JPH10231934A - 球帯状シール体ならびにその製造方法 - Google Patents

球帯状シール体ならびにその製造方法

Info

Publication number
JPH10231934A
JPH10231934A JP4168797A JP4168797A JPH10231934A JP H10231934 A JPH10231934 A JP H10231934A JP 4168797 A JP4168797 A JP 4168797A JP 4168797 A JP4168797 A JP 4168797A JP H10231934 A JPH10231934 A JP H10231934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
weight
spherical
boride
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4168797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3812036B2 (ja
Inventor
Kazutsugu Kashima
和嗣 鹿島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oiles Industry Co Ltd
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Industry Co Ltd filed Critical Oiles Industry Co Ltd
Priority to JP04168797A priority Critical patent/JP3812036B2/ja
Priority to US09/018,331 priority patent/US6129362A/en
Priority to DE69828537T priority patent/DE69828537D1/de
Priority to EP98300898A priority patent/EP0857863B1/en
Priority to KR1019980003754A priority patent/KR100337092B1/ko
Priority to CN98103837A priority patent/CN1101904C/zh
Publication of JPH10231934A publication Critical patent/JPH10231934A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3812036B2 publication Critical patent/JP3812036B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Gasket Seals (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 600℃ないし700℃に至る高温条件下に
おいても、酸化消耗が少なく、異常摩擦音の発生がな
く、シール性に優れ、シール体としての機能を満足する
ことができる自動車排気管の球面管継手に使用される球
帯状シール体ならびにその製造方法を提供する。 【解決手段】 中央部に貫通孔51を規定する円筒内面
52を備え、外面53が部分凸球面状に形成され、外面
53の大径側に環状の端面54を備えた球帯状シール体
55は、円筒内面52から部分凸球面状の外面53にか
けてのその内部では、耐熱シートの表面全体に耐熱被膜
2を備えてなる耐熱シート材3と金網8からなる補強材
9とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有す
るように構成され、部分凸球面状の外面53は、耐熱被
膜2からなる外面層56の露出面からなり、該外面層5
6には、当該外面層56に一体化された金網8からなる
補強材9が配されており、外面層56とこの外面層56
に混在一体化された金網8からなる補強材9とが露出し
た該部分凸球面状の外面53は、平滑な面に形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車排気管
の球面管継手に使用される球帯状シール体ならびにその
製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】自動車用排気管の球面
管継手に使用される球帯状シール体としては、例えば特
開昭54−76759号公報に開示されているものがあ
る。この公報に開示されたシール体は耐熱性を有し、相
手材とのなじみ性に優れ、また衝撃強度も著しく改善さ
れているという反面、乾燥摩擦条件下の摩擦においては
往々にして異常音を発生するという欠点がある。このシ
ール体の欠点は該シール体を形成する耐熱材料(膨張黒
鉛など)の静止摩擦係数と動摩擦係数との差が大きいこ
と及びこの耐熱材料から成るシール体のすべり速度に対
する動摩擦抵抗が負性抵抗を示すこと等に起因するもの
と考えられる。
【0003】そこで、本出願人は上述した欠点を解決す
るべく、特願平4−300551号(特開平6−123
362号)に記載のシール体を提案した。このシール体
は、相手材との摺動において、異常摩擦音を発生させる
ことなくシール性に優れたもので、シール体に要求され
る性能を満足させるものである。
【0004】しかしながら、上記の提案のシール体にお
いても、近年の自動車エンジンの性能向上等に起因する
新たな問題点が提起された。すなわち、自動車エンジン
の性能向上に起因する排気ガス温度の上昇により又は自
動車のNVH特性(車輛音響振動特性)の向上を目的と
して、排気ガスの出口(マニホールド)付近に球面管継
手を配置する場合、球面管継手がエンジン側により近付
くことに起因する排気ガス温度の上昇により、これまで
のシール体では耐熱性の点で使用条件を満足し得ず、シ
ール体自体の耐熱性の向上が余儀なくされている。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、600℃ないし
700℃に至る高温条件下においても、酸化消耗が少な
く、異常摩擦音の発生がなく、シール性に優れ、シール
体としての機能を満足することができる自動車排気管の
球面管継手に使用される球帯状シール体ならびにその製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、中央部に貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が
部分凸球面状に形成され、この外面の大径側に環状の端
面を備えた、とくに排気管継手に使用される球帯状シー
ル体であって、該円筒内面から部分凸球面状の外面近傍
にかけてのその内部では、圧縮された金網からなる補強
材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強
材と混在一体化されて圧縮された耐熱材とを主として具
備し、更に、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少な
くとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウ
ムとを、補強材及び耐熱材と混在一体化させて具備し、
部分凸球面状の外面は、炭化ホウ素及び金属ホウ化物の
うちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸
アルミニウムとからなる外面層とこの外面層に混在一体
化された金網からなる補強材とが露出した平滑な面に形
成されていることを特徴とする球帯状シール体によって
達成される。
【0007】また本発明によれば前記目的は、中央部に
貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球面状
に形成され、この外面の大径側に環状の端面を備えた、
とくに排気管継手に使用される球帯状シール体であっ
て、該円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのその
内部では、圧縮された金網からなる補強材と、この補強
材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化
されて圧縮された耐熱材とを主として具備し、更に、炭
化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金
属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとを、補強材
及び耐熱材と混在一体化させて具備し、部分凸球面状の
外面は、少なくとも窒化ホウ素とアルミナ及びシリカの
うちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物の外面層と
この外面層に混在一体化された金網からなる補強材とが
露出した平滑な面に形成されていることを特徴とする球
帯状シール体によっても達成される。
【0008】さらに本発明によれば前記目的は、中央部
に貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球面
状に形成された、この外面の大径側に環状の端面を備え
た、とくに排気管継手に使用される球帯状シール体であ
って、該円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのそ
の内部では、耐熱シートの表面全体に炭化ホウ素及び金
属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び
黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からなる耐熱被膜
を備えてなる耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧
縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように
構成されており、該部分凸球面状の外面は、耐熱被膜か
らなる外面層とこの外面層に混在一体化された金網から
なる補強材とが露出した平滑な面に形成されていること
を特徴とする球帯状シール体によっても達成される。
【0009】さらにまた本発明によれば前記目的は、中
央部に貫通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸
球面状に形成され、この外面の大径側に環状の端面を備
えた、とくに排気管継手に使用される球帯状シール体で
あって、該円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての
その内部では、耐熱シートの表面全体に炭化ホウ素及び
金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及
び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からなる耐熱被
膜を備えてなる耐熱シート材と金網からなる補強材とが
圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するよう
に構成されており、該部分凸球面状の外面は、少なくと
も窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも
一方とからなる潤滑組成物の外面層とこの外面層に混在
一体化された金網からなる補強材とが露出した平滑な面
に形成されていることを特徴とする球帯状シール体によ
っても達成される。
【0010】また本発明によれば前記目的は更に、中央
部に貫通孔を規定する円筒内面を備え、部分凸球面状の
形状の外面をもち、この外面の大径側に環状の端面を備
えた、とくに排気管継手に使用される球帯状シール体の
製造方法であって、(a)耐熱シートの表面全体に一様
な厚さの炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくと
も一方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムと
の混合物からなる耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材を
準備する工程と、(b)金属細線を織ったり、編んだり
して得られる金網からなる補強材を準備し、該補強材を
前記耐熱シート材に重ね合わせたのち、該耐熱シート材
を内側にしてうず巻き状に捲回し、筒状母材を形成する
工程と、(c)別の耐熱シートの表面全体に一様な厚さ
の炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方
と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合
物からなる別の耐熱被膜を備えてなる別の耐熱シート材
を準備し、該別の耐熱シート材と、該別の耐熱シート材
の耐熱被膜を覆って配された金網からなる別の補強材と
からなる外面層形成部材を形成する工程と、(d)該外
面層形成部材を、前記筒状母材の外周面に捲回して予備
円筒成形体を形成する工程と、(e)該予備円筒成形体
を金型のコア外周面に挿入し、該コアを金型内に配置す
るとともに該金型内において予備円筒成形体をコア軸方
向に圧縮成型する工程と、からなり、円筒内面から部分
凸球面状の外面にかけての内部では、耐熱被膜を備えた
耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互い
に絡み合って構造的一体性を有するように構成されてお
り、該部分凸球面状の外面は、別の耐熱被膜が別の補強
材の網目を充填して両者が混在一体となった平滑な面に
形成されていることを特徴とする球帯状シール体の製造
方法によっても達成される。
【0011】本発明によれば前記目的は更に、中央部に
貫通孔を規定する円筒内面を備え、部分凸球面状の形状
の外面をもち、この外面の大径側に環状の端面を備え
た、特に排気管継手に使用される球帯状シール体の製造
方法であって、(a)耐熱シートの表面全体に一様な厚
さの炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混
合物からなる耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材を準備
する工程と、(b)金属細線を織ったり、編んだりして
得られる金網からなる補強材を準備し、該補強材を前記
耐熱シート材に重ね合わせたのち、該耐熱シート材を内
側にしてうず巻き状に捲回し、筒状母材を形成する工程
と、(c)別の耐熱シートの表面全体に一様な厚さの炭
化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金
属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物か
らなる別の耐熱被膜を備えてなる別の耐熱シート材を準
備し、該別の耐熱シート材と該別の耐熱シート材の一方
の面の耐熱被膜の表面に被覆された少なくとも窒化ホウ
素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とから
なる潤滑組成物の表面層と該表面層を覆って配された金
網からなる別の補強材とからなる外面層形成部材を形成
する工程と、(d)該外面層形成部材を、表面層の面を
外側にして前記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成
形体を形成する工程と、(e)該予備円筒成形体を金型
のコア外周面に挿入し、該コアを金型内に配置するとと
もに該金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧
縮成型する工程と、からなり、円筒内面から部分凸球面
状の外面にかけての内部では、耐熱被膜を備えた耐熱シ
ート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み
合って構造的一体性を有するように構成されており、該
部分凸球面状の外面は、潤滑組成物が補強材の網目を充
填して両者が混在一体となった平滑な面に形成されてい
ることを特徴とする球帯状シール体の製造方法によって
も達成される。
【0012】上記構成からなる球帯状シール体におい
て、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての内部に
は、重量比率において、耐熱材100に対し、炭化ホウ
素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ
化物及び黒鉛黒鉛とリン酸及びリン酸塩のうちの少なく
とも一方とが5〜45の割合で含まれている。
【0013】また、円筒内面から部分凸球面状の外面に
かけての内部には、(A)炭化ホウ素及び金属ホウ化物
のうちの少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒鉛と
(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で(A):
(B)=1:0.5〜3の割合で含まれており、この割
合下における炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少な
くとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とにおいて、炭化ホ
ウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方が5〜2
5重量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60
〜90重量%の割合で含まれている。
【0014】外面層は、(A)炭化ホウ素及び金属ホウ
化物のうちの少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒
鉛と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で(A):
(B)=1:0.5〜3の割合で含まれており、この割
合下における炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少な
くとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とにおいて、炭化ホ
ウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方が5〜2
5重量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60
〜90重量%の割合で含まれてなる混合物若しくはこの
混合物からなる耐熱被膜から形成されるか、又は窒化ホ
ウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少
なくとも一方が10〜30重量%とからなる潤滑組成物
若しくはこの潤滑組成物である混合物を100重量部と
し、これに200重量部以下、好ましくは50〜150
重量部のポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有されて
なる潤滑組成物から形成される。
【0015】上記構成からなる球帯状シール体において
また、該貫通孔を規定する円筒内面及び部分凸球面状の
外面の大径側の端面には、炭化ホウ素及び金属ホウ化物
のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とリン
酸アルミニウムとを含む混合物からなる耐熱層又はこの
混合物からなる耐熱被膜からなる耐熱層が露出してい
る。
【0016】また、貫通孔を規定する円筒内面及び部分
凸球面状の外面の大径側の端面に露出した耐熱層は、
(A)炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも
一方並びに金属フッ化物及び黒鉛と(B)リン酸アルミ
ニウムとの重量比率が(A):(B)=1:0.5〜3
の割合で含まれており、この割合下における炭化ホウ素
及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化
物及び黒鉛とにおいて、炭化ホウ素及び金属ホウ化物の
うちの少なくとも一方が5〜25重量%、金属フッ化物
が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で含
まれてなる混合物又はこの混合物からなる耐熱被膜から
形成される。
【0017】上述した製造方法において、両耐熱被膜の
うちの少なくとも一方は、具体的には、(A)炭化ホ
ウ素と金属フッ化物と黒鉛との混合物であって、炭化ホ
ウ素が5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15重量
%、黒鉛が60〜90重量%の割合の混合物と(B)リ
ン酸アルミニウムとが重量比率で(A):(B)=1:
0.5〜3の割合で配合された混合物、(A)金属ホ
ウ化物と金属フッ化物と黒鉛との混合物であって、金属
ホウ化物が5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15重
量%、黒鉛が60〜90重量%の割合の混合物と(B)
リン酸アルミニウムとが重量比率で(A):(B)=
1:0.5〜3の割合で配合された混合物、又は
(A)炭化ホウ素と金属ホウ化物と金属フッ化物と黒鉛
との混合物であって、炭化ホウ素が5〜25重量%、金
属ホウ化物が5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15
重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合の混合物と
(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で(A):
(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混合物、か
ら形成される。そして、この耐熱被膜は、耐熱シートの
表面全体に0.1〜0.8g/100cm2 の一様な厚
さに形成される。
【0018】上述した製造方法において、外面層形成部
材は、(A)炭化ホウ素と金属フッ化物と黒鉛との混
合物であって、炭化ホウ素が5〜25重量%、金属フッ
化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合
の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で
(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混
合物、(A)金属ホウ化物と金属フッ化物と黒鉛との
混合物であって、金属ホウ化物が5〜25重量%、金属
フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の
割合の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率
で(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合された
混合物、又は(A)炭化ホウ素と金属ホウ化物と金属
フッ化物と黒鉛との混合物であって、炭化ホウ素が5〜
25重量%、金属ホウ化物が5〜25重量%、金属フッ
化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合
の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で
(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混
合物からなり、該耐熱シートの表面全体に0.1〜0.
8g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜を備えてな
る耐熱シート材と、この耐熱シート材を覆って配された
金網からなる補強材とから形成される。
【0019】上述した製造方法において、外面層形成部
材は、(A)炭化ホウ素と金属フッ化物と黒鉛との混
合物であって、炭化ホウ素が5〜25重量%、金属フッ
化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合
の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で
(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混
合物、(A)金属ホウ化物と金属フッ化物と黒鉛との
混合物であって、金属ホウ化物が5〜25重量%、金属
フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の
割合の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率
で(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合された
混合物、又は(A)炭化ホウ素と金属ホウ化物と金属
フッ化物と黒鉛との混合物であって、炭化ホウ素が5〜
25重量%、金属ホウ化物が5〜25重量%、金属フッ
化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合
の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で
(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混
合物からなり、該耐熱シートの表面全体に0.1〜0.
8g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜を備えてな
る耐熱シート材と、この耐熱シート材の一方の面の耐熱
被膜の表面に被覆された窒化ホウ素が70〜90重量%
とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜
30重量%とからなる潤滑組成物又はこの潤滑組成物で
ある混合物を100重量部とし、これに200重量部以
下、好ましくは50〜150重量部の割合のポリテトラ
フルオロエチレン樹脂が含有された潤滑組成物からなる
表面層と、該表面層を覆って配された金網からなる補強
材とから形成されてもよい。
【0020】以下、上記球帯状シール体における構成材
料並びに該シール体の製造方法について説明する。
【0021】耐熱シートは、膨張黒鉛、マイカ及びアス
ベストのうちの一種又は二種以上から選択された耐熱材
からなるシート材で形成され、耐熱被膜は、該シート材
の表面全体に形成される。膨張黒鉛からなる耐熱シート
には、特公昭44−23966号公報に開示されている
米国ユニオンカーバイド社製の「グラフォイル(商品
名)」あるいは日本カーボン社製の「ニカフィルム(商
品名)」など、厚さ0.3〜1.0mmの膨張黒鉛シー
トが好適である。マイカからなるシート材としては、シ
リコン樹脂で接合したマイカペーパー、アスベストから
なるシート材としては、クリソタイル又はアモサイト系
のアスベストペーパー又はシートが使用される。
【0022】耐熱シートの表面全体に形成される耐熱被
膜は、(A)炭化ホウ素、金属フッ化物及び黒鉛の混
合物と(B)リン酸アルミニウムとの混合物、(A)
金属ホウ化物、金属フッ化物及び黒鉛の混合物と(B)
リン酸アルミニウムとの混合物、(A)炭化ホウ素、
金属ホウ化物、金属フッ化物及び黒鉛の混合物と(B)
リン酸アルミニウムとの混合物、のいずれかが使用され
る。
【0023】この耐熱被膜を具体的に説明する。 (A)炭化ホウ素、金属フッ化物及び黒鉛の混合物と
(B)リン酸アルミニウムとの混合物からなる耐熱被
膜: (A)炭化ホウ素が5〜25重量%、金属フッ化物が1
〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合の混合物
と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で(A):
(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混合物から
なる耐熱被膜である。製造の一例を示すと、濃度25%
の第一リン酸アルミニウム水溶液30gに、炭化ホウ素
10重量%、金属フッ化物5重量%及び黒鉛85重量%
の混合物7.5gを配合した混合物を耐熱シートの表面
全体に、刷毛塗り、ローラ塗り、浸漬等の手段により被
覆し、その後、これを乾燥させることにより、該耐熱シ
ートの表面全体に、(A)と(B)との混合物であっ
て、その重量比率が1:1の割合をもった耐熱被膜が形
成される。
【0024】(A)金属ホウ化物、金属フッ化物及び
黒鉛の混合物と(B)リン酸アルミニウムとの混合物か
らなる耐熱被膜: (A)金属ホウ化物が5〜25重量%、金属フッ化物が
1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合の混合
物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比率で(A):
(B)=1:0.5〜3の割合で配合された混合物から
なる耐熱被膜である。製造の一例を示すと、濃度25%
の第一リン酸アルミニウム水溶液30gに、金属ホウ化
物10重量%、金属フッ化物5重量%及び黒鉛85重量
%の混合物7.5gを配合した混合物を耐熱シートの表
面全体に、刷毛塗り、ローラ塗り、浸漬等の手段により
被覆し、その後、これを乾燥させることにより、該耐熱
シートの表面全体に、(A)と(B)との混合物であっ
て、その重量比率が1:1の割合をもった耐熱被膜が形
成される。
【0025】(A)炭化ホウ素、金属ホウ化物、金属
フッ化物及び黒鉛の混合物と(B)リン酸アルミニウム
との混合物からなる耐熱被膜: (A)炭化ホウ素が5〜25重量%、金属ホウ化物が5
〜25重量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が
60〜90重量%の割合の混合物と(B)リン酸アルミ
ニウムとが重量比率で(A):(B)=1:0.5〜3
の割合で配合された混合物からなる耐熱被膜である。製
造の一例を示すと、濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液30gに、炭化ホウ素10重量%、金属ホウ化
物10重量%、金属フッ化物5重量%及び黒鉛75重量
%の混合物7.5gを配合した混合物を耐熱シートの表
面全体に、刷毛塗り、ローラ塗り、浸漬等の手段により
被覆し、その後、これを乾燥させることにより、該耐熱
シートの表面全体に、(A)と(B)との混合物であっ
て、その重量比率が1:1の割合をもった耐熱被膜が形
成される。
【0026】これら、及びからなる耐熱被膜は、
耐熱シートの表面全体に0.1〜0.8g/100cm
2 、好ましくは0.2〜0.5g/100cm2 の量
で、かつ一様な厚さに形成される。耐熱被膜の量が耐熱
シートの表面全体に0.1g/100cm2 以下では膜
厚の均一性が低下し、耐熱シートの高温酸化等に対する
防御効果が十分得られず、また0.8g/100cm2
を超えた場合、耐熱シートの高温酸化等に対する防御効
果に大きな変化がないばかりでなく、耐熱被膜を備えた
耐熱シート材の巻き加工性に問題を生じることになる。
【0027】このように形成された耐熱被膜において、
リン酸アルミニウムはそれ自体耐熱性を有するものであ
り、かつその接着性が高いため、耐熱性を有する炭化ホ
ウ素と金属フッ化物と黒鉛との混合粉末粒子同志、金属
ホウ化物と金属フッ化物と黒鉛との混合粉末粒子同志、
炭化ホウ素と金属ホウ化物と金属フッ化物と黒鉛との混
合粉末粒子同志の接着性と、これらからなる耐熱被膜の
該耐熱シート表面への接着性、換言すれば該耐熱シート
表面への耐熱被膜の保持性を高める作用をなす。
【0028】耐熱被膜を形成する混合物において、主成
分をなす黒鉛はそれ自体耐熱性を有すると共に自己潤滑
性を有するもので、シール体の円筒内面から部分凸球面
状の外面にかけての内部ではその耐熱性が発揮され、ま
た部分凸球面状の外面では耐熱性に加えて自己潤滑性が
発揮される。そして、その配合量は60〜90重量%が
適当である。
【0029】この主成分をなす黒鉛に配合される金属フ
ッ化物は黒鉛同様耐熱性を有し、とくに高温において優
れた自己潤滑性を有する。この金属フッ化物は黒鉛に配
合されることにより、黒鉛の自己潤滑性と協同して一層
潤滑性を高める作用をなし、部分凸球面状の外面では黒
鉛と協同して相手材(下流側排気管の凹球面部)との間
の摺動摩擦抵抗を減ずる効果を発揮する。そして、金属
フッ化物の黒鉛への配合量は1〜15重量%、就中5〜
10重量%が適当である。配合量が1重量%以下では黒
鉛の潤滑性を向上させる効果が発揮されず、また15重
量%を超えて配合すると、却って黒鉛の潤滑性を損な
い、黒鉛との協同作用が発揮されない。このような作用
を発揮する金属フッ化物としては、フッ化カルシウム
(CaF2 )、フッ化リチウム(LiF2 )、フッ化ナ
トリウム(NaF2 )及びフッ化バリウム(BaF2
のうちの一種又は二種以上が選択されて使用される。
【0030】また、上記黒鉛及び金属フッ化物に配合さ
れる炭化ホウ素及び金属ホウ化物はそれ自体耐熱性を有
するため、シール体の円筒内面から部分凸球面状の外面
にかけての内部ではその耐熱性が発揮される。また、炭
化ホウ素及び金属ホウ化物は上記黒鉛や金属フッ化物の
ような自己潤滑性を示さないが、黒鉛及び金属フッ化物
に含有されることにより、相手材との摩擦において相手
材表面に固体潤滑被膜(金属フッ化物及び黒鉛)の造膜
性を助長し、乾燥摩擦における被膜の耐久性を増大させ
る作用を発揮する。この作用は、特に部分凸球面状の外
面において、相手材表面に固体潤滑被膜の造膜性を助長
すると共に被膜の耐久性を増大させることになり、相手
材との間の摩擦抵抗を低減させる効果に寄与する。そし
て、その配合量はそれぞれ5〜25重量%、就中10〜
20重量%が適当である。配合量が5重量%以下では上
記黒鉛及び金属フッ化物からなる固体潤滑被膜の造膜性
に効果が発揮されず、また25重量%を超えて配合する
と固体潤滑被膜の相手材表面への造膜量が過剰となり、
却って摩擦抵抗を減ずる作用を低下させることになる。
【0031】そして、金属ホウ化物としては、元素周期
律表の第IVa族、第Va族及び第VIa族の中から選
択された金属ホウ化物、具体的には、ホウ化チタン(T
iB)、二ホウ化チタン(TiB2 )、二ホウ化ジルコ
ニウム(ZrB2 )、十二ホウ化ジルコニウム(ZrB
12)、二ホウ化ハフニウム(HfB2 )、二ホウ化バナ
ジウム(VB2 )、二ホウ化ニオブ(NbB2 )、二ホ
ウ化タンタル(TaB2 )、ホウ化クロム(CrB)、
二ホウ化クロム(CrB2 )、ホウ化モリブデン(Mo
B)、二ホウ化モリブデン(MoB2 )、五ホウ化二モ
リブデン(Mo2 5 )、ホウ化タングステン(W
B)、二ホウ化タングステン(WB2 )、ホウ化二タン
グステン(W2 B)、五ホウ化二タングステン(W2
5 )などが挙げられる。
【0032】上述した耐熱被膜における黒鉛及び金属フ
ッ化物は円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのそ
の内部ではその耐熱性により耐熱シートの高温酸化等に
対する保護効果がいかんなく発揮され、部分凸球面状の
外面においては耐熱性に加え自己潤滑性がいかんなく発
揮される。また、炭化ホウ素及び金属ホウ化物は同様に
円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのその内部で
はその耐熱性により耐熱シートの高温酸化等に対する保
護効果がいかんなく発揮され、部分凸球面状の外面にお
いては耐熱性に加え金属フッ化物及び黒鉛の潤滑被膜の
相手材表面への造膜性を助長し、固体潤滑被膜の耐久性
を増大させる効果がいかんなく発揮される。
【0033】補強材は、鉄系としてオーステナイト系の
SUS304、SUS316、フェライト系のSUS4
30などのステンレス鋼線又は鉄線(JIS−G−35
32)若しくは亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−354
7)、また銅系として銅−ニッケル合金(白銅)、銅−
ニッケル−亜鉛合金(洋白)、黄銅、ベリリウム銅から
成る線材を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだ
りして形成される金網が使用される。該金網を形成する
金属細線の線径は0.10〜0.32mm程度のものが
使用され、該金網の網目は3〜6mm程度のものが使用
されて好適である。
【0034】外面層形成部材は、前述した耐熱シートの
表面全体に耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材と同様の
耐熱シート材、すなわち耐熱シートの表面全体にわたっ
て(A)炭化ホウ素、金属フッ化物及び黒鉛の混合物
と(B)リン酸アルミニウムとの混合物、(A)金属
ホウ化物、金属フッ化物及び黒鉛の混合物と(B)リン
酸アルミニウムとの混合物、(A)炭化ホウ素、金属
ホウ化物、金属フッ化物及び黒鉛の混合物と(B)リン
酸アルミニウムとの混合物、のいずれかの混合物からな
る耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材と、該耐熱シート
材の耐熱被膜を覆って配された金網からなる補強材とか
らなるもの、又は耐熱シートの表面全体に該耐熱被膜を
備えてなる耐熱シート材と該耐熱シート材の一方の面の
耐熱被膜の表面に被覆された窒化ホウ素又は窒化ホウ素
及びポリテトラフルオロエチレン樹脂とアルミナ及びシ
リカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物の表
面層とこの表面層を覆って配された金網からなる補強材
とからなるものが使用される。後者の外面層形成部材
は、相手材との摩擦初期における摩擦トルクの低減に効
果を発揮する。この外面層形成部材における耐熱被膜及
び金網からなる補強材は前述したものと同様のものを使
用するため、その説明は省略する。
【0035】前述した後者の外面層形成部材における潤
滑組成物の作製に際しては、窒化ホウ素70〜90重量
%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10
〜30重量%とからなる潤滑組成物を固形分として20
〜50重量%分散含有した水性ディスパージョンが、ま
たこれに代えて、窒化ホウ素70〜90重量%とアルミ
ナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜30重量
%とからなる混合物を100重量部とし、これに200
重量部以下、好ましくは50〜150重量部の割合でポ
リテトラフルオロエチレン樹脂が含有されてなる潤滑組
成物を固形分として20〜50重量%分散含有した水性
ディスパージョンが使用される。上記潤滑組成物の水性
ディスパージョンは、後述する製造方法において、耐熱
シート材の表面に形成された耐熱被膜に、刷毛塗り、ロ
ーラー塗り、スプレー等の手段によって被覆され、分散
含有された潤滑組成物は、最終の圧縮工程においてシー
ル体の部分凸球面状の外面に均一かつ微小厚さ(10〜
300μm)に展延されて外面層を形成する。
【0036】上記潤滑組成物中の窒化ホウ素は、とくに
高温において優れた潤滑性を発揮するものであるが、窒
化ホウ素単独では耐熱被膜への被着性、ひいては最終の
圧縮工程におけるシール体の部分凸球面状の外面での被
着性が劣り、部分凸球面状の外面から容易に剥離してし
まうという欠点があるが、窒化ホウ素に対し一定量の割
合でアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方を配合
することにより、上記窒化ホウ素の欠点を回避し、耐熱
被膜への被着性、ひいては最終の圧縮工程におけるシー
ル体の部分凸球面状の外面での被着性を大幅に改善し、
該シール体の部分凸球面状の外面での潤滑組成物からな
る外面層の保持性を高めることができる。そして、窒化
ホウ素に対するアルミナ及びシリカのうちの少なくとも
一方の配合割合は、窒化ホウ素の具有する潤滑性を損な
うことなく、かつ被着性を改善するという観点から決定
され、10〜30重量%の範囲が好ましい。
【0037】上述した窒化ホウ素70〜90重量%とア
ルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜30
重量%とからなる混合物を100重量部とし、これに一
定量の割合でポリテトラフルオロエチレン樹脂を含有し
た潤滑組成物において、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂は、それ自身低摩擦性を有するもので、窒化ホウ素と
アルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる
潤滑組成物に配合されることにより、該潤滑組成物の低
摩擦性を向上させる作用と、圧縮成形時の該潤滑組成物
の展延性を高める作用をなす。上記窒化ホウ素70〜9
0重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方
が10〜30重量%とからなる混合物100重量部に対
し、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割合は、2
00重量部以下、好ましくは50〜150重量部の範囲
である。このポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割
合が200重量部を超えると、潤滑組成物中に占める割
合が多くなり潤滑組成物の耐熱性を低下させる結果とな
り、また、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割合
が50〜150重量部の範囲であれば、潤滑組成物の耐
熱性を損なうことなく低摩擦性をいかんなく発揮させる
ことができる。
【0038】水性ディスパージョンを形成する窒化ホウ
素、アルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方及びこ
れらに配合されるポリテトラフルオロエチレン樹脂は、
可及的に微粉末であることが好ましく、これらには、平
均粒径10μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下
の微粉末が使用される。
【0039】つぎに、上述した構成材料から成る球帯状
シール体の製造方法について図面に基づき説明する。
【0040】図3に示すように、所定の幅に切断した短
冊状の膨張黒鉛シート、マイカシート又はアスベストシ
ートからなる耐熱シート1を用意する。ついで、所定
濃度のリン酸アルミニウム水溶液に炭化ホウ素粉末、金
属フッ化物粉末及び黒鉛粉末を配合した混合物、所定
濃度のリン酸アルミニウム水溶液に金属ホウ化物粉末、
金属フッ化物粉末及び黒鉛粉末を配合した混合物、又は
所定濃度のリン酸アルミニウム水溶液に炭化ホウ素粉
末、金属ホウ化物粉末、金属フッ化物及び黒鉛粉末を配
合した混合物のいずれかを用意し、この混合物をシート
1の表面全体に刷毛塗り、ローラ塗り又は浸漬等の手段
により被覆し、その後乾燥させて、図4に示すように、
シート1の表面全体(表、裏及び側面等全体)に0.1
〜0.8g/100cm2 の量で、かつ一様な厚さの耐
熱被膜2を形成した耐熱シート材3を作製する。
【0041】このように耐熱シート1の表面全体に被覆
された耐熱被膜2は、(A)炭化ホウ素と金属フッ化
物と黒鉛との混合物であって、炭化ホウ素が5〜25重
量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜9
0重量%の割合の混合物と(B)リン酸アルミニウムと
が重量比率で(A):(B)=1:0.5〜3の割合で
配合された混合物、(A)金属ホウ化物と金属フッ化
物と黒鉛との混合物であって、金属ホウ化物が5〜25
重量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜
90重量%の割合の混合物と(B)リン酸アルミニウム
とが重量比率で(A):(B)=1:0.5〜3の割合
で配合された混合物、又は炭化ホウ素と金属ホウ化物
と金属フッ化物と黒鉛との混合物であって、炭化ホウ素
が5〜25重量%、金属ホウ化物が5〜25重量%、金
属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%
の割合の混合物と(B)リン酸アルミニウムとが重量比
率で(A):(B)=1:0.5〜3の割合で配合され
た混合物で形成されるように、炭化ホウ素及び金属ホウ
化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛と
のリン酸アルミニウム水溶液への配合割合、及びリン酸
アルミニウム水溶液の濃度を適宜調整することにより行
われる。なお、上述した耐熱被膜2の形成方法におい
て、リン酸アルミニウム水溶液の濃度は10〜50%の
ものが使用可能であるが、耐熱シート1への被覆操作、
その後の乾燥工程等を考慮すると、その濃度は20〜2
5%程度のものが好ましい。
【0042】金属細線を織ったり、編んだりすることに
よって形成される金網を用意し、この金網を所定の幅
(耐熱シート1の幅よりも幅狭)に切断して短冊状にす
るか、図5に示すように、金属細線を編んで円筒状金網
5を形成したのち、これをローラ6及び7間に通して帯
状金網8を作成し、これを短冊状に切断して補強材9と
して使用する。
【0043】前記耐熱シート材3をうず巻き状に一周分
捲回したのち、該耐熱シート材3の内側に補強材9を重
ね合わせ、うず巻き状に捲回して図6及び図7に示すよ
うに、最外周に耐熱シート材3を位置させた筒状母材1
0を形成する。この筒状母材10においては、耐熱シー
ト材3の幅方向の両端部はそれぞれ補強材9の幅方向に
突出している。
【0044】前記と同様の方法で作成した耐熱シート材
3を別途用意する。先に図5において説明したように、
金属細線を編んで円筒状金網5を形成した後、これをロ
ーラ6及び7間に通して作成した帯状金網8からなる補
強材9を別途用意し、図8に示すように、帯状金網8内
に、該耐熱シート材3を挿入すると共にこれらを図9に
示すように、ローラ15及び16間に通して一体化さ
せ、これを外面層形成部材21とする。この場合、耐熱
シート材3の幅寸法は帯状金網8からなる補強材9の内
側寸法より小さく形成されている。この外面層形成部材
21を作製する別の方法としては、金属細線を円筒状金
網に編むとと同時に耐熱シート材3をその内側に挿入
し、これをローラ15及び16間に通して一体化させた
のち、所望の寸法に切断して作製する方法でもよい。
【0045】このようにして得た外面層形成部材21を
前記筒状母材10の外周面に捲回し、図10に示すよう
な予備円筒成形体22を作成する。
【0046】内面に円筒壁面31と円筒壁面31に連な
る部分凹球壁面32と部分凹球壁面32に連なる貫通孔
33とを備え、該貫通孔33に段付きコア34を嵌挿す
ることによって内部に中空円筒部35と該中空円筒部3
5に連なる球帯状中空部36とが形成された図11に示
すような金型37を用意し、該金型37の段付きコア3
4に予備円筒成形体22を挿入する。
【0047】金型37の中空部35、36に位置せしめ
られた予備円筒成形体22をコア軸方向に1〜3トン/
cm2 の圧力で圧縮成形し、図1に示すような、中央部
に貫通孔51を規定する円筒内面52を備え、外面53
が部分凸球面状に形成され、外面53の大径側に環状の
端面54を備えた球帯状シール体55を作成する。この
圧縮成形により、円筒内面52から部分凸球面状の外面
53にかけての球帯状シール体55の内部では、耐熱シ
ート1の表面全体に耐熱被膜2を備えてなる耐熱シート
材3と金網8からなる補強材9とが圧縮され、互いに絡
み合って構造的一体性を有するように構成され、部分凸
球面状の外面53は、耐熱被膜2からなる外面層56の
露出面からなり、該外面層56には、当該外面層56に
一体化された金網8からなる補強材9が配されており、
外面層56とこの外面層56に混在一体化された金網8
からなる補強材9とが露出した該部分凸球面状の外面5
3は、平滑な面に形成され、貫通孔51を規定する円筒
内面52及び球帯状シール体55の大径側の端面54
は、耐熱被膜2からなる耐熱層が露出して形成される。
【0048】上述した方法によって作成された図1及び
図2に示す球帯状シール体55において、耐熱シート材
3は、内部構造を形成する金網8から成る補強材9と絡
み合って一体となっており、部分凸球面状の外面53
は、外面層形成部材21によって形成された耐熱被膜2
からなる外面層56の露出面と金網8からなる補強材9
とが混在一体となった平滑な面に形成されている。
【0049】次に、他の球帯状シール体55の製造方法
を説明する。
【0050】前記図3に示すように、所定の幅に切断し
た短冊状の膨張黒鉛シート、マイカシート又はアスベス
トシートからなる耐熱シート1を用意する。ついで、耐
熱シート1の表面全体(表、裏及び側面等全体)に0.
1〜0.8g/100cm2の一様な厚さの耐熱被膜2
を形成し、これを耐熱シート材3(図4)とする。
【0051】前記と同様にして、金属細線を織ったり、
編んだりすることによって形成される金網を用意し、こ
の金網を所定の幅(耐熱シート1の幅より幅狭)に切断
して短冊状にするか、図5に示すように、金属細線を編
んで円筒状金網5を形成した後、これをローラ6及び7
間に通して帯状金網8を作成し、これを短冊状に切断し
て補強材9として使用する。
【0052】前記耐熱シート材3をうず巻き状に一周分
捲回したのち、該耐熱シート材3の内側に補強材9を重
ね合わせ、うず巻き状に捲回して図6及び図7に示すよ
うに、最外周に耐熱シート材3を位置させた筒状母材1
0を形成する。この筒状母材10においては、耐熱シー
ト材3の幅方向の両端部はそれぞれ補強材9の幅方向に
突出している。
【0053】前記と同様な耐熱シート材3を別途用意
し、耐熱シート材3の一方の面の耐熱被膜2の表面に、
窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのう
ちの少なくとも一方が10〜30重量%とからなる潤滑
組成物を固形分として20〜50重量%分散含有した水
性ディスパージョン、又は窒化ホウ素70〜90重量%
とアルミナおよびシリカのうちの少なくとも一方が10
〜30重量%とからなる混合物を100重量部とし、こ
れに200重量部以下、好ましくは50〜150重量部
の割合でポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有されて
なる潤滑組成物を固形分として20〜50重量%分散含
有した水性ディスパージョンを、刷毛塗り、ローラ塗り
又はスプレー等の手段で被覆し、これを乾燥させて、図
12に示すような潤滑組成物の表面層11を形成する。
【0054】前記図5において説明したように、金属細
線を編んで円筒状金網5を形成した後、これをローラ6
及び7間に通して作成した帯状金網8からなる補強材9
を別途用意し、図13に示すように、帯状金網8内に、
表面層11を備えた耐熱シート材3を挿入するととも
に、これらを図14に示すように、ローラ15及び16
間に通して一体化させ、これを外面層形成部材21とす
る。この外面層形成部材を作製する別の方法としては、
前述した方法と同様、金属細線を円筒状金網に編むとと
同時に耐熱シート材3をその内側に挿入し、これをロー
ラ15及び16間に通して一体化させたのち、所望の寸
法に切断して作製する方法でもよい。
【0055】このようにして得た外面層形成部材21を
表面層11を外側にして前記筒状母材10の外周面に捲
回し、図15に示すような予備円筒成形体22を作成す
る。
【0056】以下、前記図11に示す金型37を使用し
同様な方法で圧縮成形し、図16及び17に示すよう
な、中央部に貫通孔51を規定する円筒内面52を備
え、外面53が部分凸球面状に形成され、外面53の大
径側に環状の端面54を備えた球帯状シール体55を作
成する。この圧縮成形により、円筒内面52から部分凸
球面状の外面53にかけての球帯状シール体55の内部
では、耐熱シート1の表面全体に耐熱被膜2を備えてな
る耐熱シート材3と金網8からなる補強材9とが圧縮さ
れ、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成
され、部分凸球面状の外面53は、潤滑組成物の表面層
11からなる外面層56の露出面からなり、該外面層5
6には、当該外面層56に一体化された金網8からなる
補強材9が配されており、外面層56とこの外面層56
に混在一体化された金網8からなる補強材9とが露出し
た該部分凸球面状の外面53は、平滑な面に形成され、
貫通孔51における円筒内面52及び外面53の大径側
の端面54は、耐熱被膜2からなる耐熱層が露出して形
成される。
【0057】上述した方法によって作成された図16及
び図17に示す球帯状シール体55において、耐熱シー
ト材3は、内部構造を形成する金網8から成る補強材9
と絡み合って一体となっており、部分凸球面状の外面5
3は、外面層形成部材21によって形成された潤滑組成
物の表面層11からなる外面層56の露出面と金網8か
らなる補強材9とが混在一体となった平滑な面に形成さ
れている。
【0058】上述した方法にて形成された球帯状シール
体55は、例えば図18に示す排気管継手に組込まれて
使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側
排気管100の外周面には、管端部101を残してフラ
ンジ200が立設されており、該管端部101には、貫
通孔51を規定する円筒内面52において球帯状シール
体55が嵌合されており、大径側の端面54において球
帯状シール体55がフランジ200に当接させて着座せ
しめられている。上流側排気管100と相対向してマフ
ラー側に連結され、端部に凹球面部302と凹球面部3
02の開口部周縁にフランジ部303を備えた径拡大部
301が一体に形成された下流側排気管300が凹球面
部302を球帯状シール体55の部分凸球面状の外面5
3に摺接させて配置されている。
【0059】一端がフランジ200に固定され、他端が
径拡大部301のフランジ部303を挿通して配された
一対のボルト400と、ボルト400とフランジ部30
3との間に配された一対のコイルバネ500とにより、
下流側排気管300には常時、上流側排気管100方向
にバネ力が付勢されている。そして、上、下流側排気管
100、300間に生ずる相対角変位は、球帯状シール
体55の部分凸球面状の外面53と下流側排気管300
の端部に形成された径拡大部301の凹球面部302と
の摺接で許容される。
【0060】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明及び本発明の実施
の形態を、好ましい実施例に基づいて更に詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に何等限定されない
のである。
【0061】
【実施例】
<実施例1>耐熱シートとして、幅55mm、長さ55
0mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(日本カー
ボン社製「ニカフィルム」(商品名)」(膨張黒鉛シー
トの重量11.6g)を用意した。濃度25%の第一リ
ン酸アルミニウム水溶液(Al2 3 ・3P2 5・6
2 O)を用意し、この水溶液30gに、平均粒径1.
5μmの炭化ホウ素粉末10重量%と平均粒径4μmの
金属フッ化物(フッ化カルシウム)粉末5重量%と平均
粒径18μmの黒鉛粉末85重量%とからなる混合粉末
を7.5g配合し混合物を得た。この混合物を前記膨張
黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、その後、乾燥炉
にて230℃の温度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛
シートの表面全体に0.3g/100cm2 の一様な厚
さの耐熱被膜(炭化ホウ素、フッ化カルシウム及び黒鉛
とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形成
し、これを耐熱シート材とした。
【0062】金属細線として、線径0.28mmのオー
ステナイト系ステンレス鋼線(SUS304)を2本使
用して網目4.0mmの円筒状編組金網(2本編み)を
作成し、これをローラ間に通して幅36mm、長さ36
0mmの帯状金網(金網の重量21g)とし、これを補
強材とした。
【0063】前記耐熱シート材をうず巻き状に一周分巻
回したのち、該耐熱シート材の内側に補強材を重ね合わ
せ、うず巻き状に捲回して最外周に耐熱シート材を位置
させた筒状母材を作製した。この筒状母材においては、
耐熱シート材の幅方向の両端部はそれぞれ補強材の幅方
向に突出している。
【0064】耐熱シート材として、幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒
鉛シートの重量3.9g)を別途用意し、上記混合物を
使用し、同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(炭化
ホウ素、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は1:1)を形成してなる耐熱シート材
を別途作成した。
【0065】上記と同様の金属細線を1本使用して、網
目が4.0mmの円筒状編組金網を作成し、これをロー
ラ間に通して幅53.5mm、長さ212mm帯状金網
(金網の重量10g)を作成し、該帯状金網内に該耐熱
シート材を挿入するとともにこれらをローラ間に通して
一体化させ、補強材と補強材の網目を充填した耐熱被膜
とが混在した外面層形成部材を作成した。
【0066】前記筒状母材の外周面に、この外面層形成
部材を捲回して予備円筒成形体を作成した。この予備円
筒成形体を図11に示す金型37の段付きコア34に挿
入し、該予備円筒成形体を金型37の中空部に位置させ
た。
【0067】金型37の中空部に位置させた予備円筒成
形体をコア軸方向に2トン/cm2の圧力で圧縮成形
し、中央部に貫通孔51を規定する円筒内面52を備
え、外面53が部分凸球面状であって、環状の端面54
を備えた球帯状シール体55を作成した。この球帯状シ
ール体における膨張黒鉛シートからなる耐熱材と耐熱被
膜を形成する炭化ホウ素、フッ化カルシウム及び黒鉛並
びにリン酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材100
に対し耐熱被膜15.8(炭化ホウ素0.79とフッ化
カルシウム0.39と黒鉛6.72との混合物:7.
9、リン酸アルミニウム:7.9)の割合となる。
【0068】このようにして作製した球帯状シール体に
おいて、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのそ
の内部では、耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧
縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように
構成され、部分凸球面状の外面は、耐熱被膜からなる外
面層の露出面からなり、該外面層には、当該外面層に一
体化された金網からなる補強材が配されており、外面層
とこの外面層に混在一体化された金網からなる補強材と
が露出した該部分凸球面状の外面は平滑な面に形成さ
れ、貫通孔を規定する円筒内面及び外面の大径側の端面
には耐熱被膜からなる耐熱層が露出して形成されてい
る。
【0069】<実施例2>耐熱シートとして、前記実施
例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.3
8mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量11.
6g)を用意した。この膨張黒鉛シートの表面全体に、
前記実施例1と同様の混合物をローラ塗りするという操
作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて230℃の温度
で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に
0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(炭化
ホウ素、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は1:1)を形成し、これを耐熱シート
材とした。
【0070】前記実施例1と同様の補強材を用意し、該
補強材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状
母材を作成した。耐熱シートとして、前記実施例1と同
様の幅48mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの
膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別
途用意し、前記実施例1と同様の混合物を膨張黒鉛シー
トの表面全体にローラ塗りするという操作を2回繰り返
し、その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥
させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/10
0cm2 の量で、かつ一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ
素、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムと
の重量比率は1:1)を形成してなる耐熱シート材を別
途作製した。
【0071】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ素、フッ
化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウムとの重
量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜26.32(炭
化ホウ素1.32とフッ化カルシウム0.66と黒鉛1
1.18との混合物:13.16、リン酸アルミニウ
ム:13.16)の割合となる。
【0072】<実施例3>耐熱シートとして、前記実施
例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.3
8mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量11.
6g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに、平均粒径1.
5μmの炭化ホウ素粉末10重量%と平均粒径4μmの
金属フッ化物(フッ化リチウム:LiF2 )粉末5重量
%と平均粒径18μmの黒鉛粉末85重量%とからなる
混合粉末を7.5g配合し混合物を得た。この混合物を
前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、その
後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥させて、
該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100cm2
の一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ素、フッ化リチウム
及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)
を形成し、これを耐熱シート材とした。
【0073】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作製した。耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、上記混合物を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗
り、その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥
させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/10
0cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ素、フッ化
リチウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は
1:1)を形成してなる耐熱シート材を別途作製した。
【0074】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ素、フッ
化リチウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウムとの重量
比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜15.8(炭化ホ
ウ素0.79とフッ化リチウム0.39と黒鉛6.72
との混合物:7.9、リン酸アルミニウム:7.9)の
割合となる。
【0075】<実施例4>耐熱シートとして、前記実施
例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.3
8mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量11.
6g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに、平均粒径7μ
mの金属ホウ化物(二ホウ化クロム)粉末10重量%と
平均粒径4μmの金属フッ化物(フッ化カルシウム)粉
末5重量%と平均粒径18μmの黒鉛粉末85重量%と
からなる混合粉末を7.5g配合し混合物を得た。この
混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗り、
その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥させ
て、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100c
2 の一様な厚さの耐熱被膜(二ホウ化クロム、フッ化
カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率
は1:1)を形成し、これを耐熱シート材とした。
【0076】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作製した。耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、上記混合物を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗
りし、その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾
燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/1
00cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(二ホウ化クロム、
フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重
量比率は1:1)を形成してなる耐熱シート材を別途作
製した。
【0077】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する二ホウ化素クロ
ム、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜15.
8(二ホウ化クロム0.79とフッ化カルシウム0.3
9と黒鉛6.72との混合物:7.9、リン酸アルミニ
ウム:7.9)の割合となる。
【0078】<実施例5>耐熱シートとして、前記実施
例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.3
8mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量11.
6g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミニウ
ム水溶液を用意し、この水溶液30gに、平均粒径7μ
mの金属ホウ化物(二ホウ化モリブデン:MoB2 )粉
末10重量%と平均粒径4μmの金属フッ化物(フッ化
リチウム)粉末5重量%と平均粒径18μmの黒鉛粉末
85重量%とからなる混合粉末を7.5g配合し混合物
を得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体に
ローラ塗りし、その後、乾燥炉にて230℃の温度で2
0分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.
3g/100cm2 の量で、かつ一様な厚さの耐熱被膜
(二ホウ化モリブデン、フッ化リチウム及び黒鉛とリン
酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形成し、これ
を耐熱シート材とした。
【0079】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作製した。耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、上記混合物を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗
りし、その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾
燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/1
00cm2 の量で、かつ一様な厚さの耐熱被膜(二ホウ
化モリブデン、フッ化リチウム及び黒鉛とリン酸アルミ
ニウムとの重量比率は1:1)を形成してなる耐熱シー
ト材を別途作製した。
【0080】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する二ホウ化モリブデ
ン、フッ化リチウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウム
との重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜15.8
(二ホウ化モリブデン0.79とフッ化リチウム0.3
9と黒鉛6.72との混合物:7.9、リン酸アルミニ
ウム:7.9)の割合となる。
【0081】<実施例6>耐熱シート材として、前記実
施例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.
38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量1
1.6g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミ
ニウム水溶液を用意し、この水溶液30gに、平均粒径
1.5μmの炭化ホウ素粉末10重量%と平均粒径7μ
mの金属ホウ化物(二ホウ化クロム)粉末15重量%と
平均粒径4μmの金属フッ化物(フッ化カルシウム)粉
末5重量%と平均粒径18μmの黒鉛粉末70重量%と
からなる混合粉末を7.5g配合し混合物を得た。この
混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗り
し、その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥
させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/10
0cm2 の量で、かつ一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ
素、二ホウ化クロム、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン
酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形成し、これ
を耐熱シート材とした。
【0082】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作製した。耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、上記混合物を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗
り、その後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥
させて、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/10
0cm2 の一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ素、二ホウ
化クロム、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニ
ウムとの重量比率は1:1)を形成してなる耐熱シート
材を別途作製した。
【0083】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ素、二ホ
ウ化クロム、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸ア
ルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被
膜15.8(炭化ホウ素0.79と二ホウ化クロム1.
19とフッ化カルシウム0.39と黒鉛5.53との混
合物:7.9、リン酸アルミニウム:7.9)の割合と
なる。
【0084】<実施例7>耐熱シート材として、前記実
施例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.
38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量1
1.6g)を用意した。この膨張黒鉛シートの表面全体
に、前記実施例6と同様の混合物をローラ塗りするとい
う操作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて230℃の
温度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シートの表面全
体に0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被膜
(炭化ホウ素、二ホウ化クロム、フッ化カルシウム及び
黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を形
成し、これを耐熱シート材とした。
【0085】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作製した。耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、前記実施例6と同様の混合物を膨張黒鉛シートの表
面全体にローラ塗りするという操作を2回繰り返し、そ
の後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥させ
て、該膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/100c
2 の一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ素、二ホウ化ク
ロム、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウム
との重量比率は1:1)を形成してなる耐熱シート材を
別途作製した。
【0086】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ素、二ホ
ウ化クロム、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸ア
ルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被
膜26.32(炭化ホウ素1.32と二ホウ化クロム
1.97とフッ化カルシウム0.66と黒鉛9.21と
の混合物:13.16、リン酸アルミニウム:13.1
6)の割合となる。
【0087】<実施例8>耐熱シート材として、前記実
施例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.
38mmの膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シートの重量1
1.6g)を用意した。濃度25%の第一リン酸アルミ
ニウム水溶液を用意し、この水溶液30gに、平均粒径
1.5μmの炭化ホウ素粉末10重量%と平均粒径7μ
mの金属ホウ化物(二ホウ化モリブデン)粉末10重量
%と平均粒径4μmの金属フッ化物(フッ化カルシウ
ム)粉末5重量%と平均粒径18μmの黒鉛粉末75重
量%とからなる混合粉末を7.5g配合し混合物を得
た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にロー
ラー塗りするという操作を2回繰り返し、その後、乾燥
炉にて230℃の温度で20分間乾燥させて、該膨張黒
鉛シートの表面全体に0.5g/100cm2 の一様な
厚さの耐熱被膜(炭化ホウ素、二ホウ化モリブデン、フ
ッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量
比率は1:1)を形成し、これを耐熱シート材とした。
【0088】実施例1と同様の補強材を用意し、該補強
材と該耐熱シート材とで実施例1と同様にして筒状母材
を作製した。耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、上記混合物を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗
りするという操作を2回繰り返し、その後、乾燥炉にて
230℃の温度で20分間乾燥させて、該膨張黒鉛シー
トの表面全体に0.5g/100cm2 の一様な厚さの
耐熱被膜(炭化ホウ素、二ホウ化モリブデン、フッ化カ
ルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は
1:1)を形成してなる耐熱シート材を別途作製した。
【0089】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ素、二ホ
ウ化モリブデン、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン
酸アルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐
熱被膜26.32(炭化ホウ素1.32と二ホウ化モリ
ブデン1.32とフッ化カルシウム0.66と黒鉛9.
87との混合物:13.16、リン酸アルミニウム:1
3.16)の割合となる。
【0090】<実施例9>前記実施例7と同様の筒状母
材を作製した。
【0091】耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、前記実施例1の混合物を該膨張黒鉛シートの表面全
体にローラ塗りするという操作を2回繰り返し、その
後、乾燥炉にて230℃の温度で20分間乾燥させて、
該膨張黒鉛シートの表面全体に0.5g/100cm2
の量で、かつ一様な厚さの耐熱被膜(炭化ホウ素、フッ
化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比
率は1:1)を形成してなる耐熱シート材を別途作製し
た。
【0092】以下、実施例1と同様にして外面層形成部
材を作製し、実施例1と同様の方法で球帯状シール体を
作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛シート
からなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ素、二ホ
ウ化クロム、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸ア
ルミニウムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被
膜26.32(炭化ホウ素1.32と二ホウ化クロム
1.45とフッ化カルシウム0.66と黒鉛9.73と
の混合物:13.16、リン酸アルミニウム:13.1
6)の割合となる。
【0093】このようにして作製した球帯状シール体に
おいて、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのそ
の内部では、耐熱シートの表面全体に炭化ホウ素、二ホ
ウ化クロム、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アルミ
ニウムとからなる耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材と
金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構
造的一体性を有するように構成され、部分凸球面状の外
面は、該耐熱被膜からなる外面層の露出面からなり、該
外面層には当該外面層に一体化された金網からなる補強
材が配されており、外面層とこの外面層に混在一体化さ
れた金網からなる補強材とが露出した該部分凸球面状の
外面は平滑な面に形成され、貫通孔を規定する円筒内面
及び外面体の大径側の端面には、該耐熱被膜からなる耐
熱層が露出して形成されている。
【0094】<実施例10>前記実施例2と同様の筒状
母材を作製した。
【0095】耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、前記実施例1と同様の混合物を使用し、前記実施例
2と同様の方法にて該膨張黒鉛シートの表面全体に0.
5g/100cm2 の量で、かつ一様な厚さの耐熱被膜
(炭化ホウ素、フッ化カルシウム及び黒鉛とリン酸アル
ミニウムとの重量比率は1:1)を形成してなる耐熱シ
ート材を別途作製した。
【0096】該耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表
面に、平均粒径7μmの窒化ホウ素85重量%、平均粒
径0.6μmのアルミナ粉末15重量%からなる潤滑組
成物を固形分として30重量%分散含有した水性ディス
パージョン(窒化ホウ素25.5重量%、アルミナ4.
5重量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥す
るという被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の表面
層を形成し、以下、実施例1と同様の方法で外面層形成
部材を作製した。
【0097】以下、実施例1と同様の方法で球帯状シー
ル体を作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛
シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ
素、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜26.
32(炭化ホウ素1.32とフッ化カルシウム0.66
と黒鉛11.18との混合物:13.16、リン酸アル
ミニウム:13.16)の割合となる。
【0098】このようにして作製した球帯状シール体に
おいて、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての内
部では、膨張黒鉛シートの表面全体に耐熱被膜を備えて
なる耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、
互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成さ
れ、部分凸球面状の外面は、潤滑組成物の表面層からな
る外面層の露出面からなり、該外面層には、当該外面層
に一体化された金網からなる補強材が配されており、外
面層とこの外面層に混在一体化された金網からなる補強
材とが露出した該部分凸球面状の外面は平滑な面に形成
され、貫通孔を規定する円筒内面及び部分凸球面状の外
面の大径側の端面には耐熱被膜からなる耐熱層が露出し
て形成されている。
【0099】<実施例11>前記実施例6と同様の筒状
母材を作製した。
【0100】耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、前記実施例6と同様にして、該膨張黒鉛シートの表
面全体に0.3g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被
膜(炭化ホウ素、二ホウ化クロム、フッ化カルシウム及
び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を
形成してなる耐熱シート材を別途作製した。
【0101】該耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表
面に、平均粒径7μmの窒化ホウ素85重量%、平均粒
径0.6μmのアルミナ粉末15重量%からなる混合物
を100重量部とし、これに平均粒径0.3μmのポリ
テトラフルオロエチレン樹脂を50重量部含有した潤滑
組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10重量
%及びポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量
%)を固形分として30重量%分散含有した水性ディス
パージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミナ10重量
%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重量%及び水
分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操
作を3回繰り返して該潤滑組成物の表面層を形成し、以
下、実施例1と同様の方法で外面層形成部材を作製し
た。
【0102】以下、実施例1と同様の方法で球帯状シー
ル体を作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛
シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ
素、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜15.
8(炭化ホウ素0.79と二ホウ化クロム1.19とフ
ッ化カルシウム0.39と黒鉛5.53との混合物:
7.9、リン酸アルミニウム:7.9)の割合となる。
【0103】このようにして作製した球帯状シール体に
おいて、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけてのそ
の内部では、耐熱シートの表面全体に耐熱被膜を備えて
なる耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、
互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成さ
れ、部分凸球面状の外面は、潤滑組成物の表面層からな
る外面層の露出面からなり、該外面層には、当該外面層
に一体化された金網からなる補強材が配されており、外
面層とこの外面層に混在一体化された金網からなる補強
材とが露出した該部分凸球面状の外面は平滑な面に形成
され、貫通孔を規定する円筒内面及び部分凸球面状の外
面の大径側の端面には耐熱被膜からなる耐熱層が露出し
て形成されている。
【0104】<実施例12>前記実施例7と同様の筒状
母材を作製した。
【0105】耐熱シートとして、実施例1と同様の幅4
8mm、長さ212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛
シート(膨張黒鉛シートの重量3.9g)を別途用意
し、前記実施例7と同様にして、該膨張黒鉛シートの表
面全体に0.5g/100cm2 の一様な厚さの耐熱被
膜(炭化ホウ素、二ホウ化クロム、フッ化カルシウム及
び黒鉛とリン酸アルミニウムとの重量比率は1:1)を
形成してなる耐熱シート材を別途作製した。
【0106】該耐熱シート材の一方の面の耐熱被膜の表
面に、平均粒径7μmの窒化ホウ素85重量%、平均粒
径0.6μmのアルミナ粉末15重量%からなる混合物
を100重量部とし、これに平均粒径0.3μmのポリ
テトラフルオロエチレン樹脂を50重量部含有した潤滑
組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10重量
%及びポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量
%)を固形分として30重量%分散含有した水性ディス
パージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミナ10重量
%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重量%及び水
分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操
作を3回繰り返して該潤滑組成物の表面層を形成し、以
下、実施例1と同様の方法で外面層形成部材を作製し
た。
【0107】以下、実施例1と同様の方法で球帯状シー
ル体を作製した。この球帯状シール体における膨張黒鉛
シートからなる耐熱材と耐熱被膜を形成する炭化ホウ
素、フッ化カルシウム及び黒鉛並びにリン酸アルミニウ
ムとの重量比率は、耐熱材100に対し耐熱被膜26.
32(炭化ホウ素1.32と二ホウ化クロム1.97と
フッ化カルシウム0.66と黒鉛9.21との混合物:
13.16、リン酸アルミニウム:13.16)の割合
となる。
【0108】<比較例1>耐熱シート材として、前記実
施例1と同様の幅55mm、長さ550mm、厚さ0.
38mmの膨張黒鉛シートを、補強材として前記実施例
1と同様の帯状金網(幅36mm、長さ360mm)を
用意し、これらを重ね合わせるとともに該膨張黒鉛シー
ト側を内側にしてうず巻き状に捲回し、最外周に膨張黒
鉛シートが位置した筒状母材を作製した。
【0109】前記実施例1と同様の幅48mm、長さ2
12mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シートを別途用
意し、この膨張黒鉛シートの一方の表面に、平均粒径7
μmの窒化ホウ素粉末85重量%、平均粒径0.6μm
のアルミナ粉末15重量%から成る潤滑組成物を固形分
として30重量%分散含有した水性ディスパージョン
(窒化ホウ素25.5重量%、アルミナ4.5重量%、
水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆
操作を3回繰り返して該潤滑組成物の表面層を形成した
のち、別途作製した帯状金網(幅53.5mm、長さ2
12mm)内に前記表面層を備えた膨張黒鉛シートを挿
入すると共にこれらをローラ間に通して一体化させ、一
方の面に潤滑組成物と金網とが混在した外面層形成部材
を作製した。
【0110】前記筒状母材の外周面に、この外面層形成
部材を表面層側を外側にして捲回し、予備円筒成形体を
作成したのち、前記実施例1と同様の方法で、内面に貫
通孔を規定する円筒内面を備え、外面が部分凸球面状で
あって、この外面の大径側に環状の端面を備えた球帯状
シール体を作製した。
【0111】<比較例2>前記比較例1と同様の筒状母
材を作製した。前記実施例1と同様の幅48mm、長さ
212mm、厚さ0.38mmの膨張黒鉛シートを別途
用意し、この膨張黒鉛シートの一方の表面に、平均粒径
7μmの窒化ホウ素粉末85重量%、平均粒径0.6μ
mのアルミナ粉末15重量%から成る混合物を100重
量部とし、これに平均粒径0.3μmのポリテトラフル
オロエチレン樹脂粉末を50重量部含有した潤滑組成物
(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10重量%、ポ
リテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%)を固形
分として30重量%分散含有した水性ディスパージョン
(窒化ホウ素17.0重量%、アルミナ3.0重量%、
ポリテトラフルオロエチレン樹脂10.0重量%、水分
70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという操作を3
回繰り返して該潤滑組成物の表面層を形成したのち、別
途作製した帯状金網(幅53.5mm、長さ212m
m)内に前記表面層を備えた膨張黒鉛シートを挿入する
と共にこれらをローラ間に通して一体化させ、一方の面
に潤滑組成物と金網とが混在した外面層形成部材を作製
した。
【0112】前記筒状母材の外周面に、この外面層形成
部材を表面層を外側に巻き付けて予備円筒体を作製した
のち、前記実施例1と同様の方法で、内面に貫通孔を規
定する円筒内面を備え、外面が部分凸球面状であって、
この外面の大径側に環状の端面を備えた球帯状シール体
を作製した。
【0113】つぎに、上述した実施例及び比較例からな
る球帯状シール体について、図18に示す排気管継手を
使用して、該シール体の1サイクル毎における摩擦トル
ク(kgf・cm)、異常音の発生の有無、ガス漏れ量
及び球帯状シール体の酸化減量について試験した結果を
説明する。 <試験条件> (試験I)コイルバネによる押圧力:67kgf 揺動角 :±3° 振動数 :12ヘルツ 雰囲気温度(図18に示す凹球面部302の外表面温度):室温( 20℃)〜500℃ (試験II)コイルバネによる押圧力:67kgf 揺動角 :±3° 振動数 :12ヘルツ 雰囲気温度(図18に示す凹球面部302の外表面温度):室温( 20℃)〜700℃ <試験方法>(試験I、試験IIとも) 室温において12ヘルツの振動数で±3°の揺動運動を
1回として45,000回行なったのち、該揺動運動を
継続しながら雰囲気温度を500℃(試験I)、700
℃(試験II)まで昇温し(昇温中の揺動回数45,0
00回)、該雰囲気温度が500℃、700℃に到達し
た時点で115,000回の揺動運動を行い、ついで該
揺動運動を継続しながら雰囲気温度を室温まで降温(降
温中の揺動回数45,000回)するという全揺動回数
250,000回を1サイクルとして4サイクル行う。
【0114】また、異常音の発生の有無の評価はつぎの
ようにして行なった。 評価記号I :異常音の発生のないもの。 評価記号II :試験片に耳を近づけた状態で、かすか
に異常音が聴こえるもの。 評価記号III:定位置(試験片から1.5m離れた位
置)では生活環境音に消され、一般には判別しがたいが
試験担当者には異常音として判別できるもの。 評価記号IV :定位置で誰でも異常音(不快音)とし
て識別できるもの。
【0115】ガス漏れ量(リットル/min)は、図1
8に示す排気管継手の一方の排気管100の開口部を閉
塞し、他方の排気管300側から、0.5kgf/cm
2 の圧力で乾燥空気を流入し、継手部分(球帯状シール
体55の外面53と径拡大部301の凹球面部302と
の摺接部、球帯状シール体55の円筒内面52と排気管
100の管端部101との嵌合部及び端面54と排気管
100に立設されたフランジ200との当接部)からの
漏れ量を流量計にて、試験初期、250,000回後、
500,000回後及び1,000,000回後の4回
測定した。
【0116】酸化減量は、試験前、後の球帯状シール体
の重量の変化を測定した。実施例及び比較例の球帯状シ
ール体の試験前の重量(g)を表1に示す。 (以下余白)
【0117】
【表1】
【0118】表2〜表8は、上記試験方法によって得ら
れた試験I及び試験IIの試験結果である。 (以下余白)
【0119】
【表2】 (以下余白)
【0120】
【表3】 (以下余白)
【0121】
【表4】 (以下余白)
【0122】
【表5】 (以下余白)
【0123】
【表6】 (以下余白)
【0124】
【表7】 (以下余白)
【0125】
【表8】
【0126】表中、1は揺動回数0(試験開始初期)で
の結果、2は揺動回数25万回での結果、3は揺動回数
50万回での結果、4は揺動回数100万回での結果を
示したものである。試験Iの結果からは実施例と比較例
との間に性能の差は認められず、両者とも摩擦トルクが
低く、かつ異常摩擦音の発生も認められず、ガス漏れ量
も0.15リットル/min以下という良好な性能を発
揮した。
【0127】しかし、試験IIの結果からは実施例と比
較例との間に歴然とした性能の差が認められた。すなわ
ち、比較例からなる球帯状シール体は凹球面部の外表面
温度が700℃という高温条件では、ガス漏れ量及び酸
化減量の結果から明らかなように、揺動回数の増加に伴
い耐熱シートである膨張黒鉛の酸化が進行し、揺動回数
が50万回を超えると急激に膨張黒鉛に酸化による消耗
が認められ、形崩れ等を生じ、シール体としての機能が
消滅した。一方、実施例からなる球帯状シール体は、耐
熱シートの表面全体に耐熱被膜が形成されており、シー
ル体自体の耐熱性が高められているため、凹球面部の外
表面温度が700℃という高温条件においても膨張黒鉛
の酸化消耗は低く抑えられ、シール体としての機能は揺
動回数が100万回を超えても依然発揮されるものであ
った。
【0128】また、球帯状シール体の酸化減量の結果か
ら明らかなように、実施例1〜実施例12の球帯状シー
ル体は700℃という高温条件下においても、耐熱被膜
成分の効果により耐熱材である膨張黒鉛の酸化消耗は低
く抑えられており、シール体自体の酸化減量は低い値を
示した。
【0129】
【発明の効果】本発明の球帯状シール体は、円筒内面か
ら部分凸球面状の外面にかけてのその内部では、耐熱シ
ートの表面全体に耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材と
金網からなる補強材とが互いに絡み合って構造的一体性
を有し、該シール体自体の耐熱性が高められているの
で、700℃という高温条件においてもシール体として
の機能を十分発揮するものである。また、製造方法にお
いては、膨張黒鉛シート等の表面全体に耐熱被膜を形成
するという工程が加わるだけで、従来の製造方法におけ
る製造工程を大幅に変更する必要を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球帯状シール体を示す縦断面説明図で
ある。
【図2】本発明の球帯状シール体の部分凸球面状の外面
の部分拡大断面説明図である。
【図3】本発明の球帯状シール体の製造工程における耐
熱シートの斜視図である。
【図4】本発明の球帯状シール体の製造工程における耐
熱被膜が形成された耐熱シート材の断面図である。
【図5】本発明の球帯状シール体の製造工程における金
網からなる補強材の形成方法の説明図である。
【図6】本発明の球帯状シール体の製造工程における筒
状母材の平面説明図である。
【図7】本発明の球帯状シール体の製造工程における筒
状母材の縦断面説明図である。
【図8】本発明の球帯状シール体の製造工程における表
面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図9】本発明の球帯状シール体の製造工程における表
面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図10】本発明の球帯状シール体の製造工程における
予備円筒成形体の平面説明図である。
【図11】本発明の球帯状シール体の製造工程における
金型中に予備円筒成形体を挿入した状態を示す縦断面説
明図である。
【図12】本発明の球帯状シール体の製造工程における
潤滑組成物からなる表面層を形成した耐熱シート材の断
面図である。
【図13】本発明の球帯状シール体の製造工程における
表面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図14】本発明の球帯状シール体の製造工程における
表面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図15】本発明の球帯状シール体の製造工程における
予備円筒成形体の平面説明図である。
【図16】本発明の球帯状シール体を示す縦断面説明図
である。
【図17】本発明の球帯状シール体の部分凸球面状の外
面の部分拡大断面説明図である。
【図18】本発明の球帯状シール体を組込んだ排気管継
手の縦断面説明図である。
【符号の説明】
51 貫通孔 52 円筒内面 53 外面 54 端面 55 球帯状シール体

Claims (61)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を備
    え、外面が部分凸球面状に形成され、この外面の大径側
    に環状の端面を備えた、とくに排気管継手に使用される
    球帯状シール体であって、該円筒内面から部分凸球面状
    の外面にかけてのその内部では、圧縮された金網からな
    る補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこ
    の補強材と混在一体化されて圧縮された耐熱材とを主と
    して具備し、更に、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうち
    の少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アル
    ミニウムとを、補強材及び耐熱材と混在一体化させて具
    備し、部分凸球面状の外面は、炭化ホウ素及び金属ホウ
    化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛と
    リン酸アルミニウムとからなる外面層とこの外面層に混
    在一体化された金網からなる補強材とが露出した平滑な
    面に形成されていることを特徴とする球帯状シール体。
  2. 【請求項2】 円筒内面から部分凸球面状の外面にかけ
    ての内部には、重量比率において、耐熱材100に対
    し、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
    方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとが5
    〜45の割合で含まれている請求項1に記載の球帯状シ
    ール体。
  3. 【請求項3】 円筒内面から部分凸球面状の外面にかけ
    ての内部には、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少
    なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒鉛と、リン酸ア
    ルミニウムとが重量比率で1:0.5〜3の割合で含ま
    れており、この割合下における炭化ホウ素及び金属ホウ
    化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛と
    において、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なく
    とも一方が5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15重
    量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で含まれている請
    求項1又は2に記載の球帯状シール体。
  4. 【請求項4】 外面層には、炭化ホウ素及び金属ホウ化
    物のうちの少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒鉛
    と、リン酸アルミニウムとが重量比率で1:0.5〜3
    の割合で含まれており、この割合下における炭化ホウ素
    及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化
    物及び黒鉛とにおいて、炭化ホウ素及び金属ホウ化物の
    うちの少なくとも一方が5〜25重量%、金属フッ化物
    が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で含
    まれている請求項1から3のいずれか一項に記載の球帯
    状シール体。
  5. 【請求項5】 該貫通孔を規定する円筒内面及び部分凸
    球面状の外面の大径側の端面には、炭化ホウ素及び金属
    ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒
    鉛とリン酸アルミニウムとからなる耐熱層が露出してい
    る請求項1から4のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体。
  6. 【請求項6】 耐熱層には、炭化ホウ素及び金属ホウ化
    物のうちの少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒鉛
    と、リン酸アルミニウムとが重量比率で1:0.5〜3
    の割合で含まれており、この割合下における炭化ホウ素
    及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化
    物及び黒鉛とにおいて、炭化ホウ素及び金属ホウ化物の
    うちの少なくとも一方が5〜25重量%、金属フッ化物
    が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で含
    まれている請求項5に記載の球帯状シール体。
  7. 【請求項7】 金属ホウ化物は、元素周期律表の第IV
    a族、第Va族及び第VIa族の中から選択されたもの
    である請求項1から6のいずれか一項に記載の球帯状シ
    ール体。
  8. 【請求項8】 金属ホウ化物は、ホウ化チタン、二ホウ
    化チタン、二ホウ化ジルコニウム、十二ホウ化ジルコニ
    ウム、二ホウ化ハフニウム、二ホウ化バナジウム、二ホ
    ウ化ニオブ、二ホウ化タンタル、ホウ化クロム、二ホウ
    化クロム、ホウ化モリブデン、二ホウ化モリブデン、ホ
    ウ化二モリブデン、五ホウ化二モリブデン、ホウ化タン
    グステン、二ホウ化タングステン、ホウ化二タングステ
    ン及び五ホウ化二タングステンから選択されたものであ
    る請求項1から7のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体。
  9. 【請求項9】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、フ
    ッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウムの
    うちの一種又は二種以上から選択されたものである請求
    項1から8のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  10. 【請求項10】 耐熱材は、膨張黒鉛、マイカ及びアス
    ベストのうちの一種又は二種以上から選択されたもので
    ある請求項1から9のいずれか一項に記載の球帯状シー
    ル体。
  11. 【請求項11】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状に形成され、この外面の大径
    側に環状の端面を備えた、とくに排気管継手に使用され
    る球帯状シール体であって、該円筒内面から部分凸球面
    状の外面にかけてのその内部では、圧縮された金網から
    なる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつ
    この補強材と混在一体化されて圧縮された耐熱材とを主
    として具備し、更に、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のう
    ちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸ア
    ルミニウムとを、補強材及び耐熱材と混在一体化させて
    具備し、部分凸球面状の外面は、少なくとも窒化ホウ素
    とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからな
    る潤滑組成物の外面層とこの外面層に混在一体化された
    金網からなる補強材とが露出した平滑な面に形成されて
    いることを特徴とする球帯状シール体。
  12. 【請求項12】 円筒内面から部分凸球面状の外面にか
    けての内部には、重量比率において、耐熱材100に対
    し、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
    方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとが5
    〜45の割合で含まれている請求項10に記載の球帯状
    シール体。
  13. 【請求項13】 円筒内面から部分凸球面状の外面にか
    けての内部には、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの
    少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒鉛と、リン酸
    アルミニウムとが重量比率で1:0.5〜3の割合で含
    まれており、この割合下における炭化ホウ素及び金属ホ
    ウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛
    とにおいて、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少な
    くとも一方が5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15
    重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で含まれている
    請求項10又は11に記載に球帯状シール体。
  14. 【請求項14】 該貫通孔を規定する円筒内面及び部分
    凸球面状の外面の大径側の端面には、炭化ホウ素及び金
    属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び
    黒鉛とリン酸アルミニウムとからなる耐熱層が露出して
    いる請求項11から13のいずれか一項に記載に球帯状
    シール体。
  15. 【請求項15】 耐熱層には、炭化ホウ素及び金属ホウ
    化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛
    と、リン酸アルミニウムとが重量比率で1:0.5〜3
    の割合で含まれており、この割合下における炭化ホウ素
    及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化
    物及び黒鉛において、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のう
    ちの少なくとも一方が5〜25重量%、金属フッ化物が
    1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で含ま
    れている請求項14に記載の球帯状シール体。
  16. 【請求項16】 金属ホウ化物は、元素周期律表の第I
    Va族、第Va族及び第VIa族の中から選択されたも
    のである請求項11から15のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体。
  17. 【請求項17】 金属ホウ化物は、ホウ化チタン、二ホ
    ウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、十二ホウ化ジルコ
    ニウム、二ホウ化ハフニウム、二ホウ化バナジウム、二
    ホウ化ニオブ、二ホウ化タンタル、ホウ化クロム、二ホ
    ウ化クロム、ホウ化モリブデン、二ホウ化モリブデン、
    ホウ化二モリブデン、五ホウ化二モリブデン、ホウ化タ
    ングステン、二ホウ化タングステン、ホウ化二タングス
    テン及び五ホウ化二タングステンから選択されたもので
    ある請求項11から16のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体。
  18. 【請求項18】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項11から17のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体。
  19. 【請求項19】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる請求項11から18のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体。
  20. 【請求項20】 潤滑組成物には、ポリテトラフルオロ
    エチレン樹脂が更に含有されている請求項11から19
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  21. 【請求項21】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる混合物を100重量部と
    し、これに200重量部以下の割合のポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂が含有されてなる請求項11から20の
    いずれか一項に記載の球帯状シール体。
  22. 【請求項22】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる混合物を100重量部と
    し、これに50〜150重量部の割合のポリテトラフル
    オロエチレン樹脂が含有されてなる請求項11から20
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  23. 【請求項23】 耐熱材は、膨張黒鉛、マイカ及びアス
    ベストのうちの一種又は二種以上から選択されたもので
    ある請求項11から22のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体。
  24. 【請求項24】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状に形成され、この外面の大径
    側に環状の端面を備えた、とくに排気管継手に使用され
    る球帯状シール体であって、該円筒内面から部分凸球面
    状の外面にかけてのその内部では、耐熱シートの表面全
    体に炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
    方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混
    合物からなる耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材と金網
    からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的
    一体性を有するように構成されており、該部分凸球面状
    の外面は、耐熱被膜からなる外面層とこの外面層に混在
    一体化された金網からなる補強材とが露出した平滑な面
    に形成されていることを特徴とする球帯状シール体。
  25. 【請求項25】 該貫通孔を規定する円筒内面及び部分
    凸球面状の外面の大径側の端面には、該耐熱被膜からな
    る耐熱層が露出している請求項24に記載の球帯状シー
    ル体。
  26. 【請求項26】 耐熱シートと耐熱被膜との重量比率
    が、耐熱シート100に対し耐熱被膜5〜45の割合で
    ある請求項24又は25に記載の球帯状シール体。
  27. 【請求項27】 耐熱被膜は、炭化ホウ素及び金属ホウ
    化物のうちの少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒
    鉛と、リン酸アルミニウムとが重量比率で1:0.5〜
    3の割合で含まれており、この割合下における炭化ホウ
    素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ
    化物及び黒鉛とにおいて、炭化ホウ素及び金属ホウ化物
    のうちの少なくとも一方が5〜25重量%、金属フッ化
    物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で
    含まれてなる混合物からなる請求項24から26のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体。
  28. 【請求項28】 金属ホウ化物は、元素周期律表の第I
    Va族、第Va族及び第VIa族の中から選択された金
    属ホウ化物である請求項24から27のいずれか一項に
    記載の球帯状シール体。
  29. 【請求項29】 金属ホウ化物は、ホウ化チタン、二ホ
    ウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、十二ホウ化ジルコ
    ニウム、二ホウ化ハフニウム、二ホウ化バナジウム、二
    ホウ化ニオブ、二ホウ化タンタル、ホウ化クロム、二ホ
    ウ化クロム、ホウ化モリブデン、二ホウ化モリブデン、
    ホウ化二モリブデン、五ホウ化二モリブデン、ホウ化タ
    ングステン、二ホウ化タングステン、ホウ化二タングス
    テン及び五ホウ化二タングステンから選択されたもので
    ある請求項24から28のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体。
  30. 【請求項30】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項24から29のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体。
  31. 【請求項31】 耐熱シートは、膨張黒鉛、マイカ及び
    アスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたも
    のである請求項24から30のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体。
  32. 【請求項32】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状に形成され、この外面の大径
    側に環状の端面を備えた、とくに排気管継手に使用され
    る球帯状シール体であって、該円筒内面から部分凸球面
    状の外面にかけてのその内部では、耐熱シートの表面全
    体に炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
    方と金属フッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混
    合物からなる耐熱被膜を備えてなる耐熱シート材と金網
    からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的
    一体性を有するように構成されており、該部分凸球面状
    の外面は、少なくとも窒化ホウ素とアルミナ及びシリカ
    のうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物の外面層
    とこの外面層に混在一体化された金網からなる補強材と
    が露出した平滑な面に形成されていることを特徴とする
    球帯状シール体。
  33. 【請求項33】 該貫通孔を規定する円筒内面及び部分
    凸球面状の外面の大径側の端面には、該耐熱被膜からな
    る耐熱層が露出している請求項32に記載の球帯状シー
    ル体。
  34. 【請求項34】 耐熱シートと耐熱被膜との重量比率
    が、耐熱シート100に対し耐熱被膜5〜45の割合で
    ある請求項32又は33に記載の球帯状シール体。
  35. 【請求項35】 耐熱被膜は、炭化ホウ素及び金属ホウ
    化物のうちの少なくとも一方並びに金属フッ化物及び黒
    鉛と、リン酸アルミニウムとが重量比率で1:0.5〜
    3の割合で含まれており、この割合下における炭化ホウ
    素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ
    化物及び黒鉛とにおいて、炭化ホウ素及び金属ホウ化物
    のうちの少なくとも一方が5〜25重量%、金属フッ化
    物が1〜15重量%、黒鉛が60〜90重量%の割合で
    含まれてなる混合物からなる請求項32から34のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体。
  36. 【請求項36】 金属ホウ化物は、元素周期律表の第I
    Va族、第Va族及び第VIa族の中から選択されたも
    のである請求項32から35のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体。
  37. 【請求項37】 金属ホウ化物は、ホウ化チタン、二ホ
    ウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、十二ホウ化ジルコ
    ニウム、二ホウ化ハフニウム、二ホウ化バナジウム、二
    ホウ化ニオブ、二ホウ化タンタル、ホウ化クロム、二ホ
    ウ化クロム、ホウ化モリブデン、二ホウ化モリブデン、
    ホウ化二モリブデン、五ホウ化二モリブデン、ホウ化タ
    ングステン、二ホウ化タングステン、ホウ化二タングス
    テン及び五ホウ化二タングステンから選択されたもので
    ある請求項32から36のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体。
  38. 【請求項38】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項32から37のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体。
  39. 【請求項39】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる請求項32から38のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体。
  40. 【請求項40】 潤滑組成物には、ポリテトラフルオロ
    エチレン樹脂が更に含有されている請求項32から39
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  41. 【請求項41】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる混合物を100重量部と
    し、これに200重量部以下の割合のポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂が含有されてなる請求項32から40の
    いずれか一項に記載の球帯状シール体。
  42. 【請求項42】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる混合物を100重量部と
    し、これに50〜150重量部の割合のポリテトラフル
    オロエチレン樹脂が含有されてなる請求項32から40
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  43. 【請求項43】 耐熱シートは、膨張黒鉛、マイカ及び
    アスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたも
    のである請求項32から42のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体。
  44. 【請求項44】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状に形成され、この外面の大径
    側に環状の端面を備えた、特に排気管継手に使用される
    球帯状シール体の製造方法であって、 (a)耐熱シートの表面全体に一様な厚さの炭化ホウ素
    及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化
    物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からなる耐
    熱被膜を備えてなる耐熱シート材を準備する工程と、 (b)金属細線を織ったり、編んだりして得られる金網
    からなる補強材を準備し、該補強材を前記耐熱シート材
    に重ね合わせたのち、該耐熱シート材を内側にしてうず
    巻き状に捲回し、筒状母材を形成する工程と、 (c)別の耐熱シートの表面全体に一様な厚さの炭化ホ
    ウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フ
    ッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からな
    る別の耐熱被膜を備えてなる別の耐熱シート材を準備
    し、該別の耐熱シート材と、該別の耐熱シート材の耐熱
    被膜を覆って配された金網からなる別の補強材とからな
    る外面層形成部材を形成する工程と、 (d)該外面層形成部材を、前記筒状母材の外周面に捲
    回して予備円筒成形体を形成する工程と、 (e)該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、
    該コアを金型内に配置するとともに該金型内において予
    備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成型する工程と、 からなり、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての
    内部では、耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網からな
    る補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性
    を有するように構成されており、該部分凸球面状の外面
    は、別の耐熱被膜が別の補強材の網目を充填して両者が
    混在一体となった平滑な面に形成されていることを特徴
    とする球帯状シール体の製造方法。
  45. 【請求項45】 該貫通孔を規定する円筒内面及び部分
    凸球面状の外面の大径側の端面には、耐熱被膜が露出し
    ている請求項44に記載の球帯状シール体の製造方法。
  46. 【請求項46】 両耐熱被膜のうちの少なくとも一方
    は、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
    方並びに金属フッ化物及び黒鉛と、リン酸アルミニウム
    との重量比率が1:0.5〜3の割合で含まれており、
    この割合下における炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうち
    の少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とにおいて、
    炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方が
    5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛
    が60〜90重量%の割合で含まれてなる混合物からな
    り、両耐熱シートのうちの少なくとも一方の表面全体に
    0.1〜0.8g/100cm2 の一様な厚さに形成さ
    れている請求項44又は45に記載の球帯状シール体の
    製造方法。
  47. 【請求項47】 金属ホウ化物は、元素周期律表の第I
    Va族、第Va族及び第VIa族の中から選択された金
    属ホウ化物である請求項44から46のいずれか一項に
    記載の球帯状シール体の製造方法。
  48. 【請求項48】 金属ホウ化物は、ホウ化チタン、二ホ
    ウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、十二ホウ化ジルコ
    ニウム、二ホウ化ハフニウム、二ホウ化バナジウム、二
    ホウ化ニオブ、二ホウ化タンタル、ホウ化クロム、二ホ
    ウ化クロム、ホウ化モリブデン、二ホウ化モリブデン、
    ホウ化二モリブデン、五ホウ化二モリブデン、ホウ化タ
    ングステン、二ホウ化タングステン、ホウ化二タングス
    テン及び五ホウ化二タングステンから選択されたもので
    ある請求項44から47のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体の製造方法。
  49. 【請求項49】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項44から48のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体の製造方法。
  50. 【請求項50】 耐熱シートは、膨張黒鉛、マイカ及び
    アスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたも
    のである請求項44から49のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体の製造方法。
  51. 【請求項51】 中央部に貫通孔を規定する円筒内面を
    備え、外面が部分凸球面状に形成され、この外面の大径
    側に環状の端面を備えた、特に排気管継手に使用される
    球帯状シール体の製造方法であって、 (a)耐熱シートの表面全体に一様な厚さの炭化ホウ素
    及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フッ化
    物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からなる耐
    熱被膜を備えてなる耐熱シート材を準備する工程と、 (b)金属細線を織ったり、編んだりして得られる金網
    からなる補強材を準備し、該補強材を前記耐熱シート材
    に重ね合わせたのち、該耐熱シート材を内側にしてうず
    巻き状に捲回し、筒状母材を形成する工程と、 (c)別の耐熱シートの表面全体に一様な厚さの炭化ホ
    ウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方と金属フ
    ッ化物及び黒鉛とリン酸アルミニウムとの混合物からな
    る別の耐熱被膜を備えてなる別の耐熱シート材を準備
    し、該別の耐熱シート材と該別の耐熱シート材の一方の
    面の耐熱被膜の表面に被覆された少なくとも窒化ホウ素
    とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからな
    る潤滑組成物の表面層と該表面層を覆って配された金網
    からなる別の補強材とからなる外面層形成部材を形成す
    る工程と、 (d)該外面層形成部材を、表面層の面を外側にして前
    記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成す
    る工程と、 (e)該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、
    該コアを金型内に配置するとともに該金型内において予
    備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成型する工程と、 からなり、円筒内面から部分凸球面状の外面にかけての
    内部では、耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網からな
    る補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性
    を有するように構成されており、該部分凸球面状の外面
    は、潤滑組成物が補強材の網目を充填して両者が混在一
    体となった平滑な面に形成されていることを特徴とする
    球帯状シール体の製造方法。
  52. 【請求項52】 該貫通孔を規定する円筒内面及び部分
    凸球面状の外面の大径側端面には、耐熱被膜が露出して
    いる請求項51に記載の球帯状シール体の製造方法。
  53. 【請求項53】 両耐熱被膜のうちの少なくとも一方
    は、炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一
    方並びに金属フッ化物及び黒鉛と、リン酸アルミニウム
    との重量比率が1:0.5〜3の割合で含まれており、
    この割合下における炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうち
    の少なくとも一方と金属フッ化物及び黒鉛とにおいて、
    炭化ホウ素及び金属ホウ化物のうちの少なくとも一方が
    5〜25重量%、金属フッ化物が1〜15重量%、黒鉛
    が60〜90重量%の割合で含まれてなる混合物からな
    り、両耐熱シートのうちの少なくとも一方の表面全体に
    0.1〜0.8g/100cm2 の一様な厚さに形成さ
    れている請求項51又は52に記載の球帯状シール体の
    製造方法。
  54. 【請求項54】 金属ホウ化物は、元素周期律表の第I
    Va族、第Va族及び第VIa族の中から選択されたも
    のである請求項51から53のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体の製造方法。
  55. 【請求項55】 金属ホウ化物は、ホウ化チタン、二ホ
    ウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム、十二ホウ化ジルコ
    ニウム、二ホウ化ハフニウム、二ホウ化バナジウム、二
    ホウ化ニオブ、二ホウ化タンタル、ホウ化クロム、二ホ
    ウ化クロム、ホウ化モリブデン、二ホウ化モリブデン、
    ホウ化二モリブデン、五ホウ化二モリブデン、ホウ化タ
    ングステン、二ホウ化タングステン、ホウ化二タングス
    テン及び五ホウ化二タングステンから選択されたもので
    ある請求項51から54のいずれか一項に記載の球帯状
    シール体の製造方法。
  56. 【請求項56】 金属フッ化物は、フッ化カルシウム、
    フッ化リチウム、フッ化ナトリウム及びフッ化バリウム
    のうちの一種又は二種以上から選択されたものである請
    求項51から55のいずれか一項に記載の球帯状シール
    体の製造方法。
  57. 【請求項57】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる請求項51から56のいず
    れか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  58. 【請求項58】 潤滑組成物には、ポリテトラフルオロ
    エチレン樹脂が更に含有されている請求項51から57
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  59. 【請求項59】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる混合物を100重量部と
    し、これに200重量部以下の割合のポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂が含有されてなる請求項51から58の
    いずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  60. 【請求項60】 潤滑組成物は、窒化ホウ素70〜90
    重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が
    10〜30重量%とからなる混合物を100重量部と
    し、これに50〜150重量部の割合のポリテトラフル
    オロエチレン樹脂が含有されてなる請求項51から58
    のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  61. 【請求項61】 耐熱シートは、膨張黒鉛、マイカ及び
    アスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたも
    のである請求項51から60のいずれか一項に記載の球
    帯状シール体の製造方法。
JP04168797A 1997-02-10 1997-02-10 球帯状シール体ならびにその製造方法 Expired - Lifetime JP3812036B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04168797A JP3812036B2 (ja) 1997-02-10 1997-02-10 球帯状シール体ならびにその製造方法
US09/018,331 US6129362A (en) 1997-02-10 1998-02-04 Spherical annular seal member and method of manufacturing the same
DE69828537T DE69828537D1 (de) 1997-02-10 1998-02-06 Sphärisches Ringdichtungsteil und sein Herstellungsverfahren
EP98300898A EP0857863B1 (en) 1997-02-10 1998-02-06 Spherical annular seal member and method of manufacturing the same
KR1019980003754A KR100337092B1 (ko) 1997-02-10 1998-02-09 구형띠형상시일체및그제조방법
CN98103837A CN1101904C (zh) 1997-02-10 1998-02-10 球环形密封件及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04168797A JP3812036B2 (ja) 1997-02-10 1997-02-10 球帯状シール体ならびにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10231934A true JPH10231934A (ja) 1998-09-02
JP3812036B2 JP3812036B2 (ja) 2006-08-23

Family

ID=12615347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04168797A Expired - Lifetime JP3812036B2 (ja) 1997-02-10 1997-02-10 球帯状シール体ならびにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3812036B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005201363A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Nippon Leakless Corp 高耐熱性膨張黒鉛シート
JP2012180920A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Oiles Corp 球帯状シール体及びその製造方法
WO2013073159A1 (ja) * 2011-11-17 2013-05-23 オイレス工業株式会社 円筒状ガスケット及びその製造方法並びに該円筒状ガスケットを使用した差し込み型排気管継手
WO2014061184A1 (ja) * 2012-10-16 2014-04-24 オイレス工業株式会社 球帯状シール体及びその製造方法
WO2014103249A1 (ja) 2012-12-27 2014-07-03 オイレス工業株式会社 球帯状シール体

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005201363A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Nippon Leakless Corp 高耐熱性膨張黒鉛シート
JP4549067B2 (ja) * 2004-01-15 2010-09-22 日本リークレス工業株式会社 高耐熱性膨張黒鉛シート
JP2012180920A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Oiles Corp 球帯状シール体及びその製造方法
WO2013073159A1 (ja) * 2011-11-17 2013-05-23 オイレス工業株式会社 円筒状ガスケット及びその製造方法並びに該円筒状ガスケットを使用した差し込み型排気管継手
US9714708B2 (en) 2011-11-17 2017-07-25 Oiles Corporation Cylindrical gasket, method for manufacturing the same, and insertion-type exhaust pipe joint using the cylindrical gasket
WO2014061184A1 (ja) * 2012-10-16 2014-04-24 オイレス工業株式会社 球帯状シール体及びその製造方法
JP5972991B2 (ja) * 2012-10-16 2016-08-17 オイレス工業株式会社 球帯状シール体及びその製造方法
RU2621110C2 (ru) * 2012-10-16 2017-05-31 Оилз Корпорейшн Сферический кольцевой уплотняющий элемент и способ его изготовления
US9759328B2 (en) 2012-10-16 2017-09-12 Oiles Corporation Spherical annular seal member and method of manufacturing the same
WO2014103249A1 (ja) 2012-12-27 2014-07-03 オイレス工業株式会社 球帯状シール体
US9212596B1 (en) 2012-12-27 2015-12-15 Oiles Corporation Spherical annular seal member

Also Published As

Publication number Publication date
JP3812036B2 (ja) 2006-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3812035B2 (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
JP4617521B2 (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
US6129362A (en) Spherical annular seal member and method of manufacturing the same
JP5095222B2 (ja) 排気管球面継手用環状シール体及びその製造方法
JP5533990B2 (ja) 球帯状シール体及びその製造方法
JP3261767B2 (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
US5499825A (en) Spherical annular seal
JP3937473B2 (ja) 摺動部材用組成物および該組成物からなる摺動部材ならびに球帯状シール体
US5997979A (en) Spherical annular seal member and method of manufacturing the same
JPH10231934A (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
JP3911725B2 (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
JP3812037B2 (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
JPH109397A (ja) 球帯状シール体ならびにその製造方法
JP4487494B2 (ja) 球帯状シール体
JP6427916B2 (ja) 球帯状シール体
JP3156967B2 (ja) 排気管継手用シール体ならびにその製造方法
JP4371349B2 (ja) 球帯状シール体
JP5120995B2 (ja) 球帯状シール体及びその製造方法
JP2003014177A (ja) 排気管継手装置
JP4355129B2 (ja) 球帯状シール体
JP2003343729A (ja) 球帯状シール体
JP3257059B2 (ja) 球帯状シール体並びにその製造方法
JP2004204879A (ja) 球帯状シール体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060522

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term