JPH10267067A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH10267067A
JPH10267067A JP9087670A JP8767097A JPH10267067A JP H10267067 A JPH10267067 A JP H10267067A JP 9087670 A JP9087670 A JP 9087670A JP 8767097 A JP8767097 A JP 8767097A JP H10267067 A JPH10267067 A JP H10267067A
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damping force
valve
piston rod
shock absorber
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Tatsuya Masamura
辰也 政村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、電子制御を行うことなく、低コスト
の油圧緩衝器でスカイフックダンパに匹敵する性能を得
ること、第2に、1つの慣性体スプールで伸側及び圧側
の減衰力を可変にし、重量を低減すること、第3に、作
動油と空気が混ざることを確実に防止することにより、
安定した減衰力を得ること。 【解決手段】 ピストンロッド1を伸縮自在に案内する
ロッドガイド11とベースバルブBVとの間に組付けら
れたシリンダ2及びその外側の中間パイプ40との間に
形成され、伸側減衰力を発生するピストンバルブPVを
バイパスしてリザーバ室Cに連通する第1の通路と、圧
側減衰力を発生するベースバルブBVをバイパスしリザ
ーバ室へ連通する第2の通路とを設けるとともに、下部
室B側に一対のばね28,28で挟持されて設けられ車
軸側の動きに対して応動する慣性体スプール27によ
り、前記2つの通路を開放又は閉塞するように構成した
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のサスペン
ションに関し、特に、乗心地と操安性を同時に満足させ
るのに適する油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の乗心地と操安性を両立させるサス
ペンション技術としては、例えば図4に示す特公平6-
57489号の第1図に示すものがある。これは車体や
車軸にセンサを設け、その信号をコンピュータで処理し
減衰力を制御するものである。車体が上方に動いている
時は、伸側の減衰力をハード,縮み側の減衰力をソフト
に制御し、車体が下方に動いている時は、伸側の減衰力
をソフト,縮み側の減衰力をハードに制御するもので、
一般にスカイフック制御と呼ばれ空間に仮想の機械的な
支持点があるのと同様な制御をすることができる。この
制御方式によれば車体の動きを小さく抑えることができ
る一方、路面からの入力の絶縁性にも優れているため、
乗心地と操縦安定性を両立できるものである。
【0003】スカイフックダンパを通常のダンパに置き
換えて考えると、例えばPCT出願WO93/2258
1号に開示されているように、ダンパの車体側の取付け
部が動いて伸縮する場合には減衰力がハードになり、ま
た車軸側の取付け部が動いて伸縮する場合には減衰力が
ソフトになれば、スカイフックダンパと同様の作用効果
が得られる。
【0004】具体的にはダンパのピストンロッドを車軸
側に取付け、ピストンロッド下端部に設けたピストンバ
ルブをバイパスする通路を、車軸と連動するシリンダの
外周に嵌合させた慣性体スプールの慣性を利用して開閉
させるか、またはシリンダ下端部に設けたベースバルブ
をバイパスする通路を、車軸と連動するシリンダの外周
に嵌合させた慣性体スプールの慣性を利用して開閉させ
る。この結果、車軸側に組み付けられたシリンダが動い
てダンパが伸縮する場合には、シリンダは慣性体スプー
ルに対して相対的に動くのでバイパスが開いてソフトな
減衰力になる一方、車体側に組み付けられたピストンロ
ッドが動いてダンパが伸縮する場合には、シリンダは慣
性体スプールに対して相対的に動かないので、バイパス
ポートは閉じたままになり、ハードな減衰力が得られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で説明した
特公平6-57489にあっては、スカイフックダンパ
としての機能を実現するために、電気的に作動油の通路
を切換可能なダンパを用いた電子制御方式となっていた
ため、ショックアブソーバ以外にセンサやコントロー
ラ、減衰力切換のためのアクチュエータ(ソレノイドや
モータ等)が必要であることもあって、コストが大幅に
高くなってしまうという問題点があった。また、故障の
形態としては、ダンパ本体の故障の他に電子制御部分の
故障も加わるため、結果的に故障の発生率が高くなって
しまうという問題点もあった。
【0006】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは第1に、電子制
御を行うことなく、低コストの油圧緩衝器でスカイフッ
クダンパに匹敵する性能を得ることであり、第2には、
1つの慣性体スプールで伸側及び圧側の減衰力を可変に
し、重量を低減することであり、第3には、作動油と空
気が混ざることを確実に防止することにより、安定した
減衰力を得ることである。
【0007】
【問題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、「車体側にピストンロッ
ド、車軸側にシリンダを収容したアウターシェルの下端
部が取付けられる正立型のショックアブソーバにおい
て、前記ピストンロッドを伸縮自在に案内するロッドガ
イドとアウターシェル下端の底蓋部に載置されるベース
バルブとの間に同心状に組付けられたシリンダ及びその
外側の中間パイプとの間に形成され、ピストンロッド下
端部に組付けられて伸側減衰力を発生するピストンバル
ブをバイパスしてリザーバ室に連通する第1の通路と、
シリンダ下端部に組付けられて圧側減衰力を発生するベ
ースバルブをバイパスしリザーバ室へ連通する第2の通
路とを設けるとともに、下部室側に一対のばねに挟持さ
れて設けられ車軸側の動きに対して応動する慣性体スプ
ールにより、前記2つの通路を開放又は閉塞するように
構成したこと」である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る油圧緩衝器構造
を図1に示す第1実施形態について説明する。ピストン
ロッド1の上部には、カバー6を挟んで、車体ヘの取り
付け部材であるエンドボルト8が溶接され、シリンダ2
の上端部には、ピストンロッド1を出没自在に案内する
ベアリング11が圧入されている。アウターシェル3に
溶接されたパッキンケース12とベアリング11で形成
される空間には、パッキンプレート14を介してパッキ
ンスプリング15に付勢されたシール13が配設され、
ピストンロッド1の摺動に対して、油圧緩衝器の内部を
外気から遮断している。
【0009】ピストンロッド1の下端部には、シリンダ
2内を上部室A及び下部室Bに画成するピストンバルブ
PVが組み付けられている。シリンダ2の上部室A側に
は、バルブストッパ17の円筒部外面に案内されるノン
リタンバルブ19が、ノンリタンスプリング18に付勢
されピストン5の背面に着座している。一方シリンダ2
の下部室B側には、内周側下面をカンザ21に支持され
たリーフバルブ20がピストン5の下面に着座し、前記
バルブストッパ17及びピストン5とともにスプリング
24に付勢されたメインバルブ23を案内するピストン
ナット25により締結されている。ピストン5には,伸
側ポート5A及び圧側ポート5Bが設けられ、それぞれ
の出口をリーフバルブ20,ノンリタンバルブ19で閉
塞されている。
【0010】シリンダ2の下端部には、ベースバルブケ
ースBVが組み付けられている。ベースバルブケース1
0は、車軸側の取り付け部材であるアイ9が溶接された
ロアキャップ7の内側に載置されている。シリンダ2と
アウターシェル3の間には中間パイプ4が同軸状に配設
され、その一端はベアリング11に、他端はベースバル
ブケース10にそれぞれ係止され、シリンダ2と中間パ
イプ4とで環状通路Fを形成している。ベアリング11
には切欠き通路11Aが設けてあり、これを介して上部
室Aと環状通路Fは連通している。中間パイプ4とアウ
ターシェル3で構成された空間はリザーバ室Cとなって
おり、油面Hまで満たされた作動油とその上部にガスと
が封入されている。
【0011】図1のベースバルブBV部を拡大した図2
の下部室B側のガイド26の下部には、ノンリタンスプ
リング31に付勢されたノンリタンバルブ32、またベ
ースバルブケース10を挟んでリザーバ室C側にはリー
フバルブ33,外径がリーフバルブ33の撓みの支持径
となるカンザ34,リーフバルブ33の撓みを規制する
バルブストッパ35が組み付けられ、ガイドの下端ネジ
部に螺着されたナット36で締結されている。ベースバ
ルブケース10には、下部室Bに連通する切り欠き通路
10Cが形成され、ベースバルブケース10に穿設され
た圧側ポート10Aを介してリザーバ室Cに連通する第
1の通路が構成されており、圧側ポート10Aのリザー
バ室Cへの出口はリーフバルブ33が閉塞している。ま
たリザーバ室Cから切欠き10E,吸込ポート10Bを
介し下部室Bに連通する第2の通路が形成され、吸込ポ
ート10Bの下部室B側への出口はノンリタンスプリン
グ31に付勢されたノンリタンバルブ32が閉塞してい
る。
【0012】ガイド26下部のベースバルブケース10
と嵌合する円筒軸の部分には伸側環状溝26Dと伸側バ
イパスポート26E、及び圧側環状溝26Bと圧側バイ
パスポート26Cが設けられている。伸側環状溝26D
は、ベースバルブケース10に設けた横穴10D,環状
通路F,ベアリング部切欠き通路11Aを介して上部室
Aに連通し、圧側環状溝26Bは、切り欠き通路10C
を介して下部室Bに連通している。ガイド26の内側は
中空部26Aになっており、当該中空部26Aには、中
央部に中空孔27Fを設けた段付状の慣性体スプール2
7が上下一対のスプリング28,28に支持されて上下
動自在に嵌合されている。
【0013】ガイド26の上端部には、慣性体スプール
27のストッパも兼ねたキャップ30がカシメにより固
定されている。ガイド内側の中空部26Aは、慣性体ス
プール27の大径部によりD,E2室に区画されるが、
D室は中空孔27F,切欠き10Eによりリザーバ室C
に連通される一方、E室も慣性体スプール27の切欠き
27Aを介してD室に連通され、ショックアブソーバの
作動時に圧力変化を生じる下部室Bの圧力の影響を受け
ない様になっている。
【0014】慣性体スプール27の小径部には、圧側バ
イパスポート27C,圧側環状通路27B,伸側バイパ
スポート27E,伸側環状通路27Dが設けられ、慣性
体スプール27が下方に移動した時に、圧側環状通路2
7Bとガイド26に設けられた圧側バイパスポート26
Cとが連通し、逆に上方に移動した時に伸側環状通路2
7Dと伸側バイパスポート26Eとが連通するように構
成されている。
【0015】つぎに作動について説明する。本発明の油
圧緩衝器においては、車体側に取付けられたピストンロ
ッド1が動く場合と、車軸側に連動するシリンダ2が動
く場合とでは発生する減衰力が異なる。まず、旋回時の
ロール,加減速時のダイブ,スクワット等、車体側に取
付けられたピストンロッドが動く場合の作動について説
明する。この場合には、シリンダ2は動かないので、ガ
イド26内の慣性体スプール27は、第2図の如く上下
一対のスプリング28,28で中立位置に保たれた状態
になっている。そしてガイド26に設けられた伸側バイ
パスポート26Eと、圧側バイパスポート26Cは閉じ
た状態になっている。
【0016】伸び行程では、上部室Aの作動油はピスト
ン5の伸側ポート5Aを通り、リーフバルブ20を開き
下部室Bへ流れる。この時の通路抵抗によって減衰力が
発生し、これがハードの伸側減衰力となる。ピストンロ
ッド1が退出した分に相当する作動油は、リザーバ室C
からベースバルブケース10の切欠き10E,吸込ポー
ト10Bを通り、背面からノンリタンスプリング31の
弱いセット荷重で付勢されたノンリタンバルブ32を押
し開いて下部室Bに補充される。
【0017】圧縮行程では、下部室Bの作動油はピスト
ン5の圧側ポート5Bを通って、背面からノンリタンス
プリング18の弱いセット荷重で付勢されたノンリタン
バルブ19を押し開いて上部室Aへ流れる。ノンリタン
スプリング18のセット荷重は弱いので、通路抵抗は殆
ど発生しない。ピストンロッド1の侵入体積分の作動油
は、下部室Bよりベースバルブケース10の切り欠き通
路10C,圧側ポート10Aを通り、リーフバルブ33
を押し開き、切欠き10Eを経てリザーバ室Cに流出す
る。この時の通路抵抗により減衰力が発生し、これがハ
ードの圧側減衰力となる。
【0018】次に車軸側と連動するシリンダ2が動いた
場合について説明する。第2図において伸び行程では、
シリンダ2が下方に動くため、慣性体スプール27はそ
の慣性力によりその状態を保とうとするので、シリンダ
2を基準にすると慣性体スプール27は相対的に上へ動
く。その結果、ガイド26側に設けた伸側バイパスポー
ト26Eと慣性体スプール27側の伸側環状溝27Dが
連通することになり、上部室Aからベアリング11の切
欠き通路11A,環状通路F,横穴10D,ガイド26
に設けた環状溝26D,伸側バイパスポート26E,慣
性体スプール27の伸側環状溝27D,伸側バイパスポ
ート27E,中空孔27F,切欠き10Eを通ってリザ
ーバ室Cに連通する通路が形成される。
【0019】つまり、ピストンロッド1のみが動いた時
に対しシリンダ2が動く場合には、ピストンバルブPV
を通る通路と並列に上部室Aからリザーバ室Cへの通路
が形成されるので、ピストンバルブPVを通る流量が減
少し、ソフトな減衰力となる。このバイパス部を流れた
作動油と、ピストンロッド1が退出した分の作動油が、
リザーバ室Cからノンリタンバルブ32を押し開いて下
部室Bに補充される。縮み行程では逆に慣性体スプール
27は相対的に下方に移動し、圧側バイパスポート26
Cと圧側環状通路27Bが連通し、圧側減衰力を発生す
るリーフバルブ33をバイパスする通路が形成される。
その結果ソフトな伸側減衰力となる。
【0020】以上詳述したように、本発明は主たる構成
をハードの減衰力を発生するバルブをバイパスしてリザ
ーバ作動油室へ連通する通路を、車軸側の動きに対応し
て慣性力で移動する慣性体スプールで開閉する構造とし
たため、車体が動いた時にハードな減衰力、車軸が動い
た時にソフト減衰力が得られるので、電子制御を行うこ
となくスカイフックダンパに匹敵する性能を実現するこ
とができる。この結果、比較的低コストで乗心地と操安
性を両立できるサスペンションを構成することができ
る。また伸側側と圧側の減衰力を発生するバルブをバイ
パスするそれぞれの通路を1つの慣性体スプールの動き
で開閉する構造としたため、従来構造に比べ軽量化する
ことができる。更に、伸側バイパス通路からの流出口
を、ベースバルブBVに組込まれ作動油で満たされたガ
イド26の内側としたことにより、流出油が常に作動油
中に吐出されるため、作動油が空気と混ざり合うことが
ないので、安定した減衰力を得ることができる。
【0021】次に図3に示す本発明の第2実施形態につ
いて説明する。シリンダ42の下端部には、ベースバル
ブケースBVが組み付けられている。ベースバルブケー
ス40は、車軸側の取り付け部材であるアイ9が溶接さ
れたロアキャップ7の内側に載置されている。シリンダ
42とアウターシェル3の間には中間パイプ44が同軸
状に配設され、その一端は図1に示すベアリング11
に、他端はベースバルブケース40にそれぞれ係止され
ている。中間パイプ44とアウターシェル3で構成され
た空間はリザーバ室Cとなっており、作動油とその上部
にガスとが封入されている。
【0022】ガイド36の大径部には、ノンリタンスプ
リング31に付勢されたノンリタンバルブ32,ベース
バルブケース40を挟んで下面側の小径部には、リーフ
バルブ33,外径がリーフバルブ33の撓みの支持径と
なるカンザ34,リーフバルブ33の撓みを規制するバ
ルブストッパ35がそれぞれ組み付けられ、ガイド36
の下端部をカシメることにより締結されている。
【0023】ベースバルブケース40には、圧側ポート
40A,リーフバルブ33を介してリザーバ室Cに連通
する第1の通路が構成される一方、この圧側ポート40
Aは横穴40C,環状通路Gを介して圧側のバイパスポ
ート44Bにも連通している。圧側ポート40Aのリザ
ーバ室Cへの出口はリーフバルブ33が閉塞し、圧側ポ
ート40Aから分岐して連通する圧側のバイパスポート
44Bは慣性体スプール47が閉塞している。またリザ
ーバ室Cから切欠き40D,吸込ポート40B,ノンリ
タンバルブ32を介して下部室Bに連通する第2の通路
が形成され、吸込ポート40Bの下部室B側への出口は
ノンリタンスプリング31に付勢されたノンリタンバル
ブ32が閉塞している。
【0024】第1実施形態との相違点は、シリンダ42
の外面と中間パイプ44の内面との間に形成される通路
を、セパレータ41の上面鍔部41Aによって環状通路
Fと環状通路Gとに区画する一方、セパレータ41の上
面鍔部41Aを挟んで伸側,圧側のバイパスポート44
A,44Bを配設し、当該中間パイプ44の外面に上下
のスプリング48,48に挟持され上下動自在に嵌合さ
せた慣性体スプール47により前記バイパスポート44
A,44Bのいずれか一方を、リザーバ室Cに選択的に
連通するように構成したことである。
【0025】ここでセパレータ41は、ベースバルブケ
ース40とシリンダ42に挟持され、上面鍔部41Aが
中間パイプ44の内側に嵌合している。環状通路Fは図
1に示すベアリング部切欠き通路11Aを介して上部室
Aに連通する一方、環状通路Gは横穴40C,圧側ポー
ト40Aを介して下部室Bに連通している。作動につい
ては、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0026】バイパスポート44A,44Bを中間パイ
プ44側に配設し、慣性体スプール47を中間パイプ4
4の外面に嵌合させることによりシリンダ42の外側に
移動したため、この分ベースバルブBVの軸線方向の長
さを短くすることができ、油圧緩衝器のストロークを大
きくすることができる。また慣性体スプール47を径の
大きい中間パイプ44の外面に嵌合させたため、第1実
施形態に比べ慣性体スプール47の質量を大きく設計す
ることができる。この結果、車軸側からの小さな入力に
対しても作動が容易になるので、さらに乗り心地を向上
することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の第1実施形態の場合には、主た
る構成をハードの減衰力を発生するバルブをバイパスし
てリザーバ作動油室へ連通する通路を、車軸側の動きに
対応して慣性力で移動する慣性体スプールで開閉する構
造としたため、車体が動いた時にハードな減衰力、車軸
が動いた時にソフト減衰力が得られるので、電子制御を
行うことなくスカイフックダンパに匹敵する性能を実現
することができる。この結果、比較的低コストで乗心地
と操安性を両立できるサスペンションを構成することが
できる。
【0028】つぎに第2実施形態の場合には、バイパス
ポート44A,44Bを中間パイプ44側に配設し、慣
性体スプール47を中間パイプ44の外面に嵌合させた
ため、ベースバルブBVの軸線方向の長さを短くするこ
とができ、油圧緩衝器のストロークを大きくすることが
できる。また慣性体スプール47を中間パイプ44の外
面に嵌合させたため、慣性体スプール47の質量を大き
くすることができ、車軸側から小さな入力に対しても作
動が容易になるので、更に乗り心地を向上することがで
きる。
【0029】第1,第2のいずれの実施形態の場合も、
バルブをバイパスする通路を1個の慣性体スプールの動
きで開閉する構造としたため、従来構造に比べ軽量化す
ることができる。更に、伸側からの流出口をベースバル
ブに組込まれ作動油で満たされたガイド内としたことに
より、流出油が常に作動油中に吐出されるため、作動油
が空気と混ざり合うことがないので、安定した減衰力を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る油圧緩衝器の縦
断面図である。
【図2】 第1実施形態に係るベースバルブ近傍の拡大
断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る油圧緩衝器の縦
断面図である。
【符号の説明】
B 下部室 C リザーバ室 F 環状通路 PV ピストンバルブ BV ベースバルブ 1 ピストンロッド 2 シリンダ 3 アウターシェル 4 中間パイプ 10 ベースバルブケース 11 ロッドガイド 26 ガイド 27,47 慣性体スプール 28 1対のスプリング 41 セパレータ 44A 連通孔 44B 連通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側にピストンロッド、車軸側にシリ
    ンダを収容したアウターシェルの下端部が取付けられる
    正立型のショックアブソーバにおいて、前記ピストンロ
    ッドを伸縮自在に案内するロッドガイドとアウターシェ
    ル下端の底蓋部に載置されるベースバルブとの間に同心
    状に組付けられたシリンダ及びその外側の中間パイプと
    の間に形成され、ピストンロッド下端部に組付けられて
    伸側減衰力を発生するピストンバルブをバイパスしてリ
    ザーバ室に連通する第1の通路と、シリンダ下端部に組
    付けられて圧側減衰力を発生するベースバルブをバイパ
    スしリザーバ室へ連通する第2の通路とを設けるととも
    に、下部室側に一対のばねに挟持されて設けられ車軸側
    の動きに対して応動する慣性体スプールにより、前記2
    つの通路を開放又は閉塞するように構成したことを特徴
    とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 慣性体スプールを、ベースバルブケース
    を貫通するガイド内に設けたことを特徴とする請求項1
    に記載の油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 車体側にピストンロッド、車軸側にシリ
    ンダを収容したアウターシェルの下端部が取付けられる
    正立型のショックアブソーバにおいて、前記ピストンロ
    ッドを伸縮自在に案内するロッドガイドとアウターシェ
    ル下端の底蓋部に載置されるベースバルブとの間に同心
    状に組付けられたシリンダ及びその外側の中間パイプと
    の間に形成され、ピストンロッド下端部に組付けられて
    伸側減衰力を発生するピストンバルブをバイパスしてリ
    ザーバ室に連通する第1の通路と、シリンダ下端部に組
    付けられて圧側減衰力を発生するベースバルブをバイパ
    スしリザーバ室へ連通する第2の通路とを設けるととも
    に、シリンダ外面と中間パイプ内面との間に形成される
    環状通路の中間パイプ側に、当該環状通路を上下に区画
    するセパレータを挟んで上記第1及び第2の通路に連通
    する2つのバイパスポートを設け、中間パイプの外側に
    一対のばねに挟持されて装着され車軸側の動きに対して
    応動する慣性体スプールにより、前記2つのバイパスポ
    ートを開放又は閉塞するように構成したことを特徴とす
    る油圧緩衝器。
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