JPH10251367A - ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

ポリウレタンフォームの製造法

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JPH10251367A
JPH10251367A JP9070558A JP7055897A JPH10251367A JP H10251367 A JPH10251367 A JP H10251367A JP 9070558 A JP9070558 A JP 9070558A JP 7055897 A JP7055897 A JP 7055897A JP H10251367 A JPH10251367 A JP H10251367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HCFCー141bを発泡剤としてポリウレ
タンフォームを製造するにあたり、HCFCー141b
使用量を従来量より削減しても、密度を下げることがで
き、特に硬質フォームに適用した場合、反応性を損なう
ことなく、施工上問題となり易い横拡がりを軽減でき、
かつ難燃性の高いフォームが得られるポリウレタンフォ
ームの製造法を提供する。 【解決手段】 特定の算定式で積算されるHLB値の範
囲を有するポリオールを併用して、水素原子含有フロロ
カーボンおよび必要により水、難燃剤、触媒、整泡剤の
存在下でポリイソシアネートと反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリウレタンフォー
ムの製造法に関する。さらに詳しくは、特に低密度で寸
法安定性と難燃性に優れたスプレー施工用硬質ポリウレ
タンフォームを得るのに好適なポリウレタンフォームの
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硬質ポリウレタンフォーム等のポ
リウレタンフォームの発泡剤としては、水やトリクロロ
モノフルオロメタン(CFC−11)が大半の場合にお
いて使用され、硬質ポリウレタンフォームは、各種のフ
ォーム用途の中で、寸法安定性や断熱性に優れる特徴を
生かした用途では、戸建て住宅、マンション、大型冷蔵
施設などの断熱材として広く使用されていた。しかしな
がら地球のオゾン層保護を目的とし、ハロゲン化炭化水
素発泡剤などの規制が開始され、1995年12月末を
もってこの規制対象発泡剤は使用できなくなった。特に
断熱性能付与の観点から、硬質ポリウレタンフォームの
発泡剤は、オゾン破壊係数の小さい水素原子含有ハロゲ
ン化炭化水素であるHCFCー141b等に移行してい
る。しかし、新しく使われるこれらの発泡剤は、従来使
用されてきたCFCー11に比べ、ウレタン樹脂との相
溶性が高くウレタンフォームの密度が高くなりやすい問
題や、樹脂を可塑化し発泡成形したフォームが経時的に
収縮を生じ易い問題、また生成したフォームの難燃性が
悪化するなどの問題がある。現状の対策としては、フォ
ーム密度を犠牲にし、ウレタンフォーム結合濃度を高く
して樹脂強度を高めることにより、これらの問題点を回
避する方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は原料系の粘度が高くなるため、スプレー施工時の
混合性の悪化や、それによるフォーム物性の低下、施工
時の横拡がりによる接着性の低下を招く等の問題を抱え
ている。本発明の目的は、HCFCー141b等の水素
原子含有ハロゲン化炭化水素を発泡剤としてポリウレタ
ンフォームを製造するにあたり、フォーム密度を高める
ことなく寸法安定性と難燃性に優れたスプレー用硬質ポ
リウレタンフォームを得るのに特に好適なポリウレタン
フォームの製造法を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、HCFC
−141b等の水素原子含有ハロゲン化炭化水素を発泡
剤として用いて、ウレタンフォームの低密度化と寸法安
定性および難燃性に優れ、スプレー施工に適した硬質ポ
リウレタンフォームを製造する方法について鋭意検討を
重ねた結果、特定のポリエーテルポリオールを使用する
ことにより、上記の問題点を解決することを見出し、本
発明に到達した。すなわち本発明は、ポリオール(A)
とポリイソシアネート(B)とを、水素原子含有フロロ
カーボン(C)の存在下、且つ、水(D)、整泡剤
(E)、触媒(F)および難燃剤(G)の存在下または
不存在下で反応させてポリウレタンフォームを製造する
方法において、ポリオール(A)として下記式(1)の
HAの値が5〜12となることを満たすn種のポリオー
ル(A1)〜(An)を用いることを特徴とするポリウレ
タンフォームの製造法;上記製法で得られ、JIS A
1321による難燃性試験で難燃3級に合格する難燃性
を有する硬質ウレタンフォーム;並びに、上記ポリオー
ル(A)からなるポリウレタンフォーム製造用ポリオー
ル組成物である。
【0005】
【数2】
【0006】[但し、nは2以上の整数;Miは、ポリ
オール(A1)〜(An)中のi番目のポリオール(A
i)のモル分率;Hiは、ポリオール(Ai)のグリフィ
ン法によるHLBを示す。]
【0007】上記式(1)に示すHAは親水性の程度を
示す尺度であり、その値が大きくなるほど親水性は大き
くなる。反対にHAが小さくなると親油性を示すことに
なり、発泡剤として使用する水素原子含有フロロカーボ
ン(C)との相溶性は向上する傾向にある。現在、水素
原子含有フロロカーボン(C)の代表例であるHCFC
−141bは、ウレタンフォーム用発泡剤として使用で
きる最も広範囲に使用できる唯一の発泡剤であるが、前
記したとおりウレタン樹脂の可塑化やフォーム密度を高
めたり、難燃性を悪化するなどの問題を有している。こ
の問題を解決する方法として、生成したウレタン樹脂中
に残存するHCFCー141b量を少なくすることが考
えられ、上記HAの範囲を有するポリオールを使用する
ことで、前述の問題点を大幅に改善できることがわかっ
た。ポリオールとHCFCー141bとの溶解度は表ー
1に後記する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製法で用いられるポリオ
ール(A)を構成するn種のポリオール(A1) 〜(A
n)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられる。ポ
リエーテルポリオールとしては、多価アルコール、フェ
ノール類・ビスフェノール類、脂肪族アミン、芳香族ア
ミンなどの活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付
加した化合物が挙げられる。
【0009】上記多価アルコールの具体例としては、例
えば2価のアルコール(エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキシレングリコールなど)、3価の
アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパンな
ど)、4価のアルコール(ペンタエリスリトール、ジグ
リセリン、メチルグルコシドなど)、6価アルコール
(ソルビトールなど)、8価アルコール(ショ糖など)
が挙げられ、好ましいものは、グリセリン、トリメチロ
ールプロパンおよびペンタエリスリトール、ソルビトー
ルおよびショ糖である。
【0010】フェノール類の具体例としては、ピロガロ
ール、ハイドロキノンなどが、ビスフェノール類の具体
例としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、および2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられ、好ましいもの
は、ビスフェノールAおよびビスフェノールFである。
【0011】上記脂肪族アミンの具体例としては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、エチレンジアミンなどが挙げられ、好ましい
ものはトリエタノールアミンおよびエチレンジアミンで
ある。
【0012】上記芳香族アミンの具体例としては、2,
4−または2,6−トルエンジアミン(TDA)、1,
2−,1,3−または1,4−フェニレンジアミン、ジ
エチルトルエンジアミン、1,2−,1,3−または
1,4−キシリレンジアミン、2,4’−または4,
4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、ナフチレ
ン−1,5−ジアミン、または3,3’−ジクロロ−
4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられ、
好ましいものはTDAおよびMDAである。
【0013】これらの活性水素化合物に付加するアルキ
レンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下E
Oと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略
記)、1,2−、2,3−もしくは1,4−ブチレンオ
キサイドおよびこれらの2種以上の併用(ブロックおよ
び/またはランダム付加)が挙げられる。これらのうち
好ましくは、PO単独またはPOとEOの併用である。
【0014】ポリエステルポリオールの具体例として
は、多価アルコール(前記2価アルコールおよびトリメ
チロールプロパン、グリセリンなど)と多塩基酸(コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー
酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族カルボン酸
など)とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオ
ール、εーカプロラクトンなどラクトンを開環して得ら
れるポリカプロラクトンポリオールおよびPETスクラ
ップ回収物などが挙げられる。これらのポリエステルポ
リオールは2種以上を併用してもよい。これらのうちで
好ましいものは、2価アルコール(エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールおよび1、4ーブタンジオー
ルの1種以上))とフタル酸とを縮合反応して得られる
ポリエステルポリオールやPETスクラップ回収物であ
る。
【0015】マンニッヒポリオールの具体例としては、
フェノール類(フェノール、ノニルフェノール、ビスフ
ェノールなど)および/または芳香族アミン類(アニリ
ン、トルエンジアミンなど)あるいはジアルカノールア
ミン類(ジメチルエタノールアミンなど)とアルデヒド
(ホルムアルデヒド、パラアルデヒドなど)を反応して
得られるポリオールである。
【0016】該ポリオール(A)として、前記式(1)
のHAの値が通常5〜12、好ましくは6〜11となる
n種のポリオ−ル(A1)〜(An)が用いられる。HA
が5未満の場合は、HCFC−141b等の水素原子含
有フロロカーボン(C)の溶解性が高く、ポリウレタン
フォ−ム中の残存量が多くなり発泡効率の低下や、寸法
安定性の低下を生じる。12を越える場合はポリオ−ル
(A)の分子量が大きくなり、ポリウレタンフォ−ムの
強度物性が低く実用性が乏しくなる。またポリオ−ル
(A)中にHLBが5未満のものが含まれていても、H
LBが2以上のものが(A)中に85質量%以上あり、
且つHAの値が上記範囲内であれば上記の問題は除外で
きる。
【0017】ポリオール(A)中に芳香族基が含まれて
いるのがフォームの難然性の点で好ましく、(A)中の
芳香族基濃度は、好ましくは20質量%以上、特に25
%以上である。20%未満の場合はJIS A1321
の難燃性試験に合格しなくなる。一方、芳香族基を有す
る化合物から誘導されたポリオ−ルは、好ましくは
(A)中の70質量%以上である。70%未満になる
と、上記JISの難燃性に合格しない。
【0018】ポリオ−ル(A)を使用したポリウレタン
フォ−ムは、それ自体である程度の難燃性を有している
が、更に高い性能を要求される場合が多い。このような
条件に適合するポリウレタンフォ−ムを製造するため、
難燃剤を併用することもできる。使用する難燃剤として
は、トリス(モノクロロプロピル)ホスフェ−ト、トリ
ス(ジクロロプロピル)ホスフェ−ト、トリス(トリブ
ロモネオペンチル)ホスフェ−ト、水酸化アルミニウム
などである。
【0019】ポリオール(A)中には三級窒素原子を含
有するのが反応性の点で好ましく、(A)中の三級窒素
原子の含量は好ましくは0.3〜5質量%、特に0.5
〜4質量%である。三級窒素原子含量が0.3未満では
ポリウレタンフォームの反応の進行が遅く、作業性が低
下する。また5を越えると、反応性は高くなるが、スプ
レー施工の場合のガン詰まりを生じ易くなる。また得ら
れたポリウレタンフォームの難燃性が低下する。
【0020】ポリウレタンフォームは通常軟質フォー
ム、硬質フォームおよび半硬質フォームなどに区分さ
れ、それぞれの用途にあった取り扱いが行われている。
本発明のポリウレタンフォ−ムは、これら区分で限定さ
れるわけではないが、最も市場で製造されているフォ−
ムとしては、硬質ポリウレタンフォ−ムである。
【0021】ポリオ−ル(A)は通常2〜10種または
それ以上、好ましくは2〜4種のポリオ−ルからなり、
平均水酸基価は好ましくは150〜600、特に180
〜500である。平均水酸基価が150未満では、ポリ
ウレタンフォ−ムの強度物性が低く、実用性が低下す
る。600を越えるとポリウレタンフォ−ムのフライア
ビリティが大きく、接着性等のフォ−ム物性が低下す
る。ポリオール(A)の少なくとも一部として、芳香族
基含有ポリオールを用いるのが好ましく、ポリオール
(A)の好ましい例としては、ビスフェノール類のエチ
レンオキサイド付加物(a1)と、トルエンジアミンの
アルキレンオキサイド付加物(a2)と、芳香族環含有
ポリエステルポリオール(a3)との併用が挙げられ
る。但し、ポリオール(a1):(a2):(a3)=
15〜30:15〜30:20〜40のものは除く。更
に好ましくは(A)中の(a1)の量が30を越えるも
の、特に40以上のものである。
【0022】(A)の更に好ましい例としては、芳香族
基と一級水酸基を有し、水酸基価が180〜360のポ
リオ−ル(K1)と、一級水酸基価を有し水酸基価が4
50〜950の脂肪族アミンポリオ−ル(K2)からな
り、(K1)が95から70質量%、(K2)を5から3
0質量%含有するものが挙げられる。(K1)の水酸基
価が180未満の場合は、フォ−ム強度が低く実用に適
さない。反対に水酸基価が360を越えるとポリオ−ル
の粘度が非常に高く使用が困難となる。(K2)の水酸
基価が450未満の場合はポリオ−ルの活性が小さく、
(A)中における反応促進が低下し適当でない。また水
酸基価が950を越えるとポリオ−ルの活性が非常に高
く、組み合わす他のポリオ−ルとの反応性の差が大き
く、ウレタンフォ−ム作成時に均質なフォ−ムが得られ
ない。(A)中の(K1)と(K2)の比において、(K
1)が95質量%を越えるとポリオ−ルの活性が低く、
スプレ−用ポリオ−ルとしては適さない。70質量%未
満の場合は、得られたフォ−ムの難燃性が目的に到達し
ない。また(K2)が5質量%未満の場合は、(K1)が
95質量%を越えた場合と同様にポリオ−ルの活性が低
い問題が生じ適当でない。(K2)が30質量%を越え
ると生成したウレタンフォ−ムの難燃性が低下し、目的
の難燃性フォ−ムが得られない。
【0023】本発明の製法において使用するポリイソシ
アネート(B)としては、従来から硬質ポリウレタンフ
ォームに使用されているものが使用できる。このような
ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネー
ト、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネ
ート、およびこれらの変性物(例えば、カルボジイミド
変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット
変性、イソシアヌレート変性、オキサゾリドン変性な
ど)、イソシアネート基末端プレポリマーなどが挙げら
れる。
【0024】芳香族ポリイソシアネートの具体例として
は1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシ
シアネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン
−2,4’−および/または4,4’−ジイソシアネー
ト(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ
ート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイ
ソシアネートなどが挙げられる。脂肪族イソシアネート
の具体例としては、イソホロンジイソシアネート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロ
ヘキシルジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。脂環
式ポリイソシアネートの具体例としては、キシリレンジ
イソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ートなどが挙げられる。変性ポリイソシアネートの具体
例としては、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性T
DI、ひまし油変性MDIなどが挙げられる。これらの
うちで好ましいものはMDI、粗製MDIである。
【0025】ポリオール成分(A)とポリイソシアネー
ト(B)の比率は種々変えることができるが、ポリオー
ル成分(A)と必要により使用する水の合計のヒドロキ
シル基とポリイソシアネート(B)のイソシアネート基
の当量比は通常1.0:1.0〜1.0:4.0、好ま
しくは1.0:1.5〜1.0:3.0ある。イソシア
ネート基の当量が1.0未満では得られたポリウレタン
フォームの強度が低下し、難燃性も不十分である。4.
0を越えるとフォ−ムのフライアビリティが高くなり接
着性が悪くなる。
【0026】本発明の製法における発泡剤としては水素
原子含有フロロカ−ボン(C)の存在下、他の助剤であ
る(D)、(E)、(F)および(G)の存在下または
不存在下、(C)を全ポリオールに対して通常20〜7
0質量%、好ましくは25〜60質量%使用する。使用
する水(D)は、全ポリオ−ルに対し0〜2質量%、好
ましくは0.1〜1.0質量%使用する。
【0027】本発明の製法における整泡剤(E)として
は、ポリシロキサンセグメントとポリオキシアルキレン
セグメントとを有するブロック共重合体を主成分とする
もの、例えば、東レダウコーニング・シリコ−ン社製の
SH−193、SF−2936Fや日本ユニカ−社製の
L−5340、SZ−1923などが挙げられる。整泡
剤の使用量は全ポリオールに対して通常0.3〜3質量
%である。
【0028】本発明の製法において必要により、ポリウ
レタン反応に通常使用される触媒、例えばアミン系触媒
[トリエチレンジアミン、テトラエチルヘキサメチレン
ジアミン、N,N’,N’’(トリスジアミノプロピ
ル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、ジメチルシクロヘ
キシルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7など]、金属触媒(オクチル酸第1ス
ズ、ジブチルチンジラウレート、オクチル酸鉛、オクチ
ル酸カリウムなど)を使用することができる。触媒の量
は、反応混合物の合計質量に対して、通常0〜7質量
%、好ましくは0.1〜5質量%である。
【0029】更に必要により、以下に一例を示すよう
な、着色剤(染料、顔料)、可塑剤、充填剤、難燃剤、
安定剤(老化防止剤、抗酸化剤など)などの公知の添加
剤を使用することができる。 着色剤:各種の染料、ならびに酸化チタン、カーボンブ
ラック等の無機系顔料およびフタロシアニンブルー等の
有機系顔料などが挙げられる。 可塑剤:フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、
グリコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル
などが挙げられる。 充填剤:タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ
等の無機系充填剤および樹脂粉末等の有機系充填剤など
が挙げられる。 難燃剤:ハロゲン系、リン系、チッソ系等の有機系難燃
剤および無機塩等の無機系難燃剤などが挙げられる。 安定剤:ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、オキザリックア
シッドアニリド系またはヒンダードアミン系等の老化防
止剤、抗酸化剤などが挙げられる。
【0030】硬質ポリウレタンフォームの製造方法の一
例を示せば、下記の如くである。まず、ポリオール、発
泡剤(HCFC−141b)、難燃剤、整泡剤、その他
の添加剤等を所定量混合する。ポリウレタン発泡機を使
用して、この混合物とポリイソシアネート(B)とを一
定の比率で連続的に急速混合して、この混合物とイソシ
アネ−トとを一定比率で連続的に急速混合して、面材に
吹き付け硬化し硬質ポリウレタンフォ−ムを得る。本発
明の方法で得られるスプレ−成形硬質ウレタンフォ−ム
は、HCFC−141bとの親和性を制限したポリオ−
ルを使用することで、低密度で強度物性や寸法安定性に
優れたフォ−ムが得られ、かつJIS A1321によ
る難燃性試験で難燃3級に合格する硬質ポリウレタンフ
ォームである。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の「部」は質量部を示す。実施例および比較例に使用し
た原料の組成は次の通りである。 ポリオール1: ビスフェノ−ルA1モルにEO2モル
を付加した水酸基価=360、末端一級水酸基含量=6
0%、HLB=5.6のポリオール。 ポリオール2: ビスフェノ−ルA1モルにEO4モル
を付加した水酸基価=280、末端一級水酸基含量85
%、HLB=8.8のポリオール。 ポリオール3: ビスフェノ−ルA1モルにEO6モル
を付加した水酸基価=230、末端一級水酸基含量=9
4%、HLB=10.8のポリオール。 ポリオール4: ビスフェノ−ルA1モルにEO8モル
を付加した水酸基価=195、末端一級水酸基含量=1
00%、HLB=12.2のポリオール。 ポリオール5: トルエンジアミン1モルにEO9モル
を付加した後、4モルのPOを付加した水酸基価=30
0、末端一級水酸基含量=30%、HLB=10.6の
ポリオール。 ポリオール6: トルエンジアミン1モルにEO6モル
を付加した後、4.3モルのPOを付加し、次いで6モ
ルのEOを付加した水酸基価=250、末端一級水酸基
含量=72%、HLB=11.8のポリオール。 ポリオール7: エチレンジアミン1モルにEO4モル
を付加した水酸基価=935、末端一級水酸基含量=9
8%、HLB=15のポリオ−ル。 ポリオ−ル8: トリメチロ−ルプロパン1モルにEO
3.8モルを付加した水酸基価=560、末端一級水酸
基含量=60%、HLB=11.1のポリオ−ル。 ポリオ−ル9: 無水フタル酸2モルとエチレングリコ
−ル3モルを縮合して得た水酸基価=233、末端一級
水酸基価=100%、HLB=5.5のポリオ−ル。 ポリオ−ル10: 無水フタル酸2モルとジエチレング
リコ−ル3モルを縮合して得た、水酸基価=204、末
端一級水酸基価=100%、HLB=9.6のポリオ−
ル。
【0032】ファイロールPCF: リン系難燃剤(化
成アクゾ社製) SH−193:シリコーン系整泡剤(東レダウコーニン
グ・シリコ−ン社製) POLYCAT41: アミン系触媒(三共エアプロダ
クツ社製) Pb−Oc: オクチル酸鉛のミネラルスピリット溶
液、Pb含量24%(大日本インキ化学工業社製) ミリオネ−トMR−100: 粗製MDI( 日本ポリウ
レタン工業社製)
【0033】[ポリオールに対するHCFCー141b
の溶解性の測定]使用したポリオール1〜10に対する
HCFCー141bの溶解性(単位:g/100gポリ
オール)を測定した結果、並びに参考用として、親水基
を含有しない(HLB=0)ポリオールに対するHCF
Cー141bの溶解性を測定した結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 ポリオール1(95部)、ポリオール7(5部)、ファ
イロールPCF(20部)、HCFC−141b(50
部)、水(1部)SH−193(2部)、Pb−Oc
(0.5部)、POLYCAT41(3.5部)を配合
したポリオールプレミックスを、ガスマ−社製発泡機の
原料タンクに仕込んだ後、それぞれをタンクヒーターと
温調ホースにより40℃に温調する。次にポリオールプ
レミックス100部と、ミリオネートMR−100が1
00部の比率で吐出するように調節した後、スプレーガ
ンでスレート板に約25mmの幅でスプレ−発泡した。
得られた硬質フォ−ムの物性試験および難燃性試験は以
下に記載の方法で性能を評価した。 実施例2〜5、比較例1〜4 実施例1の方法に準じて、表2の配合量に従い硬質ポリ
ウレタンフォームを製造した。評価法と判定基準は以下
に記載する方法で行った。
【0036】評価法と判定基準: 横拡がり:スレ−ト板の端から横拡がりした距離を測定
し、次の基準で判定した。 10mm以下・・・○、1
0〜20mm・・・△、20mm以上・・・× キュア−性:発泡1時間後にフォ−ム表面のタックがな
く、指で押して変形しないもの・・・○、上記条件にそ
ぐわないもの・・・× 難燃性:JIS A1321による試験で、3級の合格
基準は次の〜を満足するものである。 温度時間
面積350以下、発煙係数120以下、加熱終了後
30秒以上残炎なきこと、試験開始後3分以前に排気
温度曲線が標準曲線線を越えないこと。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表3から明かなように、実施例1〜5のポ
リオールは、フォ−ムのキュア−性が早く、横拡がりの
少ない難燃性の優れた硬質ポリウレタンフォームを与え
るという特長を有する。
【0040】
【発明の効果】本発明のポリウレタンフォーム製造法を
用いることにより、HCFC−141b発泡剤量を従来
原料より削減でき、かつフォ−ムの密度も下げることが
可能である。また、反応性を損なわずに横拡がりを軽減
することができ、難燃性能の向上に加え施工性や、原料
使用量を改善することができる。本発明の方法によるポ
リウレタンフォ−ムは、住宅、マンションなどの壁、天
井部などに吹き付けることで、断熱性の高い建築物を作
ることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール(A)とポリイソシアネート
    (B)とを、水素原子含有フロロカーボン(C)の存在
    下、且つ、水(D)、整泡剤(E)、触媒(F)および
    難燃剤(G)の存在下または不存在下で反応させてポリ
    ウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール
    (A)として下記式(1)のHAの値が5〜12となる
    ことを満たすn種のポリオール(A1)〜(An)を用い
    ることを特徴とするポリウレタンフォームの製造法。 【数1】 [但し、nは2以上の整数;Miは、ポリオール(A1)
    〜(An)中のi番目のポリオール(Ai)のモル分率;
    Hiは、ポリオール(Ai)のグリフィン法によるHLB
    を示す。]
  2. 【請求項2】 (A)中の芳香族基濃度が、20質量%
    以上である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 (A)中の三級窒素原子の含量が、0.
    3〜5質量%である請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 (A)として、平均水酸基価が150〜
    600のポリオールを用いて硬質ポリウレタンフォーム
    を製造する請求項1〜3のいずれか記載の製造法。
  5. 【請求項5】 ポリオール(A1)〜(An)のうちHL
    B=2以上のものの(A)中の含有量が85%以上であ
    る請求項1〜4のいずれか記載の製造法。
  6. 【請求項6】 ポリオール(A)の70質量%以上が芳
    香族基を有するポリオールである請求項1〜5のいずれ
    か記載の製造法。
  7. 【請求項7】 ポリオール(A)として、芳香族基と一
    級水酸基を有し、水酸基価が180〜360のポリオー
    ル95〜70質量%と、一級水酸基価が450〜950
    の脂肪族アミンポリオール5〜30質量%とを含有する
    ポリオールを用いる請求項1〜6のいずれか記載の製造
    法。
  8. 【請求項8】 該反応をスプレー発泡により行う請求項
    1〜7のいずれか記載の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の製法で得
    られ、JIS A1321による難燃性試験で難燃3級
    に合格する難燃性を有する硬質ウレタンフォーム。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれか記載のポリオー
    ル(A)からなるポリウレタンフォーム製造用ポリオー
    ル組成物。
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