JP2006350132A - オーディオ再生装置、オーディオ再生方法及びオーディオ再生プログラム - Google Patents

オーディオ再生装置、オーディオ再生方法及びオーディオ再生プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 圧縮されたデジタルオーディオ信号を含む複数種類のデジタルオーディオ信号を各種の調整をすることなく、再生できるようにする。
【解決手段】 開示されるオーディオ再生装置は、入力されたデジタルオーディオ信号DASの種別を判定するコントローラ8と、デジタルオーディオ信号DASについて復号化処理するデコーダ2と、復号デジタルオーディオ信号DCASを補間する信号補間回路3とを備えている。コントローラ8は、種別がデジタルオーディオ信号DASが圧縮されていることを示す場合には、信号補間回路3に対して復号デジタルオーディオ信号DCASの種別に応じた補間を指示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮されていないディジタルオーディオ信号や圧縮されたディジタルオーディオ信号から原オーディオ信号を再生するオーディオ再生装置、オーディオ再生方法及びオーディオ再生プログラムに関する。
音楽CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録されているデジタルオーディオ信号は、リニアPCM(Pulse Code Modulation)と呼ばれる符号化方式により、アナログオーディオ信号から圧縮することなく符号化されている。この種の圧縮されていないデジタルオーディオ信号は、高音質である反面、5分程度の楽曲であってもデータサイズが約60mbyteにもなるため、限られた記録容量の記録媒体に記録する場合、記録可能な楽曲数はかなり制限される。また、この種の圧縮されていないデジタルオーディオ信号は、伝送する際、伝送容量があまり大きくない通信回線を用いた場合には、かなり長い伝送時間を必要とすることになる。
そこで、近年では、上記問題を解決するために、アナログオーディオ信号を音質の劣化を最小限度に抑えつつ小さなデータサイズのデジタルオーディオ信号に符号化する圧縮符号化技術が開発されている。この種の圧縮符号化技術としては、例えば、MP3(MPEG Audio Layer-3)、AAC(Advanced Audio Coding)、あるいはWMA(Windows Media Audio)(Windowsは登録商標)などがある。この種の圧縮符号化技術を用いれば、圧縮されたデジタルオーディオ信号は、圧縮されていないデジタルオーディオ信号の1/10程度に圧縮されているため、多数の楽曲のデジタルオーディオ信号をそれほど記録容量が多くないハードディスクやフラッシュメモリに記録できる。従って、人々は、上記した圧縮されたデジタルオーディオ信号をポータブルな再生装置で再生してヘッドフォンやイヤーフォンにより聴いたり、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略す。)で再生してパソコンに接続された小型のスピーカからの音響を聴くことができる。このように、圧縮されたディジタルオーディオ信号は、ポータブルな再生装置等で再生してヘッドフォン等で聴く程度であれば実用上問題なく利用することができる。
しかし、上記圧縮されたディジタルオーディオ信号は、圧縮符号化技術によりアナログオーディオ信号から符号化する際に一部の音データが削除されているため、楽音を忠実に再生できる本格的なオーディオ再生装置に供給した場合には、人は物足りなさや違和感を感じることがしばしばある。これは、以下に示す理由による。即ち、圧縮符号化技術では、アナログオーディオ信号からデジタルオーディオ信号に符号化する際に、音響工学上人の耳には聴こえにくい又は聴き分けにくいと考えられる周波数や音圧レベルの音データを削除している。ところが、上記した本格的なオーディオ再生装置では、そのような周波数や音圧レベルの音データであっても忠実に再生することができるため、上記圧縮されたディジタルオーディオ信号を再生した場合には、本来あるべき音データが再生されないからである。
そこで、最近では、上記問題を解決するために、上記圧縮されたディジタルオーディオ信号を再生する際に、圧縮時に削除した音データを擬似的に補間する技術が提案されている。従来のオーディオ再生装置には、以下に示すものがある。即ち、まず、ディジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fs/2以下の読出原信号成分のみをオーバサンプリングディジタルローパスフィルタ(OSDLPF)によって抽出し、OSDLPFの出力オーディオ信号とその絶対値成分を含む信号とを乗算することにより高調波成分を生成する。次に、生成した高調波成分のうちのfs/2以上の高調波成分を抽出して読出原信号成分に重畳する(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
また、従来のオーディオ信号処理装置には、以下に示す周波数補間部を有するものもある。即ち、この周波数補間部は、判別手段と、スペクトル分布生成手段と、相関部分抽出手段と、包絡線抽出手段と、補間手段とを備えている。判別手段は、PCM信号と対応付けられた外部データが、PCM信号に高域成分が含まれていると判別した場合には、PCM信号をスペクトル分布生成手段に供給し、PCM信号に高域成分が含まれていないと判別した場合には、PCM信号を補間せずにそのまま出力する。スペクトル分布生成手段は、PCM信号に高域成分が含まれていると判別された場合、PCM信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成する。相関部分抽出手段は、スペクトル信号が表すPCM信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する。包絡線抽出手段は、スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する。補間手段は、被補間帯域内のスペクトルの分布が上記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が上記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を上記PCM信号に追加して出力する(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
特開平7−93900号公報(請求項1,[0008]〜[0017]、図1,図2) 特開2002−73096号公報(請求項2,[0036]〜[0065]、図3)
上記した第1の従来例では、ディジタルオーディオ信号の全周波数帯域に亘ってスペクトル成分を補間するものではないため、補間は不完全であり、上記した物足りなさや違和感が解消されない場合がある。また、上記した第2の従来例では、圧縮されたデジタルオーディオ信号と、この圧縮されたデジタルオーディオ信号と対応付けられた外部データとはセットで記録媒体に記録しておき、圧縮されたデジタルオーディオ信号を再生する時、上記外部データを活用している。このため、この外部データが何らかの事情により失われた場合、例えば、通信回線で伝送した際に外部データだけで伝送されなかった場合には、圧縮されたデジタルオーディオ信号を伸長することができなくなってしまう。また、この外部データを圧縮されたデジタルオーディオ信号とは別個に記録媒体に記録したり、伝送するのでは、圧縮したメリットが減殺される。
また、上記したように、圧縮符号化技術には各種の形式があり、各形式ごとに異なるビットレートが用意されている。一般に、ビットレートが高いほど、再生された楽音の音質は向上する反面、削除されるデータが少ないため圧縮率は低くなる。そして、圧縮されたデジタルオーディオ信号を伸長する場合、補間により重畳又は追加されるデータは、原オーディオ信号にはもともと含まれていないものであるため、重畳又は追加するデータ量が多い場合には、ノイズを付加したことと同じになり、却って再生された楽音の音質が劣化して人の聴感を損ねてしまう。このような不都合を回避するためには、圧縮されたデジタルオーディオ信号を伸長する際に上記ビットレートを考慮する必要があるが、上記した第1及び第2の従来例では、ビットレートについては何ら考慮していないため、上記した不都合が発生する。
また、上記した第1及び第2の従来例では、圧縮されていないディジタルオーディオ信号についても補間を行ってしまうが、圧縮されていないディジタルオーディオ信号にとっては、補間により付加された信号はノイズ以外の何物でもない。このため、却って再生された楽音の音質が劣化してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような課題を解決することができるオーディオ再生装置、オーディオ再生方法及びオーディオ再生プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るオーディオ再生装置は、入力されたデジタルオーディオ信号の種別を判定する判定手段と、前記デジタルオーディオ信号について復号化処理する復号化手段と、復号化されたデジタルオーディオ信号を補間する補間手段とを備え、前記判定手段は、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、前記補間手段に対して前記復号化されたデジタルオーディオ信号の前記種別に応じた補間を指示することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のオーディオ再生装置に係り、 前記判定手段は、前記デジタルオーディオ信号の拡張子に基づいて、前記種別を判定することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のオーディオ再生装置に係り、前記デジタルオーディオ信号のデータファイルのヘッダ部に書き込まれているビットレート・インデックスを抽出する抽出手段を備え、前記判定手段は、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、前記復号化手段に対して、前記ビットレート・インデックスに対応したビットレートでの伸長処理を指示することを特徴としている。
また、請求項4記載の発明に係るオーディオ再生方法は、入力されたデジタルオーディオ信号の種別を判定する判定ステップと、前記デジタルオーディオ信号について復号化処理をする復号化ステップと、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、復号化されたデジタルオーディオ信号の前記種別に応じた補間をする補間ステップとを有することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のオーディオ再生方法に係り、前記判定ステップでは、前記デジタルオーディオ信号の拡張子に基づいて、前記種別を判定することを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のオーディオ再生方法に係り、前記デジタルオーディオ信号のデータファイルのヘッダ部に書き込まれているビットレート・インデックスを抽出する抽出ステップを有し、前記復号化ステップでは、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、前記デジタルオーディオ信号について前記ビットレート・インデックスに対応したビットレートで伸長処理をすることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明に係るオーディオ再生プログラムは、コンピュータに請求項1乃至6のいずれかに記載の機能を実現させることを特徴としている。
本発明によれば、圧縮されたデジタルオーディオ信号を含む複数種類のデジタルオーディオ信号を各種の調整をすることなく、再生することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るオーディオ再生装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態に係るオーディオ再生装置は、入力端子1と、デコーダ2と、信号補間回路3と、デジタル・オーディオ変換器(DAC)4と、音量/音質調整回路5と、アンプ6と、スピーカシステム7と、コントローラ8とから概略構成されている。デコーダ2は、入力端子1から入力されたデジタルオーディオ信号(PCM信号)DASのデータファイルからそのデータファイルに付与されている拡張子EX(例えば、「.dat」、「.mp3」)を抽出し、コントローラ8に供給する。ここで、「.dat」は、圧縮されていないリニアPCM符号化方式で符号化されたデジタルオーディオ信号(以下、「リニアPCMのデジタルオーディオ信号」と称する。)であるとする。一方、「.mp3」は、圧縮形式MP3で圧縮されたデジタルオーディオ信号であることを意味している。また、デコーダ2は、上記デジタルオーディオ信号DASのデータファイルが圧縮されている場合には、そのデータファイルのヘッダ部に書き込まれているビットレート・インデックスBRIを抽出してコントローラ8に供給する。さらに、デコーダ2は、上記デジタルオーディオ信号DASが圧縮されている場合には、その圧縮形式に応じて、コントローラ8から供給される制御信号SC1により指示されたビットレートで伸長処理を行い、上記デジタルオーディオ信号DASが圧縮されていない場合には、復調処理、誤りの検出・訂正処理等の各処理を施した後、復号オーディオ信号DCASとして信号補間回路3に供給する。
信号補間回路3は、コントローラ8から供給される制御信号SC2に基づいて、デコーダ2に供給されたデジタルオーディオ信号DASが圧縮されていた場合には、復号オーディオ信号DCASに対して、振幅補間、スペクトル補間のいずれか一方又は両方を施し、デジタルオーディオ信号DASが圧縮されていなかった場合には、補間を施さないで、補間オーディオ信号IDASとしてDAC4に供給する。ここで、振幅補間とは、デコーダ2から供給される復号オーディオ信号DCASに最小可聴限界の音圧レベルにほぼ等しいレベルの残響信号を付加することにより、圧縮時に上記最小可聴限界を根拠に削除された小振幅のデータを擬似的に補間するものである。一方、スペクトル補間とは、デコーダ2から供給される復号オーディオ信号DCASにその奇数次高調波を小レベルで重畳することにより、圧縮時にマスキング効果を根拠として削除されたデータを擬似的に補間するものである。この振幅補間及びスペクトル補間の詳細については、後述する。
DAC4は、信号補間回路3から供給される補間オーディオ信号IDASをアナログオーディオ信号AAS1に変換して音量/音質調整回路5に供給する。音量/音質調整回路5は、DAC4から供給されるアナログオーディオ信号AAS1の音量や音質を調整してアナログオーディオ信号AAS2としてアンプ6に供給する。アンプ6は、音量/音質調整回路5から供給されるアナログオーディオ信号AAS2を増幅してアナログオーディオ信号AAS3としてスピーカシステム7に供給する。スピーカシステム7は、例えば、左(L)チャンネル及び右(R)チャンネルそれぞれについて、フルレンジスピーカだけで構成されたり、フルレンジスピーカ、ウーファ及びトゥイータで構成されている。スピーカシステム7は、アンプ6から供給されるアナログオーディオ信号AAS3を音響に変換して出力する。
コントローラ8は、制御部及び記録部を有している。制御部は、中央処理装置(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、シーケンサ等からなり、記録部に記録されている制御プログラム等に基づいて、制御処理等を実行することにより、デコーダ2及び信号補間回路3を制御信号SC1及びSC2をそれぞれに供給することにより制御する。
即ち、例えば、記録部から制御プログラムが読み出されると、制御部に読み込まれ、制御部の動作を制御する。制御部は、制御プログラムが起動されると、制御プログラムの制御により、以下に示す制御処理を実行するのである。制御処理では、制御部は、デコーダ2から供給されるビットレート・インデックスBRIに基づいて、デジタルオーディオ信号DASのビットレートを認識した後、デコーダ2に対し、認識したビットレートでの動作を指示する制御信号SC1を供給する。また、制御処理では、制御部は、デコーダ2から供給される拡張子EXに基づいて、デジタルオーディオ信号DASの圧縮の有無及び圧縮形式を認識し、信号補間回路3に対し、認識した圧縮形式の復号オーディオ信号DCASに対して、予め実験を行って人の聴感上最適な補間を施せるように求めた遅延時間、周波数特性(フィルタ係数)、減衰量の各パラメータの選択を指示する制御信号SC2を供給する。
図2は、図1に示すオーディオ再生装置を構成する信号補間回路3の構成を示すブロック図である。この信号補間回路3は、上記したように、デコーダ2から供給される復号オーディオ信号DCASが圧縮されている場合には、復号オーディオ信号DCASに、振幅補間、スペクトル補間のいずれか一方又は両方を施すものである。以下、デジタルオーディオ信号を圧縮する原理及び補間する手法について順次説明する。
(1)圧縮の原理
上記したように、圧縮符号化技術では、アナログオーディオ信号からデジタルオーディオ信号に符号化する際に、音響工学上人の耳には聴こえにくい又は聴き分けにくいと考えられる周波数や音圧レベルの音データを削除している。
(a)最小可聴限界を根拠にした圧縮
図3は、人の聴覚の周波数特性に関するフレッチャー・マンソンの等感度曲線である。図3では、縦軸に音圧レベル(dB)、横軸に周波数(Hz)をそれぞれとり、同じ音量(phon)で人に聴こえる各周波数の音圧レベルを曲線化している。図3において、最下段に示された曲線は、最小可聴限界周波数特性と言われ、この音圧レベル以下の音は人に聴感として感知されないとされている。
そこで、デジタルオーディオ信号を圧縮する場合、この人が聴感として感知しない信号成分(小振幅成分)を削除することにより、データサイズを大きく削減している。
(b)マスキング効果を根拠とした圧縮
図4は、同時マスキング効果を説明するための図である。図4でも、縦軸に音圧レベル、横軸に周波数をそれぞれとっている。同時マスキング効果とは、大きな音圧レベルの信号1の近傍の周波数に音圧レベルの低い信号2が同時に存在する場合には、信号2は、信号1にマスキングされ、人には聴こえない又は聴こえにくいという聴感効果をいう。信号1に対して聴こえない又は聴こえにくいとされる範囲は、図4に示すように、略二等辺三角形で示され、この範囲を臨海帯域と定義している。
そこで、デジタルオーディオ信号を圧縮する場合、信号1に対してマスキングされる臨界帯域内に存在する信号2のスペクトルを削除することにより、データサイズを大きく削減している。
(2)補間の手法
上記したMP3、AAC、WMA等の圧縮符号化技術は、いずれも非可逆圧縮方式であって、デジタルオーディオ信号を圧縮した際に削除されたデータを、圧縮されたデジタルオーディオ信号には含めていない。従って、上記した第1及び第2の従来例は、いずれにも、削除されたデータに近いデータを発生して伸長されたデジタルオーディオ信号に重畳又は追加しているが、「発明が解決しようとする課題」で説明したように、様々な問題があった。
そこで、本発明者らは、上記した圧縮の原理や人の聴感について今一度考察し、デジタルオーディオ信号を圧縮した際に削除されたデータに極めて近いデータを発生させ、伸長されたデジタルオーディオ信号に重畳又は追加する手法について考え出した。
(a)振幅補間
上記(1)(a)の最小可聴限界を根拠に削除された信号成分は、圧縮される前のデジタルオーディオ信号において、当該削除された信号成分に直近で、人が聴感として感知し得る信号成分に隣接していると考えるのが妥当である。とすれば、伸長されたデジタルオーディオ信号のスペクトルに対して、上記最小可聴限界を根拠に削除された信号成分と同様の特性を有する信号成分を生成し、これを付加すれば、あたかも圧縮される前のデジタルオーディオ信号に存在していた信号成分を付加したことになる。さらに、上記処理で生成した信号成分について、上記最小可聴限界周波数特性とは逆の周波数特性を有するフィルタを用いて、伸長されたデジタルオーディオ信号に、圧縮時に多く削除された周波数帯域の信号成分を他の周波数帯域の信号成分に比べて多く付加することにより、圧縮される前のデジタルオーディオ信号に近いデジタルオーディオ信号を復元できる可能性が大きい。
具体的には、伸長されたデジタルオーディオ信号を遅延処理回路及び最小可聴限界周波数特性とは逆の周波数特性を有するフィルタに通過させることにより、上記伸長されたデジタルオーディオ信号の残響信号を生成し、圧縮時に削除された最小可聴限界周波数特性の音圧レベルに等しいと音圧レベルの残響信号を付加する。
(b)スペクトル補間
上記(1)(b)マスキング効果を根拠に削除された信号のスペクトルを補間するためには、伸長されたデジタルオーディオ信号の全周波数帯域に亘って奇数次高調波を発生させた後、この奇数次高調波を最小可聴限界周波数特性とほぼ同一の周波数特性を有するフィルタを通過させた後に選択されたレベルで伸長されたデジタルオーディオ信号に重畳する。
まず、図5を参照して、伸長されたデジタルオーディオ信号(基本波)に奇数次高調波を重畳する理由について説明する。高調波には偶数次高調波と奇数次高調波があるが、聴感上最適である方を選択する必要がある。図5(a)に示す基本波aに偶数次高調波bを重畳した場合、図中に矢印で示すように、振幅方向に歪んで振幅方向に直線性を失った波形となる。このような信号を再生した場合、人には聴感上非常に歪んで聴こえる。このことより、偶数次高調波は、削除された信号のスペクトルを補間するための信号のスペクトルとしては不適切であるといえる。
一方、図5(b)に示す基本波aに奇数次高調波bを重畳した場合、図中に矢印で示すように、時間軸上に対して歪んで時間軸上で直線性を失った波形となる。このような信号を再生した場合、人には聴感上で歪んでいるようには聞こえない。このことより、奇数次高調波は、削除された信号のスペクトルを補間するための信号のスペクトルとして適切であるといえる。
次に、最小可聴限界周波数特性とほぼ同一の周波数特性を有するフィルタを用いる理由について説明する。基本波に奇数次高調波を重畳する場合、奇数次高調波のレベルがある程度高いと、人は、音が充実している(情報量の増加)と感じるよりも、音が歪んでいると感じる度合いが大きくなってしまう。人が歪んでいると感じる周波数特性は、図3に示すフレッチャー・マンソンの等感度曲線に従うため、生成した奇数次高調波を最小可聴限界周波数特性とほぼ同一の周波数特性を有するフィルタを通過させて、聴覚感度の高い周波数帯域のスペクトルほど減衰させることにより、人には聴感上歪んだ感じを与えることなく、音の充実感を与えるように、圧縮時に削除された信号のスペクトルに近似した信号のスペクトルを付加するのである。なお、音量に応じて上記したフィルタの周波数特性のカーブを調整する必要はない。
図2に示す信号補間回路3は、左チャンネル用信号補間部3aと、右チャンネル用信号補間部3bとから構成されている。左チャンネル用信号補間部3aは、奇数次高調波発生回路11と、フィルタ12と、遅延処理回路13と、アッテネータ14と、加算回路15及び16と、遅延処理回路17と、フィルタ18と、アッテネータ19とから構成されている。奇数次高調波発生回路11、フィルタ12、遅延処理回路13、アッテネータ14及び加算回路15は、左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLに対して上記スペクトル補間を施すためのものである。一方、加算回路16、遅延処理回路17、フィルタ18及びアッテネータ19は、左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLに対して上記振幅補間を施すためのものである。
奇数次高調波発生回路11は、デコーダ2から供給される復号オーディオ信号DCASを構成する左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLの奇数次高調波を発生し、フィルタ12に供給する。フィルタ12には、予めパラメータFF11〜FF14が用意されている。各パラメータFF11〜FF14は、上記圧縮符号化技術の各圧縮形式ごとに、予め実験を行って人の聴感上最適なスペクトル補間を施せるように求められた、最小可聴限界周波数特性とほぼ同一の周波数特性(フィルタ係数)のパラメータである。フィルタ12は、上記パラメータFF11〜FF14の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つを選択して、そのパラメータにより設定される周波数特性により奇数次高調波発生回路11から供給される左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLの奇数次高調波を通過させて、アッテネータ14に供給する。
アッテネータ14には、予めパラメータAT11〜AT14が用意されている。各パラメータAT11〜AT14は、上記圧縮符号化技術の各圧縮形式ごとに、予め実験を行って人の聴感上最適なスペクトル補間を施せるように求められた減衰量のパラメータである。アッテネータ14は、上記パラメータAT11〜AT14の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つを選択して、そのパラメータにより設定される減衰量によりフィルタ12から供給される信号を減衰させて、加算回路15に供給する。
遅延処理回路13には、予めパラメータDT11〜DT14が用意されている。各パラメータDT11〜DT14は、加算回路15において、左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLの位相と、奇数次高調波発生回路11、フィルタ12及びアッテネータ14を経た信号の位相とを合わせるために、左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLを遅延させるための遅延時間のパラメータである。遅延処理回路13は、上記パラメータDT11〜DT14の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つを選択して、そのパラメータにより設定される遅延時間によりデコーダ2から供給される左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLを遅延させて、加算回路15に供給する。加算回路15は、遅延処理回路13から供給される遅延された左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLと、アッテネータ14から供給される信号を加算して加算回路16に供給する。
加算回路16は、加算回路15から供給されるスペクトル補間が施された信号と、アッテネータ19から供給される信号を加算して左チャンネルの補間オーディオ信号IDASとして出力する。遅延処理回路17には、予めパラメータDT21〜DT24が用意されている。各パラメータDT21〜DT24は、上記圧縮符号化技術の各圧縮形式ごとに、予め実験を行って人の聴感上最適な振幅補間を施せるように求められた遅延時間のパラメータである。遅延処理回路17は、上記パラメータDT21〜DT24の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つを選択して、そのパラメータにより設定される遅延時間により加算回路16から供給される信号を遅延させて、フィルタ18に供給する。
フィルタ18には、予めパラメータFF21〜FF24が用意されている。各パラメータFF21〜FF24は、上記圧縮符号化技術の各圧縮形式ごとに、予め実験を行って人の聴感上最適な振幅補間を施せるように求められた、最小可聴限界周波数特性とは逆の周波数特性(フィルタ係数)のパラメータである。フィルタ18は、上記パラメータFF21〜FF24の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つを選択して、そのパラメータにより設定される周波数特性により遅延処理回路17から供給される信号を通過させて、アッテネータ19に供給する。
アッテネータ19には、予めパラメータAT21〜AT24が用意されている。各パラメータAT21〜AT24は、上記圧縮符号化技術の各圧縮形式ごとに、予め実験を行って人の聴感上最適な振幅補間を施せるように求められた減衰量のパラメータである。アッテネータ19は、上記パラメータAT21〜AT24の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つを選択して、そのパラメータにより設定される減衰量によりフィルタ18から供給される信号を減衰させて、加算回路16に供給する。
また、左チャンネル用信号補間部3aには、コントローラから供給される制御信号SC2に基づいて、デコーダ2から供給される左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLに対して、スペクトル補間も振幅補間も施さずに、そのまま出力するモードもある。そして、上記圧縮符号化技術の各圧縮形式ごとの各パラメータの組み合わせについては、上記コントローラ8の記録部のパラメータテーブルに予め記録されており、拡張子EXにより参照することができるように構成されている。
なお、右チャンネル用信号補間部3bの構成及び機能については、入力される信号が復号オーディオ信号DCASを構成する右チャンネルの復号オーディオ信号DCASRであり、出力される信号が補間オーディオ信号IDASを構成する右チャンネルの補間オーディオ信号IDASRである以外は左チャンネル用信号補間部3aの構成及び機能と略同一であるので、その説明を省略する。
次に、上記構成のオーディオ再生装置の動作について説明する。
例えば、入力端子1から圧縮形式MP3のデジタルオーディオ信号DASが入力されると、デコーダ2は、上記デジタルオーディオ信号DASのデータファイルから拡張子EXとして「.mp3」を抽出するとともに、上記データファイルのヘッダ部からビットレート・インデックスBRIもあわせて抽出し、コントローラ8に供給する。
これにより、コントローラ8の制御部は、デコーダ2から供給されたビットレート・インデックスBRIに基づいて、デジタルオーディオ信号DASのビットレートを認識した後、デコーダ2に対し、認識したビットレート(例えば、128kbps)での動作を指示する制御信号SC1を供給する。
従って、デコーダ2は、コントローラ8から供給された制御信号SC1に基づいて、入力端子1から入力された圧縮形式MP3のデジタルオーディオ信号DASに対して、指示されたビットレート(今の場合、128kbps)で伸長処理を施した後、復号オーディオ信号DCASとして信号補間回路3に供給する。
また、コントローラ8の制御部は、デコーダ2から供給された拡張子EX(今の場合、「.mp3」)に基づいて、デジタルオーディオ信号DASが圧縮されていること及び圧縮形式がMP3であることを認識し、デコーダ2から供給された拡張子EX(今の場合、「.mp3」)により記録部のパラメータテーブルを参照して、当該圧縮形式MP3のパラメータの組み合わせを読み出し、信号補間回路3に対し、圧縮形式MP3に対応した遅延時間、周波数特性(フィルタ係数)、減衰量の各パラメータの選択を指示する制御信号SC2を供給する。
従って、信号補間回路3では、奇数次高調波発生回路11は、圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLの奇数次高調波を発生し、フィルタ12に供給する。これにより、フィルタ12は、予め用意されたパラメータFF11〜FF14の中から、コントローラ8から供給された制御信号SC2により指示された1つのパラメータ、今の場合、圧縮形式MP3について予め実験を行って人の聴感上最適なスペクトル補間を施せるように求められた、最小可聴限界周波数特性とほぼ同一の周波数特性(フィルタ係数)のパラメータを選択して、そのパラメータにより設定される周波数特性により奇数次高調波発生回路11から供給された圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLの奇数次高調波を通過させて、アッテネータ14に供給する。
アッテネータ14は、予め用意されたパラメータAT11〜AT14の中から、コントローラ8から供給された制御信号SC2により指示された1つのパラメータ、今の場合、圧縮形式MP3について予め実験を行って人の聴感上最適なスペクトル補間を施せるように求められた減衰量のパラメータを選択して、そのパラメータにより設定される減衰量によりフィルタ12から供給される信号を減衰させて、加算回路15に供給する。
一方、遅延処理回路13は、予め用意されたパラメータDT11〜DT14の中から、コントローラ8から供給された制御信号SC2により指示された1つのパラメータ、今の場合、加算回路15において、圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLの位相と、奇数次高調波発生回路11、フィルタ12及びアッテネータ14を経た信号の位相とを合わせるために、圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLを遅延させるための遅延時間のパラメータを選択して、そのパラメータにより設定される遅延時間によりデコーダ2から供給された圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLを遅延させて、加算回路15に供給する。
従って、加算回路15は、遅延処理回路13から供給された遅延された圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLと、アッテネータ14から供給された信号を加算して加算回路16に供給する。以上説明した奇数次高調波発生回路11、フィルタ12、遅延処理回路13、アッテネータ14及び加算回路15の動作により、圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLに対してスペクトル補間が施される。
次に、加算回路16は、加算回路15から供給されたスペクトル補間が施された信号と、アッテネータ19から供給された信号を加算して左チャンネルの補間オーディオ信号IDASLとして出力する。遅延処理回路17は、予め用意されたパラメータDT21〜DT24の中から、コントローラ8から供給された制御信号SC2により指示された1つのパラメータ、今の場合、圧縮形式MP3について予め実験を行って人の聴感上最適な振幅補間を施せるように求められた遅延時間のパラメータを選択して、そのパラメータにより設定される遅延時間により加算回路16から供給された信号を遅延させて、フィルタ18に供給する。
フィルタ18は、予め用意されたパラメータFF21〜FF24の中から、コントローラ8から供給された制御信号SC2により指示された1つのパラメータ、今の場合、圧縮形式MP3について予め実験を行って人の聴感上最適な振幅補間を施せるように求められた、最小可聴限界周波数特性とは逆の周波数特性(フィルタ係数)のパラメータを選択して、そのパラメータにより設定される周波数特性により遅延処理回路17から供給される信号を通過させて、アッテネータ19に供給する。
アッテネータ19は、予め用意されたパラメータAT21〜AT24の中から、コントローラ8から供給される制御信号SC2により指示された1つのパラメータ、今の場合、圧縮形式MP3について予め実験を行って人の聴感上最適な振幅補間を施せるように求められた減衰量のパラメータを選択して、そのパラメータにより設定される減衰量によりフィルタ18から供給された信号を減衰させて、加算回路16に供給する。以上説明した加算回路16、遅延処理回路17、フィルタ18及びアッテネータ19の動作により、圧縮形式MP3の左チャンネルの復号オーディオ信号DCASLに対して振幅補間が施される。
なお、右チャンネル用信号補間部3bの動作については、入力される信号が復号オーディオ信号DCASを構成する右チャンネルの復号オーディオ信号DCASRであり、出力される信号が補間オーディオ信号IDASを構成する右チャンネルの補間オーディオ信号IDASRである以外は、上記した左チャンネル用信号補間部3aの動作と略同一であるので、その説明を省略する。
図1に示すDAC4は、信号補間回路3から供給された、左チャンネルの補間オーディオ信号IDASLと、右チャンネルの補間オーディオ信号IDASRとから構成される補間オーディオ信号IDASをアナログオーディオ信号AAS1に変換して音量/音質調整回路5に供給する。これにより、音量/音質調整回路5は、DAC4から供給されたアナログオーディオ信号AAS1の音量や音質を調整してアナログオーディオ信号AAS2としてアンプ6に供給する。アンプ6は、音量/音質調整回路5から供給されたアナログオーディオ信号AAS2を増幅してアナログオーディオ信号AAS3としてスピーカシステム7に供給する。従って、スピーカシステム7は、アンプ6から供給されたアナログオーディオ信号AAS3を音響に変換して出力する。
なお、入力端子1から入力される圧縮されたデジタルオーディオ信号DASの圧縮形式及びビットレートが異なった場合(例えば、圧縮形式;WMA、ビットレート;64kbps)におけるオーディオ再生装置の動作は、コントローラ8において選択され、信号補間回路3で用いられるパラメータが異なる以外は、以上説明したオーディオ再生装置の動作と略同様であるので、その説明を省略する。
次に、例えば、入力端子1から圧縮されていないリニアPCMのデジタルオーディオ信号DASが入力された場合について説明する。デコーダ2は、上記リニアPCMのデジタルオーディオ信号DASのデータファイルから拡張子EXとして「.dat」を抽出し、コントローラ8に供給する。
また、デコーダ2は、入力端子1から入力されたリニアPCMのデジタルオーディオ信号に対して、復調処理、誤りの検出・訂正処理等の各処理を施した後、リニアPCMの復号オーディオ信号DCASとして信号補間回路3に供給する。
コントローラ8の制御部は、デコーダ2から供給された拡張子EX(今の場合、「.dat」)に基づいて、デジタルオーディオ信号DASが圧縮されていないことを認識し、信号補間回路3に対し、デコーダ2から供給される復号オーディオ信号DCASLに対して、スペクトル補間も振幅補間も施さずに、そのまま出力することを指示する制御信号SC2を供給する。従って、信号補間回路3は、その機能を停止し、デコーダ2から供給されたリニアPCMの復号オーディオ信号DCASLに対して、スペクトル補間も振幅補間も施さずに、そのまま出力する。
これにより、DAC4は、信号補間回路3から供給された、左チャンネルの補間オーディオ信号IDASLと、右チャンネルの補間オーディオ信号IDASRとから構成される補間オーディオ信号IDASをアナログオーディオ信号AAS1に変換して音量/音質調整回路5に供給する。音量/音質調整回路5は、DAC4から供給されたアナログオーディオ信号AAS1の音量や音質を調整してアナログオーディオ信号AAS2としてアンプ6に供給する。アンプ6は、音量/音質調整回路5から供給されたアナログオーディオ信号AAS2を増幅してアナログオーディオ信号AAS3としてスピーカシステム7に供給する。従って、スピーカシステム7は、アンプ6から供給されたアナログオーディオ信号AAS3を音響に変換して出力する。
このように、本発明の実施の形態によれば、コントローラ8は、デジタルオーディオ信号DASが圧縮されているか否か、圧縮されている場合には圧縮形式及びビットレートを認識している。そして、コントローラ8は、この認識結果に基づいて、デジタルオーディオ信号DASが圧縮されている場合には、デコーダ2に、認識したビットレートで圧縮されたデジタルオーディオ信号DASを伸長させるとともに、各圧縮形式ごとに予め実験を行って人の聴感上最適な補間を施せるように求めた遅延時間、周波数特性(フィルタ係数)、減衰量の各パラメータを選択するように信号補間回路3に指示している。さらに、コントローラ8は、復調デジタルオーディオ信号DCASが圧縮されていない場合には、信号補間回路3に対し、復調デジタルオーディオ信号DCASを振幅補間もスペクトル補間もすることなくそのまま出力するように指示している。
これにより、この実施の形態に係るオーディオ再生装置により再生された楽音を聴く聴取者は、デジタルオーディオ信号DASの圧縮の有無、圧縮形式やビットレートの違いにより、デジタルオーディオ信号DASの種類を変更するごとに信号補間の条件を逐一調整する必要はなく、楽音を忠実に再生できる本格的なオーディオ再生装置で再生した場合でも、ポータブルな再生装置等で再生してヘッドフォン等で聴く場合と同様に、物足りなさや違和感を感じることなく、音楽を楽しむことができる。また、デジタルオーディオ信号DASが圧縮されていない場合には、余分な歪信号が付加されることもないので、楽音の音質が劣化することはない。
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態では、デコーダ2、信号補間回路3及びコントローラ8をハードウェアで構成した例を示したが、これに限定されない。即ち、上記デコーダ2、上記信号補間回路3及び上記コントローラ8を、CPUと、RAMやROM、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリからなる内部記録装置と、FD(フレキシブルディスク)が装着されるFDドライブ、HD(ハード・ディスク)が装着されるHDドライブ、MO(光磁気)ディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD(コンパクト・ディスク)−ROM、CD−R(Recordable)、CD−RW(ReWritable)やDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等の外部記録装置と、出力手段と、入力手段とを有するコンピュータによって構成し、上記デコーダ2、上記信号補間回路3及び上記コントローラ8は、オーディオ再生プログラムとして、上記内部記録装置又外部記録装置に記録されていると構成しても良い。この場合、上記内部記録装置、あるいは外部記録装置がコントローラ8の記録部となり、オーディオ再生プログラムは、記録媒体からCPUに読み込まれ、CPUの動作を制御する。CPUは、オーディオ再生プログラムが起動されると、上記デコーダ2、上記信号補間回路3及び上記コントローラ8として機能し、オーディオ再生プログラムの制御により、上記した処理を実行するのである。
また、上述の実施の形態では、信号補間回路3に各パラメータを予め記憶しておくとともに、コントローラ8が各パラメータの選択を指示する制御信号SC2を信号補間回路3に供給する例を示したが、これに限定されない。例えば、コントローラ8が認識した圧縮形式に対応した具体的な遅延時間、周波数特性、減衰量等の値自体を信号補間回路3に供給しても良い。
本発明の実施の形態1に係るオーディオ再生装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すオーディオ再生装置を構成する信号補間回路の構成を示すブロック図である。 人の聴覚の周波数特性に関するフレッチャー・マンソンの等感度曲線を示す図である。 同時マスキング効果を説明するための図である。 基本波に奇数次高調波を重畳する理由を説明するための図である。
符号の説明
1 入力端子
2 デコーダ
3 信号補間回路
3a 左チャンネル用信号補間部
3b 右チャンネル用信号補間部
4 DAC
5 音量/音質調整回路
6 アンプ
7 スピーカシステム
8 コントローラ
11 奇数次高調波発生回路
12,18 フィルタ
13,17 遅延処理回路
14,19 アッテネータ
15,16 加算回路

Claims (7)

  1. 入力されたデジタルオーディオ信号の種別を判定する判定手段と、
    前記デジタルオーディオ信号について復号化処理する復号化手段と、
    復号化されたデジタルオーディオ信号を補間する補間手段とを備え、
    前記判定手段は、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、前記補間手段に対して前記復号化されたデジタルオーディオ信号の前記種別に応じた補間を指示する
    ことを特徴とするオーディオ再生装置。
  2. 前記判定手段は、前記デジタルオーディオ信号の拡張子に基づいて、前記種別を判定することを特徴とする請求項1記載のオーディオ再生装置。
  3. 前記デジタルオーディオ信号のデータファイルのヘッダ部に書き込まれているビットレート・インデックスを抽出する抽出手段を備え、
    前記判定手段は、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、前記復号化手段に対して、前記ビットレート・インデックスに対応したビットレートでの伸長処理を指示する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のオーディオ再生装置。
  4. 入力されたデジタルオーディオ信号の種別を判定する判定ステップと、
    前記デジタルオーディオ信号について復号化処理をする復号化ステップと、
    前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、復号化されたデジタルオーディオ信号の前記種別に応じた補間をする補間ステップと
    を有することを特徴とするオーディオ再生方法。
  5. 前記判定ステップでは、前記デジタルオーディオ信号の拡張子に基づいて、前記種別を判定することを特徴とする請求項4記載のオーディオ再生方法。
  6. 前記デジタルオーディオ信号のデータファイルのヘッダ部に書き込まれているビットレート・インデックスを抽出する抽出ステップを有し、
    前記復号化ステップでは、前記種別が前記デジタルオーディオ信号が圧縮されていることを示す場合には、前記デジタルオーディオ信号について前記ビットレート・インデックスに対応したビットレートで伸長処理をする
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のオーディオ再生方法。
  7. コンピュータに請求項1乃至6のいずれかに記載の機能を実現させるためのオーディオ再生プログラム。
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