JPH10236472A - 熱可塑性樹脂材よりなる箱容器の器体もしくは蓋面の接合部止着構造。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低発泡性熱可塑性樹脂、又はプラスチックダ
ンボール容器の器体と蓋を繊毛テープにより密閉止着す
るための取着手段。 【解決手段】 器体間又は器体と蓋間の接着部位に接着
剤と繊毛テープを超音波により凹状に溶融して取付け、
超音波溶融部分による止着部位と繊毛テープの接着剤に
よる止着部位との間に段差を設けて接合部分が密接止着
するように設けた合成樹脂ダンボールの止着構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は企業間で頻繁に通
函等に使用される合成樹脂製箱容器の器体と蓋間の繊毛
テープによる接合部の止着構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】企業間で機械工作部品や、その他農産品
等の保管や、運搬又は収納する容器は、紙製の板紙やダ
ンボール、プラダンといわれるプラスチックダンボール
や合成樹脂板を材料とした箱容器を使用している。この
うち材質が紙製のものは耐水性や強度性に劣るため通函
としての使用は、前記プラダンといわれるプラスチック
ダンボールや樹脂板による箱容器が耐久性、耐水性の面
から数多く利用されている。このうち紙材による箱容器
についてはは耐水性、強度性に難点があり使用中に形崩
れ、損傷が多く通函等に適しない。低発泡性の熱可塑性
樹脂を材質とする箱容器もしくはプラスチックダンボー
ル成形品は軽量で運搬に適し、材質的にも紙材よりも耐
水性、強度性があり、コスト面でも安価で量産加工によ
る組立によって大量に提供できる。しかし器体の積み重
ねや通函の開閉蓋については従来はリベット、ホッチキ
ス、接着剤塗着等による取付固定があるが何れも止着に
難点があり、これに代る止着手段が望まれている。

【０００３】即ちプラスチック製の箱容器については、
止着手段が糊材、その他の接着剤の場合は、器体の材質
と馴染まないため器体面の滑性によって糊の接着性が悪
く乾燥して反り返ったり繊毛テープが剥離し易い難点が
ある。これに代る止着手段としては鋲やホッチキスによ
る金属止着具があるが、止着金具が繊毛テープ面に表出
し、鋲の場合は図６に示すようにプラスチックダンボー
ル１に止着した繊毛テープ４に止着した鋲金具８がダン
ボール器体面に張り出しているので上下に重ねた際接触
して密着性に劣り塵埃が器体内に入り易い難点がある。
又ホッチキス９による止着片も図７に示すように外見性
が悪く商品性を損なう難点がある。なお止着する場合鋲
打ちやホッチキスの止着は工程上繊毛テープの４ヶ所に
止着するため作業省力性にも難点がある。

【０００４】

【本発明の解決すべき課題】上記の難点を解消する手段
としては、従来の糊付けや鋲、ホッチキスに代る新規の
止着手段が望まれ密着性、加工省力性のある手段を解決
すべき課題とした。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する手
段としては、低発泡性の熱可塑性樹脂よりなる箱容器に
裏面に接着剤を塗布した繊毛テープのオス、メスを器体
又は蓋の接合止着部分に接着し、かつその繊毛テープ周
縁を超音波作用で器体又は蓋面に圧溶着し、プラスチッ
クダンボールの場合は繊毛テープの周縁と、その下面の
器体及び蓋面に一定巾の凹溝を超音波により圧溶着刻設
し、前記凹溝と繊毛テープによる接着剤止着面との間に
段差を設けて止着することを要旨とするものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】

【実施例】以下本発明の実施例を図１〜図５により説明
する。図１において１は熱可塑性樹脂で成形したプラス
チックダンボールの樹脂板で、図２は図１のＡ−Ａ断面
を示し上面１ａと下面１ｂとの間に空間部２を設け中し
ん３で仕切った樹脂板である。４はプラスチックダンボ
ール板の器体又は蓋面に止着する繊毛テープ（商品名マ
ジックテープ）である。繊毛テープ裏面に接着剤６を塗
布して器体又は蓋面に止着すると共に、繊毛テープの周
縁及びその下面の器体又は蓋面のプラスチックダンボー
ルは超音波作用で溶融し、図３に示すように凹部（溝）
５を刻設し、繊毛テープ４を器体又は蓋面に固定状に止
着する。そして超音波を使用しないダンボール面は超音
波作用で圧溶着した凹面５との間に段差１０を設けた止
着面１１を形成し、その止着面１１に繊毛テープ４を裏
面に塗布した接着剤により止着する。７は繊毛である。
図４、図５はプラスチックダンボールにより形成した容
器（通函）に繊毛テープ４を超音波で溶着した実施例を
示すもので、図４の１２は通函で、１３は器体、１４は
蓋である。蓋１４の蓋取付片１５と器体１３の接合部に
それぞれ繊毛テープ４を止着する。その止着組立は図５
の実施例に示すように機械成形した寸法のダンボールに
成形板の器体１６と、蓋１７に機械設定した凹部に繊毛
テープ４を超音波溶着し、繊毛テープを取着した蓋付き
の開閉器体に組立てる。低発泡性の合成樹脂板による繊
毛テープの止着は、繊毛テープ周縁を超音波で帯状に圧
溶着して該部分を凹状に形成し、他の部分は裏面に接着
剤を塗布して器体及び蓋面に接着する。

【０００７】

【効果】本発明は発泡性の熱可塑性合成樹脂容器やプラ
スチックダンボール容器の器体と蓋の接合部の密着手段
として相対接合部に止着した繊毛テープ周縁を超音波作
用で凹状、又は凹溝に圧溶着し、繊毛テープの箱容器及
び蓋面の重合部分との間に段差を設けたので接合、又は
重合部の繊毛テープ間の密着性が昂まり器体の積み重ね
安定性と共に器体と蓋間の接合部の密着性によって器体
内に湿気や塵埃の侵入防止に有効であると共に、従来の
鋲やホッチキスによる止着の難点が解消され、かつ繊毛
テープの取付作用の省力性と作業能率及び止着体の耐用
強度性の向上に大いに役立つ効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】器体となるプラスチックダンボール板に止着し
た繊毛テープの平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

【図４】繊毛テープによるプラスチックダンボール容器
の斜視図である。

【図５】（イ）、（ロ）は容器と、蓋の成形板に繊毛テ
ープを止着した展開平面図である。

【図６】従来の鋲による止着を示す平面図である。

【図７】ホッチキスによる止着平面図である。

【符号の説明】

１ プラスチックダンボール板 １ａ 上面 １ｂ 下面 ２ 空間部 ３ 中しん ４ 繊毛テープ ４ａ 接着剤 ５ 凹部（溝） ６ 接着剤 ７ 繊毛 ８ 鋲金具 ９ ホッチキス １０ 段差 １１ 止着面 １２ 通函 １３ 器体 １４ 蓋 １５ 蓋取付片 １６ 器体成形板 １７ 蓋成形板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発泡性の熱可塑性樹脂材よりなる箱容器
   の器体面、もしくは蓋面の接合部止着構造において、器
   体もしくは蓋の相対接合面にそれぞれ止着体となる繊毛
   テープのオス、メスを裏面に接着剤を塗布して接着する
   と共に、繊毛テープの周縁を超音波で器体面もしくは蓋
   面に溶融圧着し、前記相対させた繊毛テープを介して器
   体もしくは蓋の接合面を密着剥離自在としたことを特徴
   とする熱可塑性樹脂材よりなる箱容器の器体もしくは蓋
   面の接合部止着構造。
2. 【請求項２】 熱可塑性樹脂材よりなる箱容器の器体及
   び蓋がプラスチックダンボールによる成形体である場合
   は、止着体となる繊毛テープの周縁と、その下面の熱可
   塑性樹脂材に超音波で一定巾の凹溝を刻設し圧溶着し、
   接着剤による他の繊毛テープによる止着面との間に段差
   を設けて止着したことを特徴とする熱可塑性合成樹脂材
   よりなる箱容器の器体もしくは蓋面の接合部止着構造。