射防止膜の各層の膜厚
ごとに、屈折率を評価する必要がある。 (3)任意膜厚の斜入射用多層反射防止膜を作製するた
めには、各層の光学的膜厚を制御するための成膜パラメ
ータが複雑である。
防止膜の各層の光学的膜厚及び積層数の双方を変更して
再設計する必要があり、成膜パラメータを検討し、作製
する必要があった。本発明はこのような任意膜厚の斜入
射用多層反射防止膜の問題点に対してなされたものであ
り、紫外領域の入射角度の大きな光に対して有効な斜入
射用多層反射防止膜を提供することを目的とする。
媒質側から高屈折率層、低屈折率層の交互層を順次積層
されてなる多層反射防止膜であって、前記交互層の前記
高屈折率層の各層の光学的膜厚が同一であり、かつ前記
低屈折層の各層の光学的膜厚が同一であり、150nm≦λ
≦250nmの波長範囲のp偏光に対して、70°≦θ≦80°の
入射範囲で反射防止の効果を有する多層反射防止膜(請
求項1)」を提供する。
の光学的膜厚と前記低屈折率層の光学的膜厚との和であ
る光学的周期長が、 0.6λ0 ≦ nd ≦ 0.65λ0(λ0は入射光の波長である) の範囲であり、かつ前記高屈折率層の光学的膜厚の前記
光学的周期長に対する比率が、 0.38 ≦ Γ ≦ 0.73 の範囲であることを特徴とする請求項1記載の多層反射
防止膜(請求項2)」を提供する。
数が、 5層 ≦ N ≦ 17層 の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の多
層反射防止膜(請求項3)」を提供する。また、本発明
は第四に、「前記高屈折率層の材料が、フッ化ランタン
(LaF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ネオジ
ウム(NdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、フッ
化イットリウム(YF3)およびこれらの混合物質又は化
合物の群より選ばれた1つ以上の成分であり、前記低屈
折率層の材料が、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化
マグネシウム(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フ
ッ化ナトリウム(NaF)、クライオライト(Na3AlF6)、
チオライト(Na5Al3F14)およびこれらの混合物質又は
化合物の群より選ばれた1つ以上の成分であることを特
徴とする請求項1〜3記載の多層反射防止膜(請求項
4)」を提供する。
の斜入射用多層反射防止膜を図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明にかかる実施形態の斜入射用多層反
射防止膜の概略断面図である。
は、基板3上に入射媒質側から高屈折率層1、低屈折率
層2の順に交互に積層された構成である。基板と接する
層は、積層数が奇数の場合には高屈折率層1(図1
(a))、偶数の場合には低屈折率層2(図1(b))に
なる。高屈折率層1は各層がすべて同じ光学的膜厚で積
層され、同様に低屈折率層2は各層がすべて同じ光学的
膜厚で積層されている。したがって、高屈折率層及び低
屈折率層がそれぞれ同じ材料の場合は、隣り合う高屈折
率層1と低屈折率層2の光学的膜厚は一定値となり(光
学的周期長)、本発明にかかる斜入射用多層反射防止膜
は周期構造を有している。
ス、蛍石等が挙げられる。高屈折率層の材料としては、
フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ガドリニウム(Gd
F3)、フッ化ネオジウム(NdF3)、フッ化ディスプロシ
ウム(DyF3)、フッ化イットリウム(YF3)およびこれ
らの混合物質又は化合物の群より選ばれた1つ以上の成
分が挙げられ、低屈折率層の材料としては、フッ化アル
ミニウム(AlF3)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ
化カルシウム(CaF2)、フッ化ナトリウム(NaF)、ク
ライオライト(Na3AlF6)、チオライト(Na5Al3F14)お
よびこれらの混合物質又は化合物の群より選ばれた1つ
以上の成分が挙げられる。
の和は光学的周期長nd(=nHdH+nLdL)と呼ばれ、以下の
関係を満たし、 0.6λ0 ≦ nd ≦ 0.65λ0 かつ高屈折率層の光学的膜厚の光学的周期長に対する比
率は膜厚比Γ(=nHdH/nd)と呼ばれ、以下の関係を満た
すことが好ましい。
法、スパッタ法、イオンプレーティング法等の物理的成
膜法や、CVD法等の化学的成膜法で作製することが可能
である。
は、高屈折率層の各層の光学的膜厚が同一であり、同様
に低屈折率層の各層の光学的膜厚が同一である周期構造
であるので、まず、高屈折率層と低屈折率層との2層膜
を作製し、各光学的膜厚が上記条件を満たすように成膜
条件を設定する。次に、高屈折率層と低屈折率層の各成
膜条件は一定として、入射角度に合わせて層数の異なる
斜入射用多層反射防止膜を作製する。
は、150〜250nmの波長範囲のp偏光が70〜80゜の入
射範囲で入射したとき反射防止効果がある。
に高屈折率層としてフッ化ランタン(LaF3)、低屈折率
層としてフッ化マグネシウム(MgF2)の交互層を、高屈
折率層と低屈折率層との光学的膜厚の和である光学的周
期長がnd=0.644λ0(λ0=193.4nm)、高屈折率層の光学
的膜厚の光学的周期長に対する比率がΓ=0.5となるよう
に各光学的膜厚をnHdH(LaF3)=nLdL(MgF2)=0.322λ0で成
膜した。
膜した。さらに、積層数以外の、膜材料、光学的周期長
及び比率は同じで、積層数Nを7層から17層まで1層づつ
変えた斜入射用多層反射防止膜を作製した。まず、フッ
化ランタン(LaF3)とフッ化マグネシウム(MgF2)の2
層膜を作製し、それぞれの光学的膜厚がnHdH(LaF3)=nLd
L(MgF2)=0.322λ0になるように成膜条件を設定した。次
に、フッ化ランタン(LaF3)層及びフッ化マグネシウム
(MgF2)層のそれぞれの成膜条件は一定として、層数の
異なる(7〜17層)本発明にかかる斜入射用多層反射防
止膜を作製した。このようにして作製した斜入射用多層
反射防止膜のλ=193.4nmにおけるp偏光の入射光に対す
る角度特性を測定した。
斜入射用多層反射防止膜の反射率が最小になる入射角及
びそのときの反射率を表1に示す。積層数N=7,9,13,15,
17層の本発明の斜入射用多層反射防止膜の入射角度特性
図を図2に示す。表1及び図2の結果から本発明にかか
る斜入射用多層反射防止膜は入射角70゜≦θ≦80゜の範
囲で、透過率が99%以上という十分な反射防止効果
(合成石英ガラス基板のみの場合にはθ=70゜でR=4.0
%、θ=80゜で23.3%の反射率である)を有することがわ
かる。さらに、積層数を変えるだけで、反射率が最小に
なる入射角が変化することがわかる。
てフッ化ランタン(LaF3)、低屈折率層としてクライオ
ライト(Na3AlF6)の交互層を光学的周期長である高屈
折率層と低屈折率層の光学的膜厚の和がnd=0.65λ0(λ
0=193.4nm)、高屈折率層の光学的膜厚の光学的周期長
に対する比率がΓ=0.46となるように各光学的膜厚をnHd
H(LaF3)=0.3λ0、nLdL(Na3AlF6)=0.35λ0で成膜した。
膜した。さらに、積層数以外の、膜材料、光学的周期長
及び比率は同じで、、積層数Nを5層から11層まで1層づ
つ変えた斜入射用多層反射防止膜を作製した。まず、フ
ッ化ランタン(LaF3)とクライオライト(Na3AlF6)の
2層膜を作製し、各光学的膜厚がnHdH(LaF3)=0.3λ0、n
LdL(Na3AlF6)=0.35λ0になるように成膜条件を設定し
た。次に、フッ化ランタン(LaF3)層及びクライオライ
ト(Na3AlF6)層のそれぞれの成膜条件は一定として、
層数の異なる(5〜11層)本発明の斜入射用多層反射防
止膜を作製した。このようにして作製した斜入射用多層
反射防止膜のλ=193.4nmにおけるp偏光の入射光に対す
る角度特性を測定した。積層数Nを5層から11層まで1層
づつ変えた斜入射用多層反射防止膜の反射率が最小にな
る入射角及びそのときの反射率を表2に示す。積層数N=
5,7,9,11層の本発明の斜入射用多層反射防止膜の入射角
度特性図を図3に示す。表2及び図3の結果から、本発
明にかかる斜入射用多層反射防止膜が入射角70゜≦θ≦
75゜の範囲で、透過率が99%以上という十分な反射防
止効果(蛍石基板のみの場合にはθ=70゜でR=4.3%、θ=
75゜で10.7%の反射率である)を有することがわかる。
さらに、積層数を変えるだけで、反射率が最小になる入
射角が変化することがわかる。
てフッ化ランタン(LaF3)、低屈折率層としてクライオ
ライト(Na3AlF6)の交互層を光学的周期長である高屈
折率層と低屈折率層の光学的膜厚の和がnd=0.66λ0(λ
0=248nm)、高屈折率層の光学的膜厚の光学的周期長
に対する比率がΓ=0.53となるように各光学的膜厚をnH
dH(LaF3)=0.35λ0、nLdL(Na3AlF6)=0.31λ0で成膜し
た。
膜した。さらに、積層数以外の、膜材料、光学的周期長
及び比率は同じで、、積層数Nを9層から17層まで2層づ
つ変えた斜入射用多層反射防止膜を作製した。まず、フ
ッ化ランタン(LaF3)とクライオライト(Na3AlF6)の
2層膜を作製し、各光学的膜厚がnHdH(LaF3)=0.35λ0、
nLdL(Na3AlF6)=0.31λ0になるように成膜条件を設定し
た。次に、フッ化ランタン(LaF3)層及びクライオライ
ト(Na 3AlF6)層のそれぞれの成膜条件は一定として、
層数の異なる(9〜17層)本発明の斜入射用多層反射防
止膜を作製した。このようにして作製した斜入射用多層
反射防止膜のλ=248nmにおけるp偏光の入射光に対する
角度特性を測定した。積層数Nを9層から17層まで2層づ
つ変えた斜入射用多層反射防止膜の反射率が最小になる
入射角及びそのときの反射率を表3に示す。積層数N=9,
11,13,15,17層の本発明の斜入射用多層反射防止膜の入
射角度特性図を図4に示す。表3及び図4の結果から、
本発明にかかる斜入射用多層反射防止膜が入射角72゜≦
θ≦76゜の範囲で、透過率が99%以上という十分な反
射防止効果(蛍石基板のみの場合にはθ=70゜でR=4.4
%、θ=75゜で10.8%の反射率である)を有することがわ
かる。さらに、積層数を変えるだけで、反射率が最小に
なる入射角が変化することがわかる。
層反射防止膜を作製する方法として真空蒸着法を用いた
が、この方法に限定されるものではない。その他の作製
方法として、スパッタ法、イオンプレーティング法等の
物理的成膜法や、CVD法等の化学的成膜法などでも本発
明にかかる斜入射用多層反射防止膜を作製することが可
能である。
多層反射防止膜は、高屈折率層の各層の光学的膜厚が同
一であり、同様に低屈折率層の各層の光学的膜厚が同一
である周期構造であるので、高屈折率層と低屈折率層の
2層膜を作製し、その成膜条件を把握しておけば、所望
の特性を得るためには、必要な積層数だけ同じ成膜条件
で交互に積層するだけでよく、従来に比べて作製が容易
である。また、本発明にかかる斜入射用多層反射防止膜
では、光学的周期長と比率を一定にして、積層数を変え
るだけで、150nm≦λ≦250nmの波長範囲のp偏光に対し
て、入射角が70゜≦θ≦80゜の範囲で種々の入射角に対
応する反射防止効果が得られる。
形成された光学素子を用いることにより優れた性能を有
する光学系を得ることができる。
斜入射用多層反射防止膜の断面概念図であり、(b)は
積層数が偶数の場合の本発明にかかる斜入射用多層反射
防止膜の断面概念図である。
多層反射防止膜(7、9、13、15、17層)のλ=193.4nmにおけ
るp偏光の入射角に対する反射率の入射角度特性図であ
る。
多層反射防止膜(5、7、9、11層)のλ=193.4nmにおけるp
偏光の入射角に対する反射率の入射角度特性図である。
多層反射防止膜(9、11、13、15、17層)のλ=248nmにお
けるp偏光の入射角に対する反射率の入射角度特性図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】入射媒質側から高屈折率層、低屈折率層の
交互層が順次積層されてなる多層反射防止膜であって、
前記交互層の前記高屈折率層の各層の光学的膜厚が同一
であり、かつ前記低屈折率層の各層の光学的膜厚が同一
であり、150nm≦λ≦250nmの波長範囲のp偏光に対し
て、70°≦θ≦80°の入射範囲で反射防止の効果を有す
る多層反射防止膜。 - 【請求項2】前記高屈折率層の光学的膜厚と前記低屈折
率層の光学的膜厚との和である光学的周期長が、 0.6λ0 ≦ nd ≦ 0.65λ0(λ0は入射光の波長である) の範囲であり、かつ前記高屈折率層の光学的膜厚の前記
光学的周期長に対する比率が、 0.38 ≦ Γ ≦ 0.73 の範囲であることを特徴とする請求項1記載の多層反射
防止膜。 - 【請求項3】前記交互層の層数が、 5層 ≦ N ≦ 17層 の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の多
層反射防止膜。 - 【請求項4】前記高屈折率層の材料が、フッ化ランタン
(LaF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ネオジ
ウム(NdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、フッ
化イットリウム(YF3)およびこれらの混合物質又は化
合物の群より選ばれた1つ以上の成分であり、前記低屈
折率層の材料が、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化
マグネシウム(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フ
ッ化ナトリウム(NaF)、クライオライト(Na3AlF6)、
チオライト(Na5Al3F14)およびこれらの混合物質又は
化合物の群より選ばれた1つ以上の成分であることを特
徴とする請求項1〜3記載の多層反射防止膜。
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JP1055297 | 1997-01-23 | ||
JP23000097A JP4161387B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-08-26 | 多層反射防止膜 |
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ID=26345840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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EP (1) | EP0855604B2 (ja) |
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