JP4425208B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星ギヤ列を有して構成された自動変速機に関する。
従来、大きな駆動力を必要とする車両において、必要に応じて低速段と高速段とを切り換えるため、副変速機を主変速機の出力軸に備えて構成された変速機を有して構成された車両が知られている。また、他の変速機として、平行軸式変速機に遊星ギヤ列を組み合わせることにより、係合要素を少なくして多数の変速段を設定できるように構成された変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。これら変速機は、エンジンの駆動力を車輪に伝達する動力伝達装置に備えられる。
特開2005−147194号公報
従来、特許文献1に示すように、平行軸式変速機に遊星ギヤ列を組み合わせて多段変速を実現するには、カウンタシャフトを二重構造にするなどして多数のギヤの支持を行うように構成されている。このため、特許文献1の変速機では、変速比の設定自由度が高く変速機全体の小型化が図られる一方、構造が複雑化するおそれがあった。
また、平行軸式変速機では、平行軸にそれぞれ設けられたギヤ同士の噛み合いにより生じるギヤトルク反力をシャフトで受ける必要があり、実用に供するためには、シャフトの軸受け構造の強度確保が課題となっている。特に、遊星ギヤ列に接続されるシャフトを支持するための軸受け構造については、遊星ギヤ列側にこのような反力が大きく作用しないように構成されることが好ましく、同時に複雑化や大型化を招くことのない構造が求められている。
ところで、FR型の車両においては、しばしば、動力伝達装置が、変速機の入力軸端の接続部と出力軸端の接続部とを同軸上に位置させたレイアウトとされることがある。しかしながら、特許文献1に示す変速機においては入力軸と出力軸とが同軸上になく、上記のようにレイアウトされるFR型の車両への搭載性に課題があった。
このような問題に鑑み、本発明は、平行軸式変速機と遊星ギヤ列とを組み合わせて構成される自動変速機において、シャフト構造の簡略化と軸受け構造の簡略化が図られるとともに、搭載性のよい自動変速機を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、第1の本発明に係る自動変速機は、入力軸および出力軸と、入力軸に対して平行に設けられたカウンタ軸と、入力軸と同軸上に設けられたセンタ軸と、入力軸に設けられた入力軸側ドライブギヤおよびカウンタ軸に設けられて入力軸側ドライブギヤと噛合する入力軸側ドリブンギヤからなり、入力軸の回転をカウンタ軸に伝達する入力軸側ギヤ列と、カウンタ軸に設けられたセンタ軸側ドライブギヤおよびセンタ軸に設けられてセンタ軸側ドライブギヤと噛合するセンタ軸側ドリブンギヤからなり、カウンタ軸の回転をセンタ軸に伝達するセンタ軸側ギヤ列と、入力軸側ドライブギヤを入力軸に係脱可能にする入力軸側ギヤ係合手段と、センタ軸側ドリブンギヤをセンタ軸に係脱可能にするセンタ軸側ギヤ係合手段と、入力軸とセンタ軸の入力側とを係脱可能にする軸係合手段と、センタ軸の出力側に設けられた遊星ギヤ列とから構成されており、遊星ギヤ列を、センタ軸と同軸上を回転自在に設けられたサンギヤと、サンギヤと噛合するピニオンと、ピニオンを支持してサンギヤと同軸上を回転自在に設けられたキャリアと、ピニオンと噛合してサンギヤと同軸上を回転自在に設けられたリングギヤとから構成している。そして、サンギヤおよびキャリアの一方にセンタ軸の出力側を接続し、サンギヤおよびキャリアの他方にセンタ軸側ドリブンギヤを連結し、リングギヤに出力軸を接続し、サンギヤおよびキャリアの一方を固定保持可能なブレーキ手段を設けて構成している。
また、第2の本発明に係る自動変速機は、入力軸および出力軸と、入力軸に対して平行に設けられたカウンタ軸と、入力軸と同軸上に設けられたセンタ軸と、入力軸に設けられた入力軸側ドライブギヤおよびカウンタ軸に設けられて入力軸側ドライブギヤと噛合する入力軸側ドリブンギヤからなり、入力軸の回転をカウンタ軸に伝達する入力軸側ギヤ列と、カウンタ軸に設けられたセンタ軸側ドライブギヤおよびセンタ軸に設けられてセンタ軸側ドライブギヤと噛合するセンタ軸側ドリブンギヤからなり、カウンタ軸の回転をセンタ軸に伝達するセンタ軸側ギヤ列と、入力軸側ドライブギヤを入力軸に係脱可能にする入力軸側ギヤ係合手段と、センタ軸側ドリブンギヤをセンタ軸に係脱可能にするセンタ軸側ギヤ係合手段と、入力軸とセンタ軸の入力側とを係脱可能にする軸係合手段と、センタ軸の出力側に設けられた遊星ギヤ列とから構成されており、遊星ギヤ列を、センタ軸と同軸上を回転可能に設けられた第1サンギヤと、第1サンギヤと噛合する第1ピニオンと、第1ピニオンと連結されて第1ピニオンと一体回転可能な第2ピニオンと、第1および第2ピニオンを支持して第1サンギヤと同軸上を回転可能に設けられたキャリアと、第2ピニオンと噛合して第1サンギヤと同軸上を回転可能に設けられた第2サンギヤとから構成している。第1サンギヤにセンタ軸の出力側を接続し、キャリアにセンタ軸側ドリブンギヤを連結し、第2サンギヤに出力軸を接続し、第1サンギヤを固定保持可能なブレーキ手段を設けて構成している。
また、第1および第2の本発明に係る自動変速機において、入力軸側ギヤ列に並んで設けられ、入力軸側ギヤ列による動力伝達が行われたときに対してカウンタ軸を反対方向に回転させて入力軸の回転をカウンタ軸に伝達する後進ギヤ列を有したリバース機構を設けて構成することが好ましい。さらに、センタ軸側ドリブンギヤと遊星ギヤ列とをセンタ軸上に設けられた連結部を介して連結し、この連結部を回転自在に支持する軸受け部材を設け、この軸受け部材を変速機のケーシングに保持させることが好ましい。
このように構成される第1の本発明に係る自動変速機においては、入力軸と同軸上にセンタ軸を設け、遊星ギヤ列のサンギヤおよびキャリアの一方をこのセンタ軸および軸係合手段を介して入力軸と接続し、他方をセンタ軸側従動ギヤを介してカウンタ軸と接続している。なお、カウンタ軸は、入力軸側ギヤ列の動力伝達により入力軸の回転が変速されて伝達される。これにより、従来の遊星ギヤ列を備えた変速機と同様、多数の変速レンジを設定可能な変速機を少ない摩擦係合要素で構成できる。また、入力軸の回転をセンタ軸3を介して直接的に遊星ギヤ列に入力できる構造としていることから、カウンタ軸を多重構造にする必要がなくなり、軸構造を簡素化することができる。さらに、センタ軸と同軸上に回転軸を持つリングギヤに出力軸が接続されており、変速機の入力軸と出力軸とを同軸上に配設することができる。したがって、FR型の車両への搭載性の向上が図られる。
また、第2の本発明に係る自動変速機においても、第1の本発明に係る自動変速機と同様に、多段の変速レンジを設定可能な変速機をコンパクトに構成でき、変速機の軸構成を簡素化して構成でき、FR型の車両への搭載性の向上が図られる。
また、リバース機構を設けることにより、上記自動変速機において後進段を設定できる。また、センタ軸側従動ギヤと遊星ギヤ列とを連結する部分を支持する軸受け部材を変速機のケーシングに保持させることにより、センタ軸側ギヤ列からのギヤトルク反力をこの変速機のケーシングで受け止めることができる。したがって、この反力が遊星ギヤ列に作用することがなく、遊星ギヤ列や軸受け部材の構造を大型化や複雑化することなく強度確保でき、結果的に自動変速機の小型化や軽量化が図られる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、図1,図2などにおける右側(エンジン側)を入力側あるいは上流側と称し、左側(駆動輪側)を出力側あるいは下流側と称して説明することがある。図1に、本発明に係る自動変速機TMを備えた動力伝達装置10を示している。この動力伝達装置10は、例えばFR型の車両に搭載される。
動力伝達装置10は、車両前方に配設されたエンジン5と、エンジン5の出力軸5aにトルクコンバータ6を介して入力軸1が接続される自動変速機TMと、自動変速機TMの出力軸4が接続されるデフ機構7とから構成され、エンジン5からの駆動力が、自動変速機TMにより変速され、デフ機構7により左右のアクセルシャフト8,8に分割されて左右の駆動輪(後輪)9,9に伝達される。FR型の車両においてはしばしば、図1に示すように、変速機の入力軸接続部と出力軸接続部とを車両の前後方向に延びる同軸上に位置させたレイアウトで動力伝達装置10が構成される。
自動変速機TMは、複数のケース部材を組み付けて成形されるケーシング20の内部空間に収容され、平行軸式変速機PTMと、出力側遊星ギヤ列RPGと、リバース機構RVとから構成されている。また、ケーシング20の内部には、潤滑用のオイルが底部に溜められている。
平行軸式変速機PTMは、エンジン5からの駆動力により所定方向に所定回転数Neで回転する入力軸1と、入力軸1と平行に設けられるカウンタ軸2と、入力軸1と同軸上に設けられるセンタ軸3と、入力軸1の回転をカウンタ軸2に変速して伝達する入力軸側ギヤ列GMと、カウンタ軸2の回転をセンタ軸3に変速して伝達するセンタ軸側ギヤ列GCと、入力軸1の回転が変速されて伝達される出力軸4とから構成される。また、平行軸式変速機PTMは、入力軸側ギヤ列GMのドライブギヤを入力軸1に対して係脱可能にする入力軸側ギヤ係合要素CM、センタ軸側ギヤ列GCのドリブンギヤをセンタ軸3に対して係脱可能にするセンタ軸側ギヤ係合要素CC、同軸上に設けられた入力軸1とセンタ軸3とを係脱可能にする軸係合要素CSなどの摩擦係合要素を備えて構成されている。
出力側遊星ギヤ列RPGは、センタ軸3と出力軸4との間に介設されており、キャリアなどの構成要素を固定保持する摩擦係合要素として前進ブレーキBFが接続されている。リバース機構RVは、入力軸1の回転をカウンタ軸2に伝達する後進ギヤ列GRを有して構成されており、第1リバース機構RV1により、上記前進段が設定されているときに対して、カウンタ軸2の回転が反転される。リバース機構RVには、カウンタ軸2の回転を反転させるための機構として、後進ブレーキBRやセレクタ機構Sなどの係合要素が適宜備えられる。
自動変速機TMには、変速制御を行うように構成された図示しない変速制御装置が備えられている。変速制御装置は、車両状態に応じて上述の各係合要素の作動制御を行うように構成されており、これら係合要素の作動状態(係脱状態)に応じて自動変速機TMに複数の変速レンジが設定される。自動変速機TMは、変速制御装置により設定された変速レンジに応じて入力軸1の回転を変速して出力軸4を回転させる。
次いで、図2〜図5を参照して第1構成例の自動変速機TM1を説明する。図2に示すように、第1構成例の自動変速機TM1は、平行軸式変速機PTMと、第1出力側遊星ギヤ列40と、第1リバース機構RV1とから構成されている。
第1構成例のケーシング20は、組付状態において内部空間を4つに仕切る3つの隔壁21〜23を有した構造になっている。上流側隔壁21の上流側にリバース室20aが形成され、上流側隔壁21と中央隔壁22との間に第1平行軸室20bが形成され、中央隔壁22と下流側隔壁23との間に第2平行軸室20cが形成され、下流側隔壁23の下流側にプラネタリ室20dが形成される。リバース室20aには第1リバース機構RV1が収容され、第1平行軸室20bには平行軸式変速機PTMの入力軸1側の構成部材が収容され、第2平行軸室20cには平行軸式変速機PTMのセンタ軸3側の構成部材が収容され、プラネタリ室20dには第1出力側遊星ギヤ列40および前進ブレーキBFが収容される。
入力軸1は、リバース室20aおよび第1平行軸室20bの内部を延びるように設けられており、上流側隔壁21の保持部21aに保持された第1ベアリング81により回転自在に支持されている。カウンタ軸2は、リバース室20a、第1平行軸室20bおよび第2平行軸室20cの内部を延びるように設けられており、上流側隔壁21により保持された保持部21bに保持された第2ベアリング82と、中央隔壁22の保持部22bに保持された第3ベアリング83と、下流側隔壁23の保持部に保持された第4ベアリング84とにより回転自在に支持されている。なお、各保持部21a,21b,22b,23bは、隔壁21〜23から円筒状に突出して形成され、円筒内部にベアリングを収容して保持する。また、センタ軸3は、第2平行軸室20cおよびプラネタリ室20dの内部を延びるように設けられている。
カウンタ軸2は、リバース室20aおよび第1平行軸室20bの内部において入力軸1とともに平行軸を構成し、第2平行軸室20cの内部においてセンタ軸3とともに平行軸を構成する。また、カウンタ軸2は、図3に示すようにケーシング20の内部空間において入力軸1の下方に配置されており、潤滑用オイルの油面OLに臨んでいる。カウンタ軸2に軸支されるギヤのうちオイルに接触するおそれのある大径のギヤ(例えば、第1ドリブンギヤ12)には、オイルを掻き揚げてフリクションを生じさせないように、カバー29が設けられている。
入力軸側変速ギヤ列GMは、第1および第2ギヤ列G1,G2から構成され、センタ軸側ギヤ列GCは、第3ギヤ列G3から構成される。各ギヤ列G1〜G3に設定されるギヤ比rG1,rG2,rG3はそれぞれ、ドリブンギヤの歯数をドライブギヤの歯数で除して求められる。ここで、第1および第3ギヤ列G1,G3のギヤ比rG1,rG3は1よりも大きく設定されており、第1および第3ギヤ列G1,G3は減速ギヤ列として機能する。第2ギヤ列G2のギヤ比rG2は1よりも小さく設定されており、第2ギヤ列G2は増速ギヤ列として機能する。また、第2ギヤ列G2のギヤ比rG2と第3ギヤ列G3のギヤ比rG3とを乗じた値(rG2×rG3)は、1よりも小さくなるように設定されている。
第1ギヤ列G1は、入力軸1上に相対回転可能に設けられた第1ドライブギヤ11と、第1ドライブギヤ11に噛合してカウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第1ドリブンギヤ12とから構成される。第1ドライブギヤ11は、入力軸1上に設けられた第1クラッチC1により入力軸1に対して係脱自在に構成されている。そのため、第1クラッチC1が係合すると、カウンタ軸2が、入力軸1に対して第1ギヤ列G1のギヤ比rG1に応じた回転数(Ne×1/rG1)に減速されて入力軸1の逆方向に回転する。
第2ギヤ列G2は、入力軸1上に相対回転可能に設けられた第2ドライブギヤ13と、第2ドライブギヤ13に噛合してカウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第2ドリブンギヤ14とから構成される。第2ドライブギヤ13は、入力軸1上に設けられた第2クラッチC2により入力軸1に対して係脱自在に構成されている。そのため、第2クラッチC2が係合すると、カウンタ軸2が、入力軸1に対して第2ギヤ列G2のギヤ比rG2に応じた回転数(Ne×1/rG2)に増速されて入力軸1の逆方向に回転する。
ここで、入力軸1の出力側と、センタ軸3の入力側とは、入力軸1上に設けられた第3クラッチC3により係脱自在になっている。そのため、第3クラッチC3が係合すると、入力軸1の回転がそのままセンタ軸3に伝達され、センタ軸3は入力軸1と一体回転する。
第3ギヤ列G3は、カウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第3ドライブギヤ15と、第3ドライブギヤ15と噛合してセンタ軸3上に相対回転可能に設けられた第3ドリブンギヤ16とから構成されている。第3ドリブンギヤ16は、センタ軸3上に設けられた第4クラッチC4により、センタ軸3に対して係脱自在に構成されている。そのため、第4クラッチC4が係合すると、センタ軸3が、カウンタ軸2の回転(Ncとする)に対して第3ギヤ列G3のギヤ比rG3に応じた回転数(Nc×1/rG3)に減速されてカウンタ軸2の逆方向に回転する。
このように、第1および第2クラッチC1,C2により入力軸側ギヤ係合要素CMが構成され、第3クラッチC3により軸係合要素CSが構成され、第4クラッチC4によりセンタ軸側ギヤ係合要素CCが構成される。第1〜第4クラッチC1〜C4は、入力軸1あるいはセンタ軸3上にあり、同軸上に並ぶように設けられている。なお、第1〜第4クラッチC1〜C4は湿式クラッチであり、入力軸1やセンタ軸3の軸心に形成された油路を介して潤滑用のオイルが供給される。両軸1,3が回転すると、各クラッチC1〜C4に供給されたオイルが遠心力により径方向外側へ押し出され、クラッチガイドの外部に排出されるようになっている。
第1出力側遊星ギヤ列40は、センタ軸3上に位置する回転軸を中心に回転可能なサンギヤ41と、サンギヤ41と噛合してサンギヤ41の周りを自転しながら公転する第1ピニオン42と、第1ピニオン42と噛合して第1ピニオン42とともに自転しながら公転する第2ピニオン43と、ニードルベアリングを介して第1および第2ピニオン42,43を回転自在に保持するとともにサンギヤ41の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に第1および第2ピニオン42,43と同じ速度で公転するキャリア44と、第2ピニオン43と噛合する内歯を有してサンギヤ41の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に回転可能なリングギヤ45とからなる3軸ダブルピニオン構造で構成されている。また、第1出力側遊星ギヤ列40には、リングギヤ45の歯数をサンギヤ41の歯数で除して求められる所定のギヤ比rRPGが設定されている。
サンギヤ41は、第3ドリブンギヤ16に連結部72を介して連結されており、センタ軸3上を第3ドリブンギヤ16と一体回転可能になっている。この連結部72は、センタ軸3に対して相対回転可能になっているとともに、第2平行軸室20cおよびプラネタリ室20dの内部を延びて設けられており、下流側隔壁23の保持部23aに保持された第7ベアリング87により回転自在に支持されている。この保持部23aは、円筒状に形成されて下流側隔壁23から両室20c,20dに向けて延びるように突出しており、円筒内部に第7ベアリング87を収容して保持している。また、このように第7ベアリング87により支持された状態の連結部72は、軸方向への移動が規制される。
キャリア44は、回転軸にセンタ軸3の出力側端部が接続されており、センタ軸3と一体回転可能になっている。したがって、第3クラッチC3が係合されると、キャリア44にはセンタ軸3を介して入力軸1の回転が直接的に伝達される。また、キャリア44は、プラネタリ室20dの内部に取り付けられた前進ブレーキBFに接続されており、前進ブレーキBFが係合されると固定保持される。
なお、前進ブレーキBFは、プラネタリ室20dの内部において下流側隔壁23に沿うように取り付けられた湿式ブレーキであり、第1出力側遊星ギヤ列40は、このように取り付けられた前進ブレーキBFに対して軸方向下流側にオフセットされた位置に配設されている。ここで、前進ブレーキBFがリングギヤ45の外側に取り付けられると、プラネタリ室20dの大型化に繋がり、自動変速機TM1の車両への搭載性の悪化を招くおそれがある。さらに、湿式ブレーキである前進ブレーキBF自体の大型化に繋がり、粘性抵抗が大きくなって出力ロスの低下を招くおそれがある。このような観点から、前進ブレーキBFと第1出力側遊星ギヤ列40とをこのようなレイアウトで配設している。
リングギヤ45は、回転軸に下流側に延びる出力軸4が接続されている。このように、この自動変速機TM1は、センタ軸3を入力軸1と同軸上に設け、各回転軸がセンタ軸3と同軸とされた3軸構造の第1出力側遊星ギヤ列40を設け、第1出力側遊星ギヤ列40の1つの要素の回転軸(すなわち、リングギヤ45の回転軸)に出力軸が接続されている。このため、入力軸1と出力軸4とが同軸上に配設される。
第1リバース機構RV1は、入力軸1と、カウンタ軸2と、第1後進ギヤ列GR1と、入力側遊星ギヤ列30と、後進ブレーキBRとから構成される。
第1後進ギヤ列GR1は、第1ギヤ列G1に並ぶようにして設けられており、第1ベアリング81の外側に取り付けられた第5ベアリング85により回転自在に支持されて入力軸1上を相対回転可能に設けられた後進ドライブギヤ17と、この後進ドライブギヤ17に噛合し、カウンタ軸2に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な後進ドリブンギヤ18とから構成され、後進ドライブギヤ17の回転を設定されたギヤ比rGR1に応じて変速して後進ドリブンギヤ18に伝達する。なお、ギヤ比rGR1は、後進ドリブンギヤ18の歯数を後進ドライブギヤ17の歯数で除して求められる。また、第5ベアリング85は、上流側隔壁21の保持部21aの円筒外側に嵌合されて保持される。
入力側遊星ギヤ列30は、回転軸に入力軸1が接続されて入力軸1と一体回転するサンギヤ31と、サンギヤ31と噛合してサンギヤ31の周りを自転しながら公転するピニオン32と、ピニオン32を回転自在に保持するともにサンギヤ31と同じ回転軸を中心にピニオン32と同じ速度で公転するキャリア33と、ピニオン32と噛合する内歯を有してサンギヤ31と同じ回転軸を中心に回転するリングギヤ34とからなる3軸シングルピニオン構造で構成されている。また、入力側遊星ギヤ列30には、リングギヤ34の歯数をサンギヤ31の歯数で除して求められる所定のギヤ比rFPGが設定されている。
キャリア33は、リバース室20aの内部に取り付けられた後進ブレーキBRに接続されており、後進ブレーキBRが係合されると固定保持される。また、リングギヤ34と後進ドライブギヤ17とはアーム71を介して連結されており、両ギヤ17,34は一体回転する。後進ブレーキBRは湿式ブレーキで構成されている。
この第1リバース機構RV1においては、サンギヤ31が入力軸1の回転数(Ne)で入力軸1と同方向に回転する。後進ブレーキBRが係合されると、キャリア33が固定保持され、リングギヤ34がサンギヤ31の逆方向に回転する。このとき、リングギヤ34は、サンギヤ31に対して入力側遊星ギヤ列30のギヤ比rFPGに応じた回転数(Ne×1/rFPG)に減速されて後進ドライブギヤ17と一体回転する。後進ドリブンギヤ18は、後進ドライブギヤ17に対して第1後進ギヤ列GR1のギヤ比rGR1に応じた回転数(Ne×1/rFPG×1/rGR1)に変速されて後進ドライブギヤ17の逆方向に回転する。したがって、カウンタ軸2は、後進ドリブンギヤ18と同じ回転数で入力軸1と同方向に回転する。以下、上流側遊星ギヤ列30のギヤ比rFPGと、第1後進ギヤ列GR1のギヤ比rGR1とを乗じて求められる値(rFPG×rGR1)を、第1リバース機構RV1の変速比rRVとする。この変速比rRVは、1よりも大きく設定されることが好ましく、例えば第1ギヤ列G1のギヤ比rG1と同値に設定される。
このように構成される自動変速機TM1は、変速制御装置が図4に示すように摩擦係合要素C1〜C4,BF,BRを選択的に係合させる制御を行うことにより、前進7速(UL,1st〜6th)および後進2速(UR,R)の変速レンジを設定できる。なお、図4の●印は、摩擦係合要素が係合状態にあることを示している。各変速レンジは、2つの摩擦係合要素が係合されて設定される。また、前進段において隣り合う変速レンジ間の変速は、2つの摩擦係合要素のうち1つを係合させたままとし、残りの1つを解放して別の1つの摩擦係合要素を係合させて行うように構成されている。このため、変速をスムーズに行うことができる。
さらに、この自動変速機TM1に備えられた変速制御装置は、前進走行中にアクセルペダルが大きく踏み込まれると、加速に必要な駆動力を駆動輪9,9に伝達するため、現状の変速レンジから2レンジ分低速側にシフトさせる制御を行うように構成されている。図示するように、2レンジ離れた変速レンジ間(すなわち、6速レンジおよび4速レンジ間、5速レンジおよび3速レンジ間、4速レンジおよび2速レンジ間、3速レンジおよび1速レンジ間)についても、1つの摩擦係合要素を係合させたままとし、残りの1つを解放して別の1つの摩擦係合要素を係合させることにより変速可能になっている。このため、加速をスムーズに行わせることができる。
また、図5には第1出力側遊星ギヤ列40の速度線図を示している。3本の縦軸は、それぞれ左側から、第1出力側遊星ギヤ列40を構成するサンギヤ41(S)、リングギヤ45(R)、キャリア44(C)の回転数Nを示している。縦軸の間隔は、サンギヤの軸およびキャリアの軸の間隔と、リングギヤの軸およびキャリアの軸の間隔との比がrRPG:1になっている。また、回転数Nは入力軸1の回転方向を正としており、出力軸4が正方向に回転するとき、すなわち、リングギヤ45が正方向に回転するとき、車両は前進する。以下、図4,図5を参照して各変速レンジについて説明する。
1速レンジ(1st)は、第1クラッチC1および前進ブレーキBFが係合されて設定される。このとき、カウンタ軸2が第1ギヤ列G1により入力軸1に対して減速されて入力軸1と逆方向に回転し、第3ドリブンギヤ16が第3ギヤ列G3によりカウンタ軸2に対して減速されてカウンタ軸2と逆方向に回転することから、サンギヤ41は、入力軸1に対して第1および第3ギヤ列G1,G3のギヤ比rG1,rG3に応じた回転数(Ne×1/rG1×1/rG3)で正方向に回転する。この回転数は、入力軸1の回転数Neより低速である。一方、キャリア44は、前進ブレーキBFの係合により固定保持されて回転しない。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線L1とリングギヤ45の回転数を示す縦軸との交点である回転数N1で正方向に回転する。
2速レンジ(2nd)は、1速レンジの状態から前進ブレーキBFが解放され、第4クラッチC4が係合されて設定される。これにより、サンギヤ41は、1速レンジと同じ回転数(Ne×1/rG1×1/rG3)で正方向に回転する。一方、第4クラッチC4の係合によりセンタ軸3が第3ドリブンギヤ16と一体回転するため、キャリア44はサンギヤ41と同じ回転数(Ne×1/rG1×1/rG3)で正方向に回転する。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線L2と上記縦軸との交点である回転数N2(=Ne×1/rG1×1/rG3)で正方向に回転する。
3速レンジ(3rd)は、2速レンジの状態から第4クラッチC4が解放され、第3クラッチC3が係合されて設定される。これにより、サンギヤ41は、2速レンジと同じ回転数(Ne×1/rG1×1/rG3)で正方向に回転する。一方、第3クラッチC3の係合によりセンタ軸3が入力軸1と一体回転するため、キャリア44は入力軸1と同じ回転数Neで正方向に回転する。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線L3と上記縦軸との交点である回転数N3で正方向に回転する。
4速レンジ(4th)は、3速レンジの状態から第1クラッチC1が解放され、第3クラッチC3が係合されて設定される。これにより、センタ軸3が入力軸1と一体回転するとともに、第3ドリブンギヤ16がセンタ軸3と一体回転する。したがって、サンギヤ41およびキャリア44はともに入力軸1の回転数Neで正方向に回転し、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線L4と上記縦軸との交点である回転数N4(=Ne)で正方向に回転する。すなわち、この自動変速機TM1では、4速レンジにおいて入力軸1と出力軸4の回転数が等しくなる。
5速レンジ(5th)は、4速レンジの状態から第4クラッチC4が解放され、第2クラッチC2が係合されて設定される。このとき、カウンタ軸2が第2ギヤ列G2により入力軸1に対して増速されて入力軸1と逆方向に回転し、第3ドリブンギヤ16が第3ギヤ列G3によりカウンタ軸2に対して減速されてカウンタ軸2と逆方向に回転する。サンギヤ41は、入力軸1に対して第2および第3ギヤ列G2,G3のギヤ比rG2,rG3に応じた回転数(Ne×1/rG2×1/rG3)で正方向に回転する。この回転数は、入力軸1の回転数Neより高速である。一方、キャリア44は、第3クラッチC3の係合により、入力軸1と同じ回転数Neで正方向に回転する。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線L5と上記縦軸との交点である回転数N5で正方向に回転する。
6速レンジ(6th)は、5速レンジの状態から第3クラッチC3が解放され、第4クラッチC4が係合される。このとき、サンギヤ41は、5速レンジと同じ回転数(Ne×1/rG2×1/rG3)で正方向に回転する。一方、第4クラッチC4の係合によりセンタ軸3が第3ドリブンギヤ16と一体回転するため、キャリア44はサンギヤ41と同じ回転数(Ne×1/rG2×1/rG3)で正方向に回転する。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線L6と上記縦軸との交点である回転数N6(=Ne×1/rG2×1/rG3)で正方向に回転する。
後進レンジ(R)は、第4クラッチC4と後進ブレーキBRが係合されて設定される。このとき、後進ブレーキBRの係合によりカウンタ軸2が第1リバース機構RV1の変速比rRVの逆数倍の回転数で入力軸1と同方向に回転する。すなわち、第1リバース機構RV1により、上記前進段が設定されているときに対して、カウンタ軸2の回転が反転される。そして、第3ドリブンギヤ16が第3ギヤ列G3によりカウンタ軸2に対して減速されてカウンタ軸2と逆方向に回転することから、サンギヤ41は、入力軸1に対して第1リバース機構RV1の変速比rRVおよび第3ギヤ列G3のギヤ比rG3に応じた回転数(−Ne×1/rRV×1/rG3)で負方向に回転する。一方、第4クラッチC4の係合によりセンタ軸3が第3ドリブンギヤ16と一体回転するため、キャリア44はサンギヤ41と同じ回転数(−Ne×1/rRV×1/rG3)で負方向に回転する。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線LRと上記縦軸との交点である回転数NR(=−Ne×1/rRV×1/rG3)で負方向に回転する。
ウルトラローレンジ(UL)は、第3クラッチC3と、後進ブレーキBRが係合されて設定される。このとき、サンギヤ41は、後進レンジと同じ回転数(−Ne×1/rRV×1/rG3)で負方向に回転する。一方、第3クラッチC3の係合によりセンタ軸3が入力軸1と一体回転することから、キャリア44は入力軸1と同じ回転数Neで正方向に回転する。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線LULと上記縦軸との交点である回転数NULで正方向に回転する。この回転数NULは1速レンジを設定したときの回転数N1よりも低速になっている。ウルトラローレンジを設定することにより、1速レンジを設定したときよりも大きなトルクを駆動輪に伝達して車両が前進させることができる。
ウルトラローリバースレンジ(UR)は、前進ブレーキBFおよび後進ブレーキBRが係合されて設定される。このとき、サンギヤ41は、後進レンジと同じ回転数(−Ne×1/rRV×1/rG3)で負方向に回転する。一方、キャリア44は、前進ブレーキBFの係合により固定保持されて回転しない。したがって、リングギヤ45は、この2点を結ぶ直線LURと上記縦軸との交点である回転数NURで負方向に回転する。この回転数NURは後進レンジを設定したときの回転数NRよりも低速になっている。ウルトラローリバースレンジを設定することにより、後進レンジを設定したときよりも大きなトルクを駆動輪に伝達して車両を後進させることができる。
なお、1速、3速、5速、ウルトラローおよびウルトラローリバースレンジが設定されているときにおけるリングギヤ45の回転数N1,N3,N5,NUL,NURと入力軸1の回転数Neとの関係については、各変速レンジにおけるサンギヤ41およびキャリア44の回転数から図5の縦軸間隔比、すなわち、第1出力側遊星ギヤ列40のギヤ比rRPGに応じて求められる。
また、後進ブレーキBRが解放されているときには、1速レンジから6速レンジのいずれかが設定される。このとき、カウンタ軸2は、第1あるいは第2ギヤ列G1,G2による動力伝達により、入力軸1と逆方向に回転し、後進ドリブンギヤ18を一体回転させる。このため、後進ドライブギヤ17を介して入力側遊星ギヤ列30のリングギヤ34が入力軸1と同方向に回転し、キャリア33が入力軸1と同方向に回転する。しかしながら、このキャリア33の回転は、第1出力側遊星ギヤ列40のリングギヤ45の回転数や回転方向に影響を及ぼすことがない。
このような自動変速機TM1によると、入力軸1と出力軸4とが同軸上に配設されることから、FR型の車両への搭載性が向上して汎用性の高い自動変速機を提供できる。また、入力軸1やセンタ軸3と同軸上に回転軸を持つキャリア44に入力軸1の回転を直接的に入力可能な構造になっているため、従来のようにカウンタ軸2を多重構造にする必要がなく、自動変速機の構造を簡素化することができる。
また、センタ軸3には、撓み成分が入力されない構造になっている。したがって、センタ軸3を細く成形しても実用に耐えることができ、変速機の軽量化が図られる。そして、このセンタ軸3には、第3ドリブンギヤ16とサンギヤ41とを連結する連結部72が設けられており、この連結部72はケーシング20の構成要素である下流側隔壁23の保持部23aに保持された第7ベアリング87により回転自在に支持されている。このため、第3ギヤ列G3の噛み合いにより生じるギヤトルク反力が、隔壁23を介してケーシング20の全体で受け止められ、第1出力側遊星ギヤ列40に作用することがない。したがって、第1出力側遊星ギヤ列40の強度確保が容易であり、構造の簡素化や小型化が図られた自動変速機を提供できる。さらには、湿式クラッチである第1〜第4クラッチC1〜C4が入力軸1あるいはセンタ軸3上に配設されており、ケーシング20の内部に溜められた潤滑用オイルの油面OLから遠ざかった位置にある。したがって、オイルを掻き揚げてフリクションを生じさせることがなく、出力ロスの少ない自動変速機を提供できる。
次いで、図6,図7を参照して第2構成例の自動変速機TM2を説明する。この自動変速機TM2は、前進ブレーキBFの配設位置が変更されたことを除き、第1構成例の自動変速機TM1と同一の構成であり、同一の部材には同一の符号を付して重複説明を省略する。
図6,図7に示すように、前進ブレーキBFは、第2平行軸室20cを区画形成するケーシング20の側壁25に取り付けられており、第3および第4クラッチC3,C4の径方向外側且つカウンタ軸2およびセンタ軸3の軸間に配設されている。このような前進ブレーキBFは、例えばブレーキバンドなどで構成される。なお、前進ブレーキBFが配設されたカウンタ軸2およびセンタ軸3の軸間スペースは、ギヤ列G1〜G3,GR1を設けるために必要となるものであり、第1構成例においてはデッドスペースになっている。
ここで、センタ軸3は、第3および第4クラッチC3,C4のクラッチガイドに接続されており、キャリア44は、このようなセンタ軸3を介して第3および第4クラッチC3,C4のクラッチガイドに接続されている。したがって、前進ブレーキBFが係合されると、第3および第4クラッチC3,C4が固定保持され、第3および第4クラッチC3,C4に接続されるセンタ軸3が固定保持され、キャリア44が固定保持される。
この自動変速機TM2においても、図4に示す摩擦係合要素C1〜C4,BF,BRの係脱制御を行うことにより、前進7速および後進2速の変速レンジを設定できる。なお、前進ブレーキBFと第3クラッチC3あるいは第4クラッチC4とを同時に係合させて設定する変速レンジはないため、前進ブレーキBFの作動により確実にキャリア44を固定保持できる。また、図4に示す係脱制御により、図5に示す速度線図に対応して第1出力側遊星ギヤ列40のサンギヤ41、キャリア44およびリングギヤ45が回転する。
第1構成例の自動変速機TM1では、搭載性などの観点から、第1出力側遊星ギヤ列40が前進ブレーキBFに対して軸方向下流側にオフセットして配設されていた。このため、プラネタリ室20dの内部に、前進ブレーキBFを配設するために専用のスペースを確保する必要があった。一方、第2構成例の自動変速機TM2においては、前進ブレーキBFが第2平行軸室20cに収容され、キャリア44と一体回転する部材を保持するように設けられており、第1構成例と同様の機能を果たしている。このため、プラネタリ室20dが軸方向に小型化されるとともに第2平行軸室20cを軸方向に大型化する必要がなく、自動変速機TM2を全体的に小型化できる。なお、第2平行軸室20cにおけるデッドスペースが有効に利用されていることから、第2平行軸室20cを径方向に大型化する必要がなく、自動変速機TM2の全体の径方向への大型化も回避されたレイアウトになっている。
次いで、図8,図9を参照して第3構成例の自動変速機TM3を説明する。この自動変速機TM3は、出力側遊星ギヤ列RPGの構成が変更されたことを除き、第2構成例の自動変速機TM2と同一の構成であり、同一の部材には同一の符号を付して重複説明を省略する。
図8に示すように、第3構成例の第2出力側遊星ギヤ列50は、第1出力側遊星ギヤ列40と同様に、サンギヤ51と、第1ピニオン52と、第2ピニオン53と、キャリア54と、リングギヤ55とからなる3軸ダブルピニオン構造で構成されている。また、第2出力側遊星ギヤ列50においても、リングギヤ55の歯数をサンギヤ51の歯数で除して求められる所定のギヤ比rRPGが設定されている。
サンギヤ51は、回転軸にセンタ軸3の出力側が接続されてセンタ軸3と一体回転可能になっており、センタ軸3を介して第3および第4クラッチC3,C4のクラッチガイドに接続されている。したがって、前進ブレーキBFが係合されて第3および第4クラッチC3,C4が固定保持されると、センタ軸3とともにサンギヤ51が固定保持される。
キャリア54は、第3ドリブンギヤ16に連結部72を介して連結されており、センタ軸3上を第3ドリブンギヤ16と一体回転可能になっている。この連結部72は、センタ軸3に対して相対回転可能になっているとともに、第2平行軸室20cおよびプラネタリ室20dの内部を延びて設けられており、下流側隔壁23の保持部23aに保持された第7ベアリング87により回転自在に支持されている。また、同様にして連結部72は、軸方向への移動が規制される。
リングギヤ55は、回転軸に下流側に延びる出力軸4が接続される。したがって、この自動変速機TM3においても、センタ軸3を入力軸1と同軸上に設け、各回転軸がセンタ軸3上に位置する3軸構造の第2出力側遊星ギヤ列50を設け、第2出力側遊星ギヤ列50の1つの要素の回転軸(すなわち、リングギヤ55の回転軸)に出力軸が接続されていることから、入力軸1と出力軸4とが同軸上に配設される。
この自動変速機TM3は、図4に示す摩擦係合要素C1〜C4,BF,BRの係脱制御を行うことにより、前進7速および後進2速の変速レンジを設定できる。
図9には、第2出力側遊星ギヤ列50の速度線図を示している。この速度線図は、図5と同じ要領で作成されている。なお、第2出力側遊星ギヤ列50は、第1出力側遊星ギヤ列40に対し、センタ軸3が接続される要素と第3ドリブンギヤ16が接続される要素とを入れ替えたものである。このため、各変速レンジにおいて、第2出力側遊星ギヤ列50のサンギヤ51は、第1出力側遊星ギヤ列40におけるキャリア44と同様に作動し、第2出力側遊星ギヤ列50のキャリア54は、第1出力側遊星ギヤ列40におけるサンギヤ41と同様に作動する。したがって、図9の速度線図における各直線L1〜L6,LUL,LURは、図5を左右反転させた形で推移する。
この自動変速機TM3においても、第2構成例の自動変速機TM2と同様の効果を得ることができる。さらに、サンギヤ51がセンタ軸3に接続されるため、サンギヤ51の径を小型化できる。したがって、第1および第2ピニオン52,53の径を大型化することができ、これらピニオン52,53とキャリア54との間に設けられるニードルベアリングの強度確保が容易になる。
次いで、図10〜図12を参照して第4構成例の自動変速機TM4を説明する。この自動変速機TM4は、リバース機構RVの構成が変更されていること除き、概ね第3構成例と同様の構成であり、同一の部材には同一符号を付して重複説明を省略する。なお、図10に示すように、第4構成例において、第2ドリブンギヤ14は、カウンタ軸2に対して相対回転可能に設けられている。
第4構成例の第2リバース機構RV2は、入力軸1と、カウンタ軸2と、第2後進ギヤ列GR2と、セレクタ機構Sとから構成され、第2ギヤ列G2の下流側に設けられており、第1平行軸室20bの内部に収容されている。このため、この自動変速機TM4は、第1〜第3構成例におけるリバース室20aが不要であり、ケーシング20が第1〜第3構成例における上流側隔壁21を省略した構造になっている。なお、入力軸1を支持する第1ベアリング81およびカウンタ軸2の上流側を支持する第2ベアリング82は、ケーシング20の外壁に保持されている。
図11に示すように、第2後進ギヤ列GR2は、第2ギヤ列G2に並んで設けられており、入力軸1上を相対回転可能に設けられた後進ドライブギヤ17と、カウンタ軸2上を相対回転可能に設けられた後進ドリブンギヤ18と、両ギヤ17,18に噛合してアイドル軸19a上を回転可能な後進アイドルギヤ19とから構成される。また、後進ドライブギヤ17は、第2ドライブギヤ13と連結部73を介して連結されており、第2ドライブギヤ13と一体回転可能になっている。
このため、第2ドライブギヤ13が入力軸1と一体回転すると、後進ドライブギヤ17が同じ回転数Neで回転する。すると、後進アイドルギヤ19が後進ドライブギヤ17と逆方向に回転し、後進ドリブンギヤ18が後進アイドルギヤ19と逆方向、すなわち、入力軸1、第2ドライブギヤ13および後進ドライブギヤ17と同方向に回転する。このとき、後進ドリブンギヤ18は、後進ドライブギヤ17に対して設定されたギア比rGR2に応じた回転数(Ne×1/rGR2)に変速されて回転する。なお、ギヤ比rGR2は、後進ドリブンギヤ18の歯数を後進ドライブギヤ17の歯数で除して求められる。以下、このギヤ比rGR2を第2リバース機構RV2の変速比rRVとする。この変速比rRVは、1よりも大きく設定されることが好ましく、例えば第1ギヤ列G1のギヤ比rG1と同値に設定される。したがって、図11に示すように後進ドリブンギヤ18は大径になっており、オイルの掻き揚げによるフリクションの発生を防止するため、後進ドリブンギヤ18にはカバー29が設けられている。
セレクタ機構Sは、カウンタ軸2上において第2ドリブンギヤ14と後進ドリブンギヤ18との間に設けられており、カウンタ軸2と一体に回転する回転部材Srと、カウンタ軸2の軸方向に移動可能なセレクタSsとから構成されている。また、第2ドリブンギヤ14には、カウンタ軸2上をセレクタ機構Sに向けて延びる延設部74が設けられており、その端部にドグ歯部75が形成されている。また、後進ドリブンギヤ18にも、カウンタ軸2上をセレクタ機構Sに向けて延びる延設部76が設けられており、その端部にドグ歯部77が形成されている。
このセレクタ機構Sにおいて、セレクタSsを第2ドリブンギヤ14に向けて移動させると、セレクタSsが回転部材Srと第2ドリブンギヤ14のドグ歯部75とに係合し、第2ドリブンギヤ14とカウンタ軸2とを一体回転させることができる。また、セレクタSsを後進ドリブンギヤ18に向けて移動させると、セレクタSsが回転部材Srと後進ドリブンギヤ18のドグ歯部77とに係合し、後進ドリブンギヤ18とカウンタ軸2とを一体回転させることができる。このように、セレクタSsは、第2ドリブンギヤ14のドグ歯部75と係合する前進設定位置Dと、後進ドリブンギヤ18のドグ歯部77と係合する後進設定位置Rとの間を移動可能で、両位置D,Rのいずれかに位置していずれかのドグ歯部75,77と係合されるようになっており、セレクタ機構Sは、自動変速機TM4における係合要素の一つになっている。
この自動変速機TM4は、図12に示すように係合要素C1〜C4,BF,Sを選択的に係合させることにより、前進7速(UL,1st〜6th)および後進2速(UR,R)の変速レンジを設定できる。なお、図12の●印は、係合状態にあって出力軸4への動力伝達を行わせるために機能することを示しており、○印は、係合状態にはあるが出力軸4への動力伝達に無関係な状態であることを示している。なお、図12に示す係合要素の係脱制御により、図9に示す速度線図に対応して第2出力側遊星ギヤ列50のサンギヤ51、キャリア54およびリングギヤ55が回転する。
図4と図12とを比較してわかるように、この自動変速機TM4においては、キャリア54を負方向に回転させる必要がある後進レンジ、ウルトラローレンジおよびウルトラローリバースレンジの設定を行う場合、第3構成例における後進ブレーキBRの係合に替わり、第2クラッチC2を係合させるとともに、セレクタSsを後進設定位置Rに位置させてセレクタSsと後進ドライブギヤ18のドグ歯部77とを係合させるようになっている。
第2クラッチC2の係合により、第2ドライブギヤ13が入力軸1および後進ドライブギヤ17と一体回転し、後進ドリブンギヤ18が入力軸1と同方向に回転する。また、セレクタSsとドグ歯部77との係合により、後進ドリブンギヤ18がカウンタ軸2と一体回転するため、第3ドリブンギヤ16がカウンタ軸2に対して第3ギヤ列G3のギヤ比rG3に応じた回転数(Ne×1/rRV×1/rG3)でカウンタ軸2と逆方向に回転し、キャリア54をこの回転数で負方向に回転させることができる。これにより、図9に示すようにリングギヤ55が回転し、後進レンジ、ウルトラローレンジおよびウルトラローリバースレンジの設定が可能となる。なお、このとき、第2ドリブンギヤ14はカウンタ軸2上で空転する。したがって、第2ギヤ列G2によりカウンタ軸2に動力が伝達されることがなく、第2ギヤ列G2がリングギヤ55の回転数や回転方向に影響を及ぼすことがない。
また、第2ギヤ列G2での動力伝達を利用して設定される5速レンジおよび6速レンジにおいては、第2クラッチC2の係合に加え、セレクタSsを前進設定位置Dに位置させてセレクタSsと第2ドライブギヤ14のドグ歯部75とを係合させるようになっている。これにより、カウンタ軸2が第2ドリブンギヤ14と一体回転し、図9に示すようにキャリア54が入力軸1の回転数Neより高速の回転数N6(Ne×1/rG2×1/rG3)で正方向に回転する。なお、このとき、後進ドリブンギヤ18はカウンタ軸2上で空転する。したがって、第2後進ギヤ列GR2での動力伝達がリングギヤ55の回転数や回転方向に影響を及ぼすことがない。
また、これ以外の1速〜4速レンジについては、第2クラッチC2が解放されているため、セレクタSの作動が変速レンジの設定に影響を及ぼさない。ただし、これらの変速レンジはいずれも前進用の変速レンジであることから、図12の○印に示すように、セレクタSsを前進設定位置Dに位置させておくことが好ましい。これにより、4速レンジと5速レンジの間での変速や、5速および6速レンジから2レンジ分低速側にシフトさせる制御をスムーズに行わせることができる。
この自動変速機TM4においても、第3構成例と同様の効果を得ることができる。さらに、この自動変速機TM4は、湿式ブレーキである後進ブレーキBRに替えてドグ歯部75,77を利用する形態の係合要素であるセレクタ機構Sを備えた第2リバース機構RV2を有して構成されている。したがって、後進ブレーキBRにおいて生じるおそれのあった粘性抵抗が解消されて出力ロスの低減が図られる。
次いで、図13を参照して第5構成例の自動変速機TM5について説明する。この自動変速機TM5は、出力側遊星ギヤ列RPGの構成が変更されたことを除き、第3構成例と同一の構成であり、同一の部材には同一の符号を付して重複説明を省略する。
図13に示すように、第5構成例の第3出力側遊星ギヤ列60は、センタ軸3上に位置する回転軸を中心に回転可能な第1サンギヤ61と、第1サンギヤ61と噛合して第1サンギヤ61の周りを自転しながら公転する第1ピニオン62と、第1ピニオン62に連結されて第1ピニオン62と同じ回転軸を中心に第1ピニオン62と一体回転し、第1ピニオン62の軸方向下流側に位置する第2ピニオン63と、ニードルベアリングを介して第1および第2ピニオン62,63を回転自在に保持するとともに第1サンギヤ61の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に第1および第2ピニオンと同じ速度で公転するキャリア64と、第2ピニオン62と噛合して第1サンギヤ61回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に回転可能で、第2ピニオン62の内側且つ第1サンギヤの軸方向下流側に位置する第2サンギヤとから構成される。このように、第3出力側遊星ギヤ列60は、3軸構造で構成されている。また、第3出力側遊星ギヤ列60には、第1サンギヤ61の歯数と第2ピニオンギヤ63の歯数との積を第1ピニオンギヤ62の歯数と第2サンギヤ65の歯数との積で除して求められるギヤ比rRPGが設定されている。
第1サンギヤ61は、回転軸にセンタ軸3の出力側が接続されてセンタ軸3と一体回転可能になっており、センタ軸3を介して第3および第4クラッチC3,C4のクラッチガイドに接続されている。したがって、前進ブレーキBFが係合されて第3および第4クラッチC3,C4が固定保持されると、センタ軸3とともに第1サンギヤ61が固定保持される。
キャリア64は、第3ドリブンギヤ16に連結部72を介して連結されており、センタ軸3上を第3ドリブンギヤ16と一体回転可能になっている。この連結部72は、センタ軸3に対して相対回転可能になっているとともに、第2平行軸室20cおよびプラネタリ室20dの内部を延びて設けられており、下流側隔壁23の保持部23aに保持された第7ベアリング87により回転自在に支持されている。また、連結部72は、軸方向への移動が規制される。
第2サンギヤ65は、回転軸に下流側に延びる出力軸4が接続される。したがって、この自動変速機TM5においても、センタ軸3を入力軸1と同軸上に設け、各回転軸がセンタ軸3と同軸とされた3軸構造の第3出力側遊星ギヤ列60を設け、第3出力側遊星ギヤ列60の1つの要素の回転軸(すなわち、第2サンギヤ65の回転軸)に出力軸を接続していることから、入力軸1と出力軸4とが同軸上に配設される。
この自動変速機TM5は、図4に示す摩擦係合要素C1〜C4,BF,BRの係脱制御を行わせることにより、前進7速および後進2速の変速レンジを設定できる。
図14には、第3出力側遊星ギヤ列60の速度線図を示している。3本の縦軸は、それぞれ左側から、第3出力側遊星ギヤ列60を構成する第1サンギヤ61(S1)、第2サンギヤ65(S2)、キャリア64(C)の回転数Nを示している。縦軸の間隔は、第1サンギヤの軸およびキャリアの軸の間隔と、第2サンギヤの軸およびキャリアの軸の間隔との比が、1:rRPGになっている。また、回転数Nは入力軸1の回転方向を正としており、出力軸4が正方向に回転するとき、すなわち、第2サンギヤ65が正方向に回転するとき、車両は前進する。
各変速レンジにおいて、センタ軸3と接続される第1サンギヤ61は、第2出力側遊星ギヤ列50のサンギヤ51と同様に作動し、前進ブレーキBFにより固定保持可能なキャリア64は、第2出力側遊星ギヤ列50のキャリア54と同様に作動し、出力軸4と接続される第2サンギヤ65は、第2出力側遊星ギヤ列50のリングギヤ55と同様に作動する。したがって、図14の速度線図における各直線L1〜L6,LUL,LURは、図9と同様に推移する。
この自動変速機TM5においても、第3構成例と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各構成例に限られず、例えば、第1出力側遊星ギヤ列40と第2リバース機構RV2とを組み合わせた自動変速機や、第3出力側遊星ギヤ列60と第2リバース機構RV2とを組み合わせた自動変速機であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、入力軸側ギヤ列GMのうち増速ギヤ列として機能する第2ギヤ列G2を省略して自動変速機を構成してもよい。このとき、第1リバース機構RV1を設けている場合は、入力軸側係合手段CMのうち第2ドライブギヤ13を係脱するための第2クラッチC2も同時に省略できる。また、第2リバース機構RV2を設けている場合についても、第1ドリブンギヤ12を、上記構成例における第2ドリブンギヤ14と同様に構成し、第1ドリブンギヤ12に形成したドグ歯部とセレクタとが係合可能になるようにセレクタ機構を構成することにより、第2クラッチC2を同時に省略できる。このように構成された自動変速機においても、前進5速(UL,1st〜4th)、後進2速(UR,R)の変速レンジを設定でき、同様の効果を得ることができる。
また、図5,図9,図14に示す速度線図は、各ギヤ比rG1,rG2,rG3,rRPG,rGR1,rGR2,rFPGを所定値に設定した一例を示すものであり、直線L1〜L6,LUL,LURの傾きや縦軸の間隔などは図示されたものに限られず、各ギヤ比を適宜設定変更することにより、各変速レンジにおけるリングギヤ45,55や第2サンギヤ65の回転数を自由に設定でき、入出力比を自由に設定できる。
本発明に係る自動変速機を備えた車両の動力伝達装置を示すスケルトン図である。 第1構成例の自動変速機を示すスケルトン図である。 第1構成例の自動変速機の第1ギヤ列を軸方向に見た図である。 第1構成例の自動変速機における摩擦係合要素の作動と変速レンジとの関係を示す表図である。 第1構成例の自動変速機における出力側遊星ギヤ列を構成する各要素の速度の関係を示す速度線図である。 第2構成例の自動変速機を示すスケルトン図である。 第3構成例の前進ブレーキを軸方向に見た図である。 第3構成例の自動変速機を示すスケルトン図である。 第3構成例の自動変速機における出力側遊星ギヤ列を構成する各要素の速度の関係を示す速度線図である。 第4構成例の自動変速機を示すスケルトン図である。 第4構成例の第2後進ギヤ列を軸方向に見た図である。 第4構成例の自動変速機における係合要素の作動状態と変速レンジとの関係を示す表図である。 第5構成例の自動変速機を示すスケルトン図である。 第5構成例の自動変速機における出力側遊星ギヤ列を構成する各要素の速度の関係を示す速度線図である。
符号の説明
TM(TM1〜TM5) 自動変速機
PTM 平行軸式変速機
GM(G1,G2) 入力軸側ギヤ列
GC(G3) センタ軸側ギヤ列
CM(C1,C2) 入力軸側ギヤ係合要素
CS(C3) 軸係合要素
CC(C4) センタ軸側ギヤ係合要素
RPG(40,50,60) 出力側遊星ギヤ列
BF 前進ブレーキ
RV(RV1,RV2) リバース機構
BR 後進ブレーキ
S セレクタ
1 入力軸
2 カウンタ軸
3 センタ軸
4 出力軸
20 ケーシング
72 連結部
87 第7ベアリング

Claims (4)

  1. 入力軸および出力軸と、
    前記入力軸に対して平行に設けられたカウンタ軸と、
    前記入力軸と同軸上に設けられたセンタ軸と、
    前記入力軸に設けられた入力軸側駆動ギヤおよび前記カウンタ軸に設けられて前記入力軸側駆動ギヤと噛合する入力軸側従動ギヤからなり、前記入力軸の回転を前記カウンタ軸に伝達する入力軸側ギヤ列と、
    前記カウンタ軸に設けられたセンタ軸側駆動ギヤおよび前記センタ軸に設けられて前記センタ軸側駆動ギヤと噛合するセンタ軸側従動ギヤからなり、前記カウンタ軸の回転を前記センタ軸に伝達するセンタ軸側ギヤ列と、
    前記入力軸側駆動ギヤを前記入力軸に係脱可能にする入力軸側ギヤ係合手段と、
    前記センタ軸側従動ギヤを前記センタ軸に係脱可能にするセンタ軸側ギヤ係合手段と、
    前記入力軸と前記センタ軸の入力側とを係脱可能にする軸係合手段と、
    前記センタ軸の出力側に設けられた遊星ギヤ列とから構成され、
    前記遊星ギヤ列が、前記センタ軸と同軸上を回転自在に設けられたサンギヤと、前記サンギヤと噛合するピニオンと、前記ピニオンを支持して前記サンギヤと同軸上を回転自在に設けられたキャリアと、前記ピニオンと噛合して前記サンギヤと同軸上を回転自在に設けられたリングギヤとから構成され、
    前記サンギヤおよび前記キャリアの一方に前記センタ軸の出力側が接続され、前記サンギヤおよび前記キャリアの他方に前記センタ軸側従動ギヤが連結され、前記リングギヤに前記出力軸が接続され、前記サンギヤおよび前記キャリアの一方を固定保持可能なブレーキ手段を設けて構成されていることを特徴とする自動変速機。
  2. 入力軸および出力軸と、
    前記入力軸に対して平行に設けられたカウンタ軸と、
    前記入力軸と同軸上に設けられたセンタ軸と、
    前記入力軸に設けられた入力軸側駆動ギヤおよび前記カウンタ軸に設けられて前記入力軸側駆動ギヤと噛合する入力軸側従動ギヤからなり、前記入力軸の回転を前記カウンタ軸に伝達する入力軸側ギヤ列と、
    前記カウンタ軸に設けられたセンタ軸側駆動ギヤおよび前記センタ軸に設けられて前記センタ軸側駆動ギヤと噛合するセンタ軸側従動ギヤからなり、前記カウンタ軸の回転を前記センタ軸に伝達するセンタ軸側ギヤ列と、
    前記入力軸側駆動ギヤを前記入力軸に係脱可能にする入力軸側ギヤ係合手段と、
    前記センタ軸側従動ギヤを前記センタ軸に係脱可能にするセンタ軸側ギヤ係合手段と、
    前記入力軸と前記センタ軸の入力側とを係脱可能にする軸係合手段と、
    前記センタ軸の出力側に設けられた遊星ギヤ列とから構成され、
    前記遊星ギヤ列が、前記センタ軸と同軸上を回転可能に設けられた第1サンギヤと、前記第1サンギヤと噛合する第1ピニオンと、前記第1ピニオンと連結されて前記第1ピニオンと一体回転可能な第2ピニオンと、前記第1および第2ピニオンを支持して前記第1サンギヤと同軸上を回転可能に設けられたキャリアと、前記第2ピニオンと噛合して前記第1サンギヤと同軸上を回転可能に設けられた第2サンギヤとから構成され、
    前記第1サンギヤに前記センタ軸の出力側が接続され、前記キャリアに前記センタ軸側従動ギヤが連結され、前記第2サンギヤに前記出力軸が接続され、前記第1サンギヤを固定保持可能なブレーキ手段を設けて構成されていることを特徴とする自動変速機。
  3. 前記入力軸側ギヤ列に並んで設けられ、前記入力軸側ギヤ列による動力伝達が行われたときに対して前記カウンタ軸を反対方向に回転させて前記入力軸の回転を前記カウンタ軸に伝達する後進ギヤ列を有したリバース機構を設けて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機。
  4. 前記センタ軸側従動ギヤと前記遊星ギヤ列とが前記センタ軸上に設けられた連結部を介して連結されており、前記連結部を回転自在に支持する軸受け部材が設けられており、前記軸受け部材が変速機のケーシングに保持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動変速機。
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