JPH09227662A - 防水布及びその製造方法 - Google Patents

防水布及びその製造方法

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JPH09227662A
JPH09227662A JP8033304A JP3330496A JPH09227662A JP H09227662 A JPH09227662 A JP H09227662A JP 8033304 A JP8033304 A JP 8033304A JP 3330496 A JP3330496 A JP 3330496A JP H09227662 A JPH09227662 A JP H09227662A
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JP
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acid
waterproof cloth
glycol
polyester
less
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JP8033304A
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English (en)
Inventor
Reiichi Hazama
令一 波左間
Masahiko Miwa
正彦 三和
Kunihiro Ishikawa
州洋 石川
Yoshifumi Moriguchi
芳文 森口
Tadayuki Sakobe
唯行 迫部
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波ウェルダー接着性、耐水性、機械的強力
に優れ、かつ、軽量で扱いやすく、リサイクル活用が可
能な環境に優しい防水布及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステル繊維糸条で製編織されてな
る基布を、テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪族ジ
カルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖グリ
コールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエーテ
ルグリコールであるアルコール成分を用いて共重合し
た、極限粘度が0.4 〜1.5 の共重合ポリエステルにHL
B値15〜20の非イオン界面活性剤を混合溶融した
後、水またはアミン水溶液中に分散させ、固形分濃度25
%以上、溶液粘度1000cps 以上に調整した共重合ポ
リエステル乳化分散液により被覆加工し、該被覆体にお
いて高周波ウェルダー接着が可能であり、高周波ウェル
ダー接合部において該被覆体の引張強力に対し60%以上
の接着強力を有し、かつ、耐水圧が1000mmH2O 以上であ
ることを特徴とする防水布及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防寒防水布やター
ポリン、テント、トラック幌等の産業資材に用いること
のできる防水布及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から塩化ビニル系樹脂を被覆加工し
たターポリンやトラック幌等はよく知られている。これ
らはビニロン、ポリアミド、ポリエステル、アラミド等
の紡績糸または長繊維糸を用いて製編織した基布に、塩
化ビニル系樹脂をディッピング、コーティング及びラミ
ネーティング等の種々の方法により被覆加工を施して製
造されている。
【0003】塩化ビニル系樹脂が広く用いられている理
由としては、加工性が優れており、種々の加工方法が採
用でき、また、可塑剤の添加量により任意に樹脂の柔軟
性を調整できること、さらに軟質塩化ビニル系樹脂が高
周波ウェルダー接着加工による縫製を行い得ることが挙
げられる。
【0004】上記のごとく、塩化ビニル系樹脂加工は、
多くの長所を有しているが、塩化ビニル系樹脂で被覆さ
れている製品は、廃棄に際してハロゲン化合物であるこ
とから毒性が問題となり、また燃焼時に塩素が遊離し塩
酸になり、炉等を痛めることやダイオキシンの発生など
から近年、産業廃棄物問題で大きく取り上げられてい
る。また産業廃棄物のリサイクル活用方法も見いだされ
ていない。
【0005】さらに塩化ビニル系樹脂加工した防水布
は、耐久性向上のために樹脂付着量を多くせねばなら
ず、そのために製品目付が重くなり、作業をより効率的
に行うために、防水布の軽量化が期待されている。
【0006】このような問題を解決する方法としては種
々提案されており、その代表的なものとしてはアクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはオレフィン系樹脂等の
合成樹脂を被覆材料として用いる方法があるが、これら
の方法では内部の繊維と被覆樹脂が異なるためリサイク
ル活用が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたもので、高周波ウェルダー接着
性、耐水性、機械的強力に優れ、かつ、軽量で扱いやす
く、リサイクル活用が可能で環境に優しく柔軟性にも優
れた防水布及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するものであって、次の構成よりなるものであ
る。すなわち本発明は、ポリエステル繊維糸条で製編織
されてなる基布が、テレフタル酸とイソフタル酸または
脂肪族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の
直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまた
はエーテルグリコールであるアルコール成分からなる高
周波ウェルダー接着が可能な共重合ポリエステルにより
被覆された樹脂被覆体であり、高周波ウェルダー接着部
において該被覆体の引張強力に対し60%以上の接着強
力を有し、かつ、耐水圧が1000mmH2O 以上であるこ
とを特徴とする防水布及びその製造方法を要旨とするも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる共重合ポリエステルは、フェノール/四
塩化炭素(6/4) 中で測定した極限粘度が0.4〜1.5
であり、テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪族ジカ
ルボン酸である酸成分を用い、炭素数2〜6個の直鎖グ
リコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエー
テルグリコールをアルコール成分として用いて共重合し
たポリエステルである。脂肪族ジカルボン酸としてはア
ジピン酸、コハク酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸ま
たはそれらの低級アルキルエステルが使用される。また
炭素数2〜6個の直鎖グリコールとしてはエチレングリ
コール、1,4ブタジオール等が挙げられ、炭素数2〜
6個の側鎖グリコールとしては1,2プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,2ブタンジオール
等が挙げられ、さらに炭素数2〜6個のエーテルグリコ
ールとしてはジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール等が挙げられる。これらの酸成分の共重合割合
は、テレフタル酸成分と他の酸成分とがモル比で80:
20〜20:80、またアルコール成分の共重合割合
は、直鎖グリコールと他のグリコール成分とがモル比で
80:20〜20:80であるのが好適である。
【0010】本発明において、テレフタル酸とイソフタ
ル酸または脂肪族ジカルボン酸を酸成分として用い、炭
素数2〜6個の直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖
グリコールまたはエーテルグリコールをアルコール成分
として用いて共重合したポリエステルを被覆用樹脂とし
て用いるのは、酸成分の中にテレフタル酸やイソフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸をポリマー内部に存在させる
ことにより機械的物性を保持させ、脂肪族ジカルボン酸
を同時に重合させることによりポリマー自体に柔軟性を
付与することができ、その柔軟性はアルコール分の炭素
数により調整可能であるからであり、また、ポリマー内
にエーテル結合を多く含むことにより、柔軟性が付与さ
れ、炭素数2〜6個の直鎖または側鎖グリコールをポリ
エステルにエーテル結合で共重合させることにより、融
点が元のポリエステルより低くなるため高周波ウェルダ
ー接着加工がより容易にできる樹脂が得られるからであ
る。
【0011】該共重合ポリエステルに混合溶融するHL
B値15〜20の非イオン界面活性剤としては、オクチ
ルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール等の高級脂肪族アルコールの
エチレンオキサイド付加物をはじめとして高級脂肪族エ
チレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル
等が挙げられ、この非イオン界面活性剤を前記共重合ポ
リエステルに対して5〜35重量%、好ましくは20〜
30重量%添加して、なお好ましくは窒素ガスのような
不活性気体中で混合溶融する。この際の溶融温度は18
0〜250℃程度が好ましい。
【0012】共重合ポリエステルにHLB値15〜20
の非イオン界面活性剤を混合溶融して被覆剤として用い
ると、共重合ポリエステルの柔軟性を高め、被覆された
防水布の柔軟性をより向上させることができる。この混
合溶融体を水またはアミン水溶液中に攪拌しながら少量
ずつ添加することにより半透明または乳白色の共重合ポ
リエステル乳化分散液が得られる。この際使用するアミ
ンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンが好ましく、その濃度は0.
5〜5重量%程度が好ましい。また溶液粘度の調整や性
能向上のために共重合ポリエステルの性能を十分に保持
できる程度に、帯電防止剤、難燃剤、顔料、粘度調整剤
としてのアンモニア、ポリウレタン、ポリエーテルウレ
タン及びウェルダー性を考慮して界面活性剤や無機物錯
体等の導電性物質等を同時に添加してもよい。
【0013】該共重合ポリエステル乳化分散液の固形分
濃度は25%以上であり、25%未満であると、ポリエ
ステル基布に被覆する際に1回の被覆工程で塗布できる
量が少なくなり、加工工程上不利である。好ましくは3
0%以上である。
【0014】また該ポリエステル乳化分散体の溶液粘度
は、1000cps 以上であり、1000cps 未満である
とポリエステル基布内に浸透する可能性があり、引裂強
力を低下させるだけでなく、基布の表面に被膜形成しな
い可能性があるため、防水布としての耐水圧等の性能面
に懸念が残る。好ましくは2000cps 以上である。
【0015】本発明において、防水布の基布としては、
ポリエステル繊維糸条で製編織された編織物を用いる。
ポリエステル繊維糸条は、ポリエチレンテレフタレート
あるいはポリエチレンテレフタレートを主たる成分とし
ポリエチレンテレフタレートの特性を保持する程度に第
3成分を共重合もしくは混合したポリエステルを溶融紡
糸して作られる繊維糸条であり、長繊維糸もしくは短繊
維の紡績糸のいずれであってもよい。ポリエステル繊維
糸条には帯電防止剤、難燃剤及び顔料等が重合時あるい
は紡糸時に添加されてもよい。また該ポリエステル繊維
糸条は、相対粘度が1.30以上であるのが好ましく、
より好ましくは1.35以上である。相対粘度が1.3
0未満であると産業資材用途の防水布としての強度及び
過酷な条件下における耐久性が劣り防水布に求められる
基本的な物性が得られなくなる恐れがある。
【0016】また、基布は織物及び編物のどちらでもよ
く、用途に応じて所望の組織で製編織することができ
る。また基布に染色、難燃及び撥水等の要求される機能
に応じた加工を施すことも可能である。特に屋外で使用
される用途が多いため撥水加工を施したものは有利であ
る。
【0017】本発明における布帛を共重合ポリエステル
乳化分散液で被覆加工する方法は、特に限定するもので
はなく一般のコーティング法、ディッピング法及びトッ
ピング法等が使用できる。また付着量については基布の
繊度、密度により異なるが30g/m2以上、好ましくは5
0g/m2以上付与することにより、所望の耐水圧を容易に
得ることができる。
【0018】本発明の防水布は、高周波ウェルダー接着
加工が可能であり、該接合部において該防水布の引張強
力に対し60%以上のウェルダー接着強力を有し、70
%以上であるのが望ましい。60%未満であると防水布
として接合工程あるいは補修工程にミシン縫製工程を経
らなければならず、接合工程あるいは補修工程上不利で
ある。またミシン縫製工程を経たものはミシン縫製の際
に生じるミシン針による縫目が存在するため耐水圧の低
下を導く可能性があり、防水布の使用上好ましくない。
【0019】本発明においては、布帛を共重合ポリエス
テル乳化分散液で被覆加工することにより、得られた防
水布の耐水圧を1000mmH2O 以上とする。好ましくは
1200mmH2O 以上とする。1000mmH2O 未満である
と防水布として使用する際に水漏れする可能性があり、
好ましくない。
【0020】
【作用】本発明のごとく、ポリエステル繊維糸条で製編
織されてなる基布を、テレフタル酸とイソフタル酸また
は脂肪族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個
の直鎖グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールま
たはエーテルグリコールであるアルコール成分を用いて
共重合した、高周波ウェルダー接着可能な共重合ポリエ
ステルにHLB値15〜20の非イオン界面活性剤を混
合溶融した後、水またはアミン水溶液中に分散させ、固
形分濃度25%以上、溶液粘度1000cps 以上に調整
した共重合ポリエステル乳化分散液により被覆加工する
と、被覆樹脂は柔軟性に優れていて、加工布は高周波ウ
ェルダー接着性、耐水性、機械的強力に優れ、かつ、リ
サイクル活用が可能なポリエステル主体の加工品とな
り、環境に優しい防水布とすることができる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例における評価は下記の方法によって行った。
【0022】(1)相対粘度 (ηrel) ポリエステル繊維糸条を濃度0.05g/リットルになるよう
にフェノール/テトラクロロエタン(wt/wt=1/1)の溶
液に溶解し、20℃にて相対粘度を測定した。 (2)極限粘度([η]) フェノール/四塩化炭素に溶解し、20℃にて測定し
た。
【0023】(3)目付 JIS-L-1096 6.4.2法に準じて測定した。 (4)厚さ JIS-L-1096 6.5法に準じて測定した。 (5)引張強力・伸度 JIS-L-1096 6.12.1A法(ストリップ法)に準じ、3cm巾
にて測定した。 (6)引裂強力 JIS-L-1096 6.15.1A-1法(シングルタング法)に準じ、
3cm巾にて測定した。 (7)耐水圧 JIS-L-1092 低圧法に準じて測定した。
【0024】(8)ウェルダー接着強力 高周波ウェルダー接着機にLW−4000A(クイーン
ライト電子精工株式会社製)を用い、出力4kW 、電流値
0.3 アンペア、圧力2kg/m2、高周波発信時間3秒、融着
時間3秒間、冷却時間3秒間の条件で、3cm ×10cmの金
属バーを使用してウェルダー接着加工を行い、ウェルダ
ー接合部(3cm長)を含む3cm幅の試料にて、上記
(5)と同様の方法により引張強力を測定した。
【0025】(9)ウェルダー剥離強力 JIS-K-6854のT型剥離試験法に準じ,ウェルダー接着部
(3cm長)を含む3cm幅の試料の接着部の剥離強力を測
定した。
【0026】(10)スコット摩耗 JIS-K-6772に準じて、スコット摩耗機を用い、つかみ間
に試料2枚を1組として中表で固定し、両つかみの押圧
加重を2kgfにして4cm間の距離を、120 ±2 回/分の速
度で500 回往復摩擦した後の剥離状態を視察し、ひび割
れのないものを○、ひび割れのあるものを×とした。
【0027】実施例1 ジメチルテレフタレート70部、セバシン酸30部、エチレ
ングリコール55部、ネオペンチールグリコール45部をラ
ンダム重合させ、極限粘度が0.7 、ガラス転移点が5
℃、溶融点が 150℃の透明な共重合ポリエステルポリマ
ーを得た。上記ポリマーとオクチルアルコールのポリエ
チレンオキサイド付加物(HLB値17.0)8 部とを窒素
気流中で、 200℃にて撹拌しながら混合溶融した。この
混合溶融体を常温のモノエタノールアミンの1%水溶液
60部中に撹拌しながら滴下した。この乳化分散液は半透
明で粘度は10cps であった。また該分散液に粘度調整剤
として、 SN-シックナーA-804 (アニオン系及び非イオ
ン系特殊界面活性剤、サンノプコ株式会社製)を10部、
及び帯電防止剤として、NRE-9001(アマイド系界面活性
剤、竹本油脂(株)製)を3部添加し、溶液粘度 5000c
psの共重合ポリエステル乳化分散液を得た。
【0028】比較のために上記記載の透明なポリマーと
オクチルアルコールのポリエチレンオキサイド付加物
(HLB値14.0)を乳化剤として用いて同様な方法で乳
化分散を行ったが白濁し、良好な乳化分散液は得ること
ができなかった。
【0029】相対粘度1.38のポリエステル短繊維の紡績
糸20番手を2本合撚した糸条を経糸としてまた10番手を
緯糸に用いて平組織で経糸密度49本/吋、緯糸密度46本
/吋に製織した基布に、上記の共重合ポリエステル乳化
分散液をディッピングし、乾燥工程で 110℃×120 秒及
びキュア工程で 160℃×30秒間の加熱工程を通過させ
て、目付が300g/m2 の実施例1の防水布を得た。
【0030】実施例2 相対粘度1.58のポリエステル長繊維糸500d/96fを経糸及
び緯糸に用いて平組織で経糸密度46本/吋、緯糸密度4
6本/吋に製織した基布に、実施例1と同様の共重合ポ
リエステル乳化分散液をディッピングした後、乾燥工程
で 110℃×120秒及びキュア工程で 160℃×30秒間の加
熱工程を通過させ、目付が300g/m2 の実施例2の防水布
を得た。
【0031】比較例1 相対粘度1.38のポリエステル短繊維の紡績糸20番手を2
本合撚した糸条を経糸としてまた10番手を緯糸に用いて
平組織で経糸密度49本/吋、緯糸密度46本/吋に製織し
た基布に、下記組成1の塩化ビニル系樹脂組成物をディ
ッピングし、乾燥工程で 110℃×120 秒及びキュア工程
で 160℃×30秒間の加熱工程を通過させ、目付が300g/m
2 の比較例1の防水布を得た。
【0032】〔組成1〕 ・ゼオン121 50部 (日本ゼオン株式会社製塩化ビニル樹脂ペースト) ・フタル酸ジオクチル(可塑剤) 15部 ・フタル酸ジイソノイル(可塑剤) 15部 ・アデカ−0−130P 3部 (アデカ・アーガス化学株式会社製エポキシ系可塑剤) ・KV−62B−4 3部 (共同薬品株式会社製バリウム・亜鉛系安定剤) ・三酸化アンチモン(防炎剤) 7部 ・炭酸カルシウム(充填剤) 7部
【0033】比較例2 ジメチルテレフタレート70部、セバシン酸30部、エチレ
ングリコール55部、ネオペンチルグリコール45部をラン
ダム重合した、極限粘度が 0.7、ガラス転移点が5℃、
溶融点が 150℃の透明な共重合ポリエステルポリマーを
メチルエチルケトン/トルエン=5/5の溶液に溶解さ
せて、相対粘度が1.38のポリエステル短繊維の紡績糸20
番手を2本合撚した糸条を経糸としてまた10番手を緯糸
に用いて平組織で経糸密度49本/吋、緯糸密度46本/吋
に製織した基布にディッピングし、乾燥工程で 110℃×
120 秒及びキュア工程で 160℃×30秒間の加熱工程を通
過させ、目付が300g/m2 の比較例2の防水布を得た。
【0034】比較例3 テレフタル酸50部、イソフタル酸50部及びポリエチレン
テレフタレート100 部をランダム重合した、極限粘度が
0.87、ガラス転移点が5度、融点が 140℃の透明な共重
合ポリエステルポリマーをメチルエチルケトン/トルエ
ン=5/5の溶媒に溶解させて、相対粘度1.38のポリエ
ステル短繊維の紡績糸20番手を2本合撚した糸条を経糸
としてまた10番手を緯糸に用いて平組織で経糸密度49本
/吋、緯糸密度46本/吋に製織した基布にディッピング
し、乾燥工程で 110℃×120 秒及びキュア工程で 160℃
×30秒間の加熱工程を通過させ、目付が300g/m2 の比較
例3の防水布を得た。実施例1〜2及び比較例1〜3の
性能評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1にて明らかなごとく、本発明である実
施例1及び実施例2は、防水布の引張強力に対して60%
以上のウェルダー接着強力を保持していて、耐水圧が10
00mmH2O 以上であり、リサイクルが可能で環境に優しく
また引張強力等の機械的強度も優れており、防水布とし
て満足できる性能を有するものであり、代表的な従来技
術である塩化ビニル系樹脂で被覆した比較例1と比較し
ても物性上遜色のない軽量で柔軟な防水布として満足で
きる性能を有するものであった。比較例1は、塩化ビニ
ル系樹脂で被覆しているので、廃棄に際してハロゲン化
合物であることから毒性が問題となり、また燃焼時に塩
素が遊離し塩酸になり、炉等を痛めることやダイオキシ
ンの発生等産業廃棄物問題のあるものである。また、共
重合ポリエステルを被覆樹脂として用いるに際して、非
イオン界面活性剤を混合溶融した後、水またはアミン水
溶液中に分散させた方法を採らずに溶媒に溶解して用い
た比較例2及び比較例3は、風合が硬いためスコット摩
耗試験にてひび割れが生じ、産業資材用途の防水布とし
ては不適当なものであった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高周波ウェルダー接着
性、耐水性、機械的強力に優れ、かつ、軽量で扱いやす
いリサイクル活用が可能な環境に優しい防水布及びその
製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森口 芳文 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 迫部 唯行 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維糸条で製編織されてな
    る基布が、テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪族ジ
    カルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖グリ
    コールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエーテ
    ルグリコールであるアルコール成分からなる高周波ウェ
    ルダー接着が可能な共重合ポリエステルにより被覆され
    た樹脂被覆体であり、高周波ウェルダー接着部において
    該被覆体の引張強力に対し60%以上の接着強力を有
    し、かつ、耐水圧が1000mmH2O 以上であることを特
    徴とする防水布。
  2. 【請求項2】 経方向及び緯方向共に引張強力が100
    kgf/3cm 以上であり、かつ、経方向及び緯方向共に引裂
    強力が5kgf以上であることを特徴とする請求項1記載の
    防水布。
  3. 【請求項3】 目付が500g/m2以下で、かつ、厚さが
    0.7mm以下であることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の防水布。
  4. 【請求項4】 テレフタル酸とイソフタル酸または脂肪
    族ジカルボン酸である酸成分と、炭素数2〜6個の直鎖
    グリコールと炭素数2〜6個の側鎖グリコールまたはエ
    ーテルグリコールであるアルコール成分とを用いて共重
    合した、極限粘度が0.4〜1.5で高周波ウェルダー
    接着が可能な共重合ポリエステルにHLB値15〜20
    の非イオン界面活性剤を混合溶融した後、水またはアミ
    ン水溶液中に分散させ、固形分濃度25%以上、溶液粘
    度1000cps 以上に調整した共重合ポリエステル乳化
    分散液により、ポリエステル繊維糸条で製編織されてな
    る基布を被覆することを特徴とする防水布の製造方法。
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JP2003227068A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Toyobo Co Ltd 機能性コーティング布及びその製造方法
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