JPH1024852A - 電動操舵装置 - Google Patents

電動操舵装置

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JPH1024852A
JPH1024852A JP8201233A JP20123396A JPH1024852A JP H1024852 A JPH1024852 A JP H1024852A JP 8201233 A JP8201233 A JP 8201233A JP 20123396 A JP20123396 A JP 20123396A JP H1024852 A JPH1024852 A JP H1024852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動パワーステアリングの組立工程に悪影響
を及ぼすことなくモータ性能試験を行うことを実現す
る。 【解決手段】 モータのヨーク1を、固定磁石10の内
設用大径部1aと、その大径部1aよりも縮径された軸
支部1bと、軸支部1bよりもさらに縮径された小径部
1cとを有するように形成し、ボールねじ機構のボール
ナット8を装着するナット保持部7を外囲する小径部1
cの内径Aを、ナット保持部7を外囲する部分から開口
端に至るまで同一径に形成する。ボールナット8の代わ
りとしてその外径Dと同一径に形成された拡径部を有す
る治具を、ヨークの開口端から何ら問題なく挿入して組
み込むことができ、組立工程途中でのモータ単体の性能
試験を容易に行うことができるため、組立工程の効率を
向上し、かつ低コスト化し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動操舵装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の電動パワーステアリン
グ装置に於いて、左右前輪にそれぞれタイロッドを介し
て連結された駆動シャフトを電動モータにより駆動する
ようにしているものがある。その構造にあっては、その
駆動シャフトに、アーマチュアが一体化された中空円筒
状のモータ軸を同軸的に外嵌し、両シャフトの内外周面
間に設けたボールねじ構造により動力を伝達するなどし
ている。
【0003】上記したような電動パワーステアリング装
置の機能にあっては、その動力源である電動モータの性
能に負うところが大である。従って、モータの特性が所
定の性能を有することを確認した上で次工程に進まない
と、再組み付け工程を設けなければならない等、作業効
率が悪化することが懸念されるため、パワーステアリン
グ装置の組立時に電動モータの特性を計測することにな
る。
【0004】図6に従来の電動パワーステアリング装置
の概略を示す。図6の装置では、長尺の筒状をなすヨー
ク1と、ヨーク1に同軸的にフランジ結合されたケーシ
ング2とが、図示されない車両のボディに幅方向に延在
するように、例えばケーシング2に形成されたブラケッ
ト2a及びヨーク1の一部に巻回される取付ブラケット
13を介して、車体側にボルト止めされて支持されるよ
うになっている。
【0005】上記ヨーク1及びケーシング2からなる筒
状体内には、同軸的にかつ軸線方向に変位自在な駆動シ
ャフト3が内蔵されており、駆動シャフト3の両端部に
連結される図示しないタイロッドを介して左右の前輪が
連結されるようになっている。その駆動シャフト3に
は、ステアリングシャフトに連結されるピニオンシャフ
ト4がラック・アンド・ピニオンにて連結されている。
【0006】駆動シャフト3の軸線方向中間部にはモー
タ軸である中空シャフト5が同軸的に外嵌され、中空シ
ャフト5の軸線方向中間部の外周面にはモータのアーマ
チュアコア6a及びコンミテータ6bが同軸的に固着さ
れており、これらのアーマチュア6と一体的に中空シャ
フト5が回転するようになっている。そして、駆動シャ
フト3の外周面と中空シャフト5の軸線方向一端部の内
周面との間には、中空シャフト5の回転力を駆動シャフ
ト3の軸線方向の推力に変換するボールねじ構造が設け
られている。このようにして中空シャフト5に一体化さ
れたアーマチュア(ロータ)6の回転トルクを駆動シャ
フト3の軸線方向のアシスト力に変換して、ピニオンシ
ャフト4に連結されたステアリングホイール(図示せ
ず)の操舵力を軽減するようになっている。
【0007】このように構成された従来の電動パワース
テアリング装置においては、駆動シャフト3の外径より
も上記ボーねじ構造のボールナットの外径の方が大き
く、また、ヨーク1の開口端部にて駆動シャフトを軸線
方向への変位を規制し、かつシールする構造としている
ことから、ヨーク開口端の内径がボールナットの外径よ
りも小さくなってしまうため、完成状態の電動操舵装置
の出力軸である駆動シャフトに計測器を連結し、その軸
方向の推力を測定することで代用していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電動操舵装置においては上述したような特性計測を行う
ため、ボールねじ機構を介した駆動シャフト部で計測し
ていることになり、計測された回転力やフリクション・
コギングトルクなどの各特性項目には、ボールねじ機構
の特性や駆動シャフトの加工誤差などが含まれてしま
う。
【0009】上記したようにヨークの開口端の開口径が
小さいため、純粋にモータ単体の特性を計測するには、
予めボールねじ機構と駆動シャフトとの特性を計測して
おくか、ヨークを組み付ける前の段階でヨークに相当す
る永久磁石を組み込んだ特別な測定治具をアーマチュア
外周に取り付けて測定しなければならない。しかし、い
ずれにしても電動操舵装置の組立ラインにおいて、ヨー
クを組み付ける前の段階で行うこととなり、作業効率の
悪化が懸念される。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、組立工程に悪影響を及ぼすことなくモータ性能試験
を行うことを実現するために、本発明に於いては、モー
タのモータ軸を中空円筒状に形成し、駆動シャフトをそ
の軸線方向に往復駆動するべく前記モータ軸に同軸的に
挿通して、前記駆動シャフトにボールねじ構造のねじ溝
を形成すると共に前記モータ軸の軸線方向一端部に前記
ボールねじ構造のボールナットを同軸的に内設した電動
操舵装置であって、前記モータのヨークの前記モータ軸
の軸線方向一端部を外囲する部分から開口端に至る部分
の内径を、前記ボールナットの外径よりも大径にするも
のとした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0012】図1に、本発明が適用された電動パワース
テアリング装置の全体を示すが、前記従来例と同様の部
分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
この図1及び図1の要部を拡大して示す図2を併せて参
照して、以下に、本発明が適用された電動パワーステア
リング装置のボールねじ構造を示す。
【0013】図2に良く示されるように、中空シャフト
5の軸線方向中間部にアーマチュアコア6aが固設され
ており、その軸線方向一方の端部には、中間部分よりも
拡径された中空円筒状のナット保持部7が一体に形成さ
れており、そのナット保持部7内にはボールナット8が
同軸的に固定されている。ボールナット8は、ナット保
持部7内に挿入されて組み付けられるが、ナット保持部
7の挿入方向端側の環状端面に突き当たって位置決めさ
れる。そして、軸線方向端面に複数の孔14aを有する
ロックナット14をナット保持部7内にねじ込んだ後、
ナット保持部7の開口端縁部を半径方向内向きにかしめ
て、ボールナット8が抜け止めされている。なお、ボー
ルナット8の外周面の一部に設けられた溝部8aにナッ
ト保持部7の内周面の対応する部分に突設された内向突
部7aが係合するようにされており、その係合により回
転方向に対してボールナット8が回り止めされている。
【0014】駆動シャフト3の外周面には軸線方向の所
定範囲に螺旋状のボールねじ溝3aが設けられており、
ボールねじ溝3aとボールナット8の内周面のねじ溝と
の間には複数のボール9が転動可能に受容されている。
このように、駆動シャフト3のボールねじ溝3aとボー
ルナット8とによりボールねじ機構が構成されており、
アーマチュア6の正逆回転により駆動シャフト3が軸線
方向に往復動して、前輪を転舵する力が動力補助され
る。
【0015】また、ヨーク1には、アーマチュアコア6
aに対応する固定磁石10を内設された大径部1aと、
その大径部1aよりも縮径されかつナット保持部7用ベ
アリングを保持するための軸支持部1bと、軸支持部1
bよりもさらに縮径された小径部1cとが形成されてい
る。なお、小径部1cは、ナット保持部7を隙間をあけ
て外囲する部分から開口端に至るまで同一径に形成され
ている。
【0016】そして、小径部1cの開口端部に環状のエ
ンドピース11が圧入にて固着されている。このエンド
ピース11の内周側には、駆動シャフト3の軸線方向の
自由変位を規制するために、環状弾性体とその内周面に
固着された金属製スリーブとからなるストッパ12が固
着されている。なお、ヨーク1側は、小径部1cに取付
ブラケット13が巻回されて、車体に取り付けられる。
【0017】このようにして構成された本装置に於い
て、モータ単体の性能試験を行う場合には、本装置の組
立工程の途中においてナット保持部7にボールナット8
及びロックナット14を組み付けた後、ロックナット1
4を固定するべくナット保持部7の開口縁部をかしめ
て、有底円筒状をなす治具15を図3に示されるように
装着して行う。この治具15の外径はナット保持部7に
対して小径に形成されている。
【0018】ところで、ロックナット14の前記した孔
14aは、ロックナット14をナット保持部7内にねじ
込む際に専用工具を係合させるためのものであり、図4
に示されるように周方向の複数箇所に配設されている。
図4に示されるように、治具15の開口端側の環状の軸
線方向端面には、ロックナット14の上記工具用の孔1
4aに没入可能なピン部15aが孔14aに対応して同
数設けられている。そして、孔14aにピン部15aが
没入するまで、上記したように治具15の開口側の先端
部をナット保持部7内に挿入することにより、ナット保
持部7と治具15とが一体的に回転かつトルク伝達可能
になる。
【0019】このようにして完成前の電動パワーステア
リング装置にセットされた治具15の装置の外方へ突出
する後端部に形成された係合突片15bに図示されない
計測器を連結することにより、モータの回転・トルクを
直接的に検出することができ、組立工程の途中において
容易にモータ単体の性能試験を行うことができる。な
お、ロックナット14の締結トルクがモータのトルクよ
りも大きいため、ロックナット14がゆるむことなく、
性能試験を行うことができる。
【0020】本発明におけるヨーク1の小径部1cは、
前記したようにナット保持部7を外囲する部分からエン
ドピース11を取り付けられる開口端に至るまで同一径
にて形成されている。そのため、ナット保持部7に挿入
にて組み付けられるボールナット8の外径Dよりも小径
部1cの内径Aの方が大きい。従って、ボールナット8
と略同一径にて形成された治具15を、小径部1cの開
口端からナット保持部7に挿入してセットすることを何
ら問題なく行うことができる。
【0021】なお、駆動シャフト3の自由変位を規制す
る部分をヨーク1の一部を加工するのではなく別部品の
エンドピース11により形成したことから、エンドピー
ス11を好適な厚肉形状にすると共にヨーク1を薄肉形
状にすることができ、部品構成にも適合し、製作性・製
造コストの低廉化にも有利である。
【0022】次に、図5に本発明に基づく第2の実施形
態を示す。この第2の実施の形態にあっては、前記と同
様に本装置の組立工程の途中におけるボールナット8を
ナット保持部7に組み付ける前に、図5に示される治具
16を仮装着して行うものである。
【0023】この治具16の中間部には、ナット保持部
7に対して抜き差し可能な程度に装着可能な外向フラン
ジ状の拡径部16aが概ねボールナット8と同一外径に
て形成され、その軸線方向両側にはそれぞれ駆動シャフ
ト3と同様の外径の延長シャフト16bが互いに同軸か
つ一体的に形成されている。また、拡径部16aの外周
面の一部には前記と同様に溝部16cが設けられてお
り、その溝部16cと前記ナット保持部7の内向突部7
aとが係合するようにされている。
【0024】このように治具16をボールナット8及び
駆動シャフト3の代わりに組み付けた状態にあっては、
治具16の延長シャフト16bに図示されない計測器を
連結することにより、モータの回転・トルクを直接的に
検出することができ、組立工程の途中において容易にモ
ータ単体の性能試験を行うことができる。
【0025】この第2の実施形態における治具16もそ
の拡径部16aの外径がボールナット8と同一径にて形
成されており、その拡径部16aを小径部1cの開口端
から挿入してナット保持部7に挿入して、治具16をセ
ットすることを何ら問題なく行うことができる。
【0026】
【発明の効果】このように本発明によれば、ヨークを組
み立てた状態でそのヨークの開口端からボールナットの
代わりとなる部分を有する治具を何ら支障無く挿入する
ことができ、その治具を介してモータの回転やトルクを
検出することにより、組立工程の途中において容易にモ
ータ単体の性能試験を行うことができるため、組立工程
の効率を向上し、かつ低コスト化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された電動パワーステアリング装
置の全体を示す概略図。
【図2】本発明に基づく電動パワーステアリング装置の
要部拡大側断面図。
【図3】本発明に基づく電動パワーステアリング装置に
用いられる第1の実施形態の治具のセット状態を示す
図。
【図4】第1の実施形態の治具を示す要部斜視図。
【図5】本発明に基づく電動パワーステアリング装置に
用いられる第2の実施形態の治具のセット状態を示す
図。
【図6】従来の電動パワーステアリング装置の概略を示
す全体図。
【符号の説明】
1 ヨーク 1a 大径部 1b 軸支部 1c 小径部 2 ケーシング 2a ブラケット 3 駆動シャフト 3a ボールねじ溝 4 ピニオンシャフト 5 中空シャフト 6 アーマチュア 7 ナット保持部 7a 段付き部 8 ボールナット 8a 溝部 9 ボール 10 固定磁石 11 エンドピース 12 スライド軸受 13 取付ブラケット 14 ロックナット 14a 孔 15 治具 15a ピン部 15b 係合突片 16 治具 16a 拡径部 16b 延長シャフト 16c 溝部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータのモータ軸を中空円筒状に形成
    し、駆動シャフトをその軸線方向に往復駆動するべく前
    記モータ軸に同軸的に挿通して、前記駆動シャフトにボ
    ールねじ構造のねじ溝を形成すると共に前記モータ軸の
    軸線方向一端部に前記ボールねじ構造のボールナットを
    同軸的に内設した電動操舵装置であって、 前記モータのヨークの前記モータ軸の軸線方向一端部を
    外囲する部分から開口端に至る部分の内径を、前記ボー
    ルナットの外径よりも大径にしたことを特徴とする電動
    操舵装置。
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