JPH10243841A - 寝具用布帛及びその製造方法 - Google Patents

寝具用布帛及びその製造方法

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JPH10243841A
JPH10243841A JP31462996A JP31462996A JPH10243841A JP H10243841 A JPH10243841 A JP H10243841A JP 31462996 A JP31462996 A JP 31462996A JP 31462996 A JP31462996 A JP 31462996A JP H10243841 A JPH10243841 A JP H10243841A
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JP
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acid
glycol
carbon atoms
polyester
copolymerized
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JP31462996A
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English (en)
Inventor
Reiichi Hazama
令一 波左間
Masahiko Miwa
正彦 三和
Kunihiro Ishikawa
州洋 石川
Tadayuki Sakobe
唯行 迫部
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高周波ウェルダー接着性、耐水性、機械的強
力に優れ、かつ、軽量で扱いやすく、リサイクル活用を
可能にする。 【解決手段】 ポリエステル繊維糸条で製編織されてな
る基布を、テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪族ジ
カルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖グリ
コールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエーテ
ルグリコールであるアルコール成分を用いて共重合し
た、極限粘度が0.4〜1.5の共重合ポリエステを溶融ラミ
ネートによるかもしくは、該ポリエステル系樹脂にHL
B値15〜20の非イオン界面活性剤を混合溶融した後、水
またはアミン水溶液中に分散させ、固形分濃度25%以
上、溶液粘度1000cps以上に調整した共重合ポリエステ
ル乳化分散液により被覆加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、エアーベットや
ウォーターベット等の気体あるいは液体を封入して用い
る袋状寝具用の布帛及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エアーベット及びウォーターベット等の
気体あるいは液体を封入して用いる袋状の寝具は、今ま
で一般に用いられてきたマットレスや敷き布団等の寝具
と比べて寝心地が快適であり、高級ベットや医療用ベッ
ト等に用いられている。現在使用されている袋状寝具
は、袋内に気体や液体等を封入するために布帛として低
い気体透過度、高い耐水性がそれぞれ要求される。また
この袋状寝具を作製するのに、その縫製方法として、ミ
シン縫製であるとその縫製後の縫い跡が残るために布帛
の低い気体透過度、耐水性を損失する。また熱風融着で
は接合作業が煩雑で熟練を要する上、接合が不均一にな
り易く、また、接合部に熱収縮が生じやすいため外見上
見苦しいという欠点があり、そのため袋状寝具の縫製に
は高周波ウェルダー接着加工による縫製が用いられる。
【0003】これらの条件を満たす被覆樹脂として塩化
ビニル系樹脂が広く用いられている。その理由として
は、加工性が優れており、種々の加工方法が採用でき、
また、可塑剤の添加量により任意に樹脂の柔軟性を調整
できること、さらに軟質塩化ビニル系樹脂が高周波ウェ
ルダー接着加工による縫製を行い得ることが挙げられ
る。上記のごとく塩化ビニル系樹脂は、多くの長所を有
しているが、塩化ビニル系樹脂で被覆されている製品
は、廃棄に際してハロゲン化合物であることから毒性が
問題となり、また燃焼時に塩素が遊離し塩酸になり、炉
等を痛めることやダイオキシンの発生などから、近年産
業廃棄物問題で大きく取り上げられている。また産業廃
棄物のリサイクル活用方法も見いだされていない。さら
に添加されている可塑剤は使用中に表面移行するため、
その防汚性の低下、耐久性の劣化、毒性等も問題となっ
ている。また塩化ビニル系樹脂加工した袋状の寝具用布
帛は、元来塩化ビニル系樹脂の比重が重いため製品目付
が重くなり、寝具作製を効率的に行うため、また完成し
た寝具自体の軽量化による利用者の労力軽減ために布帛
の軽量化が要求されている。
【0004】このような問題を解決する方法としては種
々提案されており、その代表的なものとしてはアクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはオレフィン系樹脂等の
合成樹脂を被覆材料として用いる方法があるが、これら
の方法では高周波ウェルダー接着性が弱いものであった
り、また仮にこの性質が十分なものであったとしても、
内部の繊維と被覆樹脂が異なるためリサイクル活用が困
難であるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて行われたもので、高周波ウェルダー接着性、
低い気体透過度、耐水性、機械的強力に優れ、かつ、軽
量で扱いやすく、使用上毒性等の問題がなく、リサイク
ル活用が可能で環境に優しく柔軟性にも優れ、気体ある
いは液体を封入して用いる袋状の寝具に適した寝具用布
帛およびその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するものであって、次の構成よりなるものであ
る。すなわち本発明は、テレフタル酸とイソフタル酸ま
たは脂肪族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6
個の直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコール
またはエーテルグリコールであるアルコール成分からな
る高周波ウェルダー接着が可能な共重合ポリエステルに
より、ポリエステル繊維糸条で製編織されてなる基布の
少なくとも片面が被覆されていて、気体透過度が500cc/
m2・24hr・atm 以下、耐水圧が1000mmH2O以上であること
を特徴とする寝具用布帛及び寝具用布帛ポリエステル繊
維糸条で製編織されてなる基布を、テレフタル酸とイソ
フタル酸または脂肪族ジカルボン酸である酸成分と、炭
素数2〜6個の直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グ
リコールまたはエーテルグリコールであるアルコール成
分を用いて共重合した極限粘度が0.4〜1.5の共重合ポリ
エステルを溶融ラミネートによるかもしくは、該ポリエ
ステル系樹脂にHLB値15〜20の非イオン界面活性剤を
混合溶融した後、水またはアミン水溶液中に分散させ、
固形分濃度25%以上、溶液粘度1000cps以上に
調整した共重合ポリエステル乳化分散液により少なくと
も片面に被覆加工することを特徴とする寝具用布帛の製
造方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステルは、フェノール/四塩化炭
素(6/4)中で測定した極限粘度が0.4〜1.5であり、テレ
フタル酸とイソフタル酸または脂肪族ジカルボン酸であ
る酸成分を用い、炭素数2〜6個の直鎖グリコールと炭
素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエーテルグリコー
ルをアルコール成分として用いて共重合したポリエステ
ルである。脂肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸、コ
ハク酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸またはそれらの
低級アルキルエステルが使用される。また炭素数2〜6
個の直鎖グリコールとしてはエチレングリコール、1,
4−ブタジオール等が挙げられ、炭素数2〜6個の側鎖
グリコールとしては1,2−プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール等が挙
げられ、さらに炭素数2〜6個のエーテルグリコールと
してはジエチレングリコール、トリエチレングリコール
等が挙げられる。これらの酸成分の共重合割合は、テレ
フタル酸成分と他の酸成分とがモル比で80:20〜20:8
0、またアルコール成分の共重合割合は、直鎖グリコー
ルと他のグリコール成分とがモル比で80:20〜20:80で
あるのが好適である。
【0008】本発明において、テレフタル酸とイソフタ
ル酸または脂肪族ジカルボン酸を酸成分として用い、炭
素数2〜6個の直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖
グリコールまたはエーテルグリコールをアルコール成分
として用いて共重合したポリエステルを被覆用樹脂とし
て用いるのは、酸成分の中にテレフタル酸やイソフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸をポリマー内部に存在させる
ことにより機械的物性を保持させ、脂肪族ジカルボン酸
を同時に重合させることによりポリマー自体に柔軟性を
付与することができ、その柔軟性はアルコール分の炭素
数により調整可能であるからであり、また比較的安価で
原料が入手できる。該共重合ポリエステルに混合溶融す
るHLB値15〜20の非イオン界面活性剤としては、オク
チルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアル
コール、オレイルアルコール等の高級脂肪族アルコール
のエチレンオキサイド付加物をはじめとして高級脂肪族
エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステ
ル等が挙げられ、この非イオン界面活性剤を前記共重合
ポリエステルに対して5 〜35重量%、好ましくは20〜30
重量%添加して、なお好ましくは窒素ガスのような不活
性気体中で混合溶融する。この際の溶融温度は180〜250
℃程度が好ましい。
【0009】共重合ポリエステルにHLB値15〜20の非
イオン界面活性剤を混合溶融して被覆剤として用いる
と、共重合ポリエステルの柔軟性を高め、被覆された布
帛の柔軟性をより向上させることができる。この混合溶
融体を水またはアミン水溶液中に攪拌しながら少量ずつ
添加することにより半透明または乳白色の共重合ポリエ
ステル乳化分散液が得られる。この際使用するアミンと
してはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミンが好ましく、その濃度は0.5 〜5重
量%程度が好ましい。
【0010】また溶液粘度の調整や性能向上のために共
重合ポリエステルの性能を十分に保持できる程度に、帯
電防止剤、難燃剤、顔料、粘度調整剤としてのアンモニ
ア、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンおよびウェル
ダー性を考慮して界面活性剤や無機物錯体等の導電性物
質等を同時に添加してもよい。
【0011】該共重合ポリエステル乳化分散液の固形分
濃度は25%以上である。25%未満であると、ポリエステ
ル基布に被覆する際に1回の被覆工程で塗布できる量が
少なくなり、加工工程上不利である。好ましくは30%以
上である。また該ポリエステル乳化分散体の溶液粘度
は、1000cps以上である。1000cps未満であるとポリエス
テル基布内に浸透する可能性があり、引裂強力を低下さ
せるだけでなく、基布の表面に被膜形成しない可能性が
あるため、袋状寝具用布帛としての気体透過度及び耐水
性の性能面に懸念が残る。好ましくは2000cps以上であ
る。
【0012】本発明において、寝具用布帛の基布として
は、ポリエステル繊維糸条で製編織された編織物を用い
る。ポリエステル繊維糸条は、ポリエチレンテレフタレ
ートあるいはポリエチレンテレフタレートを主たる成分
としポリエチレンテレフタレートの特性を保持する程度
に第3成分を共重合もしくは混合したポリエステルを溶
融紡糸して作られる繊維糸条であり、長繊維糸もしくは
短繊維の紡績糸のいずれであってもよい。ポリエステル
繊維糸条には帯電防止剤、難燃剤および顔料等が重合時
あるいは紡糸時に添加されてもよい。また該ポリエステ
ル繊維糸条は、相対粘度が1.30以上であるのが好まし
く、より好ましくは1.35以上である。相対粘度が1.30未
満であると寝具用布帛としての強度および耐久性が劣り
布帛に求められる基本的な物性が得られなくなる恐れが
ある。
【0013】また、基布は織物および編物のどちらでも
よく、用途に応じて所望の組織で製編織することができ
る。また基布に染色、難燃および撥水等の要求される機
能に応じた加工を施すことも可能である。特に寝具とし
て使用されるため撥水加工を施したものは有利である。
【0014】本発明において基布に共重合ポリエステル
の溶融ラミネートで被覆加工する方法は、特に限定する
ものではなく、一般のトッピング法、キャスティング法
等が使用できる。本発明における基布に共重合ポリエス
テル乳化分散液で被覆加工する方法は、特に限定するも
のではなく、一般のコーティング法、ディッピング法等
が使用できる。また付着量については基布の繊度、密度
により異なるが30g/m2以上、好ましくは50g/m2以上付与
することにより、所望の気体透過度あるいは耐水圧を容
易に得ることができる。
【0015】本発明において、得られた布帛の気体透過
度を500cc/m2・24hr・atm以下である。好ましくは400cc/m
2・24hr・atmである。500cc/m2・24hr・atm以上であると袋
状の寝具として用いる際、エアー漏れする可能性があ
り、使用上好ましくない。本発明において、得られた布
帛の耐水圧を1000mmH2O以上とする。好ましくは1200mmH
2O以上である。1000mmH2O未満であると袋状の寝具とし
て用いる際、水漏れする可能性があり、使用上好ましく
ない。
【0016】本発明の寝具用布帛は、高周波ウェルダー
接着が可能であり、該接合部において該布帛の引張強力
に対し60%以上の接着強力を得ることも可能である。接
着強力が低いと袋状寝具を得るに際し接合工程あるいは
補修工程においてミシン縫製工程を経らなければなら
ず、接合工程あるいは補修工程上不利である。またミシ
ン縫製工程を経ると、ミシン縫製の際に生じるミシン針
の縫い後が存在するため気体透過度が大きくなり、耐水
圧の低下を導くといった可能性があり、袋状寝具用とし
ては使用上好ましくない。
【0017】
【作用】本発明のごとく、ポリエステル繊維糸条で製編
織されてなる基布を、テレフタル酸とイソフタル酸また
は脂肪族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個
の直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールま
たはエーテルグリコールであるアルコール成分を用いて
共重合した、極限粘度が0.4〜1.5の共重合ポリエステル
を溶融ラミネートによるかもしくは、該ポリエステル系
樹脂にHLB値15〜20の非イオン界面活性剤を混合溶融
した後、水またはアミン水溶液中に分散させ、固形分濃
度25%以上、溶液粘度1000cps以上に調整した共重合ポ
リエステル乳化分散液により少なくとも片面に被覆加工
すると、被覆樹脂は柔軟性に優れていて、加工布は高周
波ウェルダー接着性、低い気体透過度、耐水性、機械的
強力に優れ、かつ、使用上毒性等の問題がなく、リサイ
クル活用が可能なポリエステル主体の加工品となり、環
境に優しい袋状寝具用布帛を得ることができる。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。実施例
においての評価は下記の方法によって行った。 (1)引張強力・伸度 JIS-L-1096 6.12.1A法(ストリップ法)に準じ、3cm巾
にて測定した。 (2)引裂強力 JIS-L-1096 6.15.1A-1法(シングルタング法)に準じ、
3cm巾にて測定した。 (3)気体透過度 JIS-K-7126-A法(差圧法)に準じて測定した。 (4)耐水圧 JIS-L-1092 低圧法に準じて測定した。 (5)ウェルダー接着強力 高周波ウェルダー接着機にLW−4000A(クイーン
ライト電子精工株式会社製)を用い、出力4kW 、電流値
0.3 アンペア、圧力2kg/m2、高周波発信時間3秒間、融
着時間3秒間、冷却時間3秒間の条件で、3cm×10cmの
金属バーを使用して高周波ウェルダー接着加工を行い、
ウェルダー接合部(3cm 長)を含む3cm幅の試料にて、J
IS-L-1096 6.12.1A法(ストリップ法)に準じて引張強
力を測定した。 (6)ウェルダー剥離強力 JIS-K-6854のT型剥離強力試験法に準じ、上記と同様の
方法にて高周波ウェルダー接着を行った接着部(3cm
長)を含む3cm幅の試料で接着部の剥離強力を測定し
た。 (7)スコット摩耗 JIS K-6772に準じて、スコット摩耗機を用い、つかみ間
に試料2枚を1組として中表で固定し、両つかみの押圧
加重を2kgfにして4cm 間の距離を、120±2 回/分の速
度で500回往復摩擦した後の剥離状態を視察し、ひび割
れのないものを○、ひび割れのあるものを×とした。
【0019】実施例1 ジメチルテレフタレート70部、セバシン酸30部、エチレ
ングリコール55部、ネオペンチルグリコール45部をラン
ダム重合させ、極限粘度が0.7 、ガラス転移点が5 ℃、
溶融点が150℃の透明な共重合ポリエステル系ポリマー
を得た。相対粘度1.58のポリエステル長繊維210d/40fを
経糸および緯糸に用いて平組織で経糸密度60本/吋、緯
糸密度60本/吋に製織した基布に、上記共重合ポリエス
テル系ポリマーを180℃で溶融ラミネート加工し実施例
1の布帛を得た。
【0020】実施例2 実施例1で用いた共重合ポリエステル系ポリマーとオク
チルアルコールのポリエチレンオキサイド付加物(HL
B値17.0)8 部とを窒素気流中で、200℃にて撹拌しな
がら混合溶融した。この混合溶融体を常温のモノエタノ
ールアミンの1%水溶液60部中に撹拌しながら滴下し
た。この乳化分散液は半透明で粘度は10cps であった。
また該分散液に粘度調整剤として、SN- シックナーA-80
1 (アニオン系および非イオン系特殊界面活性剤、サン
ノプコ株式会社製)を10部、および帯電防止剤として、
NRE-9001(アマイド系界面活性剤、竹本油脂(株)製)
を3部添加し、溶液粘度5000cps の共重合ポリエステル
乳化分散液を得た。比較のために上記記載の透明なポリ
マーとオクチルアルコールのポリエチレンオキサイド付
加物(HLB値14.0)を乳化剤として用いて同様な方法
で乳化分散を行ったが白濁し、良好な乳化分散液は得る
ことができなかった。相対粘度1.58のポリエステル長繊
維210d/24fを経糸および緯糸に用いて平組織で経糸密度
60本/吋、緯糸密度60本/吋に製織した基布に、上記の
共重合ポリエステル乳化分散液をディッピングした後、
乾燥工程で110℃×120秒の加熱工程を通過させ実施例2
の布帛を得た。
【0021】比較例1 相対粘度1.58のポリエステル長繊維糸210d/24fを経糸及
び緯糸に用いて平組織で経糸密度60本/吋、緯糸密度60
本/吋に製織した基布に、下記組成1の塩化ビニル系樹
脂組成物をディッピングし乾燥工程で110℃×120秒及び
キュア行程で160℃×30秒間の加熱工程を通過させ、比
較例1の布帛を得た。
【0022】〔組成1〕 ・ゼオン121 50部 (日本ゼオン株式会社製塩化ビニル樹脂ペースト) ・フタル酸ジオクチル(可塑剤) 15部 ・フタル酸ジイソノイル(可塑剤) 15部 ・アデカ−O−130P 3部 (アデカ・アーガス化学株式会社製エポキシ系可塑剤) ・KV−62B−4 3部 (共同薬品株式会社製バリウム・亜鉛系安定剤) ・三酸化アンチモン(防炎剤) 7部 ・炭酸カルシウム(充填剤) 7部 実施例1〜2及び比較例1の性能評価結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】表1にて明らかなごとく、本発明である実
施例1及び2のウェルダー性はウェルダー接着力及び剥
離強力の測定より、該接合部において布帛の引張強力に
対して60%以上の強力を保持しており、また気体透過度
500cc/m2・24hr・atm以下、耐水圧1000mmH2O以上であっ
た。さらにスコット摩耗試験による耐摩耗性にも優れて
いた。実施例1及び2の布帛は基布と被覆樹脂が共にポ
リエステル系樹脂であることから、リサイクルが可能で
環境に優しくさらに機械的強度も優れており、袋状寝具
の布帛として満足できる性能を有するものであり、代表
的な従来技術である塩化ビニル系樹脂で被覆した比較例
1と比較しても物性上遜色のない、軽量で柔軟な防水布
として満足できる性能を有するものであった。これに対
して、比較例1は、塩化ビニル系樹脂で被覆しているの
で、廃棄に際してハロゲン化合物であることから毒性が
問題となり、また燃焼時に塩素が遊離し塩酸になり、炉
等を痛めることやダイオキシンの発生等産業廃棄物問題
のあるものである。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、高周波ウェルダー接着
性、気体透過度が低い、耐水性、機械的強力に優れ、か
つ、軽量で扱いやすいリサイクル活用が可能な環境に優
しい袋状寝具の布帛及びその製造方法を提供することが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 迫部 唯行 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪
    族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖
    グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエ
    ーテルグリコールであるアルコール成分からなる高周波
    ウェルダー接着が可能な共重合ポリエステルにより、ポ
    リエステル繊維糸条で製編織されてなる基布の少なくと
    も片面が被覆されていて、気体透過度が500cc/m2・24hr・
    atm 以下、耐水圧が1000mmH2O以上であることを特徴と
    する寝具用布帛。
  2. 【請求項2】 テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪
    族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖
    グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエ
    ーテルグリコールであるアルコール成分を用いて共重合
    した、極限粘度が0.4〜1.5の高周波ウェルダー接着が可
    能な共重合ポリエステル系樹脂で溶融ラミネートによ
    り、ポリエステル繊維糸条で製編織されてなる基布の少
    なくとも片面を被覆することを特徴とする寝具用布帛の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪
    族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖
    グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエ
    ーテルグリコールであるアルコール成分を用いて共重合
    した、極限粘度が0.4〜1.5の高周波ウェルダー接着が可
    能な共重合ポリエステルにHLB値15〜20の非イオン界
    面活性剤を混合溶融した後、水またはアミン水溶液中に
    分散させ、固形分濃度25%以上、溶液粘度1000cps以上
    に調整した共重合ポリエステル乳化分散液により、ポリ
    エステル繊維糸条で製編織されてなる基布の少なくとも
    片面を被覆することを特徴とする寝具用布帛の製造方
    法。
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