JPH07268314A - 防汚剤、防汚性ポリエステル組成物およびそれよりなる繊維 - Google Patents

防汚剤、防汚性ポリエステル組成物およびそれよりなる繊維

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JPH07268314A
JPH07268314A JP6116394A JP6116394A JPH07268314A JP H07268314 A JPH07268314 A JP H07268314A JP 6116394 A JP6116394 A JP 6116394A JP 6116394 A JP6116394 A JP 6116394A JP H07268314 A JPH07268314 A JP H07268314A
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polyester
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fiber
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Toru Takase
透 高瀬
Motoyoshi Suzuki
東義 鈴木
Takanori Urasaki
隆徳 浦崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、新規な防汚剤を提供するこ
とである。 【構成】 炭素数4〜5の共役ジエンの水素添加反応物
を骨格とし、末端基として少なくとも1個のヒドロキシ
ル基を有するヒドロキシポリオレフィンのアルキレンオ
キサイド付加物を主成分とする防汚剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防汚剤に関するものであ
り、さらに詳しくは改善された常温イソルリリース性を
有する防汚性ポリエステル組成物およびそれよりなる繊
維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は寸法安定性に優れ、
強くかつしわになりにくい等の優れた特性を有すること
から、衣料のあらゆる分野で活用されている。特に近
年、病医院、食品産業、オフィス等で多様なユニフォー
ムが利用されるようになり、ポリエステル繊維のテキス
タイルユニフォーム分野への展開もめざましいものがあ
る。しかしながら、このような優秀な特性を持つポリエ
ステル繊維も、疎水性であるため吸水性、吸湿性に著し
く劣り、木綿等の親水性繊維に比較して油性汚れが付着
しやすく除去しがたく洗濯中に再汚染しやすいという問
題点がある。これはポリエステル繊維がテキスタイルユ
ニフォーム分野へ展開されて以来常に提起されてきた問
題であり、これを解消するため多くの方法が提案されて
いる。
【0003】ポリエステルを親水化する方法としてはポ
リエチレングリコールをポリエステルに共重合する方法
が知られているが、その効果は比較的小さいものにとど
まっている。そこで種々の変性ポリエーテルが提案され
ており、例えばポリオキシエチレングリコールフェニル
グリシジルエーテル(特開平1―236236号公報参
照)あるいはポリオキシエチレングリコールメチル1,
2―ジヒドロキシプロピルエーテル(特開平1―234
420号公報参照)を共重合することにより吸水性、吸
汗性に優れたポリエステルが得られることが開示されて
いる。この方法によってもレギュラー製品に比較して優
れた防汚性を十分な洗濯耐久性を有しつつ付与すること
ができる。しかしながら、十分に満足できる効果を得る
ためにはこれら剤を多量に共重合しなければならず、そ
の結果最終的に得られる共重合ポリエステル繊維の物性
低下が著しく実用には耐えがたいことが分かった。さら
に、これらのポリエーテルをポリエステルに共重合する
場合の大きな問題点として重合時にポリマーが黄色に着
色するという問題があり、繊維製品としては好ましくな
いのが実情であった。
【0004】この中で本発明者らは、エチレンオキサイ
ドに特定のオレフィンオキサイドを共重合し水不溶化さ
せたポリオキシエチレン系ポリエーテルをポリエステル
中にブレンドすることにより、得られた組成物の制電
性、吸汗性、防汚性等が著しく向上することを見いだし
た(特開平2―269762号、特開平3―18254
6号参照)。しかしながらこの方法においては、ポリエ
ーテルがポリエステル中に単に物理分散されているにす
ぎないため、洗濯耐久性に乏しかった。また、上記技術
によって得られたポリエステル繊維の防汚性をJIS評
価法で定められた40℃の温水中で洗濯し評価した場合
には優れたソイルリリース性を示すものの、実用上一般
に家庭で行なわれる常温の水道水で洗濯した場合ソイル
リリース性が十分に発揮されないという問題点があるこ
とが判った。
【0005】
【発明の目的】そこで本発明者らは、十分な洗濯耐久性
を有する防汚性ポリエステル、特に40℃の温水中のみ
ならず、一般家庭の洗濯に用いられる常温水で洗濯した
場合にも優れたソイルリリース性を発現する防汚性ポリ
エステル組成物およびそれよりなる繊維を提供すること
を目的として鋭意検討した。その結果、これまでシーリ
ング剤、コーティング剤およびワックス用として知られ
ていたポリヒドロキシ/ポリオレフィンにアルキレンオ
キサイドを付加したとき、この付加物は前記機能、用途
とは全く異なって、合成樹脂に対して顕著に改善された
防汚性を与えることを究明し、本発明に到達した。
【0006】
【発明の構成】すなわち、本発明は、炭素数4〜5の共
役ジエンの水素添加反応物を骨格とし、末端基として少
なくとも1個のヒドロキシル基を有するヒドロキシポリ
オレフィンのアルキレンオキサイド付加物を主成分とす
る防汚剤、該防汚剤が含有されてなる防汚性ポリエステ
ル組成物およびそれよりなるポリエステル繊維である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明の防汚剤は、炭素数4〜5の共役ジ
エンの水素添加反応物を骨格とし、末端基として少なく
とも1個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシポリ
オレフィンのアルキレンオキサイドとのブロック共重合
体である。該共重合体の分子量は1000〜15000
であることが好ましく、2000〜10000であるこ
とが特に好ましい。
【0009】ポリヒドロキシポリオレフィン炭素数4〜
5の共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等が挙
げられるが、耐熱安定性やポリエステルに対する良好な
分散性を保持させるため、ブタジエン成分が75%以上
含まれているものが好ましく、95%以上含まれている
ことが特に好ましい。また、ブタジエンの結合形式とし
て1,2―付加体と1,4―付加体とが存在するが、そ
のモル比は任意に定められる。
【0010】ポリヒドロキシポリオレフィンの分子内に
残存する二重結合は耐熱性悪化の原因となるので水素添
加されていることが必要であるが、二重結合の全存在に
対して好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以
上水素添加されていることが望ましい。末端基として
は、少なくとも1個のヒドロキシル基を有することが必
要であり、1分子中に1〜3個有することが好ましい。
【0011】一方、アルキレンオキサイドは上記ポリヒ
ドロキシポリオレフィン100重量部に対して50〜4
00重量部、好ましくは100〜260重量部ブロック
共重合される。アルキレンオキサイド共重合量が50重
量部より少いと親水性が効果的に発現せず、400重量
部より多いと抗酸化性が劣るようになる。
【0012】ポリヒドロキシポリオレフィンの分子量は
2000〜3000であることが好ましい。
【0013】アルキレンオキサイドはエチレンオキサイ
ド(以下EOという)及び/又はプロピレンオキサイド
(以下POという)より構成されEO/POの割合は1
00/0〜50/50、好ましくは100/0〜75/
25である。PO成分の共重合は剤のアルキレンオキサ
イド鎖の結晶性を低下させるため、低温における分子鎖
の運動性を高めるが、割合が50より多いと親水性がか
えって低下し、汚れの除去性が劣るようになるため好ま
しくない。
【0014】上記に示されたポリヒドロキシオレフィン
のアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、いか
に示されるもの等があげられる。
【0015】
【化1】
【0016】(ここでmは平均20〜200、nは正の
整数。m1 、m2 はm1 +m2 =mとなる正の整数であ
って、m1 /(m1 +m2 )が80%以上となる条件を
満足する。なお、m1 で括られたユニットとm2 で括ら
れたユニットはランダムないしブロック共重合又はそれ
らの混合であってもよい。)およびこれらの化合物のエ
チレンオキサイドが上記の割合の範囲でプロピレンオキ
サイド共重合となった化合物。
【0017】本発明の防汚剤は、既知の方法で製造でき
る。例えば市販の低分子量ポリヒドロキシポリオレフィ
ン(「ポリテール―H」(三菱化成工業製)等)に塩基
性触媒を用いてEO及び/又はPOを開環付加すること
により容易に製造することができる。この重合過程は段
階的に進行することが知られており、任意の段階でEO
ならびにPOの組成及び仕込み量を調節することにより
目的に応じた分子量及びモノマー配列を有する化合物を
生成させることが可能である。得られた化合物のEO及
びPOの付加量は末端水酸基を定量することにより容易
に算出することができる。
【0018】本発明において、上記防汚剤が含有されて
なるポリエステル組成物は、エチレンテレフタレートを
主たる構成単位とするポリエステルに対して上記防汚剤
を0.2〜20重量%、好ましくは0.5〜5重量%含
有されてなる組成物である。
【0019】本発明の防汚剤の使用量は、0.5重量%
より少ないと最終的に得られる成形品の防汚性が不十分
となり、逆に20重量%より多いと最終的に得られる成
形品の物性が悪化するようになる。特に繊維の場合20
重量%より多いと耐光性が悪くなる。
【0020】上記ポリエステルは、その酸成分であるテ
レフタル酸の一部を他の二官能性カルボン酸で置き換え
てもよい。このような他のカルボン酸としては、例えば
イソフタル酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸、β―オキシエトキシ安息
香酸、p―オキシ安息香酸のごとき二官能性芳香族カル
ボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸のごとき二
官能性脂肪族カルボン酸等を挙げることができる。ま
た、エチレングリコール成分の一部を他のグリコール成
分で置き換えてもよく、かかるグリコール成分として
は、例えばトリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール等、及び他のジオール化合物、例えばシクロ
ヘキサン―1,4―ジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂
肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物、両末端が未封
鎖のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
【0021】かかるポリエステルは任意の方法によって
製造することができる。例えば、ポリエチレンテレフタ
レートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレング
リコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル
酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級アルキルエステ
ルとエチレングリコールとをエステル交換反応させる
か、又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応さ
せるかして、テレフタル酸のグリコールエステル及び/
又はその低重合体を生成させる第1段の反応、次いでか
かる生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重
縮合反応させる第2段の反応とによって容易に製造され
る。
【0022】本発明の防汚剤をポリエステルに添加する
には、前述したポリエステルの合成が完成する以前の任
意の段階、例えば第1段の反応開始前、反応中、反応終
了後、第2段の反応中などの任意の段階で添加し添加後
に製造反応を完結すればよい。
【0023】なお、必要に応じて安定剤、艶消剤、酸化
防止剤、蛍光増白剤、触媒、着色防止剤、耐熱剤、着色
剤、無機粒子、イオン性帯電防止剤等を併用してもよ
い。
【0024】また、本発明の防汚剤はポリエステル意外
にポリアミド等の他の熱可塑性樹脂に含有せしめること
もできる。
【0025】このようにして得られたポリエステル組成
物は、繊維、フイルム、樹脂等種々の成形品とすること
ができる。
【0026】例えば繊維製造方法としては、特別な方法
を採用する必要はなく、従来公知の方法を任意の条件で
採用することができる。例えば500〜2500m/分
の速度で溶融紡糸し、延伸、熱処理する方法、1500
〜5000m/分の速度で溶融紡糸し延伸と仮撚加工と
を同時に又は続いて行う方法、5000m/分以上の高
速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方
法等任意の製糸条件が採用される。ここで、紡出する繊
維は中空部のない中実繊維であっても、中空部を有する
中空繊維であってもよい。また、紡出する繊維の横断面
における外形や中空部の形状は、円形であっても異形で
あってもよい。紡出された繊維は、充分な繊維性能を発
揮するため、好ましくは伸度が40%以下、強度が4g
/de以上になるように延伸され、必要に応じて熱処理
される。
【0027】充分な繊維特性を発揮するため、ポリエス
テルの重合度は極限粘度で0.58以上であることが好
ましく、0.6以上であることが特に好ましい。
【0028】
【作用】本発明で用いられるポリヒドロキシポリオレフ
ィンがシーリング剤、コーティング剤として知られてい
たことは前記の通りである。しかしながら、これにアル
キレンオキサイドを付加することによって防汚性という
前記部分の機能とは全く異質の効果を奏するということ
は驚くべきことである。
【0029】このようなアルキレンオキサイド付加物が
優れた親水特性と低温防汚効果を発現する理由について
は未だ明らかではないが、該アルキレンオキサイド付加
物の親水―疎水性バランス及びガラス転移温度、洗濯水
に対するアルキレンオキサイドセグメントの分解溶出
度、ポリヒドロキシポリオレフィンセグメント及びポリ
アルキレンオキサイドセグメントの界面親和性、ポリエ
ステル中でのミクロ相分離状態等が重要な要因と考えら
れる。
【0030】すなわち、ポリエステルマトリックスと各
セグメントとの界面親和性が異なるため、ポリエステル
組成物表面に付着する油性汚れ成分に対してより親和性
の大きいポリオレフィンセグメントがまず相互作用し、
次いでより親水性の大きいアルキレンオキサイドセグメ
ントが相互作用するという動的作用により、油滴分子の
集合、凝着を阻止し非常に効果的な界面活性剤として働
くものと考えられる。このことは本発明における親水化
剤がポリヒドロキシポリオレフィン鎖の末端に適正な鎖
長のポリアルキレンオキサイド鎖を有するブロック構造
に設計されていることからも推察することができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を
示す。ポリマーの極限粘度[η]は35℃のオルトクロ
ロフェノール溶液で測定した値から求めた結果、いずれ
の実施例においても0.62〜0.70であった。
【0032】実施例のうち洗濯処理、汚染処理及び汚染
率(ソイルリリース性の評価)の求め方は下記の方法を
採用した。
【0033】(1)洗濯処理 家庭用洗濯機に液温10℃の水を入れ、これに水1Lに
対して2gの割合で衣料用合成洗剤を添加して溶解し洗
濯液とした。この洗濯液に浴比が、1対30になるよう
に試料及び負荷布を投入し運転を開始した。50分間処
理した後、運転を止め、試料及び負荷布を脱水機で脱水
し、次いでオーバーフロー水洗を15分間行い脱水し
た。上記洗濯をLL5とし、これを必要回数繰り返し
た。
【0034】(2)汚染処理 下記組成の人工汚れ液にホルダーにはさんだ10cm×
13cmの織物を浸漬させ汚れを付与した。
【0035】人工汚れ液 ・モーターオイル 99.335重量% (Dia Queen Motor Oil M-2 )三菱自動車工業製 ・C重油 0.634重量% ・カーボンブラック 0.031重量% その後、試料を濾紙の間に挟んで余分の汚染液を除き、
乾燥機中80℃で8時間静置した。この汚染処理した試
料を過程洗濯機の弱条件でマルセル石鹸を2g/L含む
10℃の水中で20分間洗濯した。その後、下記方法に
よってソイルリリース性を評価した。
【0036】(3)ソイルリリース性の評価 ミノルタ色彩色差計CR―200(ミノルタカメラ販売
(株))を用い、常法によって試料のCIE表色計のΔ
E*を求め、ソイルリリース性を下記式により計算し
た。
【0037】
【数1】
【0038】上記式中、 ΔE*:ソイルリリース性 L1 ,a1 ,b1 :汚染前の試料のE*(L*,a*,
b*) L2 ,a2 ,b2 :洗濯後の試料のE*(L*,a*,
b*) [実施例1]本発明の親水化剤の合成例を示す。水素化
ポリブタジエンとして「三菱化成(株)製ポリテールH
A(分子量約2200、OH価51、KOHmg/サン
プルg)」100部にKOH触媒を用いて常法にてエチ
レンオキサイド260部を開環付加させた。反応終了
後、85%H3 PO4 でKOHを中和し、以下常法に従
って生成物を精製乾燥した。得られた剤の分子量、OH
価を表1に示す。
【0039】[実施例2〜5]仕込みエチレンオキサイ
ド量を表1実施例2〜5に示される通りに変えた以外は
上記と同様の合成を行った。得られた剤の分子量、OH
価を表1に示す。
【0040】[実施例6、7]仕込み水素化ポリブタジ
エンを「日本曹達(株)製NISSO―PB樹脂GI―
1000」を用い、表1実施例6、7にそれぞれ示され
る量のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサ
イドを用いた以外は実施例1と同様の合成を行った。得
られた剤の分子量、OH価を表1に示す。
【0041】[実施例8]テレフタル酸ジメチル100
部、エチレングリコール60部、酢酸カルシウム1水塩
0.06部(テレフタル酸ジメチルに対して0.066
モル%)及び整色剤として酢酸コバルト4水塩0.00
9部(テレフタル酸ジメチルに対して0.007モル
%)をエステル交換反応缶に仕込み、この反応物を窒素
ガス雰囲気下で4時間かけて140℃から220℃まで
昇温し、反応缶中に生成するメタノールを系外に留去し
ながらエステル交換反応させた。エステル交換反応終了
後、反応混合物に安定剤リン酸トリメチル0.058部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.080モル%)を
加えた。10分後に、反応混合物に三酸化アンチモン
0.04部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027
モル%)を添加し、同時に過剰のエチレングリコールを
留去しながら、240℃まで昇温し、その後、反応終了
物を重合反応缶に移し、反応缶内の圧力を1時間かけて
760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に反応
混合物の温度を240℃から285℃まで昇温した。1
mmHgの減圧下でさらに重合し、この段階で反応混合
物に実施例1で得られたポリヒドロキシポリオレフィン
のアルキレンオキサイド付加物及び酸化防止剤としてス
ミライザーGA―80(住友化学工業(株)製)ならび
にアデカスタブAO―412S(旭電化(株)製)をそ
れぞれ0.2部ずつ添加し、その後系の溶融粘度が所定
の値に達するまで重合した。得られたポリマーは常法に
よりチップ化した。
【0042】得られたチップを常法により乾燥した後、
孔径0.3mの円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を
有する押出紡糸機を用いて285℃で溶融し、吐出量3
7.5g/分、引取り速度1500m/分で紡糸し、得
られた未延伸糸を、80℃の加熱ローラーと160℃の
プレートヒーターとを有する延伸処理機に供し、その伸
度が30%になるような延伸倍率で、延伸熱処理し、7
5デニール/24フィラメントの延伸糸を得た。
【0043】得られた延伸糸を用いてメリヤス編地を製
造し、これを常法により精練、プリセット(180℃×
1分)して編地を得た。これに前記の汚染処理を施しソ
イルリリース性を評価した。結果を図1に示す。
【0044】[実施例9〜14]実施例8と同様の操作
を行った。ただし、ポリヒドロキシポリオレフィンのア
ルキレンオキサイド付加物として実施例2〜7で得られ
たポリヒドロキシポリオレフィンのアルキレンオキサイ
ド付加物を用いた。ソイルリリース性の評価結果を図1
に示す。
【0045】[比較例1〜2]実施例1と同様の操作を
行った。ただし、ポリヒドロキシポリオレフィンのポリ
アルキレンオキサイド付加物の代わりに、化1及び化2
に示される化合物を用いた。ソイルリリース性の評価結
果を図1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【発明の効果】本発明の防汚剤は優れた防汚性を示すも
のであり、該剤を含有せしめたポリエステル組成物から
得られたポリエステル繊維は、例えばユニフォーム等の
洗濯頻度の高い衣類となした場合に、特にその特徴が発
揮され、過酷に繰り返される洗濯処理、とりわけ20℃
以下の低温水を用いた洗濯においても耐久性の優れた防
汚性を呈する。このため本発明のポリエステル繊維は、
テキスタイルユニフォーム分野においてきわめて有用で
ある。またリネンサプライ分野への応用も有効である。
【0050】さらに、本発明のポリエステル繊維は必要
に応じて、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン、アセテー
ト等の再生繊維及び本発明のポリエステル以外の合繊と
の混紡、交織等に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】10℃の洗濯液で洗濯した場合のソイルリリー
ス性について示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 67/02 53:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数4〜5の共役ジエンの水素添加反
    応物を骨格とし、末端基として少なくとも1個のヒドロ
    キシル基を有するヒドロキシポリオレフィンのアルキレ
    ンオキサイド付加物を主成分とする防汚剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防汚剤が、エチレンテレ
    フタレートを主たる構成単位とするポリエステルに対し
    て0.5〜20重量%含有されてなることを特徴とする
    防汚性ポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のポリエステル組成物より
    なる繊維。
JP6116394A 1994-03-30 1994-03-30 防汚剤、防汚性ポリエステル組成物およびそれよりなる繊維 Pending JPH07268314A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029887A1 (fr) * 2006-09-07 2008-03-13 Idemitsu Sartomer Kk Composition de polyol pour adhésif à polyoléfine et son utilisation

Cited By (2)

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WO2008029887A1 (fr) * 2006-09-07 2008-03-13 Idemitsu Sartomer Kk Composition de polyol pour adhésif à polyoléfine et son utilisation
JP2008063425A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Idemitsu Sartomer Kk ポリオレフィン接着剤用ポリオール組成物およびその用途

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