WO2023127470A1 - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層されたコンデンサ本体と、コンデンサ本体の内部に設けられ、複数の第1の内部電極と電気的に接続された第1のビア導体と、コンデンサ本体の内部に設けられ、複数の第2の内部電極と電気的に接続された第2のビア導体と、コンデンサ本体の表面に設けられ、第1のビア導体と電気的に接続された第1の外部電極と、コンデンサ本体の表面に設けられ、第2のビア導体と電気的に接続された第2の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサの製造方法は、セラミックグリーンシートに、内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程(S1)と、内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストが塗工されたセラミックグリーンシートを複数枚積層することにより、マザー積層体を作製する工程(S2)と、マザー積層体に、セラミックグリーンシートの積層方向に延伸する複数の貫通孔を形成し、形成した複数の貫通孔にビア導体用導電性ペーストを充填する工程(S3)と、積層方向において内部電極用導電性ペーストが塗工されていない位置で、ビア導体用導電性ペーストが充填されたマザー積層体を切断して、複数の未焼成チップに個片化する工程(S5)と、未焼成チップを焼成してコンデンサ本体を得る工程(S9)と、コンデンサ本体に第1の外部電極および第2の外部電極を形成する工程(S10)とを備える。複数の未焼成チップに個片化する工程(S5)では、マザー積層体を、ダミー電極用導電性ペーストが塗工された位置で切断することを含む。

Description

積層セラミックコンデンサの製造方法
 本発明は、積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
 電流の流れるルートを太くする、電流の流れるルートを短くする、極性の異なる電流が発生させる磁界を相互に相殺させるなどして、ESL(等価直列インダクタンス)を小さくした積層コンデンサが知られている。特許文献1および特許文献2には、ESLを小さくした積層コンデンサの一例が開示されている。
 特許文献1に開示された積層コンデンサ200は、図11に示すように、複数の誘電体層201と、複数の第1の内部電極202と、複数の第2の内部電極203とが積層されたコンデンサ本体210を備えている。コンデンサ本体210は、複数の第1の内部電極202と電気的に接続され、コンデンサ本体210の一方の主面まで延伸している複数の第1のビア導体204と、複数の第2の内部電極203と電気的に接続され、コンデンサ本体210の一方の主面まで延伸している複数の第2のビア導体205とを備えている。コンデンサ本体210の一方の主面には、複数の第1のビア導体204とそれぞれ電気的に接続される複数の第1の外部電極211と、複数の第2のビア導体205とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の外部電極212が形成されている。
 特許文献2に記載された積層コンデンサは、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層されたコンデンサ本体を備えている。コンデンサ本体は、複数の第1の内部電極と電気的に接続され、コンデンサ本体の一方の主面まで延伸している複数の第1のビア導体と、複数の第2の内部電極と電気的に接続され、コンデンサ本体の他方の主面まで延伸している複数の第2のビア導体とを備えている。コンデンサ本体の一方の主面には、複数の第1のビア導体とそれぞれ電気的に接続される複数の第1の外部電極が配置されており、他方の主面には、複数の第2のビア導体とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の外部電極が配置されている。
特開2006-135333号公報 特開平7-201651号公報
 しかしながら、特許文献1に記載の積層コンデンサ200では、図11に示すように、その外周領域220において、積層方向に内部電極202,203が配置されていない。このため、積層方向に内部電極202,203が配置されている領域と、積層方向に内部電極202,203が配置されていない外周領域220との間で、積層コンデンサ200の厚みに差が生じる。特許文献2に記載の積層コンデンサについても同様である。
 本発明は、上記課題を解決するものであり、積層方向に内部電極が配置されている領域と、積層方向に内部電極が配置されていない領域との間の厚みの差を抑制することができる積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
 本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層されたコンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の内部に設けられ、複数の前記第1の内部電極と電気的に接続された第1のビア導体と、前記コンデンサ本体の内部に設けられ、複数の前記第2の内部電極と電気的に接続された第2のビア導体と、前記コンデンサ本体の表面に設けられ、前記第1のビア導体と電気的に接続された第1の外部電極と、前記コンデンサ本体の表面に設けられ、前記第2のビア導体と電気的に接続された第2の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
 セラミックグリーンシートに、内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程と、
 前記内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストが塗工された前記セラミックグリーンシートを複数枚積層することにより、マザー積層体を作製する工程と、
 前記マザー積層体に、前記セラミックグリーンシートの積層方向に延伸する複数の貫通孔を形成し、形成した複数の前記貫通孔にビア導体用導電性ペーストを充填する工程と、
 前記積層方向において前記内部電極用導電性ペーストが塗工されていない位置で、前記ビア導体用導電性ペーストが充填された前記マザー積層体を切断して、複数の未焼成チップに個片化する工程と、
 前記未焼成チップを焼成して前記コンデンサ本体を得る工程と、
 前記コンデンサ本体に前記第1の外部電極および前記第2の外部電極を形成する工程と、
を備え、
 前記複数の未焼成チップに個片化する工程では、前記マザー積層体を、前記ダミー電極用導電性ペーストが塗工された位置で切断することを含むことを特徴とする。 
 本発明によれば、セラミックグリーンシートに内部電極用導電性ペーストとともにダミー電極用導電性ペーストを塗工し、内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストを塗工したセラミックグリーンシートを複数枚積層して得られるマザー積層体を、積層方向において内部電極用導電性ペーストが塗工されていない位置で切断して未焼成チップに個片化する工程を経て積層セラミックコンデンサを製造する。マザー積層体の切断には、ダミー電極用導電性ペーストが塗工された位置での切断が含まれる。そのような製造方法により、積層方向に内部電極が配置されている領域と、積層方向に内部電極が配置されていない外周領域との間の厚みの差が抑制された積層セラミックコンデンサを製造することができる。
本発明の一実施形態における積層セラミックコンデンサの平面図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのII-II線に沿った断面図である。 積層セラミックコンデンサの断面のうち、ダミー電極が配置されている領域付近の拡大図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサとは別の構成の積層セラミックコンデンサの断面図である。 一実施形態における積層セラミックコンデンサの製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。 (a)~(d)は、積層セラミックコンデンサの製造工程のうち、未焼成チップを作製するまでの工程を説明するための図である。 (a)~(e)は、図6に続いて、積層セラミックコンデンサの製造工程を説明するための図である。 (a)は、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサの積層方向における厚みの分布を示す図であり、(b)は、従来の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサの積層方向における厚みの分布を示す図である。 (a)、(b)、(c)はそれぞれ、パターンA、パターンB、パターンCの積層セラミックコンデンサを製造するためのダミー電極用導電性ペーストの印刷パターンを説明するための図である。 (a)、(b)、(c)はそれぞれ、パターンA、パターンB、パターンCの積層セラミックコンデンサの積層方向における厚みの分布を示す図である。 特許文献1に記載の積層コンデンサの構成を示す断面図である。
 以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴を具体的に説明する。
 以下では、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造される積層セラミックコンデンサの構造について説明してから、積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
 図1は、本発明の一実施形態における積層セラミックコンデンサ100の平面図である。図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサ100のII-II線に沿った断面図である。
 積層セラミックコンデンサ100は、コンデンサ本体1と、第1のビア導体5と、第2のビア導体6と、第1の外部電極11と、第2の外部電極12と、ダミー電極13とを備える。
 コンデンサ本体1は、複数の誘電体層2と、複数の第1の内部電極3と、複数の第2の内部電極4とが積層された構造を有する。より詳細には、コンデンサ本体1は、誘電体層2を介して第1の内部電極3と第2の内部電極4とが交互に複数積層された構造を有する。
 誘電体層2の材質は任意であり、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、SrZrO3、または、CaZrO3などを主成分とするセラミック材料からなる。これらの主成分に、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分が添加されていてもよい。
 コンデンサ本体1の形状は任意である。本実施形態では、コンデンサ本体1は、全体として直方体の形状を有する。全体として直方体の形状とは、例えば、直方体の角部や稜線部が丸みを帯びている形状や、直方体の表面に凹凸が存在する形状のように、完全な直方体の形状ではないが、6つの表面を有し、全体として直方体ととらえることができる形状のことである。したがって、コンデンサ本体1は、第1の主面1aと、第2の主面1bと、第1の側面1cと、第2の側面1dと、第3の側面1eと、第4の側面1fとを備える。
 コンデンサ本体1の第1の主面1aおよび第2の主面1bは、誘電体層2、第1の内部電極3および第2の内部電極4の積層方向Tに相対する表面である。コンデンサ本体1の第1の側面1c~第4の側面1fは、コンデンサ本体1の表面のうち、第1の主面1aおよび第2の主面1b以外の表面を構成している。コンデンサ本体1の第1の側面1c~第4の側面1fは、第1の主面1aおよび第2の主面1bと直交しているが、直交していなくてもよい。
 コンデンサ本体1の寸法は任意である。例えば、積層方向Tにおける平面視で矩形のコンデンサ本体1の縦方向の寸法を0.3mm以上3.0mm以下、横方向の寸法を0.3mm以上3.0mm以下、積層方向Tにおける寸法を50μm以上200μm以下とすることができる。積層方向Tにおけるコンデンサ本体1の寸法とは、コンデンサ本体1の厚みのことである。
 第1の内部電極3および第2の内部電極4の材質は任意であり、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Pt、Fe、Ti、Cr、SnまたはAuなどの金属、またはそれらの金属を含む合金などを用いることが可能である。第1の内部電極3および第2の内部電極4は、共材として、誘電体層2に含まれる誘電体セラミックと同じセラミック材料を含んでいてもよい。その場合、第1の内部電極3および第2の内部電極4に含まれる共材の割合は、例えば、20vol%以下である。
 第1の内部電極3および第2の内部電極4の厚さは任意であるが、例えば、0.3μm以上1.0μm以下程度とすることができる。第1の内部電極3および第2の内部電極4の層数は任意である。例えば、第1の内部電極3と第2の内部電極4の合計層数は、10層以上150層以下程度とすることができる。
 第1の内部電極3には、後述する複数の第2のビア導体6を挿通させるために、複数の第1の貫通孔3aが形成されている。第2の内部電極4には、後述する複数の第1のビア導体5を挿通させるために、複数の第2の貫通孔4aが形成されている。
 積層セラミックコンデンサ100は、第1の内部電極3と第2の内部電極4とが誘電体層2を介して対向することにより静電容量が形成される。
 コンデンサ本体1はさらに、第1のビア導体5と第2のビア導体6とを備える。本実施形態では、図1に示すように、複数の第1のビア導体5および複数の第2のビア導体6がマトリクス状に設けられている。ただし、第1のビア導体5および第2のビア導体6の配置がマトリクス状の配置に限定されることはない。第1のビア導体5および第2のビア導体6の数は、任意の数とすることができる。
 図2に示すように、第1のビア導体5は、コンデンサ本体1の第1の主面1aから第2の主面1bまで積層方向Tに延伸する態様でコンデンサ本体1の内部に設けられ、複数の第1の内部電極3と電気的に接続されている。第1のビア導体5は、第2の内部電極4に形成されている第2の貫通孔4aを挿通しており、第2の内部電極4とは絶縁されている。
 図2に示すように、第2のビア導体6は、コンデンサ本体1の第1の主面1aから第2の主面1bまで積層方向Tに延伸する態様でコンデンサ本体1の内部に設けられ、複数の第2の内部電極4と電気的に接続されている。第2のビア導体6は、第1の内部電極3に形成されている第1の貫通孔3aを挿通しており、第1の内部電極3とは絶縁されている。
 図2に示すように、第1のビア導体5および第2のビア導体6はそれぞれ、コンデンサ本体1の第2の主面1bに露出しているが、露出していなくてもよい。
 第1のビア導体5および第2のビア導体6の材質は任意であり、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Pt、Fe、Ti、Cr、SnまたはAuなどの金属、またはそれらの金属を含む合金などを用いることが可能である。
 第1のビア導体5および第2のビア導体6の形状は任意であるが、例えば、円柱状とすることができる。その場合の第1のビア導体5および第2のビア導体6の直径は、例えば、30μm以上150μm以下程度である。また、隣り合う第1のビア導体5と第2のビア導体6との間の距離、より詳しくは、第1のビア導体5の中心と第2のビア導体6の中心との間の距離L1(図2参照)は、例えば、50μm以上500μm以下程度である。
 第1の外部電極11は、コンデンサ本体1の表面のうち、第1の主面1aおよび第2の主面1bのうちの少なくとも一方の主面に設けられ、第1のビア導体5と電気的に接続されている。本実施形態では、第1の外部電極11は、コンデンサ本体1の第1の主面1aに設けられている。第1の外部電極11の数は、第1のビア導体5の数と同じである。上述したように、第1のビア導体5は、複数の第1の内部電極3と電気的に接続されているため、第1の外部電極11は、複数の第1の内部電極3と電気的に接続されている。
 第2の外部電極12は、コンデンサ本体1の表面のうち、第1の主面1aおよび第2の主面1bのうちの少なくとも一方の主面に設けられ、第2のビア導体6と電気的に接続されている。本実施形態では、第2の外部電極12は、コンデンサ本体1の第1の主面1aに設けられている。第2の外部電極12の数は、第2のビア導体6の数と同じである。上述したように、第2のビア導体6は、複数の第2の内部電極4と電気的に接続されているため、第2の外部電極12は、複数の第2の内部電極4と電気的に接続されている。
 第1の外部電極11および第2の外部電極12の材質は任意である。本実施形態において、第1の外部電極11および第2の外部電極12は、めっきにより形成されるめっき電極である。めっき電極を構成する材料として、Cu、Ni、Sn等が挙げられる。めっき電極は、単層で構成されていてもよいし、複数層で構成されていてもよい。
 ダミー電極13は、コンデンサ本体1の内部のうち、積層方向Tにおいて第1の内部電極3および第2の内部電極4のいずれも設けられていない外周領域21に設けられている。図1および図2に示すように、外周領域21は、コンデンサ本体1のうち、積層方向Tと直交する方向における外側部分の領域である。ダミー電極13は、第1の内部電極3および第2の内部電極4のいずれにも電気的に接続されていない。ここでは、コンデンサ本体1のうち、外周領域21以外の領域、すなわち、積層方向Tにおいて第1の内部電極3および第2の内部電極4のうちの少なくとも一方の内部電極が設けられている領域を、内周領域22と呼ぶ。
 なお、ダミー電極13は、コンデンサ本体1の内部のうち、積層方向Tにおいて第1の内部電極3および第2の内部電極4のいずれも設けられていない外周領域21に設けられているが、外周領域21の全てに設けられる必要はない。
 コンデンサ本体1の内部のうち、積層方向Tにおいて第1の内部電極3および第2の内部電極4が設けられていない外周領域21にダミー電極13が設けられていることにより、積層方向Tにおいて第1の内部電極3および第2の内部電極4のうちの少なくとも一方の内部電極が設けられている内周領域22と、外周領域21との間の積層方向Tにおけるコンデンサ本体1の厚さの差を抑制することができる。
 ダミー電極13の材質は任意であり、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Pt、Fe、Ti、Cr、SnまたはAuなどの金属、またはそれらの金属を含む合金などを用いることが可能である。ダミー電極13の材質は、第1の内部電極3および第2の内部電極4の材質と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
 ダミー電極13の厚さも任意であるが、第1の内部電極3および第2の内部電極4の厚さと同じか、またはそれに近い厚さであることが好ましい。ダミー電極13の厚さが第1の内部電極3および第2の内部電極4の厚さと同じか、またはそれに近い厚さであることにより、コンデンサ本体1の内周領域22と外周領域21との間の厚さの差をより効果的に抑制することができる。
 積層方向Tにおけるダミー電極13の枚数も任意であるが、積層方向Tにおける第1の内部電極3と第2の内部電極4との合計枚数と同じであるか、またはそれに近い数であることが好ましい。ダミー電極13の枚数が第1の内部電極3と第2の内部電極4の合計枚数と同じであるか、またはそれに近い数であることにより、コンデンサ本体1の内周領域22と外周領域21との間の厚さの差をより効果的に抑制することができる。
 図3は、積層セラミックコンデンサ100の断面のうち、ダミー電極13が配置されている領域の拡大図である。サイズの一例として、コンデンサ本体1の側面(図3では第3の側面1e)と第1の内部電極3または第2の内部電極4との間の寸法L2は、30μmであり、コンデンサ本体1の側面(図3では第3の側面1e)から第1の内部電極3または第2の内部電極4へと向かう方向におけるダミー電極13の寸法L3は、6μmである。この場合、積層方向Tと直交する方向において、ダミー電極13と第1の内部電極3との間の距離L4、および、ダミー電極13と第2の内部電極4との間の距離L4は、24μmである。
 上記ダミー電極13の寸法L3は、任意である。ただし、積層方向Tと直交する方向において、ダミー電極13と第1の内部電極3との間の距離、および、ダミー電極13と第2の内部電極4との間の距離L4が短くなると、ダミー電極13が第1の内部電極3および第2の内部電極4と電気的に接続される可能性がある。このため、積層方向Tと直交する方向において、ダミー電極13と第1の内部電極3との間の距離、および、ダミー電極13と第2の内部電極4との間の距離L4は、20μm以上であることが好ましい。
 図2に示すように、ダミー電極13は、コンデンサ本体1の複数の側面1c~1fのうちの少なくとも1つの側面に露出している。図2は、第1の側面1cおよび第3の側面1eを含む位置でコンデンサ本体1を切断したときの断面を示しており、ダミー電極13がコンデンサ本体1の第1の側面1cおよび第3の側面1eに露出した状態を示している。
 コンデンサ本体1の外周領域21は、図1に示すように、4つの側面1c~1fに対応した外周部分の領域である。ダミー電極13は、コンデンサ本体1の外周領域21のうち、4つの側面1c~1fのうちの少なくとも1つの側面に対応した位置に設けられている。
 (別の構成の積層セラミックコンデンサ)
 上述した積層セラミックコンデンサ100は、コンデンサ本体1にダミー電極13が設けられているが、本発明による積層セラミックコンデンサの製造方法では、コンデンサ本体1にダミー電極13が設けられていない構造の積層セラミックコンデンサを製造することもできる。
 図4は、コンデンサ本体1にダミー電極が設けられていない積層セラミックコンデンサ100Aの断面図である。図4に示す断面図は、図2に示す断面図と同じ位置で切断したときの断面を示している。コンデンサ本体1にダミー電極は設けられていないので、コンデンサ本体1の第1の側面1c~第4の側面1fは、誘電体層2のみが露出している。
 後述するように、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によって積層セラミックコンデンサ100Aを製造すれば、コンデンサ本体1にダミー電極13が含まれていなくても、内周領域22と外周領域21との間の積層方向Tにおけるコンデンサ本体1の厚さの差を抑制することができる。
 (積層セラミックコンデンサの製造方法)
 上述した積層セラミックコンデンサ100,100Aの製造方法の一例について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。ただし、フローチャートによる説明とともに参照する図(図6、図7)では、積層セラミックコンデンサ100を製造する場合の工程を示している。
 図5のステップS1では、セラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペースト、および、ダミー電極用導電性ペーストをそれぞれ用意する。セラミックグリーンシートは、公知のものを用いることが可能であり、例えば、セラミック粉体と樹脂成分と溶媒とを含むセラミックスラリーを基材の上に塗工して乾燥させることにより、得ることができる。
 内部電極用導電性ペーストは、第1の内部電極3および第2の内部電極4を形成するための導電性ペーストであり、公知のものを用いることが可能である。内部電極用導電性ペーストは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Pt、Fe、Ti、Cr、SnまたはAuなどの金属またはその前駆体からなる粒子と溶媒とを含む。内部電極用導電性ペーストには、さらに分散剤やバインダとなる樹脂成分が含まれていてもよい。
 ダミー電極用導電性ペーストは、ダミー電極13を形成するための導電性ペーストであり、例えば、内部電極用導電性ペーストと同じものを用いる。ただし、ダミー電極用導電性ペーストとして、内部電極用導電性ペーストとは異なる導電性ペーストを用意してもよい。
 ステップS1に続くステップS2では、用意したセラミックグリーンシート31に、内部電極用導電性ペースト32およびダミー電極用導電性ペースト33を印刷等の方法で塗工することによって、電極パターンを形成する(図6(a))。ここでは、複数の積層セラミックコンデンサ100,100Aを一度に製造することが可能な電極パターンを形成する。
 ダミー電極用導電性ペースト33は、内部電極用導電性ペースト32の厚さと同じかまたはそれに近い厚さとなるように塗工することが好ましい。内部電極用導電性ペースト32の厚さと同じか、またはそれに近い厚さとなるようにダミー電極用導電性ペースト33を塗工することにより、製造される積層セラミックコンデンサ100,100Aの内周領域22と外周領域21との間の厚さの差をより効果的に抑制することができる。
 また、ダミー電極用導電性ペースト33は、内部電極用導電性ペースト32が塗工されている全てのセラミックグリーンシート31か、または、全てに近い数のセラミックグリーンシート31に塗工することが好ましい。内部電極用導電性ペーストが塗工されている全てのセラミックグリーンシート31か、または全てに近い数のセラミックグリーンシート31にダミー電極用導電性ペースト33を塗工することにより、製造される積層セラミックコンデンサ100,100Aの内周領域22と外周領域21との間の厚さの差をより効果的に抑制することができる。
 なお、図1および図2に示す積層セラミックコンデンサ100には、第1のビア導体5および第2のビア導体6を含むビア導体が6行6列の配列で合計36個含まれているが、ここでは、図面のスペースの関係上、3行3列で合計9個のビア導体を含む積層セラミックコンデンサを製造するものとして説明する。
 内部電極用導電性ペースト32は、第1の内部電極3および第2の内部電極4を形成する位置に塗工する。ダミー電極用導電性ペースト33は、セラミックグリーンシート31の積層方向において、内部電極用導電性ペースト32が塗工されない領域に塗工する。
 ただし、ダミー電極用導電性ペースト33は、セラミックグリーンシート31の積層方向において、内部電極用導電性ペースト32が塗工されない全ての領域に塗工する必要はない。
 ステップS2に続くステップS3では、内部電極用導電性ペースト32およびダミー電極用導電性ペースト33が塗工されたセラミックグリーンシート31を複数枚積層することにより、マザー積層体40を作製する(図6(b))。マザー積層体40を作製する際、積層方向の外側に、電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシート31を配置してもよい。本実施形態では、複数枚のセラミックグリーンシート31を積層した後、積層方向にプレスすることによって、マザー積層体40を作製する。プレスの方法は任意であり、例えば、剛体プレスや静水圧プレス等が利用可能である。
 ステップS3に続くステップS4では、マザー積層体40に、積層方向に延伸する複数の貫通孔を形成し、形成した複数の貫通孔にビア導体用導電性ペースト34を充填する(図6(c))。貫通孔は、任意の方法により形成することが可能であり、例えば、レーザにより形成する。ビア導体用導電性ペースト34は、第1のビア導体5および第2のビア導体6を形成するための導電性ペーストであり、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Pt、Fe、Ti、Cr、SnまたはAuなどの金属またはその前駆体からなる粒子と溶媒とを含む。ビア導体用導電性ペースト34には、さらに分散剤やバインダとなる樹脂成分が含まれていてもよい。
 ステップS4に続くステップS5では、セラミックグリーンシート31の積層方向において内部電極用導電性ペースト32が塗工されていない位置でマザー積層体40を切断して、複数の未焼成チップ41に個片化する(図6(d))。マザー積層体40の切断には、ダミー電極用導電性ペースト33が塗工された位置での切断が含まれる。すなわち、上述したように、ダミー電極用導電性ペースト33は、セラミックグリーンシート31のうち、積層方向において内部電極用導電性ペースト32が塗工されない領域に塗工されているので、マザー積層体40は、ダミー電極用導電性ペースト33が塗工された位置で切断される。ただし、上述したように、ダミー電極用導電性ペースト33は、セラミックグリーンシート31の積層方向において、内部電極用導電性ペースト32が塗工されない全ての領域に塗工する必要はないので、ダミー電極用導電性ペースト33が塗工されていない位置で切断される場合もある。マザー積層体40の切断は、例えば、押切り、ダイシング、レーザ切断などの方法により行うことができる。
 ここで、マザー積層体40を切断する際に、例えば、ダミー電極用導電性ペースト33の幅が切断刃の幅と同じくらいか、または小さい場合、マザー積層体40を切断して得られる未焼成チップ41には、ダミー電極用導電性ペースト33が含まれなくなる。その場合、図4に示すように、製造される積層セラミックコンデンサ100Aには、ダミー電極が含まれない。したがって、図4に示すようなダミー電極を含まない積層セラミックコンデンサ100Aを製造する場合には、セラミックグリーンシート31に塗工するダミー電極用導電性ペースト33の幅を調整すればよい。
 すなわち、ダミー電極13を含む積層セラミックコンデンサ100を製造する場合には、マザー積層体40の切断により得られる未焼成チップ41にダミー電極用導電性ペースト33が含まれるように、ダミー電極用導電性ペースト33を塗工する。また、ダミー電極13を含まない積層セラミックコンデンサ100Aを製造する場合には、マザー積層体40の切断により得られる未焼成チップ41にダミー電極用導電性ペースト33が含まれないように、ダミー電極用導電性ペースト33を塗工する。上述したように、塗工するダミー電極用導電性ペースト33の幅を調整することによって、未焼成チップ41にダミー電極用導電性ペースト33が含まれる構成とすることもできるし、ダミー電極用導電性ペースト33が含まれない構成とすることもできる。
 本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法では、セラミックグリーンシート31に内部電極用導電性ペースト32とともにダミー電極用導電性ペースト33を塗工し、内部電極用導電性ペースト32およびダミー電極用導電性ペースト33を塗工したセラミックグリーンシート31を複数枚積層して得られるマザー積層体40を、積層方向において内部電極用導電性ペースト32が塗工されていない位置で切断して個片化する工程を経て積層セラミックコンデンサを製造する。マザー積層体40の切断には、ダミー電極用導電性ペースト33が塗工された位置での切断が含まれる。ダミー電極用導電性ペースト33を塗工することにより、積層方向に内部電極用導電性ペースト32が塗工されている領域と塗工されていない領域との間のマザー積層体40の厚みの差を抑制することができる。したがって、製造される積層セラミックコンデンサにダミー電極が含まれていなくても、積層方向において第1の内部電極3および第2の内部電極4が含まれている内周領域22と、第1の内部電極3および第2の内部電極4が含まれていない外周領域21との間の厚みの差を抑制することができる。
 なお、上述したように、未焼成チップ41にダミー電極用導電性ペースト33が含まれる場合の図を参照しながら説明を続けるが、未焼成チップ41にダミー電極用導電性ペースト33が含まれない場合でも、製造工程は同じである。
 ステップS5に続くステップS6では、図7(a)に示すように、基体51を用意する。基体51の材質、形状等は任意であり、例えば、表裏対向する一対の主面を備えたセラミックの板を使用する。
 ステップS6に続くステップS7では、基体51の表面に導電層を形成する。同じく図7(a)を参照すると、基体51の少なくとも一方の主面上に、導電層52を形成する。導電層52の材質、状態等は任意であり、例えば、基体51の一方の主面上に導電性ペーストを塗工することによって、導電層52を形成する。導電性ペーストの主材料の材質は任意であり、合金を含む種々の金属の1つまたは複数を使用することができる。なお、この段階で基体51を加熱して導電性ペーストを基体51に焼き付けるようにしてもよい。
 なお、上述したステップS6~S7の工程は、ステップS1~S5の工程より先に行ってもよいし、ステップS1~S5の工程と並行して行ってもよい。
 ステップS7に続くステップS8では、図7(b)に示すように、個片化した未焼成チップ41の表面のうち、ビア導体用導電性ペースト34が露出している表面を、基体51の導電層52に取り付ける。未焼成チップ41を基体51の導電層52に取り付ける方法は任意である。例えば、未焼成チップ41の粘着力を利用してもよいし、導電層接着剤を用いて未焼成チップ41を導電層52に取り付けてもよい。
 ステップS8に続くステップS9では、基体51の導電層52に取り付けた状態で、未焼成チップ41を焼成する。これにより、図7(c)に示すように、焼成後のチップであるコンデンサ本体1が得られる。このとき、導電層52も焼成されて、導電性ペーストから金属膜になる。このため、導電層52は、第1のビア導体5および第2のビア導体6と電気的に接続されている。この状態では、コンデンサ本体1の第1の主面1aに第1のビア導体5および第2のビア導体6が露出している。
 ステップS9に続くステップS10では、図7(d)に示すように、コンデンサ本体1に第1の外部電極11および第2の外部電極12を形成する。ここでは、コンデンサ本体1の第1の主面1aに露出している第1のビア導体5および第2のビア導体6の上にめっきを施すことによって、第1の外部電極11および第2の外部電極12を形成する。具体的には、導電層52に電流を流して、露出している第1のビア導体5および第2のビア導体6に電解めっきを施すことによって、第1の外部電極11および第2の外部電極12を形成する。
 このように、導電層52に電流を流すことによる電解めっきを施すことにより、コンデンサ本体1の第1の主面1aに露出している第1のビア導体5および第2のビア導体6の上にのみめっきを施すことができる。したがって、コンデンサ本体1にダミー電極13が含まれ、コンデンサ本体1の側面にダミー電極13が露出している場合でも、ダミー電極13は、導電層52と電気的に接続されていないので、めっきは施されない。
 最後に、図7(e)に示すように、第1の外部電極11および第2の外部電極12が形成されたコンデンサ本体1を、基体51の導電層52から取り外す。以上の工程により、積層セラミックコンデンサ100,100Aが得られる。
 (実施例)
 図8(a)は、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサ100の積層方向Tにおける厚みの分布を示す図であり、図8(b)は、従来の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサの積層方向Tにおける厚みの分布を示す図である。従来の積層セラミックコンデンサの製造方法には、上述したダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程は含まれない。図8(a)、(b)において、横軸は、積層セラミックコンデンサの対向する一対の側面間の距離を表し、縦軸は、積層方向Tにおける積層セラミックコンデンサの厚みを示す。
 本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサ100では、従来の積層セラミックコンデンサの製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサと比べて、外周領域21と内周領域22との間の厚みの差が10μm程度改善された。
 続いて、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によって、ダミー電極13の寸法を変更した3種類の積層セラミックコンデンサを作製して、特性について調べた。ダミー電極13の寸法は、積層セラミックコンデンサの側面から第1の内部電極3または第2の内部電極4へと向かう方向における寸法L3(図3参照)を意味する。ここでは、ダミー電極13の寸法が小さいパターンAの積層セラミックコンデンサ、パターンAの積層セラミックコンデンサと比べてダミー電極13の寸法が大きいパターンBの積層セラミックコンデンサ、パターンBの積層セラミックコンデンサと比べてダミー電極13の寸法が大きいパターンCの積層セラミックコンデンサを作成した。パターンCの積層セラミックコンデンサにおいて、ダミー電極13の寸法は、内部電極と接触するほど大きい。
 図9(a)、(b)、(c)はそれぞれ、パターンA、パターンB、パターンCの積層セラミックコンデンサを製造するためのダミー電極用導電性ペースト33の印刷パターンを説明するための図である。図9(a)~(c)はいずれも、セラミックグリーンシート31の上に、内部電極用導電性ペースト32とダミー電極用導電性ペースト33を塗工した状態を示している。図9(a)に示す印刷パターンでは、ダミー電極用導電性ペースト33の幅は60μmであり、図9(b)に示す印刷パターンでは、ダミー電極用導電性ペースト33の幅は112μmである。図9(c)に示す印刷パターンでは、内部電極用導電性ペースト32が塗工されていない全ての領域にダミー電極用導電性ペースト33を塗工した。図9(a)~(c)では、未焼成チップを構成する領域を点線で示している。なお、図9(b)に示す印刷パターンでは、ダミー電極用導電性ペースト33が交差する位置は、印刷のつぶれを抑制するために、ダミー電極用導電性ペースト33を塗工していない。
 <焼成前の断面観察>
 パターンA、パターンB、パターンCの積層セラミックコンデンサの焼成前の端面の断面を確認したところ、パターンCの積層セラミックコンデンサでは、外周端部の外層がめくれ上がっていた。これは、セラミックグリーンシート31のうち、内部電極用導電性ペースト32が塗工されていない全ての領域にダミー電極用導電性ペースト33が塗工されるため、層間の密着性が低下し、個片化するための切断時にめくれあがったものと考えられる。一方、パターンAおよびパターンBの積層セラミックコンデンサでは、上記のようなセラミックグリーンシートのめくれ上がりは見られなかった。
 <段差と容量>
 図10(a)、(b)、(c)はそれぞれ、パターンA、パターンB、パターンCの積層セラミックコンデンサの積層方向Tにおける厚みの分布を示す図である。図10(a)~(c)において、横軸は、積層セラミックコンデンサの対向する一対の側面間の距離を表し、縦軸は、積層方向Tにおける積層セラミックコンデンサの厚みを示す。なお、パターンAの積層セラミックコンデンサにおけるダミー電極13の最大寸法は13μmであり、パターンBの積層セラミックコンデンサにおけるダミー電極13の最大寸法は44μmであった。
 パターンCの積層セラミックコンデンサでは、焼成後も誘電体層の外周端部の外層がめくれ上がっていることが確認できた。また、めくれ上がった隙間にダミー電極13が巻き込まれて、積層方向Tに隣接するダミー電極13同士が電気的に接続され、それにより、積層方向に隣接する内部電極同士が電気的に接続されていることが確認できた。したがって、パターンCの積層セラミックコンデンサのように、セラミックグリーンシート31のうち、内部電極用導電性ペースト32が塗工されていない全ての領域にダミー電極用導電性ペースト33を塗工することは好ましくない。
 これに対して、パターンAおよびパターンBの積層セラミックコンデンサでは、誘電体層のめくれ上がりは見られず、特性上の問題も生じていないことが確認できた。パターンAの積層セラミックコンデンサの容量は436nFであり、パターンBの積層セラミックコンデンサの容量は、396nFであった。また、パターンAおよびパターンBの積層セラミックコンデンサでは、内周領域と外周領域との厚さの差は、±10μm以内に抑えられている。
 なお、パターンBの積層セラミックコンデンサは、パターンAの積層セラミックコンデンサと比べて、ダミー電極13の寸法が大きく、そのため、外周領域が膨らんでしまう。このため、パターンBの積層セラミックコンデンサと比べて、ダミー電極13の寸法が小さいパターンAの積層セラミックコンデンサの方が外周領域の膨らみが小さいので好ましい。
 本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
 例えば、第1の外部電極11および第2の外部電極12は、コンデンサ本体1の第1の主面1aにのみ設けられているが、第2の主面1bにも設けられていてもよい。その場合、第1の外部電極11は、コンデンサ本体1の第1の主面1aおよび第2の主面1bに設けられ、第1のビア導体5と電気的に接続されている。また、第2の外部電極12は、コンデンサ本体1の第1の主面1aおよび第2の主面1bに設けられ、第2のビア導体6と電気的に接続されている。コンデンサ本体1の第2の主面1b側の第1の外部電極11および第2の外部電極12は、第1の主面1a側の第1の外部電極11および第2の外部電極12を形成した後、コンデンサ本体の第1の主面1aを基体の導電層に取り付けて、上述したように、導電層に電流を流すことによる電解めっきを施すことによって形成することが可能である。
 また、第1の外部電極11は、コンデンサ本体1の第1の主面1aに設けられ、第2の外部電極12は、コンデンサ本体1の第2の主面1bに設けられる構成としてもよい。
1   コンデンサ本体
2   誘電体層
3   第1の内部電極
4   第2の内部電極
5   第1のビア導体
6   第2のビア導体
11  第1の外部電極
12  第2の外部電極
13  ダミー電極
21  外周領域
22  内周領域
31  セラミックグリーンシート
32  内部電極用導電性ペースト
33  ダミー電極用導電性ペースト
34  ビア導体用導電性ペースト
40  マザー積層体
41  未焼成チップ
51  基体
52  導電層
100、100A 積層セラミックコンデンサ

Claims (7)

  1.  複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層されたコンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の内部に設けられ、複数の前記第1の内部電極と電気的に接続された第1のビア導体と、前記コンデンサ本体の内部に設けられ、複数の前記第2の内部電極と電気的に接続された第2のビア導体と、前記コンデンサ本体の表面に設けられ、前記第1のビア導体と電気的に接続された第1の外部電極と、前記コンデンサ本体の表面に設けられ、前記第2のビア導体と電気的に接続された第2の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
     セラミックグリーンシートに、内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程と、
     前記内部電極用導電性ペーストおよびダミー電極用導電性ペーストが塗工された前記セラミックグリーンシートを複数枚積層することにより、マザー積層体を作製する工程と、
     前記マザー積層体に、前記セラミックグリーンシートの積層方向に延伸する複数の貫通孔を形成し、形成した複数の前記貫通孔にビア導体用導電性ペーストを充填する工程と、
     前記積層方向において前記内部電極用導電性ペーストが塗工されていない位置で、前記ビア導体用導電性ペーストが充填された前記マザー積層体を切断して、複数の未焼成チップに個片化する工程と、
     前記未焼成チップを焼成して前記コンデンサ本体を得る工程と、
     前記コンデンサ本体に前記第1の外部電極および前記第2の外部電極を形成する工程と、
    を備え、
     前記複数の未焼成チップに個片化する工程では、前記マザー積層体を、前記ダミー電極用導電性ペーストが塗工された位置で切断することを含むことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
  2.  前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程では、前記マザー積層体の切断により得られる前記未焼成チップに前記ダミー電極用導電性ペーストが含まれないように、前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  3.  前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程では、前記マザー積層体の切断により得られる前記未焼成チップに前記ダミー電極用導電性ペーストが含まれるように、前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  4.  前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程では、前記内部電極用導電性ペーストと同じ厚さとなるように前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  5.  前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工する工程では、前記内部電極用導電性ペーストが塗工されている全ての前記セラミックグリーンシートに前記ダミー電極用導電性ペーストを塗工することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  6.  前記第1の外部電極および前記第2の外部電極を形成する工程では、前記コンデンサ本体の表面に露出している前記第1のビア導体および前記第2のビア導体の上にめっきを施すことによって、前記第1の外部電極および前記第2の外部電極を形成することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  7.  基体を用意する工程と、
     前記基体の表面に導電層を形成する工程と、
     前記未焼成チップの表面のうち、前記ビア導体用導電性ペーストが露出している表面を、前記基体の前記導電層に取り付ける工程と、
    をさらに備え、
     前記未焼成チップを焼成する工程では、前記基体の前記導電層に取り付けた状態で前記未焼成チップを焼成し、
     前記第1の外部電極および前記第2の外部電極を形成する工程では、前記導電層に電流を流して、露出している前記第1のビア導体および前記第2のビア導体に電解めっきを施すことにより、前記第1の外部電極および前記第2の外部電極を形成することを特徴とする請求項6に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
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