JPH06128391A - ポリエステル繊維とポリエステル系エラストマーとの接着方法 - Google Patents

ポリエステル繊維とポリエステル系エラストマーとの接着方法

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JPH06128391A
JPH06128391A JP4279956A JP27995692A JPH06128391A JP H06128391 A JPH06128391 A JP H06128391A JP 4279956 A JP4279956 A JP 4279956A JP 27995692 A JP27995692 A JP 27995692A JP H06128391 A JPH06128391 A JP H06128391A
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fiber
resin
elastomer
compound
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JP4279956A
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Kazuyuki Nakayama
和幸 中山
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ポリエステル繊維とポリエ
ステル系エラストマーとの接着に特定構造のポリアリル
アミン化合物を用いることによってリサイクル回収可能
な塩ビ樹脂複合材料を提供することにある。 【構成】 ポリエステル繊維に特定構造のポリアリルア
ミン化合物を含む剤を付与したのち加熱処理し、次いで
熱可塑性ポリエステル樹脂を主剤とし、多価イソシアネ
ート化合物を硬化剤として含む剤で処理し、しかるのち
ポリエステル系エラストマーと接着することを特徴とす
るポリエステル繊維とポリエステル系エラストマーとの
接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル繊維とポ
リエステル系エラストマーとの接着に有効な接着方法を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維があらゆる産業分野で
使用されていることは周知のところである。ポリエステ
ル繊維は、安価で且つ強力もあるために、これを補強材
としてポリウレタン系樹脂、含ハロゲン系ビニル樹脂、
あるいはエチレン酢ビ系樹脂と組み合わせることによっ
て、帆布、テント、ターポリン、養生シート等のシート
状膜構造体、レザー、合皮、食品ベルト、ホース等の広
汎な産業資材分野に使われている。例えばポリウレタン
系樹脂との複合材料は耐摩耗性が優れているために、食
品ベルトなどに使用されている。含ハロゲン系ビニル重
合体との複合材料は、その物理的性質及び加工性を改良
するために比較的多量に可塑剤その他の配合成分を加え
るので、耐熱性の面では劣るが、耐薬品性、電気絶縁性
を生かした用途に応用されている。また、エチレン酢ビ
系樹脂との複合材料はコンテナ用途で無毒性を重視する
分野に使われている。中でも特に、フレキシブルを有す
る膜材料として、ポリエステル系合成繊維を用いた基布
に、主としてポリ塩化ビニル樹脂を被覆した膜構造体分
野、例えばテント、コンテナ、ベルト等、その他ホース
類等各種用途へ大量に展開されている。
【0003】しかしながら、含ハロゲン化ビニル重合体
は、廃棄時に焼却すると塩素ガスやダイオキシン発生等
の大気汚染につながる公害問題を引き起こすため、もっ
ぱら埋め立て処分方式で対応しているのが現状である。
また、ポリウレタン系樹脂との複合材料は焼却するとシ
アンガス等の有毒ガスの発生、エチレン酢ビ系樹脂につ
いても、焼却処分で地球温暖化につながる炭酸ガス発生
は、避けられない。将来、製造販売元が引き取り処分の
負担を前提にして販売するシステムになることが予測さ
れる。各業界の動向として地球環境保全の観点から廃
棄、焼却処分方式から、資源のリサイクル化の方向へシ
フトして行かねばならない。
【0004】本発明者等は、以上の観点から鋭意検討し
た結果、使用済みの商品をエステル加水分解および分離
精製によってモノマー原料を回収し、再合成することが
できるポリエステル系合成繊維とポリエステル系エラス
トマーとの接着に有効な接着方法を考案した。これによ
ってリサイクル可能な膜構造体、ホース、ベルト等の複
合材料を開発することができる。しかしながら、複合材
として優れた物理的補強性能を発揮するポリエステル繊
維材料は、一方ではその化学構造に起因して、表面が不
活性でポリエステル系エラストマーとの接着性は困難と
されており、不安があるため、更に一段と接着のレベル
アップが望まれているのが現状である。これを克服する
手段としては一般には、 (1)帆布の目付を低くして帆布の両面に樹脂膜を形成
させる方法、即ち織物の目の間隙を通して熱融着させブ
リッジを形成せしめる方法。 (2)帆布を構成する繊維形態を紡績糸等として毛羽立
ち、バルキー化させ、加工時に溶融した樹脂を単糸間隙
に浸透せしめることによるアンカー効果によって接着を
向上せしめる方法。 (3)プラズマ処理で表面を接着しやすくする方法等が
専ら提案されている。
【0005】以上の物理的方法のほかに以下に示す化学
的方法、即ち (4)熱可塑性ポリエステル接着剤にポリイソシアネー
トを単独添加したものを有機溶剤溶液系でアンダーコー
トする場合、あるいはポリエステルの末端基と反応性の
強い化合物を併用することにより更に接着性と接着疲労
性を改良する提案等がなされている。あるいは、 (5)樹脂で被覆する前の布帛をポリエチレンイミンで
処理する方法等の提案がなされている。
【0006】しかし以上に述べた方法を用いた製品にお
いても、繊維と樹脂類との接着が不十分なために長期使
用に際し、繊維と樹脂との剥離がおこり種々のトラブル
が発生している。以下具体的に示すと、ブリッジ効果や
アンカー効果等を利用するものについては織物組織の空
隙あるいは毛羽などを利用するが、高密度の織物や毛羽
の少ない布帛ではその効果が発揮できなくなる。更にフ
ィラメント使いの帆布では織目のあらい低目付の織物で
も繊維との接着が良くないために、繊維と樹脂との剥離
現象という品質問題が顕在化することがある。例えばベ
ルトの場合、屈曲の繰り返しによって剥離現象を起こ
す。また、ターポリン用途のように目付が低く且つ織目
のあらい織物は両面からの樹脂融着によるブリッジ形成
によって複合材料としての機能を発揮するが、「ハタメ
キ」あるいは「伸び縮みの繰り返し」等、長期間使用に
よって受ける外力によって疲労し、これによって樹脂か
らフィラメントのスッポヌケや帆布の破損などのトラブ
ルが発生する。
【0007】一方、フィラメント帆布は勿論のことスパ
ン帆布でもポリエステル系エラストマーとの接着を要求
される分野においては物理的効果以外に界面接着の向上
をはかるため、接着剤のプレコートあるいはポリエステ
ル系エラストマー中へポリイソシアネートの添加を行う
場合がある。かかる場合でも接着性が向上する反面、製
品自体の風合が硬くなったり、引き裂き強度が大幅に低
下したりする等の問題が発生する場合が多い。一方引き
裂き強度を高めるためにポリエステル系エラストマー中
のポリイソシアネート類の割合を減少させると接着強度
が著しく低下してくる。またポリエステル系エラストマ
ーで被覆する前にポリエステル繊維をポリアルキレンイ
ミンの溶液で処理する方法が提案されている(特公昭4
0―17131号公報、特公昭46―41450号公
報、特開昭49―7108号公報、特開昭49―477
5号公報、特開昭49―11928号公報、特開昭55
―36398号公報、特開昭59―94640号公報、
特公昭53―37473号公報等)。しかしながら、ポ
リアルキレンイミン等で処理するとポリエステル繊維か
らなる布帛を著しく着色させ、通常この着色が黄色又は
黄褐色を呈するため、色相の薄いものあるいは透明感の
ある樹脂複合体では最終製品の外観への影響があり実用
上問題となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリエステル
繊維とポリエステル系エラストマーとから複合材料を得
る場合に製品の引き裂き強度の物性を損なわずに、且つ
経時着色の変化が小さく、ポリエステル繊維とポリエス
テル系エラストマーとの接着に有効な接着方法を提供す
ることを目的としたものである。即ち本発明は、ポリエ
ステル繊維に下記一般式
【0009】
【化2】
【0010】の基本骨格で示されるポリアリルアミン化
合物を含む剤を付与したのち加熱処理し、次いで熱可塑
性ポリエステル樹脂を主剤として、多価イソシアネート
化合物を硬化剤として含む剤で処理し、しかるのちポリ
エステル系エラストマーと接着することを特徴とするポ
リエステル繊維とポリエステル系エラストマーとの接着
方法である。
【0011】ここにポリエステル繊維とはポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートの如き芳香
族、ナフタレン環含有線状ポリエステルの繊維、その他
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールの
如きグリコールの一種又はそれ以上と、例えばテレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸の如き芳香族又は脂肪族のジカルボン酸、又はこれ
らの誘導体の一種又はそれ以上と反応させて得られる線
状ポリエステルから得られる繊維である。カルボキシホ
スフィン酸の如きリン元素含有化合物を重合体分子中に
含有せしめた線状ポリエステルよりなる繊維も好まし
い。繊維形態は、フィラメント状、ヤーン状、コード
状、織物状もしくは編物状など如何なるものでも良い。
【0012】本発明におけるポリエステル系エラストマ
ーとは、例えばその分子内に結晶性の硬いポリエステル
部分(ハードセグメント)と非晶性の柔らかいポリエー
テル(ソフトセグメント)あるいは非晶性の柔らかいポ
リエステル(ソフトセグメント)とを合わせ持つランダ
ム及び/又はブロック共重合ポリエステルである。ハー
ドセグメントとしては具体的には、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレート、ポリ
―1,4―シクロヘキシルジメチレンテレフタレート、
ポリ―1,4―シクロヘキシルジメチレン―2,6―ナ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレ
ン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート、4,4″
―ジヒドロキシ―p―ターフェニル、4,4′″―ジヒ
ドロキシ―p―クォーターフェニル、4,4′″―ジ
(2―ヒドロキシエトキシ)―p―クォーターフェニル
等である。
【0013】ソフトセグメントとしては、ポリ(オキシ
―1,2―プロピレン)グリコール、エチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重
合体、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランのブロ
ック又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコ
ールの如き脂肪族ポリエーテル及び/又はガラス転移温
度が−10℃以下のポリエステル等があげられる。
【0014】その他上記ポリ脂肪族ジオールの構成成分
としては、グリコール、およびポリアルキレンオキシド
があげられる。上記グリコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,3―ブタンジオール、1,5―ペンタンジオー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,7―ヘプタンジオ
ール、1,8―オクタンジオール、1,9―ノナンジオ
ール、1,10―デカンジオール、シクロペンタン―
1,2―ジオール、シクロヘキサン―1,3―ジオー
ル、シクロヘキサン―1,4―ジオール、シクロヘキサ
ン―1,4―ジメタノール等があげられ、これらは単独
で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。上
記ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオ
キシド、ポリヘキサメチレンオキシド等があげられ、そ
の他、アジピン酸、セバシン酸等の炭素数2〜12の脂
肪族ジカルボン酸等もあげられる。これらは単独で使用
されてもよく、2種以上が併用されてもよい。ポリアル
キレンオキシドの数平均分子量は小さくなると精製する
ポリエステルに柔軟性を付与する能力が低下し、大きく
なりすぎると、得られたポリエステルの熱安定性などの
物性が低下するので、100〜20000が好ましく、
より好ましくは500〜5000である。
【0015】基本骨格にさらに新規の改質剤を添加又は
共重合成分を導入して、耐熱性、耐候性さらには耐油
性、耐疲労性、難燃性を付与してもよい。例えば、カル
ボキシホスフィン酸の如きリン元素含有化合物を重合体
分子中に含有せしめた線状ポリエステルなども好まし
い。
【0016】本発明におけるポリアリルアミン化合物と
はアリルアミンの重合体で側鎖にアミノ基を有し、一般
式が
【0017】
【化3】
【0018】の基本骨格で、ペンダント基を有するポリ
マーである。ポリアリルアミン化合物の数平均分子量M
nは2000〜100000で好ましくは2500〜5
0000である。合成方法は特開昭58―201811
号公報に示されている通りで、例えばモノアリルアミン
化合物の無機酸塩を極性溶媒中で分子中にアゾ基とカチ
オン性の窒素原子を持つ基とを含むラジカル開始剤の存
在下で重合させる。ポリアリルアミン化合物は重合した
ポリアリルアミン化合物の無機酸塩を強塩基性イオン交
換樹脂をとおして無機酸を除去するか又はアルカリ(例
えば苛性ソーダ)によってできる中和塩水溶液を透析す
ることによってつくられる。ポリアリルアミン化合物は
ラジカル重合法によって製造されるのでMnが2000
未満の低分子量領域では安定した製品を得ることが難し
い。一方Mnが100000を超える場合でも繊維と被
覆樹脂との接着性は向上するが、しかし処理剤粘度が増
加して取扱い性が低下する。
【0019】ポリアリルアミン化合物を付与するための
方法は、特に限定されない。種々の重合度のポリアリル
アミン化合物を含む剤を、水又はアルコール類等の有機
溶剤の単独又は混合溶媒溶液で、繊維を処理することが
できる。一方、ポリアリルアミン化合物を含む処理液と
してはポリアリルアミン化合物の単独、あるいはポリア
リルアミン化合物を繊維に均一に付着せしめるための油
剤、濡れ向上剤等を併用することができる。例えばポリ
エチレンオキサイド付加高級アルコールエーテル等の非
イオン型界面活性剤等阻害しない限り必要に応じて適宜
使用することができる。また、本発明のポリエステル繊
維には必要に応じて接着を阻害しない限りにおいて公知
の油剤を適宜使用してもよい。
【0020】油剤は、例えば紡糸油剤として 延伸時に必要な、適切な潤滑性、集束性を付与させ
るための剤。例えば、鉱物油、エステル類などの平滑
剤、ポリエチレンオキサイド付加高級アルコールエーテ
ル、ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイ
ドの共重合体等の非イオン型界面活性剤あるいはイオン
性界面活性剤等を接着を阻害しない限り必要に応じて適
宜使用することができる。 また更に接着レベルを向上させるために脂肪族ポリ
エポキシ化合物及び、該ポリエポキシ化合物の乳化分散
剤であり、且つ該ポリエポキシ化合物の繊維糸条への均
一拡展性を向上せしめる成分としてアルキルスルホネー
ト系、アルキルサルフェート系、アルキルホスフェート
系のアニオン界面活性剤あるいはそれらのポリアルキレ
ンオキサイド付加体、その他、アルキルエーテル類、ア
ルキルエステル類を含めることができる。
【0021】ポリアリルアミン化合物の付着量は0.1
〜5.0重量%である。好ましくは0.1〜1.8重量
%である。総付着量が0.1重量%未満では樹脂との接
着が不十分である。一方、5.0重量%を越える場合で
も接着力を発揮するが、付着量の増加に伴う接着力向上
効果がそれほど期待できず、むしろケミカルコストが増
すので経済性の面から好ましくない。ポリアリルアミン
化合物を含む処理液は、走行ヤーンに付与する方法、撚
糸の段階あるいは撚糸後に付与する方法、コード、ロー
プ、織編物の布帛へ含浸処理するなど適宜選択すればよ
い。
【0022】ポリアリルアミン化合物を含む剤を付与
し、次いで、加熱処理を行う。熱処理条件は下記の条件
である。 110≦T≦−34.5+283.5 T=繊維の雰囲気温度(℃) t=熱処理時間(分) 但し0.013≦t
【0023】T<110℃では乾燥不足となりガイド類
に粘着スカムが蓄積するなど工程上の問題がある。また
剤の繊維への収着が充分達成されないため、樹脂との接
着性が充分発揮できないという品質上の問題がある。ま
た、T>−34.5t+283.5ではポリアリルアミ
ン化合物の1級及び2級アミノ基の熱酸化劣化を促進さ
せるので樹脂との接着性が充分発揮されない。本発明の
範囲の加熱処理を行うことによってポリアリルアミンを
熱酸化劣化させることなく、ポリアリルアミン化合物を
繊維表面に高密度で効果的に収着させ、且つ樹脂との高
接着性を満足させることができる。また、従来のアミン
化合物では不可避であった黄変着色を抑制した繊維を得
ることができる。なお、ポリアリルアミン化合物の1級
及び2級アミノ基は、ニンヒドリン呈色反応に陽性を示
すことからも確認することができる。
【0024】次いで、熱可塑性ポリエステル樹脂にポリ
イソシアネート化合物を混合してなるポリエステル系接
着剤をプレコートする。本発明において用いられるポリ
エステル系熱可塑性樹脂としては二塩基酸と炭素数が2
〜15のグリコール、オキシ酸を適当に選択、組合せて
常法により重縮合したものが挙げられる。二塩基酸の具
体例としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、コハク酸、ピメリン
酸、スペリン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基性酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸等の脂環族二塩基性酸が挙げられ
る。またグリコールとしては、例えばエチレングリコー
ル、1,4―ブタンジオール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4―シクロヘキサン
ジメタノール、1,4―ビスオキシエトキシベンゼン、
ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等があり、オキ
シ酸としては、p―オキシ安息香酸、1,2―ヒドロキ
システアリン酸、p―β―オキシエトキシ安息香酸等が
挙げられる。更にこれらの二塩基酸、グリコール、オキ
シ酸の他に、3価以上のエステル形成性化合物を必要に
応じて加えて製造された熱可塑性ポリエステル樹脂も本
発明に使用することができ、かかる化合物としては例え
ば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
グリセリン、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げ
られる。本発明において用いられる熱可塑性ポリエステ
ル樹脂のうち、好ましいものは、重量平均分子量が80
00〜100000のものであり、より好ましいもの
は、15000〜80000のものであって、融点が好
ましくは60〜250℃、より好ましくは80〜150
℃のものであり、水酸基価は1.0〜14.0(KOH
mg/g)のものが好ましく、より好ましくは1.4〜
8.0のものである。構成成分としては酸成分としてテ
レフタル酸残基を20〜100モル%含み、ポリオール
成分としてエチレングリコール残基とネオペンチルグリ
コール残基とを合わせて、40〜100モル%含有する
ものが好ましい。また通常ランダム共重合した熱可塑性
ポリエステル樹脂が用いられるが、ブロック状のもので
も差し支えない。
【0025】硬化剤として用いられるポリイソシアネー
ト化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート
基をもつ化合物で例えば、2,4―トリレンジイソシア
ネート、2,6―トリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタン―4,4′―ジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート又はこれらの混合物、これ
らのポリイソシアネート化合物をポリオールに付加せし
めてなるアダクトイソシアネート、又はポリイソシアネ
ートの重合体を挙げることができ、また末端基としてイ
ソシアネート基をもつウレタンプレポリマーを用いるこ
とができる。
【0026】熱可塑性ポリエステル樹脂にポリイソシア
ネート化合物を配合することによって接着剤としての機
能を持つようになる。その配合量は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂100重量部に対して、ポリイソシアネート化
合物が2〜60重量部とするのが好ましく、より好まし
くは5〜30重量部である。ポリイソシアネートの熱可
塑性樹脂への配合方法は通常の方法でよい。例えば溶液
として使用する場合であれば常温常圧で通常の攪拌槽で
均一に混合する。
【0027】接着に際しては、該接着剤を、通常トルエ
ン、メチルエチルケトン、クロロホルム、ジオキサン等
の溶媒に5〜30重量%の濃度で溶解し、よく混合した
後、被着物接着面に均一に塗布したのち乾燥する。塗布
は、走行ヤーンに付与する方法、撚糸の段階あるいは撚
糸後に付与する方法、コード、ロープ、織編物の布帛へ
含浸する方法など適宜選択すればよい。
【0028】かかる配合は使用の直前に行うのが好まし
い。このようにして得られた接着剤を、ポリアリルアミ
ンを処理したポリエステル繊維に塗布した後、常温〜2
00℃、好ましくは50〜150℃で乾燥する。接着剤
を塗布した布帛を100〜300℃、好ましくは150
〜250℃の温度に加熱して、しかる後ポリエステル系
エラストマーと接着する。ポリエステル系エラストマー
との接着方法はポリエステル系エラストマー溶液を布帛
にコーティング、布帛を溶液にディッピングあるいはポ
リエステル系エラストマーフイルムを布帛に圧着したの
ち加熱処理を行う。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によって得られたポリエス
テル系エラストマーとポリエステル繊維とからなる複合
材料は、製品の引き裂き強度の物性を損なわずに繊維と
被覆樹脂との高い接着性を有するので、ポリ塩化ビニル
樹脂を使用した複合材料の代替品として、帆布、ターポ
リン、コンテナ等の商品群へ展開することができ、リサ
イクル可能な地球にやさしい商品を提供できる。
【0030】次に実施例を掲げて本発明を詳述するが、
本発明はそれに何等限定されない。
【0031】
【実施例1〜2、比較例1〜2】1000デニール/1
92フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の
平織布(目付=250g/m2 )に、ポリアリルアミン
化合物の3%水溶液を塗布し150℃で1分間乾燥し
た。剤及び付着量の内容は表1に示す。次いで表1に示
す前処理布帛に、PES―326SK(東亜合成化学工
業(株)製、熱可塑性ポリエステル樹脂で、トルエン及
びメチルエチルケトンの25%溶液)100部に対して
コロネートHL(日本ポリウレタン工業(株)製でヘキ
サメチレンジイソシアネート(HMDI)のトリメチロ
ールプロパンアダクト体)5部を加え、固着量が5重量
%となるように塗布した。この布帛を防爆型高圧スチー
ム熱源の乾燥機を用い140℃で30秒間乾燥して溶剤
を除去した後、160℃で1分間加熱した。更にポリテ
トラメチレンテレフタレート25部と、ジメチルイソフ
タレート、ジメチルテレフタレート、ジメチルセバケー
ト(モル比6:1:3)及びヘキサメチレングリコール
から得られる、ポリエステル75部とを反応させて得ら
れた融点(示差走査型熱量計で20℃/分の昇温速度で
測定した吸熱ピークの頂点温度)175℃のブロックポ
リエステルを通常のカレンダー法により押し出し、厚さ
0.5mmの被膜を加熱押出して作成したポリエステル系
エラストマーの未延伸フイルムを圧着加熱(180℃、
1分)処理し、ポリエステル繊維とポリエステル系エラ
ストマーとの接着布を得た。繊維とポリエステル系エラ
ストマーとの接着力はJIS6329―1968(ゴム
引布)の6,3,7(剥離試験―180°)の方法に準
じて測定した。測定結果は表1に記す。接着布の剥離力
は比較例として示した未処理布帛に対する指数換算値で
示した。剤及び付着量の内容は表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【実施例3〜4、比較例3〜4】実施例1〜2で使用し
たポリアリルアミン化合物の2%水溶液を実施例1の布
帛に塗布し、140℃で1分間乾燥した。剤及び付着量
の内容は表2に示す。次いで前処理した布帛にPES―
326SK100部に対しコロネートL(日本ポリウレ
タン工業(株)製でトリレンジイソシアネートのトリメ
チロールプロパン付加体)5部を加え、固着量が7重量
%になるように塗布した。この布帛を防爆型高圧スチー
ム熱源の乾燥機を用い140℃で30秒間乾燥して溶剤
を除去した後160℃で1分間加熱した。更にポリテト
ラメチレンテレフタレート25部と、ジメチルイソフタ
レート、ジメチルテレフタレート、ジメチルセバケート
(モル比6:1:3)及びヘキサメチレングリコールか
ら得られる、ポリエステル75部とを反応させて得られ
た融点(示差走査型熱量計で20℃/分の昇温速度で測
定した吸熱ピークの頂点温度)175℃のブロックポリ
エステルを通常のカレンダー法により押し出し、厚さ
0.5mmの被膜を加熱押出して作成したポリエステル系
エラストマーの未延伸フイルムを圧着加熱(180℃、
1分)処理し、ポリエステル繊維とポリエステル系エラ
ストマーとの接着布を得た。繊維とポリエステル系エラ
ストマーとの接着力はJIS6329―1968(ゴム
引布)の6,3,7(剥離試験―180°)の方法に準
じて測定した。測定結果は表1に記す。接着布の剥離力
は比較例として示した未処理布帛に対する指数換算値で
示した。剤及び付着量の内容は表2に示す。
【0034】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 25/08 C08L 67:00 D06M 101:32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維に下記一般式 【化1】 の基本骨格で示されるポリアリルアミン化合物を含む剤
    を付与したのち加熱処理し、次いで熱可塑性ポリエステ
    ル樹脂を主剤として、多価イソシアネート化合物を硬化
    剤として含む剤で処理し、しかるのちポリエステル系エ
    ラストマーと接着することを特徴とするポリエステル繊
    維とポリエステル系エラストマーとの接着方法。
  2. 【請求項2】 ポリアリルアミン化合物の数平均分子量
    が2000〜100000、好ましくは2500〜50
    000である請求項1に記載のポリエステル繊維とポリ
    エステル系エラストマーとの接着方法。
  3. 【請求項3】 ポリアリルアミン化合物の付着量が0.
    01〜5.00重量%である請求項1または2に記載の
    ポリエステル繊維とポリエステル系エラストマーとの接
    着方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部
    に対しポリイソシアネート化合物が2〜60重量部であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維と
    ポリエステル系エラストマーとの接着方法。
  5. 【請求項5】 加熱処理が、実質糸表面温度が110〜
    200℃である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    ステル繊維とポリエステル系エラストマーとの接着方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08142290A (ja) * 1994-11-15 1996-06-04 Maruyama Kogyo Kk 繊維補強シートおよびその製造方法
WO2005058598A1 (en) * 2003-12-12 2005-06-30 E.I. Dupont De Nemours And Company Use of pet film primed with polyallylamine coatings in laminated glass glazing constructions
JP2013539421A (ja) * 2010-08-02 2013-10-24 ノベル ポリマー ソリューションズ リミテッド 複合部材及びその製造方法

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