JPH10252840A - 歯車式変速機構造 - Google Patents

歯車式変速機構造

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JPH10252840A
JPH10252840A JP9059059A JP5905997A JPH10252840A JP H10252840 A JPH10252840 A JP H10252840A JP 9059059 A JP9059059 A JP 9059059A JP 5905997 A JP5905997 A JP 5905997A JP H10252840 A JPH10252840 A JP H10252840A
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JP
Japan
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gear
shaft
counter
input
reduction
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JP9059059A
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English (en)
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Yutaka Hatano
裕 畑野
Osamu Kameda
修 亀田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カウンタ軸の回転数(特に低速変速時の回転
数)を低減し得るようにするとともに、カウンタ軸のレ
イアウト性を高め且つ減速歯車となる出力歯車の耐久性
の向上を図る。 【解決手段】 同一軸線上に配置された入力軸10およ
び出力軸20と、平行に配置されたカウンタ軸30,4
0と選択された変速段位に対応した所定の変速歯車対で
前記入力軸からカウンタ軸を介して又は直接に前記出力
軸へ動力が伝達されるように動力伝達経路を切り換える
構成とされた歯車式変速機構造において、前記カウンタ
軸と出力軸との間に、相互に異なる第1および第2の減
速比で減速を行う第1および第2の減速歯車対G1,G2
を介設して、所定の変速段位に対応させてカウンタ軸か
ら出力軸へ二つの動力伝達経路を介して伝達させること
ができるようにし、もってそれぞれの動力伝達経路に対
応させた減速比を設定することできるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、手動式の歯車式
変速機構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、エンジン縦置き型の車両におけ
る手動式の歯車式変速機として、入力軸と出力軸とが同
一軸線上に隣り合うように配置されるとともに、これら
両軸と平行にカウンタ軸が配置され、前記入力軸および
出力軸と前記カウンタ軸とに対をなして互いに噛合する
複数の変速歯車対が設けられた構造のものは、従来から
一般に良く知られている。
【0003】このような構造の歯車式変速機において
は、入力軸の回転駆動力を全変速段位において減速歯車
対により一定の減速比で減速してカウンタ軸に伝達入力
し、該カウンタ軸に伝達された回転駆動力を各変速段位
毎に変速比の異なる変速歯車対によって出力軸側に伝達
するもの、所謂「インプット・リダクションギヤ・タイ
プ」のものがある。
【0004】このような構造の歯車式変速機において
は、一度減速されたトルクがカウンタ軸に伝達され、そ
の増幅されたトルクに耐え得る歯車の大きさで変速歯車
を構成する必要があり、変速機をコンパクトにするには
限界がある。
【0005】そこで、上記のような不具合を対策するた
めに、入力軸から変速歯車対により変速されて伝達され
たカウンタ軸の回転駆動力を減速歯車により一定の減速
比で減速して出力軸に伝達入力するもの、所謂「アウト
プット・リダクションギヤ・タイプ」のものが提案され
ている。
【0006】しかしながら、上記した所謂「アウトプッ
ト・リダクションギヤ・タイプ」の変速機においては、
トルクの低減を図ることが可能となり、変速機のコンパ
クト化が達成できたとしても、カウンタ軸の回転数がエ
ンジンの回転数と変速比とによって決定されることとな
るため、特に高速段走行時においては入力軸から伝達さ
れる回転駆動力がカウンタ軸において増速されることと
なり、カウンタ軸が高速回転することとなる。すると、
カウンタ軸を軸支するための軸受等に焼き付きが生ずる
おそれがあり、耐久性が問題となる。
【0007】上記の問題を直接対策したものではない
が、一つの減速歯車に別々のカウンタ歯車を噛み合わせ
て、低速段と高速段とで別々の歯車比で動力伝達できる
ようにしたものが提案されている(例えば、米国特許第
4106358号参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公知例の
ものでは、カウンタ軸の最高回転数を、所謂一般的な
「アウトプット・リダクションギヤ・タイプ」の変速機
におけるより低減できる(即ち、自由度が拡がる)が、
出力軸上の単一の減速歯車に対して各カウンタ軸の減速
歯車が噛み合わせられているため、仮に一方のカウンタ
軸におけるカウンタ歯車で動力の伝達が行われていたと
しても、他方のカウンタ軸におけるカウンタ歯車にも回
転力が伝わる。すると、出力軸の減速歯車と他方のカウ
ンタ軸におけるカウンタ歯車との減速比で当該カウンタ
歯車が回転することとなり、出力軸とカウンタ軸との軸
間距離を拡大しないままだと、カウンタ軸が高速回転せ
ざるを得ないという不具合が生ずる。言い換えれば、カ
ウンタ軸の高速回転を回避するためには、出力軸とカウ
ンタ軸との軸間距離を拡げる必要がある。例えば、出力
歯車だけで減速比を変えるためには、出力軸と一方のカ
ウンタ軸との軸間距離と、出力軸と他方のカウンタ軸と
の軸間距離とを変化させなければならないため、レイア
ウト自由度が制限されることとなる。また、出力歯車と
の減速歯車対だけで全変速段位の伝達トルクを受けるこ
ととなるため、減速歯車対の耐久性を向上させる必要が
生じ、コンパクト化を阻害するおそれが生ずる。
【0009】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、所謂「アウトプット・リダクションギヤ・タイ
プ」の歯車式変速機において、カウンタ軸の回転数(特
に低速変速時の回転数)を低減し得るようにするととも
に、カウンタ軸のレイアウト性を高め且つ減速歯車とな
る出力歯車の耐久性の向上を図ることを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明の基本構成で
は、上記課題を解決するための手段として、同一軸線上
に隣り合うようにして配置された入力軸および出力軸
と、これら両軸と平行に配置されたカウンタ軸と、各変
速段位にそれぞれ対応して前記入力軸および出力軸と前
記カウンタ軸とに対をなして設けられ且つ互いに噛合す
る複数の変速歯車対とを備え、選択された変速段位に対
応した所定の変速歯車対で前記入力軸からカウンタ軸を
介して又は直接に前記出力軸へ動力が伝達されるように
動力伝達経路を切り換える構成とされた歯車式変速機構
造において、前記カウンタ軸と出力軸との間に、相互に
異なる第1および第2の減速比で減速を行う第1および
第2の減速歯車対を介設している。
【0011】上記のように構成したことにより、入力軸
からカウンタ軸へ伝達された駆動力を、所定の変速段位
に対応させてカウンタ軸から出力軸へ二つの動力伝達経
路を介して伝達させることができることとなり、それぞ
れの動力伝達経路に対応させた減速比を設定することが
可能となる。従って、カウンタ軸の回転数の設定自由度
を高めつつ、減速歯車対への伝達トルクを低減できるこ
ととなり、減速歯車対の耐久性を向上させることができ
る。
【0012】本願発明の基本構成において、前記第1の
減速歯車対を構成する歯車のうちの一方が設けられてい
る第1のカウンタ軸と、前記第2の減速歯車対を構成す
る歯車のうちの一方が設けられている第2のカウンタ軸
とを同軸上に配置した場合、カウンタ軸が二つに増える
が、同軸上に配置したことによりレイアウトスペースを
悪化させるということがなくなるとともに、各カウンタ
軸間における相対回転数差での軸受負荷(即ち、ベアリ
ング負荷)に対応した軸受設定が行える。
【0013】また、前記第1の減速歯車対を構成する歯
車のうちの一方が設けられている第1のカウンタ軸と、
前記第2の減速歯車対を構成する歯車のうちの一方が設
けられている第2のカウンタ軸とを互いに平行となるよ
うに並列に配置した場合、軸間距離が各カウンタ軸毎に
自由に設定できるため、歯車径を自由に小さくすること
も可能となる。
【0014】また、前記第1の減速歯車対による減速比
を前記第2の減速歯車対による減速比より大きく設定す
るとともに、高速段位においては前記第2の減速歯車対
によるトルク伝達を行い、低速段位においては前記第1
の減速歯車対によるトルク伝達を行うようにした場合、
高速あるいは低速それぞれの変速段位を得るための変速
歯車対における歯車径に大きな差をつけなくともよくな
り、入出力軸とカウンタ軸との軸間距離を狭めることが
可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0016】第1の実施の形態(請求項1、2、4の発
明に対応) 図1には、本願発明の第1の実施の形態にかかる歯車式
変速機のスケルトンが示されている。
【0017】この歯車式変速機は、4直5MT(即ち、
直結4速・5段変速)のものとされており、その入力軸
10には、周知のようにエンジンの駆動力が駆動軸1お
よび摩擦クラッチ2を介して伝達される。この入力軸1
0と同一軸線上のリヤ側(即ち、図1において右側)に
は出力軸20が配置されている。また、これらの入力軸
10および出力軸20と平行な軸線上には、第1カウン
タ軸30と該第1カウンタ軸30の外周側に位置する第
2カウンタ軸40とが相互に同軸心となるように配置さ
れている。これらの各軸10,20,30,40は、図
示しない変速機ケースの側壁あるいは中間壁などに対し
てそれぞれ相対回転可能に軸受で支持されている。
【0018】前記入力軸10の軸上には、そのフロント
側(即ち、図1において左側)から順に第1入力歯車1
1、第2入力歯車12、第3入力歯車13、第4入力歯
車14および第5入力歯車15がそれぞれ設けられてい
る。そして、これらの入力歯車11〜15は、入力軸1
0に対して共に相対回転自在とされている。
【0019】一方、前記出力軸20の軸上には、そのリ
ヤ側(即ち、図1において右側)から順に第1出力歯車
21および第2出力歯車22が出力軸20と一体的に回
転するように設けられている。
【0020】前記第1カウンタ軸30の軸上には、前記
入力軸10の第1入力歯車11と噛合する第1カウンタ
歯車31、前記第2入力歯車12と噛合する第2カウン
タ歯車32、前記第3入力歯車13に対して噛合するリ
バースアイドル歯車3と噛合する第3カウンタ歯車33
および出力軸20の第1出力歯車21と噛合する第4カ
ウンタ歯車34が該第1カウンタ軸30と一体的に回転
するように設けられている。そして、前記第4カウンタ
歯車34と第1出力歯車21とが、前記第1カウンタ軸
30と出力軸20との間で所定の変速段位(例えば、低
速段位)において第1の減速比で減速を行う第1の減速
歯車対G1を構成することとなっている。
【0021】前記第2カウンタ軸40の軸上には、前記
入力軸10の第4入力歯車14と噛合するカウンタ歯車
41、前記第5入力歯車15と噛合するカウンタ歯車4
2および前記出力軸20の第2出力歯車22と噛合する
カウンタ歯車43が該第2カウンタ軸40と一体的に回
転するように設けられている。そして、前記カウンタ歯
車43と第2出力歯車22とが、前記第2カウンタ軸4
0と出力軸20との間で所定の変速段位(例えば、高速
段位)において第2の減速比で減速を行う第2の減速歯
車対G2を構成することとなっている。
【0022】ここで、前記第1の減速歯車対G1による
減速比は、前記第2の減速歯車対G2による減速比より
大きく設定されている。
【0023】前記入力軸10における第1入力歯車11
と第2入力歯車12との間には、2−1変速用の同期装
置4が設けられている。該同期装置4におけるハブスリ
ーブ4aが図面の中立位置から左方向へスライド操作さ
れると、第1入力歯車11と入力軸10とが回転伝達可
能に結合され、歯車式変速機としては2速が達成され
る。一方、前記同期装置4におけるハブスリーブ4aが
図面の中立位置から右方向へスライド操作されると、第
2入力歯車12と入力軸10とが回転伝達可能に結合さ
れ、歯車式変速機としては1速が達成される。
【0024】また、前記入力軸10における第3入力歯
車13と第4入力歯車14との間には、R−5変速用の
同期装置5が設けられている。該同期装置5におけるハ
ブスリーブ5aが図面の中立位置から左方向へスライド
操作されると、第3入力歯車13と入力軸10とが回転
伝達可能に結合され、歯車式変速機としてはリバースが
達成される。一方、前記同期装置5におけるハブスリー
ブ5aが図面の中立位置から右方向へスライド操作され
ると、第4入力歯車14と入力軸10とが回転伝達可能
に結合され、歯車式変速機としては5速が達成される。
【0025】さらに、前記入力軸10における第5入力
歯車15と前記出力軸20における第2出力歯車22と
の間には、3−4変速用の同期装置6が設けられてい
る。該同期装置6におけるハブスリーブ6aが図面の中
立位置から左方向へスライド操作されると、第5入力歯
車15と入力軸10とが回転伝達可能に結合され、歯車
式変速機としては3速が達成される。一方、前記同期装
置6におけるハブスリーブ6aが図面の中立位置から右
方向へスライド操作されると、入力軸10と第2出力歯
車22とが回転伝達可能に結合され、歯車式変速機とし
ては4速が達成される。
【0026】次に、上記のように構成された歯車式変速
機における変速操作について説明する。
【0027】この歯車式変速機が中立(即ち、ニュート
ラル)状態にあるとき、前記入力軸10は空転状態にあ
り、出力軸20および第1および第2カウンタ軸30,
40への動力伝達はなされていない。
【0028】上記状態において、2−1変速用の同期装
置4のハブスリーブ4aが図面の右方向へスライド操作
されると、前記第2入力歯車12と入力軸10とが回転
伝達可能に結合され、入力軸10の回転が第1カウンタ
軸30を介して出力軸20へ伝達されて1速が達成され
る。この時、入力軸10の回転は、第2入力歯車12と
第2カウンタ歯車32との噛合により第1カウンタ軸3
0へ伝達され、その後第4カウンタ歯車34と第1出力
歯車21と(換言すれば、第1の減速歯車対G1)の噛
合により減速されて出力軸20へ伝達されるのである。
つまり、歯車式変速機においては、入力軸10の回転
は、第1の減速歯車対G1により大きな減速比で減速さ
れて第1カウンタ軸30から出力軸20へ伝達されるこ
ととなっているのである。
【0029】一方、同期装置4のハブスリーブ4aが図
面の左方向へスライド操作されると、前記第1入力歯車
11と入力軸10とが回転伝達可能に結合され、入力軸
10の回転が第1カウンタ軸30を介して出力軸20へ
伝達されて2速が達成される。この時、入力軸10の回
転は、第1入力歯車11と第1カウンタ歯車31との噛
合により第1カウンタ軸30へ伝達され、その後第4カ
ウンタ歯車34と第1出力歯車21と(換言すれば、第
1の減速歯車対G1)の噛合により減速されて出力軸2
0へ伝達されるのである。つまり、歯車式変速機におい
ては、入力軸10の回転は、第1の減速歯車対G1によ
り大きな減速比で減速されて第1カウンタ軸30から出
力軸20へ伝達されることとなっているのである。
【0030】また、R−5変速用の同期装置5における
ハブスリーブ5aが図面の右方向へスライド操作される
と、前記第4入力歯車14と入力軸10とが回転伝達可
能に結合され、入力軸10の回転が第2カウンタ軸40
を介して出力軸20へ伝達されて5速が達成される。こ
の時、入力軸10の回転は、第4入力歯車14とカウン
タ歯車41との噛合により増速されて第2カウンタ軸4
0へ伝達され、その後カウンタ歯車43と第2出力歯車
22と(換言すれば、第2の減速歯車対G2)の噛合に
より減速されて出力軸20へ伝達されるのである。つま
り、歯車式変速機においては、入力軸10の回転は、第
2の減速歯車対G2により小さな減速比で減速されて第
2カウンタ軸40から出力軸20へ伝達されることとな
っているのである。
【0031】一方、同期装置5におけるハブスリーブ5
aが図面の左方向へスライド操作されると、前記第3入
力歯車13と入力軸10とが回転伝達可能に結合され、
入力軸10の回転が第1カウンタ軸30を介して逆転状
態で出力軸20へ伝達されてリバースが達成される。こ
の時、入力軸10の回転は、第3入力歯車13とリバー
スアイドル歯車3との噛合およびリバースアイドル歯車
3と第3カウンタ歯車33との噛合により逆転状態で第
1カウンタ軸30へ伝達され、その後第4カウンタ歯車
34と第1出力歯車21と(換言すれば、第1の減速歯
車対G1)の噛合により減速されて出力軸20へ伝達さ
れるのである。つまり、歯車式変速機においては、入力
軸10の回転は、第1の減速歯車対G1により大きな減
速比で減速されて第1カウンタ軸30から出力軸20へ
伝達されることとなっているのである。
【0032】また、3−4変速用のクラッチ6のハブス
リーブ6aが図面の右方向へスライド操作されると、前
記入力軸10と第2出力歯車22とが回転伝達可能に結
合され、入力軸10の回転が出力軸20へ直接伝達され
て4速が達成される。この時、入力軸10の回転は、減
速されることなく出力軸20へ伝達されるのである。
【0033】また、同期装置6のハブスリーブ6aが図
面の左方向へスライド操作されると、前記第5入力歯車
15と入力軸10とが回転伝達可能に結合され、入力軸
10の回転が第2カウンタ軸40を介して出力軸20へ
伝達されて3速が達成される。この時、入力軸10の回
転は、第5入力歯車15とカウンタ歯車42との噛合に
より第2カウンタ軸40へ伝達され、その後カウンタ歯
車43と第2出力歯車22と(換言すれば、第2の減速
歯車対G2)の噛合により減速されて出力軸20へ伝達
されるのである。つまり、歯車式変速機においては、入
力軸10の回転は、第2の減速歯車対G2により小さな
減速比で減速されて第2カウンタ軸80から出力軸20
へ伝達されることとなっているのである。
【0034】上記したように、本実施の形態において
は、入力軸10からカウンタ軸30,40へ伝達された
駆動力を、所定の変速段位(例えば、低速段位あるいは
高速段位)に対応させてカウンタ軸30あるいは40か
ら出力軸20へ二つの動力伝達経路(即ち、第1あるい
は第2の減速比歯車対G1あるいはG2)を介して伝達さ
せることができることとなり、それぞれの動力伝達経路
に対応させた減速比を設定することが可能となる。従っ
て、カウンタ軸30,40の回転数の設定自由度を高め
つつ、減速歯車対G1あるいはG2への伝達トルクを低減
できることとなり、減速歯車対G1,G2の耐久性を向上
させることができる。つまり、変速機のコンパクト化に
寄与することとなるのである。
【0035】また、第1の減速歯車対G1を構成する歯
車21,34のうちの一方(即ち、第4カウンタ歯車3
4)が設けられている第1のカウンタ軸30と、前記第
2の減速歯車対G2を構成する歯車22,43のうちの
一方(即ち、カウンタ歯車43)が設けられている第2
のカウンタ軸40とを同軸上に配置しているため、カウ
ンタ軸が二つに増えるが、同軸上に配置したことにより
レイアウトスペースを悪化させることがなくなるととも
に、各カウンタ軸30,40間における相対回転数差で
の軸受負荷(即ち、ベアリング負荷)に対応した軸受設
定が行える。
【0036】しかも、同期装置4〜6を入力軸10上に
集中して配置したことにより、同期イナーシャの極小化
が可能となり、操作力を低減できる。
【0037】さらに、第1の減速歯車対G1による減速
比を第2の減速歯車対G2による減速比より大きく設定
するとともに、高速段位においては第2の減速歯車対G
2によるトルク伝達を行い、低速段位においては第1の
減速歯車対G1によるトルク伝達を行うようにしている
ので、高速あるいは低速それぞれの変速段位を得るため
の変速歯車対における歯車径に大きな差をつけなくとも
よくなり、入出力軸とカウンタ軸との軸間距離を狭める
ことが可能となる。
【0038】第2の実施の形態(請求項1、2、4の発
明に対応) 図2には、本願発明の第2の実施の形態にかかる歯車式
変速機のスケルトンが示されている。
【0039】この歯車式変速機も、4直5MT(即ち、
直結4速・5段変速)のものとされている。
【0040】この場合、入力軸10の軸上に設けられた
第1入力歯車11と第2入力歯車12とが入力軸10と
一体的に回転するように構成される一方、第1カウンタ
軸30上に設けられた第1カウンタ歯車31と第2カウ
ンタ歯車32とが第1カウンタ軸30とに対して相対回
転可能に支持されている。そしてに、2−1変速用の同
期装置4が第1カウンタ軸30上に設けられている。そ
の他の構成は第1の実施の形態と同様なので説明を省略
する。
【0041】次に、上記のように構成された歯車式変速
機における変速操作について説明する。
【0042】この歯車式変速機が中立(即ち、ニュート
ラル)状態にあるとき、前記入力軸10の回転は、第1
および第2入力歯車11,12から遊転状態にある第1
および第2カウンタ歯車31,32へそれぞれ伝達され
ており、出力軸60、第1および第2カウンタ軸70,
80への動力伝達はなされていない。
【0043】上記状態において、2−1変速用の同期装
置4におけるハブスリーブ4aが図面の右方向へスライ
ド操作されると、前記第2カウンタ歯車32と第1カウ
ンタ軸30とが回転伝達可能に結合され、入力軸10の
回転が第1カウンタ軸30を介して出力軸20へ伝達さ
れて1速が達成される。この時、入力軸10の回転は、
第2入力歯車12と第2カウンタ歯車32との噛合によ
り第1カウンタ軸30へ伝達され、その後第4カウンタ
歯車34と第1出力歯車21と(換言すれば、第1の減
速歯車対G1)の噛合により減速されて出力軸20へ伝
達されるのである。つまり、歯車式変速機においては、
入力軸10の回転は、第1の減速歯車対G1により大き
な減速比で減速されて第1カウンタ軸30から出力軸2
0へ伝達されることとなっているのである。
【0044】一方、同期装置4におけるハブスリーブ4
aが図面の左方向へスライド操作されると、前記第1カ
ウンタ歯車31と第1カウンタ軸30とが回転伝達可能
に結合され、入力軸10の回転が第1カウンタ軸30を
介して出力軸20へ伝達されて2速が達成される。この
時、入力軸10の回転は、第1入力歯車11と第1カウ
ンタ歯車31との噛合により第1カウンタ軸30へ伝達
され、その後第4カウンタ歯車34と第1出力歯車21
と(換言すれば、第1の減速歯車対G1)の噛合により
減速されて出力軸20へ伝達されるのである。つまり、
歯車式変速機においては、入力軸10の回転は、第1の
減速歯車対G1により大きな減速比で減速されて第1カ
ウンタ軸30から出力軸20へ伝達されることとなって
いるのである。
【0045】なお、3〜5速およびリバース時の変速操
作は第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略
する。
【0046】上記したように、本実施の形態の場合、2
−1変速用の同期装置4を第1カウンタ軸30上に配置
しているため、入力軸10と第1カウンタ軸30とに同
期装置が存在することとなり、遊転歯車における歯打音
と同期装置の操作力とのバランスを良好に保持できる。
その他の作用効果は第1の実施の形態におけると同様な
ので説明を省略する。
【0047】第3の実施の形態(請求項1、3、4の発
明に対応) 図3には、本願発明の第3の実施の形態にかかる歯車式
変速機のスケルトンが示されている。
【0048】この歯車式変速機は、4直5MT(即ち、
直結4速・5段変速)のものとされている。
【0049】入力軸50には、周知のようにエンジンの
駆動力が駆動軸1および摩擦クラッチ2を介して伝達さ
れる。この入力軸50と同一軸線上のリヤ側(即ち、図
3において右側)には出力軸60が配置されている。ま
た、これらの入力軸50および出力軸60と平行な軸線
上には、第1カウンタ軸70と第2カウンタ軸80とが
並列となるように配置されている。これらの各軸50,
60,70,80は、図示しない変速機ケースの側壁あ
るいは中間壁などに対してそれぞれ相対回転可能に軸受
で支持されている。
【0050】前記入力軸50の軸上には、そのフロント
側(即ち、図3において左側)から順に第1入力歯車5
1、第2入力歯車52、第3入力歯車53、第4入力歯
車54および第5入力歯車55がそれぞれ設けられてい
る。そして、上記第1入力歯車51ないし第5入力歯車
55は、入力軸50と一体的に回転するものとされてい
る。
【0051】一方、前記出力軸60の軸上には、そのリ
ヤ側(即ち、図3において右側)から順に第1出力歯車
61および第2出力歯車62が出力軸60と一体的に回
転するように設けられている。
【0052】前記第1カウンタ軸70の軸上には、前記
入力軸50における第1入力歯車51と噛合する第1カ
ウンタ歯車71と、前記入力軸50における第2入力歯
車52と噛合する第2カウンタ歯車72と、前記入力軸
50における第3入力歯車53と噛合する第3カウンタ
歯車73と、前記入力軸50における第4入力歯車54
に対して噛合するリバースアイドル歯車3と噛合する第
4カウンタ歯車74と、前記出力軸60における第1出
力歯車61と噛合する第5カウンタ歯車75とが設けら
れており、前記第1ないし第4カウンタ歯車71〜74
は、第1カウンタ軸70に対して相対回転可能とされ、
前記第5カウンタ歯車75は、第1カウンタ軸70と一
体的に回転するものとされている。そして、前記第5カ
ウンタ歯車75と第1出力歯車71とが、前記第1カウ
ンタ軸70と出力軸60との間で所定の変速段位(例え
ば、低速段位)において第1の減速比で減速を行う第1
の減速歯車対G1を構成することとなっている。
【0053】前記第2カウンタ軸80の軸上には、前記
入力軸50における第4入力歯車54と噛合するリバー
スアイドル歯車3と、前記入力軸50における第5入力
歯車55と噛合するカウンタ歯車81と、前記出力軸6
0における第2出力歯車62と噛合するカウンタ歯車8
2とが設けられており、前記リバースアイドル歯車3は
第2カウンタ軸80に対して相対回転可能とされる一
方、前記カウンタ歯車81,82は第2カウンタ軸80
と一体的に回転する設けられている。そして、前記カウ
ンタ歯車82と第2出力歯車62とが、前記第2カウン
タ軸80と出力軸60との間で所定の変速段位(例え
ば、高速段位)において第2の減速比で減速を行う第2
の減速歯車対G2を構成することとなっている。
【0054】ここで、前記第1の減速歯車対G1による
減速比は、前記第2の減速歯車対G2による減速比より
大きく設定されている。
【0055】前記第1カウンタ軸70における第1カウ
ンタ歯車71と第2カウンタ歯車72との間には、3−
2変速用の同期装置7が設けられている。該同期装置7
におけるハブスリーブ7aが図面の中立位置から左方向
へスライド操作されると、第1カウンタ歯車71と第1
カウンタ軸70とが回転伝達可能に結合され、歯車式変
速機としては3速が達成される。一方、前記同期装置7
におけるハブスリーブ7aが図面の中立位置から右方向
へスライド操作されると、第2カウンタ歯車72と第1
カウンタ軸70とが回転伝達可能に結合され、歯車式変
速機としては2速が達成される。
【0056】また、前記第1カウンタ軸70における第
3カウンタ歯車73と第4カウンタ歯車74との間に
は、1−R変速用の同期装置8が設けられている。該同
期装置8におけるハブスリーブ8aが図面の中立位置か
ら左方向へスライド操作されると、第3カウンタ歯車7
3と第1カウンタ軸70とが回転伝達可能に結合され、
歯車式変速機としては1速が達成される。一方、前記同
期装置8におけるハブスリーブ8aが図面の中立位置か
ら右方向へスライド操作されると、第4カウンタ歯車7
4と第1カウンタ軸70とが回転伝達可能に結合され、
歯車式変速機としては1速が達成される。
【0057】さらに、前記入力軸50における第5入力
歯車55と前記出力軸60における第2出力歯車62と
の間には、5−4変速用の同期装置9が設けられてい
る。該同期装置9におけるハブスリーブ9aが図面の中
立位置から左方向へスライド操作されると、第5入力歯
車55と入力軸10とが回転伝達可能に結合され、歯車
式変速機としては5速が達成される。一方、前記同期装
置9におけるハブスリーブ9aが図面の中立位置から右
方向へスライド操作されると、入力軸50と第2出力歯
車62とが回転伝達可能に結合され、歯車式変速機とし
ては4速が達成される。
【0058】次に、上記のように構成された歯車式変速
機における変速操作について説明する。
【0059】この歯車式変速機が中立(即ち、ニュート
ラル)状態にあるとき、前記入力軸50の回転は、遊転
状態の第1ないし第3カウンタ歯車71〜73およびリ
バースアイドル歯車3へ伝達されており、出力軸60、
第1および第2カウンタ軸70,80への動力伝達はな
されていない。
【0060】上記状態において、3−2変速用の同期装
置7のハブスリーブ7aが図面の右方向へスライド操作
されると、前記第2カウンタ歯車72と第1カウンタ軸
70とが回転伝達可能に結合され、入力軸50の回転が
第1カウンタ軸70を介して出力軸60へ伝達されて3
速が達成される。この時、入力軸50の回転は、第2入
力歯車52と第2カウンタ歯車72との噛合により第1
カウンタ軸70へ伝達され、その後第5カウンタ歯車7
5と第1出力歯車61と(換言すれば、第1の減速歯車
対G1)の噛合により減速されて出力軸60へ伝達され
るのである。つまり、歯車式変速機においては、入力軸
50の回転は、第1の減速歯車対G1により大きな減速
比で減速されて第1カウンタ軸70から出力軸60へ伝
達されることとなっているのである。
【0061】一方、同期装置7のハブスリーブ7aが図
面の左方向へスライド操作されると、前記第1入力歯車
51と入力軸50とが回転伝達可能に結合され、入力軸
50の回転が第1カウンタ軸70を介して出力軸60へ
伝達されて2速が達成される。この時、入力軸50の回
転は、第1入力歯車51と第1カウンタ歯車71との噛
合により第1カウンタ軸70へ伝達され、その後第5カ
ウンタ歯車75と第1出力歯車61と(換言すれば、第
1の減速歯車対G1)の噛合により減速されて出力軸6
0へ伝達されるのである。つまり、歯車式変速機におい
ては、入力軸50の回転は、第1の減速歯車対G1によ
り大きな減速比で減速されて第1カウンタ軸70から出
力軸60へ伝達されることとなっているのである。
【0062】また、1−R変速用の同期装置8における
ハブスリーブ8aが図面の右方向へスライド操作される
と、前記第4カウンタ歯車74と第1カウンタ軸70と
が回転伝達可能に結合され、入力軸50の回転が第1カ
ウンタ軸70を介して逆転状態で出力軸60へ伝達され
てリバースが達成される。この時、入力軸50の回転
は、第4入力歯車54とリバースアイドル歯車3との噛
合および該リバースアイドル歯車3と第4カウンタ歯車
74との噛合により逆転されて第1カウンタ軸70へ伝
達され、その後第5カウンタ歯車75と第1出力歯車6
1と(換言すれば、第1の減速歯車対G1)の噛合によ
り減速されて出力軸60へ伝達されるのである。つま
り、歯車式変速機においては、入力軸50の回転は、第
1の減速歯車対G1により大きな減速比で減速されて第
1カウンタ軸70から出力軸60へ伝達されることとな
っているのである。
【0063】一方、同期装置8におけるハブスリーブ8
aが図面の左方向へスライド操作されると、前記第3カ
ウンタ歯車73と第1カウンタ軸70とが回転伝達可能
に結合され、入力軸50の回転が第1カウンタ軸70を
介して出力軸60へ伝達されて1速が達成される。この
時、入力軸50の回転は、第3入力歯車53と第3カウ
ンタ歯車73との噛合により第1カウンタ軸70へ伝達
され、その後第5カウンタ歯車75と第1出力歯車61
と(換言すれば、第1の減速歯車対G1)の噛合により
減速されて出力軸60へ伝達されるのである。つまり、
歯車式変速機においては、入力軸50の回転は、第1の
減速歯車対G1により大きな減速比で減速されて第1カ
ウンタ軸70から出力軸60へ伝達されることとなって
いるのである。
【0064】また、5−4変速用のクラッチ9のハブス
リーブ9aが図面の右方向へスライド操作されると、前
記入力軸50と第2出力歯車62とが回転伝達可能に結
合され、入力軸50の回転が出力軸60へ直接伝達され
て4速が達成される。この時、入力軸50の回転は、減
速されることなく出力軸60へ伝達されるのである。
【0065】また、同期装置9のハブスリーブ9aが図
面の左方向へスライド操作されると、前記第5入力歯車
55と入力軸50とが回転伝達可能に結合され、入力軸
50の回転が第2カウンタ軸80を介して出力軸60へ
伝達されて5速が達成される。この時、入力軸50の回
転は、第5入力歯車55とカウンタ歯車81との噛合に
より増速されて第2カウンタ軸80へ伝達され、その後
カウンタ歯車82と第2出力歯車62と(換言すれば、
第2の減速歯車対G2)の噛合により減速されて出力軸
60へ伝達されるのである。つまり、歯車式変速機にお
いては、入力軸50の回転は、第2の減速歯車対G2
より小さな減速比で減速されて第2カウンタ軸80から
出力軸60へ伝達されることとなっているのである。
【0066】上記したように、本実施の形態において
は、入力軸50からカウンタ軸70,80へ伝達された
駆動力を、所定の変速段位(例えば、低速段位あるいは
高速段位)に対応させてカウンタ軸70あるいは80か
ら出力軸60へ二つの動力伝達経路(即ち、第1あるい
は第2の減速比歯車対G1あるいはG2)を介して伝達さ
せることができることとなり、それぞれの動力伝達経路
に対応させた減速比を設定することが可能となる。従っ
て、カウンタ軸70,80の回転数の設定自由度を高め
つつ、減速歯車対G1あるいはG2への伝達トルクを低減
できることとなり、減速歯車対G1,G2の耐久性を向上
させることができる。つまり、変速機のコンパクト化に
寄与することとなるのである。
【0067】また、二つのカウンタ軸を同軸に配設した
場合には、駆動時に噛合反力(ベクトル)の方向が交差
するため、歯車の倒れ/傾きによる歯当たりの低下で噛
合ノイズ悪化や歯車強度の低下が生じ易いという不具合
が生ずるおそれがあるが、本実施の形態におけるよう
に、第1および第2カウンタ軸70,80を並列配置と
してそれぞれを軸受で支持するようにすれば、減速歯車
対G1,G2の支持剛性が高められることとなり、上記不
具合が解消できる。しかも、リバースアイドル歯車3を
第2カウンタ軸80上に配置したことによりリバースア
イドル配置専用の軸を廃止できるとともに、リバースア
イドル歯車3の支持剛性が向上し、強度・ノイズで有利
となる。
【0068】さらに、第1の減速歯車対G1による減速
比を第2の減速歯車対G2による減速比より大きく設定
するとともに、高速段位においては第2の減速歯車対G
2によるトルク伝達を行い、低速段位においては第1の
減速歯車対G1によるトルク伝達を行うようにしている
ので、高速あるいは低速それぞれの変速段位を得るため
の変速歯車対における歯車径に大きな差をつけなくとも
よくなり、入出力軸とカウンタ軸との軸間距離を狭める
ことが可能となる。
【0069】第4の実施の形態(請求項1、3、4の発
明に対応) 図4には、本願発明の第4の実施の形態にかかる歯車式
変速機のスケルトンが示されている。
【0070】この歯車式変速機も、4直5MT(即ち、
直結4速・5段変速)のものとされている。
【0071】この場合、入力軸50の軸上に設けられた
第1入力歯車51と第2入力歯車52とが入力軸50に
対して相対回転可能とされる一方、第1カウンタ軸70
上に設けられた第1カウンタ歯車71と第2カウンタ歯
車72とが第1カウンタ軸70と一体的に回転されるこ
ととなっている。そしてに、3−2変速用の同期装置7
が入力軸50上に設けられている。その他の構成は第1
の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0072】次に、上記のように構成された歯車式変速
機における変速操作について説明する。
【0073】この歯車式変速機が中立(即ち、ニュート
ラル)状態にあるとき、前記入力軸50の回転は、第3
および第4入力歯車53,54から遊転状態にあるリバ
ースアイドル歯車3および第3カウンタ歯車73へそれ
ぞれ伝達されており、出力軸60、第1および第2カウ
ンタ軸70,80への動力伝達はなされていない。
【0074】上記状態において、3−2変速用の同期装
置7におけるハブスリーブ7aが図面の右方向へスライ
ド操作されると、前記第2入力歯車52と入力軸50と
が回転伝達可能に結合され、入力軸50の回転が第1カ
ウンタ軸70を介して出力軸60へ伝達されて2速が達
成される。この時、入力軸50の回転は、第2入力歯車
52と第2カウンタ歯車72との噛合により第1カウン
タ軸70へ伝達され、その後第5カウンタ歯車75と第
1出力歯車61と(換言すれば、第1の減速歯車対
1)の噛合により減速されて出力軸60へ伝達される
のである。つまり、歯車式変速機においては、入力軸5
0の回転は、第1の減速歯車対G1により大きな減速比
で減速されて第1カウンタ軸70から出力軸60へ伝達
されることとなっているのである。
【0075】一方、同期装置7におけるハブスリーブ7
aが図面の左方向へスライド操作されると、前記第1入
力歯車51と入力軸50とが回転伝達可能に結合され、
入力軸50の回転が第1カウンタ軸70を介して出力軸
60へ伝達されて3速が達成される。この時、入力軸5
0の回転は、第1入力歯車51と第1カウンタ歯車71
との噛合により第1カウンタ軸70へ伝達され、その後
第5カウンタ歯車75と第1出力歯車61と(換言すれ
ば、第1の減速歯車対G1)の噛合により減速されて出
力軸60へ伝達されるのである。つまり、歯車式変速機
においては、入力軸50の回転は、第1の減速歯車対G
1により大きな減速比で減速されて第1カウンタ軸70
から出力軸60へ伝達されることとなっているのであ
る。
【0076】なお、3〜5速およびリバース時の変速操
作は第3の実施の形態におけると同様なので説明を省略
する。
【0077】上記したように、本実施の形態の場合、3
−2変速用の同期装置7を入力軸50上に配置している
ため、入力軸50と第1カウンタ軸70とに同期装置が
存在することとなり、遊転歯車における歯打音と同期装
置の操作力とのバランスを良好に保持できる。その他の
作用効果は第3の実施の形態におけると同様なので説明
を省略する。
【0078】
【発明の効果】本願発明によれば、歯車式変速機構造に
おいて、カウンタ軸と出力軸との間に、相互に異なる第
1および第2の減速比で減速を行う第1および第2の減
速歯車対を介設して、入力軸からカウンタ軸へ伝達され
た駆動力を、所定の変速段位に対応させてカウンタ軸か
ら出力軸へ二つの動力伝達経路を介して伝達させること
ができるようにしているので、それぞれの動力伝達経路
に対応させた減速比を設定することが可能となり、カウ
ンタ軸の回転数の設定自由度を高めつつ、減速歯車対へ
の伝達トルクを低減でき、減速歯車対の耐久性を向上さ
せることができるという優れた効果がある。
【0079】前記第1の減速歯車対を構成する歯車のう
ちの一方が設けられている第1のカウンタ軸と、前記第
2の減速歯車対を構成する歯車のうちの一方が設けられ
ている第2のカウンタ軸とを同軸上に配置した場合、カ
ウンタ軸が二つに増えるが、同軸上に配置したことによ
りレイアウトスペースを悪化させるということがなくな
るとともに、各カウンタ軸間における相対回転数差での
軸受負荷(即ち、ベアリング負荷)に対応した軸受設定
が行える。
【0080】また、前記第1の減速歯車対を構成する歯
車のうちの一方が設けられている第1のカウンタ軸と、
前記第2の減速歯車対を構成する歯車のうちの一方が設
けられている第2のカウンタ軸とを互いに平行となるよ
うに並列に配置した場合、軸間距離が各カウンタ軸毎に
自由に設定できるため、歯車径を自由に小さくすること
も可能となる。
【0081】また、前記第1の減速歯車対による減速比
を前記第2の減速歯車対による減速比より大きく設定す
るとともに、高速段位においては前記第2の減速歯車対
によるトルク伝達を行い、低速段位においては前記第1
の減速歯車対によるトルク伝達を行うようにした場合、
高速あるいは低速それぞれの変速段位を得るための変速
歯車対における歯車径に大きな差をつけなくともよくな
り、入出力軸とカウンタ軸との軸間距離を狭めることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる歯車式変
速機のスケルトン図が示されている。
【図2】本願発明の第2の実施の形態にかかる歯車式変
速機のスケルトン図が示されている。
【図3】本願発明の第3の実施の形態にかかる歯車式変
速機のスケルトン図が示されている。
【図4】本願発明の第4の実施の形態にかかる歯車式変
速機のスケルトン図が示されている。
【符号の説明】
1は駆動軸、2は摩擦クラッチ、3はリバースアイドル
歯車、10,50は入力軸、20,60は出力軸、3
0,70は第1カウンタ軸、40,80は第2カウンタ
軸、G1は第1の減速歯車対、G2は第2の減速歯車対。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一軸線上に隣り合うようにして配置さ
    れた入力軸および出力軸と、これら両軸と平行に配置さ
    れたカウンタ軸と、各変速段位にそれぞれ対応して前記
    入力軸および出力軸と前記カウンタ軸とに対をなして設
    けられ且つ互いに噛合する複数の変速歯車対とを備え、
    選択された変速段位に対応した所定の変速歯車対で前記
    入力軸からカウンタ軸を介して又は直接に前記出力軸へ
    動力が伝達されるように動力伝達経路を切り換える構成
    とされた歯車式変速機構造であって、前記カウンタ軸と
    出力軸との間には、相互に異なる第1および第2の減速
    比で減速を行う第1および第2の減速歯車対が介設され
    ていることを特徴とする歯車式変速機構造。
  2. 【請求項2】 前記第1の減速歯車対を構成する歯車の
    うちの一方が設けられている第1のカウンタ軸と、前記
    第2の減速歯車対を構成する歯車のうちの一方が設けら
    れている第2のカウンタ軸とを備え、これら両軸は同軸
    上に配置されていることを特徴とする前記請求項1記載
    の歯車式変速機構造。
  3. 【請求項3】 前記第1の減速歯車対を構成する歯車の
    うちの一方が設けられている第1のカウンタ軸と、前記
    第2の減速歯車対を構成する歯車のうちの一方が設けら
    れている第2のカウンタ軸とを備え、これら両軸は、互
    いに平行となるように並列に配置されていることを特徴
    とする前記請求項1記載の歯車式変速機構造。
  4. 【請求項4】 前記第1の減速歯車対による減速比が前
    記第2の減速歯車対による減速比より大きくされてお
    り、高速段位においては前記第2の減速歯車対によるト
    ルク伝達が行われるとともに、低速段位においては前記
    第1の減速歯車対によるトルク伝達が行われることを特
    徴とする前記請求項1ないし請求項3記載の歯車式変速
    機構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013121676A1 (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 ジヤトコ株式会社 車両用変速機
CN108533699A (zh) * 2018-05-08 2018-09-14 格特拉克(江西)传动系统有限公司 一种手动变速器轴系布置结构

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