JP2962443B2 - メッシュシート - Google Patents

メッシュシート

Info

Publication number
JP2962443B2
JP2962443B2 JP3304783A JP30478391A JP2962443B2 JP 2962443 B2 JP2962443 B2 JP 2962443B2 JP 3304783 A JP3304783 A JP 3304783A JP 30478391 A JP30478391 A JP 30478391A JP 2962443 B2 JP2962443 B2 JP 2962443B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
mesh
component
filament
mesh sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3304783A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05141099A (ja
Inventor
進 加納
睦雄 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP3304783A priority Critical patent/JP2962443B2/ja
Publication of JPH05141099A publication Critical patent/JPH05141099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2962443B2 publication Critical patent/JP2962443B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で耐屈曲性に優れ
たメッシュシートで、野菜、果物などの食品類、花木な
どの植物類を運搬するメッシュコンテナーまたは建築作
業や高所作業に際して、ボルトな鉄片等の建築資材が作
業範囲外に落下することを防止するため使用される建築
工事用メッシュシートに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来のメッシュシートとしては、粗い平織
やからみ織物、または模紗織物のそれぞれを主体とする
織物構造体の表面に樹脂を含浸または塗布したシートが
使用されていた。また該樹脂として、ポリ塩化ビニル樹
脂を用いて難燃化したものなどを建築工事用メッシュシ
ートとして使用した例が知られている。またダブルニッ
トや、経糸挿入ラッセルなどの経編構造体からなる3の
などを建築工事用メッシュシートとして使用した例など
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の織物構
造体の中で、からみ織物や模紗織物は、そのままでは目
ずれが著しく、ポリ塩化ビニル等のコーティングが必須
であり、そのため重量が重く、コストが高い上に、塩化
ビニルの可塑剤のブリードによる汚れや臭いが目立ち、
その洗浄も容易でないという欠点があった。
【0004】一方、平織物の場合は、通常の織密度のも
のは目的とする通気性が得られないし、逆に十分な通気
性を有する程度までに粗な織組織にすると、目ずれは容
易に生じるものとなる。従って、通常は粗な織組織の平
織を用いて接合部を塩化ビニル等でコーティングして目
止めをしたものが使用されており、結局、からみ織物や
模紗織物と同様の欠点を有するものでしかなかった。
【0005】一方、経編組織のものは、糸がストレート
でなくループ状の構造をとるために、糸の強力利用率が
非常に低く、特に緯方向において著しく低いという欠点
があった。また緯糸挿入ラッセルの場合は、目ずれやバ
イヤスの歪みや凹凸を生じやすいという欠点があった。
【0006】いずれにしても、かかる従来技術に於いて
は、通気性と目ずれの問題を同時に満足するものはなか
った。
【0007】本発明は、かかる従来技術における欠点に
鑑み、軽くて、屈曲や揉みに対して強く、かつ織目が強
固で目ずれがせず、織形態が崩れることがなく、ポリ塩
化ビニル樹脂等の汚れや臭いがなく、安定した通気性を
有するメッシュシートを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために次のような構成を有する。すなわち、本発
明のメッシュシートは、溶融温度差を有する少なくとも
2種の繊維成分からなる合成繊維フィラメント混繊糸
または合撚糸経糸または緯糸の少なくとも一方に用
いたメッシュ状模紗織物またはメッシュ状絽織物であっ
て、該メッシュ状模紗織物またはメッシュ状絽織物の交
点が、該繊維成分の溶融温度の低い成分で融着されてい
ることを特徴とするものである。
【0009】すなわち、本発明のメッシュシートは、溶
融温度差を有する少なくとも2種の繊維成分からなる合
成繊維フィラメント複合混繊糸を経糸または緯糸の少な
くとも一方に用いたメッシュ状模紗織物またはメッシュ
状絽織物であって、該メッシュ状模紗織物またはメッシ
ュ状絽織物の経糸および/または緯糸が、該フィラメン
ト複合混繊糸2本以上を1単位として該メッシュが構成
され、該メッシュの交点、および、経および/または緯
の該フィラメント複合混繊糸2本以上を1単位とした糸
条同士が、該フィラメント複合混繊糸の溶融温度の低い
成分で融着されていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明は、通常のメッシュシートを製造する際
に、フィラメント糸として、低融点繊維成分と高融点繊
維成分からなる混繊糸または合撚糸(以下単に複合糸と
いう)を用いて、メッシュ状模紗織物またはメッシュ状
絽織物を製編織した後に該織物の点を熱融着させる
と、意外にも該シート全体の硬さが適当で、軽量であり
ながら織形態が崩れることがなく、耐屈曲性に優れ、し
かも野菜、果物などの生食品類や花木などの包装用とし
て好適な性能を具備する素材を提供できることを究明
し、さらに、建築用メッシュシート素材としても有効で
あることを究明したものである。
【0011】本発明でいうメッシュシートとは、衣料用
織物の比して目の粗い織物であり、たとえばメッシュ1
個の空隙の大きさは、好ましくは0.3〜3000m
m2 、さらに好ましくは0.5〜40mm2 のものであ
り、かつそのメッシュ部分の空隙面積はシート全体の面
積に対して、好ましくは5〜75%で、さらに好ましく
は10〜50%であるものを使用する。
【0012】本発明でいうフィラメント複合糸は、熱に
より溶融する温度が異なる2種以上の成分から構成され
たものであって、該フィラメント複合糸のうち、溶融温
度の低い成分(A)は熱可塑性樹脂で構成されており、
一方、溶融温度の高い成分(B)は、熱不溶性の繊維
や、前記(A)成分を溶融させる温度の熱に対して、比
較的溶融しにくい樹脂からなる繊維で構成されているも
のである。
【0013】本発明のメッシュシートは、かかるフィラ
メント複合糸を経糸または緯糸の少なくとも一方の糸
に、該フィラメント複合糸2本以上を1単位とした糸条
を用いて織物を構成し、かつ該フィラメント複合糸の溶
融温度の低い成分(A)を構成する熱可塑性樹脂自身に
よって、該の交点が融着されてなるシート状物を用
いて構成されたものである。
【0014】成分(A)としては、屈曲や衝撃に強く、
引裂強力の大きい性質を有するものが好ましい。たとえ
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタンやこ
れらの共重合体、ナイロン、ナイロンにポリアルキルグ
リコール、ジカルボン酸やアミン類などを共重合したも
の、ポリエステルの繰り返し単位を構成する酸成分にイ
ソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸または
アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合した
り、アルコール成分の一部にポリアルキレングリコール
を共重合したものなどを使用することができるが、上述
の成分(A)として要求される性質を有するポリマーで
あればこれに限定されるものではない。これらのなかで
もポリエステル系樹脂が耐光性に優れていて好ましい。
【0015】成分(B)としては、たとえば、ポリアミ
ド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊
維、アクリル系繊維、モダクリ系繊維、塩化ビニリデン
繊維、ポリビニルアルコール系繊維、難燃性ポリノジッ
ク繊維、アラミド繊維、ポリイミド系繊維、ポリスルホ
ン系繊維、弗化繊維、などの普通繊維および高強力繊維
などを使用することができる。
【0016】かかる成分(B)は、シート状物中に元の
繊維状態で存在するものであって、該シート状物の強力
を左右するものであり、強くて溶融しにくい繊維である
必要がある。すなわち、本発明では、成分(B)とし
て、単糸繊度が、好ましくは少なくとも1デニール、さ
らに好ましくは5デニール以上である繊維を用いること
が、シート強力ならびに耐光性の上から好ましい。
【0017】すなわち、成分(B)の単糸繊度が1デニ
ール未満の細い繊維の場合には、メッシュシートとして
要求される引張強力耐屈曲性、引裂強力が不足する場合
があったり、また、成分(A)を溶融させる際に、同時
に溶融する可能性もあって、繊維強度の低下を招く危険
が大きくなる傾向がある。
【0018】かかる成分(B)として、さらに好ましい
ものとしては、高重合度ポリマーから形成されたポリエ
ステルフィラメントや高延伸倍率で強延伸したポリエス
テルフィラメント、さらに他の物理的処理により高強度
化されたポリエステルフィラメントなどがある。
【0019】上述のように、溶融温度の低い成分(A)
は、ポリエステル系樹脂からなる繊維が、耐光性や
を構成する溶融温度の高い成分(B)の目ずれ防止の点
から、接着性の良い成分を選ぶことがメッシュシート特
性上好ましい。かかる接着性の上からは、該成分(A)
と(B)との組合せとして、同種の樹脂の組合せが好ま
しい。
【0020】すなわち、本発明のメッシュシートを構成
する該フィラメント複合糸の溶融温度が低い成分(A)
として、ポリエステル系樹脂からなる繊維を使用する場
合は、熱溶融温度が高い成分(B)としても、ポリエス
テル系樹脂からなるフィラメント糸を用いるのが好まし
い。
【0021】特に、本発明で使用されるポリエステル成
分(B)としては、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチルテレフタレートなどのホモポリエステル
のような耐熱性、機械的強度、耐光性に優れたものが代
表的なものであるが、本発明の効果が損なわれない範囲
であれば共重合成分や混合物が存在していてもよい。該
ポリエステル成分(B)が難燃性能を有するものとして
は、ポリマー中に2官能性リン化合物が存在するポリエ
ステル系難燃性樹脂およびそれからなるフィラメントが
特に望ましい。かかるポリエステル系難燃性樹脂として
は、繰り返し単位の少なくとも85モル%がポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エレン2,6ナフタレートなどのポリエステルであり、
かつその繰り返し単位の中に、リン元素に換算して好ま
しくは0.2〜1.0重量%の範囲に2官能性リン化合
物が存在するポリマーからなるものが使用される。な
お、上述のポリエステル系難燃性樹脂には、難燃性を阻
害しない範囲で共重合成分が含有されていてもよい。
【0022】また、上述のポリエステル系難燃性樹脂か
らなるフィラメントとしては、固有粘度が0.65以上
であるものが好ましく、さらにその繊維自身の密度が
1.38kg/cm3 以上であるものがよい。
【0023】上述の2官能性リン化合物としては、次の
式1で示されるホスホネート、式2で示されるホスフィ
ネートあるいは式3で示されるホスフィンオキシドが好
ましく使用される。
【0024】
【化1】
【化2】
【化3】 (式中R1 、R5 は、それぞれ同じか又は異なる基であ
って、炭素数1〜18の炭化水素を表し、R2 、R3
は、それぞれ同じか又は異なる基であって、炭素数が1
〜18の炭化水素基又は水素原子を表し、A1 、A2
は、2価又は3価の有機残基を表し、R4 は、カルボキ
シル基又はそのエステルを表し、R6 は、カルボキシル
基又はそのエステル、あるいは互に−(C=O)−O−
(C=O)−で示される基を介してA2 と環を形成する
2価のエステル形成性官能基を表す。
【0025】式(1)で示されるリン化合物としては、
フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジフ
ェニル等が好ましく使用される。
【0026】式(2)のリン化合物としては、(2−カ
ルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2−メトキシ
カルボニルエチル)メチルホスフィン酸メチル、(2−
カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、(2−メト
キシカルボニルエチル)フェニルホスフィン酸メチル、
(4−メトキシカルボニルフェニル)フェニルホスフィ
ン酸メチル、〔2−(β−ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)エチル〕メチルホスフィン酸のエチレングリコール
エステル等が好ましく使用される。
【0027】式(3)のリン化合物としては、(1,2
−ジカルボキシエチル)ジメチルホスフィンオキシド、
(2,3ジカルボキシプロピル)ジメチルホスフィンオ
キシド、(1,2ジメトシキカルボニルエチル)ジメチ
ルホスフィンオキシド、(2,3ジメトキシカルボニル
エチル)ジメチルホスフィンオキシド、〔1,2ジ(β
ヒドロキシエトキシカルボニル)エチル〕ジメチルホス
フィンオキシド、〔2,3ジ(βヒドロキシエトキシカ
ルボニル)エチル〕ジメチルホスフィンオキシド等が好
ましく使用される。
【0028】これらの化合物の中でも、特に式3の化合
物が、ポリエステルとの共重合反応性が良く、さらに重
合反応時の飛散が少ないことなどから好ましく使用され
る。上述の2官能性リン化合物は、ポリエステルポリマ
ー中に、リン元素に換算して好ましくは0.2〜1.5
重量%、特に好ましくは0.4〜1.3重量%含有され
たものがよい。
【0029】すなわち、0.2重量%未満の場合は、得
られる建築工事用メッシュシートの難燃性が低下してく
る傾向があるので好ましくない。一方、リン元素量が
1.5重量%を超えると、原糸の物理的特性、特に強度
低下、収縮特性の増大および製造コストが高くなるなど
の欠点が出現してくる。
【0030】本発明の建築工事用メッシュシートは、好
ましくは、JISA−8952(1977)の防炎性試
験方法に基づいて測定したときに、同JISA−895
2(1977)の附属書表1に規定する難燃性を有する
ものがよい。
【0031】本発明のメッシュシートを構成する織物
は、上述のフィラメント複合糸2本以上を1単位として
メッシュを構成しているものであり、該フィラメント複
合糸は、経糸および緯糸の少なくとも一方、好ましくは
両方に使用したものである。かかるメッシュ状織物の加
熱溶融後の最終的な形態は、該フィラメント複合糸、つ
まりフィラメントの繊糸または合撚糸の2本以上を1
単位として経糸および緯糸の少なくとも一方を構成して
いるので、該織糸は該複合糸の溶融温度の低い成分が融
着して、一体化されて、さらには一本化している部分を
含む構造を呈しており、最早、複合糸、つまり混繊糸
たは合撚糸であることを認識できない形態、たとえば複
合糸の形を呈しているものである。本発明では、かかる
形態のものも含めて原料織糸形態であるフィラメント複
合糸というものである。
【0032】かかる物の織組織としては、絽組織また
は模紗織が使用され、つまりかかる組織からなるメッシ
ュ状絽織物またはメッシュ状模紗織物が使用される。こ
れらの中でも、目ずれしにくく、織形態が崩れにくい点
から、好ましくは3〜7本横絽織物が使用される
【0033】たとえば、図1は、3本横絽織物組織を示
すものであり、緯糸3本(2、3、4)を、2本の経糸
9で集合するように横絽組織1を形成しているものであ
る。図2は、同様に緯糸5本(2、3、4、5、6)を
集合した5本横絽組織1を示し、図3は、同様に緯糸7
本(2、3、4、5、6、7、8)を集合した7本横絽
組織1を示すものである。
【0034】かかる物を構成する糸の太さは、特に
限定されないが、100〜10,000デニールの範囲
のものを使用するのが好ましく、さらに好ましくは50
0〜3000デニールである。
【0035】また、物の目付は、用いるメッシュシー
トの種類にもよるが、好ましくは500g/ m2 以下、
さらに好ましくは100〜400g/ m2 である。
【0036】本発明のメッシュシートは、その物の骨
格が、溶融温度の高いフィラメント成分(B)で構成さ
れているものであって、その少なくとも一部において
は、該物組織の少なくとも表面部、好ましくは間隙部
(目合間隙)にフィラメント成分(A)を構成する熱可
塑性樹脂からなり、その交点、および、経および/また
は緯の該フィラメント複合糸2本以上を1単位とした糸
条同士、該フィラメント複合糸の溶融温度の低い成分
融着されている構造のシート状物である。
【0037】本発明に使用されるフィラメント複合糸と
しては、フィラメントの形での複合を意味するもので、
異種フィラメントの混用糸、均一混用、芯鞘混用など各
種の混用糸が含まれる。好ましくは、撚の有無に拘らず
フィラメント同士を混合したもの全て、たとえば撚のな
い混繊糸または撚のある合撚糸などの形態の糸を使用す
ることができる。
【0038】かかるフィラメント複合糸としては、たと
えばフィラメント糸(A)とフィラメント糸(B)と
が、好ましくは重量比(A/B)で10/90〜70/
30、さらに好ましくは20/80〜40/60の範囲
にあるものがよい。フィラメント成分(A)の構成量
が、少なすぎては物の交点の融着が得られにくく、目
ずれ防止効果が得られにくくなる。またフィラメント成
分(B)が少なすぎても強度的に劣る傾向が出てくる。
【0039】本発明のメッシュシートにおいては、外部
からの受熱により、フィラメント成分(A)を溶融し
て、骨格をなすフィラメント成分(B)ができるだけ熱
劣化が生じない加工条件で、該物の交点を融着処理す
るのが好ましい。すなわち、フィラメント成分(A)と
して、フィラメント成分(B)より溶融温度差が大きい
ものを使用するほど、熱によるフィラメント成分(B)
への悪影響を小さくすることが出来るので、好ましくは
該溶融温度差が10℃以上、さらに好ましくは15℃以
上である繊維を使用したフィラメント複合糸を用いるこ
とによって、物特性に優れた耐久性のあるメッシュシ
ートを提供することができる。
【0040】本発明で用いられるフィラメント複合糸の
タイプとしては、たとえば、均一混用(混合)タイプ、
片側に偏って配置させた、たとえばバイメタルタイプま
たは成分(B)を芯部に、成分(A)を鞘部に配置した
芯鞘タイプなどの複合糸を使用することができる。
【0041】成分(A)を溶融する熱処理方法として
は、特に限定されるものではないが、たとえば、フィラ
メント織物を熱風加熱方式のピンテンターで加熱する方
法、該ピンテンターで、成分(A)を溶融させた後、溶
融ポリマーを加圧する方法、模様状に彫刻したカレンダ
ーロールで加熱圧着させる方法など好ましく使用するこ
とができる。
【0042】さらに、本発明に用いられるフィラメント
複合糸または物は、上述の熱処理前の段階で、低温プ
ラズマ処理を施されることも好ましい。すなわち、かか
る処理によって、該物の交点の接着性をより一層向上
させることができる。
【0043】本発明のメッシュシートは着色して用いる
こともできる。着色は、原糸着色するか、物の状態
(該交点を融着する前の状態)あるいは該交点を融着さ
せた後の状態の、いずれの段階でも染色することができ
る。染色する場合は、該交点を融着する前の状態で染色
する方法が、加工の容易さから好ましい。染色方法とし
ては、浸透法やプリント法のいずれの方法でも適宜用い
ることができる。
【0044】なお、本発明のメッシュシートは、もちろ
ん耐光剤を含有していてもよく、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリ
レート系などの紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化ケイ
素、炭酸カルシウム、亜鉛華などの紫外線遮蔽剤および
銅、コバルト、クロムなどの金属塩数、ヒンダードフェ
ノール系、アミン系などのラジカル連鎖禁止剤およびホ
スファイト系、チオエステル系などの過酸化分解剤な併
用すると耐候性をさらに向上させることが出来る。ま
た、本発明のメッシュシートは、フィラメント糸の段階
または物の段階でリン化合物、スルファミド系、ハロ
ゲン系化合物などの難燃剤およびウレタンまたはアクリ
ル酸エステル系の発泡体やアルミニウム粉などの防音剤
などを後加工にて含有させてもよい。
【0045】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中の物性値は下記の方法により測定し
たものである。 (1)溶融点 融点顕微鏡(柳本製作所製)を用い、熱板上にサンプル
繊維を十字状にクロスするように数本重ねてセットし、
クロスした境界が溶融により完全に消えた温度をもって
溶融点とした。
【0046】(2)引裂強力 JIS L1096 6・16 A−1法(シングルタ
ング法)により測定した。
【0047】(3)防炎性 JIS A−8952(1977)の防炎性試験法によ
り測定した。
【0048】実施例1〜2,比較例1 ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸後、延伸して1
000デニール96フィラメントの高温溶融フィラメン
ト糸〔溶融点:254℃,成分(B)〕を得た。 一
方、イソフタル酸を11モル%共重合したポリエチレン
テレフタレートを溶融紡糸後、延伸し、又、イソフタル
酸を24モル%共重合したポリエチレンテレフタレート
を溶融防止、延伸後、弛緩熱処理し、それぞれ75デニ
ール36フィラメントの低温溶融成分(A)を2種(1
1モル%共重合=溶融温度235℃,24モル%共重合
=213℃)を得た。この成分(A)2種のそれぞれ4
本と、成分(B)1本とを100 T/m で合撚し、13
00デニールのフィラメントのフィラメント糸を得た。
【0049】一方、比較例として、成分(B)の100
0デニール961本と、同融点(254℃)を有する7
5デニール36の成分(A)4本とを100 T/m で合
撚し、1300デニールのフィラメント糸を得た。
【0050】これらのフィラメント糸をタテ糸およびヨ
コ糸に用い、タテ糸密度21本/インチ(3本/組)、
ヨコ糸密度21本/インチ(3本/組)の模紗織物をそ
れぞれ製織した。
【0051】これの織物をピンテンターにより245℃
(比較例は257℃)で1分間熱処理し、該織物のタテ
糸、ヨコ糸交点が融着された織物を得た。
【0052】これらのメッシュシートを評価した結果を
表1に示した。表1から明らかなように、実施例1、2
のものは、比較例1のものに比して、目ズレ防止効果の
優れた引裂強力低下の少ないものであった。
【0053】実施例3 ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸後、延伸して、
500デニール96フィラメントと1000デニール1
92フィラメントの高温溶融フィラメント糸〔溶融点:
254℃,成分(B)〕を得た。
【0054】一方、イソフタル酸を15モル%共重合し
たポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸後、延伸し
て、75デニール24フィラメントの低温溶融フィラメ
ント糸〔溶融点:220℃;成分(A)〕を得た。
【0055】これらの成分(B)のフィラメント2種の
それぞれ1本と、成分(A)のフィラメント2本とを1
00 T/m で合撚し、それぞれ650デニールと115
0デニールのフィラメント糸を得た。
【0056】これらのフィラメント糸をタテ糸に650
デニール、ヨコ糸に1150デニールを用い、タテ糸密
度14本/インチ(2本/組)、ヨコ糸密度7本/イン
チの3本横絽織物をレノヘルドをもつ織機にて製織し
た。
【0057】これらの織物を通常の方法で、精練、乾燥
後、ピンテンターにより240℃で1分間熱処理するこ
とによって、該織物のタテ糸、ヨコ糸交点が融着された
織物を得た。この織物を次に、Resolin Blue FBL(バイ
エル社製分散染料)3%owfおよび難燃剤としてヘキサ
・ブロム・シクロドデカン20%owf を用い、高圧ビー
ム染色機で、130℃、60分間染色同時難燃処理し、
常法により還元洗浄し、乾燥して、目付122g/ m2
のメッシュシートを得た。
【0058】このメッシュシートを評価した結果を表1
に示した。表1から明らかなように、実施例3のものも
比較例1のものに比して、軽量で、目ズレ防止効果の優
れた、防炎性は合格するものであった。
【0059】実施例4 リン化合物として〔2−(βヒドロキシエトキシカルボ
ニル)エチル〕メチルホスフィン酸をリン元素換算して
0.5重量%を含む難燃性ブルー原着ポリエチレンテレ
フタレートを溶融紡糸後、延伸して1500デニール1
44フィラメントの高温溶融フィラメント糸〔溶融点2
54℃,強度8g/d、成分(B)〕を得た。
【0060】一方、イソフタル酸を15モル%共重合し
たポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸後、延伸して
75デニール24フィラメントの低温溶融フィラメント
糸〔溶融点:220℃,強度5.0g/d,成分
(A)〕を得た。
【0061】この成分(B)のフィラメント1本と、成
分(A)のフィラメント4本とを60 T/m で合撚し、
1800デニールのフィラメント糸を得た。
【0062】このフィラメント糸をタテ糸およびヨコ糸
に用い、タテ糸密度23.2本/インチ、ヨコ糸密度1
6.2本/インチの3本横絽織物をレノヘルドをもつ織
機にて製織した。この織物をピンテンターにより240
℃で1分間熱処理し、該織物のタテ糸、ヨコ糸交点が融
着されたメッシュシートを得た。
【0063】このメッシュシートを評価した結果を表1
に示した。表1から明らかなように、実施例4のもの
は、比較例1に比して目ズレ防止効果の優れた、高引裂
強力を有する防炎性の良好なものであった。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明は、軽量で、かつ通気性と目ズレ
防止を同時に満足するメッシュシートを提供するもので
ある。本発明によれば、目ズレ防止が極めて強固に達成
され、使用する糸の特性を十分生かすことができ、高級
指向の外観を呈し得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のメッシュシートに用いるこ
とのできる織物組織の1例である3本横絽織物組織を示
す。
【図2】この図は、本発明のメッシュシートに用いるこ
とのできる他の織組織で、5本横絽組織を示す。
【図3】この図は、本発明のメッシュシートに用いるこ
とのできる他の織組織の例を示したもので、7本横絽組
織の例を示す。
【符号の説明】
1:横絽組織 2,3,4,5,6,7,8:緯糸 9:経糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−55361(JP,A) 実願 平1−12871号(実開 平2− 106477号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭62−171514号(実開 平1− 78190号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融温度差を有する少なくとも2種の繊
    維成分からなる合成繊維フィラメント混繊糸または合
    撚糸経糸または緯糸の少なくとも一方に用いたメッ
    シュ状模紗織物またはメッシュ状絽織物であって、該メ
    ッシュ状模紗織物またはメッシュ状絽織物の交点が、該
    繊維成分の溶融温度の低い成分で融着されていることを
    特徴とするメッシュシート。
  2. 【請求項2】 該合撚糸が、30〜100 T/m の撚を
    有する撚糸である請求項1記載のメッシュシート。
  3. 【請求項3】 該複合混繊糸または合撚糸が、総繊維重
    量に対して10〜40%の溶融温度の低いフィラメント
    成分を含有するものである請求項1または2記載のメッ
    シュシート。
  4. 【請求項4】 該メッシュシートが、メッシュコンテナ
    ー、建築土木工事用シート、養生シートまたはスポーツ
    用ネットから選ばれた用途に使用されるものである請求
    項1〜3のいずれかに記載のメッシュシート。
JP3304783A 1991-11-20 1991-11-20 メッシュシート Expired - Fee Related JP2962443B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3304783A JP2962443B2 (ja) 1991-11-20 1991-11-20 メッシュシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3304783A JP2962443B2 (ja) 1991-11-20 1991-11-20 メッシュシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05141099A JPH05141099A (ja) 1993-06-08
JP2962443B2 true JP2962443B2 (ja) 1999-10-12

Family

ID=17937180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3304783A Expired - Fee Related JP2962443B2 (ja) 1991-11-20 1991-11-20 メッシュシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2962443B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4541502B2 (ja) * 2000-04-26 2010-09-08 キョーワ株式会社 生分解性建設工事用メッシュシート
JP4731282B2 (ja) * 2005-11-03 2011-07-20 福井ファイバーテック株式会社 シート類の接続具
JP5167905B2 (ja) * 2008-03-28 2013-03-21 東レ株式会社 産業資材用繊維構造物
KR102113279B1 (ko) * 2019-12-26 2020-05-22 한국에스티 주식회사 갱폼용 보호 망지

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6045632A (ja) * 1983-08-19 1985-03-12 帝人株式会社 熱成型用複合繊維構造物
JPH0178190U (ja) * 1987-11-10 1989-05-25
JPH02106477U (ja) * 1989-02-06 1990-08-23

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05141099A (ja) 1993-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10925339B2 (en) Cloth and fibrous product
KR100951190B1 (ko) 저융점 난연 폴리에스테르 복합가공사 및 원단과 이의제조방법
JPH08269841A (ja) 二次成形しうる熱安定化可能な開口を有する網状構造の構造物
KR100537872B1 (ko) 난연 폴리에스테르 섬유, 난연 폴리에스테르 섬유 직편물,난연 폴리에스테르 섬유 부직포 및 스웨이드 느낌의 기모직편물
MXPA04000420A (es) Estructura de superficie textil a prueba de fuego.
JP7281174B2 (ja) 芯鞘型複合熱接着性繊維
JP2001271270A (ja) 建築工事用メッシュシート及びその製造方法
JP2962443B2 (ja) メッシュシート
JP2010138537A (ja) 原着糸を含むスクリーン用生地
JP7301041B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維からなる繊維製品の染色方法および繊維製品
KR20080025495A (ko) 별형 심초형 폴리에스테르 복합섬유 및 이를 이용한 포백
JPH05287666A (ja) メッシュシート
JP3603477B2 (ja) 建築工事用メッシュシートおよびその製造方法
JP4449050B2 (ja) 土木用メッシュシート及びその製造方法
JP3502688B2 (ja) 熱接着性複合長繊維糸及びシート
JP2010537078A5 (ja)
JP2001303391A (ja) 建築工事用シート
JPH10102348A (ja) 建築工事用メッシュシート
KR102568523B1 (ko) 스트레오-컴플렉스 결정 구조를 갖는 고내열성 폴리락타이드 해도형 복합섬유를 이용한 다운자켓용 다중직 텍스타일의 제조방법
JPH08109541A (ja) 建築工事用メッシュ織物
JP2000017578A (ja) 鞄地およびそれを利用した鞄
KR102426439B1 (ko) 스트레오-컴플렉스 결정 구조를 갖는 고내열성 폴리락타이드 해도형 복합섬유를 이용한 다중직 텍스타일의 제조방법
JP4541502B2 (ja) 生分解性建設工事用メッシュシート
JPH1096135A (ja) メッシュシート
JP2722682B2 (ja) 非通気性シート

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees