JPH10241992A - 積層コンデンサとそのトリミング方法 - Google Patents

積層コンデンサとそのトリミング方法

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JPH10241992A
JPH10241992A JP5556297A JP5556297A JPH10241992A JP H10241992 A JPH10241992 A JP H10241992A JP 5556297 A JP5556297 A JP 5556297A JP 5556297 A JP5556297 A JP 5556297A JP H10241992 A JPH10241992 A JP H10241992A
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JP
Japan
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trimming
electrode
multilayer
component body
laser beam
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JP5556297A
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English (en)
Inventor
Koichiro Tsujiku
浩一郎 都竹
Katsuyuki Horie
克之 堀江
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層コンデンサの静電容量値を減少させるだ
けでなく、静電容量値を増大させる方向でトリミング調
整を可能とする。 【解決手段】 積層部品素体13の内部に形成された少
なくとも一対の内部電極18に対向して積層部品素体1
3の表面または表面近くに形成されたトリミング電極1
9を有する積層コンデンサを使用し、前記トリミング電
極19にレーザ光を照射することにより、このトリミン
グ電極19と内部電極18との間の調整層21を一部還
元する。これによって、トリミング電極19と一方の内
部電極18とを短絡部20で導通させる。このようにし
て積層コンデンサの静電容量値を増大させた後、トリミ
ング電極19に前記のトリミング時より小さい出力のレ
ーザ光を照射し、調整層21を還元せずにトリミング電
極19を切り取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層部品素体の端部に
外部電極を有する積層コンデンサと、トリミングによ
り、このコンデンサの静電容量値を調整する方法に関
し、例えば、共振回路等に使用される積層セラミックコ
ンデンサにように、精密に調整された静電容量値を必要
とする積層コンデンサとその静電容量値を調整するトリ
ミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層コンデンサの多くは、角柱或は角板
状のチップ状のセラミック素体の両端面に接続用の端
子、いわゆる外部電極を設けたものである。このような
積層回路部品のうち、特に共振回路やフィルタ等に使用
される積層コンデンサでは、回路基板上に搭載された
後、周波数特性を調整するため、精密な特性の調整、い
わゆるファンクショナルトリミングが行われる。
【0003】図8は、特開平7−183162号公報に
示された積層セラミックコンデンサを示しており、前述
のようにトリミングにより容量値を調整するための積層
セラミックコンデンサである。この積層コンデンサは、
セラミックの積層体からなる積層部品素体1の内部で突
き合わせ状態となった一対以上の内部電極3、3を有
し、それら内部電極3、3が積層部品素体1の端面に導
出している。そして、積層部品素体1の端部に外部電極
が2、2が形成されている。この外部電極2、2と分離
された状態で、積層部品素体1の表面にトリミング電極
4が形成されている。
【0004】この積層コンデンサでは、一対の内部電極
3、3とトリミング電極4との間に形成される容量が直
列接続された等価回路で表される。この積層コンデンサ
は、予め所定の容量値より大きめに静電容量が得られる
ように設計し、製造しておき、回路基板上に搭載した
後、トリミング電極4にレーザ光を照射し、削除するこ
とにより、トリミング電極4と内部電極3との対向面積
を減少させ、容量値を低減する。これにより、共振回路
等において、共振周波数が所定の値に収まるように調整
するものである。
【0005】図9は、特開平7−45469号公報に示
された積層セラミックコンデンサのトリミング法を示
す。誘電体セラミックの積層体からなる積層部品素体1
の層間に2組の内部電極6、7が形成され、これら内部
電極6、7がセラミック層を介して対向している。各組
の内部電極6、7は、各々積層部品素体1の対向する端
面側に導出され、積層部品素体1の各々の端部に形成さ
れた外部電極2、2に導通している。
【0006】このような積層コンデンサでは、積層部品
素体1の表面にレーザ光を照射し、同素体1の一部を切
削し、内部電極6または7の一部を切断することによっ
て、内部電極6、7の対向面積をを減少させ、容量値を
低減する。これにより、共振回路等において、共振周波
数が所定の値に収まるように調整するものである。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】前記のような積層
コンデンサの場合、トリミングは何れも静電容量値を減
少させるものであり、静電容量値を増大する方向に調整
することは出来なかった。そのため、トリミングの失敗
は許されず、トリミングのやり直しは出来なかった。ま
た、何らかの原因で製造された積層コンデンサの静電容
量値が設計値より僅かでも小さい場合、静電容量値を目
標値に戻すことは出来ず、その積層コンデンサは破棄す
ることになる。そのために、製品としての歩留まりが低
くなると共に、回路基板からの積層コンデンサの取り外
し、交換等の作業が必要となり、手数がかかるという課
題があった。
【0008】本発明は、このような積層コンデンサの従
来のトリミング技術における課題に鑑み、静電容量値を
減少させるだけでなく、静電容量値を増大させる方向で
トリミング調整が可能な積層コンデンサとそのトリミン
グ方法及びトリミングされた積層コンデンサを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明では、積層部品素体13の内部に形成された
少なくとも一対の内部電極18に対向して積層部品素体
13の表面または表面近くに形成されたトリミング電極
19を有する積層コンデンサを使用し、前記トリミング
電極19にレーザ光を照射することにより、このトリミ
ング電極19と内部電極18との間の調整層21を一部
還元する。これによって、トリミング電極19と一方の
内部電極18とを短絡させるものである。このトリミン
グにより、積層コンデンサの静電容量値を増大させる方
向で調整することを可能とした。また、前記レーザ光の
照射時に、調整層21が、同レーザ光を照射することに
より、前記調整層21を切削すると共に還元し、導体化
させる。これにより、トリミング電極19と内部電極1
8との対向間隔を実質的に減少させ、前記と同様にして
積層コンデンサの静電容量値を増大させる方向で調整す
るものである。
【0010】すなわち、本発明による積層コンデンサ
は、内部電極15、16、18を有する積層部品素体1
3と、この積層部品素体13の端部に形成された外部電
極14と、積層部品素体13の内部に形成された少なく
とも一対の内部電極18に対向して積層部品素体13の
表面または表面近くに形成されたトリミング電極19
と、このトリミング電極19と前記内部電極18との間
にあり、前記トリミング電極19にレーザ光を照射する
ことにより還元される調整層21とを有することを特徴
とする。
【0011】そして、この積層コンデンサのトリミング
方法は、前記トリミング電極19にレーザ光を照射する
ことで、調整層21を一部還元することにより、トリミ
ング電極19と一部の内部電極18とを導通させる。そ
うすると、トリミング前は、トリミング電極19を介し
て一対のコンデンサが直列接続された等価回路を有して
いたものが、単一のコンデンサとなり、その静電容量値
はトリミング前の約2倍となる。すなわち、静電容量値
を高める方向にトリミングすることが可能となる。この
ため、トリミングに失敗し、静電容量値が小さくなり過
ぎた場合、或いは製造したコンデンサの静電容量値が所
期の設計値より小さかった場合、前記のトリミングによ
り静電容量値を増大させて、そのリカバをすることが出
来る。
【0012】さらに、積層コンデンサのトリミングにお
いて、トリミング電極19にレーザ光を照射し、調整層
21を還元すると共に、切削することによっても、積層
コンデンサの静電容量値を増大する方向でトリミングす
ることが可能である。すなわち、トリミング電極19に
レーザ光を照射し、その下の調整層21を切削すると共
に、その部分を還元し、導体化すると、トリミング電極
19と内部電極18との間隔が実質的に狭くなる。この
ため、静電容量値が増大する。このトリミング方法で
は、トリミング電極19と内部電極18とを短絡して導
通させる前記のトリミング法に比べて、増大する静電容
量値は小さい。このため、静電容量値を大幅に増大させ
る必要が無い場合に有効である。
【0013】このようにして、調整層21を還元してそ
れを導体化させるためには、トリミング電極と調整層2
1との界面に、原子価制御剤を含ませると有効である。
また、このような原子価制御剤は、積層部品素体13、
特にその調整層21の部分に予め含ませておくことも出
来る。さらに、前記のようにして積層コンデンサの静電
容量値を増大させた後、トリミング電極19に前記のト
リミング時より小さい出力のレーザ光を照射し、調整層
21を還元せずにトリミング電極19を切り取ることも
できる。これにより、トリミング電極19と、同電極1
9に導通せずに対向している内部電極18、18との対
向面積が減少し、前記とは反対に静電容量が減少する方
向に調整することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。ま
ず、セラミック原料粉末を、溶剤に溶解した有機バイン
ダーに均一に分散してセラミックスラリを作り、これを
ポリエチレンテレフタレートフィルム等のベースフィル
ム上に薄く均一な厚さで塗布し、乾燥し、膜状のセラミ
ックグリーンシートを作る。その後、このセラミックグ
リーンシートを適当な大きさに裁断する。
【0015】次に、この裁断したセラミックグリーンシ
ートの上に内部電極パターンを各々印刷する。内部電極
パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積み
重ね、さらにその両側に内部電極パターンが印刷されて
ないセラミックグリーンシート、いわゆるダミーシート
を積み重ね、これらを圧着し、積層体を得る。この積層
体を縦横に裁断し、個々のチップ状の積層体に分割す
る。その後、これらの積層体を焼成することで、焼成済
みの積層部品素体を得る。
【0016】この積層部品素体13は、図3に示すよう
な内部電極15、16を有する誘電体からなるセラミッ
ク層11、12が同図で示す順序に積層され、さらにそ
の上にトリミング用の内部電極18、18が形成された
セラミック層10が積層され、さらにその両側に内部電
極が形成されてないセラミック層17、21が各々積み
重ねられたものである。また、最も上側のセラミック層
は調整層21となるもので、その外側表面、すなわち図
3において上面の中央部にはトリミング電極19が形成
されている。
【0017】このような積層部品素体13において、内
部電極15、16は、セラミック層11を介して対向
し、コンデンサとして静電容量を得るためのもので、そ
れらは積層部品素体13の両端面に交互に導出されてい
る。また、内部電極18、18は、トリミング調整用の
もので、積層部品素体13の両端に導出した一対の導体
膜からなり、何れも前トリミング電極19と対向するよ
う形成されている。
【0018】図1(a)に示すように、内部電極15、
16、18が導出している積層体13の両端にAgペー
ストなどの導電ペーストが塗布され、これが焼き付けら
れ、さらにその導電膜上にNiメッキと、Sn或は半田
メッキが施されて、外部電極14、14が形成される。
これにより、積層コンデンサが完成する。この例では、
複数の内部電極15、16が対向することにより、外部
電極14、14の間に静電容量が取得される。さらに、
積層部品素体13の表面に形成されたトリミング電極1
9と一対のトリミング用の内部電極18、18が調整層
21を介して対向し、静電容量を取得する。トリミング
電極19は、外部電極14、14と分離されており、こ
のトリミング電極19と内部電極18、18との間に取
得される静電容量は、2つのコンデンサを直列接続した
ような等価回路で表される。そして、このコンデンサが
内部電極15、16によって取得される容量のコンデン
サと並列に接続された状態となる。
【0019】この等価回路を図7(a)に示す。容量C
1 が内部電極15、16によって取得される容量であ
り、容量C21及びC22が内部電極18、18とトリミン
グ電極19によって取得される容量である。端子Tは、
外部電極14、14を示す。この積層コンデンサのトリ
ミング方法は、図1(b)に示すように、トリミング電
極19の一部に、Nd−YAGレーザ等からレーザ光を
照射する。これにより、図1(b)に示すように、調整
層21の一部を還元し、導体化させ、トリミング電極1
9と一方の内部電極18とを短絡させる。符号20は、
その短絡部を示す。これによって、内部電極18、18
とトリミング電極19との間に形成されていた直列接続
の容量C21及びC22は、トリミング電極19と一方の内
部電極18との短絡により、トリミング電極19と他方
の内部電極18との対向による容量C2 のみとなる。こ
の等価回路を図7(b)に示す。この結果、トリミング
電極19と内部電極18の間で取得される容量は、トリ
ミング前に比べて約2倍となり、外部電極14、14の
間の静電容量値は、その分だけ大きくなる。
【0020】なお、トリミングする際に使用するレーザ
としては、可視光より長波長のものがよく、前述のよう
なYAGレーザの他、さらに長波長のCO2 レーザ等を
使用することができる。通常の場合、レーザ光は連続発
信モードでトリミング電極19に照射する。レーザ光の
照射による調整層21の還元を容易にするため、トリミ
ング電極19或いはトリミング電極19と調整層21と
の界面の少なくとも何れかに、原子価制御剤を含ませる
こともある。例えば、セラミック材料中に含まれる金属
より原子価の大きな金属の酸化物を添加する。例えば、
BaTiO3 の4価のTiに対して5価のNbの酸化
物、或いは2価のBaに対して3価のLaの酸化物を添
加する。これによって、トリミングしたとき、自由電子
が発生し、調整層21が導体化しやすくなる。
【0021】また、積層部品素体13を構成するセラミ
ック材料中に予め前記のような原子価制御剤を添加して
おいてもよい。この原子価制御剤は、調整層21を形成
するセラミックグリーンシートのみに添加することも出
来る。この場合に添加する原子価制御剤は、セラミック
材料に対して多くても0.1モル%であり、通常は0.
05モル%前後である。
【0022】このようにして積層コンデンサの静電容量
値を増大させた後、静電容量値を小さくするためには、
トリミング電極19にレーザ光を照射し、トリミング電
極19を部分的に削る。これにより、トリミング電極1
9と内部電極18との対向面積が減少し、これによって
静電容量値が小さくなる。この際、トリミング電極19
と短絡されておらず、対向している内部電極18とトリ
ミング電極19とが短絡してしまわないように、前記の
トリミング時に比べてレーザ光の出力を小さく設定して
トリミングする。例えば、このトリミングに使用するレ
ーザ光を、可視光よりも短波長のエキシマレーザ等とす
ることにより、トリミング電極19をそれ程発熱させず
に切削することが出来る。このため、調整層21が還元
されることなく、トリミング電極19の面積のみを減少
させることが出来る。また、このトリミングは、トリミ
ング電極19が減少すればよいので、レーザ加工によら
ず、トリミング手段として、例えばサンドブラスト法等
を使用することも出来る。
【0023】図2は、積層コンデンサの他の例を示した
もので、この例では、積層部品素体1のトリミング電極
19及びそれと対向する一対の内部電極18、18が形
成されたのと反対側の面にも、トリミング電極19とそ
れに対向するる一対の内部電極18、18を形成してい
る。この例では、前述のようなトリミングが積層コンデ
ンサの2つの面の何れか任意の側で行えるため、積層コ
ンデンサを回路基板上に搭載する時の向きが制約されな
いという利点がある。さらに、電極構造が積層部品素体
13の両面側で概ね対称になるため、積層部品素体13
の焼成時に、同素体13が一方の反ってしまうというト
ラブルが少ない。
【0024】図4は、積層コンデンサの他の例を示した
もので、この例では、積層部品素体13のトリミング電
極19が積層部品素体13の表面に露出しておらず、そ
の上に薄いセラミック層22が形成されている。トリミ
ング時は、この薄いセラミック層22を通してトリミン
グ層19にレーザ光を照射し、前述と同様にしてトリミ
ングを行う。
【0025】次に、図5に積層コンデンサの他のトリミ
ング方法を示す。この積層コンデンサのトリミング方法
は、トリミング電極19の一部に、矢印で示すようにN
d−YAGレーザ等からレーザ光を照射する。これによ
り、図5(b)に示すように、調整層21の一部を切削
すると共に還元し、導体化させる。符号23は、切削さ
れた部分が導体化されることによって形成された導体層
を示す。これによって、図5(b)に示すように、一方
の内部電極18とトリミング電極19との間の間隔δが
実質的に狭くなる。この結果、トリミング電極19と内
部電極18の間で取得される容量は、トリミング前に比
べて大きくなり、外部電極14、14の間の静電容量値
がその分だけ大きくなる。その後、必要に応じて前記の
ようなトリミング電極19を減少させるようなトリミン
グを行う。
【0026】図6は、積層コンデンサの他の例を示した
もので、この例では、図6(a)に示すように、積層部
品素体1のトリミング電極19として、積層部品素体1
3の内部に形成された内部電極15、16と同様のもの
を使用している。トリミング時は、積層部品素体13の
表面の薄いセラミック層22を通してトリミング層19
にレーザ光を照射し、前述と同様にしてトリミングを行
う。すなわち、トリミング電極19の一部にレーザ光を
照射することより、調整層21の一部を切削すると共に
還元し、導体化させる。これによって、図6(b)に示
すように、トリミング電極19とそれに隣接する内部電
極15との間隔を実質的に狭くし、外部電極14、14
の間の静電容量値を増大させる。
【0027】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例とそれら
に対する比較例について、具体的な数値をあげて説明す
る。 (実施例1)BaO−TiO2−Nd23 等のセラミッ
ク原料粉末と有機溶剤を混合してセラミックスラリーを
作り、このセラミックスラリーをドクターブレード成膜
法によって、ベースフィルム上に塗布し、乾燥して、膜
状のセラミックグリーンシートを作った。その後、この
セラミックグリーンシートをベースフィルムから剥離離
し、セラミックグリーンシートを複数枚作った。
【0028】スクリーン印刷機により前記セラミックグ
リーンシートにPdペーストを印刷し、各々のセラミッ
クグリーンシートに所定の内部電極パターンを形成し
た。このような内部電極パターンが印刷されたセラミッ
クグリーンシートを所定の順序で積み重ね、両側に内部
電極パターンが印刷されていないセラミックグリーンシ
ート、いわゆるダミーシートと、トリミング電極パター
ンを印刷した調整層となるセラミックグリーンシートを
それぞれ積み重ね、これらを所定の温度下にて積層方向
に加圧して圧着し、積層体を得た。
【0029】この積層体を、4.5mm×3.2mm×
2.0mmの大きさに裁断し、この積層体を所定の温度
で焼成し、図3の分解斜視図で示されるような焼成済の
積層部品素体13を得た。さらに、この積層部品素体1
3の両端部にAgペーストを塗布し、これを焼き付け
た。その後、電解メッキバレル槽に入れて、Ag膜をメ
ッキ処理し、同Ag膜上にNiメッキ及びSnメッキ膜
を施した。これにより、外部電極14、14を形成し、
図1(a)に示すような積層セラミックコンデンサを得
た。そして、予めこの積層セラミックコンデンサの静電
容量値を測定した。
【0030】この積層セラミックコンデンサの前記トリ
ミング電極19の一端部にNd−YAGレーザから連続
発信モードでレーザ光を照射し、トリミングした。照射
出力は15.0W、照射ビーム径は約200μmとし、
照射時間は1秒、2秒、3秒とした。その後、レーザ光
の照射後の静電容量値を測定した。トリミング前後の積
層セラミックコンデンサの静電容量値及びトリミング後
のトリミング前に対する静電容量値の増加率を表1に示
す。なお、表1は積層セラミックコンデンサ10個の平
均値である。この表1から明らかな通り、トリミング後
はトリミング前に比べて、積層セラミックコンデンサの
静電容量値が明らかに増大しているのが分かる。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例2)積層セラミックコンデンサと
して図6(a)に示すようなものを使用し、レーザ光出
力を調整して、同図(b)で示すようにトリミングした
こと以外は、前記実施例1と同様にして積層セラミック
コンデンサをトリミングした。レーザ光の出力、トリミ
ング前後の積層セラミックコンデンサの静電容量値及び
トリミング後のトリミング前に対する静電容量値の増加
率を表2に示す。なお、表1は積層セラミックコンデン
サ10個の平均値である。また、比較のため、レーザ光
の出力を小さくして、トリミング電極19を削り取るだ
けのトリミングを行った。その結果を表2に比較例とし
て示す。この表2から明らかな通り、トリミング後はト
リミング前に比べて、積層セラミックコンデンサの静電
容量値が明らかに増大しているのが分かる。
【0033】
【表2】
【0034】次に、このようにしてトリミングを行った
比較例を除く積層セラミックコンデンサについて、レー
ザ光の出力を小さくして、トリミング電極19を削り取
り、積層セラミックコンデンサの静電容量値を減少させ
るトリミングを行った。その結果を表3に示す。この表
3から明らかなように、前述のトリミング方法によりま
ず一旦積層セラミックコンデンサの静電容量値を増大さ
せ、その後レーザ光の出力を小さくして、トリミング電
極19を削り取ることにより、積層セラミックコンデン
サの静電容量値を減少させることが出来る。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、積
層コンデンサの静電容量値を減少させるだけでなく、静
電容量値を増大させる方向でトリミング調整が可能とな
る。このため、トリミングに失敗し、静電容量値が小さ
くなり過ぎた場合、或いは製造したコンデンサの静電容
量値が設計値より小さかった場合、前記のトリミングに
より静電容量値を増大させて、そのリカバをすることが
出来る。よって、積層コンデンサを不良によって廃棄こ
とが無くなり、製品の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層コンデンサの例のトリミング
前とトリミング後の状態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明による積層コンデンサの他の例のトリミ
ング後の状態を示す縦断側面図である。
【図3】前記積層コンデンサの例の積層部品素体の層構
造を示す分解斜視図である。
【図4】本発明による積層コンデンサの他の例のトリミ
ング前の状態を示す縦断側面図である。
【図5】本発明による積層コンデンサの他の例のトリミ
ング前とトリミング後の状態を示す縦断側面図である。
【図6】本発明による積層コンデンサの他の例のトリミ
ング前とトリミング後の状態を示す縦断側面図である。
【図7】前記積層コンデンサの例のトリミング前とトリ
ミング後の等価回路を示す結線図である。
【図8】積層コンデンサの従来例のトリミング前の状態
を示す縦断側面図である。
【図9】積層コンデンサの他の従来例のトリミング後の
状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
13 積層部品素体 14 外部電極 15 内部電極 16 内部電極 18 内部電極 19 トリミング電極 20 短絡部 21 調整層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部電極(15)、(16)、(18)
    を有する積層部品素体(13)と、この積層部品素体
    (13)の端部に形成された外部電極(14)とを有す
    る積層コンデンサにおいて、積層部品素体(13)の内
    部に形成された少なくとも一対の内部電極(18)に対
    向して積層部品素体(13)の表面または表面近くに形
    成されたトリミング電極(19)と、このトリミング電
    極(19)と前記内部電極(18)との間にあり、前記
    トリミング電極(19)にレーザ光を照射することによ
    り還元される調整層(21)とを有することを特徴とす
    る積層コンデンサ。
  2. 【請求項2】 調整層(21)が、レーザ光を照射する
    ことにより還元すると共に、切削される層であることを
    特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。
  3. 【請求項3】 トリミング電極(19)またはトリミン
    グ電極(19)と調整層(21)との界面に原子価制御
    剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の積
    層コンデンサ。
  4. 【請求項4】 積層部品素体(13)の少なくとも調整
    層(21)に原子価制御剤を含むことを特徴とする請求
    項1〜3の何れかに記載の積層コンデンサ。
  5. 【請求項5】 内部電極(15)、(16)、(18)
    を有する積層部品素体(13)と、この積層部品素体
    (13)の端部に形成された外部電極(14)とを有す
    る積層コンデンサをトリミングして静電容量値を調整す
    る方法において、積層部品素体(13)の内部に形成さ
    れた少なくとも一対の内部電極(18)に対向して積層
    部品素体(13)の表面または表面近くに形成されたト
    リミング電極(19)と、このトリミング電極(19)
    と前記内部電極(18)との間にあり、前記トリミング
    電極(19)にレーザ光を照射することにより還元され
    る調整層(21)とを有する積層コンデンサを用意し、
    前記トリミング電極(19)にレーザ光を照射すること
    で、調整層(21)を一部還元することを特徴とする積
    層コンデンサのトリミング方法。
  6. 【請求項6】 調整層(21)が、同レーザ光を照射す
    ることにより、一部還元されると共に、切削されること
    を特徴とする請求項5に記載の積層コンデンサのトリミ
    ング方法。
  7. 【請求項7】 トリミング電極(19)にレーザ光を照
    射し、調整層(21)を一部還元した後、それより小さ
    い出力のレーザ光をトリミング電極(19)に照射し、
    調整層(21)を還元せずにトリミング電極(19)を
    切り取ることを特徴とする請求項5または6に記載の積
    層コンデンサのトリミング方法。
  8. 【請求項8】 内部電極(15)、(16)、(18)
    を有する積層部品素体(13)と、この積層部品素体
    (13)の端部に形成された外部電極(14)とを有す
    る積層コンデンサにおいて、積層部品素体(13)の内
    部に形成された少なくとも一対の内部電極(18)に対
    向して積層部品素体(13)の表面または表面近くに形
    成されたトリミング電極(19)と、このトリミング電
    極(19)と前記内部電極(18)との間にあり、前記
    トリミング電極(19)にレーザ光を照射することによ
    り還元される調整層(21)とを有し、前記トリミング
    電極(19)にレーザ光を照射することにより、調整層
    (21)の一部が還元されて、トリミング電極(19)
    と一方の内部電極(18)とが導通していることを特徴
    とする積層コンデンサ。
  9. 【請求項9】 内部電極(15)、(16)、(18)
    を有する積層部品素体(13)と、この積層部品素体
    (13)の端部に形成された外部電極(14)とを有す
    る積層コンデンサにおいて、積層部品素体(13)の内
    部に形成された少なくとも一対の内部電極(18)に対
    向して積層部品素体(13)の表面または表面近くに形
    成されたトリミング電極(19)と、このトリミング電
    極(19)と前記内部電極(18)との間にあり、前記
    トリミング電極(19)にレーザ光を照射することによ
    り還元される調整層(21)とを有し、前記トリミング
    電極(19)にレーザ光を照射することにより、調整層
    (21)の少なくとも一部が切削されると共に、還元さ
    れることにより、導体化されていることを特徴とする積
    層コンデンサ。
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