JPH10247100A - 音声録再装置並びに音声記録装置及び音声再生装置 - Google Patents

音声録再装置並びに音声記録装置及び音声再生装置

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JPH10247100A
JPH10247100A JP9063757A JP6375797A JPH10247100A JP H10247100 A JPH10247100 A JP H10247100A JP 9063757 A JP9063757 A JP 9063757A JP 6375797 A JP6375797 A JP 6375797A JP H10247100 A JPH10247100 A JP H10247100A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適応パルス符号変調処理における符号ビッ
ト数を切換えても再生音の聞き取りが可能なようにす
る。 【解決手段】適応パルス符号変調処理を施してから音声
データを固体メモリ6に記録するとともにその再生も行
う音声録再装置30において、適応パルス符号変調処理
に際して符号ビット数の大小を切り換える手段24,2
8と、音声データの周波数帯域における高音域を抑制す
るフィルタ36と、再生に際して常に又は音声データの
符号ビット数の大小に応じて選択的に音声データへフィ
ルタ36を適用する手段39とを備え、聴感域における
高音域を下げる補正を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録媒体への音
声データの記録及び/又は再生を行う音声録再装置等に
関し、詳しくは、記録媒体としてテープやディスクでは
なく半導体等の固体メモリを用いるとともに、音声デー
タの記録再生に際して適応パルス符号変調に基づいて圧
縮伸張処理を行う音声録再装置等について、デジタル音
声データの長時間録再のために記憶容量不足を補う改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体に磁気テープを用いたテープレ
コーダやディスクを用いたミニディスク(MD)等の音
響録再装置は、機械的駆動を伴うこと等に起因して、耐
久性や、電池および媒体も含めての小形化に限界があ
る。これに対し、記録媒体に半導体メモリ等を用いれ
ば、機械的駆動が不要なのでそのような限界が無くなる
のであるが、最近の半導体メモリ容量の増進をもってし
てもテープ等に対抗するに十分なだけの記憶容量を確保
するのは困難で、会話や打ち合わせ時等における比較的
短時間の音声を記録・再生する音声録再装置が実用化さ
れつつある。
【0003】従来、記録媒体に固体メモリを用いた音声
録再装置は、デジタル音声データを固体メモリに記録す
るに際してデータ圧縮処理を施すとともにその再生に際
しては逆のデータ伸張処理を施すことで、記憶容量不足
を補っている。また、一定の記憶容量の下で録音時間を
稼ぐためにデータ圧縮率を上げるか音質を重視してデー
タ圧縮率を下げるかの選択が可能なものもある。その具
体例として図6に示した音声録再機10は、データ圧縮
処理方式として一般的な適応パルス符号変調方式を用
い、データ圧縮率の選択切換方式として適応パルス符号
変調回路その他のデジタル信号処理部のクロック周波数
を切り換えることで簡便にサンプリング周波数fsやカ
ットオフ周波数fcを可変にしたものである。
【0004】すなわち、この音声録再機10は、音声入
力用のマイク2と、音声出力用のスピーカ3と、記録や
再生の開始・停止等の指示を受けるための操作キー4
と、マイクロプロセッサ等で構成され操作キー4の操作
等に応じて装置全体の動作を管理するコントローラ5
と、電気的に消去可能な不揮発性のフラッシュメモリ等
で構成され4Mb〜32Mb(メガビット)の記憶容量
を持ったメモリ6と、コントローラ5の制御下でマイク
2から入力したアナログ音声信号をデジタル音声データ
に変換してメモリ6に記録するとともにメモリ6からデ
ジタル音声データを読み出して音声信号を再生しこれを
スピーカ3へ出力する音声信号処理・音声データ処理を
行う音声録再IC11とが、ブローチやライタ程度の小
形な筐体に組み込まれたものである。
【0005】音声録再IC11は、記録に際してアナロ
グ音声信号をデジタル音声データに変換するために、マ
イク2の出力を受けるローパスフィルタ(LPF)1
2、及びこれに後続するA/D変換回路13が設けら
れ、さらにそのデジタル音声データを圧縮するために適
応パルス符号変調回路(ADPCM回路)14が設けら
れている。また、再生に際して逆の伸張処理を行わせる
ためにこのADPCM回路14を用いるとともに、その
デジタル音声データをアナログ音声信号に変換するため
に、ADPCM回路14の出力を受けるD/A変換回路
15、及びこれに後続するローパスフィルタ(LPF)
16が設けられている。そして、LPF16出力の音声
信号は図示しない適宜のアンプ等によって増幅されてか
らスピーカ3へ送出されるようになっている。
【0006】また、音声録再IC11は、A/D変換回
路13とADPCM回路14とD/A変換回路15とか
らなるクロック同期式のデジタル信号処理部に対してク
ロック信号を供給するためにクロック回路17が設けら
れている。クロック回路17は、基本の発振信号を波形
整形した例えば1024KHzのクロック信号(以下ク
ロックy)と、これを分周した512KHzのクロック
信号(以下クロックx)とを発生するとともに、両クロ
ック信号を入力するスイッチ回路を有して制御信号Aに
応じて選択し、何れか一方のクロック信号をデジタル信
号処理部へ供給するようになっている。なお、制御信号
Aの生成や,コントローラ5からの制御指令を受けて個
々の具体的な制御信号を生成しADPCM回路14等の
IC内部回路へ送出する処理を行わせるために制御部1
8が設けられ、さらにメモリアクセス用信号の生成に加
えて処理単位ビット数の変換やバッファリング等の処理
を行うメモリインターフェイス(I/F)19も音声録
再IC11内に設けられている。
【0007】図7(a)に主要部のブロック図を示した
A/D変換回路13は、ASIC等によく用いられるオ
ーバーサンプリング型のA/D変換回路であり、クロッ
クyでの動作時にサンプリング周波数fsが8KHzと
なって、音声帯域を含む0〜4KHzの帯域成分だけを
通すフィルタ作用も発揮するものである(図7(b)参
照、なお、図中、横軸はKHz単位の周波数を示し、縦
軸は該当周波数成分の通過比率を示す。また、本明細書
添付図面における他のグラフにあっても同様である)。
そして、クロックxを受けて動作する場合には、動作速
度が半分になるので、サンプリング周波数fsが4KH
zとなって、音声帯域に含まれる0〜2KHzの帯域成
分だけを通すフィルタ作用も発揮するものとなっている
(図7(c)参照)。
【0008】D/A変換回路15も、詳細な説明は割愛
するがデジタルアナログ変換時に同様のフィルタ作用も
発揮する。すなわち、クロックyでの動作時には0〜4
KHzの帯域成分を通し(図6(e1)参照)、クロッ
クxでの動作時には0〜2KHzの帯域成分を通すもの
である(図6(e2)参照)。なお、このようにA/D
変換回路13やD/A変換回路15によって急峻なカッ
トオフ特性のフィルタリングがなされるので、それに前
置・後置されるLPF12やLPF16は、折り畳みノ
イズ及びクロックy,xのノイズを簡便に除去すればよ
いため、音声帯域を超える4KHz以上で緩やかなカッ
トオフ特性を持った簡易なものが採用される(図6
(b),(f)参照)。
【0009】ADPCM回路14は、詳細な説明は割愛
するが、図8(a)に概要ブロック図を示した一般的な
適応パルス符号変調方式を具体化したものであり、入力
信号の波形における単位時間当たりの変化量すなわち差
分を符号化する(図8(b)参照)。例えば、符号ビッ
ト数が4ビットの場合、差分値“−8”,“−7”,
〜,“−1”,“+1”,“+2”,〜,“+8”のそ
れぞれに符号値“0”〜“15”の何れかが割り当てら
れる。このADPCM回路14も、D/A変換回路15
同様にクロックy,xの何れで動作するかによって周波
数特性が異なるが、何れも中間の周波数からサンプリン
グ周波数fsに近づくに連れて量子化ノイズが急増す
る。具体的には、クロックyでの記録再生時には4KH
zあたりから8KHzにかけてノイズが増加するのに対
し(図8(c)のハッチング部分参照)、クロックxで
の記録再生時には2KHzあたりから4KHzにかけて
ノイズが増加するものとなっている(図8(d)のハッ
チング部分参照)。
【0010】このような構成の音声録再機10を用いて
短時間の録音を行うときには、操作キー4を操作して高
品質モードを選択する。すると、これに応じたコントロ
ーラ5及び制御部18からの制御信号Aに従って、10
24KHzのクロックyがクロック回路17からADP
CM回路14等のデジタル信号処理部へ供給される。そ
して、マイク2から入力されたアナログ音声信号はLP
F12によって音声帯域超の高周波成分が概ねカットさ
れてから(図6(b)参照)A/D変換回路13によっ
てデジタル音声データに変換されると同時に4KHz超
の高周波成分がカットされ(図6(c1)参照)、さら
にデジタル音声データはADPCM回路14によって8
KHzのサンプリング周波数に一致したタイミングごと
に4ビット符号化で圧縮されてからメモリI/F19を
介してメモリ6に順次記録される。こうして、このメモ
リ6の容量が32Mbの場合、約16分に亘って記録が
行われる。
【0011】また、その再生時には、圧縮済みの符号化
データが、同じクロックyで動作するADPCM回路1
4によってメモリI/F19を介してメモリ6から読み
出され伸張処理が施されて元の音声データに戻される。
このとき、8KHz側の高周波域にはノイズ成分が多く
含まれるが(図6(d1)のハッチング部分参照)、後
続のD/A変換回路15によってアナログ音声信号に変
換される際に4KHz超の帯域成分がカットされ(図6
(e1)参照)、最後にD/A変換回路15等に起因す
るクロックy該当ノイズ成分がLPF16によってカッ
トされて(図(f)参照)、高品質の音声がスピーカ3
から再生出力される。
【0012】これに対し、この音声録再機10を用いて
長時間の録音を行うときには、操作キー4を操作して長
時間モードを選択する。すると、これに応じた制御部1
8からの制御信号Aに従って、512KHzのクロック
xがADPCM回路14等へ供給される。そして、マイ
ク2から入力されたアナログ音声信号はLPF12によ
って音声帯域超の高周波成分が概ねカットされてから
(図6(b)参照)A/D変換回路13によってデジタ
ル音声データに変換されるときに今度は2KHz超の高
周波成分がカットされ(図6(c2)参照)、さらにこ
のデジタル音声データはADPCM回路14によって4
KHzのサンプリング周波数に一致したタイミングごと
に4ビット符号化で圧縮されてからメモリ6に順次記録
される。メモリ容量が同じ32Mbの場合、約32分に
亘って記録が行われる。
【0013】また、その再生時には、圧縮済みの符号化
データが、同じクロックxで動作するADPCM回路1
4によってメモリ6から読み出されこれに伸張処理が施
されて元の音声データに戻される。このとき、今度は4
KHz下の高周波域にノイズ成分が多く含まれるが(図
6(d2)のハッチング部分参照)、後続のD/A変換
回路15によってアナログ音声信号に変換される際に2
KHz超の帯域成分がカットされ(図6(e2)参
照)、クロックx該当ノイズ成分がLPF16によって
カットされて(図(f)参照)、再生音声がスピーカ3
から出力される。こうして、音声帯域にかかる2KHz
超の周波数成分がカットされて、音質は幾分か低下する
が、音声の聞き取りは可能な記録再生が、高品質モード
選択時に較べて2倍の時間に亘って行われる。
【0014】このように音声録再機10では、適応パル
ス符号変調処理に際してクロック周波数を切り換えるこ
とでサンプリング周波数fsを変えさせ、これによって
音声データの圧縮率を変更することにより音質とのトレ
ードオフの下で録音時間の長短を選択可能としているの
である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、限られたメ
モリ容量の下で記録再生時間を伸ばすための簡便なデー
タ圧縮手法として、サンプリング周波数fsの変更の他
に、符号ビット数の変更も考えられる。これは、上述の
例に具体的に対応させると、図9に示した音声録再機2
0のようになる。
【0016】すなわち、デジタル信号処理部へクロック
を供給するクロック回路27は、クロック回路17より
単純化されて常時1024KHzのクロックyを出力す
るが、ADPCM回路24は、制御部18に代わる制御
部28からの制御信号Bに従って長時間モード選択時
に、符号ビット数が2ビットと少なくなって、差分値
“−2”,“−1”,“+1”,“+2”のそれぞれに
符号値“0”〜“3”の何れかを割り当てるように、A
DPCM回路14が改造されることとなる(図9(a)
参照)。このように符号ビット数が削減されると、その
分だけ差分値の採りうる範囲が狭まり、その結果、AD
PCM回路24のスルーレートが低下して、やはり4K
Hz下の高周波域に多くのノイズ成分が現れる(図9
(d2)参照)。このため、高品質モード選択時には従
来と全く同様に動作できても(図9(b),(c),
(d1),(e1),(f)参照)、長時間モード選択
時には、D/A変換回路15によるカットオフが4KH
z超と不変なのでそのときの量子化ノイズ成分がそのま
ま出力されてしまう。
【0017】このような場合、再生音声における高音域
の歪みが大きくなって再生音が聞き取り難いことから、
適応パルス符号変調方式を用いた音声録再装置では、デ
ータ圧縮率の変更に際して、符号ビット数の切り換えで
はなく、サンプリング周波数fsの切り換えがなされて
いた。データ圧縮に際して符号ビット数の切り換えを行
う場合、特開平7−160300号公報における「課
題」欄の記載にもあるように、他の符号化方式・圧縮方
式が用いられていたのである。
【0018】しかしながら、符号ビット数切換のために
適応パルス符号変調回路その他の複数のデータ圧縮方式
を併存させこれらを組み合わせて使い分けるのは、煩雑
であり、回路規模の激増も招くので、小形化の要請に反
する。コスト面からも好ましくない。かといって、単純
に更なるサンプリング周波数fsの引き下げを行うので
は、音声聞き取りに重要な1〜2KHz帯域が全く失わ
れてしまうことにもなるので、この手法だけでは既に限
界である。
【0019】そこで、回路規模の増大を抑制する観点か
ら適応パルス符号変調によるデータ圧縮伸張方式を維持
するという前提の下で、録音時間を一層長くするため
に、符号ビット数を削減しても上述の如き不都合を回避
しうるような構成を案出することが課題となる。この発
明は、このような課題を解決するためになされたもので
あり、適応パルス符号変調処理における符号ビット数を
切換えても再生音の聞き取りが可能な音声録再装置や,
音声記録装置,音声再生装置,音声録再ICを実現する
ことを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第2の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0021】[第1の解決手段]第1の解決手段の音声
録再装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、適
応パルス符号変調処理を施してから音声データを固体メ
モリに記録するとともにその再生も行う音声録再装置に
おいて、前記適応パルス符号変調処理に際して符号ビッ
ト数の大小を切り換える手段と、前記音声データの周波
数帯域における高音域を抑制するフィルタと、前記再生
に際して常に又は前記音声データの符号ビット数の大小
に応じて選択的に前記音声データへ前記フィルタを適用
する手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】このような第1の解決手段の音声録再装置
にあっては、音声記録時に、音声データが適応パルス符
号変調処理を施されてから固体メモリに記録されるが、
その適応パルス符号変調処理に際して符号ビット数の大
小が切り換えらるようになっている。そして、メモリ容
量一定の条件下では記録可能な録音時間が符号ビット数
の大小に反比例するので、録音可能な時間長が選択可能
なこととなる。そこで、限られた容量の固体メモリを利
用しながらも、符号ビット数を小さい方に切り換えるこ
とにより、一般的な講演や通常の会議等であれば或る程
度間に合うほどに録音時間を長くすることができる。
【0023】また、音声再生時には、音声データに対し
て逆の適応パルス復号処理が施されて音声が再生される
が、その際、音声データは、フィルタによってその周波
数帯域における高音域が適宜抑制される。符号ビット数
を小さく削減して録音した場合には既述のように再生音
声における聴感域の高音域で歪み原因の量子化ノイズが
急増するのであるが、その高音域が抑制されると、その
量子化ノイズの多いところが重点的に抑制されることに
なる。しかも、聴感域における高音域成分は、経験や実
験等で得られた聴感特性によると、音色まで含めた再生
の場合は別として音声聞き取りの場合、少しでも存在し
ていれば、その残存比率を超えてかなり大きく聞き取り
に貢献するという特質がある。
【0024】そこで、上記のように音声データに対して
聴感域における高音域を下げるような補正が施されるこ
とにより、耳障りな量子化ノイズは効率よく抑制される
一方で、高音域成分が或る程度確保されて音声聞き取り
可能な状態は維持されることとなる。したがって、この
発明によれば、適応パルス符号変調処理における符号ビ
ット数を切換えても再生音の聞き取りが可能なようにす
ることができる。
【0025】[第2の解決手段]第2の解決手段の音声
録再装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上
記の第1の解決手段の音声録再装置であって、前記フィ
ルタは、前記再生に際して(前記適応パルス符号変調処
理に対応した)復号処理を行う復号回路とこれに後続す
る(オーバーサンプリング型等の)D/A変換回路との
間に介挿されたデジタルフィルタであり、且つ前記復号
回路および前記D/A変換回路と共通のクロックに基づ
いて動作するものであることを特徴とするものである。
なお、望ましくは、前記復号処理処理に際して前記クロ
ックの周波数を切り換える手段も設けられていると一層
良い。
【0026】このような第2の解決手段の音声録再装置
にあっては、クロック周波数を変更すると、復号回路お
よびD/A変換回路に加えてフィルタの動作速度も同様
に変更される。デジタルフィルタの場合、動作速度が変
わるとそれに対応してカットオフ周波数等の周波数特性
も変わる。そこで、音声再生に際して、復号処理および
デジタルアナログ変換処理におけるサンプリング周波数
fsが変更されるとともに、フィルタの周波数特性も同
時に変更されることとなる。
【0027】このようにクロック周波数の切換によって
フィルタリング特性が変えられるので、符号ビット数の
変更による量子化ノイズの変動を、クロック周波数の切
換によってカバーし得ることとなる。これにより、サン
プリング周波数と符号ビット数との双方の変更に基づい
てデータ圧縮率の更なる向上を図るに際して単一の又は
少数のフィルタを双方に兼用するのが可能となってフィ
ルタの数が少なくて済む。
【0028】したがって、この発明によれば、適応パル
ス符号変調処理における符号ビット数を切換えても再生
音の聞き取りが可能な音声録再装置等を実現するに際し
て回路規模の増大を一層抑制することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の音声録再装置について、これを音声記録装置,
音声再生装置,及び音声録再ICとして実施するための
形態を説明する。
【0030】[第1の実施の形態]本発明の音声記録装
置は上記の解決手段の音声録再装置のうち記録処理を担
う部分を分離するとともに固体メモリを着脱可能とした
ものである。すなわち(、出願当初の請求項3に記載の
如く)、適応パルス符号変調処理を施してから音声デー
タを固体メモリに記録する音声記録装置において、前記
適応パルス符号変調処理に際して符号ビット数の大小を
切り換える手段と、前記固体メモリを着脱可能とする手
段とを備えたことを特徴とする。これにより、音声デー
タを記録したい固体メモリを装着すると、上述した音声
録再装置の作用効果のうち記録に関する部分の作用効果
を奏する。
【0031】[第2の実施の形態]本発明の音声再生装
置は上記の解決手段の音声録再装置のうち再生処理を担
う部分を分離するとともに固体メモリを着脱可能とした
ものである。すなわち(、出願当初の請求項4に記載の
如く)、適応パルス符号化された音声データを固体メモ
リから読み出して音声を再生する音声再生装置におい
て、前記音声データの周波数帯域における高音域を抑制
するフィルタと、前記再生に際して常に又は前記音声デ
ータの符号ビット数の大小に応じて選択的に前記音声デ
ータへ前記フィルタを適用する手段と、前記固体メモリ
を着脱可能とする手段とを備えたことを特徴とする。こ
れにより、音声データを記録した固体メモリを装着する
と、上述した音声録再装置の作用効果のうち再生に関す
る部分の作用効果を奏する。
【0032】したがって、これらの音声記録装置と音声
再生装置とを組み合わせて用いることによっても、上述
した音声録再装置の作用効果が得られる。また、音声記
録装置または音声再生装置と上記の音声録再装置とを組
み合わせて用いることによっても、上述した音声録再装
置の作用効果が得られる。
【0033】[第3の実施の形態]本発明の音声録再I
Cは上記の解決手段の音声録再装置のうち記録処理およ
び再生処理を担う回路部分を分離するとともに集積化し
たものである。すなわち(、出願当初の請求項5に記載
の如く)、固体メモリに対するインターフェイスと、前
記インターフェイスを介して記録のために出力される音
声データに対して(その出力に先だって)適応パルス符
号変調処理を施す手段と、前記インターフェイスを介し
て記録済みの音声データを読み出して音声再生処理を施
す手段とを備えた音声録再ICにおいて、前記適応パル
ス符号変調処理に際して符号ビット数の大小を切り換え
る手段と、前記音声データの周波数帯域における高音域
を抑制するフィルタと、前記再生に際して常に又は前記
音声データの符号ビット数の大小に応じて選択的に前記
音声データへ前記フィルタを適用する手段とを備えたこ
とを特徴とするものである。この場合、音声録再装置の
具現化に際して上記ICを組み込むことにより、上述の
作用効果を奏する音声録再装置を小形で安価に実現する
ことができる。
【0034】
【実施例】このような解決手段や実施形態で達成された
本発明の音声録再装置等について、これを実施するため
の具体例を第1〜第4実施例によって説明する。第1,
第2実施例は、アナログフィルタを用いて課題を解決し
たものであるのに対し、第3,第4実施例は、デジタル
フィルタを用いて課題を解決したものである。そこで、
前者は第1の解決手段等を具現化したものとなっている
のに対し、後者は第1,第2の解決手段等の双方を具現
化したものとなっている。また、第1実施例は、符号ビ
ット数の変更だけを行ってサンプリング周波数fsの変
更を行わないのに対し、第2〜第4実施例は、符号ビッ
ト数の変更に加えてサンプリング周波数fsの変更も行
うものである。
【0035】[第1実施例]本発明の音声録再装置等の
第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用
して説明する。図1(a)は、そのブロック図であり、
既述の図6,図9における(a)に対応している。そこ
で、既述したのと同一のものには同一の符号を付して示
し、その再度の説明は割愛して、以下、相違点を中心に
述べる。
【0036】図1に示すこの音声録再機30は、図9に
示した音声録再機20をベースとしてADPCM回路2
4,制御部28を引き続き具えることにより、適応パル
ス符号変調処理に際して符号ビット数の大小を切り換え
るものとなっている。しかし、LPF16と並列に設け
られたLPF36と、両LPF16,36の出力を入力
とし制御部28からの制御信号Bに応じて何れか一方を
スピーカ3へ出力するセレクタ39とが追加されている
点で、音声録再機20と相違する。
【0037】LPF36は、アナログフィルタであり、
その周波数特性グラフが音声帯域に掛かる概ね2KHz
あたりから下がり始め8K以上で完全に下がりきるよう
な特性を持ったものが採用される(図6(f2)参
照)。これにより、音声録再機30は、LPF36選択
時に音声データの周波数帯域における高音域を抑制する
ものとなっている。
【0038】この実施例の音声録再装置について、その
使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図1の
(b)以降は、その各回路の周波数特性図であり、それ
ぞれ既述の図6,図9における(b)〜(f)に対応し
ている。
【0039】このような構成の音声録再機30を用いて
短時間の録音を行うときには、操作キー4を操作して高
品質モードを選択する。すると、これに応じたコントロ
ーラ5及び制御部28からの制御信号Bに従って、クロ
ックyで動作するADPCM回路24による符号ビット
数が4ビットとされ、且つセレクタ39によってLPF
16経由の音声信号がスピーカ3へ出力されるようにな
る。そして、マイク2から入力されたアナログ音声信号
はLPF12によって音声帯域超の高周波成分が概ねカ
ットされてから(図1(b)参照)A/D変換回路13
によってデジタル音声データに変換されると同時に4K
Hz超の高周波成分がカットされ(図1(c)参照)、
さらにデジタル音声データはADPCM回路24によっ
て8KHzのサンプリング周波数に一致したタイミング
ごとに4ビット符号化で圧縮されてからメモリI/F1
9を介してメモリ6に順次記録される。このメモリ6の
容量が同じく32Mbの場合、約16分に亘って記録が
行われる。
【0040】また、その再生時には、圧縮済みの符号化
データが、同じクロックyで動作するADPCM回路2
4によってメモリI/F19を介してメモリ6から読み
出されさらに伸張処理が施されて元の音声データに戻さ
れる。このとき、8KHz側の高周波域にはノイズ成分
が多く含まれるが(図1(d1)のハッチング部分参
照)、後続のD/A変換回路15によってアナログ音声
信号に変換される際に4KHz超の帯域成分がカットさ
れ(図1(e1)参照)、最後にD/A変換回路15等
に起因するクロックy該当ノイズ成分がLPF16によ
ってカットされて(図1(f1)参照)、高品質の音声
がスピーカ3から再生出力される。
【0041】これに対し、この音声録再機30を用いて
長時間の録音を行うときには、操作キー4を操作して長
時間モードを選択する。すると、これに応じた制御部2
8からの制御信号Bに従って、同じクロックyで動作す
るADPCM回路24による符号ビット数が2ビットと
され、且つセレクタ39によってLPF36経由の音声
信号がスピーカ3へ出力されるようになる。そして、マ
イク2から入力されたアナログ音声信号はLPF12に
よって音声帯域超の高周波成分が概ねカットされてから
(図1(b)参照)A/D変換回路13によってデジタ
ル音声データに変換されると同時に4KHz超の高周波
成分がカットされる(図1(c)参照)。ここまでは、
高品質モード選択時と同じであるが、その後、デジタル
音声データはADPCM回路24によって8KHzのサ
ンプリング周波数に一致したタイミングごとに2ビット
符号化で圧縮されてからメモリI/F19を介してメモ
リ6に順次記録される。そこで、メモリ容量が同じ32
Mbの場合、約32分に亘って記録が行われる。
【0042】また、その再生時には、圧縮済みの符号化
データが、同じクロックyで動作するADPCM回路2
4によってメモリ6から読み出されこれに伸張処理が施
されて元の音声データに戻される。このとき、今度は4
KHz下の高周波域にノイズ成分が多く含まれ(図1
(d2)のハッチング部分参照)、これがアナログ音声
信号に変換される際に後続のD/A変換回路15をすり
抜けてしまうが(図6(e2)参照)、今度はLPF1
6に替えてLPF36が選択されているので、クロック
y該当ノイズ成分がカットされると同時に2KHz超の
帯域成分に対して聴感上の補正が施される(図(f2)
参照)。
【0043】こうして、音声再生に際し音声データの符
号ビット数の大小に応じて選択的に音声データへフィル
タ36が適用される。その結果、音質は幾分か低下して
も音声の聞き取りは可能な記録再生が、高品質モード選
択時に較べて2倍の時間に亘って行われるのである。
【0044】[第2実施例]図2にブロック図および周
波数特性図を示した本発明の音声録再装置等の第2実施
例について説明する。図2の(a)〜(f*)は、それ
ぞれ上述した図1の(a)〜(f*)に対応しているの
で(*は1〜3の何れかを表す)、以下、音声録再機3
0との相違点を中心に説明する。図2に示すこの音声録
再機40は、図1に示した音声録再機30をベースとし
てADPCM回路24等を引き続き具えることにより、
適応パルス符号変調処理に際して符号ビット数の大小を
切り換えるものとなっている。
【0045】これに対し、クロック回路27が図6のク
ロック回路17によって置換されるとともに、制御部2
8が制御部48によって置換されている点で、音声録再
機40は音声録再機30と相違する。制御部48は、制
御部18及び制御部28の双方の機能を併せ持つように
改められていて、制御信号A,Bの両信号を出力するも
のである。これにより、音声録再機40は、適応パルス
符号変調処理に際してクロック周波数を切り換えること
でサンプリング周波数fsの変更を行うものにもなって
いる。
【0046】また、LPF16及びLPF36に対して
更に新たなLPF46が並列に設けられ、セレクタ39
がこれらLPF16,36,46の出力を入力とし制御
部48からの制御信号A,Bに応じて何れか一つを選択
してスピーカ3へ出力するセレクタ49になっている点
も、相違する。LPF46は、アナログフィルタであ
り、その周波数特性グラフが音声帯域に掛かる概ね1K
Hzあたりから下がり始め4K以上で完全に下がりきる
ような特性を持ったものが採用される(図2(f3)参
照)。これにより、音声録再機40は、LPF36選択
時に音声データの周波数帯域における高音域を抑制する
とともに、LPF46選択時に音声データの周波数帯域
における高音域を更に強く抑制するものとなっている。
【0047】この実施例の音声録再装置についてその使
用態様及び動作を説明する。このような構成の音声録再
機40を用いて短時間の録音および上述した長時間の録
音を行うときにおける動作等は、上述した通りになるの
で、再度の説明は割愛して、極長時間の録音を行う場合
を説明する。
【0048】音声録再機40を用いて極長時間の録音を
行うときには、操作キー4を操作して該当モードを選択
する。すると、これに応じた制御部48からの制御信号
Aに従って、512KHzのクロックxがADPCM回
路24等へ供給される。さらに、制御部48からの制御
信号Bに従って、ADPCM回路24による符号ビット
数が2ビットとされ、且つセレクタ49によってLPF
46経由の音声信号がスピーカ3へ出力されるようにな
る。
【0049】そして、マイク2から入力されたアナログ
音声信号はLPF12によって音声帯域超の高周波成分
が概ねカットされてから(図2(b)参照)A/D変換
回路13によってデジタル音声データに変換されるとき
に今度は2KHz超の高周波成分がカットされる(図2
(c3)参照)。さらにその後、デジタル音声データは
ADPCM回路24によって4KHzのサンプリング周
波数に一致したタイミングごとに2ビット符号化で圧縮
されてからメモリI/F19を介してメモリ6に順次記
録される。こうして、メモリ容量が同じ32Mbの場
合、約64分に亘って記録が行われる。
【0050】また、その再生時には、圧縮済みの符号化
データが、同じクロックxで動作するADPCM回路2
4によってメモリ6から読み出されこれに伸張処理が施
されて元の音声データに戻される。このとき、今度は2
KHz下の高周波域にノイズ成分が多く含まれ(図2
(d3)のハッチング部分参照)、これがアナログ音声
信号に変換される際に後続のD/A変換回路15をすり
抜けてしまうが(図2(e3)参照)、今度はLPF4
6が選択されているので、クロックx該当ノイズ成分が
カットされると同時に1KHz超の帯域成分に対して聴
感上の補正が施される(図(f3)参照)。
【0051】こうして、音声再生に際して音声データの
符号ビット数およびサンプリング周波数fsに応じて選
択的に音声データへLPF46が適用され、その結果、
音質は低下しても音声の聞き取りは可能な記録再生が、
高品質モード選択時に較べて4倍の長時間に亘って行わ
れるのである。
【0052】[第3実施例]図3にブロック図および周
波数特性図を示した本発明の音声録再装置等の第3実施
例について説明する。図3の(a)〜(f*)は、それ
ぞれ上述した図2の(a)〜(f*)に対応しているの
で(*は1〜3の何れかを表す)、以下、音声録再機4
0との相違点を中心に説明する。図3に示すこの音声録
再機50は、LPF36,46及びセレクタ49に代え
てADPCM回路24とD/A変換回路15との間に介
挿されたデジタルフィルタ54及びセレクタ55を具え
ている点で、音声録再機40と相違する。
【0053】デジタルフィルタ54は、図4(a)にブ
ロック図を示した一般的なFIR型のデジタルフィルタ
であり、次のフィルタリング特性を示すように各時間遅
れ毎の係数W1〜W4が重みづけされている。しかも、
A/D変換回路13や,ADPCM回路24,D/A変
換回路15と同様にクロック同期式回路で具現化されて
いて、それらのクロックと同じクロックを受けて、即ち
クロック回路17から供給されるクロックx又はクロッ
クyを受けて、動作する。そして、クロックyでの動作
時には、LPF36と同様に、その周波数特性グラフが
音声帯域に掛かる概ね2KHzあたりから下がり始め8
K以上で完全に下がりきるような特性を示す(図3(d
d2)参照)。これに対し、クロックxでの動作時に
は、LPF46と同様に、その周波数特性グラフが音声
帯域に掛かる概ね1KHzあたりから下がり始め4K以
上で完全に下がりきるような特性を示すものである(図
3(dd3)参照)。
【0054】これにより、デジタルフィルタ54は、デ
ジタルICへの組み込みが容易で、且つクロック周波数
を切り換えることでフィルタリング特性を変更させるこ
との可能なものとなっている。また、セレクタ55は、
ADPCM回路24の出力およびデジタルフィルタ54
の出力を入力とし、制御部48からの制御信号Bに応じ
て何れか一方をD/A変換回路15へ送出するようにな
っている。
【0055】この実施例の音声録再装置についてその使
用態様及び動作を説明する。このような構成の音声録再
機50を用いて短時間の録音を行うときにおける動作等
は、上述した通りになるので(図3(b),(c1),
(d1),(e1),(f)参照)、その詳細な説明は
割愛する。
【0056】一方、音声録再機50を用いて長時間の録
音を行う場合、記録時における動作等は上述した通りに
なるが(図3(b),(c2))、再生時における動作
等は異なる。かかる再生時には、制御信号Bに従ってA
DPCM回路24による符号ビット数が2ビットにされ
るとともにセレクタ55によってデジタルフィルタ54
が選択されている。そして、クロックyで動作するAD
PCM回路24によって圧縮済みの符号化データがメモ
リ6から読み出され、これに伸張処理が施されて元の音
声データに戻された後、直ちに2KHz超の高周波域に
おけるノイズ成分(図3(d2)のハッチング部分参
照)がデジタルフィルタ54によって抑制され(図3
(dd2)参照)、それからアナログ音声信号に変換さ
れる(図3(e2)参照)。こうして、デジタル信号処
理によって2KHz超の帯域成分に対して聴感上の補正
が施される。
【0057】他方、音声録再機50を用いて極長時間の
録音を行う場合、やはり記録時における動作等は上述し
た通りになるが(図3(b),(c3))、再生時にお
ける動作等が異なる。この場合には、2ビットの符号ビ
ット数およびデジタルフィルタ54の選択に加えて、制
御部48からの制御信号Aに従って512KHzのクロ
ックxがADPCM回路24等へ供給される。そして、
圧縮済みの符号化データがADPCM回路24によって
メモリ6から読み出されこれに伸張処理が施されて元の
音声データに戻されるが、今度は2KHz下の高周波域
にもノイズ成分が多く含まれる(図3(d3)のハッチ
ング部分参照)。しかし、伸張処理後、直ちに1KHz
超の高周波域におけるノイズ成分がデジタルフィルタ5
4によって抑制され(図3(dd3)参照)、それから
アナログ音声信号に変換される(図3(e3)参照)。
そこで、デジタル信号処理によって1KHz超の帯域成
分に対して聴感上の補正が施される。
【0058】こうして、音声再生に際して音声データの
符号ビット数およびサンプリング周波数fsの切換状態
に応じて選択的にデジタルフィルタ54が適用され、且
つ単純なクロック周波数の切り換えによってサンプリン
グ周波数fsと同時にデジタルフィルタ54の特性も切
り換えられる。その結果、音質は低下しても音声の聞き
取りは可能な記録再生が、高品質モード選択時に較べて
4倍の長時間に亘って行われるのである。
【0059】[第4実施例]図5にブロック図および周
波数特性図を示した本発明の音声録再装置等の第4実施
例について説明する。図5の(a)〜(f*)は、それ
ぞれ上述した図3の(a)〜(f*)に対応しているの
で(*は1〜3の何れかを表す)、以下、音声録再機5
0との相違点を中心に説明する。図5に示すこの音声録
再機60は、セレクタ55が省かれてADPCM回路2
4の出力が何時もデジタルフィルタ54を介してD/A
変換回路15へ送出される点で、声録再機50と相違す
る。
【0060】これにより、短時間の録音を行うときにも
デジタルフィルタ54が機能するので、この音声録再機
60及び音声録再IC61は、音声再生に際して常に音
声データへフィルタ54が適用されるものとなってい
る。その結果、極長時間の録音や長時間の録音を行うと
きに限らず短時間の録音を行うときにも高音域に対する
聴感上補正が施されるが、これに起因して音声が聞き取
り難くなるということは全く又はほとんど無いので、実
用上差し支えがなく、セレクタ55の省略分だけ更に音
声録再IC61等の規模を抑制することができる。
【0061】以上、カットオフ周波数や、サンプリング
周波数,クロック周波数が2,4,8,512,102
4KHzとして説明してきたが、これらの値は、厳密な
ものではない。切りが良いので一例として選出したもの
であり、実機にあっては定性的な関係を維持しながら適
宜上下に変更される。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の音声録再装置等にあっては、音声デ
ータに対して聴感域における高音域を下げる補正を施す
ようにしたことにより、適応パルス符号変調処理におけ
る符号ビット数を切換えても再生音の聞き取りが可能な
音声録再装置等を実現することができたという有利な効
果が有る。
【0063】また、本発明の第2の解決手段の音声録再
装置等にあっては、クロック周波数の切換によってサン
プリング周波数の変更ばかりか符号ビット数の変更によ
る量子化ノイズの変動をもカバーし得るようにしたこと
により、フィルタ数の増加を回避して回路規模の増大を
一層抑制することができたという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の音声録再装置の第1実施例につい
て、そのブロック図および周波数特性図である。
【図2】 本発明の音声録再装置の第2実施例につい
て、そのブロック図および周波数特性図である。
【図3】 本発明の音声録再装置の第3実施例につい
て、そのブロック図および周波数特性図である。
【図4】 そのデジタルフィルタの構成例である。
【図5】 本発明の音声録再装置の第4実施例につい
て、そのブロック図および周波数特性図である。
【図6】 従来の音声録再装置である。
【図7】 オーバーサンプリング型のA/D変換手段
である。
【図8】 適応パルス符号変調手段である。
【図9】 単に符号ビット数を切り換えたときの予想構
成である。
【符号の説明】
2 マイク(MIC) 3 スピーカ(SP) 4 操作キー 5 コントローラ 6 メモリ(RAM、半導体メモリ、固体メモリ) 10 音声録再機(音声録再装置、音声記録装置、音声
再生装置) 11 音声録再IC 12 LPF(アナログローパスフィルタ) 13 A/D変換回路(アナログデジタル変換手段) 14 ADPCM回路(適応パルス符号変調手段および
復号回路) 15 D/A変換回路(デジタルアナログ変換手段) 16 LPF(アナログローパスフィルタ) 17 クロック回路 18 制御部 19 メモリI/F(メモリインターフェイス) 20 音声録再機(音声録再装置、音声記録装置、音声
再生装置) 21 音声録再IC 24 ADPCM回路(適応パルス符号変調手段および
復号回路) 27 クロック回路 28 制御部 30 音声録再機(音声録再装置、音声記録装置、音声
再生装置) 31 音声録再IC 36 LPF(アナログローパスフィルタ) 39 セレクタ 40 音声録再機(音声録再装置、音声記録装置、音声
再生装置) 41 音声録再IC 46 LPF(アナログローパスフィルタ) 48 制御部 49 セレクタ 50 音声録再機(音声録再装置、音声記録装置、音声
再生装置) 51 音声録再IC 54 デジタルフィルタ(Dig.F) 55 セレクタ 60 音声録再機(音声録再装置、音声記録装置、音声
再生装置) 61 音声録再IC

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】適応パルス符号変調処理を施してから音声
    データを固体メモリに記録するとともにその再生も行う
    音声録再装置において、前記適応パルス符号変調処理に
    際して符号ビット数の大小を切り換える手段と、前記音
    声データの周波数帯域における高音域を抑制するフィル
    タと、前記再生に際して常に又は前記音声データの符号
    ビット数の大小に応じて選択的に前記音声データへ前記
    フィルタを適用する手段とを備えたことを特徴とする音
    声録再装置。
  2. 【請求項2】前記フィルタは、前記再生に際して復号処
    理を行う復号回路とこれに後続するD/A変換回路との
    間に介挿されたデジタルフィルタであり、且つ前記復号
    回路および前記D/A変換回路と共通のクロックに基づ
    いて動作するものであることを特徴とする請求項1記載
    の音声録再装置。
  3. 【請求項3】適応パルス符号変調処理を施してから音声
    データを固体メモリに記録する音声記録装置において、
    前記適応パルス符号変調処理に際して符号ビット数の大
    小を切り換える手段と、前記固体メモリを着脱可能とす
    る手段とを備えたことを特徴とする音声記録装置。
  4. 【請求項4】適応パルス符号化された音声データを固体
    メモリから読み出して音声を再生する音声再生装置にお
    いて、前記音声データの周波数帯域における高音域を抑
    制するフィルタと、前記再生に際して常に又は前記音声
    データの符号ビット数の大小に応じて選択的に前記音声
    データへ前記フィルタを適用する手段と、前記固体メモ
    リを着脱可能とする手段とを備えたことを特徴とする音
    声再生装置。
  5. 【請求項5】固体メモリに対するインターフェイスと、
    前記インターフェイスを介して記録のために出力される
    音声データに対して適応パルス符号変調処理を施す手段
    と、前記インターフェイスを介して記録済みの音声デー
    タを読み出して音声再生処理を施す手段とを備えた音声
    録再ICにおいて、前記適応パルス符号変調処理に際し
    て符号ビット数の大小を切り換える手段と、前記音声デ
    ータの周波数帯域における高音域を抑制するフィルタ
    と、前記再生に際して常に又は前記音声データの符号ビ
    ット数の大小に応じて選択的に前記音声データへ前記フ
    ィルタを適用する手段とを備えたことを特徴とする音声
    録再IC。
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