JP3894999B2 - ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタンフォームの製造法に関する。さらに詳しくは、特に低密度で寸法安定性と難燃性に優れたスプレー施工用硬質ポリウレタンフォームを得るのに好適なポリウレタンフォームの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬質ポリウレタンフォーム等のポリウレタンフォームの発泡剤としては、水やトリクロロモノフルオロメタン(CFC−11)が大半の場合において使用され、硬質ポリウレタンフォームは、各種のフォーム用途の中で、寸法安定性や断熱性に優れる特徴を生かした用途では、戸建て住宅、マンション、大型冷蔵施設などの断熱材として広く使用されていた。
しかしながら地球のオゾン層保護を目的とし、ハロゲン化炭化水素発泡剤などの規制が開始され、1995年12月末をもってこの規制対象発泡剤は使用できなくなった。特に断熱性能付与の観点から、硬質ポリウレタンフォームの発泡剤は、オゾン破壊係数の小さい水素原子含有ハロゲン化炭化水素であるHCFCー141b等に移行している。
しかし、新しく使われるこれらの発泡剤は、従来使用されてきたCFCー11に比べ、ウレタン樹脂との相溶性が高くウレタンフォームの密度が高くなりやすい問題や、樹脂を可塑化し発泡成形したフォームが経時的に収縮を生じ易い問題、また生成したフォームの難燃性が悪化するなどの問題がある。現状の対策としては、フォーム密度を犠牲にし、ウレタンフォーム結合濃度を高くして樹脂強度を高めることにより、これらの問題点を回避する方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法は原料系の粘度が高くなるため、スプレー施工時の混合性の悪化や、それによるフォーム物性の低下、施工時の横拡がりによる接着性の低下を招く等の問題を抱えている。本発明の目的は、HCFCー141b等の水素原子含有ハロゲン化炭化水素を発泡剤としてポリウレタンフォームを製造するにあたり、フォーム密度を高めることなく寸法安定性と難燃性に優れたスプレー用硬質ポリウレタンフォームを得るのに特に好適なポリウレタンフォームの製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、HCFC−141b等の水素原子含有ハロゲン化炭化水素を発泡剤として用いて、ウレタンフォームの低密度化と寸法安定性および難燃性に優れ、スプレー施工に適した硬質ポリウレタンフォームを製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエーテルポリオールを使用することにより、上記の問題点を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記ポリオール(A)からなり、(A)中の芳香族基濃度が20質量%以上である、水素原子含有フロロカーボン発泡ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物;上記のポリオール(A)からなるポリオール組成物と、ポリイソシアネート(B)とを、水素原子含有フロロカーボン(C)の存在下、且つ、水(D)、整泡剤(E)、触媒(F)および難燃剤(G)の存在下または不存在下で反応させるポリウレタンフォームの製造法;並びに上記製造法で得られ、JIS A1321による難燃性試験で難燃3級に合格する難燃性を有する硬質ウレタンフォーム;である。
ポリオール(A):下記式(1)のH A の値が5〜12となることを満たすn種のポリオール(A 1 )〜(A n )からなり、(A 1 )〜(A n )のうちHLB=2以上のものの(A)中の含有量が85質量%以上であるポリオールであって、ビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(a1)と、トルエンジアミンのアルキレンオキサイド付加物(a2)と、芳香族環含有ポリエステルポリオール(a3)とを併用する〔但し、ポリオール(a1):(a2):(a3)=15〜30:15〜30:20〜40(質量比)のものは除く〕、又は芳香族基と一級水酸基を有し、水酸基価が180〜360のポリオール95〜70質量%と、一級水酸基価が450〜950の脂肪族アミンポリオール5〜30質量%とを含有するポリオール。
【0005】
【数2】
【0006】
[但し、nは2以上の整数;Miは、ポリオール(A1)〜(An)中のi番目のポリオール(Ai)のモル分率;Hiは、ポリオール(Ai)のグリフィン法によるHLBを示す。]
【0007】
上記式(1)に示すHAは親水性の程度を示す尺度であり、その値が大きくなるほど親水性は大きくなる。反対にHAが小さくなると親油性を示すことになり、発泡剤として使用する水素原子含有フロロカーボン(C)との相溶性は向上する傾向にある。
現在、水素原子含有フロロカーボン(C)の代表例であるHCFC−141bは、ウレタンフォーム用発泡剤として使用できる最も広範囲に使用できる唯一の発泡剤であるが、前記したとおりウレタン樹脂の可塑化やフォーム密度を高めたり、難燃性を悪化するなどの問題を有している。
この問題を解決する方法として、生成したウレタン樹脂中に残存するHCFCー141b量を少なくすることが考えられ、上記HAの範囲を有するポリオールを使用することで、前述の問題点を大幅に改善できることがわかった。ポリオールとHCFCー141bとの溶解度は表ー1に後記する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製法で用いられるポリオール(A)を構成するn種のポリオール(A1) 〜(An)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコール、フェノール類・ビスフェノール類、脂肪族アミン、芳香族アミンなどの活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。
【0009】
上記多価アルコールの具体例としては、例えば2価のアルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコールなど)、3価のアルコール(グリセリン、トリメチロールプロパンなど)、4価のアルコール(ペンタエリスリトール、ジグリセリン、メチルグルコシドなど)、6価アルコール(ソルビトールなど)、8価アルコール(ショ糖など)が挙げられ、好ましいものは、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール、ソルビトールおよびショ糖である。
【0010】
フェノール類の具体例としては、ピロガロール、ハイドロキノンなどが、ビスフェノール類の具体例としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、および2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられ、好ましいものは、ビスフェノールAおよびビスフェノールFである。
【0011】
上記脂肪族アミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどが挙げられ、好ましいものはトリエタノールアミンおよびエチレンジアミンである。
【0012】
上記芳香族アミンの具体例としては、2,4−または2,6−トルエンジアミン(TDA)、1,2−,1,3−または1,4−フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、1,2−,1,3−または1,4−キシリレンジアミン、2,4’−または4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、ナフチレン−1,5−ジアミン、または3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられ、好ましいものはTDAおよびMDAである。
【0013】
これらの活性水素化合物に付加するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、2,3−もしくは1,4−ブチレンオキサイドおよびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。これらのうち好ましくは、PO単独またはPOとEOの併用である。
【0014】
ポリエステルポリオールの具体例としては、多価アルコール(前記2価アルコールおよびトリメチロールプロパン、グリセリンなど)と多塩基酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族カルボン酸など)とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、εーカプロラクトンなどラクトンを開環して得られるポリカプロラクトンポリオールおよびPETスクラップ回収物などが挙げられる。これらのポリエステルポリオールは2種以上を併用してもよい。これらのうちで好ましいものは、2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1、4ーブタンジオールの1種以上))とフタル酸とを縮合反応して得られるポリエステルポリオールやPETスクラップ回収物である。
【0015】
マンニッヒポリオールの具体例としては、フェノール類(フェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールなど)および/または芳香族アミン類(アニリン、トルエンジアミンなど)あるいはジアルカノールアミン類(ジメチルエタノールアミンなど)とアルデヒド(ホルムアルデヒド、パラアルデヒドなど)を反応して得られるポリオールである。
【0016】
該ポリオール(A)として、前記式(1)のHAの値が通常5〜12、好ましくは6〜11となるn種のポリオ−ル(A1)〜(An)が用いられる。HAが5未満の場合は、HCFC−141b等の水素原子含有フロロカーボン(C)の溶解性が高く、ポリウレタンフォ−ム中の残存量が多くなり発泡効率の低下や、寸法安定性の低下を生じる。12を越える場合はポリオ−ル(A)の分子量が大きくなり、ポリウレタンフォ−ムの強度物性が低く実用性が乏しくなる。またポリオ−ル(A)中にHLBが5未満のものが含まれていても、HLBが2以上のものが(A)中に85質量%以上あり、且つHAの値が上記範囲内であれば上記の問題は除外できる。
【0017】
ポリオール(A)中に芳香族基が含まれているのがフォームの難然性の点で好ましく、(A)中の芳香族基濃度は、20質量%以上、特に25%以上である。20%未満の場合はJIS A1321の難燃性試験に合格しなくなる。一方、芳香族基を有する化合物から誘導されたポリオ−ルは、好ましくは(A)中の70質量%以上である。70%未満になると、上記JISの難燃性に合格しない。
【0018】
ポリオ−ル(A)を使用したポリウレタンフォ−ムは、それ自体である程度の難燃性を有しているが、更に高い性能を要求される場合が多い。このような条件に適合するポリウレタンフォ−ムを製造するため、難燃剤を併用することもできる。使用する難燃剤としては、トリス(モノクロロプロピル)ホスフェ−ト、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェ−ト、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェ−ト、水酸化アルミニウムなどである。
【0019】
ポリオール(A)中には三級窒素原子を含有するのが反応性の点で好ましく、(A)中の三級窒素原子の含量は好ましくは0.3〜5質量%、特に0.5〜4質量%である。三級窒素原子含量が0.3未満ではポリウレタンフォームの反応の進行が遅く、作業性が低下する。また5を越えると、反応性は高くなるが、スプレー施工の場合のガン詰まりを生じ易くなる。また得られたポリウレタンフォームの難燃性が低下する。
【0020】
ポリウレタンフォームは通常軟質フォーム、硬質フォームおよび半硬質フォームなどに区分され、それぞれの用途にあった取り扱いが行われている。本発明のポリウレタンフォ−ムは、これら区分で限定されるわけではないが、最も市場で製造されているフォ−ムとしては、硬質ポリウレタンフォ−ムである。
【0021】
ポリオ−ル(A)は通常2〜10種またはそれ以上、好ましくは2〜4種のポリオ−ルからなり、平均水酸基価は好ましくは150〜600、特に180〜500である。平均水酸基価が150未満では、ポリウレタンフォ−ムの強度物性が低く、実用性が低下する。600を越えるとポリウレタンフォ−ムのフライアビリティが大きく、接着性等のフォ−ム物性が低下する。
ポリオール(A)の少なくとも一部として、芳香族基含有ポリオールを用いるのが好ましく、ポリオール(A)の好ましい例としては、ビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(a1)と、トルエンジアミンのアルキレンオキサイド付加物(a2)と、芳香族環含有ポリエステルポリオール(a3)との併用が挙げられる。但し、ポリオール(a1):(a2):(a3)=15〜30:15〜30:20〜40のものは除く。更に好ましくは(A)中の(a1)の量が30を越えるもの、特に40以上のものである。
【0022】
(A)の更に好ましい例としては、芳香族基と一級水酸基を有し、水酸基価が180〜360のポリオ−ル(K1)と、一級水酸基価を有し水酸基価が450〜950の脂肪族アミンポリオ−ル(K2)からなり、(K1)が95から70質量%、(K2)を5から30質量%含有するものが挙げられる。(K1)の水酸基価が180未満の場合は、フォ−ム強度が低く実用に適さない。反対に水酸基価が360を越えるとポリオ−ルの粘度が非常に高く使用が困難となる。(K2)の水酸基価が450未満の場合はポリオ−ルの活性が小さく、(A)中における反応促進が低下し適当でない。また水酸基価が950を越えるとポリオ−ルの活性が非常に高く、組み合わす他のポリオ−ルとの反応性の差が大きく、ウレタンフォ−ム作成時に均質なフォ−ムが得られない。(A)中の(K1)と(K2)の比において、(K1)が95質量%を越えるとポリオ−ルの活性が低く、スプレ−用ポリオ−ルとしては適さない。70質量%未満の場合は、得られたフォ−ムの難燃性が目的に到達しない。また(K2)が5質量%未満の場合は、(K1)が95質量%を越えた場合と同様にポリオ−ルの活性が低い問題が生じ適当でない。(K2)が30質量%を越えると生成したウレタンフォ−ムの難燃性が低下し、目的の難燃性フォ−ムが得られない。
【0023】
本発明の製法において使用するポリイソシアネート(B)としては、従来から硬質ポリウレタンフォームに使用されているものが使用できる。このようなポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、およびこれらの変性物(例えば、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット変性、イソシアヌレート変性、オキサゾリドン変性など)、イソシアネート基末端プレポリマーなどが挙げられる。
【0024】
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシシアネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン−2,4’−および/または4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族イソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI、ひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものはMDI、粗製MDIである。
【0025】
ポリオール成分(A)とポリイソシアネート(B)の比率は種々変えることができるが、ポリオール成分(A)と必要により使用する水の合計のヒドロキシル基とポリイソシアネート(B)のイソシアネート基の当量比は通常1.0:1.0〜1.0:4.0、好ましくは1.0:1.5〜1.0:3.0ある。イソシアネート基の当量が1.0未満では得られたポリウレタンフォームの強度が低下し、難燃性も不十分である。4.0を越えるとフォ−ムのフライアビリティが高くなり接着性が悪くなる。
【0026】
本発明の製法における発泡剤としては水素原子含有フロロカ−ボン(C)の存在下、他の助剤である(D)、(E)、(F)および(G)の存在下または不存在下、(C)を全ポリオールに対して通常20〜70質量%、好ましくは25〜60質量%使用する。使用する水(D)は、全ポリオ−ルに対し0〜2質量%、好ましくは0.1〜1.0質量%使用する。
【0027】
本発明の製法における整泡剤(E)としては、ポリシロキサンセグメントとポリオキシアルキレンセグメントとを有するブロック共重合体を主成分とするもの、例えば、東レダウコーニング・シリコ−ン社製のSH−193、SF−2936Fや日本ユニカ−社製のL−5340、SZ−1923などが挙げられる。整泡剤の使用量は全ポリオールに対して通常0.3〜3質量%である。
【0028】
本発明の製法において必要により、ポリウレタン反応に通常使用される触媒、例えばアミン系触媒[トリエチレンジアミン、テトラエチルヘキサメチレンジアミン、N,N’,N’’(トリスジアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7など]、金属触媒(オクチル酸第1スズ、ジブチルチンジラウレート、オクチル酸鉛、オクチル酸カリウムなど)を使用することができる。触媒の量は、反応混合物の合計質量に対して、通常0〜7質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
【0029】
更に必要により、以下に一例を示すような、着色剤(染料、顔料)、可塑剤、充填剤、難燃剤、安定剤(老化防止剤、抗酸化剤など)などの公知の添加剤を使用することができる。
着色剤:各種の染料、ならびに酸化チタン、カーボンブラック等の無機系顔料およびフタロシアニンブルー等の有機系顔料などが挙げられる。
可塑剤:フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステルなどが挙げられる。
充填剤:タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ等の無機系充填剤および樹脂粉末等の有機系充填剤などが挙げられる。
難燃剤:ハロゲン系、リン系、チッソ系等の有機系難燃剤および無機塩等の無機系難燃剤などが挙げられる。
安定剤:ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、オキザリックアシッドアニリド系またはヒンダードアミン系等の老化防止剤、抗酸化剤などが挙げられる。
【0030】
硬質ポリウレタンフォームの製造方法の一例を示せば、下記の如くである。
まず、ポリオール、発泡剤(HCFC−141b)、難燃剤、整泡剤、その他の添加剤等を所定量混合する。ポリウレタン発泡機を使用して、この混合物とポリイソシアネート(B)とを一定の比率で連続的に急速混合して、この混合物とイソシアネ−トとを一定比率で連続的に急速混合して、面材に吹き付け硬化し硬質ポリウレタンフォ−ムを得る。
本発明の方法で得られるスプレ−成形硬質ウレタンフォ−ムは、HCFC−141bとの親和性を制限したポリオ−ルを使用することで、低密度で強度物性や寸法安定性に優れたフォ−ムが得られ、かつJIS A1321による難燃性試験で難燃3級に合格する硬質ポリウレタンフォームである。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の「部」は質量部を示す。
実施例および比較例に使用した原料の組成は次の通りである。
ポリオール1: ビスフェノ−ルA1モルにEO2モルを付加した水酸基価=360、末端一級水酸基含量=60%、HLB=5.6のポリオール。
ポリオール2: ビスフェノ−ルA1モルにEO4モルを付加した水酸基価=280、末端一級水酸基含量85%、HLB=8.8のポリオール。
ポリオール3: ビスフェノ−ルA1モルにEO6モルを付加した水酸基価=230、末端一級水酸基含量=94%、HLB=10.8のポリオール。
ポリオール4: ビスフェノ−ルA1モルにEO8モルを付加した水酸基価=195、末端一級水酸基含量=100%、HLB=12.2のポリオール。
ポリオール5: トルエンジアミン1モルにEO9モルを付加した後、4モルのPOを付加した水酸基価=300、末端一級水酸基含量=30%、HLB=10.6のポリオール。
ポリオール6: トルエンジアミン1モルにEO6モルを付加した後、4.3モルのPOを付加し、次いで6モルのEOを付加した水酸基価=250、末端一級水酸基含量=72%、HLB=11.8のポリオール。
ポリオール7: エチレンジアミン1モルにEO4モルを付加した水酸基価=935、末端一級水酸基含量=98%、HLB=15のポリオ−ル。
ポリオ−ル8: トリメチロ−ルプロパン1モルにEO3.8モルを付加した水酸基価=560、末端一級水酸基含量=60%、HLB=11.1のポリオ−ル。
ポリオ−ル9: 無水フタル酸2モルとエチレングリコ−ル3モルを縮合して得た水酸基価=233、末端一級水酸基価=100%、HLB=5.5のポリオ−ル。
ポリオ−ル10: 無水フタル酸2モルとジエチレングリコ−ル3モルを縮合して得た、水酸基価=204、末端一級水酸基価=100%、HLB=9.6のポリオ−ル。
【0032】
ファイロールPCF: リン系難燃剤(化成アクゾ社製)
SH−193:シリコーン系整泡剤(東レダウコーニング・シリコ−ン社製)
POLYCAT41: アミン系触媒(三共エアプロダクツ社製)
Pb−Oc: オクチル酸鉛のミネラルスピリット溶液、Pb含量24%(大日本インキ化学工業社製)
ミリオネ−トMR−100: 粗製MDI( 日本ポリウレタン工業社製)
【0033】
[ポリオールに対するHCFCー141bの溶解性の測定]
使用したポリオール1〜10に対するHCFCー141bの溶解性(単位:g/100gポリオール)を測定した結果、並びに参考用として、親水基を含有しない(HLB=0)ポリオールに対するHCFCー141bの溶解性を測定した結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例1
ポリオール1(95部)、ポリオール7(5部)、ファイロールPCF(20部)、HCFC−141b(50部)、水(1部)SH−193(2部)、Pb−Oc(0.5部)、POLYCAT41(3.5部)を配合したポリオールプレミックスを、ガスマ−社製発泡機の原料タンクに仕込んだ後、それぞれをタンクヒーターと温調ホースにより40℃に温調する。次にポリオールプレミックス100部と、ミリオネートMR−100が100部の比率で吐出するように調節した後、スプレーガンでスレート板に約25mmの幅でスプレ−発泡した。得られた硬質フォ−ムの物性試験および難燃性試験は以下に記載の方法で性能を評価した。
実施例2〜5、比較例1〜4
実施例1の方法に準じて、表2の配合量に従い硬質ポリウレタンフォームを製造した。評価法と判定基準は以下に記載する方法で行った。
【0036】
評価法と判定基準:
横拡がり:スレ−ト板の端から横拡がりした距離を測定し、次の基準で判定した。 10mm以下・・・○、10〜20mm・・・△、20mm以上・・・×キュア−性:発泡1時間後にフォ−ム表面のタックがなく、指で押して変形しないもの・・・○、上記条件にそぐわないもの・・・×
難燃性:JIS A1321による試験で、3級の合格基準は次の▲1▼〜▲4▼を満足するものである。 ▲1▼温度時間面積350以下、▲2▼発煙係数120以下、▲3▼加熱終了後30秒以上残炎なきこと、▲4▼試験開始後3分以前に排気温度曲線が標準曲線線を越えないこと。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
表3から明かなように、実施例1〜5のポリオールは、フォ−ムのキュア−性が早く、横拡がりの少ない難燃性の優れた硬質ポリウレタンフォームを与えるという特長を有する。
【0040】
【発明の効果】
本発明のポリウレタンフォーム製造法を用いることにより、HCFC−141b発泡剤量を従来原料より削減でき、かつフォ−ムの密度も下げることが可能である。また、反応性を損なわずに横拡がりを軽減することができ、難燃性能の向上に加え施工性や、原料使用量を改善することができる。本発明の方法によるポリウレタンフォ−ムは、住宅、マンションなどの壁、天井部などに吹き付けることで、断熱性の高い建築物を作ることができる。
Claims (7)
- 下記ポリオール(A)からなり、(A)中の芳香族基濃度が20質量%以上である、水素原子含有フロロカーボン発泡ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
ポリオール(A):下記式(1)のH A の値が5〜12となることを満たすn種のポリオール(A 1 )〜(A n )からなり、(A 1 )〜(A n )のうちHLB=2以上のものの(A)中の含有量が85質量%以上であるポリオールであって、
ビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(a1)と、トルエンジアミンのアルキレンオキサイド付加物(a2)と、芳香族環含有ポリエステルポリオール(a3)とを併用する〔但し、ポリオール(a1):(a2):(a3)=15〜30:15〜30:20〜40(質量比)のものは除く〕、
又は
芳香族基と一級水酸基を有し、水酸基価が180〜360のポリオール95〜70質量%と、一級水酸基価が450〜950の脂肪族アミンポリオール5〜30質量%とを含有する
ポリオール。
- (A)中の三級窒素原子の含量が、0.3〜5質量%である請求項1記載のポリオール組成物。
- (A)として、平均水酸基価が150〜600のポリオールを用い、硬質ポリウレタンフォーム製造用である請求項1または2記載のポリオール組成物。
- ポリオール(A)の70質量%以上が芳香族基を有するポリオールである請求項1〜3のいずれか記載のポリオール組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載のポリオール(A)からなるポリオール組成物と、ポリイソシアネート(B)とを、水素原子含有フロロカーボン(C)の存在下、且つ、水(D)、整泡剤(E)、触媒(F)および難燃剤(G)の存在下または不存在下で反応させるポリウレタンフォームの製造法。
- 該反応をスプレー発泡により行う請求項5記載の製造法。
- 請求項5または6記載の製造法で得られ、JIS A1321による難燃性試験で難燃3級に合格する難燃性を有する硬質ウレタンフォーム。
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