JPH05131595A - 水膨潤異方性を有するエラストマー成形体 - Google Patents

水膨潤異方性を有するエラストマー成形体

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JPH05131595A
JPH05131595A JP3297040A JP29704091A JPH05131595A JP H05131595 A JPH05131595 A JP H05131595A JP 3297040 A JP3297040 A JP 3297040A JP 29704091 A JP29704091 A JP 29704091A JP H05131595 A JPH05131595 A JP H05131595A
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JP
Japan
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swelling
water
elastomer
woven fabric
woven
Prior art date
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Pending
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JP3297040A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Shioyama
務 塩山
Naoki Hamano
直樹 浜野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の方向の水膨潤性が極めて高い水膨潤異
方性を有するエラストマー成形体を提供する。 【構成】 織布もしくは不織布に高水膨潤性エラストマ
ーをコーティングした複合体のシート、織布もしくは不
織布に高水膨潤性エラストマー単独シートを重ね合わせ
た複合体のシートまたは該複合体のシートの複数枚を積
層一体化した積層体からなる水膨潤異方性を有するエラ
ストマー成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木・建築・各種機械
・プラント等の分野において、止水目的のパッキン、シ
ール材等に用いられる、特定の方向に高い水膨潤性を有
するエラストマー成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】パッキン、シール材等の止水目的に用い
られる水膨潤性ゴムは公知である。例えば、この水膨潤
性ゴムとして、周知のゴム配合に高吸水性樹脂や高吸水
性ウレタン等を配合したもの(例えば、特公昭61−1
8936号、特公昭63−28107号参照)や、高吸
水性繊維をゴム状弾性体に配合したもの(例えば、特開
昭62−285931号参照)が知られている。以下
「従来技術I」という。
【0003】なお、水膨潤性ゴムとは、水(水道水)に
浸漬して72時間放置後、50%以上(1.5倍以上)
膨潤するゴム組成物をいう。
【0004】また、本出願人は先に、吸水性物質を有す
る水膨潤性ゴム配合に短繊維を混入し、この短繊維の特
定の一軸方向の配向率を50%以上又は20%以下に限
定した水膨潤性短繊維混入ゴム構造体に関する発明(特
開平2−287535号)を出願した。以下、「従来技
術II」という。
【0005】さらに、本出願人は、この従来技術IIを改
良するものとして、芯部が低吸水性で、鞘部が高吸水性
の短繊維を低吸水性エラストマーに分散配向させ、繊維
軸方向に低膨潤性を有し、繊維軸に対して直角方向に高
膨潤性を有する水膨潤性エラストマー構造体に関する発
明(特願平3−161369号)を出願した。以下、
「従来技術III 」という。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術I
に係る水膨潤性ゴムは膨潤方向に異方性がないのに対
し、実用上は特定方向の膨潤効果を利用した製品(パッ
キン、止水弁等)が多いので、従来技術Iのように略等
方的に膨潤するゴムでは、十分なシール効果が期待でき
ないばかりか、特定方向以外の他の方向での膨潤により
不必要に製品が大きくなり、また、脱着して使用される
パッキン等においては、再装着が不可能になることがあ
る。
【0007】また、従来技術IIの水膨潤性ゴムは、短繊
維の配向率が50%以上の方向では膨潤が小さくなり、
その他の方向では膨潤が大きくなるという効果が期待で
き、また、短繊維の配向率が20%以下の方向では膨潤
が大きくなり、その他の方向では膨潤が小さくなるとい
う効果が期待できる。このように、ある方向と他の方向
の膨潤度に相対的な差異を生ぜしめることはできるが、
高度な膨潤異方性を発現することはできない。
【0008】さらに、従来技術III のエラストマー構造
体は繊維軸方向に低膨潤性であり、これに直角の他の2
方向は高膨潤性であり、繊維軸方向とこれに直角の他の
2方向との間の膨潤度に差異を有するが、繊維軸方向が
非膨潤に近い高度な膨潤異方性を得ることはできない。
また、この場合、ある1方向が高膨潤性でこれに直角の
他の2方向が低膨潤性を有するようにするためには、特
殊な加工を必要とし、加工コストが高くなる。
【0009】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、特定
の方向の水膨潤性が極めて高い、水膨潤異方性を有する
エラストマー成形体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨は、織布もしくは不織布に高水膨潤性エ
ラストマーをコーティングした複合体のシート、織布も
しくは不織布に高水膨潤性エラストマー単独シートを重
ね合わせた複合体のシートまたは該複合体のシートの複
数枚を積層一体化した積層体からなる水膨潤異方性を有
するエラストマー成形体を第一の発明とし、上記第一の
発明において、織布または不織布の縦方向もしくは横方
向のいずれか一方のみが低弾性率を有する水膨潤異方性
を有するエラストマー成形体を第二の発明とする。
【0011】織布としては、綿、麻等の天然繊維、レー
ヨン等の半合成繊維、ナイロン・ポリエステル・アクリ
ル・アラミド等の合成繊維を素材とした、平織、あや
織、朱子織、三軸織、三次元織、多重織、メリヤス織、
レース織等の編・織物を使用することができる。そし
て、一方向に低弾性率(高膨潤性)特性を付与させた織
物としては、縦糸または横糸の一方に低弾性率を有する
糸を使用したものを用いることができるが、このような
糸としては、「捲縮加工糸(ウーリー糸)」または「芯
としてポリウレタン等の弾性糸を使い、その上に通常の
糸を一層あるいは多層巻きつけた、いわゆるカバーリン
グ糸」が用いられる。
【0012】不織布としては、上記天然繊維、半合成繊
維、合成繊維の短糸を熱融着あるいはバインダー等の方
法で平面状にした一般的な不織布を使用することができ
る。
【0013】そして、一方向に低弾性率を示す不織布と
しては、短糸がランダムに配向した等方性の不織布の他
に、一方向に配向方向のピークを有する、いわゆるユニ
ダイレクション不織布を使用することができる。
【0014】エラストマーとしては、天然ゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピ
レン系ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチル
ゴム、ウレタンゴム等の架橋性エラストマー、およびオ
レフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテ
ル系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマーを使用す
ることができる。高吸水性成分としては、アクリル酸系
ポリマー、エチレンオキサイド系ポリマー、ビニルアル
コール系ポリマー等をブレンド、もしくは反応付加させ
たものを使用することができる。なお、架橋剤、加硫促
進剤、補強剤、無機充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、オゾン劣化防止剤、可塑剤等の各種配合
剤は、上記エラストマーと共に、その使用目的(例え
ば、耐環境安定性、力学特性等)に応じて任意に選択す
ることができる。また、膨潤速度を高めるために界面活
性剤や高吸水性短繊維を添加することもできる。
【0015】織布もしくは不織布に高水膨潤性エラスト
マーをコーティングもしくは高水膨潤性エラストマー単
独シートを重ね合わせた複合体のシートを得る方法とし
ては、「エラストマーを溶剤に溶かし、織布もしくは不
織布にコーティングする方法」、「カレンダーにて織布
もしくは不織布にエラストマーをトッピングあるいはフ
リクショニングする方法」、または「織布もしくは不織
布にエラストマー単独シートを貼合する方法」を採用す
ることができる。さらに、これら複合体のシートの複数
枚を積層一体化した積層体からなる水膨潤異方性を有す
るエラストマー成形体を得る方法としては、上記方法の
いずれかによって得られたシートの同種のものまたは異
種のものを、「エラストマーが熱可塑性エラストマーの
場合は、積層物を熱融着する方法」または「エラストマ
ーが架橋性エラストマーの場合は、積層物を加圧しつつ
熱架橋する方法」を採用することができる。
【0016】さらに必要に応じて、RFL(レゾルシン
フォルマリンラテックス)処理等による織布もしくは不
織布の接着処理、エラストマーへの接着剤の練り込み
(いわゆるHRHシステム)を行うことができる。
【0017】
【作用】略等方的に2次元に配向した構造の織布もしく
は不織布に高水膨潤性エラストマーをコーティングもし
くは高水膨潤性エラストマー単独シートを重ね合わせた
複合体であるため、面方向の膨潤性が殆どなく、厚み方
向(積層方向)にのみ高膨潤性を有する。
【0018】また、織布もしくは不織布の縦方向をV、
横方向をH、厚み方向をTとし、横糸(H方向)に捲縮
糸を使用した場合、その応力−歪み特性は図1のように
なり、その結果膨潤性はT>H≫Vとなり、特定の2方
向(T、H)が極めて高い膨潤性を示す。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0020】以下の表1に示す配合のエラストマーをイ
ンターナルミキサーで混練後、溶剤に溶かし、糊ゴムを
作製した。また、布としては以下の表2に示す5種類の
ものを用いた。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】そして、表2の各布の両面に上記糊ゴムを
同一回数コーティングし、ゴム目付量1000±100
g/m2 のエラストマーコーティング布を得た。次い
で、このエラストマーコーティング布を同一方向に3枚
重ね、加圧しつつ150℃で20分加硫して一体化した
積層体を得た。比較例として、該実施例の積層体と同厚
の表1の配合のエラストマー単独シートを得た。次に、
これらの加硫シートから20mm角の試片を打ち抜き、こ
の試片を23℃のイオン交換水に72時間浸漬し、シー
ト面内の直交2方向(縦、横)とシート厚み方向の膨張
率を測定した。その結果を以下の表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3に明らかなように、比較例は略等方的
に膨潤している。これに比し、略等方的に2次元に配向
した構造の織布もしくは不織布と高水膨潤性エラストマ
ーとの複合体である本実施例、は厚み方向にのみ高
膨潤性を示し、横方向の布が低弾性率である織布または
不織布を使用した本実施例、、は厚み方向および
横方向の2方向が高膨潤性を示している。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る水膨潤異方性を有するエラ
ストマー成形体は、特定の方向のみが高膨潤性であるた
め、この特性を活かして止水材として好適に用いること
ができる。例えば、織布または不織布の弾性率が等方的
である場合、本発明の複合体シートを継手パッキン形状
に打ち抜き使用した場合、外径寸法の変化が殆どなく、
厚み方向にのみ高膨潤性を発現し、高圧に耐える止水材
として使用できる。また、織布もしくは不織布の縦・横
いずれかの方向が低弾性率である場合、本発明の複合体
シートを長手方向にリボン状に切り出し、嵌め込み溝付
きのシール部に使用すると、中央径が殆ど変化すること
なく、溝に対し高さ方向・側面方向に高膨潤性を発現
し、良好な止水材として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横糸に捲縮糸、縦糸に通常糸を使用した織布の
応力(縦軸)−歪(横軸)特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 15/10 V 7233−3J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織布もしくは不織布に高水膨潤性エラス
    トマーをコーティングした複合体のシート、織布もしく
    は不織布に高水膨潤性エラストマー単独シートを重ね合
    わせた複合体のシートまたは該複合体のシートの複数枚
    を積層一体化した積層体からなる水膨潤異方性を有する
    エラストマー成形体
  2. 【請求項2】 織布または不織布の縦方向もしくは横方
    向のいずれか一方のみが低弾性率を有する請求項1記載
    の水膨潤異方性を有するエラストマー成形体
JP3297040A 1991-11-13 1991-11-13 水膨潤異方性を有するエラストマー成形体 Pending JPH05131595A (ja)

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