JPH08142290A - 繊維補強シートおよびその製造方法 - Google Patents

繊維補強シートおよびその製造方法

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JPH08142290A
JPH08142290A JP6280924A JP28092494A JPH08142290A JP H08142290 A JPH08142290 A JP H08142290A JP 6280924 A JP6280924 A JP 6280924A JP 28092494 A JP28092494 A JP 28092494A JP H08142290 A JPH08142290 A JP H08142290A
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JP
Japan
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polyester
sheet
fiber
woven fabric
polyester elastomer
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JP6280924A
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English (en)
Inventor
Tetsuhiko Kitamura
哲彦 北村
Kazuo Ozawa
一雄 小澤
Toshihiro Tanaka
利宏 田中
Kazuteru Akiba
和輝 秋葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KATSUTA KAKO KK
Du Pont Toray Co Ltd
Maruyama Kogyo Co Ltd
Original Assignee
KATSUTA KAKO KK
Du Pont Toray Co Ltd
Maruyama Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚み精度、機械物性、耐熱性に優れ、しかも
低コストの繊維補強ポリエステルエラストマシートを提
供する。 【構成】 カレンダー成形によって成形されたポリエス
テルエラストマのシートが、ポリエステル延伸糸からな
る織布の少なくとも片面に被覆されており、そのシート
と織布との間の、JIS K 6328試験法による剥
離強度が1.5kg/cm以上である繊維補強シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維補強シートに関
し、更に詳しくは、ポリエステル延伸糸からなる織布に
カレンダー成形によってシート化されたポリエステルエ
ラストマを被覆してなる強度および剥離強度に優れた繊
維補強シートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでポリエステル、ポリアミド、ポ
リオレフィン等の合成繊維からなる織布に柔軟な樹脂膜
を積層したシートが産業資材として建設工事用、包装
用、食品用に広く利用され、特にフレキシブルコンテナ
や産業用テントの様な大型製品の原反として広く利用さ
れている。これらの積層シートを構成する樹脂膜は軟質
のポリ塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等
のオレフィン系樹脂が材料自身が安価で高速・大量の成
形加工性に優れ、製造コストも安価であることを理由に
多用されている。しかし、これら樹脂膜に多用される素
材は、配合薬品の移行防止性、低温機械物性、耐熱性、
耐油性が十分でなく、用途によってはその使用が限定さ
れているのが現状である。この問題を解決するため近
年、樹脂膜の素材に薬品の移行防止性、低温機械物性、
耐熱性等に優れたポリエステルエラストマを樹脂膜とし
て使用することが試みられており、そのポリエステル積
層シートの製法としてTダイでポリエステルエラストマ
を押出し、直接織布にラミネートする押出しラミネーシ
ョンや、織布とポリエステルエラストマを同時に押出す
共押出しラミネーションが一般に行われている。共押出
しによる例として特公昭60−50137号公報が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリエステル
エラストマのシートもしくはそれが織布に被覆されてな
る積層シートを押出し法で製造する場合、特に高速で押
出し成形する場合や着色剤を含有する場合、樹脂膜の劣
化が大きく、期待する厚み精度、表面外観、機械物性、
耐熱老化性を得ることが困難となり、事実上、前記用途
に多用されるポリ塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂に
比べ、低速でしか押出し成形できなかったり、着色剤等
の配合物がかなり限定されるのが現状であり、その結
果、製造コストが高く、前記用途の素材として用いるに
はコスト的に不満足で、工業的に実用化されていない。
【0004】つまり、ポリエステルエラストマを押出し
法で成形する場合、口金部で溶融揃断破壊(メルトフラ
クチャー)が発生する吐出速度の限界点があり、この限
界点を越える速度で押し出すと平滑性に欠けるシートし
か得られなかったり、厚みや機械物性の安定したシート
は得られない。この吐出速度の限界を大きくしようとし
て、低粘度のポリエステルエラストマを使用したり、加
工温度を高くしてそれを低粘度化すると熱劣化が顕著で
あり、この傾向は柔軟なポリエステルエラストマほど大
きい。さらにこの現象は劣化を引き起こし易い鋼フタロ
シアニン等の顔料や酸化アンチモン化合物等の難燃剤を
含有するとき顕著に発生し、耐熱安定剤を多量に添加し
ても実用に耐えない不満足な物性のシートしか得られな
い。
【0005】その結果、実質、前記用途に適する様なポ
リエステルエラストマのシートやそれを樹脂膜とする織
布補強シートを製造するにあたり押出法を採用しようと
すると、その生産性が低く、樹脂劣化等により不満足な
物性のシートしか得られない結果となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テル製織布面にポリエステルエラストマシートが被覆さ
れてなる繊維補強シートの押出しによる製法のかかる問
題の原因はポリエステルエラストマが、他樹脂に比べ高
融点のため高い耐熱使用温度を持っている反面、融点以
上の温度で溶融させた場合の耐熱性は優れているとは云
えないこと、さらにポリエステルエラストマは高融点で
あるがために加工温度も高く、この溶融ポリエステルエ
ラストマが織布を被覆するとき、被覆されるポリエステ
ル織布繊維の延伸配向度が低下することを見いだし、こ
れらの問題を解決するための製造法を鋭意検討した結
果、カレンダー成形法によってポリエステルエラストマ
を製膜し、連続してポリエステル製織布面に圧着被覆し
たとき、押出し法に比べポリマの熱履歴が大幅に小さ
く、ポリマの織布への接触温度が穏和なため、前記原因
を抜本的に解決できる上、加工速度と厚み精度の両方が
飛躍的に向上することを見いだし本発明に到達した。
【0007】即ち本発明はカレンダー成形によって成形
されたポリエステルエラストマのシートが、ポリエステ
ル延伸糸からなる織布の少なくとも片面に被覆されてお
り、そのシートと織布との間の、JIS K 6328
試験法による剥離強度が1.5kg/cm以上である繊維補
強シートであり、また、カレンダー成形によって成形さ
れたポリエステルエラストマーのシートのポリエステル
延伸糸からなる織布を積層し、これらをロール間で圧着
することにより、該ポリエステルのシートと織布との剥
離強度をJIS K 6328に規定される試験法で
1.5kg/cm以上とする繊維補強シートの製造方法であ
る。
【0008】本発明に用いられるポリエステルエラスト
マは特に限定されないが、(A)主として高融点結晶性
重合体セグメント、(B)主として脂肪族ポリエーテル
単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低
融点重合体セグメントを主たる構成成分とするポリエス
テルブロック共重合体が好ましい。ポリエステルブロッ
ク共重合体の高融点結晶性重合体セグメント(A)は、
(a)ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、
(b)ジオールおよびそのエステル形成性誘導体から形
成されるポリエステルである。(a)ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5
−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4’
−ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が
好ましく、もちろんジカルボン酸のエステル形成性誘導
体、例えば低級アルキルエステル、アリールエステル、
炭酸エステル、酸ハロゲン化物等も同様に用い得る。
(b)ジオールとしては、分子量400以下のジオー
ル、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、
1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシク
ロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノー
ルなどの脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビス
(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−
ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,
4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳
香族ジオールが好ましく、かかるジオールもエステル形
成性誘導体、例えばアセチル体、アルカリ金属塩等の形
でも用い得る。
【0009】これらのジカルボン酸およびその誘導体ま
たはジオール成分を2種以上併用してもよい。そして、
最も好ましいセグメント(A)の例はテレフタル酸およ
び/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジ
オールから誘導されるポリブチレンテレフタレートであ
る。
【0010】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体の低融点重合体セグメント(B)は、脂肪族ポ
リエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルであり、
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ
(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレ
ンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合
体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体
などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとして
は、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクト
ン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートな
どが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/
または脂肪族ポリエステルのなかで得られるポリエステ
ルブロック共重合体の弾性特性からポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)
グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)、ポリブチレンアジペートなどが好まし
い。本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体
の低融点重合体セグメント(B)の共重合量は、好まし
くは、10〜90重量%、更に好ましくは15〜75重
量%の範囲で含まれていることが必要である。特に10
重量%未満では柔軟性やゴム弾性が不足し、90重量%
を越えると結晶性が低く成形性が悪くなる。
【0011】さらにこのポリエステルエラストマは、加
工中の熱劣化を最小限に抑え、製品の耐熱老化性付与の
ために公知のヒンダードフェノール系、ホスファイト
系、チオエーテル系、アミン系などの酸化防止剤を添加
しておくことが好ましい。また目的を損なわない範囲
で、あらかじめポリエチレンワックス、シリコーンオイ
ル、ステアリン酸金属塩、モンタン酸金属塩、モンタン
酸エステルワックスなどの成形離型剤、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの
耐候剤、エポキシ化合物やイソシアネート化合物などの
増粘剤、含フッ素系ポリマ、染料や顔料などの着色剤、
酸化チタン、カーボンブラックなどの紫外線遮断剤、ガ
ラス繊維やカーボンファイバー、チタン酸カリファイバ
ーなどの強化剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、ガラスビーズなどの充填剤、タルクなど
の核剤、接着剤、接着助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、
蛍光剤、防黴殺菌剤、架橋剤、界面活性剤などを任意に
含有せしめることができる。
【0012】本発明に用いられるポリエステル延伸糸か
らなる織布としては、一般に市販されているものがその
まま用いられ、必要とされる強度に応じて延伸糸のデニ
ールとタテ、ヨコ方向の打込本数を選べばよい。また、
必要に応じ、織布を2枚用い、これをまずカレンダー成
形した樹脂膜に接着させ、樹脂膜が2枚の織布に挟まれ
た形態で本発明に用いることもできる。
【0013】また織布の繊維材質はポリエステルである
かぎり特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ある
いは樹脂膜と同じポリエステルブロック共重合体でも良
いが、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。本発明
に用いられるカレンダー成形法とは、一般に知られてい
る高温のカレンダーロール間の谷間で樹脂を滞留させて
可塑化、脱泡および混練を行い、ロール間隙で所定の厚
みに圧延する方法である。ロールのフォーメーションと
しては逆L形、L形、傾斜Z形等の4本、5本ロールが
挙げられるが加工時間がなるべく短くなるフォーメーシ
ョンが好ましい。加工温度はポリエステルエラストマの
触点近傍が好ましく、さらに好ましくは融点より20℃
低い温度から融点より20℃高い温度である。そして、
熱履歴による劣化を防止する意味で200℃以下が最も
好ましい。また、通常カレンダー成形プロセスはポリマ
の可塑化、粗成形、圧延、冷却と数段階のロールで構成
されるが、目的を損なわない範囲でポリマの可塑化プロ
セスにバンバリーミキサー、コニーダ、押出機を使用で
きる。
【0014】カレンダー成形によってシート成形された
ポリエステルエラストマを、ポリエステル延伸糸からな
る織布にコーティングする方法としてはカレンダー成形
プロセス中に圧着ロールを設置し、ポリエステルエラス
トマをシート状に成形後、それの持つ予熱で連続して織
布に圧着する複合カレンダリングが経済的で好ましく、
例として逆L型4本ロールの中ロールと下ロールに回転
差を付けて、この2本ロールのロールニップに織布を入
れるフリクション方式や圧延して出てきた下ロールのシ
ートに織布を圧着するローディング方式が挙げられる。
圧着ロールの温度および温度制御は特に制限はないが、
シートの熱履歴を小さくする意味で200℃以下が好ま
しい。ポリエステルエラストマは本来ホットメルト型接
着剤としても実績があり、圧着面には特に接着剤を塗布
しなくても十分な接着強度が得られるが、ポリエステル
系、ポリウレタン系のホットメルト接着剤を使用しても
よい。得られるシートの厚さは用途によって異なるが、
20〜5000μが好ましく、用途としてはフレキシブ
ルコンテナー、産業用テント等に適している。
【0015】
【作用】本発明ポリエステルラミネートシートは高い厚
み精度と機械物性を持つ上、加工劣化が小さく、耐熱
性、生産性に優れる。
【0016】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない
場合すべて重量基準である。実施例、比較例中に示され
る物性は次のように測定した。なお、MD方向は、シー
ト成形装置と巻き取り装置を結ぶ線方向を示す。TD方
向はMDと直角の方向を示す。各評価は次に示す方法で
実施した。 融点:DSC法 硬度(ショアDスケール):JIS K−7215に従
って測定した。 溶融粘度指数(MFR値):ASTM D−1238に
従って、温度200℃、荷重2160gで測定した。 溶液相対粘度(ηr):25℃、0.5%、o−クロロ
フェノール溶液中で測定した。 ポリエステルエラストマの調製:シートを構成するポリ
エステルエラストマの組成としてポリブチレンテレフタ
レートにポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを
共重合したポリマ、同様にポリブチレンテレフタレート
にポリカプロラクトンを共重合したポリマを用い、それ
ぞれA−1、A−2とする。表1にA−1、A−2の組
成と物性を示す。A−1のペレット100重量部に、酸
化防止剤、加工滑剤としてチバガイギー社製“イルガノ
ックス1010”0.5重量部とユニロイヤル社製“ナ
ウガード445”を0.5重量部、三井石油化学社製
“ハイワックス2203A”を0.5重量部ドライブレ
ンドしたものを、A−1−Nとする。さらにこのA−1
−Nに青色顔料のフタロシアニン(フタロシアニンブル
ーB)をポリマ100重量部に対し0.5重量部ドライ
ブレンドしたものをA−1−Bとする。同様にA−2を
もちいて、酸化防止剤、加工滑剤を配合し、同青色顔料
フタロシアニンの配合有りと無しであるそれぞれA−2
−N、A−2−Bを調製し、これらの加工原料とする。
表2にA−1−N、A−1−B、A−2−N、A−2−
Bの配合組成を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】 カレンダー製造試験A:加工原料を石川島播磨重工業製
28インチ2本ロールへ投入し、ロール温度:160
℃、ロールクリアランス:7mmで可塑化を行い、粗成形
シートを得る。これを連続して、同30インチ逆L型4
本ロールへ投入し、ロール温度:170℃、ロールクリ
アランス:360mmでシート化を行い、逆L4本ロール
の最終ロールとそれと組み合わされるラミネーション用
ロールとの間で加工速度:40m/分の条件下でポリエ
チレンテレフタレート延伸糸の打ち込み織布(延伸糸7
50デニール、両方向打ち込み20本/25.4mm)の
片面にラミネーションを行い片面コーティングシートを
得る。同様に未被覆の面にラミネーションを行い、シー
ト厚みが750μm、シート幅が100cmである織布両
面にポリエステルエラストマが被覆した繊維補強シート
を得た。 カレンダー製造試験B:カレンダー製造試験Aと装置、
設定温度、シート幅は同じで、加工速度:40m/分、
シート厚みが2000μmである織布両面にポリエステ
ルエラストマが被覆した繊維補強シートを得た。 押出ラミネーション製造試験A:加工原料を90mm径単
軸押出機によって溶融させ、シリンダー先端温度:29
0℃、ダイ温度:285℃、ダイ下樹脂温度:285℃
の条件下でT−ダイより押出し、これを予め100℃に
予熱してある前記カレンダー試験で用いた織布の両面
に、加工速度:40m/分、コート厚さ:350μmの
条件下で押出しコーティングを行い、シート厚みが約7
50μm、シート幅が100cmである織布の両面にポリ
エステルエラストマが被覆した繊維補強シートを得た。 押出ラミネーション製造試験B:押出ラミネーション試
験Aと同じ装置、原料を用い、シリンダー先端温度:2
30℃、ダイ温度:225℃、ダイ下樹脂温度:225
℃の条件下でT−ダイより押出し、その結果、加工速度
は8m/分で、シート厚みが約750μm、シート幅が
100cmである織布の両面にポリエステルエラストマが
被覆した繊維補強シートを得た。 押出ラミネーション製造試験C:押出ラミネーション試
験Aと同じ装置、原料を用い、シリンダー先端温度:2
40℃、ダイ温度:235℃、ダイ下樹脂温度:230
℃の条件下でT−ダイより押出し、加工速度は7m/分
で、シート厚みが約2000μm、シート幅が100cm
である織布の両面にポリエステルエラストマが被覆した
繊維補強シートを得た。 シート厚み、引張破断強伸度:JIS K 6328に
準拠し測定した。強伸度は繊維補強シートの30mm幅短
冊片を用い引張速度200mm/分で測定した。 剥離強度:JIS K 6328に準拠し、繊維補強シ
ートの30mm幅短冊片を用い樹脂膜層と織布接着樹脂膜
層とに剥離する強度を、引張速度50mm/分で測定し
た。 引裂強度:JIS K 6328に準拠し、繊維補強シ
ートの76mm幅短冊片で、中央切れ込み75mm、引張速
度200mm/分で測定した。 加工劣化:前記のT形剥離強度測定後の樹脂膜試料を粉
砕し、前記の溶融粘度指数(MFR値)と溶液相対粘度
(ηr)を測定した。 シートの耐熱老化性:繊維補強シートの30mm幅短冊打
ち抜き片を用い140℃ギヤオーブン中でエージング
し、前記の引張破断強伸度測定を行い、引張破断強度の
初期値が半減するまでの時間を測定した。 実施例1、2 表2に示す加工原料の内、A−1−NとA−2Nを用い
前記カレンダー製造試験Aを実施した。実施例1、2の
各評価結果を表3に示す。 比較例1〜4 実施例1と同様の加工原料を用い前記公知の押出ラミネ
ーション製造試験Aと同Bを実施した。比較例1〜4の
各評価結果を表3に示す。
【0019】
【表3】 実施例3、4 表2に示す加工原料の内、A−1−BとA−2−Bを用
い前記カレンダー製造試験Aを実施した。実施例3、4
の各評価結果を表4に示す。 比較例5、6 実施例3、4と同様の加工原料を用い前記公知の押出ラ
ミネーション製造試験Bを実施した。比較例5、6の各
評価結果を表4に示す。
【0020】
【表4】 実施例5 表2に示す加工原料の内、A−1−Nを用い前記カレン
ダー製造試験Cを実施した。実施例5の評価結果を表5
に示す。 比較例7 実施例1と同様の加工原料を用い前記公知の押出ラミネ
ーション製造試験Cを実施した。比較例7の評価結果を
表5に示す。
【0021】
【表5】 表3の結果から、本発明の繊維補強ポリエステルシート
は、公知の押出法で得られたものに比べ厚み精度、引裂
強度が著しく優れ、シートと織布の接着力も良好であ
る。また樹脂膜加工温度が低いため複合する織布の繊維
延伸配向度が保持されるため引張強伸度が極めて高く、
さらには加工劣化も少ないため耐熱性に優れていること
が明白である。また本発明製法は加工速度が大きいにも
関わらず、そのシートの全ての物性が優位な点で繊維補
強ポリエステルシートの製法として極めて相性が良い。
表4の結果に示す様に、本発明繊維補強ポリエステルシ
ートは、加工劣化を促進し得る添加物が配合されている
悪条件下でも同様の結果が得られる。表5の結果から、
繊維補強ポリエステルシートの樹脂膜厚みを大きくして
も同様に良好な結果が得られ、加工速度が大きく生産性
に優れることが明白である。
【0022】
【発明の効果】本発明は繊維補強ポリエステルエラスト
マシートを製造するにあたり、カレンダー加工法を用い
ることで公知の押出法で得られたものに比べ厚み精度や
機械物性が著しく優れるだけでなく、加工劣化が極めて
少なく、これらシート物性は加工速度に影響されない。
したがって、従来、実質押し出し成形法によって製造さ
れてきた繊維補強ポリエステルエラストマシートは高性
能にも関わらず高コストのため特殊な用途に限定されて
きたが、本発明により安定した物性、低コストの繊維補
強ポリエステルエラストマシートが実質ポリ塩化ビニル
等が多用される一般的な用途、すなわちフレキシブルコ
ンテナや産業用テントの様な大型製品の原反として広く
利用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 一雄 埼玉県草加市瀬崎町1150番地 勝田化工株 式会社内 (72)発明者 田中 利宏 愛知県名古屋市本星崎町字北3804−19 東 レ・デュポン株式会社内 (72)発明者 秋葉 和輝 愛知県名古屋市本星崎町字北3804−19 東 レ・デュポン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カレンダー成形によって成形されたポリ
    エステルエラストマのシートが、ポリエステル延伸糸か
    らなる織布の少なくとも片面に被覆されており、そのシ
    ートと織布との間の、JIS K 6328試験法によ
    る剥離強度が1.5kg/cm以上であることを特徴とする
    繊維補強シート。
  2. 【請求項2】 ポリエステルエラトマが高融点結晶性重
    合体セグメントと脂肪族ポリエーテル単位および/また
    は脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメ
    ントとを主たる構成成分とするポリエステルブロック共
    重合体である請求項1記載の繊維補強シート。
  3. 【請求項3】 ポリエステルブロック共重合体中の低融
    点重合体セグメント共重合体量が10〜90重量%であ
    る請求項2記載の繊維補強シート。
  4. 【請求項4】 ポリエステルブロック共重合体の融点が
    140℃〜215℃である。請求項2記載の繊維補強シ
    ート。
  5. 【請求項5】 ポリエステルエラストマが、高融点結晶
    性重合体セグメントと脂肪族ポリエーテル単位および/
    または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セ
    グメントとを主たる構成成分とするポリエステルブロッ
    ク共重合体100重量部およびポリオレフィンワックス
    0.001〜10重量部からなるポリエステルエラスト
    マ組成物である請求項1記載のシート。
  6. 【請求項6】 繊維補強されたシート全体の厚さが20
    〜5000μmである請求項1または5記載の繊維補強
    シート。
  7. 【請求項7】 フレキシブルコンテナー用原反として用
    いられる請求項1または5記載の繊維補強ポリエステル
    エラストマシート。
  8. 【請求項8】 カレンダー成形によって成形されたポリ
    エスルエラストマのシートとポリエステル延伸糸からな
    る織布を積層し、これらをロール間で圧着することによ
    り、該ポリエステルエラストマのシートと織布との剥離
    強度をJISK 6328に規定される試験法で1.5
    kg/cm以上とすることを特徴とする繊維補強シートの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 カレンダー成形およびロール圧着の温度
    が200℃以下である請求項8記載のシートの製造方
    法。
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