JPH1024439A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物の成形品製造法 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物の成形品製造法

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JPH1024439A
JPH1024439A JP18355996A JP18355996A JPH1024439A JP H1024439 A JPH1024439 A JP H1024439A JP 18355996 A JP18355996 A JP 18355996A JP 18355996 A JP18355996 A JP 18355996A JP H1024439 A JPH1024439 A JP H1024439A
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thermoplastic resin
resin
fire retardant
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JP18355996A
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Mihoko Yamamoto
美穂子 山本
Masanobu Imayoshi
正暢 今▲吉▼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃剤が樹脂中に均一に分散し、難燃性、
物性のバラツキが極めて少なく、熱履歴の減少により、
熱安定剤の添加量を低く押さえることができるため、成
形品の外観、熱変色、機械的物性、特に耐衝撃性に優れ
た成形品を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
て、難燃剤(B)、難燃助剤(C)、熱安定剤(D)か
ら選ばれる2つ以上の成分からなり、粒状化の際に
(B)、(C)、(D)のうち1つ以上の成分がバイン
ダーとなるものから選択され、且つ1粒あたりの平均体
積をV1、平均表面積をS1とすると、V1の値が5〜3
00mm3、S1/V1の値が0.7〜3の範囲にあるよ
うな粒状難燃剤組成物(E)2〜45重量部を混合した
後、射出成形機中で溶融混練し、溶融物を金型内に射
出、冷却することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成
物の成形品製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃剤が樹脂中に
均一に分散し、難燃性、物性のバラツキが極めて少な
く、熱履歴の減少により、熱安定剤の添加量を低く押さ
えることが出来るため、成形品の外観、熱変色、機械的
物性、特に耐衝撃性に優れた成形品を与えることの出来
る難燃性熱可塑性樹脂組成物の成形品製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、難燃性熱可塑性樹脂製の成形品
を得るためには、まず熱可塑性樹脂及び各種難燃剤を溶
融混練し、難燃性樹脂のペレットを製造した後、射出成
形機などを用いて難燃性樹脂の製品を得ていた。しか
し、この方法は、樹脂に数度にわたる熱履歴を与えるた
め、熱劣化、熱変色を生じやすく、これを抑制するため
には熱安定剤、酸化防止剤の添加が不可欠であった。し
かし、これら添加剤による耐衝撃性の低下が甚だしく、
またこれらの熱分解により成形品の外観が低下しやすい
という問題点があった。
【0003】一方、予備混練を行うことなく、熱可塑性
樹脂及び難燃剤を直接成形機にて成形品を得る場合、難
燃剤は粉末状あるいは液状である場合がほとんどであっ
たため、その取り扱い及び定量性に問題があった。難燃
剤が粉末状である場合には、配合時に粉塵が飛散し易い
ため、作業性が悪いばかりか、作業環境上好ましくな
い。また、熱可塑性樹脂と混合する際の分級により不均
一混合になる場合がある。難燃剤が液状である場合に
は、定量性を上げるため液添用フィーダー等の特別な設
備が必要であった。
【0004】これらの欠点を解消する手段として、例え
ば、特公平4−28740号公報には、難燃剤及び熱可
塑性樹脂からなる粒状難燃剤が、特開平3−22730
号公報には、難燃化される熱可塑性樹脂の成形加工温度
で溶融する樹脂系難燃剤(A)及び該成形加工温度では
溶融しない難燃剤(B)から成る熱可塑性樹脂用難燃剤
マスターバッチが記載されている。しかしこれらの難燃
剤マスターバッチはバインダーとして熱可塑性樹脂を含
有しているため、難燃剤の分散性及び難燃性樹脂組成物
の物性を考慮すると、配合される樹脂に応じてバインダ
ーとなる熱可塑性樹脂の組成、分子量を選択する必要が
ある。その結果、多数の難燃剤マスターバッチが必要と
なるため、その管理は非常に煩雑なものとなってしま
う。さらに、この難燃マスターバッチは耐粉化性には優
れているものの、難燃剤が樹脂によって強固に固められ
ているため、溶融混練を行う場合、しばしば樹脂中へ難
燃剤が均一に分散しにくいという問題点を有していた。
また、特開昭55−21439号公報では、ハロゲン系
化合物、無機系難燃剤及びその他の無機系化合物を湿式
法にて混合し、成形、乾燥を行うことにより粒状難燃剤
を得る手法を開示している。しかし、この方法は、湿式
混合の際に溶剤を用いた場合には、乾燥工程で粒状難燃
剤同士が再融着しやすいため均一な粒子径を持つ組成物
を得られ難く、また溶剤でない場合には耐粉化性の劣っ
たものとなる。さらに、特開平6−256763号公報
には、アンチモン酸化物を必須成分とする無機系難燃剤
と脂肪酸アミド及び脂肪酸アミドよりも低融点を有する
滑剤を含有する粒状難燃剤が記載されている。しかしこ
の粒状難燃剤は、脂肪酸アミド及びそれよりも低融点の
滑剤を含有し、燃焼時、樹脂の滴下を促進するためUL
規格V−0用途には好ましくない。また、脂肪酸アミド
及び滑剤の融点は熱可塑性樹脂の成形温度に比べ低く、
成形の際にホッパー下のスクリューに融着して分散不良
を起こしやすいという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、予備混
練を行うと熱安定剤、酸化防止剤をある程度多量に添加
せざるを得ず、そのため機械的物性、特に耐衝撃性の劣
ったものとなり、場合によってはこれらの熱分解によ
り、成形品外観の劣ったものとなる。一方、予備混練を
行わないと、均一な組成のものを得難い。
【0006】また、各種難燃剤を粒状化して取り扱いや
すくする従来の技術を用いても、配合される樹脂を限定
するため管理が煩雑であり、また難燃剤の分散性に問題
があったため、これを熱可塑性樹脂に配合して直接射出
成形を行い、成形品を得る手法に用いた場合、満足な物
性、難燃性が得られなかったり、ばらついたものになっ
てしまうという問題点があった。本発明は、こうした実
情の下に難燃剤が均一に分散し、物性、あるいは難燃性
にばらつきがなく、機械的物性、とくに耐衝撃性に優れ
る難燃性樹脂組成物の成形品の製造法を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、運搬、混合、成形機への供給時には粒形を保持
し、射出成形機中における溶融混練時には即座に破砕、
あるいは溶融して難燃剤、難燃助剤、熱安定剤を樹脂中
に均一に分散させる事のできる粒状難燃剤組成物を使用
することにより、予備混練を必要とせず、従って熱安定
化剤の使用を最小限に押さえることが可能であるため、
機械的物性、特に耐衝撃性に優れる難燃性熱可塑性樹脂
組成物の成形品製造法を発明するに至った。
【0008】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)1
00重量部に対して、難燃剤(B)、難燃助剤(C)、
熱安定剤(D)から選ばれる2つ以上の成分からなり、
(B)、(C)、(D)のうち少なくとも1つ以上の成
分がバインダーとなるものから選択され、且つ1粒あた
りの平均体積をV1、平均表面積をS1とすると、V1
値がが5〜300mm3、S1/V1の値が0.7〜3の
範囲にあるような粒状難燃剤組成物(E)2〜45重量
部を混合した後、射出成形機中で溶融混練し、溶融物を
金型内に射出、冷却することを特徴とする難燃性熱可塑
性樹脂組成物の成形品製造法、及び熱可塑性樹脂(A)
が、粒状及び/または板状に成形されており、これらの
1粒あたりの平均体積をV2、平均表面積をS2とする
と、V2の値が6〜2500mm3、S2/V2の値が0.
45〜3の範囲にあることを特徴とする前記の難燃性熱
可塑性樹脂組成物の成形品製造法に関する。
【0009】本発明における熱可塑性樹脂(A)として
は、例えばホモポリマー、コポリマー及びこれらのゴム
強化タイプが挙げられる。具体的には、ポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリメチルメタ
クリレート等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリアミド及びこれらを
ゴム質重合体で補強したもの、及びこれらのアロイが挙
げられる。熱可塑性樹脂(A)の1粒あたりの平均体積
をV2、平均表面積をS2とすると、V2の値は6〜25
00mm3、S2/V2の値は0.45〜3とするのが好
ましい。V2が6mm3未満であったり2500mm3
越えると、粒状難燃剤組成物との配合の際に分級し、均
一な組成の組成物を得難くなる。またS2/V2の値が
0.45未満であると粒状難燃剤組成物の配合の際に分
級したり、射出成形機ホッパー下のスクリューに融着
し、安定した供給ができなり、均一な組成の成形品を得
難くなる。
【0010】難燃剤(B)とは、常温で液状又は固体
で、樹脂へ添加することにより難燃性を付与することの
出来る公知の化合物を意味し、例えば、ハロゲン系、リ
ン系の難燃剤が挙げられる。例えば、ハロゲン系難燃剤
としては芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化芳香族ビニ
ル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化
ポリフェニレンエーテル、ハロゲン化ポリフェニレンチ
オエーテル、ハロゲン化アルキルトリアジン化合物等が
挙げられ、好ましくはブロム化ビスフェノール系エポキ
シ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブ
ロム化ビスフェノール系ポリカーボネート樹脂、ブロム
化ポリスチレン樹脂、ブロム化架橋ポリスチレン樹脂、
ブロム化ビスフェノールシアヌレート樹脂、ブロム化ポ
リフェニレンオキサイド、ポリジブロムフェニレンオキ
サイド、デカブロモジフェニルオキサイドビスフェノー
ル縮合物、(テトラブロモビスフェノールA、そのオリ
ゴマー等)、ブロム化アルキルトリアジン化合物であ
る。また、リン系難燃剤としては、トリメチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブトキシメチルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、トリクレジルジホスフェート、オクチル
ジフェニルホスフェート等の非ハロゲンリン酸エステ
ル、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ビス(2、
3ジブロモプロピル)2、3−ジクロロプロピルホスフ
ェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、ビ
ス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート等、含
ハロゲン酸エステル等が挙げられる。これらの中でバイ
ンダーとして好ましいのは、テトラブロモビスフェノー
ルA及びそのオリゴマーである。これらは1種または2
種以上を組み合わせて用いることが出来る。
【0011】難燃助剤(C)とは、難燃剤と併用するこ
とにより一段と優れた難燃性を付与することの出来る公
知の化合物を意味する。例えば、無機系難燃助剤として
は、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アン
チモン等の酸化アンチモン、酸化モリブデン、モリブデ
ン酸アンモニウム等のモリブデン化合物、酸化スズ、水
酸化スズ等のスズ系化合物、酸化ジルコニウム、水酸化
ジルコニウム等のジルコニウム系化合物、ホウ酸亜鉛、
メタホウ酸バリウム等のホウ素系化合物、酸化鉄、硫化
亜鉛等を挙げることが出来る。この中で好ましいのは、
三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化モリブデン
である。また、有機系難燃助剤としては、フェノールア
ルデヒドノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等
のフェノールノボラック樹脂、ポリテトラフルオロエチ
レン、シリコン樹脂等が挙げられる。これらの中で、バ
インダーとして好ましいものは、ポリテトラフルオロエ
チレンであり、さらに好ましくは粉末状ポリテトラフル
オロエチレンである。これらは1種または2種以上を組
み合わせて用いることが出来る。
【0012】熱安定化剤(D)としては、ゼオライト、
ハイドロタルサイト、ホウ酸金属塩、エチレンジアミン
テトラ酢酸金属塩、有機スズ系化合物が挙げられる。こ
こでいうゼオライトとは、周期律表第I族、第II族及び
第IV族の金属から選ばれた少なくとも一種の金属を含む
ゼオライトであって、具体的には一般式(1) Na2O・Al23・SiO2・XH2O (1) (式中、Xは0〜6の数を示す。)で示されるA型ゼオ
ライトや、A型ゼオライトのNaを他の金属で置換した
Mg置換ゼオライト、Ca置換ゼオライト、Zn置換ゼ
オライト、Sr置換ゼオライト等が挙げられる。
【0013】有機スズ系としては、ジブチルスズラウレ
ート、ジ−n−オクチルスズジラウレート、ジブチルス
ズジマレエート及びその共重合体、ジブチルスズビス
(ブチルマレエート)、ジブチルスズビス(オクチルマ
レエート)、ジ−n−オクチルスズビス(ブチルマレエ
ート)、ジブチルスズラウレートマレエート、ジメチル
スズビス(オクチルチオグリコレート)、ジブチルスズ
ビス(オクチルチオグリコレート)、ジ−n−オクチル
スズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジ−n−
オクチルスズ−S,S’−ビス(イソオクチルメルカプ
トアセテート)等が挙げられる。これらの中で、バイン
ダーとして好ましいのはジブチルスズジラウレート、ジ
−n−オクチルスズジラウレート、ジブチルスズラウレ
ートマレエート、ジ−n−オクチルスズビス(イソオク
チルチオグリコレート)、ジ−n−オクチルスズ−S,
S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)であ
る。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いる
ことが出来る。
【0014】前記難燃剤(B)、難燃助剤(C)、熱安
定剤(D)から選ばれる2つ以上の成分の混合及び粒状
に成形する方法としては特に限定はないが、例えば特開
昭62−298438号公報記載の方法を用いることが
出来る。尚、ここで言う粒状とは、球形、柱形、あるい
はそれに類似した形を言う。粒状化の際、必要に応じて
顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、補強剤、充填剤、抗菌剤など公知の各種添加剤を
その性質を損なわない程度に配合することができる。本
発明においては、上記(B)〜(D)成分のうち少なく
とも1つの成分はバインダーとなるものから選択され
る。本発明におけるバインダーとは、粉体と混合するこ
とにより、粒状化した後もその混合物に粒形を保持させ
る賦形剤の役割を持つ成分を言う。また、粒状難燃剤組
成物中のバインダー成分の割合は、0.02〜90重量
%、好ましくは0.02〜70重量%、更に好ましくは
0.03〜50重量%である。
【0015】粒状難燃剤組成物1粒あたりの体積は5〜
300mm3である。これが5mm3未満であったり、3
00mm3を越えると、熱可塑性樹脂との配合の際に分
級してしまい、均一な樹脂組成物を得ることが出来な
い。また、粒状難燃剤組成物の比表面積S/Vの値は
0.7〜3である。これが0.7未満であると熱可塑性
樹脂との配合の際に分級したり、溶融混練時に破砕ある
いは溶融し難いため、難燃剤が樹脂中に均一に分散しな
い。また、これが3を越えると、熱可塑性樹脂との配合
の際に分級したり、射出成形機への供給ホッパー下のス
クリューに融着し、やはり樹脂中に均一に分散しない。
【0016】熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
て、粒状難燃剤組成物(E)の添加量は2〜45重量
部、好ましくは5〜40重量部である。これが2重量部
未満であると、得られた難燃性熱可塑性樹脂組成物の難
燃性は不充分であり、45重量部を越えると、耐衝撃性
の劣ったものとなる。これらを混合し、射出成形を行う
際、必要に応じて難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、
充填剤、抗菌剤など各種添加剤をその物性を損なわない
程度に配合することが出来る。熱可塑性樹脂と粒状難燃
剤組成物、及び必要に応じてその他の添加剤を配合し、
タンブラーなどでミキシングを行った後、溶融混練を行
うことが好ましい。この操作により、さらに均一性に優
れた難燃性熱可塑性樹脂組成物の成形品を得ることが出
来る。
【0017】射出成形に用いる成形機に特に制限は無い
が、ミキシングノズル、あるいはダルメージタイプ、ピ
ンタイプ、パイナップルミキシングタイプ、キャビティ
トランスファタイプ、スロットルドスクリュータイプ、
スタティックミキサータイプ、バリスターリングタイ
プ、ユニオンカーバイドミキシングタイプ等のミキシン
グユニットを持つスクリューを備えた成形機を用いるこ
とが好ましい。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らその
範囲を限定されるものではない。
【0019】参考例1 粒状難燃剤組成物(E−1)の
製造 三酸化アンチモン(平均粒径:0.79μm)3重量
部、粉末テトラブロモビスフェノールA(平均粒径:約
1.5μm)19重量部、粉末ポリテトラフルオロエチ
レン0.05重量部をヘンシェルミキサーに入れ、非加
熱条件下で高速で3分間程度混合攪拌し、一般粉末ロー
ル型押し出し造粒機(円板ダイス:ダイス穴径2.5m
m)で非加熱条件下で造粒し、径2.5mm、長さ2.
5mmの円柱形ペレットを得た。
【0020】このペレット30gをΦ60mm、長さ6
0mmの筒形容器に入れ、振とう機にて、水平振とう、
振とう幅:40mm、振とう数:240回/minの条
件で2分間振とうを行った。その後、ペレットを22メ
ッシュの篩いにかけ、下記の式より耐粉化率を計算し
た。その結果、耐粉化率は94.3%であった。また、
粒状難燃剤組成物1粒あたりの平均体積V1は12.3
mm3、S1/V1は2.4であった。
【0021】耐粉化率(%)=W1/W0×100 W1:篩いに残ったペレットの重量 W0:振とう前のペレットの重量 参考例2 粒状難燃剤組成物(E−2)の製造 参考例1と同様の組成、製造法で、直径1mm、平均長
さ0.7mmの円柱形ペレットを得た。V1は0.55
mm3、S1/V1は4.9であった。
【0022】実施例1 下に示すABS樹脂45重量部、AS樹脂55重量部、
粒状難燃剤組成物(E−1)22重量部、及びブチルス
ズマレエート系熱安定剤(d25=1.26〜1.29、
25=1.50〜1.52)0.5重量部をタンブラー
で混合した後、ユニオンカーバイドミキシングユニット
を持つスクリューを備えた射出成形機のホッパーに入
れ、射出成形を行った。物性測定用試験片はシリンダー
温度240℃、金型温度45℃、また燃焼性測定用試験
片はシリンダー温度220℃、金型温度60℃にて作成
し、作成開始時から経時的に、開始品、中間品、最終品
とした。尚、物性、燃焼性については以下の方法で評価
した。その結果を表1に示す。
【0023】 ABS樹脂:BDゴム含有量=30.2重量% BDゴムを除く樹脂成分中におけるAN含有量=25.8重量% 〃 平均分子量 Mw=11.1×104 ペレット1つあたりの平均体積V2=19.6mm32/V2=2.1 AS樹脂 :AN含有量=25.2重量% 平均分子量 Mw=13.9×1042=12.6mm32/V2=2.5 分子量はGPCにて測定し、ポリスチレンを標準サンプ
ルとして検量線法により求めた。測定条件は以下の通り
である。
【0024】測定機器:東ソー(株)社製 カラム:東ソー(株)社製 G3000HXL、G40
00HXL、G5000HXL、及びG6000HXL
を直列に接続 展開溶媒:テトラヒドロフラン 流速:1ml/min BD、AN含有量は、FT−IRにより検量線法にて求
めた。
【0025】測定機器:JASCO社製 FT/IR
7000 測定サンプル:コンプレッション成形により厚さ30μ
mフィルムを作成 (1)耐衝撃性(IZOD衝撃強度) ASTM D−256の方法に準じて測定した。
【0026】(ノッチ付き、試験片厚み1/4インチ) (2)曲げ弾性率 ASTM D−790の方法に準じて測定した。
【0027】(3)燃焼性 UL94、試験片厚さ1/8、1/12インチ、V−0
ランクを判定する。
【0028】実施例2 実施例1におけるABS樹脂として、乳化重合、塩析を
行った後、そのスラリーをスクリュープレス機にて脱
水、成形を行い乾燥して得られたABS樹脂を粉砕器に
て粉砕したものを用いた以外は実施例1と同様に試料を
作成、評価を行った。尚、粉砕後のABS樹脂の平均体
積V2は310mm3、S2/V2の値は2.2であった。
【0029】比較例1 実施例1で用いたABS樹脂ペレット45重量部、AS
樹脂ペレット55重量部、三酸化アンチモン(平均粒
径:0.79μm)3重量部、粉末テトラブロモビスフ
ェノールA(平均粒径:約1.5μm)19重量部、ブ
チルスズマレエート系熱安定剤(d25=1.26〜1.
29、n25=1.50〜1.52)1.5重量部、及び
粉末ポリテトラフルオロエチレン0.05重量部を池貝
(株)社製PCM30押出機(2軸同方向押出機、φ=
30mm、L/D=33)で、ホッパー下温度150
℃、ダイス温度240℃にて溶融混練し、造粒した。こ
の時得られたペレットを、実施例1と同様の条件で、射
出成形機にて物性測定用及び燃焼性試験用試験片を作成
した。
【0030】比較例2 実施例1の粒状難燃剤組成物(E−1)に代えて粒状難
燃剤組成物(E−2)を使用する以外は、実施例1と同
様に試料を作成、評価を行った。結果を表1、2に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明の製造法によれば樹脂中に難燃剤が均一に分
散し、物性、難燃性のばらつきのない難燃性熱可塑性樹
脂組成物の成形品を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/18 LGB C08L 27/18 LGB 55/02 LME 55/02 LME

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
    て、難燃剤(B)、難燃助剤(C)、熱安定剤(D)か
    ら選ばれる2つ以上の成分からなり、粒状化の際に
    (B)、(C)、(D)のうち1つ以上の成分がバイン
    ダーとなるものから選択され、且つ1粒あたりの平均体
    積をV1、平均表面積をS1とすると、V1の値が5〜3
    00mm3、S1/V1の値が0.7〜3の範囲にあるよ
    うな粒状難燃剤組成物(E)2〜45重量部を混合した
    後、射出成形機中で溶融混練し、溶融物を金型内に射
    出、冷却することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成
    物の成形品製造法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)が、粒状及び/また
    は板状に成形されており、これらの1粒あたりの平均体
    積をV2、平均表面積をS2とすると、V2の値が6〜2
    500mm3、S2/V2の値が0.45〜3の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂
    組成物の成形品製造法。
JP18355996A 1996-07-12 1996-07-12 難燃性熱可塑性樹脂組成物の成形品製造法 Withdrawn JPH1024439A (ja)

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