JP2004204879A - 球帯状シール体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】相手材と摺接する外面への排気ガスの熱の伝達を極力抑え、該熱に起因する外面の酸化消耗を抑え、耐久性を高めることができると共に排気ガス温度の低下を防ぐことができる自動車排気管の球面継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58であって、球帯状基体56は、圧縮された金網4からなる補強材5と、補強材5の金網4の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材5及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がる断熱層59とを有している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特公昭58−21144号公報
【特許文献2】
特公平1−17033号公報
【特許文献3】
実公昭63−25298号公報
【0003】
自動車のエンジンの排気ガスは、排気管に導かれて大気中に放出されるが、この排気管は、エンジンのトルク反力及び慣性力などにより、繰返し曲げ応力を受ける。とくに、前輪駆動横置きエンジンの場合には、縦置きエンジンの場合に比較して、この曲げ応力はかなり大きいものとなる。したがって、エンジンの振動が排気管つり架具を伝わって車室内にもたらされたり、あるいは、騒音の原因となるばかりでなく、排気管の疲労強度低下を招く虞がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決するために、排気管の所要箇所に球面管継手を配置して応力を吸収させるなどの手段が講じられているが、球面管継手の摺接面に配置されるシール体の耐熱性の問題と、高温下における摩擦摩耗の問題がある。このような問題を解決するものとして、膨張黒鉛、雲母などの耐火材をワイヤメッシュで補強した排気シールが提案されている(特許文献1所載)。
【0005】
この排気シールは、上記問題に対処し得るものであるが、近年の自動車エンジンの性能向上等に起因する新たな問題点が提起された。すなわち、自動車エンジンの性能向上に起因する排気ガス温度の上昇により、または自動車のNVH特性(車輌音響振動特性)の向上を目的として、排気ガスの出口(マニホールド)付近に球面管継手を配置する場合、球面管継手がエンジン側により近づくことに起因する排気ガス温度の上昇により、シール体に該排気ガスの熱が伝達されて該シール体に熱が蓄積され、とくにシール体が大気中に露出する部位に酸化を生起せしめ、これによりシール体の酸化消耗、ひいてはシール体の耐久性の問題があり、シール体への排気ガス熱の断熱手段を考慮しなければ使用し難いという問題がある。
【0006】
排気シールの耐熱性を高める手段としては、例えば膨張黒鉛、雲母などの耐火材自体を改質して耐熱性を付与する方法と、排気シールへの排気ガスの熱の伝達を極力抑える方法などが考えられる。後者の方法として、排気シールが固着される排気管構造を二重構造とする方法が提案されている(特許文献2所載)。しかしながら、この方法は排気管球面継手自体のコスト高に繋がるという問題がある。
【0007】
また、他の方法として、シールリングとこのシールリングが固着される排気管との間に断熱性材料からなるブッシュを固定する方法が提案されている(特許文献3所載)。しかしながら、シールリングは排気管の外周面に固定された断熱性材料からなるブッシュの外周面に固着されるため、該ブッシュとシールリングとの間の密封性の問題と、シールリングが該ブッシュの外周面で揺動回転し、シールリングと該ブッシュとの摺動により往々にして異常摩擦音を発生させる虞がある。
【0008】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、相手材と摺接する外面への排気ガスの熱の伝達を極力抑え、該熱に起因する外面の酸化消耗を抑え、耐久性を高めることができると共に排気ガス温度の低下を防ぐことができる自動車排気管の球面継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の球帯状シール体は、円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球帯状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えており、球帯状基体が、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを有しており、外層が、膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面が、前記耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっていることを特徴とする。
【0010】
第一の態様の球帯状シール体によれば、円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを有しているため、大気中に露出する外層側への排気管を導通する排気ガスの熱の伝達が少なくとも一層の断熱層により抑えられるので、当該外層部位での高温酸化による酸化消耗が抑制されることになり、酸化消耗に起因する球帯状シール体の密封性等の耐久性を高めることができる。
【0011】
また、外層は、膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっている結果、該外層への排気ガスの熱の伝達が抑えられて当該外層部位での酸化消耗が抑制されるていることと相俟って相手材との摺接においては、相手材表面に外層を形成する耐熱材の過剰な被膜の形成を抑制し、相手材表面との円滑な摺接が行われるので、球帯状シール体の密封性等の耐久性を高めることができる。
【0012】
本発明の第二の態様の球帯状シール体では、上記第一の態様の球帯状シール体において、外層は、潤滑滑り材からなる潤滑被覆層とこの潤滑被覆層に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記潤滑滑り材と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっており、この潤滑滑り材は、好ましくは本発明の第三の態様のように、四ふっ化エチレン樹脂及び窒化ホウ素のうちの少なくとも一つからなる。
【0013】
第二及び第三の態様の球帯状シール体によれば、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、平滑な面であって、しかも、潤滑滑り材と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっているので、相手材との摺接において円滑な摺動が行われる。
【0014】
本発明の第四の態様の球帯状シール体では、上記第一から第三のいずれかの態様の球帯状シール体において、断熱層は、セラミックシート又はペーパーからなり、このセラミックシート又はペーパーは、好ましくは本発明の第五の態様の球帯状シール体のように、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択された断熱材からなる。
【0015】
第四及び第五の態様の球帯状シール体によれば、好ましくは珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択された断熱材からなるセラミックシート又はペーパーは、球帯状シール体の球帯状基体内に円周方向に広がって配置されることにより、球帯状基体内に断熱層を形成するので、排気管を導通する排気ガスの熱の球帯状シール体の外層側への伝達を極力抑えることができる。
【0016】
本発明の第六の態様の球帯状シール体では、第一から第五のいずれかの態様の球帯状シール体において、球帯状基体の膨張黒鉛からなる耐熱材が円筒内面において露出している。
【0017】
第六の態様の球帯状シール体によれば、球帯状シール体が排気管の外面に嵌合固定された際、球帯状シール体の円筒内面と排気管の外面との間の密封性が円筒内面の膨張黒鉛からなる耐熱材により高められるので、当該接触面からの排気ガスの漏洩を極力防ぐことができる。
【0018】
本発明の第七の態様の球帯状シール体では、第一から第五のいずれかの態様の球帯状シール体において、球帯状基体の金網からなる補強材が円筒内面において露出している。
【0019】
第七の態様の球帯状シール体によれば、球帯状基体の金網からなる補強材が円筒内面において露出しているので、球帯状シール体を排気管の外面に嵌合固定する際、円筒内面と排気管の外面との間の摩擦が円筒内面における金網からなる補強材により高められ、結果として球帯状シール体が排気管の外面に強固に固定されることになる。
【0020】
円筒内面と部分凸球面状面と該部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球帯状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた本発明の第一の態様の球帯状シール体の製造方法は、膨張黒鉛からなる耐熱シート材と厚さ方向に複数個の孔を備えた断熱シート材と金網からなる補強材とを重ね合わせたのち、この重合体をうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する工程と、別の耐熱シート材を準備し、該別の耐熱シート材と該別の耐熱シート材を覆って配した金網からなる別の補強材とからなる外面層形成部材を形成する工程と、該外面層形成部材を前記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、該コアを金型内に配置すると共に該金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とからなり、ここで、球帯状基体は、断熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合った断熱シート材からなる円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを含んでおり、外層は、膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっていることを特徴とする。
【0021】
第一の態様の製造方法によれば、断熱シート材はその厚さ方向に複数個の孔を備えているので、圧縮工程において膨張黒鉛からなる耐熱シート材及び金網からなる補強材と相互に絡み合って構造的一体性を有して球帯状基体内の円周方向に広がって断熱層を形成し得る結果、断熱層を有していても強固に一体化された球帯状シール体を得ることができる。
【0022】
円筒内面と部分凸球面状面と該部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球帯状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた本発明の第二の態様の球帯状シール体の製造方法は、膨張黒鉛からなる耐熱シート材と厚さ方向に複数個の孔を備えた断熱シート材と金網からなる補強材とを重ね合わせたのち、この重合体をうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する工程と、一方の表面に潤滑滑り材からなる潤滑被覆層を備えた別の耐熱シート材を準備し、該別の耐熱シート材と該別の耐熱シート材の潤滑被覆層を覆って配した金網からなる別の補強材とからなる外面層形成部材を形成する工程と、該外面層形成部材を前記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、該コアを金型内に配置すると共に該金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とからなり、ここで、球帯状基体は、断熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合った断熱シート材からなる円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを含んでおり、外層は、潤滑滑り材からなる潤滑被覆層と、この潤滑被覆層に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記潤滑滑り材と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっていることを特徴とする。
【0023】
第二の態様の製造方法によれば、第一の態様の製造方法と同様に、断熱シート材はその厚さ方向に複数個の孔を備えているので、圧縮工程において膨張黒鉛からなる耐熱シート材及び金網からなる補強材と相互に絡み合って構造的一体性を有して球帯状基体内の円周方向に広がって断熱層を形成し得る結果、断熱層を有していても強固に一体化された球帯状シール体を得ることができる。
【0024】
また、第二の態様の製造方法によれば、別の耐熱シート材がその一方の表面に潤滑滑り材からなる潤滑被覆層を備えているために、圧縮工程により展延された潤滑滑り材からなる潤滑被覆層とこの潤滑被覆層に混在一体化された金網からなる補強材とを有した外層を形成でき、而して、展延された潤滑滑り材と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面として外層において外部に露出した部分凸球面状の外面を形成することができる。
【0025】
この潤滑滑り材としては、好ましくは第三の態様の球帯状シール体の製造方法のように、四ふっ化エチレン樹脂及び窒化ホウ素のうちの少なくとも一つからなる。
【0026】
本発明の第四の態様の球帯状シール体の製造方法では、第一から第三の態様の球帯状シール体の製造方法において、断熱シート材は、セラミックシート又はペーパーからなり、セラミックシート又はペーパーは、第五の態様の球帯状シール体の製造方法のように、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択された断熱材からなるとよい。
【0027】
斯かる断熱シート材は、球帯状基体内に補強材及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がる断熱層を形成する。
【0028】
本発明の第六の態様の球帯状シール体の製造方法では、第一から第五のいずれかの態様の球帯状シール体の製造方法において、重合体を耐熱シート材を内側にしてうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する。
【0029】
第六の態様の製造方法によれば、円筒内面において球帯状基体の膨張黒鉛からなる耐熱材が露出している球帯状シール体を製造できる。
【0030】
本発明の第七の態様の球帯状シール体の製造方法は、第一から第五のいずれかの態様の球帯状シール体の製造方法において、重合体を金網からなる補強材を内側にしてうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する。
【0031】
第七の態様の製造方法によれば、円筒内面において球帯状基体の金網からなる補強材が露出している球帯状シール体を製造できる。
【0032】
以下、本発明及びその実施の形態を、図面に示す好ましい例に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の球帯状シール体における構成材料及び球帯状シール体の製造方法について説明する。
【0034】
<耐熱シート材について>
酸処理黒鉛原料を高温、例えば1000℃の温度で加熱(膨張)処理を施して、分解ガスを発生せしめ、そのガス圧により黒鉛層間を拡張して膨張黒鉛粒子を形成し、この膨張黒鉛粒子をロール成形して得られる膨張黒鉛からなる耐熱シート材が使用される。
【0035】
<補強材について>
補強材には、鉄系としてオーステナイト系のSUS304もしくはSUS316又はフェライト系のSUS430等のステンレス鋼線又は鉄線(JIS−G−3532)もしくは亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)、また銅系として銅−ニッケル合金(白銅)、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)、黄銅、ベリリウム銅からなる線径0.10〜0.32mm程度の細線材を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだりして形成された網目3〜6mm程度の金網が使用される。
【0036】
<断熱材について>
断熱材には、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択されるものが好適に使用され、断熱シート材には、斯かる珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択された断熱材からなるセラミックシート又はペーパーが使用される。この断熱シート材は、0.5〜1.0mmの厚さを有し、厚さ方向に複数個の孔を具備している。
【0037】
つぎに、上記構成材料からなる球帯状シール体の製造方法について図面に基づき説明する。
【0038】
<第一の態様の球帯状シール体の製造方法>
(第一工程) 図2に示すように金属細線を円筒状に編んで形成した筒状金網1をローラ2及び3間に通して所定の幅Dの帯状の金網4を作製し、帯状の金網4を所定の長さLに切断した補強材5、又は金属細線を織ったり、編んだりすることによって直接形成される帯状金網を所定の幅Dと長さLとに切断した補強材5を準備する。
【0039】
(第二工程) 図3に示すように、補強材5の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅dを有すると共に、補強材5の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有するように切断された膨張黒鉛からなる耐熱シート材6を準備する。
【0040】
(第三工程) 図4に示すように、前記補強材5と同様の幅Dと長さLとを有し、厚さ方向に複数個の孔7を有すると共に珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択された断熱材製のセラミックシート又はペーパーからなる断熱シート材8を準備する。
【0041】
(第四工程) 後述する球帯状シール体58又は61において、部分凸球面状面53の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状の端面である大径側の端面54に全体的に膨張黒鉛からなる耐熱材が露出するようにすべく、図5に示すように、部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54となる補強材5及び断熱シート材8の幅方向の少なくとも一方の端縁9から最大で0.1×Dから0.8×Dのはみ出し量δ1だけ耐熱シート材6が幅方向にはみ出すと共に、端縁9からの耐熱シート材6の幅方向のはみ出し量δ1が部分凸球面状面53の小径側の端面55となる補強材5及び断熱シート材8の幅方向の他方の端縁10からのはみ出し量δ2よりも多くなるようにし、しかも、補強材5の長さ方向の一方の端縁11から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート材6が長さ方向にはみ出すと共に、補強材5及び断熱シート材8の長さ方向の他方の端縁12と当該端縁12に対応する耐熱シート材6の長さ方向の端縁13とを実質的に一致させて、補強材5と断熱シート材8と耐熱シート材6との幅方向及び長さ方向を合致させて当該補強材5と断熱シート材8と耐熱シート材6とを互いに重ね合わせた重合体14を作製する。
【0042】
(第五工程) 重合体14を図6に示すように耐熱シート材6を内側にしてうず巻き状であって耐熱シート材6が1回多くなるように捲回して、内周側及び外周側の両方に耐熱シート材6が露出した筒状母材15を形成する。耐熱シート材6としては、筒状母材15における耐熱シート材6の巻き回数が補強材5及び断熱シート材8の巻き回数よりも多くなるように、補強材5及び断熱シート材8の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有したものが予め準備される。筒状母材15においては、図7に示すように、耐熱シート材6は、幅方向の一方の端縁側において補強材5及び断熱シート材8の一方の端縁9から幅方向にδ1だけはみ出しており、また耐熱シート材6の幅方向の他方の端縁側において補強材5及び断熱シート材8の他方の端縁10から幅方向にδ2だけはみ出している。
【0043】
(第六工程) 前記耐熱シート材6と同様であるが、幅Dよりも小さい幅Wを有すると共に筒状母材15を1回巻きできる程度の長さYを有した図8に示すような耐熱シート材6を別途用意する。一方、前記第一工程で説明したように、金属細線を編んで筒状金網1を形成したのち、これをローラ2及び3間に通して作製した帯状の金網4からなる補強材5を別に準備し、図9に示すように、帯状の金網4内に、耐熱シート材6を挿入するとともに、これらを図10に示すように、ローラ16及び17間に通して一体化させ、これにより別の耐熱シート材6と該別の耐熱シート材6を覆って配した帯状の金網4からなる別の補強材5とからなる外面層形成部材18を形成する。
【0044】
(第七工程) このようにして得た外面層形成部材18を前記筒状母材15の外周面に捲回し、図11に示すような予備円筒成形体19を作製する。
【0045】
(第八工程) 内面に円筒壁面31と円筒壁面31に連なる部分凹球面壁面32と部分凹球面壁面32に連なる貫通孔33とを備え、貫通孔33に段付きコア34を嵌挿することによって内部に中空円筒部35と該中空円筒部35に連なる球帯状中空部36とが形成された図12に示すような金型37を準備し、該金型37の段付きコア34に予備円筒成形体19を挿入する。
【0046】
金型37の中空円筒部35及び球帯状中空部36に位置せしめられた予備円筒成形体19をコア軸方向に1〜3トン/cmの圧力で圧縮成形し、図1に示すような、中央部に貫通孔51を有すると共に、円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製する。
【0047】
この圧縮成形により、球帯状基体56は、耐熱シート材6と金網からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材5と、この補強材5の金網の網目を充填し、かつ耐熱シート材6が圧縮されてなると共に補強材5と混在一体化された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材5及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がると共に断熱シート材8の断熱材からなる断熱層59とを有しており、外層57は、耐熱シート材6が圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材5とを有しており、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面60は平滑な面に形成され、貫通孔51を規定する円筒内面52において耐熱シート材6が圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材が露出して形成される。
【0048】
上述した方法によって作製された図1に示す球帯状シール体58において、耐熱シート材6は、内部構造を形成する金網からなる補強材5と絡み合って一体となっており、部分凸球面状の外面60は、外面層形成部材18によって形成された膨張黒鉛からなる耐熱材の外面層と金網からなる補強材5とが混在一体となった平滑な面に形成されていると共に、部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54及び小径側の端面55は、補強材5から幅方向にはみ出した耐熱シート材6が部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54及び小径側の端面55に曲折され、かつ展延されることによって膨張黒鉛からなる耐熱材でもって形成されている。
【0049】
上述した製造方法の第三工程において、断熱シート材8の長さLを適宜調整することにより、球帯状基体56中に断熱シート材8からなる断熱層59の層数を適宜調整することができる。また、前述の第二工程において、補強材5及び断熱シート材8の長さLに対して実質的に同じ長さlを有するように切断された耐熱シート材6を準備して、これらを前述の第四工程と同様に重ね合わせて重合体14を得、この重合体14を補強材5を内側にして前述の第五工程と同様にして筒状母材15を形成し、以下、第六工程から第八工程を経て、貫通孔51を規定する円筒内面52において球帯状基体56の金網からなる補強材5が露出している球帯状シール体58を作製することができる。
【0050】
<第二の態様の球帯状シール体の製造方法>
第一工程から第五工程までは上記第一工程から第五工程までと同じ。
【0051】
(第六工程) 前記耐熱シート材6と同様であるが、幅Dよりも小さい幅Wを有すると共に筒状母材15を1回巻きできる程度の長さYを有した耐熱シート材6を別途準備し、この耐熱シート材6の一方の表面に四ふっ化エチレン樹脂、窒化ホウ素のうちの少なくとも一つからなる潤滑滑り材の水性ディスパージョンを刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段で被覆し、これを乾燥させて図13に示すような潤滑滑り材からなる潤滑被覆層20を形成する。
【0052】
前記第六工程で説明した帯状の金網4からなる補強材5を別途準備し、図14に示すように帯状の金網4内に、一方の表面に潤滑滑り材からなる潤滑被覆層20を備えた耐熱シート材6を挿入すると共にこれらを図15に示すように、ローラ21及び22間に通して一体化させ、これにより別の耐熱シート材6と該別の耐熱シート材6の潤滑被覆層20を覆って配した帯状の金網4からなる別の補強材5とからなる外面層形成部材23を形成する。
【0053】
(第七工程) このようにして得た外面層形成部材23を潤滑被覆層20を外側にして前記筒状母材15の外周面に捲回し、図16に示すような予備円筒成形体24を作製する。この予備円筒成形体24を前記第八工程と同様な方法で圧縮成形し、図17及び図18に示すような、中央部に貫通孔51を有すると共に、円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体61を作製する。
【0054】
この圧縮成形により、球帯状基体56は、耐熱シート材6と金網からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材5と、この補強材5の金網の網目を充填し、かつ耐熱シート材6が圧縮されてなると共に補強材5と混在一体化された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材5及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がると共に断熱シート材8の断熱材からなる断熱層59とを有しており、外層57は、潤滑被覆層20と該被覆層20に一体化された金網からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、潤滑滑り材からなる潤滑被覆層20とこの潤滑被覆層20に混在一体化された金網からなる補強材5とを有しており、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面60は、潤滑被覆層20の潤滑滑り材と補強材5とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となり、貫通孔51を規定する円筒内面52において耐熱シート材6が圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材が露出して形成されており、部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54及び小径側の端面55は、補強材5から幅方向にはみ出した耐熱シート材6が部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54及び小径側の端面55に曲折され、かつ展延されることによって膨張黒鉛からなる耐熱材でもって形成されている。
【0055】
この第二の態様の球帯状シール体61においても、上述した製造方法の第三工程において、断熱シート材8の長さLを適宜調整することにより、球帯状基体56中に断熱シート材8からなる断熱層59の層数を適宜調整することができる。また、前述の第二工程において、補強材5及び断熱シート材8の長さLに対して実質的に同じ長さlを有するように切断された耐熱シート材6を準備して、これらを前述の第四工程と同様に重ね合わせて重合体14を得、この重合体14を補強材5を内側にして前述の第五工程と同様にして筒状母材15を形成し、以下、第六工程から第八工程を経て、貫通孔51における円筒内面52に球帯状基体56の金網からなる補強材5が露出している球帯状シール体61を作製することができる。
【0056】
球帯状シール体58又は61は、例えば図19に示す排気管球面継手に組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側排気管100の外周面には、管端部101を残してフランジ200が立設されており、管端部101には、球帯状シール体58又は61が貫通孔51を規定する円筒内面52において嵌合されており、大径側端面54において球帯状シール体58又は61がフランジ200に当接されて着座せしめられている。上流側排気管100と相対峙してマフラー側に連結され、端部に凹球面部302と凹球面部302の開口部周縁にフランジ部303とを備えた径拡大部301が一体に形成された下流側排気管300が凹球面部302を球帯状シール体58又は61の部分凸球面状の外面60に摺接させて配置されている。
【0057】
図19に示す排気管球面継手において、一端がフランジ200に固定され、他端が径拡大部301のフランジ部303を挿通して配された一対のボルト400とボルト400の膨大頭部及びフランジ部303の間に配された一対のコイルバネ500とにより、下流側排気管300には、常時、上流側排気管100方向にバネ力が付勢されている。そして、排気管球面継手は、上、下流側排気管100、300に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体58又は61の部分凸球面状の外面60と下流側排気管300の端部に形成された径拡大部301の凹球面部302との摺接でこれを許容するように構成されている。
【0058】
排気管球面継手に組込まれた球帯状シール体58又は61は、その球帯状基体56内に形成された断熱層59により、該球帯状シール体58又は61が嵌合着座せしめられた上流側排気管100を導通する排気ガスの熱の伝達が極力抑えられているので、とくに、該球帯状シール体58又は61の大気中に曝される部分凸球面状の外面60への排気ガス熱の影響が抑えられるので、当該部分凸球面状の外面60における高温酸化が極力抑えられる結果、球帯状シール体58又は61の酸化消耗、ひいては酸化消耗に起因するシール性の低下等を生じることがない。
【0059】
また、球帯状シール体58においては、外層57は、膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網4からなる補強材5とを有しており、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面60は、前記耐熱材と補強材5とが混在一体化された平滑な面となっている結果、該外層57への排気ガスの熱の伝達が抑えられて当該外層57部位での酸化消耗が抑制されていることと相俟って相手材との摺接においては、相手材表面に外層57を形成する耐熱材の過剰な被膜の形成を抑制し、相手材表面との円滑な摺接が行われるので、球帯状シール体58の密封性等の耐久性を高めることができ、球帯状シール体61においては、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面60は、平滑な面であって、しかも、潤滑滑り材と補強材5とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっているので、相手材との摺接において円滑な摺動が行われる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、相手材と摺接する外面への排気ガスの熱の伝達を極力抑え、該熱に起因する外面の酸化消耗を抑え、耐久性を高めることができると共に排気ガス温度の低下を防ぐことができる自動車排気管の球面継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球帯状シール体の好ましい一例の縦断面図である。
【図2】本発明の球帯状シール体の製造工程における補強材の形成方法の説明図である。
【図3】本発明の球帯状シール体の製造工程における耐熱シート材の斜視図である。
【図4】本発明の球帯状シール体の製造工程における断熱シート材の斜視図である。
【図5】本発明の球帯状シール体の製造工程における重合体の斜視図である。
【図6】本発明の球帯状シール体の製造工程における筒状母材の平面図である。
【図7】図6に示す筒状母材の縦断面図である。
【図8】本発明の球帯状シール体の製造工程における耐熱シート材の斜視図である。
【図9】本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図10】本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図11】本発明の球帯状シール体の製造工程における予備円筒成形体の平面図である。
【図12】本発明の球帯状シール体の製造工程における金型中に予備円筒成形体を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図13】本発明の球帯状シール体の製造工程における潤滑被覆層を形成した耐熱シート材の縦断面図である。
【図14】本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図15】本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。
【図16】本発明の球帯状シール体の製造工程における予備円筒成形体の平面図である。
【図17】本発明の球帯状シール体の他の好ましい例の縦断面図である。
【図18】図17に示す例の部分凸球面状外面の部分拡大断面図である。
【図19】図1及び図17の例の球帯状シール体を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
【符号の説明】
4 金網
5 補強材
52 円筒内面
53 部分凸球面状面
54、55 端面
56 球帯状基体
57 外層
58 球帯状シール体
59 断熱層
60 外面

Claims (14)

  1. 円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球帯状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた球帯状シール体であって、球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合って円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを有しており、外層は、膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっていることを特徴とする球帯状シール体。
  2. 外層は、潤滑滑り材からなる潤滑被覆層と、この潤滑被覆層に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記潤滑滑り材と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっていることを特徴とする請求項1に記載の球帯状シール体。
  3. 潤滑滑り材は、四ふっ化エチレン樹脂及び窒化ホウ素のうちの少なくとも一つからなる請求項2に記載の球帯状シール体。
  4. 断熱層は、セラミックシート又はペーパーからなる請求項1から3のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  5. セラミックシート又はペーパーは、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム及び炭化ケイ素から選択された断熱材からなる請求項4に記載の球帯状シール体。
  6. 円筒内面において球帯状基体の膨張黒鉛からなる耐熱材が露出している請求項1から5のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  7. 円筒内面において球帯状基体の金網からなる補強材が露出している請求項1から5のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  8. 円筒内面と部分凸球面状面と該部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球帯状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた球帯状シール体の製造方法であって、膨張黒鉛からなる耐熱シート材と厚さ方向に複数個の孔を備えた断熱シート材と金網からなる補強材とを重ね合わせたのち、この重合体をうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する工程と、別の耐熱シート材を準備し、該別の耐熱シート材と該別の耐熱シート材を覆って配した金網からなる別の補強材とからなる外面層形成部材を形成する工程と、該外面層形成部材を前記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、該コアを金型内に配置すると共に該金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とからなり、球帯状基体は、断熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合った断熱シート材からなる円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを含んでおり、外層は、膨張黒鉛からなる耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっていることを特徴とする球帯状シール体の製造方法。
  9. 円筒内面と部分凸球面状面と該部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球帯状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた球帯状シール体の製造方法であって、膨張黒鉛からなる耐熱シート材と厚さ方向に複数個の孔を備えた断熱シート材と金網からなる補強材とを重ね合わせたのち、この重合体をうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する工程と、一方の表面に潤滑滑り材からなる潤滑被覆層を備えた別の耐熱シート材を準備し、該別の耐熱シート材と該別の耐熱シート材の潤滑被覆層を覆って配した金網からなる別の補強材とからなる外面層形成部材を形成する工程と、該外面層形成部材を前記筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、該予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、該コアを金型内に配置すると共に該金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とからなり、球帯状基体は、断熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材と、該補強材及び耐熱材と相互に絡み合った断熱シート材からなる円周方向に広がる少なくとも一層の断熱層とを含んでおり、外層は、潤滑滑り材からなる潤滑被覆層と、この潤滑被覆層に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記潤滑滑り材と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっていることを特徴とする球帯状シール体の製造方法。
  10. 潤滑滑り材は、四ふっ化エチレン樹脂及び窒化ホウ素のうちの少なくとも一つからなる請求項9に記載の球帯状シール体の製造方法。
  11. 断熱シート材は、セラミックシート又はペーパーからなる請求項8から10のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  12. セラミックシート又はペーパーは、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素から選択された断熱材からなる請求項11に記載の球帯状シール体の製造方法。
  13. 重合体を耐熱シート材を内側にしてうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する請求項8から12のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
  14. 重合体を金網からなる補強材を内側にしてうず巻き状に捲回して筒状母材を形成する請求項8から12のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方法。
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